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【安価とコンマ】剣と魔法の世界で生き延びる その15

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697 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/08/08(土) 15:30:09.70 ID:qJlLVlOEO
フェリに耳があるのは種付けの時にアベルが責めまくってロウルが意識してしまった可能性が微レ存?
698 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/08/10(月) 23:29:56.28 ID:N/r2/Kd70
こんばんはー
とりあえず生存報告です……
他と並行して考えていたら想像以上に時間がかかってしまいました
今週中には投下できると思いますので、もうしばらくお待ちください……

エリス以外の他ヒロインズのおおまかな流れも考えていたのですが、上でシチュ案を考えてくださっている方もいらっしゃるようなので、
やっぱり募集をかけた方がいいのかな?
既に並行書きしている為、完全採用というものは難しいかもしれませんが、とりあえずまだ自由の利くアーシャは少し募集してみようと思います
お手すきの方は、案をお願いします
(エリス妊娠発覚後、しばらく動けないエリスに代わって……とまず先に迫るのがアーシャの基本流れです)
あと髪色と瞳の色も判定取った方がいいですか? 本当にフレーバー中のフレーバーですけど
(当初の予定では、女の子は髪色は母親譲り、瞳の色が父親譲り。男の子はその逆の予定でした)
699 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/08/10(月) 23:51:02.45 ID:DApr9jkNO
生存報告乙です
変態枠と常識(純愛)枠でセットだと良いかも
アーシャ&ロウル、シア&パトラ、
ティア&エリス(アベルとティアで大惨事性界大戦繰り広げた後身重な体で二人を正気に戻して癒すとか)
正直なるべく複数名のプレイにした方が書きやすくもあるでしょうし
700 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/08/11(火) 01:03:36.93 ID:ISkTYch6O
報告乙です
ここの>>1は投げ出す人とは思ってないし気長に待ってます
アーシャは最初はペット扱い…と見せかけて普通に可愛がって困惑させちゃうとか?
子供配色はそれで大丈夫だと思う
701 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/08/11(火) 02:24:23.29 ID:2WVQxjMiO
>>699
順番や組み合わせは一応>>688の予定っぽいよ

アーシャのプレイは最初はエリス妊娠でアベルの性欲処理のために躍起になったアーシャとペットプレイ、後半では妊娠したエリスを見て自分も妊娠欲求が出てきたアーシャとしっぽりいちゃラブとかどうだろ
702 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/08/11(火) 08:27:06.74 ID:tiZxofzY0
おつ。なるほど身重のエリスに変わってみんなが順にアベルに飛びかかる流れなのね
子世代は任せても大丈夫だけど、欲を言うとルーシェの子もオッドアイがいいな
ウェディングブーケキャッチしたし、ルーシェも出産ワンチャンないですか(小声)
703 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/08/11(火) 10:56:04.09 ID:JcUk8soy0
アーシャの着弾シチュかー

先代が2人しか相手を作らなかったのに対して6人いる状況
何かのきっかけで仲がこじれたり争いが起きるかもしれない
でも私ならば国の平和から全て治められる自信がある
そんな私を躾られるのはあなただけだからガンガンこいよオラァ
というか一生躾てくれないとクーデター起こすぞ

というフリからアベルのSを引き出して手加減無しのプレイ

わざと屋外でバレるようなプレイに出て
アーシャ夫人は変態だったと広まって実家にトドメ刺しちゃう作戦とか
704 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/08/12(水) 18:43:25.50 ID:FWvEAWPVO
アーシャはこれまでの描写見る限りソフトペットな感じだし、段々ハードなペット扱いをしていってアーシャが羞恥の限界に達したらノーマルプレイに移行するとか
今更だけどガチペット(雌奴隷)になりかねないドエロシスターズ同時に相手取るっぽいけど、アベルは耐えきれるんだろうか
705 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/08/12(水) 22:09:45.10 ID:nKzQffrKO
キアラの早期出産ってエリスと同時期らしいけどここでエリス着弾としたらキアラは
・初体験の時に実は着弾してた(>>27では外に出してるけど現実でも先走りで妊娠する例はある)
・エリス結婚に触発された二人がまたヤッちゃった
・実はエリスとの初夜を偶然ほんの少しだけ覗いてしまったキアラが悶々としてヤッちゃった


辺りのどれになるんだろ
706 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/08/13(木) 14:18:01.39 ID:pKyq1hwg0
>>582でフレーバーだけど高コンマ程妊娠欲求大と書いてあったけど、キアラの11はどういう扱いになるかな
数値通りで低い扱いならマックスがハッスルしたか>>705の1番目になりそうで、ゾロ目として高数値扱いなら>>705の3番目になりそうだけど
707 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/08/16(日) 00:52:20.69 ID:oWRLwf0g0
こんばんはー……
すみません寝落ちてました(白目)
予定より凄まじく遅くなり、今週内かも怪しいですが、
アベルとエリスの一夜を投下しておきます
708 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/08/16(日) 00:52:59.61 ID:oWRLwf0g0
――


『孕ませる』


この言葉が、どういった意味を持つのか。
少し前までの少女であれば、まるで理解ができなかったことだろう。

帝国を変えるため、そして仕える主君を助ける為。
城塞で数年間暮らしてきた少女達はそればかりを考え、動いてきた。
敵を倒すための武力。味方の被害を減らす為の知略。情報収集に奇襲の対策。
性知識など使う場面もなかったのだから、当然なのかもしれない。


だが、今はもう違う。


十分過ぎる程の力を身につけ、ついに目標は達した。
心の奥底で幼少期より募らせていた恋慕の情は、主君や大切な友人達にも受け入れられた。
幾度か肌も重ねてきた。主君の為に、そういった知識も必死に取り込んだ。
もう――無知な少女ではないのだ。


「勿論、エリスが嫌だと言うならば止める。……抱くことを止めることはできんがな」


敬愛する主君は、余程相手が強く望まない限りは手荒な真似はしない。
こうして再度了承を求める辺りが、彼の性格が出ていると言えるだろう。


「アベル様……」


しかし、その言葉を受けて花嫁姿の従者は喉を鳴らす。
主君の言葉に偽りはないと断言できる。
それでも、その振る舞いに胸の高鳴りが抑えきれなくもあった。

孕ませずとも、抱くことは止められない。
その言葉を裏付けるかのように、その吐息は既に荒さを含んでさえいた。
ドレスと同じく純白の上質なスーツの上着は少し乱暴に投げ捨てられ、
首元を飾るタイも片手で取り払われ、既に鍛え抜かれた胸板が顔を覗かせている。

決して慣れない白い服に耐えきれないからではなく、そこには確かに男の欲望が見て取れた。
冷静で、慎重で、考えが読めない男。そう言われるが、本当はこうして燃え上がることもある。
普段はそれを隠すようにするが、今はそれも出来ない程に……これまで以上に、欲している。

『孕ませる』

この言葉が、どういった意味を持つのか。



「――わ、私も……アベル様の赤ちゃん……欲しい、です……!」



かつてまっさらだった少女は、意味を理解してその言葉を口にする。

きっと今の自分も、相手に負けず劣らず息を荒げてしまっているのだろうという自覚はあった。
自分から赤ん坊をせがむ、孕まして欲しいと懇願するのは恥ずかしいとも思う。
それでも。
これは主の望みだからではなく――自分の意思でそう思ったからこそ。


羞恥の混じった、しかし幸せそうな笑みを浮かべながら、エリスもその決意を口にする。


709 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/08/16(日) 00:53:26.88 ID:oWRLwf0g0


「エリス……」


愛らしい花嫁の言葉に、情欲はより駆り立てられる。
今度は唇に軽く触れるだけではない。


「んっ……んぅっ! あっ…ふぁ……っ、は、ぁ……ぅんっ……!」


一度や二度ではとても足りない、降り注ぐ口づけの雨。
その一つ一つを受ける度に、エリスは小さく声を漏らした。

額。

瞼。

頬。

あますことなく、慈しむかのように次々に落とされていく。


「っ、アベル様ぁ……」

「ふふ、そう急くな」


あえて外されていた唇が、切なげに強請る様な甘い声を紡ぎだす。
こちらにもちゃんとくださいと恥ずかしげに差し出される唇を食みながら、アベルは小さく笑みを返した。
それは時折、友人達にも見せる嗜虐を含むものだ。


(ああ、私……本当にこの後、アベル様に孕まされちゃうんだ……)


僅かばかりの恐怖と、圧倒的な多幸感。
愛する人に、これほど求められることのなんと幸せなことか。
こうも愛されては、本当に自分は今日孕まされるのだという強い確信すら持ててしまう。
一体自分はこの後、どうなってしまうのだろうか?
舌を絡め取られながら、エリスの身体は小さく歓喜に打ち震える。


「まだだ。まだ足りない……」

「ん、んぅ……!」


舌が解放されたかと思えば、耳や首筋にまで口づけは及ぶ。
くすぐったさに身を捩りでもすれば、その捩った先までもが狙われる。


「本当に、綺麗だ……」

「んっ、あぁっ!?」


そして雨は、ゆるりと下へ下へと。
純白のドレスから覗く、むき出しの肩へと辿りついた。
今度はさらにさらに強く。舌先で撫ぜてやりながら強く吸い付く。


ドレスに負けぬ白く穢れの無い場所に、紅い華が咲いた。



710 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/08/16(日) 00:53:56.98 ID:oWRLwf0g0


「あっ……駄目、です……痕が、のこ……あ、やぁ……!?」


細やかな抗議を無視して、肩口に続いて今度は胸元に紅い華。

以前、浴場で抑えきれなくなったこの主従はその時もこうして痕を残す真似をしていた。
あの時はまだ、その時では無かった。誰かに気がつかれることもなかった。二人だけの、秘密の刻印。
式を決めてからは、当然に自重した。
清廉な花嫁の装束とはいえ、肩や胸元などは肌が露わになっているからだ。
刻印も、鍛錬の傷も見せるわけはいかない。
互いに抑えて抑えて過ごしてきた。


「……残す、刻む。エリスは、俺だけのものだ……」

「あっ、ふぁっ、ああぁぁっ……!」


だがこうして夫婦の契りを交わした今ならば、もうその必要もない。
遠慮なく、愛と独占の誓いの証を印すことができる。

唇が吸いつき、離れる度にエリスの身体はぴくりと反応する。
彼女はもう細やかな抵抗すらしない。
先程の抵抗も口だけのもの。エリス自身、主君から賜るこの所有者の刻印は気に入っているのだから。


「絶対に、離さない……」

「はい……」


いくつも刻まれた紅い印。
それでもまだ足りないと、再び互いの舌が絡み合う。
己の舌を吸われれば、吸い返し。
また吸いかえされたなら、こちらも負けじと。
流石にここに痕は残せないが、それでも二人はお互いの唇を貪り合う。

息苦しささえ覚えてしまうほどの、濃密な口づけ。
どんどんと身体は熱を持ち、欲望を滾らせる。
式の誓いだけではまだ足りない。
この繋がりこそが、何よりも雄弁に物語る二人の誓い。
揺るがぬ愛の誓いだ。


「はふぅ……アベルさま……」

「蕩けた顔も素敵だぞ、エリス」


つぅっと繋がる唾液さえも、アベルは舌先で全て掬い取る。
この素晴らしき花嫁を穢したくもあり、穢したくもない。
相反する感情に挟まれながらも、その手が止まることはなかった。


「あっ、やぁ……」


未だ余韻で蕩けていたエリスが、短い悲鳴をあげる。




711 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/08/16(日) 00:54:24.08 ID:oWRLwf0g0


アベルの手は、ゆっくりとだが純白の布地の上からエリスの胸を愛撫し始めていた。
折角のドレスに余計な傷みが入らないように……
そして愛しい人を焦らす為に、本当にやんわりとした手つきで。


「エリス、気持ちいいか?」

「ふっ……んっ、くすぐ、ったいです……!」


僅かに左右に振られる首。
あえて焦らしているのだから、当然即座に快楽を得ることはできない。
それをわかっていながらの、あえての問いかけ。
短く、そうかと返しても動きは変わらず。
おそらく胸の頂があるであろう場所を探り当てても、指先でほんの少しだけひっかく程度。
確かに刺激は与えられるが、微々たるものに過ぎない。


「やっ、んぁぁ……! アベル、様……どう、してぇ……!?」


少し明確な抗議の声。
だがそれにアベルは小さくくつくつと笑うのみ。


「可愛いぞ、エリス……」

「んっ!?」


布越しに先端を小さく虐めていた指は、不意に矛先を変える。
ドレスの胸元、申し訳程度に主張する谷間の間にそれは侵入した。
しかし最初こそ身体を反応させるも、それもまた快楽には程遠い。
せめて、差し込まれた指を動かしてくれたならば。


「アベルさまぁ……」


エリスの身体はふるふると震え、瞳の潤みが増してくる。
あからさまに焦らされている。それは未だ知識が完璧とはいえない彼女でもわかることだった。
このままでは、はしたなくもっと縋ってしまうかもしれない。
現に、自分でもどこから出しているのかわからない程に媚びた声が出ている。

そして、主はそれこそを望んでいるのだということも、理解できてしまった。

緩い愛撫により、エリスの芯は甘く疼いている。
これから、どうなるのか。
孕まされるまでに、何をされるのか。
無知ではなくなったが故に、女の情欲が燃える。
激しい口付けが、それに反するような愛撫が、自分の肌に熱をもたらし昂ぶらせていく。
もっともっとと、理性が焼かれ焦がされていく。

