このスレッドは1000レスを超えています。もう書き込みはできません。次スレを建ててください
【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である2nd【二十一輪目】
- 117 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/01/30(木) 00:22:27.46 ID:uIqXzMrLo
-
では途中ですがここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から
- 118 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/01/30(木) 00:26:25.04 ID:tCJ3nb12O
- 乙
攻められる久遠さんは相変わらず色っぽいぜ…
- 119 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/01/30(木) 00:41:48.59 ID:Fip7j7f9O
- 乙
これはもうただの官能小説では…?
2日くらい休み入れて書き溜めて良いと思う
- 120 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/01/30(木) 02:37:08.15 ID:VudHG57nO
- 乙
久遠さんも久遠さんで溜まってたのかなあ
結構根がエッチだし
- 121 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/01/30(木) 08:52:30.02 ID:SjdtI6ONo
- 乙
まだキスしかしてないんだよな…
- 122 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/01/31(金) 00:05:01.02 ID:7yx1L+nWo
-
すみませんが本日はお休みとさせていただきます
明日はできれば通常時間から
- 123 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/01/31(金) 06:04:38.00 ID:7XID35nQO
- 乙
- 124 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/01/31(金) 21:37:15.92 ID:7yx1L+nWo
-
では少しだけ
- 125 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/01/31(金) 21:38:04.55 ID:JME/PKVGO
- やったぜ
- 126 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/01/31(金) 21:50:17.25 ID:7yx1L+nWo
-
キスをしながら、少しずつ感覚を左手へと移していく。
寝るとき用のブラジャーと肌着一枚
その上にかぶさる患者衣の感触に阻まれながらも、
乳房の柔らかさは樹の手にしっかりと伝わってくる。
揉むのではなく擦り、なぞる
天乃「んっ……ふぁ……んんっ」
樹「ん……っはふ……」
キスだけでなく、
胸を愛撫すると天乃の反応が少しだけ強くなる。
キスだけの時にはまだ穏やかに感じられていた吐息すら我慢できずに、
樹の口の中に空気が流し込まれていく。
樹はそれを吐き出すことなく飲み込んで、
唇と唇の隙間から空気を取り込む
樹「んっ……っは」
小さな手では覆いつくすことのできない魅惑的な乳房
親指と人差し指を限界まで広げて手のひらを被せた樹は、
親指を固定し、小指から人差し指の流れで……天乃の胸を撫でて刺激する
- 127 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/01/31(金) 22:24:26.78 ID:7yx1L+nWo
-
天乃「ぁ……ふ……あっ……んんぅ!」
樹「んくっ……っふ……」
慎重に扱わなければと、
樹は天乃の唇を舌で割るのを抑えつつ思う
揉みしだきたくなるような豊満さのある胸だけれど、
今は母乳が出てしまう上に、天乃の性的な弱点だ
そこに触れるのは限りのない愛情でなければならない
キスをし、胸を撫でてあげると天乃とつながる右手が弱い力で強く握られて、
それを判断材料とした樹はようやくキスを止めて距離を取る
天乃「ゃへ……ぁ……」
樹「………」
天乃「ぁふ……ぅ……んっ」
長く深いキスでふやけた口はおぼつかない。
樹の舌の感触、唇への圧迫感
堪えるようにつばを飲み込むと、樹の味が体に満ちていく
- 128 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/01/31(金) 22:41:28.82 ID:7yx1L+nWo
-
天乃「はっ……はぁっ……ぁ……」
キスと愛撫……同時に受ける心地よさは久しぶりの天乃の体には強くて
樹の手は止まっているのに、昂りは収まらずに早まっていく
同時にされると急激に強まっていく体の熱が怖いのに、
手を止められてしまうと、中途半端さが切なさを孕む
もう少し優しくして……そう、言いたいのに。
感じ始めたばかりの体は求めてしまう
樹「………」
天乃の手を握る力が弱まったのを感じ、樹は声なく微笑んでキスをする
優しく、触れるだけ。
さっきまでの淫靡さはない、仕切り直しの合図
樹「優しくします」
天乃「ん……」
樹「全部任せてください、久遠先輩」
言葉を交わし、樹はもう一度唇を重ねる
- 129 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/01/31(金) 22:55:20.43 ID:7yx1L+nWo
-
軽く、浅くですぐに離れたけれど、
眼下に見える息の整わない天乃の絶え絶えな表情は性的で、
樹は欲求が強まっていくのを下腹部に感じ、息を飲む
愛に満ちた唇、ぼんやりと蕩けた瞳
呼吸のたびに揺れる胸の柔らかさが、添えたままの左手を包み込む
愛おしさが溢れて、好き……という気持ちが行動を支配する
天乃「っぁ……は……ぁっ」
樹「んちゅ……ちゅ……っぁ……む……」
天乃「んんっ」
右の乳房を手のひらで包むように扱いながら、
横になった天乃の体に覆いかぶさるようにして、首筋へのキスをする
触れるだけのキス、咥えこむようなキス
僅かに覗かせた舌でなぞってあげると、
びくびくとした反応が返ってきて……かすかな快感の声が天乃の口から洩れて
それがまた、樹の情欲を高めてしまう
樹「………」
可愛い声を聞きたい気持ちと奪ってしまいたい気持ち
樹は顔を上げると、先走りそうな気持を何とか飲み込む
樹「好きです……大好きです、久遠先輩」
暴れそうな自分に、そして何よりも天乃へと
樹は素直な強い気持ちをはっきりと告げて、天乃の体を抱いた
