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【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である2nd【二十一輪目】
- 17 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/01/20(月) 22:12:00.37 ID:9j+NI6Yro
-
天乃「つまり、あれ? いつも通り?」
樹「簡単に言えばそうですね」
天乃「でも、あれは体の自由が利かなかったからだし。動けるなら私も……」
動きたい
そうは思うものの、樹は嫌がっているし、
自分の欲望に忠実に動いた前科もあって、天乃は唇を噛む
天乃「そんなに駄目だった?」
樹「へ?」
天乃「出来る限り優しくしようとしたのが逆に物足りなかった?」
樹「あの……」
天乃「キスの時に手を握るのは無しだったかしら……集中したかったわよね」
樹「いえ……久遠先輩のやり方は間違ってなかったです」
ダメとは言ったが
やり方がダメなどとは微塵も思っていない
ある意味、やり方がダメだけれど
ダメになるのは自分たちの方であって、天乃ではない
- 18 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/01/20(月) 22:32:13.86 ID:9j+NI6Yro
-
樹「久遠先輩が攻めてくるのってめったにないじゃないですか」
天乃「出来なかったのよ……任せちゃってごめんね」
樹「あっ、いえっ」
天乃「でも、これからは私もできるわ。ちゃんと頑張る」
樹「うぅ……」
意気込み十分、頑張るわ。と、
瞳を明るくする天乃に気圧されたように樹の体が反れる
困り顔の樹は天乃が触っていた頬を指で掻くと
子供たちの方へと目を向ける
樹「その……できれば。できればですけど……ほどほどにして貰った方が」
天乃「そうね。子供についてもちゃんと勉強する必要あるもの。そればかりじゃいられないわ」
樹「えっと」
そうじゃない。と樹は思わず強く出そうになった
天乃は基本的に受けに回っている分、
受け側の気持ちを分かっているはずで
どのようにしたらいいのかも、きっと体が覚えている
それがさっきのキスで、手の動き
勉強されたら精神的な意味で死人が出てもおかしくない
- 19 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/01/20(月) 23:15:37.79 ID:9j+NI6Yro
-
樹「そっち関係は私たちが頑張るので、久遠先輩はとりあえず待ちでお願いしたいです」
天乃「そう?」
樹「……はい」
樹はどうしてもといった様子で、天乃は少し考えて……息を吐く
樹達は熱心に勉強してくれたし、
天乃には当然劣るが―相手はほぼ同じだが―経験だってそれなりだ
任せるのは悪くはないかもしれないけれど
天乃としては、
そこまで反対されると頑張ってみたくなるわけで。
樹達はダメでも夏凜ならば練習に付き合ってくれるのではと……ちょっとだけ期待する
天乃「どうしたものかしら」
子どもを優先するのは当然だし
キスだのエッチなことだのに現を抜かすわけにはいかない
それは誰に言われるまでもなく理解していることだ
だが、みんなをその道に引きずり込んだ女としての責任は……
1、分かったわ。諦める
2、夏凜に相手して貰うのはどうかしら
3、今度東郷にでも手伝って貰ってみるわ。一回だけ。それならいいでしょう?
↓2
- 20 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/01/20(月) 23:19:16.99 ID:ehhX2JjVO
- 3
- 21 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/01/20(月) 23:25:43.75 ID:f0ldNAZ30
- 3
- 22 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/01/20(月) 23:35:27.07 ID:9j+NI6Yro
-
ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から
樹「えっ!?」
樹「駄目ですっ、何考えてるんですか!」
樹「お腹を空かせた肉食獣の前にはだ――うぐっ」ベシッ
東郷「ふふっ、そんなことないわ。大丈夫よ」
東郷「大じゅる……大丈夫」ニコッ
友奈「東郷さんに任せるのは不安だから、私も頑張るよっ!」
東郷「友奈ちゃん!?」
- 23 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/01/20(月) 23:40:32.51 ID:ehhX2JjVO
- 乙
果たして久遠さんの今の責めは東郷さんに通用するのだろうか…
そしてオマケの友奈ちゃんは気合いで骨折治しそう
- 24 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/01/21(火) 01:10:52.92 ID:O4UZN5YPO
- 乙
わっふるわっふる
- 25 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/01/21(火) 09:00:57.96 ID:Ce0Zyf26o
- 久遠さんは真面目に言ってるだけで誘ってるわけでも狙ってるわけでもないのがなぁ…
いつかほんと喰われるんじゃないのこの人
- 26 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/01/21(火) 22:18:35.94 ID:ym2mDpTNo
-
では少しだけ
- 27 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/01/21(火) 22:21:36.84 ID:s4VDVp67O
- あいよ
- 28 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/01/21(火) 22:46:48.63 ID:ym2mDpTNo
-
天乃「そうねぇ……今度東郷にでも手伝って貰ってみるわ。一回だけ。それならいいでしょう?」
樹「一回……?」
一回というのは、丸一日という覚悟で良いのか。
天乃のことだからきっとそんな覚悟があるはずはないけれど、
この際だから一回くらい丸一日苦しむ―悪い意味ではなく―のもいいのではないだろうか
数秒の間に考えを巡らせた樹は
危なくなったら夏凜さんが止めるだろうし。と、
ちょっとだけ芽生えた意地悪な気持ちで頷く
樹「そうですね。東郷先輩なら慶んでお相手してくれると思います」
天乃「東郷も結構染まっちゃったものね」
樹「東郷先輩は凄く真面目でしたから」
直線的というべきか
集中力があると言うか
いってしまえば直向きなのだ
樹「久遠先輩のためを思えばこそ……なの、かな?」
あの暴走具合は
単純にのめり込んでしまったような気がしなくもないが
国防のことを考えれば仕方がないような気もしてしまう
- 29 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/01/21(火) 23:13:30.31 ID:ym2mDpTNo
-
樹「ただ……次の日は予定がない時にしたほうが良いと思いますよ」
天乃「ふふっ、そうよね。東郷って樹達よりもちょっと激しいから」
朝やる……のは考えたくないし
普通に考えれば相手をして貰うのは夜になるだろう
程度によっては朝にまで響くことになるかもしれない
天乃「……そういえば、東郷が言ってたんだけど」
樹「東郷先輩?」
この流れで東郷が言っていたという時点で
嫌な予感がした樹は、あえて遮らずに頷く
ここで聞かずに知らないところで何かあっては困る