それでも、生まれつきか。あるいは聖国のドレスに身を包んでいるからだろうか。
幾度肌を重ねようとも、エリスは羞恥の感情を忘れない。
度を越えた愛の形を理解こそすれ、真似をすることはできない。
清く正しく、自分はただ愛する人と共に在れればそれが一番幸せ。
それが、エリスという少女であった。


「エリス――どうしてほしいのか、言ってごらん……?」

「っぁ……」


耳元で囁かれ、ぞくりと身体が震えあがる。
ああ、やはりそういうことなのか。

結婚した夫婦とは、互いを想いあう存在。そして支え合い、分かち合う存在。


――欲望も、互いでぶつけ合わなければならない――


712 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/08/16(日) 00:54:55.98 ID:oWRLwf0g0


改めて口にするのは恥ずかしい、はしたないという思いが無いわけではない。
しかし彼が望んでいるのは、正直な自分の気持ちの吐露だ。

上質な生地と共に、胸がそっと撫ぜられる。
これでは、足りない。お互いに。
答えを待つアベルも表情は余裕を見せているが、呼吸の乱れまでは隠しきれていない。
本当は、孕ませる為により激しく責めたいのだろう。
だがそれでは駄目だ。
夫婦として、エリスからも己を求める言葉を聞かねば。
孕ませる了承は得たが、まだそれだけだ。
彼女自身の気持ちを、欲望を、曝け出して欲しい。


「……っ……」

「ん?」

「……もっと、触れて欲しいです……」

「ドレス越しじゃなくて、私の身体に直接、アベル様の手で……っ」


耳まで紅くしながら、しかしエリスはやがてしっかりとその言葉を告げる。
相手が望んだからではなく、自分も望んでいる。
対等な関係の確認のためにも、必要な言葉だ。


「ああ」

「んぅ……」


薄い笑みを浮かべたアベルは満足気に頷くと、その手をエリスの背中へと回す。
愛用のメイド服と比べれば、背中の露出の激しいドレスだ。
指先が軽く素肌に触れるだけで、エリスは甘い声が漏れてしまう。
まだまだ、これからより激しくなるのだとわかっていても。


「エリス、折角だが脱がしていくぞ?」

「は、はい」


花嫁の身を彩る純白の装束が、後ろ手で緩められる。
一気に脱がされることはない。惜しむように、ゆっくりと。
壊れ物を扱うように、丁寧に。


(これは、なんとも言えんな……)


そしてアベルは、気付かれないように小さく喉を鳴らした。
今まで幾度もエリスの服を脱がせてきたものの、今日ほど興奮を覚えたのは初めてかもしれない。
無垢な花嫁のドレスを、時間をかけて剥ぎ取っていく……
これから自分の色に染め上げていくのだという、倒錯的な欲望。
それをより強く実感できるからだろうか。

背中が緩められれば、必然的に胸元も緩んでいく。
やがてはらりと、花嫁を守る壁の一つは力なくはだけてみせた。


713 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/08/16(日) 00:55:26.46 ID:oWRLwf0g0


ドレスの下には、やはり清楚な純白のビスチェ。
普段の下着とは異なる、細やかな刺繍の刻まれたものだ。
このままこの姿のエリスを眺めつづけるのも悪くないと思えてしまうほどに、これも彼女によく似合う。


「あっ、アベル様……」

「わかっているよ、エリス」


だが、少し虐めが過ぎたか。
お互いの身体は熱を持ち、下半身は早く早くと疼きを訴えてくる。
力任せにしてしまわないよう、細心の注意を払って美しい下着も押し下げられていく。


「んっ、ぁっ……」


純白から肌の色が覗き、続けて鮮やかな蕾が顔を見せる。
ゆっくりと下げられた下着はその先端に少しだけひっかかった後に、あえなく陥落。
少し勢いよく、ふるりと慎ましいながらも美しい乳房が曝け出された。


「エリス……本当に君は、どこもかしこも綺麗だ」

「アベル様、恥ずかし……あっ、やっ……んぅぅっ!?」


アベルは躊躇うことなく、形の整った綺麗な胸を直接愛撫する。
両の手で優しく揉み回し、舌先で乳首を嬲り、わざとらしく音をたてて吸い上げる。


「んぁ、はぁ……ふっ、ん……アベル、さま……んいっ!?」


潤んだ瞳も、甘い吐息も、恥ずかしげに捩られる身体も……
何もかもが愛おしく、アベルは責めを緩めることなく胸全体を口に含んだかと思えば、軽く歯を立てる。
少し強めの刺激に驚いたようではあるが、その声もすぐに甘いものへと変わっていく。

愛おしい、大切な少女。
それが今日は、いつも以上に愛おしく……そして淫らに見える。
清楚なドレスを完全には崩さず、しかし魅惑的な胸を晒して顔も蕩けているせいだろうか。
普段肌を重ねる以上に、どこか陶酔しかねない魔力がこのドレスには宿っているとでもいうのか。


「はぁっ……あっ、アベル様、わたし……」


そしてそれは花嫁のエリスも同じこと。
少し憧れをおぼえてしまった、聖国の純白のドレス。
こんな淫らな行為に耽る為に用意されたものではなく、頭のどこかで後ろめたさが生まれる。
しかしそれ以上に、だからこそより深く深く、愛の沼に嵌まれるのではにかという期待感も生まれてしまう。
純白のドレスは、何物にも染まっていないことの証明。
愛する人に、あなたの色に染め上げて欲しいという意味があるということは学んでいた。


(アベル様の、色……)


愛する彼の色は、純白の対極に位置する漆黒。
子供の頃から、彼の色が大好きだった。
激化する戦いに備え編み出した己の魔法剣も、無意識の内に彼の色合いを真似ていた。

冷酷な仮面を被る、黒衣の青年。
しかし少女にとっては、たとえ黒くともその存在は煌めいて見えた。


(アベル様色になってしまうには、どれだけ染め上げられるのでしょうか……?)


純白が、漆黒に。
灰色では済まない程に染め上げられる――愛されるなら。
自分は果たしてどうなってしまうのだろう……?

胸を弄られながら、その身体はさらなる興奮を抑えることはできなかった。



714 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/08/16(日) 00:55:56.85 ID:oWRLwf0g0


「アベル、さまぁ……」


ぞくりと身体を駆け抜ける、更なる深みへの期待感と興奮。
変わらず胸を捏ねくり回す主人へ、哀願のような声が漏れた。


「っと、すまないな。痛かったか?」

「い、いえ。気持ち、いいです……」

「そうか。それならこのまま……じゅっ、んぷ……!」

「んぅぅっ!? やぁ、違うんですぅ……!?」


既に散々弄られた乳首は淫らに色づき、ぴんと主張をしている。
そこを再度強く吸われれば、当然にエリスの身体は跳ね上がった。
偽りの無い、確かな快楽を感じている。
それでも、他ならぬエリス自身が気がついていた。

自分の身体は、もっともっと強い刺激を欲している。
まだ暴かれていない、この純白のドレスの下で悶えている秘所。
羞恥の感情は強い。それ以上に自分は求めてしまっている。

この疼きを、止めて欲しい。

もう、待ちきれない。

もうとろとろと蜜を垂れ流している、はしたない自分を……

この身体を、満たして欲しい。

奥の奥まで染め上げて。



――孕ませて欲しい。




「アベルさま……もうっ……」


準備はできています。その言葉は、どうしても恥ずかしくて口から出てこない。


「ふっ……」


しかし、顔を更に紅くして懇願の眼差しを寄越すだけの愛しい人の想いに、夫は短く笑って応える。
まだまだ彼女が恥ずかしがり屋であるということは、重々承知している。
本人の口から直接聞きたい気持ちも無くはないが、虐め過ぎて泣かせてしまうのもいただけない。
何より、我慢の限界なのは自分もなのだから。


「まったく、俺の花嫁は随分といやらしい子だな?」


口ではそう言いつつも、アベルは少し困ったような笑みを浮かべていた。
彼とて、自覚はある。
まさしくこのドレスと同じ純白とも言えた少女を、こうも変えてしまったのは……
間違いなく、自分の欲望を抑えきれなかったせいなのだから。


(ああ、俺はどこまでも卑しいんだろう)



そしてそんな少女を、これから更に堕とそうとさえ思ってしまっているのだから。


715 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/08/16(日) 00:56:38.98 ID:oWRLwf0g0


「あっ……」


お望み通り、名残惜しげに口が双丘から離れていく。
そして両の手は、白いドレスの内側にするりと潜り込んでいた。


「ド、ドレス、脱がないと……!?」

「いや、もう少し。もう少しだけ待ってくれエリス」


慌てふためく少女の静止は、あっさりと止められた。
するりと内腿を撫でながらアベル自身も聖域へと乗り込まんとする。


「ア、アベル様っ!? そこはっ……」


より強い静止もやはり無視され、エリスの顔は羞恥に染まりきる。
主人の黒髪の一切が視界から消えた。
どこにと言えば、考えるまでも無い。自分の着ているドレスの内側だ。
優しく手で撫ぜられる内腿と、時折触れる髪の毛が実にこそばゆい。
だが今はそれを気にしている余裕も無かった。


「い、いけませんっ……んぅぅ!?」


広げられた脚を閉じようとするが、それをするとアベルの頭を挟むこととなってしまう。
心底恥ずかしく、本来であれば両脚でもって対象の頭蓋を締め付けるくらいはしたかもしれない。
だが悲しいかな。純白のドレスに護られていた聖域に踏み込んできたのは、この世で最も愛する人なのだ。
抵抗は弱弱しく、為すがままにされてしまった。


「ああ、エリス……こんなに濡れて、ドレスの中はエリスの匂いで一杯だぞ?」

「やぁ……言わないでください……!」


見えていないとわかっていても、エリスは小さくいやいやと首を横に振る。
恥ずかしい報告など聞かずとも、自分が今どれだけ期待して蜜を零しているかなど理解している。
上品な純白の下着も既に多量の愛液を啜り、薄く透き通って内側が見えてしまうほど。
その中心が指で押された瞬間、確かな水音と押し殺した嬌声が部屋に響き渡る。


「ふぁ……! アベルさまぁ……!」


エリスは堪らず身を捩るが、しかし熱い視線は潜り込んだ主人へと向けられる。
翠の中には隠しきれない期待と欲望の色が浮かんでいた。
不意に秘所に感じる解放感、見ずとも彼が下着を抜き取ったのだということがわかる。
いよいよなのだと、固唾を呑み……



「ひあうぅぅっ!?」



その瞬間に、悲鳴と共にエリスの身体は大きく跳ねあがった。
予測した、期待した刺激とはまるで違うものが襲ってきたためだ。


716 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/08/16(日) 00:57:21.59 ID:oWRLwf0g0


「ちょ、ちょっと、アベル様……!?」

「なに、熱そうだったから少し冷ましてやろうと思ってな?」


エリスが驚くのも無理はない。
期待に濡れそぼった秘所、そして可愛らしい肉芽に対してアベルは息を吹きかけたのだ。
それも、自身の氷の魔力を操作した少しひんやりとしたものを。


「それ、だめです……んっ、んうぅぅ……!?」


ここにきて、まだお預けをされ。
しかし敏感な場所に感じたことのない刺激を受けてエリスはひたすらに悶え続ける。
脚を閉じようにも、いつの間にか両膝を押さえつけられていてそれもできない。


「やぁ……アベル様ぁ……!」


なんとか起き上がり抗議をしたいが、ぞわりとする刺激を受け続け思うようにいかない。
どろどろのぐずぐず、どうしようもないくらいに蕩けきり熱を持っているのがわかる。
はやく、はやく……いつまで我慢をすればいいのだろう?


(切ない、よぉ……)


お腹の奥がきゅうっとなるような感覚。
頭が、身体が。何もかもを忘れ去って、ただただ愛しい人と繋がりたいと叫び続ける。
羞恥心は、どこかへと置き去りにされていた。


「んじゅっ……」

「んああああぁぁぁっ!?」


そんな時、冷風に焦らされ続けた秘所に突然舌が這わされ、強く舐めあげられる。
不意の一撃、そして冷やされたせいか余計に熱く感じる舌の感触にエリスは思わず軽く達してしまう。
思わず口元を手で覆い隠すが、もう声は抑えきれなかった。

じゅるじゅると、大仰にいやらしい音を響かせながらアベルの愛撫は止むことは無い。
伸ばされた舌は肉をかき分け、奥へと潜り込んで無遠慮に蠢く。
ようやく求めていた刺激を受け、止め処なく溢れ出る愛液。
次々に溢れだすそれを、彼は飽きることなく啜り続けた。

純白の花嫁装束の中、聖域内で堪能する淫猥な光景と甘露はアベルにもいつも以上の劣情をもたらしていた。
口では愛する少女より優位に立っている風を装っているが、彼とて状況は似たようなもの。
すでに己の下着は先走りでぬめりきり、とうに使い物にはならなくなっているが、それはひた隠す。

舐め啜るたびに、いつまでも初心な反応をしてくれる少女の反応をまだまだ楽しみたい。
そして……



より深く――これまで以上に、その身体に愛を刻み込みたい故に。


「んぅ! あ、ああぅっ……! やぁ!? ふあっ! あぁっ……ぁはっ……っ」


ただでさえ蕩けきった場所を念入りに解され、エリスはもう声を抑えることも身体に力を込めることもできなくなっていた。
くたりとした肢体、霞がかかったようにぼんやりとする頭。
荒い息の中に感じる、確かな甘さ。
もう、お互いの準備は完全に出来上がっているだろうと言える状況。
それでも、まだアベルは動かない。
いつのまにかエリスがドレスの裾を掴み持ち上げ、より乱れる準備を無意識にしていたとしても。


