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電走部
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6 :
side I
[saga]:2019/08/17(土) 09:11:23.86 ID:839e+VoWO
……
キーンコーンカーンコーン……
「おーい楽満ー。今日オケ」
須磨「わり! 用事! じゃあな!」
しっかし。
木田「どうした急に。部活なんて」
須磨「まあな、見学だけでも」
入学当初、遊ぶ時間が減るからと楽満は部活動をしないつもりのようだった。
進級して2年生となった今に、どうしてまた。
しかもどうして俺まで付き合わされているのだろう。
木田「何部だ」
須磨「でんそーぶ!」
木田「デンソーブ……?」
こいつの奇行、凶行、思い付きからなる蛮行の数々……枚挙に暇がない。
それなりの付き合いになるが、この程度の事であれば軽いものだ。
ところで「デンソーブ」とは聞いた事がないが……いや。
木田「電脳部の間違いか?」
須磨「あー、それよ。それ。その電脳部が、今年度からリニューアルしたっぽいのよね」
須磨「電気が走るって書いて電走部。察したろ?」
木田「電走部……ああ。専門の部活なんか、学校が認可できるものなのか」
今、日本で大流行りのネットゲームがある。
VR社から突如として発信された処女作で、社会現象。
世論・医療機関・教育機関の如何なる反対も、その熱と勢いでねじ伏せた一大ムーブメント。
Virtual Run。
限りなく精巧な電脳空間を、自由に身体を動かし走る。
たったそれだけの内容を、クオリティと販売戦略のみで叩き出し、多くの人を夢中にさせた。
目の前を歩く楽満も、最近始めたらしいプレイヤーのひとりなのである。
7 :
side M
[saga]:2019/08/17(土) 17:23:56.49 ID:839e+VoWO
ノックをし、引き戸に手をかける。
開いているようだ。
がららら……
?「――」
ヘッドホンを付けたまま、驚いた様子で俺を見る女子。
髪は黒く長く、隙間からぎょろりと覗く瞳。
薄暗い部室に煌々と輝くモニター。
いや、あんまり失礼なことを言うもんじゃないが、ホラーなヤツかと思った。
女子は画面にポーズらしいものをかけて、ヘッドホンを外した。
?「な、何……?」
須磨「ああ喋れたんだ。いや、電走部ってここで合ってる?」
?「廃部の話ならこないだ話したんだけど。帰って」
須磨「廃部? いや、見学したいんだけど」
?「見学って……」
木田「コイツが入部希望だ。急ですまないな」
?「ふーん」
パソコン室に置いてあるような椅子から身体を回し、そいつはようやくこっちに正対した。
8 :
side M
[saga]:2019/08/17(土) 17:32:24.14 ID:839e+VoWO
?「あんた、レートは」
須磨「レート?」
?「VRのレート。入部したいってなら、やってるんでしょ」
女子の口から出てきた言葉に驚く。
レートっていうのはこう、Virtual Runがどれだけ上手いか、早いかっていう数字のこと。
須磨「まあ、そりゃVirtual Runは早さを競うスポーツの側面もあるけどさ。自分はも少し、こう、ゆるーくやりたかったんだけど」
?「そ。じゃあ不合格。帰って」
日頃から木田にこぼしているような話をすると、女子は途端に高圧的になる。
部としての方針は分かった。が……
親切心ならまだしも、ずいぶん不躾なもんである。
須磨「おぉいおい。そんじゃ初心者ちゃんがやりたいって来た時どうすんだい」
?「馬鹿? 入れるわけないじゃん」
須磨「なるほど、顧問の方針?」
?「は? それは常識でしょ」
後ろで木田が狼狽えているような気はするが、俺はスタンスを崩さないし、女は見下した態度を強めていく。
女ってこういうところあるよなあ。悪かったってば。
須磨「あー。独断ね……部長さんです?」
?「だから何。部員あたし1人なんだけど」
須磨「えっ」
木田「な」
wow……
大丈夫だろうか……色々……
木田に目配せするが、小さくかぶりを振るばかりであった。
9 :
side M
[saga]:2019/08/17(土) 23:09:02.80 ID:839e+VoWO
須磨「出直しますわ、なんかすんませんね」
?「もう来なくていいから。じゃ」
がららら。……ぴしゃ。
須磨「意外と丁寧に閉めんのな」
木田「聞こえてるぞ。引こう」
とはいえ閉め出されてしまった。取り付く島もない。
彼女に直接入部希望するのは下策だろうし、顧問の先生を探してみるか。
木田「まさか、本当に入る気か」
須磨「おう。良さげじゃん?」
木田「良さげ要素どこだ。嘘だろ」
須磨「室外機近いしエアコン効いてた。モニター2つ、デスクトップ2つ、ラップトップ2つ、椅子も何脚かあったし、インプットも揃ってる。ソファまで入ってた」
木田「あの短時間で抜け目のない……いや、待て。まさかとは思うが」
須磨「隅っこに追いやればたむろれるんじゃね?」
木田「あーあーあー! この馬鹿!」
木田は余計なことに首を突っ込みたくないらしい。知ってる。
大方、あの娘っこが元の部員を追い出したか、3年が卒業して消えたのだろう。
それを機に「電脳部」から「電走部」に申請し直したというところか。
須磨「センコーは話が分かりそうだし、凸ってみっか」
木田「……」
須磨「ほーいほいほい。付き合え」
木田「相手は女子だ。やめといた方がいいんじゃ」
須磨「殴り合うわけじゃねえんだ、ヘーキヘーキ」
同じゲーマーはゲーマーでも、ある事については俺の専売特許なんだ。
今の気分は「何とかなるさ」と「上手くやるさ」が合わさって最強に見える。
やると決めたらやってみる。それが人生楽しむコツ。
10 :
side I
[saga]:2019/08/17(土) 23:31:53.21 ID:839e+VoWO
がららら。
須磨「失礼します。大和田先生いらっしゃいますか」
木田「失礼しゃっす。」
「大和田先生はあっちの席よ」
須磨「お、美羽セン。ありがとうございます」
「あんた何しに来たの……」
須磨「あ、担任。ちっすちっす」
「悪さすんじゃないわよ」
須磨「あれ? ここ?」
「大和田さんはお手洗いだ。少し待ってろ戻ってくっから」
須磨「舘岡T! うっす、2年から絡みなくてつまんないスよ」
「Tシャツみたいに呼ぶな」
頻繁に出入りするわけでもないのに、我が物顔で職員室を闊歩する親友。流石と言ったところか。
須磨はああ見えて素行は悪くない。
誰にでも親切だし、物事の一線はちゃんと引いている。
とてつもなくうるさいが、巻き込まれた人間にはそれすら楽しいと思わせる何かがある。
大和田「およ……どうしました、おそろいで」
俺たちに教えている2年、現代文・古文の先生。大和田 仁(おおわだひとし)
フッサフサの白髪と、短い背丈を更に丸めた小ささがトレードマーク。
校内最高齢にして授業の評判も良く、人徳を兼ね備えた重鎮……というのが俺の印象。
須磨「あ、来た来た。ひとしセンセ、電走部の顧問ってホントっすか? さっき……」
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