天乃「あの子、元気になったらみんなでエッチなことしたいって言ってたのよ?」
樹「それは……」
天乃「私もさすがに無理だって思って、一週間くらい準備期間が欲しいって言ったわ」
樹「そういう問題じゃ――」
天乃「うん。その分みんなもため込むって言われちゃった」
樹「ため込むのは慣れてますけど……一週間溜めたら一週間はやられますよ?」
天乃「分かってる。だからこまめに何とかしようと思ってるわ」
- 30 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/01/21(火) 23:39:48.10 ID:ym2mDpTNo
-
樹「それはそれで大変だと思いますが……」
だからこそ、夏凜は極力手を出さないようにしている
本来なら風も抑える側だが、
友奈の入院が長引く今、
東郷や園子の暴走組を抑え込むストレスがそっち方面になってしまう可能性がある
樹も我慢するとして、
風と東郷……園子はもしかしたら他の人がやっていれば満足する可能性も無きにしも非ずだけれど
希望的観測を除けば3人が相手になる
それくらいなら……何とかなるだろうか。
樹「ほどほどにしてくださいね。何かあったら私……か、夏凜さんを頼ってください」
天乃「あら、お姉ちゃんは?」
樹「進路とか園子さん達で手一杯なので……誘ったら押し倒されますよ?」
天乃「ふふっいくらなんでも大変そうな相手を誘うようなことしないわ」
樹「そうですね」
意識的にすることはないが、そんなつもりはない。という本音で誘うから天乃はダメなのだ
姉がしびれを切らさないことを願いつつ、
樹は天乃の傍に寄り添い……その存在をしっかりと感じる
- 31 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/01/22(水) 00:03:31.17 ID:5SXOmgM3o
-
樹「久遠先輩」
天乃「どうしたの?」
樹「子どもの名前は久遠先輩に一任します」
天乃「良いの?」
樹「良いも何もないですよ……お母さんじゃないですか」
樹は困ったように笑うと、
子どもたちの方を見つめて、笑みを浮かべる
天乃は母親だ
母親が考えた名前を、大した理由もなく却下は出来ない
もちろん、樹としては名前を考えたいし、それを一案としてほしいけれど
考えても考えても、決められないのだ
この二つにしようという案が出ない
樹「ついつい、調べちゃうんですよね。どんな名前があるんだろうって」
天乃「それじゃダメなの?」
樹「駄目なわけではないんですけど……その、なんというか」
樹は少し言いにくそうに零し、
子どもから天乃へと視線を移すと、口を開く
樹「おすすめとか、流行りとか。そこから選んだのって、自分たちで考えてあげられたって言うのかなって思っちゃって」
天乃「樹……」
樹「子供のくせにとは思うんですけど、でも。やっぱり……名前って大切だと思うんです」
それが悪いと思っているわけではない
名前を付けるのは難しいのは考えてみて理解した
周りの人々がどのような名前を考え、そこに意味を込めたのかを参考にしたいと思う
けれど……両親を失った樹にとって、名前というものは両親の遺してくれた大切な証
それゆえに、名付けには特別な思い入れがあるのだ
- 32 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/01/22(水) 00:04:29.71 ID:5SXOmgM3o
-
ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から
- 33 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/01/22(水) 00:15:25.77 ID:N5CV27c2O
- 乙
久遠さん自身もやや発情気味な感じがするし一人くらいなら大丈夫そう
- 34 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/01/22(水) 00:16:26.50 ID:IUrz3lf1O
- 乙
子供居ないから名付けの拘りとか知らんけど一理ある
- 35 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/01/22(水) 02:00:50.13 ID:H/RJ/frHO
- 乙
なんにせよ名前決まってめでたいよほんとに
- 36 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/01/22(水) 22:57:06.10 ID:5SXOmgM3o
-
遅くなりましたが少しだけ
- 37 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/01/22(水) 23:00:49.32 ID:ubYoJQd0O
- おk
- 38 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/01/22(水) 23:09:19.04 ID:5SXOmgM3o
-
樹「なので、久遠先輩にお任せします」
天乃「任せられるとそれはそれで不安になるわ」
樹「夏凜さんがいるから大丈夫ですよ」
天乃「そうだけど……」
夏凜からの案はすでに聞いてしまっているし
天乃はその夏凜の案を選んだのだ
それについての話はそこで一区切りついているし
今後、夏凜がどうこう言って却下するとは思えない
天乃が考え込むのを横目に、
もう目を覚ましている赤ちゃんへと樹は手を振る
振り返そうとしている小さな手の動きに、思わず笑みがこぼれる
樹「夏凜さんの案を聞いたんですか?」
天乃「ええ」
樹「夏凜さんの案を選んだんですね」
天乃「ええ……えっ?」
樹「驚かれても困ります。そのくらいなら私じゃなくても分かりますよ……久遠先輩のことなら、大体は」
- 39 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/01/22(水) 23:34:59.26 ID:5SXOmgM3o
-
樹はお官房への笑みか、天乃を驚かせた笑みか
樹の明るい表情は、子供達にも伝わって
愛らしい声が楽し気に広がっていく
樹「まだ夏凜さんと話をしていなければ、久遠先輩は迷わずに夏凜さんの話をします」
天乃「そう……かしら?」
樹「そうですよ」
夏凜のことを信頼しているから、
大丈夫という言葉を肯定しつつ、ちょっとした小言を挟んだりする
それがないから、夏凜とすでに話しているのは前提になる
そして、優柔不断だったら夏凜はまず間違いなく色々言うはずなので
天乃が悩むことはない
よって、天乃自身の意見か夏凜の意見かになる
天乃自身の意見で、すでに夏凜との話が済んでいれば夏凜が文句を言うことはない
つまり……残った夏凜の意見を選んだから夏凜について悩んだとなったのだ
そこまで思い返した樹は
どちらかと言えば夏凜さんのことかも。と、小さくつぶやく
- 40 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/01/22(水) 23:59:27.05 ID:5SXOmgM3o
-
樹「どんな名前なんですか?」
天乃「星と月……それに私の名前を足して星乃と月乃」
樹「可愛いと言うか、綺麗というか……良い名前だと思います」
二人の名前にどんな意味を込めようとしたのか
それを聞いた樹は凄くいいと思いますよ。と、追い上げるように言う
子どもの大切な名前だ
嫌味も皮肉も嫉妬も何も存在しない
純粋に……良いと思う
樹「天に輝く月と星……たとえ、空が雲で覆われていようとその輝きが失われることはないんです」
目には見えなくとも、雲を越えた先にその光はある
それはまるで希望であるかのように
樹「久遠先輩が凄く大変な思いをしての輝きって意味も……あってもいいかもしれませんね」
天乃「大変な思いをしての、輝き……」
樹「いいお名前だね〜」