彼女の全てを愛するために、もう少し――手を出しておきたいところがある。


717 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/08/16(日) 00:58:11.06 ID:oWRLwf0g0
「ん、あ……ひゃんっ!?」


蕩けきった状態から、一気に覚醒状態へ。
今、自分は何をされたのか?
それを理解するのには少しだけ時間を要した。


「アベル様、そこは……」


エリスは小さく首をふるふると振る。
ああどうしてこの人はこうも意地悪をするのだろう。
とっくに準備ができて、もう待ち焦がれているのに。
未だ前には指も触れず、よりよって後ろを責めてくるなんて。


「前に言っただろう? いつか、こちらも楽しみにしていると」


少しだけ恨めしげな視線を浴びつつ、アベルは小さく笑いながら指を動かす。
男を惑わす蜜壺よりも下、柔らかな尻肉の奥には可愛らしい穴が隠れていた。
アベルがそっと触れたのは、本来であれば生殖行為には一切使わない場所だ。


「ひぅ……んん……!?」


アベルの指は溢れ出る愛液ですぐさまに粘り、図らずも丁度良い潤滑油代わりになっている。
その状態でエリスの肛門の周りを優しく撫ぜる。
こそばゆさに加えて、排泄の為の穴に触れられているという羞恥にエリスは身を硬くする。
しかしその反応にアベルは違和感を覚えた。
何度かたまたま触れてしまった時は、もう少し良い反応が返ってきた筈だ。これは……


「不意を突いたつもりだったんだが……エリス、俺がこうするとわかって――備えていたな?」

「っ!!」


ぴくりと身体が反応を示す。言葉よりもわかりやすい肯定だ。
事実、エリスは以前のアベルの言葉からいつの日かこういうことをされる覚悟は決めていた。
そして幸か不幸か、身近に後ろの穴を既にメイド長に弄り倒されている竜の力を持つ少女もいる。
全ては主人の為に。如何なることにもその信念で突き進み、彼女は成長してきた。
たとえそれが、自身の理解の範疇を逸脱したものであっても、その知識を取り込んできたのだ。


「そ、その……スミレさんから、少し教わって……」

「ほう?」



「ア、アベル様も以前に私のお尻を触られていたので……ちゃ、ちゃんと清めてありますからご安心下さいっ!!!」



半ばやけになった様子で、しかしはっきりと真っ赤な顔でエリスはその事実を伝える。
このドレスを着る際に、一際念入りにいつも以上に身体を清めてはいたが、それは後ろの穴とて例外ではない。
友人からの指導を受け、こうなることも想定されていたのか滑りをよくする為の油まで貰っていた程だ。
さらには恥ずかしいけれど、少しだけ自分で……弄ってみたりもした。
とても正直には話せる内容では無く、エリスはただ黙ってアベルに身体を任せるのみ。


(でも、よかった。これでアベル様も……)




「――そうか。なら、俺も遠慮はしなくていいんだなエリス?」

「っ!?」


718 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/08/16(日) 00:58:49.57 ID:oWRLwf0g0


一瞬感じたのは、開いてはいけない扉を開いてしまったのだという――恐怖。



「ん、んあああああああぅっっ!?」


それはすぐさま――快感で塗り潰された。


「え……ぁ……!?」

「ふふ、思った通り……いい声だ、エリス」


とても自分の口から出たとは思えないような大きくはしたない声。
手で口元を強く押さえても、もう声を出してしまったという事実が消えることも無い。
耳元で囁かれる主人の言葉にさえ、混乱してしまう。


(うそ……今、私のお尻……)


なんのことはない筈だ。指の本当に先端が門を潜り抜けただけ。
自分でも、なんとかそこまではやってみせた筈なのに。
その時とは比べものにならない快感が、エリスの全身を襲っていた。


「ぁっ……ま、待ってアベル様……ちゃんと、頂いた油がぁっ……はぅ……っ!?」

「安心しろエリス。俺もああして用意はしてある。まぁ……この溢れるエリスの蜜のおかげでそれも不要そうだがな?」


ちらりと目だけで小瓶の存在を報せはするが、アベルがそれに手を伸ばすことは無い。
彼の言葉通り、そんなものを使わずとも自前の愛液だけで十分に滑りはよくなっているようだ。
しかも、次から次へと湧き出てくる。小瓶の容量よりもきっと多いことだろう。
突き付けられた現実にエリスは顔を背けたくなるが、それも叶わない。
ゆっくりと、しかし絶え間なくつぽつぽと尻穴を刺激してくる指の感触に、全神経が集中してしまう。
何度も出し入れをされた影響なのか、気がつけば指は更に奥へと入り込んできていた。


「だ、めぇ……指、抜いてくださ……あっ……」

「ん? そうか。それじゃあ抜くぞ?」


存外素直に、アベルは肛門からゆっくりと指を引き抜いていく。
本当に、ゆっくりと。


「あっ!? あっ、あっ、あぁっ……んっ、駄目ぇっ……!?」


しかしそれは、エリスの新たな快楽の引き金となった。
指の圧迫感に混じって感じていた、もどかしさ。
ゆるゆると与えられていた腸内への刺激。
通常ならありえない、侵入し蠢いてくる異物。
そして、それの排泄に伴う解放感。


「あっ――ぃ――!?」


アベルの指がちゅぽっと音を立てて全て引き抜かれると同時、エリスの身体は大きく跳ねた。
全身の力が抜けた様子で、荒い息を吐き出す彼女のその様子は……
紛れも無く、少なからぬ快楽を受け取ったことの証明でもあった。



719 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/08/16(日) 00:59:21.35 ID:oWRLwf0g0


「はぁっ……ぁ……い、今のは……」

「どうだったエリス? 次はもう少し奥まで行ってみようか?」

「えっ!?」


そんなエリスの後ろの穴に、休む間もなくアベルの指が再び挿入される。
先程よりも滑らかに動くそれは、一気に前回よりも奥地へと到達してみせた。


「あ、ふっ、はぐぅ……!?」


さっきよりも、太くて長い。

エリスは異物が変わったことを、腸壁で敏感に感じ取ると同時に悟った。
自分の時と、どうしてもこうも状況が異なるのか。
答えは実に単純なものであり、エリスとアベルとでは指の大きさが異なるからだ。
双剣を振るい勇猛に戦うエリスも、こうして寝台に寝かされている様はどこからどうみても華奢な少女でしかない。
たゆまぬ鍛錬を積んでなお、その指は白く細く滑らかで少女らしい。無骨なアベルの指とは大違いだ。
おそらくは、先程の指はあれでも小指だったのだろう。
では、この指はどれだろう?


「ん゛っ!? ひ、ぁ……ふ、うぅぅ……!?」


それを考えるよりも先に、エリスの思考が再び快楽で塗り潰される。
今、弄られているのは後ろの方だというのに。
前の方から、切ないほどに愛液が撒き散らされる。


「どうだ、エリス。今、こちらからお前の子宮に触れているぞ?」

「ぁひっ!? しょん、な……ふああぁぁあぁっ!?」

「これから、ここを一杯にしてやる。俺が、エリスを孕ませるんだ」

「んひぃ……!? っは……アベルしゃま……これ、らめぇ……!?」


アベルの言葉通り、エリスの腸壁越しに彼は子宮を優しく叩いていた。
指の腹で、撫でていると言った方が正しいか。
とても緩やかな、間接的な愛撫。


「ひっ、ふぁっあ……はう゛ぅぅ!? どうして、らめなの、らめなのに……きちゃ、うぅぅぅ……!?」


前は弄られていない。だというのに、お腹の奥底が疼いて仕方がない。
壁越しに大切な場所を撫でられている。本来の用途ではない場所に指を入れられて。
こんなのはおかしいと、エリスは襲い来る快楽を否定しようとする。
しかし否定しようすればするほど、その場所に意識が向いてしまう。
こりゅこりゅと腸と子宮を刺激する指の感触が、もう頭に焼き付いて離れない。


「やら、やれす、きちゃ、あっ……!?」


「んっ、イっ――〜〜〜っ!!??」


そして、アベルの指が曲げられ、再び子宮を刺激されたその瞬間。
エリスは、前や胸を刺激されていないというのについに達してしまう。
取り繕うにも、噛み殺したかのような嬌声は聞かれてしまっている。
そしてきつく締まった肛門は、直接彼に絶頂の報せを送っていることだろう。


(そん、な……私、お尻でぇ……)


興味が全くなかった……そう言えば、嘘になってしまう。
だがしかし、初めての後ろでの絶頂は、エリスに並々ならぬ衝撃と快楽をもたらした。


720 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/08/16(日) 00:59:57.45 ID:oWRLwf0g0


「アベル、様……今のは……っ」

「ふふ、やはりエリスはこちらが弱いみたいだな?」


なんとか顔だけ起こして見れば、アベルは口の端を少しだけ吊り上げていた。
彼の腕から滴り落ちる雫を見れば、自分が改めて尻穴で絶頂を迎えてしまったのだと見せつけられるようだ。
今のは、たまたま。
そう言い逃れしたかったエリスではあるが……


「だが、俺もそろそろ限界なんだ。こちらはまた今度、ゆっくりと……」

「んにぃぃっ!?」

「おっと」


仕舞いだと言わんばかりに、指が再び引き抜かれる。
その瞬間にエリスの身体も再び跳ね、漏れ出る嬌声も抑えることができなかった。
挿れられ、抜かれ、そのどちらもが違う種類の快楽をもたらす。
この有様では、もう言い逃れもできないだろう。


「ふふ、可愛いぞエリス」

「やらぁ……これ……」


ばれている。お尻の穴で気持ちよくなってしまったことが。
教わる時に、癖にならないように気をつけてくださいと忠告は受けていたがもう手遅れかもしれない。
結婚を経て、一つの障壁を乗り越えたはいいが違う壁も乗り越えてしまったのだろうか。
口では嫌がりつつ、自分の肛門が切なげにひくついてしまっていることを、エリスは自覚していた。


「……もう少し、解しておくか?」

「え? やぁ、だめ、だめです……!? やめ……あっ!? んふぅんんんんんっ―――っ!?」


そして、気が変わったのかアベルの指は三度エリスの菊穴を穿つ。
さんざんに弄られたせいか、エリスの身体の強張りもなくなりそれはぬぷぬぷと奥まで呑みこまれていく。
さらにはもう片方の手はは焦らされた前へと伸び、二本の指が蜜壺に挿されて掻き回す。
とどめだと言わんばかりに、充血し膨らんだ豆が思いきり吸い上げられた瞬間、エリスの身体は今日一番の反応を示した。
背を仰け反らせ、浮き上がった身体は意思とは無関係にがくがくと震える。
ぐちょぐちょと掻き回される膣からは止め処なく愛液が幾度も撒き散らされ、肛門は指を咥えこんで離そうとしない。
強烈な快楽。少女の身には余るほどだが、そこに苦しみはなかった。


「ひどいです、アベルさま……」


しばらく余韻でくたりとしていたエリスだが、身体を起き上がらせるなり少しだけ口を尖らせる。
虐めぬいた少女の股から顔を上げたアベルと目が合うと、そのまま口づけをして抱きついて見せる。
紅に染まりきったその顔には、幸福と情欲に満たされた蕩けた笑顔しか浮かんでいなかった。


「私ばっかり、気持ちよくなるだなんて……駄目です、そんなの……」

「――ふ、夫婦ならっ、アベル様と、一緒に……気持ちよく、なりたいです……!」

「っ……そうだな」


身体を擦りつけるように甘えてくるエリスに、いよいよアベルも自分の限界を悟る。
自分でもできる限り、これから長い一夜になっても大丈夫なようにといつも以上にエリスの身体を昂ぶらせてきたつもりだ。
もう少しとも思ったが、こんな可愛らしい顔を見てしまってはもう駄目だ。
ゆっくりと口づけを落とすと同時に、互いは強く抱きしめ合う。

二人を遮るものは、もう何もない。


721 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/08/16(日) 01:01:08.80 ID:oWRLwf0g0


……


純白のドレスは胸元を曝け出し、優雅なスカートはたくし上げられてその機能を果たしていない。
清純とは真逆、淫らな格好となってしまった花嫁。
しかし向かい合う夫婦の顔には、笑みが浮かんでいた。


「エリス……挿れるぞ?」

「は、はい」


エリスのお腹の上に、ぴとぴとと猛り狂ったアベルの肉棒が当てられる。
まさにはち切れんばかりであり、こんな状態でも確認を取ったのはアベルの優しさか。


(こ、これからあれに、アベル様に、赤ちゃんを……)


孕ませる。その意思の象徴のような姿に、エリスは覚悟を決める。
愛する人が、自分の他に誰かを何人愛していようとも構わない。
だけれども、メイドの身分でありながら欲深くなった自分にも、譲れないものはできていた。
誰よりも先に、愛する人の赤ちゃんを産みたい……家族の時間を過ごしたい。
それは、幼くして過酷な運命を背負った少女の心からの願いだった。


「エリス……」


横たわるエリスの脚が開かれ、アベルはより密着した姿勢となる。
そしてどちらからともなく両手を重ねあわせると、彼女の顔の両側へと持っていかれる。
自然と合わさる、二人の視線。


「アベル様……きて、ください……♪」

「ッ……エリス!」


潤んだ瞳で見つめるエリスに頷き――アベルはそのまま一気に最奥までを貫く。



「っあああぁぁぁあああぁぁっ――!? ぁ……ふぁ、ぁ、ぁあっ……!」


エリスの身体が幾度目かわからない程に跳ね、ふるふると震える。
膣内も挿入と同時にきつく締め付けたかと思えば、すぐに緩めてみせた。
まだかまだかと待ち望んでいたエリスの身体は、挿入だけでも軽く達してしまったようだ。