- 130 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/01/31(金) 23:11:36.80 ID:7yx1L+nWo
- √ 2月17日目 朝 (病院) ※木曜日
01〜10 夏凜
11〜20
21〜30
31〜40 樹
41〜50
51〜60 九尾
61〜70 若葉
71〜80
81〜90
91〜00 千景
↓1のコンマ
- 131 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/01/31(金) 23:12:44.06 ID:JME/PKVGO
- あ
- 132 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/01/31(金) 23:28:17.86 ID:7yx1L+nWo
-
ではここまでとさせていただきます
明日はできれば少し早い時間から
すみませんが終わりどころが見えなかったので割愛しました
余裕があれば完成版を後日
- 133 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/01/31(金) 23:33:39.57 ID:JME/PKVGO
- 乙
えっちなシーン自体久々なせいかキスの段階で力の入れようが凄い…
完全版も楽しみに待ってます
- 134 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/02/01(土) 01:40:11.50 ID:B5RWlbr4O
- 乙
久々の完全版くるのか
全裸で待機だな
- 135 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/02/01(土) 20:10:20.52 ID:7eA3obn5o
-
では少しずつ
- 136 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/02/01(土) 20:42:36.61 ID:4fnyHD7zO
- きてたー
- 137 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/02/01(土) 21:03:03.95 ID:7eA3obn5o
-
√ 2月17日目 朝 (病院) ※木曜日
天乃「ん……っ」
引っ張り出されるように意識を手に取って、瞼を開いて
腕、足
指先にまで力を通して体を伸ばして
真横の寝息に耳を傾ける
天乃「……まったく」
すやすやと眠る樹は、
常に攻めに立ち、天乃を貪りつくして心も晴れたのか
昨夜の淫らさは微塵も感じられないほどに幼く見える
天乃「満足げな寝顔……してくれちゃって」
樹「んぅ……ぅ……」
頬を指でつつくと、
樹は空気を零して唇を動かすと
少しだけ体を捩って、また寝息をたてる
遅くはないが早くもなかったのだ
多少手を出された程度では起きないらしい
- 138 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/02/01(土) 21:39:07.80 ID:7eA3obn5o
-
天乃「あんなに……」
冷静な頭で考えてしまうと
酷く散々な目に遭ってしまったのではないかと思う
けれど、天乃の体だって十分に満足させられてしまった
どちらかというまでもなく、悦んでいた
天乃「……っ」
唇に、指先が触れる
熱は薄れ、感触もない
けれど愛された記憶はしっかりと馴染んでいる
もう一方の手が布団の中で動こうとした瞬間――
夏凜「止めときなさいよ。さすがに体に影響が出る」
天乃「ぇっ!?」
夏凜「……どうしてここにって質問なら、千景に聞いたって答えるけど?」
天乃「ちがっ……わ……」
夏凜「別室に二人っきりって時点で想像できるわよ」
天乃「ぁ……ぅ……」
自分がしようとしたこと
それを夏凜に見抜かれて……天乃は顔を真っ赤にして布団で顔を隠す
そんな天乃を、夏凜は優しく見つめてすぐ隣の樹を一瞥する
- 139 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/02/01(土) 22:19:11.83 ID:7eA3obn5o
-
夏凜「樹、文句言ってなかった?」
天乃「……何の話?」
夏凜「言ってなかったならそれでいいわよ」
天乃に溜めるだけ溜めさせて
子どもがいるから。と、
中途半端に終わらせたことを
樹は何も言わなかったのだろうか
言わなくても思っているかもしれない
夏凜「それはそうと、起きて早々触ろうだなんて……あんたも相当危ないんじゃないの?」
天乃「さっきのは違うからっ」
夏凜「何が違うのよ。まんまそういう行動だったでしょ」
天乃「っ……」
辛さはなく、
ただ恥ずかしさを感じる天乃の顔色
夏凜は目を細めてしっかりと観察すると、息を吐く
夏凜「穢れの影響ではないのよね?」
- 140 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/02/01(土) 22:54:26.93 ID:7eA3obn5o
-
天乃「ええ、それは大丈夫」
夏凜「なら良いんだけど……」
天乃「良いの?」
夏凜「そりゃいいでしょ。穢れの影響で大変なこともあったんだし」
天乃「………」
穢れの影響ではないと言うことは、
つまり朝起きて早々
そういうことをしてしまいそうなえっちさは天乃自身の問題ということになる
それが良いのかどうか聞いたつもりだった天乃は、
夏凜の返答が的外れだと察して顔を顰める
穢れの影響が出ていないことへの安堵をしてしまう気持ちは分かるけれど。
樹が文句を言わなかったのか気にするくらいなら
手の一つでも出せばいいのにと
天乃は昨夜の樹の積極さもあってか……やや不満を思う
1、自分が相手もしなくても良いってこと?
2、穢れの影響でもなければ手も出してくれないなんて
3、樹は凄く優しくしてくれたわよ……激しかったけど
4、夏凜は良いの? えっちな私で
5、子供の様子は見てきてくれた?
↓2
- 141 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/02/01(土) 22:58:07.41 ID:4fnyHD7zO
- 2
- 142 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/02/01(土) 23:03:45.64 ID:gtq/htk5O
- 2
- 143 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/02/01(土) 23:20:49.47 ID:7eA3obn5o
-
ではここまでとさせていただきます
明日はできればお昼ごろから
- 144 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/02/01(土) 23:31:27.72 ID:4SFAvwX5O
- 乙
夏凜ちゃん、心配なあまりに久遠さんが欲求不満になってることに気付いてない…?