言いたいことを言えたからだろうか
樹は子供の小さな手のひらを指でつつき、
きゃっきゃきゃっきゃと掴もうとしてくる手から逃れてはつつく
樹「私も良いと思いますよ。本当に」
天乃「そうね……うん、良いと思うわ」
樹の心の籠った言葉に、天乃は優しく肯定して樹の背中越しに見える子供達へと笑みを向けた
- 41 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/01/23(木) 00:04:08.35 ID:iOFqT8X6o
-
ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から
天乃(あまの)が訓読みなので、星乃月乃も同じく
星乃(ほしの)、月乃(つきの)とする予定です。
- 42 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/01/23(木) 00:16:38.52 ID:Yk+0nN44O
- 乙
愛称はほっしーとつっきーってところか
名前のように優しい子に育つといいな
- 43 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/01/23(木) 08:03:57.52 ID:z+9gppMLO
- 乙
やっぱり夏凜との信頼関係はみんなと比べて頭一つ抜けてるな
- 44 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/01/23(木) 23:36:16.66 ID:iOFqT8X6o
-
すみませんが本日はお休みとさせていただきます
再開は明日、可能であれば通常時間から
- 45 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/01/23(木) 23:38:18.68 ID:XilKwjMBO
- 乙ですー
- 46 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/01/24(金) 22:50:20.35 ID:TOuX0EG2o
-
遅くなりましたが少しだけ
- 47 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/01/24(金) 22:51:22.69 ID:ubvg09tJO
- やったぜ
- 48 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/01/24(金) 23:01:20.81 ID:TOuX0EG2o
-
√ 2月16日目 夜 (病院) ※水曜日
01〜10
11〜20 東郷
21〜30
31〜40 球子
41〜50 風
51〜60 園子
61〜70
71〜80 千景
81〜90
91〜00 九尾
↓1のコンマ
- 49 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/01/24(金) 23:03:05.90 ID:ubvg09tJO
- あ
- 50 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/01/24(金) 23:53:19.93 ID:TOuX0EG2o
-
√ 2月16日目 夜 (病院) ※水曜日
天乃「……ほんと、ちゃんと寝ちゃうのよね」
双子はまるでそれが当然だと分かり切っているかのように、
夜になるとすやすやと眠ってしまう
昼間にも寝てることが多いのに、眠れているのは子供だからだろうか
天乃「ふふっ」
小さな寝息
ぷっくりとした頬の動きは可愛らしくて
無意識につついてしまいたくなると、天乃は微笑む
悪五郎の力を借りて、
その存在を貰って、頑張って産んだ子供
愛着があるなどという話ではないし、
当然のことではあるが……大切に育てていきたいと思う
だからこそ、名前はしっかりと考えてあげたい
- 51 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/01/25(土) 00:20:57.39 ID:8vXY0Lyho
-
その点で言えば樹が自分の意見なしに
天乃にお任せと言ってくれたことは嬉しくも困ってしまう
もちろん、樹には樹の想いがあることは聞いたし
聞かなくても分かっている
風も、樹も
許してくれた……というよりは天乃のせいではないとしてくれたけれど、
天乃は、親を奪う間接的な要因だったのは事実
天乃「……ご両親のお墓。もう、ちゃんと行けるわよね」
友奈の退院を待たなくても
風と樹そして天乃が退院できる程度に回復さえしていれば、
お墓参りは問題なくいけるだろう
これからは絶対にないと断言できないのが口惜しいが
少なくとも、バーテックスに阻まれたりもしないのだから
天乃「貴女達も一緒に居く?」
囁くように声をかけてみたけれど、
双子は応えることなく、寝顔のままだ
- 52 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/01/25(土) 00:32:03.49 ID:8vXY0Lyho
-
子どもから母親になった今、
親を奪われてしまう気持ち
子どもを遺すことになってしまう親の気持ち
それが、少しは分かるようになってきたはずだから
今度こそ
風と樹の二人と一緒に犬吠埼家のお墓に出向いて
しっかりと話をしたいと……天乃は思う
天乃「……結婚式、ねぇ」
まずはちゃんと話をして
それから、ちゃんと結婚式
必ずしもしなければならないと言うことではないし
望むなら……というものだ
みんながこれからも学校に通うなら
やはり、やめておいた方がいいような気もしてしまう
そこは相談するべきだ
1、九尾
2、球子
3、千景
4、若葉
5、歌野
6、水都
7、イベント判定
↓2
- 53 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/01/25(土) 00:32:55.09 ID:vHAcBDquO
- 7
- 54 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/01/25(土) 00:33:32.18 ID:FHW5q5sHO
- 7
- 55 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/01/25(土) 00:39:25.07 ID:8vXY0Lyho
-
01〜10 樹
11〜20 沙織
21〜30 園子
31〜40 東郷
41〜50 風
51〜60 若葉
61〜70 千景
71〜80 九尾
81〜90 球子
91〜00 夏凜
↓1のコンマ
- 56 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/01/25(土) 00:39:50.04 ID:vHAcBDquO
- あ
- 57 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/01/25(土) 00:58:29.73 ID:8vXY0Lyho
-
ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から
樹「こんなことしたらダメだと分かってはいるけど……」
東郷「良いのよ樹ちゃん。良いの」ギュッ
東郷「全てはあそこまで誘っておいてお預けにした先輩が悪いのよ」
東郷「……ヤっちゃえ」ボソッ
樹「無理やりは好きじゃないです。東郷先輩」
東郷「……理性が残ってたのね」
風「残念そうに言ったのはなんでかな〜?」
- 58 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/01/25(土) 01:10:55.13 ID:vHAcBDquO
- 乙
我慢できずに夜這いかな?