「っぁ……もうしわけ、……っまた、私だけ……」

「まだだ。まだ夜は始まったばかりだぞエリス?」


またしてもアベルよりも先に気持ちよくなってしまったことに罪悪感を覚えるエリス。
しかしアベルは気にした素振りも見せず、優しいキスをして慰める。
そう。一度や二度の絶頂程度は誤差の範囲。
これからまだまだずっと可愛がるのだから。
にやりと笑うアベルは、ゆっくりと腰を動かし始めた。


「ひぁっ! ふぅっ……ぁぁん、あぅ! あっ……気持ち、いい……♪」


熱く柔らかいエリスの内側は、きゅうきゅうとアベルを締め付けながら絡みつく。
それも当然にアベルを昂ぶらせるが、それ以上にエリスの表情と声が大きい。
内だけでなく外からも、男を悦ばせる。


722 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/08/16(日) 01:01:48.31 ID:oWRLwf0g0


「アベルさまぁ……いい、の……! もっと……っぁ……もっと……!」


努力家で、純真で、一切の穢れを知らなかったエリス。
そんな彼女がこうして自分の下で乱れて、もっともっとと自分を欲している。
純白のドレスを纏った美しいこの少女を、自分の手で染め上げているというこの背徳感。
そして、紛れも無く彼女は――自分だけのものなのだという、至高の悦び。


「エリス、エリス……っ!」

「んぁ……! アベルさま、アベルさまぁ……!」


腰が止まらない。
このまま、いつまでも繋がっていたい。
独占欲が意外と強いことを、アベルは自覚している。
誰にも渡す気はない。
愛する少女に、最後の愛の証を刻み込まねば。
誰よりも先に、愛の結晶を。それは彼女も強く望んでいることなのだから。


「アベルさま、だいすきです……! アベルさまのあかちゃん、ほしいの……!」

「ああ……俺もだ……!」


緩急をつけて動かされる身体。下半身の水音だけでなく、お互いの口からも水音は止まらない。
飽きもせぬ甘い口付け。上も下も、繋ぎ合った両手も離れることはない。
お互いの身体を、お互いに知り尽くす。
ただの主従から夫婦となる二人は、より相手を知ろうとさらに繋がりを深め続ける。


「あぁぁっ! んぅ、はぁ……っ! ふあっ、あぁぁっ! んあああああぁぁぁっ!」


握られた手の力が、強くなる。
声もより艶めき、エリスも無意識の内に腰が動き出して締め付けも強くなっていく。
やはり先に限界を迎えるのは彼女の方か。察したアベルも動きを速め、より激しく膣内を抉りこむ。




「ひっ、あ……らめ、またい、イッ……っぁ―――――!?」

「く……! まずは一発目だ……! 出すぞエリスっ! 俺の子を……孕めっ!!!」

「あ゛っ、イ……んぅぅぅぅ―――〜〜〜〜〜〜〜〜〜♪」




繋いだ手は離さないまま、エリスの身体が大きく張りつめる。
同時にぎゅっと収縮してみせたエリスの膣内に、アベルは言葉通りに無遠慮な焼けるような精液を流し込んだ。
すでに達していたエリスにとっては追い討ちとなるようなものであり、彼女の痙攣はしばらく続いた。
お互いが達し、これほどの量の精液を注いだのだ。
本来であればここで終わるだろうが、今日は何よりも特別な日だということはお互いがわかっている。
荒い呼吸を少し整えると、二人はどちらからともなく口付け、舌を絡ませあってお互いを確認し合う。


「お腹に、アベル様がとぷとぷ入ってきているのがわかります……赤ちゃん、できたかな……?」

「……わからないな」

未だぴくりと反応するエリスの頭や身体が、優しく撫でられる。
大切な少女を慈しみ――再度、高みへと引き上げる細やかな愛撫。


「んっ!? あ……また、大きく……」

「まだ、わからない。エリスの中を満たすまでは……な?」


アベルの言葉に、再び顔の熱を自覚するエリス。
しかしそれを断る道理も無く、恥ずかしげに目を反らしつつもこくりと首を縦に振った。
その様子を満足そうに見つめると、アベルは手を彼女の後ろにまわし抱きしめながら再びキスをする。


723 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/08/16(日) 01:02:20.40 ID:oWRLwf0g0


「んむ……アベル様……」


ただ唇を重ね、舌を絡め合う。
これだけの行為だというのに、どうしてこうも安心し、そして色々と期待してしまうのか?
それはわからないが、エリスは夢見心地だった。
愛する人と上も下も繋がり、こうして抱きしめられる。
これ以上の幸福が、この世に存在するのだろうか?


「あかちゃん……」


いや、存在するからこそ、今宵はまだまだ続くのだ。


「ああ、エリスの子ならきっと可愛い子だろうな」

「あ、ふあああぁぁ!?」


そしてとろんとした心地よさは再び淫らなものへと変わっていく。
繋がったまま上体を抱き起され、その際に膣内も掻き乱されたのだ。
アベルのものは一度出した後だと言うのに、先程よりも固く主張している。


「あっ……ん……」


思わず漏れた嬌声は再びキスで塞がれ、エリスもそれに応えつつ身体を動かす。
さっきよりも、より深く。抱き合いながらお互いが触れ合える、対面座位。


「んむ……ちゅ……んっ!? ふきゅっ!? ふっ、ああ、んあああああんっ!?」

「言った筈だ……そう簡単に、眠らせない……終わらせない!」


ゆったりと舌を絡め合っている最中、突然アベルの腰が激しく打ち込まれる。
先程より深く……それは、体内の状況にも当てはまる。
最奥をとちゅりと突かれ、エリスは堪らず叫ぶと同時にアベルに抱き縋った。


「ひゃうっ!? らめ、れす……これ、らめ……!? ひあ、ああぅぅうああぁっ!?」


しかしそれでどうにか緩和できるということもなく。
先程よりもアベルの責めは苛烈となっていた。
抱きしめられていて、身体を捩らせ逃げることは叶わず。
綺麗な形の胸も胸板でぎゅうと押し潰され、腰の動きにあわせて擦れれば甘い痺れをもたらしてくる。
それだけでなく、まわされた両腕は時にエリスの身体を動かし、揺さぶってくる。
ただ下から突き上げるだけではない、異なる方向からの刺激に慣れる程の経験をエリスはまだ積んでいない。
瞬く間に、もう次の絶頂を迎えようとしていた。


「はぅ……! ま、ってアベルさま……! わたひ、まださっきのがぁ……きゃうぅぅっ!?」

「エリス……!」


容赦ない責めに、再びエリスの身体は達してしまう。
一緒にという想いからなのか、同時に中がより強く締め付けるが、アベルはこれを食いしばって耐え抜く。
そして耐えながらに、エリスへの責め手を緩めることもしなかった。


724 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/08/16(日) 01:03:19.81 ID:oWRLwf0g0


「はぁっ……! らめ、らめなんれすアベルさまぁ……!?」


エリスは目で止まってくれと懇願する。
しかし彼女は気がついていない。
顔は蕩けきり歓喜に染まり――悦ぶ身体は子宮を降ろしているということに。


「ほら、エリス……わかるか? 今、俺のものが突いているのが」

「んひぃ……♪ らめぇ、これ、アベルさまにとんとんってぇ……♪」


元々体躯差がある二人だ。
かつてない快楽に身体が反応し、ここまで子宮が降りてくれば容易にそこを突くことができる。
少し激しさを控え、とはいえ突きだされる動きの度にエリスの身体はぞくりと反応を示す。
今、自分が小突かれている場所こそが、赤ちゃんの部屋なのだ。
そしてゆっくり動いている今でさえも、奥を叩かれているということがわかる。
扉を軽く叩く時のような、控えめなものでこの心地よさ。
もし、また激しく突かれたら、どうなってしまうのか?


「いひ……アベルさまの……♪」

「……まだだ」

「ひっ、ぐぅ!? そ、そっちはらめれすぅぅぅぅ……!?」


そう考えていた隙を突かれたのか、アベルは後ろの穴にまたしても指を滑り込ませた。
堪らずエリスは喘ぐと同時に、意識が飛びかねない程の刺激を受ける。
前戯の時とは違い、より激しく掻き回されていることも大きい。
しかしそれ以上に、今は既に前でアベルの逞しい一物を受け止めているのだ。
薄い肉壁越しに、二つの異物が擦れあう。


「あ゛っはぁ……ひぐ、はっ……おなか、くるしいのに……!?」

「すまないエリス。だが……こうするとどうだ?」

「ん゛っ!? んうう゛うぅぅぅぅぅぅぅぅぅ♪」


ずぷりと、指が根本まで呑みこまれる。
そしてそれが蠢けば、降りた子宮がまたしても裏側から柔らかく愛撫される。
前後の穴から大切な場所を異なる刺激で弄ばれる、倒錯的な快楽。
恥じらい以上、抗い難い快楽の前に、エリスはただただアベルを抱きしめることしかできない。


「こりぇ、らめれふ……わたひ、おかひく……♪」

「エリス……愛しているよ」

「わ、わたひも、あべるひゃまとはなれたくないれす……♪」


呂律も怪しくなってきたが、それでもエリスはアベルに抱きつきながらキスをせがむ。
頭が真っ白になりそうではあるが、この上ない幸せ。
自分の心も身体も、悦んでいるのがわかる。
離れたくない。離したくない。
それを主張するように、エリスの前後の穴もアベルを捕えて離そうとはしなかった。


「ああ、俺も――絶対に離さない」


それに応えるように、アベルは力一杯エリスを抱きしめる。
そして――その勢いのまま、エリスの身体に腰を打ちつけた。


725 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/08/16(日) 01:03:53.42 ID:oWRLwf0g0



「あ……♪」


びくりと、エリスの身体が反応する。
合わせるように、その口の端からはだらしなく涎が零れ落ちた。
今の一突きで、またイってしまった。
そしてきっとこの直後、またイってしまうのだと、彼女は本能で悟った。


「エリス……!」


ぐっとアベルの腰にも力が込められる。
膣内の奥の奥。本来は容易には届かない子宮も、待ち焦がれ降りてきている現状。
突かれる度に子宮口はくにゅくにゅとした奥底の感触をアベルに伝えてはいたが、彼はそこで止まることをしなかった。
前と後ろから可愛がり、愛する少女を快楽で染め上げた。
そして孕ませるという野望を為すために、その逃げ場の一切を塞いだのだ。
ぶちゅりと異なる感触、奥底のさらに奥。子宮内まで到達し、さらにその壁までをも貫いた。
既に先に注いだ精液が入ってはいるようだが、心もとない。
確実に、孕ませる。





「いくぞ……! 孕めっ! 孕めエリスっ……!!!」


「んああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ―――――!?」

「おくに、おくにアベルさまの、きてるぅぅぅ……!?」

「――アベルしゃまのあかちゃん、できちゃううぅぅぅぅ! ひ、あ、ふああああああぁぁぁぁぁぁ――〜〜〜〜〜〜っ!!!?」


エリスの両腕が、アベルから離れる。
奥底に直接注ぎ込まれる精の奔流の前に、絶叫に近い嬌声とともに幾度も身体を跳ねさせては抱きつく余裕も無い。


「ぐっ……!」


代わりに、尋常ではない射精を続けながらも食いしばったアベルが、その身体を離すまいと支えていた。
くたりと力なく倒れ込むエリスを抱きとめると、その身体を優しく横たえた。
正直な所、アベルはまだまだ出したりない思いがあった。
奥底に解き放ったが、果たしてこれでエリスは妊娠できたのだろうか?
しかしそれ以上に、やはり無茶をさせてしまったエリスが気がかりであった。


「大丈夫か、エリス?」


ゆっくりと引き抜けば、ごぽりと精液が溢れ出る。
我ながらとんでもない量を出したものだと思うが、それを受け止めてくれた彼女が愛おしい。
労うかのように頭を撫でて、汗で張り付いてしまった金の髪をやんわりとどけてあげる。


「……アベル様」


程なくして、エリスはぼんやりとしつつも、視線をアベルにあわせて少しだけ唇を突きだした。
彼女の願い通り、荒々しさは控えた優しく丁寧な口づけを贈れば、嬉しげに喉を鳴らした。
本当に、愛おしくてたまらない。
そう思うと再び下半身に熱が戻ってきたが、アベルも流石に控えるべきと――



「――今度は、私から……♪」



その言葉を聞いた瞬間、アベルの理性は完全に吹き飛んだ。


726 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/08/16(日) 01:04:26.64 ID:oWRLwf0g0


……


「ん、あ、あっ……♪ いかが、ですか、アベルさま……♪」

「最高だよ、エリス……っ!」


その後も、二人はお互いを愛し続けた。
騎乗位でアベルの上に跨ったエリスが、自ら腰を落とすこともあった。


「ん、きゅっ、ふぁぁ……♪」

「ふふ、あまり無理はしなくていいぞエリス?」

「ん、でも……ふやぁ!?」

「――俺が突きあげたくなる気持ちを、抑えられないからな?」


そしてアベルも腰を突き動かし、下から幾度となくエリスの子宮を蹂躙する。
この時に放たれた欲望もまた、子宮をこじ開けての直接攻撃であった。



……


「ん……♪ また、後ろぉ……♪」

「……そんなに尻を振って俺を惑わさないでくれ」


「――我慢ができなくなる、だろっ!!!」


「んあああああぁぁぁっ!? お、おひりにあべるひゃまがぁ……♪」


幾度目かに体位を変え、本来はエリスの好みではない後背位となった時、二人はさらに一線を越えた。
ふるふると揺れるエリスの愛らしい桃尻を眺めているうちに、アベルは目的の一つを見失ったのだ。
後ろへの挿入では、子供は絶対に孕めない。それはわかっているのだが。
どうしたことか……いや、間違いなく自分が今日エリスの尻を弄り倒したことが原因ではあるのだが。