あと樹ちゃんは一体どんなプレイをしたのだろうか
- 145 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/02/02(日) 08:41:29.52 ID:nA336BaTO
- 乙
- 146 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/02/02(日) 15:21:22.67 ID:vb9aHmu7o
-
では少しずつ
- 147 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/02/02(日) 15:30:09.23 ID:XKqAyr7gO
- よしきた
- 148 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/02/02(日) 15:44:03.77 ID:vb9aHmu7o
-
天乃「……穢れの影響でもなければ手も出してくれないなんて」
夏凜「は?」
天乃「なによその反応、違うって言いたいの?」
夏凜「違うとか違わないとかじゃ――」
天乃「貴女にとって私は恋人じゃなくて母親だものね。もうそういう相手にならないんでしょ?」
夏凜「いや、だから……」
天乃「樹が文句言ってなかった? って何なのよ。私が不満に思ってることお見通しだったんじゃない」
夏凜「そ――」
天乃「そんなこと気にして朝様子見に来るのってどういうつもりなのよ」
夏凜「あ――」
天乃「夜は帰らないけど一応朝帰りするお父さん気分でも味わってるわけ?」
夏凜「………」
天乃「どうせ……夜も朝もえっちばっかりなふしだらな女の子よ。私は」
ムッとして
夏凜の答えすら聞かずに言葉を投げつける
対話としては最低だけれど
感情論に対話も何もあったものではないのだから仕方がない
- 149 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/02/02(日) 16:10:37.91 ID:vb9aHmu7o
-
夏凜「わ……」
天乃「………」
一言目を発して
天乃が何も言ってこないことを確認してから、息を飲む
心なしか隣の樹が起きてくれることを祈りたくなる状況だが、
起きていても起きていないふりをするだろう
夏凜「……分かってたわ。天乃が言った通り」
天乃「………」
夏凜「けど、子供がいたし……」
天乃「いたし?」
夏凜「………」
区切った言葉を繰り返し、クエスチョンマークで殴り掛かってくる天乃を、
夏凜は逸らしてしまいそうな視線を抑え込んで見つめる
別に浮気しているわけでも何でもない
ただ、エッチな女の子がエッチしてくれないことを不満に思っているだけ。
考えを改めて、息を吐く
- 150 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/02/02(日) 16:35:39.32 ID:vb9aHmu7o
-
夏凜「無駄な言葉を省けば、ただ自信がなかったのよ。分かるでしょ?」
天乃「分からない」
夏凜「………」
はっきりと断言されては文句も言えない
膨れているのは相変わらずだし
ちょっと怒ってるのよ、聞く耳持たないわ。と、言いたげに目線は下向きだ
夏凜「天乃は知ってると思うけど――」
天乃「知らない」
夏凜「知ってるでしょ。やるのはアンタなんだから」
天乃「………」
夏凜「私はそんなにやらなかったから、頭にはあっても体には何もない」
天乃の体を気遣っていたからだし、
みんながいるからその役目は……と身を引いていたこともある
だから、いざ手を出せるようになったからと言って
不満たっぷりな天乃を自分の手でどうにかできる。なんて慢心はなかった
夏凜「その点、東郷達なら十分に果たせる。樹だって、私よりは遥かにましだったはず」
- 151 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/02/02(日) 17:22:39.43 ID:vb9aHmu7o
-
樹は元から天乃に好意を抱いていたし
率先して調べた夏凜や東郷に続いて念入りに調べて
今だってそれを欠かしていない
天乃「つまり、私みたいなエッチな子には付き合えないってこと?」
夏凜「そんなわけないでしょ。昨日だって――」
天乃「なら、昨日来てくれたって良かったわ」
夏凜「……耳が痛いわね。それ」
感情が矢面に立ってはいるが、
天乃は何も考えなしに責めてきているわけではない
悪意がなかったにせよ、
自分の不手際であるならば、どれも言い訳にしかならない
そう思ってか、夏凜は空気を読まずに苦笑する
天乃「……なによ」
夏凜「言ったじゃない、私には乙女的思考回路が欠如してるって」
天乃「そんなこと聞いてない」
夏凜「夜待ってるとでも言ってくれれば、さすがの私だって行ったわよ」
天乃「言わなくても来てくれたっていいじゃない」
- 152 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/02/02(日) 17:33:14.88 ID:vb9aHmu7o
-
夏凜「夜だし、子供もいるから起こしたら悪いかもって思ったのよ」
天乃「樹はそれでも来てくれたわ」
夏凜「……樹には、そこら辺の知識があるから」
天乃「言い訳ばっかり」
夏凜「何言っても言い訳にしかならないことくらい分かってるわよ」
言い負かされるのは火を見るよりも明らかだ
天乃がぼろを出すことなんて期待していない
負け戦ならば負け戦らしく
とことんまで敗北してしまえばいい
夏凜はそう考えて、あえて言い訳をする
そうすれば、天乃の本音が返ってくるからだ
自分の何が悪かったのかは分かっている
ただ謝ればいいわけでもないことも分かっている
夏凜「でも、天乃が恥ずかしがることを私が平気でできると思わないで」
天乃「………」
夏凜「あんな話した日の夜に部屋に来るなんて……そんなの、完全にそれ目的じゃない」
1、いいじゃない私相手なんだから
2、じゃぁ夏凜はもう禁欲し続けてればいいのよ
3、私が行かなかったのが悪いって言いたいのね
4、互いに求めてたんだから気にしなくたっていいじゃない
↓2
- 153 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/02/02(日) 17:58:18.46 ID:AkVpcbOhO
- 1
- 154 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/02/02(日) 18:13:31.27 ID:DUQKLSVVO
- 2
- 155 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/02/02(日) 18:48:12.12 ID:vb9aHmu7o
-
天乃「じゃぁ夏凜はもう禁欲し続けてればいいのよ」
夏凜「なんでそうなんのよっ」
天乃「それ目的の会話が苦手なんでしょ? 一生禁欲してなさい」
夏凜「一人ですることも出来るんだけど……」
天乃「家ではさせないわよ」
夏凜「はぁっ!?」
天乃「部屋には私がいるからね。一人部屋は断固許しませーん」
夏凜「ぐっ……」
だーめ。と、
両手の人差し指をクロスさせた天乃は、夏凜をじっと見つめる
その背後で、もぞもぞと動いた樹は、
寝ぼけていない目を夏凜へと向けた
樹「あの……そろそろ口を挟んでも?」
夏凜「樹……」
天乃「起こしちゃった?」
樹「起きてました」
- 156 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/02/02(日) 18:59:40.69 ID:vb9aHmu7o