- 59 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/01/25(土) 04:49:03.27 ID:FHW5q5sHO
- 乙
全力で甘えたいのか樹ちゃんのターンが続くな
- 60 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/01/25(土) 21:32:24.44 ID:8vXY0Lyho
-
では少しだけ
- 61 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/01/25(土) 21:39:22.54 ID:gvJ1oEVkO
- よしきた
- 62 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/01/25(土) 22:23:23.63 ID:8vXY0Lyho
-
扉を叩くかどうか樹は少し迷った上で、叩かずに扉を引く
扉を叩くと、天乃だけでなく子供までも起こしてしまいそうだから
決して、眠っている天乃に悪戯しようなどという思惑はない
そう、自分自身に言い聞かせるように胸に手を押しあてた樹は
まだ途中の扉を両手でゆっくりと開き、
体を忍び込ませたうえで、音が鳴らないように扉を閉める
カタンッっと小さな音を立ててしまったが、
そのくらいでは……と、樹は抜き足差し足で奥に進む
――が。
樹「ぁっ」
樹がひょっこりと顔を覗かせた先
真野が眠っているはずのベッドには天乃がいたものの
その手は、来客を手招いている
樹「久遠先輩……」
天乃「ふふっ、バレバレよ。樹」
樹「起きていたんですね」
子どもから自分へ向けられた天乃の嬉しそうな顔に
樹は小さく笑って、天乃へと近づく
- 63 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/01/25(土) 23:04:44.96 ID:8vXY0Lyho
-
天乃「こんな時間に来るなんて思わなかったわ」
樹「寝ていたらそのまま帰る予定だったんです。本当ですよ」
友奈はともかく、
天乃達はもう治りつつあるのと特例であるし
巡回があって注意されるなんてことはないが、
消灯時間も過ぎようかという時間だ
普通なら病室で大人しくしている
天乃「なら、起きていたらどうするつもりだったの?」
樹「起きていたら……少しだけ、一緒に居られたらなって」
天乃「怖い夢でも?」
樹「いえ、そんなことはないです」
数時間程度前にも来て、夜にも来て
夕方にあんなことがあったのだから
夜に来たのはそういうことだろうと思われそうだけれど……樹は首を振る
- 64 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/01/25(土) 23:24:31.11 ID:8vXY0Lyho
-
樹「我慢しなくていいって思ったら、もう少しって思ったんです」
えっちなことは目的じゃない
その心地よさと安心感
それは退廃的な魅力があるけれど、
樹は自分たちは決してそれだけに終わらないと思う
傍に居られたらそれでいい
えっちなことが出来たらもっといい
ただ、それだけ
天乃「お姉ちゃんじゃダメなの?」
樹「お姉ちゃんはお姉ちゃんですから……甘えさせてくれますけど、お姉ちゃんなので」
いつだってどんな時だって
風は樹の傍に居たかけがえのない存在だ
だから頼れるし甘えることも出来るが
その分、安心感と信頼は十二分に感じている
目を覚ませばすぐ隣、目を向ければ笑顔を見せてくれる
そこまであれば……十分だ
樹「でも、久遠先輩は目をはなすとすぐに大変なことになっちゃいますから」
天乃「そこまでひどかったかしら」
樹「酷かったです。それに大変でした」
- 65 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/01/25(土) 23:48:09.99 ID:8vXY0Lyho
-
もう過ぎてくれたことだから
もう終わってくれたことだから
樹は皮肉たっぷりに笑顔で答える
天乃「そう……迷惑かけちゃったわね」
樹「今元気ならそれで十分ですよ」
天乃「そうね……」
天乃は樹の左腕を一瞥して、頷く
一時期、骨が見えるほどの骨折をしてしまった左腕
痛ましい手術痕も、勇者だったことが幸いしてか
まったくと言っていいほどわからないようになっている
天乃「貴女も大丈夫そうね」
樹「何も問題ないです」
左手で握り拳をつくってはほどき、
軽く腕を動かして、問題ないと証明する
もうあれから数ヶ月だ
友奈が無事に戻ってくることが出来れば、今度こそ安心できる
- 66 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/01/25(土) 23:49:22.51 ID:8vXY0Lyho
-
では途中ですがここまでとさせていただきます
明日はできればお昼ごろから
- 67 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/01/25(土) 23:57:55.31 ID:gvJ1oEVkO
- 乙
みんなが大怪我したりしたあの回か…
戦闘はカットされてたけど痛々しい描写だったな
- 68 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/01/26(日) 01:27:22.34 ID:n+gDkwdbO
- 乙
みんないつくらいに病院出るんだろうな
- 69 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/01/26(日) 16:59:33.77 ID:UMfXL6NQo
-