「ごりゅごりゅって、アベルひゃまがおひりぃ……♪」

「う、ぐ……! これは、また……!」


受け入れられるか少々不安な行為ではあったが、杞憂だったようだ。
自分が愛するエリスの全てを味わいたいと思ったように……
エリスも愛する人からの愛は全て受け入れたいと思ったのだろうか?
痛みもないのか、甘ったるい声で悦んでくれる少女の姿を見ていると、アベルももう止まれなかった。


「エリス、エリス……!」

「んふぇぇ……♪ これ、らめぇ……♪ らめなのに……おひりきもちいいよぉ……♪」


両者の間に、未知の快感が突き抜ける。
子供を作る為ではない、快楽を貪るだけの行為。
挿入する速度はゆったりとしたものだが、だからこそより長くそこにあるものを感じられる。
そして引き抜かれる度に、エリスの身体はびくびくと悦びに打ち震える。
お互いに言葉はないが、もうわかっていた。
純白の花嫁は、愛する黒い皇子の手で堕ちてしまったのだということを。
それを悔いも咎めもせず、二人は底なし沼のような快楽に身を委ねていく。

ただ、この愛し合いは一点だけ問題があった。

727 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/08/16(日) 01:05:03.24 ID:oWRLwf0g0


「あ……」


短く、エリスの切なげな声が漏れる。
最早尻での絶頂に抵抗も薄くなってきた筈だが、アベルはその声を聞き逃さなかった。


「どうしたエリス? やはり苦しかったか……?」


顔を赤らめ、後ろからの快楽に身を捩らせるエリス。
しかし彼女は続けて口を開いた。


「お尻から圧迫されていたら、アベル様から頂いた赤ちゃんの素が……」


それを聞いてアベルもようやく合点がいった。
確かにたっぷりと子宮に注いだ精液が、時折外へと零れだしているではないか。
こんな行為をすれば当然の結果ではあるが、エリスの瞳は実に寂しげだ。


「だめ、戻さないと……アベル様との、赤ちゃんが……」


なんとか零れる精液を押し戻そうとするエリス。
しかし後ろから突かれ、体力を消耗している彼女は片手を自らの股に持っていくことも辛そうだ。
そしてそうしている最中にも、溢れだす愛液と混じって精液が外へと出てしまう。


「やぁ……」


哀しみさえも混じってきた声に、アベルはそっと後ろからエリスを抱きしめた。


「アベル、様……」

「……安心しろ、エリス」


そして彼は後ろから引き抜くと同時に、抱えたエリスの身体をひっくり返してみせた。


「んああぁぁ♪ ア、アベル様……?」


その瞬間にまた軽くイってしまったことを誤魔化す様に、突然体位を変えられたエリスはアベルの顔を見つめる。



「――零れた分だけ、また注いでやるからな」



「―――――〜〜〜〜〜〜っ♪」




耳元でそう囁かれた瞬間、エリスはその全身を震わせて悦びを表す。
そしてエリスの顔の横で、再び二人の手がどちらからともなく繋がれる。
これは、今日の最初の体位だ。


「さぁ、エリス。もう一度……」

「はい、アベル様……♪」


二人の夜は、まだまだ終わることはない……


……


――
728 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/08/16(日) 01:06:42.40 ID:oWRLwf0g0
というわけで、アベルとエリスの結婚初夜でした。
まだこの後少しやりとりととある判定が残っていますが、それはまた明日に
長らく間が空いてしまい本当に申し訳ありませんでした
729 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/08/16(日) 01:08:17.78 ID:gmP2IlAMO
おつおつ
お盆だししっかり休んでええんやで、この後もアーシャ・シスターズ・パトラ・ロウルと控えちゃってることだし
730 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga sage]:2020/08/16(日) 01:24:43.31 ID:TNz92fB+0
乙です
これはまた力作……後ろ責めて前から逆流とか普通書けんぞ
待った甲斐があった……というかこのクオリティが
さらに続くとなると凄まじい……期待せざるを得ない
731 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/08/16(日) 13:53:18.65 ID:oaA1TkC60
これは妊娠待った無しというか、第二子第三子も出来ちゃいますわぁ
初期レベル2でママンも匙投げたエリスがこんなにえっちぃ子に育つなんて……
732 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/08/16(日) 21:17:22.64 ID:jyz3kqjgO
生クリームprprにお尻まで好きになっちゃうとか純情なのにエロいメイドとか最高かよ
733 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/08/16(日) 23:26:18.93 ID:oWRLwf0g0
こんばんはー
それでは、イベント最後までと次の導入部まで投下できればと思います
734 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/08/16(日) 23:26:47.81 ID:oWRLwf0g0
――




……


トチュ…トチュ…


エリス「ん、ふぅ……///」

エリス「んっ、んぅぅ〜〜っ!///」ビクンビクン!

エリス「ふぁ……///」クテ…


アベル「っ……」ヌポ…


トロォ…


エリス「あっ……お腹、もう一杯……///」ポッコリ…

エリス「アベル様で、一杯です……///」

アベル「流石に、やりすぎてしまった気もするが……///」ポリポリ…

アベル「エリス、大丈夫か?」

エリス「はい、私……とっても幸せです///」

エリス「赤ちゃん、できたかなぁ……///」

アベル「ああ。もし出来ていなくとも……また近いうちに、な」ナデ…

エリス「んぅっ!?」ビクン!

アベル「エリス!?」

エリス「あっ/// らめ、アベル様……お腹、撫でられたら……///」トロ…

アベル「……」ムラァ…

アベル「こうか、エリス?」ナデ…ナデ…

エリス「あっ、あっ、あふぅ……!?///」フルフル…

アベル「まだまだ、欲しいのかエリス……?」ギシ…

エリス「あっ……///」


アッ…


アァー…!



……

――
735 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/08/16(日) 23:27:22.69 ID:oWRLwf0g0
――――
―――
――




エリス「ん、んぅ……?」ゴシ…

アベル「……おはよう、エリス」

エリス「ひゃ!?」

アベル「……すまない。俺も箍が外れたのか、途中で力尽きて眠ってしまったらしい」

アベル「繋がったまま意識を手放すなど……」

エリス「……///」カアァァ…

エリス「……」

エリス「…………」

アベル「エリス?」

エリス「私達、これで……夫婦、なのですよね?///」

アベル「あ、ああ///」

アベル「こんな俺だがエリス、どうかこれからもよろしく頼む」



エリス「……っ……」




エリス最終特殊判定

↓1〜2コンマ二桁

736 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/08/16(日) 23:29:33.95 ID:fVqlTjf30
737 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/08/16(日) 23:29:43.81 ID:U8cL8+100
738 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/08/16(日) 23:31:46.37 ID:TNz92fB+0
何か高くね?期待
739 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/08/16(日) 23:41:08.62 ID:oWRLwf0g0
最後にも決めていくエリスの強さよ……
――
主従から夫婦へ。エリスの変化

1愛する人の呼び方

01〜60:「アベル様はアベル様です!」
61〜94:「ア、アベル……さん///」
95〜00:「あ……あなた///」

コンマ95

95〜00:「あ……あなた///」


2周囲への羞恥心

81>50

※基準値を上回った為、まだ二人きりの時だけ

※普段は一個下の呼び方に

――


エリス「……」スゥ…

アベル「エ、エリス? 本当に大丈夫か?」オロオロ…

アベル「やはり俺が無茶をさせすぎたのか? すまない――」




エリス「――大丈夫ですよ」


エリス「あ……あなた?///」テレテレ




アベル「」


エリス「っ〜〜〜〜〜!」パタパタ!

エリス「申し訳ありませんっ! い、一度だけ、呼んでみたくて、その……///」

エリス「お許しください、アベル様――」

アベル「エリスっ!」ガバ!

エリス「ひゃっ!?///」

アベル「……もう一度頼む」

エリス「ふえぇ!? や、やっぱり恥ずかしくて、その、アベル様にも……///」

アベル「……そうだな。そろそろ様付けも止めてほしいんだが」ニヤニヤ

エリス「そ、そんなぁ……!? 私はメイドであり……///」

アベル「もう俺の妻だ」ズイ!

エリス「あぅ……/// わ、わかりました……///」

エリス「ア、アベル……さん?///」

アベル「……違う、エリス。さっきのだ」ズズイ!

エリス「お、お許しを〜!? まだ心の準備が〜!?」ワタワタ

エリス(でも、いつかはちゃんと……ね、あなた……♪)

740 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/08/16(日) 23:44:38.94 ID:PFvno8eXO
安定のさすエリ
741 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/08/16(日) 23:46:24.27 ID:jyz3kqjgO
これは破壊力抜群
742 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/08/16(日) 23:48:20.32 ID:oWRLwf0g0
アベル「……」ジー…

エリス「うぅ……///」

アベル「……」ジジー…

エリス「そ、そんな目で見つめてくるのは、ずるいですよ……///」

アベル「むぅ……仕方がない。では、せめて俺と二人きりの時ぐらいは頼めないか?」

エリス「……わ、わかりました。私も、できればいつでもちゃんと呼びたいですし……///」

アベル「ありがとう。愛しているよエリス……」ギュ…

エリス「はい、私もですよ――あなた///」

アベル「……エリス、もう一回だ」ガバ!

エリス「も、もう! 少しだけ時間をください!///」

エリス「そ、それよりも! もう朝です……!?」ワタワタ

エリス「色々と朝の準備もしなければなりませんし、それに……」チラ…


乱れたドレス「」


エリス「このドレスも、ちゃんと綺麗な状態に戻さないと……///」

アベル「そうだな。大切な品だし……」


アベル「――いつかまた、夜だけ着て貰うのも悪くない」


エリス「っ!?///」

エリス「も、もう! いけませんよ!」

エリス「噛みしめていたい幸せな時間ですけれど……自堕落になってしまってはいけません!」

エリス「まずはお洗濯を……」フラ…

アベル「おっと!」ガシ!

エリス「あ、あれ? 身体に力が入らない……」ヨロ…

アベル「すまない。本当に無理をさせたな……ほら」ヨイショ

エリス「え?」

アベル「動けないなら、俺が足になろう。前みたいにおぶさってくれ」

エリス「ええっ!?///」

アベル「あ、それよりも抱き抱えた方がいいか?」

エリス「〜〜〜〜っ!///」


……

――
743 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/08/16(日) 23:50:28.91 ID:oWRLwf0g0
――


【城塞内・廊下】


……


キアラ「よいしょ……」

マックス「朝の仕事って、一応片付いたのかな?」

キアラ「うん。エリスさんやアーシャさんのお話だとこれで最後の筈ですよ」

キアラ「外の警戒はフィーアちゃんがやってくれてるし、後はこのお水を運んでお仕舞です」


――アベルとエリスの心配は杞憂であった――

――元々、城塞内の仕事は分担制――

――結婚式の翌日だ。気を遣わせ、誰もがアベルとエリスに日課の雑務をさせる気はない――



マックス「それにしても、アーシャさん達がみんな寝坊っていうのも珍しいなぁ」

キアラ「珍しいというよりも、初めてかも……?」



――ただ、気配りをしたアーシャ達にとって誤算であったのはアベルとエリスの一夜が想像以上に長かったことである――

――流石にまだ始まっていないだろう……改めてお祝いの言葉を伝えに行った女性陣は軒並み被害を受ける――

――扉越しでも内容が確認できてしまうような、深い交わり。濃密な雄と雌の匂い――

――慌てて部屋に戻るが、どうしてもその内容を想像して眠ることができなかった――

――いつか、自分もそうなるのかと思うと……期待や、不安の感情が渦巻く――

――悶々とし続けた彼女らも朝の仕事には間に合わず、結果として被害に遭わなかった二人が代役を務めることになったのだ――



ガチャ…



マックス「ん?」


744 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/08/16(日) 23:52:21.74 ID:oWRLwf0g0
アベル「ん? マックスとキアラか。おはよう」

キアラ「お、おはようございますアベル兄様!」

マックス「おはようございます!」

マックス「……と、エリスちゃん?」

エリス「は、はい!? おはようございます!」オブサリ

マックス「ちょ、何があったんですかアベル皇子!?」

アベル「なに、まだエリスが眠そうだったから俺が背負っているだけだ」

アベル「昨日の疲れが出てしまったのかもしれないな」

エリス「だ、大丈夫です!もう自力で立てますので!?」ワタワタ


ストッ…


エリス「ん……///」ピクン!