-
誤魔化しても仕方がないだろう言うように答えた樹は、
ため息をついて体を起こし、乱れたままの服を少しだけ直す
樹「夏凜さんが超絶奥手なのは分かってたことじゃないですか」
天乃「ええ、分かってるわ」
樹「なら……」
ぐっと体を伸ばした樹は、
天乃へと体を寄せて、耳元に顔を近づける
天乃の髪に隠れて見える夏凜へは、目を細めて
樹「……昨日の夜みたいにしたらいいじゃないですか」
天乃「ひゃっ」
夏凜「なっ」
ぼそぼそと、空気の触れるこそばゆさに天乃の声が上がり、
耳に手を当てて、かがんだ天乃の上で二人の視線が交錯する
勝ち誇った表情と、堪えた表情
天乃「ぁ……あんなの……」
樹「あれを使えば夏凜さんだってイチコロだと思いますが」
天乃「雰囲気っていうものがあるのっ」
- 157 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/02/02(日) 19:15:34.79 ID:vb9aHmu7o
-
夏凜「あんたねぇ……」
樹「夏凜さんも夏凜さんです」
夏凜「っ」
天乃はその決断をしてくれたし、
夏凜は許可を出してくれた
だから、今更言うことではないけれど、
天乃に本当に選ばれた相手である夏凜に、樹は嫉妬している
別れろだなんて思わない
それでもやっぱり一番に選ばれたことはうらやましいと思う
樹「満足させられないかとか、どうとか……夏凜さんが何を言ってるのか私は分からないです」
夏凜「………」
樹「夏凜さんが満足させたいのは体だけなんですか? 心は満足させられなくてもいいんですか?」
夏凜は文句が無いかと気にしていた。
天乃には特に何も言わなかったけれど、
本人が気にしているのならと……樹は夏凜を見定める
樹「好きな人の為に命懸けられるなら、恥ずかしいことくらい別にいいじゃないですか」
天乃が想う一番にはなれなかったとしても
天乃を想う一番は自分であると信じている
だからこそ、樹は常に思うのだ
樹「もちろん、私は平気ですよ?」
想われる一番の夏凜は、一番想っているわけではないのか。と
そうでなければ、一番想っていても一番ではなかったことが悔しくなってしまう
- 158 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/02/02(日) 19:38:30.33 ID:vb9aHmu7o
-
夏凜「……命懸けることと比べれば、簡単だけど」
樹「だったら、久遠先輩を満足させてあげてください」
正直ではない夏凜の返答
言い返すことも出来るけれど、
天乃が散々責めた後に自分があれこれ言っても仕方がない
夏凜が気にしていた文句だけ。それだけで十分だ
樹「お二人はもう少し、互いへの遠慮がない方がいいと思いますよ」
布団から足を出し、脇に降り立った樹は、
崩れた患者衣を完全に直してスリッパを履く
樹「先に向こう戻るので……あんまり喧嘩しないでくださいね」
ただの痴話げんかだ
どうせ絶交にまで至らないだろうし
天乃の攻めに夏凜が耐えられるわけもないので
どうせ半ばで折れていたことだろうから
樹は半笑いで振り返り、それだけ言い残して病室を出ていく
残された二人は、
言葉もなく……目を向けることもせずに頬をかいた
- 159 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/02/02(日) 19:40:49.15 ID:vb9aHmu7o
-
√ 2月17日目 朝 (病院) ※木曜日
1、夏凜を引き留める
2、引き留めない
↓2
- 160 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/02/02(日) 20:01:10.97 ID:BOAuWrPxO
- んー1で
- 161 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/02/02(日) 20:11:43.79 ID:nnu8EPXqO
- 1
- 162 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/02/02(日) 21:19:53.60 ID:vb9aHmu7o
-
夏凜「あー……じゃぁ、その」
天乃「待って」
夏凜「っ」
天乃「ここまで来たんだから、いて頂戴」
すぐに身を翻した夏凜の服の裾を掴んで引き留める
ここまで言って
樹にまであんなこと言われて
それで帰ろうなどと誰が許すものか
天乃「それとも、貴女は私と二人きりじゃ我慢ならない?」
夏凜「そんなことないけど」
天乃「だったらいいでしょ?」
夏凜「……分かったわよ。ごめん」
目を合わせない要求
夏凜は小さく謝罪を述べると、
天乃の手が離れないまま、ベッドをきしませる
- 163 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/02/02(日) 21:42:47.48 ID:vb9aHmu7o
-
夏凜「樹は良くしてくれた?」
天乃「ええ、とっても」
夏凜「そう……私には無理だったわ」
天乃には悪いが、
やっぱりそこに自信を持つには経験が浅い
夏凜はその自嘲も込めた笑いを見せると、仰向けに倒れこむ
解っていてか、偶然か
丁度いい位置にあった天乃の太腿が頭を支えてくれる
天乃「動かなくなったら責任とらせるわよ」
夏凜「責任取るわよ。当然」
二度と動かなくなるなんてことはさせないけれど、
先の見えない世界である以上万が一のことがある
けれど、そうであっても尽くしていく覚悟はある
その覚悟はあるのに……もっと簡単なはずの覚悟がなかった
夏凜「天乃」
天乃「………」
そうっと頬に手を伸ばすと、
天乃は拒否することなく受け止めて、目を閉じる
- 164 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/02/02(日) 22:01:54.55 ID:vb9aHmu7o
-
髪が手の甲にかかる
さらりとした桃色の髪を親指で挟み、軽く梳く
天乃は何も言わない
閉じた瞼は受け止めるだけだ
夏凜「疲れてない?」
天乃「少し疲れてるわ……昨日も遅かったの」
夏凜「子どもを第一に考えるんじゃなかったっけ?」
天乃「……母親失格ね」
まだ幼い子供を残して性的な行為に没頭してしまう
なんてダメな母親だろうかと、
天乃は夏凜の手に手を合わせて、苦笑する
ゆっくり開いていく瞳には、同じく笑う夏凜の瞳が映る
夏凜「毎日はさすがにどうかと思うけど、数日に一回くらいなら良いんじゃない?」
あれもこれもダメだなんていうのは
いくら母親だからと言っても我慢のさせ過ぎというものだろう
少しの息抜きくらいは必要だ
だからこそ自分が……と、夏凜は今更に思う
- 165 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/02/02(日) 22:22:52.49 ID:vb9aHmu7o
-
夏凜「……私がやるべきだった」
天乃「やらなかったくせに」
夏凜「少し後悔してる」
天乃「あら、貴女らしくもない」
夏凜「………」
さっきまでの怒った様子はなりを潜めていて
声色も、とても優しいものに戻っている
夏凜はそれを咥えるように唇を動かすと
呑み込んで、笑みを見せる
夏凜「そりゃ、樹にあんなこと言われたら……悔やみもするわよ」
あれは挑発だ
天乃にはちょっとした意地悪のように聞こえただろうけれど、
あれを使えばイチコロだ。なんて
見てみたくないと言ったら嘘でしかない
夏凜「なにしてたのよ……二人で」
天乃「……気持ちいいこと。かしら?」
夏凜「分かってるわよそんなことはっ!」
1、次は相手してくれる?