遅くなりましたが少しずつ
- 70 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/01/26(日) 17:24:24.23 ID:r1wlMSBqO
- きてたか
- 71 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/01/26(日) 17:52:04.15 ID:UMfXL6NQo
-
樹「まだ眠くはないですか?」
天乃「樹が来てくれたから、まだまだ起きていられるわ」
樹「無理されるのは困ります」
天乃「無理じゃないわ。本当よ?」
癖付いた体の欲求は振り払うことは出来ないけれど、
以前に比べて体を動かすことが少なくなっていた影響もあって
多少の夜更かしも難しくはない
天乃「そんなところに立っていないで、こっちに座ったら?」
横で立っている樹に、ベッドの端を叩いて見せた天乃は、
自分の半身を覆っている布団を少しだけ捲る
天乃「樹が良いなら一緒でも良いけど」
樹「……素ですか。素ですよね。その感じは」
天乃「うん?」
樹「何でもないです」
困ったようにベッドの端に手を置いた樹は、
軽く体重をかけて……布団をめくる天乃の手に触れる
樹「駄目じゃないですか……どうにかなっちゃいますよ?」
- 72 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/01/26(日) 18:14:25.04 ID:UMfXL6NQo
-
天乃「どうにかって――っ」
握った手を引き上げて、天乃の頭の横へと押し付ける
樹の力は強くない
けれど、天乃が自分で言っていたように
天乃の力はそれ以下だ
穢れと神樹様の力を用いれば弾き飛ばすのも容易だろうが……
樹「別に、えっちなことが目的じゃないんですけど」
天乃「樹……」
樹「誘ったらダメだって、言いませんでしたっけ?」
天乃「今のもそうなっちゃうのっ?」
本当に、本気で
驚いた反応を見せる天乃だが
樹は関係ないと言うように、心配された左腕を動かし、
その手で天乃の顔にかかる髪を払う
樹「百点満点です」
天乃「そん――っ」
唇を塞ぐ
言い訳は必要ない
子どもを起こすわけにもいかない
そんな建前を足場に、樹は踏み込んだ
- 73 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/01/26(日) 18:30:10.42 ID:UMfXL6NQo
-
天乃「んっ……んんっ!」
樹「っ……は……」
勇者としての力がない樹と、まだ特別な力のある天乃
それを解放さえしてしまえばひとたまりもない状況で、弱すぎる抵抗
その甘さと優しさに、樹は眉を顰めて距離を取る
名残惜しさを感じさせる唇の渇き
息が出来る物足りなさ
目の前で、怒るべきはずなのに頬を紅潮させているだけの恋人
樹の喉が鳴ってしまうのも致し方ないことだろう
樹「……分かりますか? こうなるんです」
天乃「一緒に寝ようって……」
樹「そんな健全に捉えてくれるのは久遠先輩か夏凜さんだけです」
もしかしたら友奈も分かってくれるかもしれないけれど
その可能性を期待せずにはいられないはずだ
夏凜だって、誘ってるのかと呆れるはずだろうと樹は考える
樹「私達は我慢して来たって言ったじゃないですか。ずっと……だからせめてキスだけでも」
したいと思う
して欲しいと思う
たとえ子供が傍に居るのだとしても、
それくらいならすぐに済ませることが出来るから
- 74 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/01/26(日) 18:50:38.18 ID:UMfXL6NQo
-
樹「なのに、久遠先輩は……そうやって」
天乃「待って、ごめんなさい……私が悪かったわ」
樹「……解ってます。無理にするのは嫌いですから」
もうすでに踏み込んでしまったけれど
それはもう、反射的に体が動いたようなものだし
天乃が誘ったせいでもあるからノーカンだ
もちろん、悪いことをしてしまった心の痛みはあるけれど
樹は離れたけれど、
距離としては数十センチほどしかない
天乃の足の付け根辺りに跨っている状態のせいで、
布団が天乃の下半身をベッドに張り付けてしまっている
樹「一緒に居たかったのは本当です。こんなことするつもりがなかったのも本心です」
けど。と、
樹は言葉を飲み込むことなく、天乃をまっすぐ見つめる
樹「東郷先輩と比べれば遥かに力不足とは思いますけど、私だって一生懸命勉強したんですから」
貪欲になるのも無理ないんじゃないかと、自分に言いわけ一つ
樹「そういうことされると……してやろうか。なんて思ってしまったりもしちゃうんですよ」
- 75 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/01/26(日) 19:20:20.91 ID:UMfXL6NQo
-
実際にしてしまったからか、
樹は気まずそうに言って、天乃を見下ろす
天乃は怒らない
困った顔はしているけれど、決して悲しそうな顔にはなっていない
そんな、自分を許してくれているような姿が……本当に困るのだ
樹「でも……ごめんなさい」
天乃「誘っちゃったのは私でしょ?」
樹「そうですけど……いや、そのつもりがなかったのなら悪いとも言えないんですけど……」
咎めるよりも、自分が悪いという判断
それがまた申し訳なくて、樹は天乃のそれを少しばかり否定する
樹「そこで踏みとどまれなかった私も悪いです」
夏凜さんなら……と、樹は思う
夏凜さんならきっと、踏みとどまって抑え込むだろうと。
夏凜ほどの想いを抱くことが出来ていないのか
逆に、夏凜以上に欲することが出来ているのか
手を出してしまった。という結果だけでは判断できない
天乃「…………」
1、場所、変えましょうか?