アベル「おっと。無茶をするなエリス」ササエ

アベル「すまないが二人とも、エリスの代わりの仕事を頼めるか?」

キアラ「は、はい! もう済ませていますので……///」

マックス「?」

キアラ「アベル兄様とエリスさんは、今日はゆっくりとお休みください///」

アベル「すまないな。そうさせて貰うとしよう」

エリス「も、申し訳、ありません……///」フラ…


スタスタ…


キアラ「……///」

マックス「キアラちゃん、どうし……!?」


――言葉を続ける前に、マックスは絶句した――

――先程エリスが降り立った位置に、よろよろと肩を借りて去っていく先に点々と……――

――『何か』が零れ落ちていたのだ――



745 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/08/17(月) 00:00:16.25 ID:zxs5Q8+q0
マックス「こ、これって……///」

キアラ「……///」


――それが何かわからない程、二人は無知では無かった――

――果たしてどれだけの量を注がれたのか。向かう先はおそらく浴場だろう――


マックス「……///」ゴクリ…


――これは、掃除をすべきか否か。混ざり合った液体は、エリスの蜜も含んでいる――

――かといって、キアラに任せるのはどうなのだろう。当然だがアベルの精液でもあるのだから――


キアラ「……///」


――エリスはその出で立ちとは裏腹に、今や帝国が誇る最高の剣士の一人――

――常に鍛錬を欠かさず、体力もつけている筈の彼女がまともに立てなくなるまで愛された――


マックス「……///」ドキドキ…


――彼女は、胸の大きさを除けば皇女のキアラに近しいものがある――

――流れる様な美しい金の髪。低めの身長。華奢な身体――


マックス(もし、キアラちゃんも同じくらいのことをされたら……)


――マックスの中で、金髪少女二人の姿が重なってしまう。――

――零れ落ちた情事の結晶が、理性を崩して男の欲求に訴えかける――

――愛する人を、より深く愛した時……どんな表情を浮かべてくれるのか――

――普段の彼であれば、股間を殴りつけてでも抑え込もうと努力しただろう――


マックス「……///」チラ…

キアラ「……///」チラ…


――しかし、頬を紅潮させた愛しい皇女の顔を見てしまったのは不味かった――

――きっと彼女も、この零れた痕を見て想像してしまったに違いないと察する――

――足腰が立たなくなる程の、深い深い愛し合い……それが、どれほどのものなのか――


マックス「キ、キアラちゃん……」ドキドキ…

キアラ「は、はい……」ドキドキ…


――そっと、皇女の手を握る――

――抑えられない。拒絶されるかもしれない。それでも――

――炎槍で貫かれても構わない。その覚悟を決めて、騎士は動く――



ギュ…


――皇女がその騎士の手を振り払うことは、なかった――



……

――

746 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/08/17(月) 00:01:19.76 ID:zxs5Q8+q0
――

【城塞・浴場】


エリス「ん……!///」トロォ…

アベル「……だ、大丈夫かエリス?」アセアセ

アベル「はき替えたばかりの下着がこんなに……」グッショリ…

エリス「はぁ、ぁ……た、垂れてしまっていないか不安です……///」

アベル「流石に大丈夫だと思いたいが……」

エリス(アベル様に背負われた時に、また気持ちよくなってしまったなんて言えません……///)

エリス「……こ、これとドレスは、私が責任を持って洗っておきますので///」

エリス「アベルさま……アベルさんは――」

アベル「……」

エリス「ア、アベル、さん……?」

アベル「……」ジー

エリス「〜〜〜っ!/// あ、あなた?///」

アベル「なんだ、エリス?」ニコリ

エリス「で、ですから、これは私が責任をもちますから、あなたは……」ワタワタ

アベル「――服だけではなく、嫁の身体も綺麗にしないと不味いだろう?」ニュル…

エリス「ん、んぅぅ!?///」ピクン!

アベル「これは、また新しく湧き出たエリスの露だろう……?」ペロリ…

エリス「〜〜〜〜!///」カアアァァ!

アベル「……俺も、汗をかいた。前のように背中を流してくれるか?」

アベル「――終わったら、俺もエリスの背中を流そう」

エリス「は、はい……///」ポォー…


アベル(ああ、俺はきっと……)

エリス(ああ、私はきっと……)




二人((もう、この人と離れては生きていけない……))


――


EXイベント16


【戦いを終えて〜〜君に永遠の誓いを〜〜】 おしまい


――
747 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/08/17(月) 00:04:04.35 ID:zxs5Q8+q0
――


ラストイベント


【戦いを終えて〜〜その後の帝国・愛しき人達との日常〜〜】


――
748 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/08/17(月) 00:09:23.38 ID:zxs5Q8+q0
――――
―――
――



その後、帝国第三皇子アベルとそのメイドの結婚が正式に帝国中に広められることとなった。

アベル皇子に皇位を継ぐ気がなく、また元々は妾の子と蔑まれてきた彼のこの一報は、
然程大事にはならないだろうというのが当人の予測であった。

しかしながら実際には帝国は沸き立った。
宣戦布告をし、仲間を率いて正面からかつての皇帝ギルバートを打ち倒して見せた彼の評価は以前とは違う。
特に圧倒的なまでに貧民街と帝都の住民からは祝福され、変わりつつある帝国騎士団も宴を開いた程だ。

一部の帝国貴族達は、権力の足掛かりにしようとしていた皇子の結婚には落胆するも、すぐに立ち直った。
本命は第一皇子。これまで以上の縁談が、次々に舞い踊ることとなる。

それを見越していたかのように、第三皇子アベルの結婚に続きなんと第一皇子アドルランも正式な結婚を表明する。
しかも二人を同時に妻にするという。帝国異例の平等な一夫多妻の容認。

一方は帝国貴族の中でも有数の力を持つ名家の黒令嬢。
彼女の父親はその報せを受け一日中号泣すると同時に、待たせすぎだと第一皇子に少しだけ不満の声を漏らしたという。
これにより貴族達はこの家を僅かばかりに妬むものの、第一皇子が順当に力有る貴族を妻に迎え入れたという事実は大きかった。
一夫多妻なら自分達にもまだ可能性はあると、彼らの野心が変わるにはまだ時間を要しそうだ。

そしてもう一方は、素性のわからぬ白少女。
快活な黒き令嬢と比較すると随分と大人しい娘であり、明らかに異なる二人を妻とした第一皇子の行為に誰もが疑問符を浮かべる。
しかし、三人が並んで笑う姿は実に喜ばしい光景でもあり、惜しみない祝福に包まれた。
メイドという少女の本来であればあまりに不釣り合いな身分も、既に第三皇子の事例があるために然程問題にされることもなかった。
これを見越して、あえて第一皇子は結婚を先延ばしにしていたのではないかという噂も飛び交った。

そんな熱気が冷めやらぬ時に、第二皇子のカインも正式な結婚を発表。
続け様にもたらされる吉報に帝国民のほとんどは沸き立ち、貴族達の気勢は削がれていった。
相手はなんと第三、第一皇子に続いてやはりメイドの少女。

本来、メイドという身分は主人にそういった想いを抱いてしまうことさえも禁ぜられている。
だがこうして帝国の皇子全員がメイドと結ばれたという確か事実があれば、それはもはや形骸化する。
また退位直前、前皇帝ギルバートは正式にメイドは帝国の強者として認めてその給金を跳ね上げてもいた。

もはや帝国において、かつてのメイドと今のメイドは違う。
ただ主人に奉仕し、雑務をこなすだけの存在ではない。
やがて庶民達からは皇族との結婚も夢ではない、一つ上の箔がつく憧れの職業となっていった。

しかし帝国民が何よりも驚いたのはメイドという職の躍進ではなく。
小さなメイドを抱き寄せながら、心の底から幸せそうな笑みを浮かべる第二皇子の姿であったという。
人が変わったように民の為に働く彼にも、多くの祝福の言葉が届けられたという。


皇帝ギルバートの退位から始まった激動の帝国の変化。
決して反発がなかったわけではないが、確かに帝国は変わっていった。
王国と聖国との正式な同盟。
奪い奪われ、長き争いの時は終わり新たな時代へと移りゆく。
かつての帝国と比べると、想像もつかないような穏やかで平和な時。

そんな中で、また新たな吉報が帝国にもたらされようとしていた。

アベル皇子の妻、エリスのご懐妊。

あまりにも早い報せ。
アベル皇子は手が早いと民や騎士団が口々に噂したが、事実である以上彼は何も言えなかった。
そんなことよりも、愛する人が二人の望み通りに妊娠した。
これから愛する、守るべき家族が増えるその悦びに誰よりも喜んだ。

そしてそれは、後に続けて彼の妻となっていく女性達も同じこと。
彼女達は親友の妊娠を喜ぶと同時に……あることを考え始めるのであった。


……

――

749 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/08/17(月) 00:11:01.93 ID:zxs5Q8+q0
最終イベント導入が済んだあたりで、今日はここまで
この後は少しやりとりの後、連続して残りのヒロインズとの一夜になると思います
エリスはちょっと無駄に長くなってしまった感があるので、残りはもう少し綺麗にまとめられたらいいなぁ……

本日もありがとうございました!
750 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/08/17(月) 00:16:01.47 ID:iD5gWs7A0
乙乙
キアラとマックスのあの後が見たかった
751 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/08/17(月) 00:21:59.12 ID:YrbT8HNKO
おつおつ
無駄なんてとんでもない、むしろ各ヒロインズの最後の見せ場とも言えるわけだしいくらでも待つからじっくりやってくれてええんやで

ところでエリスはあなた呼びになったわけだけど、他のヒロインズだと関係的にあなた呼びしそうなのはアーシャぐらい(ただし正妻エリスへの配慮から呼ばない可能性もあり)で、ロウル・シア・パトラ・ティアは個人的に『旦那様』呼びとかがすごいしっくり来そう
752 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/08/17(月) 00:59:09.35 ID:RRoHmE0FO
おつおつ!エリスのどろ甘プレイ最高だったんでむしろもっとやりやがれください
ずーっとメイドの立場で様呼びだったのが砕けるのいいなぁ……
他のヒロインたちがどうなるかも気になるけどなんとなくティアだけはアベル様呼びが抜けなさそう
753 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/08/17(月) 01:06:40.38 ID:fmCS3xODO
乙、最終エピソードを期待しています

願わくはさらに新スレを建てて濃厚な一夜を過ごした彼ら彼女らのいちゃラブの様子をより濃密に見たいと思ってしまいました

754 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/08/17(月) 10:11:55.36 ID:izoQ6tS6O
これ三兄弟の結婚でメイド&執事=皇族との結婚を狙えるポジションという認識が確立されたことだし、割りとガチでサクがフィーアの婿候補とか帝国国民に勘違いされるんじゃ
執事服+貧乳でやや女顔の執事に見えなくもなさそう&フィーアは常にべったり&白帝の知能なら三年後には使用人技能を相当修得してそう&めっちゃ強いから皇族の守りとしては最適と性別以外の適性が高すぎる
755 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/08/17(月) 15:27:32.90 ID:72S2BRPw0
アベル…結婚&高速妊娠+この後嫁追加で五人。夜は結構S。ギャップ萌(中)
エリス→幼少期から約束された相思相愛の純愛だがペロペロ、アナル、お風呂場プレイを次々ラーニング
アーシャ→普段は常識人。でもデートで荒ぶって妙な本を買ったり首輪とリードを持ってるペット属性
ロウル→クンカー。巫女服でアベルとアドルランにとどめの属性を付与した。普段着推奨される程でコスプレプレイの可能性有り
シア→ピンク。エロ方面になった途端ゾロ目を出しまくる性職者の鑑。最初は演技だった雌奴隷も本当の願望に
パトラ→性癖や酒においてまさに最後の砦。でもバレンタインの時にチョコプレイに目覚めかけてるので陥落寸前
ティア→ドピンク。最強の胸と最強の夜レベルで単機でアベルを敗北寸前まで追い詰めた実力者。氷プレイラーニング

アドルラン…縁談蹴りまくり貴族泣かせの後、一夫多妻で一気に二人と結婚。ギャップ萌え(大)
ヒバリ…幼なじみは負けフラグをへし折った。終始安定感のある頼れる黒髪のお姉さん。アドルランをついつい甘やかしている節がある
ルーシェ…要所できっちり仕事をこなす。たまに荒ぶるが普段は控えめな白髪の少女。清掃面でアドルランにはかなり厳しめ
改めるとヒバリとは色も含めて色々対極的だけど仲は良い

カイン…小物非モテ短小童貞の筈がある日を境に(バスケ)別人の如く大活躍。ただ一人のメイドを愛する
エメリナ…バキュームモンスター。でも純愛願望が低いわけではなく全てカインの為。カインとの初夜はイチャラブで綺麗に終わっている

……事情を知らない国民から見れば、カイン夫婦が一番まともって認識持たれてそう
756 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/08/17(月) 23:48:53.53 ID:zxs5Q8+q0
こんばんはー
遅くなりましたが、少しだけ再開です
カインは本当に序盤の超壊滅コンマからここまで持ち直すとは私もまったく予想できなかったですねぇ……
757 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/08/17(月) 23:49:23.94 ID:zxs5Q8+q0
――


【帝国・アベルの城塞】



アベル「……すまない、もう一度頼めるか?」

エリス「……アベルさんとの赤ちゃん、出来たんです///」

アベル「っぉ……おぉ……っ……!」フルフル…

アベル「ありがとう、エリス……!」グッ…

エリス「えへへ……///」

エリス「本当にあの日、孕んじゃったんですね///」サスサス…

アベル「……///」

エリス「本当に、夢みたいです……///」

アベル「ああ……」

アベル「……だが、喜んでばかりもいられないな」

アベル「これで俺も、父親となるんだ」

アベル「産まれてくる子には、苦労をかけたくないからな」

アベル「これまで以上に、より一層働かねば!」

エリス「わ、私も……」

アベル「いや、エリスはしばらく無理をするな」

アベル「何がどうお前の身体や子供に悪影響を与えるかわからん」

アベル「未だに続けているメイドの業務は勿論、城塞の当番も全て休め」

エリス「……///」ジー…

アベル「……当たり前だが、俺も夜は自重するよ///」

エリス「お尻ならとも思ったのですが……」

エリス「ま、また後ろからお腹を圧迫されるのは駄目かなって……///」

アベル「当然だ。とにかく、しっかりと気をつけるんだぞ?」

エリス「はい!」

エリス「えへへ……///」ニマニマ


……

――

758 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/08/17(月) 23:50:17.75 ID:zxs5Q8+q0
――


……


アベル「――ということで、しばらくはエリスは休業させることにした」

ロウル「おぉー!? エリスさん、もうお母さんになるんですねぇ……」シミジミ…

ティア「聖国式の検査をしましたので、間違いはないです。順調に育っていますよ」

シア「今の内から、色々と準備しておいた方がいいかもしれませんね〜」

アベル「そういえば、二人が検査をしてくれたんだったな。ありがとう」

シア「いえいえ〜」

ティア「赤ちゃんが産まれる時も、微力ですがお手伝いさせていただきます……!」

アーシャ「これは、私達にも帝国にとってもいい報せですね」

パトラ「ええ。ここ最近はアドルラン皇子とカイン皇子のご結婚もありましたからね」

パトラ「本当に、少し前までの情勢からは想像もつかない……平和で、素晴らしい時代だと思います」

ロウル「とりあえず、真っ先にすることはエリスさんの鍛錬具を全て没収するところからですかねぇ」

アーシャ「流石にエリスちゃんも、今ばかりは鍛錬を自重すると思いますよ?」

アーシャ「結婚式以来、ますます幸せそうにしてアベルの赤ちゃんを欲しがる素振りを見せていたんですから」

ティア「これからを考えると、お腹を覆えるドレスとかも必要になりますね」

シア「あと赤ちゃんを寝かせられるちゃんとした場所や、お洋服も必要ですね〜」

ロウル「裁縫ならばお任せあれ!」パタパタ!