2、気になるなら樹にでも聞いたら? 私は嫌よ。言いたくない
3、……樹は私の案に乗ってくれたわ
↓2
- 166 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/02/02(日) 22:30:59.20 ID:LmmOcnLXO
- 3
- 167 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/02/02(日) 22:32:13.00 ID:OqX0GLxJ0
- 2
- 168 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/02/02(日) 22:37:55.46 ID:vb9aHmu7o
-
ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から
樹(なんであんな話が始まるんだろう……)
郷「二人そろってなかなか素直にならないからね」
樹「!?」
東郷「久遠先輩は誘い受け前回なんだから夏凜ちゃんが乗っていかないと」
樹「それには同意ですけど、東郷先輩はもう少し自重したほうが……」
東郷「あくまで客観的意見を述べているだけ」
東郷「真面目な時は真面目よ。安心して、樹ちゃん」
- 169 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/02/02(日) 22:48:43.50 ID:LmmOcnLXO
- 乙
樹ちゃんが二人のキューピッドみたいになってるな
そして完全版が俄然楽しみになってきた
- 170 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/02/02(日) 23:29:11.55 ID:GMSPRwVvO
- 乙
痴話喧嘩かわいいな〜
- 171 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/02/03(月) 00:55:59.67 ID:LuOV8rrvO
- 乙
そもそも7人も嫁いるんだから多少えっちじゃないと務まらないでしょ
- 172 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/02/03(月) 08:17:44.62 ID:QfbvBMKKO
- 乙
嫉妬してるとか悔しいとか
それでも想う気持ちだけは負けてないとか
いっつんスゲー恋してんな
- 173 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/02/03(月) 22:10:26.00 ID:tCduys2uo
-
では少しだけ
- 174 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/02/03(月) 22:11:35.71 ID:XjYHxXGKO
- かもーん
- 175 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/02/03(月) 22:35:41.86 ID:tCduys2uo
-
天乃「気になるなら樹にでも聞いたら? 私は嫌よ。言いたくない」
夏凜「少しくらい話せないの?」
天乃「痴態の告白なんて絶対に無理」
夏凜「……そう」
樹はどれだけのことをしたのだろうか
天乃が絶対に話したくないと言って
樹が自慢げに挑発してくるところを見るに、
二人にとっては満足のいく行為だったに違いない
夏凜「いいわよ、別に」
天乃「聞かないの?」
夏凜「聞いてどうしろってのよ……上書きでもして見せろって?」
天乃「まさか」
夏凜「だったらいい」
聞けば、樹はどんなことを舌か教えてくれるはずだ
何を喜んだのか
どうしたら感じてくれたのか
夏凜がそこまで上手ではないと言った技量を埋めるべく、経験を教えてくれることだろう
夏凜「そこまで完敗するのは……許容できないわよ」
- 176 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/02/03(月) 22:56:27.14 ID:tCduys2uo
-
天乃「こんなことに勝つも負けるもないでしょ」
夏凜「本気で言ってる?」
天乃「私はどっちがいいだなんて採点しないもの」
何度か経験を経ている天乃だが、
誰の方が上手だとか
誰の方がよくしてくれるだとか
そんなことを考えたことは一度もない
――そんな余裕がなかった。とも言えるが
天乃「夏凜も樹も東郷達もみんなやり方が違う。どれもいいし、どれも好き」
夏凜「………」
天乃「温かくなれるから、いつもと同じくらい愛されてるって感じるから」
こんなことで愛を感じてどうするんだろうと思う気持ちも少しある。
けれど、それに浸ってしまった自分を見限らず
しっかりと付き合ってくれているということに想いを感じられるのだから、仕方がない
天乃「だから優劣なんてつけるつもりはないし、つけたくない。たとえ誰かに脅されたって、絶対よ」
- 177 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/02/03(月) 23:04:15.96 ID:tCduys2uo
-
こんなことで誰が脅すと言うのだろうか
いや、以前の大赦ならば何かしらやってきたかもしれない
子どもを産むこと
異性と付き合うこと
それを推し進めるようなことを考え、
悪五郎との関係でそれを回避した天乃の出産にまで
その魔の手を伸ばそうとしていた組織ならば。
夏凜「……贔屓は?」
天乃「ないわ」
夏凜「八百長は?」
天乃「なし」
夏凜「……全身使えば全員の相手もできるんじゃない?」
天乃「今の流れで受けると思う?」
でしょうね。と、
夏凜は苦笑して、天乃の頬から手を離す
天乃も抑え込む気はなかったようで、簡単に離せてしまう
近づくのも離れるのも
互いに拒むつもりはないのだろう
- 178 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/02/03(月) 23:29:25.59 ID:tCduys2uo
-
天乃「夏凜が私を愛してくれてることは分かってる」
夏凜「……ん」
天乃「でも、昨日も言ったけど……感じたいわ」
夏凜「そこは素直に悪かったと思ってる」
けれど、
学校を中退して傍に居る申し出を断っておきながら
相手しないと拗ねるとはどういうことかと、夏凜は天乃を見つめる
拗ねてたのは半分くらい本気だったし
申し出の拒絶だって本気
どっちも天乃にとっては真面目なこと
……ただ、そう。
あんな話、あんなことをして何もしませんでしたは怒られるのも当然だったかもしれない
面倒くさいほど絡まっているように見えても
解けば結局一本の糸だったりすることもある
天乃は単純に断続的に与えられるだけだった温もりが恋しかっただけで
それを目の前に持ち出して取り上げた自分が面倒にしてしまったのだと、夏凜は息をつく
夏凜「ねぇ、天乃のこと……予約は出来ないの?」
1、早い者勝ちよ。残念ね
2、不定休だからダメ
3、キャンセル料は高いわよ? 大丈夫?