2、私だって、寂しさくらいはあったんだから
3、樹を抱き寄せる
4、そんなにも好かれているのだとしたら、私は幸せよね
5、ごめんね。私にはまだ、そういうのが良く分からないから
↓2
- 76 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/01/26(日) 19:23:52.63 ID:r1wlMSBqO
- 3
- 77 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/01/26(日) 19:25:08.71 ID:CG075VSI0
- 1
- 78 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/01/26(日) 19:35:29.59 ID:UMfXL6NQo
-
天乃「場所、変える?」
樹「えっ?」
天乃「子どもが隣にいるからダメってだけだし……頼めば見ててくれる子もいるし」
現に、今だって部屋の中に力を感じる
この光景を見ているその誰か―千景だが―は、
呆れることはあるだろうけれど、
事情を考えて請け負ってくれることだろう
樹「でも」
天乃「それに……」
樹がそうしたいならするのも吝かじゃないと言うのは卑怯だろう
誘ったつもりがないのは本当だし
こんなことになるとは思っていなかった
けれど、少しだけ。
天乃「私だって女の子だし経験もしてるの……えっちな気分にもなるわ」
樹「はぅっ」
薄紅色の肌、恥ずかしさを隠すように逸らされた視線
言ってしまったという後悔が滲むように噛まれた下唇
樹は思わず、目を背けてしまった
- 79 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/01/26(日) 19:56:13.77 ID:UMfXL6NQo
-
樹「体は大丈夫なんですか?」
天乃「長く付き合うほどの余裕はないけど……少しだけなら」
樹「少しだけならいいんですか……もうっ」
大丈夫なのかと聞かれたら
ちょっと厳しいかもしれない。とでも言ってくれれば
それならやめましょうと言えるのに
そんな気分になってしまうと言われて
少しだけなら付き合うことも出来ると言われて
樹「難しいって言っておけば逃げられるのに」
天乃「逃げるつもりなんてないもの」
夕方にあんなことして
夜にこんなことをされてしまって
それで心を揺らされない方がおかしい
天乃「どうなの? 変える? 変えない?」
樹「……変えましょうって、手は引いてくれないんですか?」
天乃「無理やりは趣味じゃないのは私も一緒よ」
さっきのことに罪悪感を覚えている樹を無理やり連れ出すのは、少し気が引けるのだ
- 80 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/01/26(日) 20:07:24.08 ID:UMfXL6NQo
-
今度ばかりは、天乃が誘ってくれている
さっきみたいな偶発的なものではなく
本当に、誘い……委ねてくれている
断ることも出来る
天乃はそれに文句を言ったりはしないだろう
もしかしたら、自分のことを考えて言ってくれているのかもしれない
樹はそう考えて、引くことも考えたが
天乃の顔をしっかりと見て……迷って
樹「久遠先輩は本当に仕方がないですね」
天乃「え、なんで」
樹「無理矢理キスした人を誘いますか普通……どうなっても知らないですよ?」
樹はその手を引く
夏凜や友奈、東郷達には悪いと思う
だが、自分だって輪の中の一人だ
頑張って頑張って手にしたのだから……少しくらい先へ進んだっていいだろう
樹「変えたいです」
場所も
今の、中途半端な自分の考えも
性的なことを考えられるのが大人だとは思わない
それを含めて、考え時には行動できるのが大人だと、樹は信じた
- 81 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/01/26(日) 20:10:39.82 ID:UMfXL6NQo
-
少し中断いたします
可能であれば22時頃に再開予定ですが
難しければ本日は終了、再開は明日の通常時間になります
- 82 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/01/26(日) 20:27:56.95 ID:r1wlMSBqO
- 一旦乙
久々のえっちな展開に期待
- 83 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/01/26(日) 22:17:04.30 ID:UMfXL6NQo
- ではもう少しだけ
- 84 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/01/26(日) 22:38:49.53 ID:UMfXL6NQo
-
樹「……ごゆっくり、ですか」
天乃「夜だから困らせちゃったわね」
千景に子供を頼み、
特別に用意して貰った別室へと移動する
用意してくれた看護師たちには理由を話さなかったが、
困り、それとなく察した表情をしていたのだ
きっと理由も察していたことだろう
友奈と東郷
二人が天乃の穢れを請け負った際のこともある
話さずとも分かってしまうのかもしれない
樹「看護師さんたちが知っていたらどうします?」
天乃「知っていたらって、することを?」
樹「そうです。なんだか……」
なぜかベッドの近くにある即席で置かれたライト
つけてみれば薄い明りが部屋の中に広がっていく
樹「雰囲気付けされていませんか?」
オレンジ色の光は天乃の瞳よりも明るい
それを受けて影を作る台の上のタオル
看護師たちが察するかの如く、察するのは容易だった
- 85 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/01/26(日) 22:53:31.63 ID:UMfXL6NQo
-
天乃「まぁ……私が二人きりの部屋を頼めばわかっちゃうわよね」
樹「笑ってる場合ですかっ」
天乃「今更どうしようもないことだわ」
友奈達のことを除いても
天乃とその周囲は少々性に乱れすぎてしまっていた
仕方がないと笑う天乃に、
樹はちょっと恥ずかしそうに頬を染めて、
残念ながら質感に変わりのない布団に手を押しあてる
樹「久遠先輩……改めて聞きますけど――」
天乃「愚問だわ」
ゆっくりと歩き、ベッドへと向かう
落下防止のパイプに頼って、つま先で床を軽く蹴る
天乃「ここまで来たんだもの、何もせずに戻ったら千景にヘタレって言われるわよ?」
樹「千景さんはそんなこと言わないと思いますが……」
言うとすれば、そこまで言ったならしておけばよかったのに。くらいだろうし、
呆れたため息をつくだろう
- 86 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/01/26(日) 23:10:42.85 ID:UMfXL6NQo
-
天乃「樹はどっちが好き?」
樹「どっちって?」
天乃「脱いでいたほうが良いか、脱がないほうが良いか」
樹「えっと……」
自分の胸元に手をのせて、どうするかと問う天乃
言動こそ素晴らしいものだが、
着ているのは魅力に欠ける患者衣だ
それでも天乃の体は魅惑的だと、樹は息を飲む
母親となったことで膨らんだ胸
母乳を与えてもその大きさはなかなか戻らない
にもかかわらず、妊娠していたころに膨らんでいたお腹は、
それが嘘であるかのように、戻っている
樹「ちょっと気分が削がれますが……あえてそのまましてみたいです」
天乃「そういうの、マニアックって言うのよね?」
樹「言わないですっ!」
私知ってるわと言いたげな笑顔の天乃に、
樹はやや強めに言い放って、その体をベッドへと引き倒した
- 87 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/01/26(日) 23:21:19.82 ID:UMfXL6NQo
-
ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から
東郷「風先輩、良いんですか? 樹ちゃんがえっちな子に!」
風「節度を持ってやるなら許可するわよ。あたしだって鬼じゃないし」
風「自分の首を絞めたくない」
東郷「……だったら姉妹丼というおすすめの性技があるらしいですよ?」
夏凜「止めなくていいの? あれ」
園子「わっしーは70%の性欲と30%の善意で言ってるから」
- 88 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/01/26(日) 23:24:54.06 ID:eBij5XoXO
- 乙
七割ならしゃーない
- 89 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/01/26(日) 23:29:42.09 ID:r1wlMSBqO
- 乙
樹ちゃん単独って二週目以来かな?