パトラ「アベルさん、あなたも出来る限りエリスさんの傍にいてあげるべきですよ?」

パトラ「いざ、という時に傍にいてあげるのも父親の務めですからね」

アベル「ああ。しかし……」

アーシャ「今も続けているあなたとエリスちゃんの警邏は、私達が引き継ぎますから大丈夫」

ロウル「まあ、アベルさん達ご兄弟が立て続けにご結婚なさって色々と大変なのも知っています」

ロウル「私達では手が周りきらない署名が必要な案件などは流石にこなして貰う羽目になりそうですけど……」

アーシャ「逆に言えば、それ以外は任せてください。二人の負担は極力減らして見せるわ」

シア「公務で疲れちゃったら、早く言ってくださいね〜?」

ティア「すぐに、治療いたします……!」

アベル「みんな、ありがとう……」


……


――
759 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/08/17(月) 23:51:27.45 ID:zxs5Q8+q0
――


……



アーシャ「……さて、アベルはちゃんとエリスちゃんのところに戻ったかしら?」

ロウル「足音はちゃんとエリスさんの方に向かっていますから、大丈夫ですね!」

パトラ「エリスさんの年齢で妊娠というのも、負担と不安が大きいでしょう」

パトラ「それを和らげるためにも、アベルさんには頑張っていただかないと」

ロウル「いやぁ、でも本当……結構驚きましたよ」

ロウル「どんな赤ちゃんが産まれてくるのか気になりますね」ワクワク

シア「全力で色々とお手伝いしますよ〜!」ワクワク

ティア「私もちゃんと手引書を読んで勉強し直さないと……!」

アーシャ「とりあえず当面は、さっきの案の通り」

アーシャ「アベルとエリスちゃんの仕事は極力私達で片づけましょう」

パトラ「警邏は、少し気をつけた方がいいかもしれませんね」

パトラ「過去の王国でもあったことですが、祝い事で浮かれている国は狙われることもあります」

パトラ「今の聖国は大丈夫とは思いますが、王国の腐敗貴族や帝国の反勢力の存在までは否定しきれませんからね」

ロウル「んー、でも何故か不思議と大丈夫な気もするんですよねぇ……?」

パトラ「?」




……その頃……



シュイン!


バーンズ「……陛下。どうやらエリスがアベル皇子の子を身籠ったそうです」

ギルバート「……」




ギルバート「くくく……もうすぐ、もうすぐか……!」

ギルバート「10年……いや、あの二人の子なら5年でいけるか!」

ギルバート「我も今一度鍛え直さねばな!」ブオンブオン!

ギルバート「アドルランとカインも順調な様子……ふふ、滾るな……!」ブオンブオン!







ギルバート「――この逸楽を邪魔をする者は、全て我が塵にしてくれよう!!!」ブオォォォン!




ドガアアアアァァァァン!



フローレン「ちょっとあなたぁ!? 家の方まで斬撃飛ばすのはやめてぇ!?」


……

――
760 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/08/17(月) 23:52:33.10 ID:i9U9oiJ/O
この親父さんもすっかり丸くなったねえ(レベルからは目を背けつつ)
761 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/08/17(月) 23:55:14.66 ID:zxs5Q8+q0
――

……


ネスト「いいな、お前達?」

ネスト「帝国皇族が揃ってご結婚なさるという、帝国にとって大いにめでたい今の情勢」

ネスト「必ず、よからぬ輩は出てくる。出て来なくても、出てくる覚悟で任務にあたれ!」


斥候部隊「「はっ!!!」」シュバ!


ネスト「いやぁ〜……結婚式から然程月日が経っていないのに妊娠って、アベル様も手が早いなぁ」

ノワール「ふふ、そこはギルバートに似てしまったのかもしれませんね」スッ…

ネスト「っと、これはノワール様。失礼を……」

ノワール「ふふ、楽にして? 警戒任務もそこまで気負わなくて大丈夫ですよ」

ネスト「いやいや、こんな時だからこそ万が一もあっちゃ駄目でしょう?」

ネスト「アベル様達がようやく掴んだ幸せ。壊させやしませんって」

ノワール「ありがとう。でも大変なのは、むしろこれからかもしれませんね……」ハァ…

ネスト「え?」

ノワール「正直な所、私ももうすぐおばあちゃんなのかと思うと、年甲斐も無くはしゃいでしまいそうなのだけれど」ウズウズ

ネスト(多分、この世界のどこにもこんな綺麗なおばあちゃんはいないだろうなぁ……)

ノワール「ここは、ぐっと堪えるべきです……」グッ…

ネスト「堪えるって……何をです?」

ノワール「……先程も言った通り、アベルの手のはやさはギルバート譲りかと思います」

ノワール「そしてあの人は、その……///」

ノワール「――孕ませると誓ったら、本当にその晩に孕ませるような人でしたからね///」

ネスト「」

ノワール「アベル、そしてエリスちゃんが安静にしている間に、あの子達が考え付いてしまいそうなこと……」

ノワール「それらを鑑みると、近いうちにどんどん孫が増えそうな気がするのですよ」ワクワク

ネスト「」


……

――

762 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/08/17(月) 23:59:44.44 ID:zxs5Q8+q0
――

……

【アベルの城塞・とある部屋】


シア「今のうちから赤ちゃん用の沐浴場所も用意しておきましょう〜」パタパタ!

ティア「あ、赤ちゃんの肌に優しい毛布も……!」パタパタ!

シア「お洋服関連はロウルさんにお任せするにしても〜……」

ティア「やっぱり、揃えておくべき道具は色々ありますね……!」



ガチャ!



フィーア「シアさん、ティアさん! いらっしゃいますか!?」ピョーン!

サク「フィーア、飛び込む必要はないと思うっきゅ」



シア「あれ? フィーアちゃんにサクさん慌ててどうしたんですか〜?」

ティア「……そういえば、今日の朝はどちらに?」

フィーア「そ、それがですね……」

サク「問題ありそうなのは、こっちなんだきゅ」スッ



マックス「うわああああああぁぁぁぁぁぁぁ!!!」ドゲザズリー!




ティア「きゃああああぁぁぁぁぁ!? マ、マックスさん!?」ドキドキ…


キアラ「……///」モジモジ…


シア「い、一体何が……?」

キアラ「その……///」ゴクリ…







キアラ「――に、妊娠しているかどうかの検査をお願いします///」カアアァァ…!




シア「」

ティア「」

フィーア「」

サク「」



マックス「俺は、俺はなんてとんでもないことをしてしまったんだあああぁぁぁぁっ!!!」ズリズリズリ!



……

――
763 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/08/18(火) 00:00:23.43 ID:g5PY3BA70
――


【アベルの城塞・アーシャの私室】


アーシャ「……」カリカリ…

アーシャ「よし……」コト…

アーシャ「あらかた片付きましたね。あとは……」


予定表「……」ビッチリ


アーシャ「これで、アベルとエリスちゃんの負担は減るはず」

アーシャ「エリスちゃんの仕事はほぼ補えているし、メイド専門の技能は……」ウーン…

アーシャ「やっぱりローズさんにお任せするべきかしら?」

アーシャ「でも最近は、自ら業務時間を減らしているとも聞くしお忙しいのかも……」

アーシャ「やっぱり、ここも私達で補うしかなさそうですね」

アーシャ「幸い、私もお掃除には結構自信があるし……」カリカリ…

アーシャ「ふぅ……」

アーシャ「……」

アーシャ「…………」

アーシャ「問題なのは……」



おまけ特殊判定
↓1コンマ二桁
764 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/08/18(火) 00:01:54.17 ID:0fs2j+gE0
さて
765 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/08/18(火) 00:15:02.73 ID:g5PY3BA70
エリス休業中、アベルの夜の相手って……

25>17

※基準値を下回った為、くじではなくアーシャ独自決断!

※みんなへの報告が事後になります

※これにより、間接的に……

――


アーシャ「ア、アベルの夜のお相手ですよね……///」

アーシャ「本当に今のエリスちゃんとアベルは幸せそうで、邪魔はしたくない」

アーシャ「でも、アベルだって若い男性。愛しいエリスちゃんを長期間抱けないとなると、溜まってしまうでしょう……」

アーシャ「ちゃんとエリスちゃんのお仕事をお休みにさせていたし、アベルもエリスちゃんに無茶なことをするはずもない」

アーシャ「……」

アーシャ「よく考えましょう。エリスちゃんが抜けた穴を塞ぐ為に、何が大事か」

アーシャ「まず、エリスちゃんに代わり前衛を担えるパトラさんは欠かせない。彼女にも負担をかけることはできませんね」バツ!

アーシャ「同様にロウルちゃんも、警戒には必須……身重のエリスちゃんが狙われでもしたら大変だわ」バツ!

アーシャ「シアさんとティアさんは回復の要だし、赤ちゃんに関する知識もちゃんと持っているみたいだし外せない……」バツバツ!

アーシャ「……」

アーシャ「…………」

アーシャ「………〜〜〜///」パタパタ!







アーシャ「 必 然 的 に 私 が ア ベ ル の お 相 手 を し な き ゃ 駄 目 じゃ な い ! ? 」ガーン!





アーシャ「そ、そんな……///」

アーシャ「で、でも……///」ゴクリ…


アーシャ「――や、やらなきゃ!///」グッ!


……

――
766 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/08/18(火) 00:18:49.95 ID:g5PY3BA70
まさかのアーシャ単独先行になったあたりで今日はここまで
少しやりとりを挟むかもしれませんが、その後アーシャとの一夜になります
流れは以前挙がっていた物の中に、当初のこちらの予定に近いものがあったのでそれを使わせていただきたいと思います

なお、お気づきかと思いますがマックスとキアラはこの時点でまだ式を挙げてないんです(白目)
後ほど、必然的に彼らのイベントも少し挟まります

本日もありがとうございました!
767 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/08/18(火) 00:53:10.82 ID:myGDAlEPO
おつです
ふと思ったけどアルは
・父親&祖父が巨乳好き
・母親が作中上位クラスの巨乳でずっとその乳に授乳される
と考えると確実におっぱい大好きな子になりそうだなぁ
少なくともパトラ・シア・ティア・アイナ・スミレ・三年後フィーア辺りには懐いてそう(特に父親と関わり深くて面識多そうなパトラ・母親と仲良しのフィーア)

あとノワールとフローレンに対して『フローレンばーちゃんよりノワールばーちゃんのがおっぱいおっきぃからすき!』とか言って一悶着起こしそう
768 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/08/18(火) 08:22:33.26 ID:/HGP2300O
おつおつ
さすアシャ軍師抜け目ないとは思うけど、最終的にはみんな身篭っちゃうんだよなあ
てか一時的とはいえフィーア以外おめでたラッシュで帝国戦力のほとんどが育児休暇でガタつくのか
769 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/08/18(火) 11:46:51.69 ID:wfGTUiwAO
・息子がついこの間実家に連れてきた娘と相思相愛になってた
・が、実は帝国の第一皇女だった
・挙式前に孫が出来ちゃいました
・それに伴って(祖父母的な意味で)前皇帝と同じポジションになっちゃいました
と寝耳に水どころか寝耳に熱湯注ぎ込まれるレベルなのだが大丈夫かマックス両親

あとキアラ着弾については前回の甘々具合から
エリス妊娠云々から二人の発情と快感にブースト

初体験の時以上にギリギリでだがどうにか外に出そうとするマックス

が、絶頂寸前のキアラが無意識にだいしゅきホールドしてしまい抜けず

着弾
とか浮かんだ
770 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/08/18(火) 23:42:19.42 ID:g5PY3BA70
こんばんはー
やはりこのままやりとりも込みでアーシャとの一夜に入ろうと思うので、またしばらく書き溜め時間を頂きたいと思います。
そしてその内容に関して、判定を忘れていたので取っておきましょう
アベルとしては『プレイの一環』として行います(これまでのアベルの性格的に鬼畜過ぎるのはあれなので)

ペットプレイ、どの辺りでアーシャが折れるか?