4、参考までに、いつがいいの?
↓2
- 179 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/02/03(月) 23:32:12.17 ID:5yIP9R8BO
- 3
- 180 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/02/03(月) 23:36:24.43 ID:8wEkO/gBO
- 4
- 181 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/02/03(月) 23:40:35.50 ID:LuOV8rrvO
- 3
- 182 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/02/03(月) 23:48:33.99 ID:tCduys2uo
-
ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から
東郷「日程管理ならパソコンを使う?」
樹「デジタルな管理なんてアドバンスな感じで凄くグレイトですね」
樹「久遠先輩の過密なスケジュールのサイクルを紙やシンキングはとてもハードですから」
東郷「い、樹ちゃん……?」
歌野「どう? これが東郷さん完封の極意よ!」
風「えー……」
- 183 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/02/03(月) 23:57:21.77 ID:lOKnfOoXO
- 乙
横文字の力ってスゲー!
それはともかく夏凜ちゃんはどんなやり方で久遠さんを喜ばすのだろうか
- 184 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/02/04(火) 00:18:32.58 ID:KkVPwAKBO
- 乙
樹ちゃんがルー大柴に
- 185 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/02/04(火) 21:23:30.80 ID:KdJ8i6bKo
-
では少しだけ
- 186 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/02/04(火) 21:26:06.89 ID:D+51TXD8O
- あいあいさ
- 187 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/02/04(火) 22:13:11.06 ID:KdJ8i6bKo
-
天乃「参考までに、いつがいいの?」
夏凜「何の参考になるのよ」
天乃「スケジュール調整?」
夏凜「7人も相手いる時点であんたに休みなんてないわよ」
天乃「年中無休でエッチしてたら私壊れるわ」
子どもがいるのでそんなことはまずない
けれど、特定の誰か一人ではなく
複数人と交際する天乃にはある程度覚悟が必要だ
天乃「だから、一番何もしてくれない夏凜の話を参考にしておきたいの」
夏凜「……まだ怒ってる?」
天乃「怒ってないわ」
ちょっとした嫌味だと微笑む天乃に、
夏凜は困って眉を顰めると、口を開く
夏凜「次に天乃が大丈夫な日よ」
天乃「近すぎるわ」
夏凜「参考になるでしょ? みんなと同意見で」
- 188 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/02/04(火) 22:37:54.86 ID:KdJ8i6bKo
-
天乃「参考にならないんだけど……」
夏凜「みんながどれくらい我慢できるかの参考なんて必要ないでしょ」
天乃が本気で一言無理だと言えば、それでみんなの手は止まる
天乃が平気になるまでいくらでも待ち続ける
その分、待たせたあとが悲惨なことになるが。
夏凜「最短なら私が言ったように次の大丈夫な日だし、最長ならいつまでだって」
天乃「夏凜は待つんじゃなくて待たせる人でしょ」
夏凜「トラウマ持ちだから。幸せが怖いのよ」
今もまだ少し怖さはある
夜、隣で眠っていたはずなのに
朝、目を覚ましたら瀕死に陥っているあの光景、あの感触
今はもう、あんな悲劇は起こらないと分かっているけれど……
夏凜は薄く笑う
夏凜「出来るだけ早めでお願いするわ」
天乃「うん?」
夏凜「順番。いっそ整理券でも配っちゃえば?」
天乃「嫌よ、なんか変な感じするじゃない」
- 189 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/02/04(火) 23:00:46.16 ID:KdJ8i6bKo
-
夏凜「自由にどうぞはさすがに不味いんじゃないの?」
天乃「それはそうだけど……でも、夏凜は私が物みたいに扱われててもいいの?」
夏凜「全く良く――……あぁ、そうね」
ごめん。と、夏凜は得心がいって謝る
みんながそんなことするはずがないのは確かだ
しかし、整理券を配って
次はこの人、次はこの人
そうやって回されているのは、良い印象はないし
夏凜からしてみれば【愛し合う】というものから最も遠くに感じてしまう
天乃は知識がないからそんな言葉を知らないし使わないが
夏凜や東郷達にはその天乃が知らない最低な言葉が引き出されるような状況だ
天乃「みんなが私を満足させてくれるのは間違いないし、信頼してる。だから、そういうのは夏凜達が納得できるように決めて貰いたいわ」
昨日は誰だったから、今日は誰が行こうか
そんな相談をするのか天乃は分からないけれど
少なくとも、おかしな決め事を作ってしまうのは良くないように思う
夏凜「天乃がそれでいいならそれでいいけど、どうなっても責任はとれないわよ」
天乃「責任とってくれるんでしょ?」
夏凜「そういう責任までは取れないっての」
- 190 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/02/04(火) 23:14:39.87 ID:KdJ8i6bKo
-
天乃は何人まで同時に相手が出来るだろうか
少なくとも二人を同時に相手した経験は何度かあるはずだから、大丈夫だろう
しかし、二人と言わず三人
いっそ初回は全員で。などと
情け容赦なく切り出す人も勇者部の中に入るのがネックだ
それを多数決にした場合、
三人が賛成に回ることはほぼ確定している
友奈がいない期間であれば六人になるので半数が賛成になってしまう
樹は反対に加勢してくれるだろうけれど、風が意外に教育的指導とでも言って賛成しかねない
夏凜「ちなみに天乃って何人までなら相手できるの?」
天乃「え?」
夏凜「あくまで参考よ。参考……参考だからそんな目で見ないで」
止めるべきか見逃して平気なものか
夏凜はあくまでその参考で聞くつもりだと、ちょっと瞳を曇らせた天乃の手を握る