そして東郷さんの思考がすっかり性欲まみれに…
- 90 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/01/27(月) 00:53:19.65 ID:2oj425sXO
- 乙
着衣とは……
樹……できる!
- 91 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/01/27(月) 09:27:09.70 ID:6c29qqyJO
- 久遠さんとかいう誘い受けの天才
夕方のあれで「良ければ一緒に」は出てこないって普通
- 92 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/01/27(月) 22:49:55.79 ID:E+jG3a8io
-
遅くなりましたが少しだけ
安価は恐らくありません
- 93 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/01/27(月) 22:50:51.88 ID:niqV3bItO
- あいよー
- 94 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/01/27(月) 23:16:26.92 ID:E+jG3a8io
-
ばふんっと、布団の含まれていた空気が弾けて
ほんのり感じる柑橘系の甘いシャンプーの匂いがふわりと広がる
引いた手を握り合わせて、
樹はゆっくりと、ベッドに足を上げていく
動きに合わせて手が動いて、布団の擦れる音がする
二人だけの吐息、淡い光
夜のほんのり肌寒い空気が、胸を躍らせる
樹「久遠先輩……」
細く名前を呼ぶ
噛みしめるように、浸るように
答えるために動いた唇に、唇を重ねる
今日何度目かのキス
僅かに乾いた柔らかい肉感
受け入れてくれる弾力は樹の唇に合わせて歪む
唇の表面の触れ合い、渇きの癒えない今一つな接吻
静かに離れて……見つめ合う
- 95 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/01/27(月) 23:34:31.60 ID:E+jG3a8io
-
樹はぺろりと唇を舐めて潤すと、
そのままもう一度、キスをする
天乃「んっ……」
樹「っ……ん」
今度は少しだけ強い……いつもの流れ
押し付けるような力で
受け入れてくれる優しさに縋るキスは唇の表面から内側へと広がっていく
呼吸はせずに、
ただ、その感触を味わって
離れて弾ける唇、囁くような水の音
天乃「っは……ん……」
樹「ん……」
溜めた分溢れる吐息はまだ薄い
影に覆われた橙色の瞳は十分な潤いに包まれている
樹「好きです」
艶の戻った天乃の唇を、
名前に続く言葉と共に、その瞳に映した傍から奪い去る
- 96 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/01/27(月) 23:49:03.72 ID:E+jG3a8io
-
潤った唇は絡み合って、
僅かに外れて、いやらしい音がする
天乃「っふ……ぁ……んっ」
樹「はっ……ふっ……んちゅっ」
啄むだけの早いキスをして、
握り合う手を少しずつ上へと持っていく
膝が乗るだけだった樹の体がベッドへと上がる
沈むベッドに体がズレて
抱きしめ合うようなキスへと変わる
驚きはなく、目を閉じる
深く、広く
互いを愛して、唇に空気が触れるよりも長く重ね合う
樹「っはふ……んっ」
天乃「はっ……はぁ……んくっ」
下になった天乃の喉に溜まった二人分の淫らな気持ちが、流れ込む
樹は天乃の頭を左手で少しだけ持ち上げると、枕を引っ張って頭の下に敷く
潤んだ瞳、紅潮した頬
潤いきった唇を、寂しげな舌がちろりとなぞる
樹は体の熱を感じて、握る手のぬくもりを感じながら――もう一度唇を重ねた
- 97 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/01/27(月) 23:51:15.38 ID:E+jG3a8io
-
では途中ですがここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から
このペースの場合暫く安価はないかもしれないので
途中で飛ばすかもしれません。
- 98 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/01/27(月) 23:53:20.85 ID:n3gRpUWNO
- 乙
- 99 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/01/27(月) 23:59:11.98 ID:niqV3bItO
- 乙
キスシーンだけでも中々濃厚な描写だ…
久遠さんは勿論、樹ちゃんもどんどん大人っぽくなっていくな
- 100 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/01/28(火) 00:14:58.24 ID:y3NCqOR0O
- 乙
やっぱその……最高だな!!
- 101 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/01/28(火) 07:34:28.51 ID:KNEXUgQdO
- 前戯っていうかキスからガチなのは凄い
いきなりディープじゃないのがまた…百合だな!
- 102 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/01/28(火) 22:39:26.22 ID:Zx9t6D9Co
-
遅くなりましたが、少しだけ
- 103 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/01/28(火) 22:44:59.69 ID:qHpA5A5DO
- かもん
- 104 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/01/28(火) 23:10:15.49 ID:Zx9t6D9Co
-
天乃「んっ……く……」
樹「っふ……はっ……んっ」
深く、探るようなキス
唇同士が離れるのを拒むように動いて
ぬるりと……滑る
吐息の重なる数センチ
開いた瞳に映る大きな瞳
樹「まだ……」
天乃「んっ……っぁ」
キスをするたびに、手を握る力が少しだけ強くなる
握って、離れて……強く握ってちょっぴり感じる体の震え
唇だけの厚く熱い抱擁
溶けてしまいそうな頬の熱、蜃気楼のようにぼやける視界
現実を確かめたくて、唇を重ねる
天乃「んっ……っはっぁ……」
樹「んちゅ……んっ」
天乃「んっ……ぁふ……」
離れると糸が引く
容易く切れてしまいそうな細く薄い繋がり
切れてしまわないように追いかけると唇同士が互いを押しのけて
その奥で我慢していた欲求が触れ合う
- 105 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/01/28(火) 23:23:32.08 ID:Zx9t6D9Co
-
天乃「んっ……んんっ!」
樹「っぁ……んっ」
唇の奥
何度も姿を見せていた舌と舌の触れ合い
いきなりは怖いだろうと手を差し出すように触れて、