天乃「二人は……多分平気。でも、三人以上は分からないわ」
夏凜「やってみたい? みたくない?」
天乃「待って、その質問必要ある?」
夏凜「かなり重要」
冗談ではなく、本当に。
1、夏凜に任せる
2、知らないわよっ
3、好奇心で言えばある。けど……怖いわ
4、みたくない
↓2
- 191 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/02/04(火) 23:16:58.93 ID:WkcIpcqhO
- 1
- 192 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/02/04(火) 23:18:00.48 ID:VYywBiCQ0
- 4
- 193 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/02/04(火) 23:28:02.53 ID:KdJ8i6bKo
-
ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から
東郷「整理券なのね。生理券だと思ったわ」
風「急に何言ってるの?」
東郷「いえ、生理だから今日は出来ません。というお断り券的な意味かと」
園子「さすがわっしーその発想はなかった!」
東郷「それにしても、大丈夫な日って安――」
風「言うなーっ!」
- 194 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/02/04(火) 23:28:20.34 ID:FOfCCgoZO
- 3
- 195 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/02/04(火) 23:35:39.09 ID:WkcIpcqhO
- 乙
まぁ何人も同時はさすがに体が持たないだろうしやむ無しか
- 196 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/02/05(水) 08:04:32.52 ID:/PFXa7+PO
- 乙
戦いが終わって肩の荷がおりたからかえっちなお話が続くな
- 197 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/02/05(水) 22:04:24.61 ID:h0COBDWVo
-
では少しだけ
- 198 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/02/05(水) 22:12:46.14 ID:8krtqsY3O
- いえす
- 199 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/02/05(水) 22:22:07.00 ID:h0COBDWVo
-
天乃「重要なら……」
渋々と呟いた天乃は少しだけ考えて、首を振る
二人までなら経験もあるし、
避けるべきではあるけれど、許容範囲内だと言える
しかし、それ以上は
天乃「やってみたくないわ。あんまり多いのは大変だし」
夏凜「ちゃんと感じられない?」
天乃「感じることは出来るけど……その逆よ。私が愛しきれないと思うの」
当然のことながら、
愛していないわけではない
けれど、性的な行為の真っ最中ともなれば、
全員に平等に分け与えるなど到底出来ることではない
天乃が性行為におけるスペシャリストならばその限りではないかもしれないが
残念ながらそうではないのだ
天乃「エッチなことは、深く広く幸せを感じられてこそだと思うのよ」
夏凜「へー……やられ慣れてる人は流石、感性が違う」
天乃「馬鹿にしてるでしょ」
夏凜「関心してんのよ」
天乃「そうは聞こえなかったわよ」
- 200 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/02/05(水) 22:49:43.13 ID:h0COBDWVo
-
ムッとして見せた天乃の頬を人差し指と親指でつまむ
血の気が失せ、冷え切ったそれとは違い
温かく、むにゅっとした弾力が返ってくる
天乃「……こら」
夏凜「触って欲しいのかと思って」
膨らませた頬から瞬く間に空気が抜けたのを感じて
夏凜は笑いながら手を引っ込める
つまむかつつくか。
迷ったのは意味の無い隠し事
夏凜「まぁ分かった。みんなにもそう伝えておくわ」
天乃「うん」
夏凜「そういえば、瞳はやっぱり大赦の方に集中するそうよ」
天乃「そっか……」
夏凜「けど、家は変わらずあの場所にいるそうだから。会おうと思えばいつでも会える」
天乃「大赦なんてやめちゃえって言わなかったの?」
夏凜「瞳が無理してるなら、それも辞さないつもりだったけど……その必要はなかったわ」
- 201 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/02/05(水) 23:16:11.46 ID:h0COBDWVo
-
天乃「………」
瞳と夏凜の間でどんなやり取りが行われたのか
夏凜の何とも言えない笑みを見て、
意外にあっさりとしたものだったのだろうと、天乃は思う
悪い意味ではなく、良い意味で。
夏凜「今までできることが少なかったことで溜まってたこともあるらしいし」
天乃「仕事に熱中しすぎないように注意して欲しいわね」
夏凜がそれで納得しているのなら、
それでいいのかなんて聞く必要はない
瞳だって、
夏凜と話した後で、そんな無茶はしない……はずだ
夏凜「そうね。天乃みたいになられても困る」
天乃「私は……ほら。一応、改心? したじゃない?」
夏凜「それまで大変だったんだから、ほんと」
思い出して、呆れて
大変だったころを飛び越えて……
困り気味な笑みと、悪戯心の混じる笑み
二人の表情が僅かに揃う
夏凜「色々間違うかもしれないし大変かもしれないけど……これからも、何とかやっていきましょ」
天乃「ええ……成せば大抵なんとかできちゃうものだからね」
一人でではなく、みんなでなら。
- 202 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/02/05(水) 23:17:40.39 ID:h0COBDWVo
-
√ 2月17日目 昼 (病院) ※木曜日
01〜10 風
11〜20
21〜30 若葉
31〜40
41〜50 東郷
51〜60
61〜70 園子
71〜80
81〜90 歌野
91〜00 球子
↓1のコンマ
※ぞろ目夏凜継続
- 203 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/02/05(水) 23:18:45.82 ID:8krtqsY3O
- あ