天乃「んっ」
樹「んん……」
ちょっとだけ離れると……天乃から触れてくる
少しずつ、少しずつ
触れる面積を広げて、離れる時間を短くして
そのたびにぴちゃり、ぴちゃりと淫らさが弾ける水の音が響き、
口元が濡れていく
呼吸の為に離れる距離もだんだんとなくなって
唾液を飲み込むために動いた唇の先同士が掠めるほどに近い
天乃「はっ……はっ……んっ」
樹「はふ……んくっ」
樹はごくりと喉を鳴らし、
絶えることを知らない欲求を一時的に飲み込む
- 106 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/01/28(火) 23:46:41.20 ID:Zx9t6D9Co
-
温まってきた体の熱は、額に汗を浮かび上がらせて、
肌を晒したいと求める
けれど、それよりも……と樹は天乃とのキスをする
天乃「んぅ」
樹「んっちゅ……っぁ」
最初の挨拶
慣れてきた抱擁
それよりも一歩先に進んだ舌と舌の絡み合い
潤いに満ちた中で、ざらりとした感触が舌を撫でる
樹「っは……んっ」
糸を引きながら離れ、切れる前にまた舌同士のキスをして
握り合っていた手がほどけて……手のひらを合わせたより強い繋がりへと変わる
天乃「っは……」
樹「……っ……はぁ……んっ」
天乃「っ!」
天乃の唇ではなく、唇の端に口づけをして
どちらかの唾液に濡れてしまった口元から頬へと流れていく
- 107 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/01/29(水) 00:07:10.86 ID:s7fZUhJ4o
-
天乃「いつ……んっ!」
樹「……ちゅ」
左手は空いている
幸い、患者衣を緩めるには右腰側の結びを解くだけで済む
そうすれば天乃の肢体を曝け出させることも出来る
けれど……樹はあえて、天乃の首筋を責めていく
勉強で見た動画では強く吸い付くようなこともしていたけれど
天乃の柔肌にそれは痕が出来てしまう
だから、汗の滲んだ肌を唇で撫でて、舌を這わせる
天乃「んっ……ゃ……」
樹「びくびくして……かわいいです」
天乃「いつき……っぁっ」
くすぐったさと、気恥ずかしさと
潤沢な愛に浸された舌の心地よさ
キスで燃え上がった体の熱が温められてしまう
吐息が溢れて、声が漏れる
より密接な触れ合いを、下腹部の疼きが訴える
天乃「っ……ぁっ」
樹「久遠先輩……んっ」
とろけた声で名前を呼び、キスをする
受け止める力が薄れ、されるがままの弱弱しい唇を奪って
樹は患者衣の襟に親指を引っ掛け、天乃の鎖骨を空気に晒した
- 108 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/01/29(水) 00:08:34.19 ID:s7fZUhJ4o
-
では途中ですがここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から
可能であれば、明日の分で切り良く区切る予定です
- 109 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/01/29(水) 00:14:14.93 ID:ib/4yx1VO
- 乙
久々の濃厚なパートで大満足
- 110 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/01/29(水) 00:16:32.36 ID:JgRBeGRfO
- 乙
キスで一気に今までためていたものん発散する樹ちゃん
本番も楽しみだな
- 111 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/01/29(水) 09:21:44.37 ID:zzEO4Qu4O
- キスだけなのにえちえちやんね
大丈夫なんかイッチの精神は
- 112 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/01/29(水) 23:39:24.95 ID:s7fZUhJ4o
-
では少しだけ
今日中には終わりません
- 113 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/01/29(水) 23:45:25.76 ID:z1eb+hUJO
- おk
- 114 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/01/29(水) 23:48:41.51 ID:s7fZUhJ4o
-
樹「っふ……」
離した唇が冷たい空気に触れる
ぽたりぽたりと
呑み込み切れなかった潤いが滴るのを感じながら、
樹は舌先で唇の表面を舐めると、
艶っぽい吐息に膨らむ天乃の胸元を一瞥し、
晒した鎖骨へと口づけする
天乃「ひぅっ」
樹「ちゅっ……んっ」
唇のふんわりとした若々しい柔らかさ
情欲に塗れて解れたぬくもりが体に染み込んでいく
揉むように動く唇
その狭間でちろりと舌が肌をかすめ取る
心地いいくすぐったさ
体の熱も合わさって、
それが性的なものであるかのように錯覚してしまいそうで、
天乃は樹の肩に手を当てる
- 115 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/01/29(水) 23:56:15.21 ID:s7fZUhJ4o
-
天乃「ゃ……んっ!」
押す力を遥かに上回る力が加わって
柔肌に啄まれてしまう
ぬるぬるとした温もりが肌を包み、
離れて冷えていく寂しさが広がっていく
くすぐったいのに、気持ちが良くて
受け入れてはいけない気がするのに、やめて。と、言えない
首筋を舌が這う
樹の唇がしたの足跡を消しながら、感触を刻む
天乃「んっ……ぁっ……はっ……」
胸に触れられているわけじゃない
下腹部にもまだ手は伸びていない
天乃「っあっ……ぁ……ふっ……ふーっ」
それなのに、甘い声が漏れてしまう
もっと欲しいと昂ってしまう
天乃「い……つき……」
樹「んっ……まだまだこれからですよ」
意地悪さを感じる笑顔
果てなさを思わせる言葉
けれど握られた手の力はとても強くて……あまりにも優しい
- 116 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/01/30(木) 00:21:45.55 ID:uIqXzMrLo
-
樹「……ん」
天乃「んっ……っはっ」
軽いキスを一回
すぐに離れて、目と目を合わせる
キスでの無呼吸はしていないのに、
一度乱れてしまった呼吸は整うことが出来ないままで
まだ数分
けれど密着しているような距離感と
度重なるキスに汗ばんだ体はその熱っぽさに色香を増している
襟首のはだけた患者衣
質素な色合いで色気のないものだけれど……今は気にならない
樹「んちゅ……」
天乃「ぁ……ぅ」
樹「っ……ん……」
また、キスをする
ほんのりと沸き立つ寂しさを払い除けるように
物足りなさを埋めてしまうために
乱れるキスではなく、接吻というべき柔らかさと濃密さで覆いながら
樹は左手で天乃の肩を撫でてそうっと脇の方に下ろしていくと
ふっくらとした豊満な乳房を衣の上からなぞる
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