- 204 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/02/05(水) 23:26:53.71 ID:h0COBDWVo
-
ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から
- 205 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/02/05(水) 23:42:08.05 ID:8krtqsY3O
- 乙
行為はなくともあまにぼのやりとりはいつも尊いなぁ
あとさりげなく瞳さんとお別れせずに済みそうなのが嬉しい
- 206 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/02/06(木) 00:57:23.36 ID:dyyXirmNO
- 乙
こういうところで継続しないのが夏凜の引きの悪さ
- 207 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/02/06(木) 21:49:28.18 ID:ZWLYk8ESo
-
では少しだけ
- 208 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/02/06(木) 21:50:29.57 ID:73LxdGDPO
- よっしゃ
- 209 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/02/06(木) 22:39:59.97 ID:ZWLYk8ESo
-
√ 2月17日目 昼 (病院) ※木曜日
夏凜と一緒に病室へと戻ってきていた天乃は、
夏凜が出て行った後に閉まる扉を一瞥して、子供へと目を向ける
歌野「三好さんに残って貰わなくてよかったの?」
天乃「お昼だから戻るって」
歌野「引き留めたらよかったのに」
困ったように言う歌野に天乃は苦笑して、首を振る
引き留めるのは二度目になってしまうし、
無理に引き止めたりしなくても……もうきっと大丈夫だ
天乃「さっきまで十分会ってたから大丈夫よ」
歌野「それなら良いんだけど……」
天乃「歌野は良いの? 水都さんと会わなくて」
歌野「みーちゃんとはエブリディちゃんと一緒よ。さっきまでも一緒だったんだから」
天乃「二人で見ててくれたの?」
歌野「郡さんは大丈夫って言ってたけど、とってもキュートだからね」
見てみたかったの。と、歌野は満面の笑みで言う
みんなは受け入れてくれているけれど
昨日の夜から翌日のお昼まではさすがに任せ過ぎた気がしなくもない
- 210 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/02/06(木) 23:55:39.40 ID:ZWLYk8ESo
-
天乃「千景たちは何か言ってた?」
歌野「チェンジする時? ノーよ。とくには何も」
少なくとも文句は言っていなかった
子どもを見る目は優しかったし、
伸ばされた手に応じる姿は姉のようだった
歌野「むしろ、一緒に居られることがハッピーなように感じたわ」
天乃「意外に子供が好きなのかしら」
子どもの無垢な瞳、柔らかい笑顔
それは、戦いの中に生きてきた千景にとっては、
とても救われることなのかもしれない
歌野「郡さんは、私達と一緒に行かずに残っている方が幸せかもしれないわ」
天乃「千景にはそれ、聞いたの?」
歌野「ううん。けど、そう感じたわ」
若葉達と一緒に居る時だって別段不幸せな感じは全くないし、
世界に出ていくことを嫌がっているような素振りも見せていない
けれど、
天乃の子供と一緒に居る姿を見ていると、歌野はそう思うのだ
- 211 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/02/07(金) 00:09:21.62 ID:YDgHLtKAo
-
千景が子供のことを好きなのか
子供の子供らしい笑顔を見ることのできる今に安堵しているのか
それは定かではないけれど、
千景は子供を任されることに不満がないどころか、
嬉しそうに相手をしている
過酷になるとは限らないが、
決して楽になることのない旅に出向くよりもいいかもしれない
もちろん、千景の意志が重要だが
天乃「歌野達は残ろうって思ったり?」
歌野「行くだけ行くわ。行く理由が、あるから」
天乃「そうね……」
元々が四国だった千景たちと違って、
歌野と水都は諏訪に居たはずの勇者だ
状況が状況だけにかつてのような姿はもうないかもしれない
だが、それでも二人にとっては大切な故郷であることに変わりない
- 212 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/02/07(金) 00:09:52.50 ID:YDgHLtKAo
-
では、途中ですがここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から
- 213 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/02/07(金) 00:18:27.35 ID:ucOGN6x3O
- 乙
てっきり若葉たちと同行すると思ってたらそうでもなさそう?
千景も久遠さんたちと子育てをしたいのだろうか
- 214 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/02/07(金) 08:03:02.83 ID:5yO8jFGRO
- 乙
そういえば諏訪の方に陽乃さんがなにか残していったものがあるんだっけ?
- 215 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/02/07(金) 22:51:23.62 ID:YDgHLtKAo
-
遅くなりましたが、少しだけ
- 216 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/02/07(金) 22:56:22.10 ID:FJLibKe8O
- やったぜ
453.62 KB Speed:0.5
↑
VIP Service
SS速報R
更新
専用ブラウザ
検索
全部
前100
次100
最新50
続きを読む
スポンサードリンク
Check
荒巻@中の人 ★ VIP(Powered By VIP Service)
read.cgi ver 2013/10/12 prev 2011/01/08 (Base By http://www.toshinari.net/ @Thanks!)
respop.js ver 01.0.4.0 2010/02/10 (by fla@Thanks!)