※できればゾロ目はやめてほしいです

↓1コンマ二桁
771 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/08/18(火) 23:43:16.25 ID:4FXnm3wg0
772 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/08/20(木) 09:02:18.57 ID:tcDeMUBlO
シア&ティア:牝奴隷の務め=エリスが妊娠したことで溜まっているであろうアベルの性欲処理&シアがティアの夜レベルを参考にするために二人で
ロウル:城塞で選択してたらアベルの服発見してくんかくんか&最近ご無沙汰なのとエリス妊娠に影響されて発情
とかは浮かんだけどパトラはどんな導入になるんだろ
773 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/08/23(日) 02:21:32.50 ID:mSqeRKbwO
今更だけど>>1的に各キャラの身長ってどれくらいで考えてるんだろ
三年後で胸だけ一気に10→87(キアラと同じ)になるフィーアやロリ巨乳のアイナ(70)やティア(94)がどれぐらいの犯罪臭を出してしまってるのかちょっと気になる
774 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/08/23(日) 20:50:20.41 ID:YnKZ7gufO
ティアは確かほどほどに身長はあった筈(エリスを見て私より小さい発言)
ヒロイン達もだけど、皇子達の身長も少し気になるな。順番はアドルラン兄様>アベル>カインお兄ちゃんだろうけど
パパンは普通に2メートル越えてそう
775 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/08/24(月) 01:14:58.49 ID:l/DGjj4SO
マックスはほぼ確実にこのあと『早くキアラに相応しい男になれるように』みたいな名目でアベル・パトラ・ローズさん・ノワールママ辺りにバスケされまくるんだろうなぁ……
多分だけどパパンは『あ奴め、キアラを手籠めにするに留まらず孫も作りおったか!』って感じで多分問題なしだと思う
776 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/08/27(木) 23:49:36.66 ID:fZYAUxeA0
こんばんはー
すみません、連日の暑さの影響かPCがイってしまい生存報告すらままなりませんでした……
ほぼほぼ完成はしているので、土曜日の夜には投下できるかと思いますので、よろしくお願い致します
(明日はおそらく来れないです……)

なお、キャラクターの身長に関しましてはある程度は考えていましたが
実は一部の子の正常位の時とか身体的負担が相当キツイことになっていたりします(白目)
皇子三人はアドルラン190↑、アベル180↑、カイン175(筋肉とかもこの順番)
女性陣は140〜165(ロウルは高めで170)サクは唯一コンマで100+80の180
ちなみに三皇子の身長が下がるのに比例して各嫁メイド達の身長も下がっていたりします
777 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/08/28(金) 12:02:53.07 ID:JqS2rqhe0

何の体位がオセッセで楽かね
778 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/08/28(金) 13:11:05.82 ID:yHDm1M5GO
無事でなによりです。リアル優先で無理しないようにね
しかし兄弟予想より背高い中でサクに負けたカインお兄ちゃんは何を思うのか
>>777
身長差緩和かついちゃつくとなると対面座位や背面側位とか?ティアは騎乗位あるから大丈夫だな(断言)
779 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/08/28(金) 13:20:10.15 ID:P6Jr/l3RO
最近の酷暑は本当にヤバイから熱中症気を付けてな

とりあえず三兄弟でお兄ちゃんが一番もやしっ子なのはすごい分かる
780 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/08/30(日) 23:44:11.77 ID:+1uowV+80
こんばんはー
予告しておきながら昨日は寝堕ちてしまい本当に申し訳ありません(土下座)
非常に間が空いてしまいましたが、アーシャパートの投下を行いたいと思います
なおコンマ25のため、アーシャは
アーシャの羞恥心

11〜30:最終段階一歩手前までオーケー///

となっていました。
おかげで少し二人の変態度数が上がってしまったかも……
781 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/08/30(日) 23:45:40.19 ID:+1uowV+80
――


「……すまないアーシャ、もう一度言ってくれないか?」


夜遅くに部屋を訪ねてきた親友に、思わずアベルは聞き返す。
無論、彼女の声はよく通るし聞き取れないことなどは基本的に無い。
それでも聞き返してしまったのは、その内容があまりに突拍子もないものだったからだ。


「で、ですからアベル。エリスちゃんがおめでたで、しばらくは無理ができない状況ですよね?」

「ああ」

「だから、しばらくエリスちゃんの代わりに私達もより一層頑張ろうという話になったんです」

「ああ、ありがとう」

「そして、エリスちゃんに代わってしばらくは私がアベルの夜のお相手をしようかと」

「……」

「わ、私なら何をされても構いませんし、もし妊娠しても影響は少ないでしょうし……」


僅かに目を伏せ、頬を赤らめるアーシャ。
しかしすっと差し出された彼女の手には、とあるものが握られていた。


首輪である。


首元を飾る宝飾の類ではない。
上流階級の者達が、自身の飼育する動物の所有権を主張する為につける代物……
つまるところ完全なペット用だ。

既にアベルも、どこかで親友が誤った性癖を拗らせてしまったことは理解している。
だがどうにも理由の一端は自分にあるようで、彼女が少し変わった性癖の持ち主だからといって嫌いになることもない。
これも彼女の一面。
歪んだ両親と姉に囲まれ、弱者を踏み躙る強者の家の娘として育てられながらも心は喪わなかったアーシャ。
冷たい瞳に震え、獣のように扱われたいというのは、彼女の境遇から来る贖罪の感情の一つなのかもしれない。
だから、それはもう気にしない。
だが。


(……俺は、そんなに性に奔放だと思われているのか?)


アベルは内心、凹んでいた。
アーシャは優しく聡明だ。本当にエリス達のことを考えた結果、この結論に達したのだろうと察せられる。
しかしこの結論に達する前段階は、つまり自分が身を差し出さねば手当たり次第に妊娠させまくる男として認識されていることと同義。
流石にそこまで無節操ではない……


(いや、アーシャ達全員に手を出している時点で、間違ってはいないのか……)


否定をしたかったが、口にしたところで確実に言い負かされるだろう。


(それに……)


改めて、己を見つめ直す。
それと同時に、アベルに黒い欲望が静かに渦巻いた。
自分自身で、気がつかないふりをしていた欲望。
何を今更。事の発端でもある一夜にも確かに抱いていた欲望ではないか。


――愛する人達を、孕ませたい――


毎度一夜でそう都合よくいくとは勿論限らない。
それでも強欲な皇子は、確かにその欲望を持っていた。

それを自覚した彼は、小さく口の端を吊り上げ――目の前の愛する人の為に『仮面』を被る。

782 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/08/30(日) 23:46:14.03 ID:+1uowV+80


「……アーシャ」

「!!」


普段よりも、少し低く冷たさを意識した口調で彼女の名前を呼ぶ。
自惚れでなければ、きっと彼女も……
声に反応して小さく身体を震わせる反応は――期待の表れ。
アベルだけでなく、アーシャもまた密な一夜を焦がれているという証でもあった。


「それを俺に寄越すということは……覚悟はあるんだな?」

「は、はい」


少々手荒な真似はしてことがあるが、首輪をつけたことはない。
隷属の証。その者を縛り付ける存在。
貴族の家の娘という、生まれながらに枷をつけられたアーシャ。
彼女は姉と両親と決別し、その枷から解き放たれた筈だ。
そんな彼女に、傾向が違うとはいえ別の枷をつけてしまって大丈夫なのか。


「私は、アベルになら……」


そんな感情も、期待を寄せるアーシャの姿の前に吹き飛ぶ。
首輪による枷など、今更微々たるものだ。
己の野心を遂げる為に巻き込み、そして今のこの状況……
結婚という、その人の後の人生を縛り付ける枷もつけてしまっているのだから。
その枷を幸福に満ち足りたものにできるか否かは、アベル次第だ。
そして、この首輪の枷もそれは同じこと。


「……いいだろう」


彼女の全てを受け入れる。その覚悟は済ませてある。
首輪を、枷を、冷たい視線を望むのならば。
存分にそれに応えてこそ、この首輪も彼女にとって幸せな枷となる。
アベルは小さく息を吐きだし、改めて念入りに仮面を被りなおす。


――果たしてどこまでアーシャが動物扱いに耐えられるのか?――


頭を過ぎった嗜虐的な考えに、思わず口の端が吊り上る。
意外とアーシャの性癖は、自分の性癖も満たしているのではないか?
才女を自分の足下でペットとして扱うともなれば、満たされる征服欲は大きい。
子供を孕ませるということも、見方を変えれば征服欲の一つではないか?
考えを巡らせ、これからの行為を『普通』のものとして扱う。
そうすることで、仮面は以前よりもより黒く染まったものとなる。
願わくば、彼女がこれを悦んでくれるように。


「……首を出せ」


低い声に、躊躇いなくほっそりとした首が差し出される。
まわされた手にさらりとした黒髪が触れ、アベルにも妙な興奮をもたらした。
ああ、今から自分達は一見すると普通ではないことをするのだという、背徳感。
それを顔には出さず、淡々と首輪が巻かれ……

そして、小さな金属音と共にそれはアーシャの装備品となった。

今この時、彼女はアベルのペットとなったのだ。


783 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/08/30(日) 23:46:40.05 ID:+1uowV+80


「いい格好だな、アーシャ」

「あ……」


首輪に繋がるリードを握りしめながら、アベルが笑みを浮かべればアーシャの顔は熱くなる。
くいと軽く引けば、自然とアーシャの身体は四つん這いの姿勢となった。
既にこの時点で屈服しているように見えるが、アベルは再び思考を巡らせる。


(さて、ペット扱い……本当にそれをなぞればいいのか。アーシャの限界はどこなのか……)


流石のアベルとて、いくら仮面を被ろうともそちら側の知識は完璧ではない。
ただ相手を腰砕けにする手なら覚えはあるのだが、意外にも少し常識から脱したものはまだ勉強の余地がある。
おそらくは知識を叩きこんでくれた母が真っ当であったのも原因の一つであろうが。
これから先も愛する人たちを満足させるためにも、より深い世界に踏み入る必要があるとアベルは感じ取っていた。


(挑む相手が未知であれば、段階を踏んでいくのが定石か)

「……よし。これで君は俺のペットだ。ペットなら主人の命令には悦んで尻尾を振るな?」


コクリと首が縦に振られるのを見て、アベルはまずは軽めのものから試してみる。


「……アーシャ、お手」

「わぅんっ!」

「っ!?」


風切り音すら聞こえた気がする。
アベルが差し出した手には、気がついた時にはアーシャの手が重ねられていた。
一切の躊躇いの無い、圧倒的な速度。
およそ人に対して出す命令ではないというのにこの反応速度。
間違いなく、この事態を想定して修練を積んでいなければできない芸当だ。


(アーシャ……)


思わず頭を押さえそうになるが、なんとか堪える。
努力家で頭のいい彼女のこと、きっとこれもしっかりと勉強したのだろう。
そういえば王国で、そちら側の御用達のような本を贈ったりもした。
きっとあれを熟読したに違いない。
ともなれば、小手先だけでは通用しないだろう。


(――アーシャ。君が、ペットの扱いに恥ずかしさを覚えるのはどのあたりかな?)


知らないうちに、アベルは笑みを浮かべていた。
アーシャの望みを叶えるための仮面。
しかしそれはやはり同時に、アベルの嗜虐的な欲求を叶える仮面でもあった。


――彼女が羞恥に悶える姿を見てみたい――


どろりとした欲望を自覚しながら、アベルは次に期待を寄せるアーシャを見下ろしてみせる。
首輪に繋がれた気品と教養のある女性……普通のペット扱いではもう照れてはくれないのだろう。
これをより、辱めるにはどうするべきか。

784 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/08/30(日) 23:50:51.39 ID:+1uowV+80


「……ペットが服を着ているというのも、妙な話だな?」

「!!」


告げられた言葉に、アーシャの肩はぴくりと震える。
アベルからは次の句は告げられなかったが、その意味を察っしろということなのだろう。
つまりは、手を貸してやることもしない。自分の意思で服を脱げと、そういうことだ。
見下ろすアベルの視線は冷ややかで、それでどことなく期待を含んでいる。


「は、はい……」


それに射抜かれながら、アーシャはゆっくりと動き始める。
首輪にリードがあっては、普通の服では上手く脱ぐことはできない。
しかし今着ている夜着は緩やかなもので、肩から紐を降ろせばそのまま脱ぎ去ることができる。
特に考えてはいなかったが、今日これを選んだのも、首輪を意識してのことだったのか。
アベルからの視線と自分の底に眠る欲求に赤面しながらも、その手は止まることはなかった。


「ほう……」


アベルから時折漏れる声が羞恥心を煽り、動きを僅かに鈍らせはする。
何も知らない者が見れば、皇子に首輪を繋がれながら自ら下着を脱ぎ去ろうとしている娼婦か何かだ。

貴族の令嬢がするには相応しくない行為。
だからこそ、二人の中の劣情はどんどんと増していった。
『アーシャ』という個を受け入れ、どこかで歪んでしまった自覚のある性癖に応えようとしてくれる彼が愛おしくて。
優しく優雅で博識で、憧れさえ抱いていた彼女が自分の意のままに痴態を曝け出してくれて、興奮しないわけがない。


「あの、アベル……」


おずおずと声をかけるも、返答はない。
当然に下着も何もかもを脱ぎ去り、生まれたままの姿になれということなのだろう。
わかってはいたが、やはりいざとなると身震いをしてしまう。
彼に脱がされるのとは違う、自分の意思で見られながら脱ぎ捨てるというのは非常に羞恥心を煽ってくる。
しかしここで止まるわけにもいかず、アーシャはまずは上の下着を取り去る。


「んっ……!」


ふるりと揺れる美しい乳房は、見る者の目を惹きつける。
大きすぎず、小さすぎず。絶妙なそれはどこか品の良ささえ感じさせる美しさを持っていた。
しかしその先端部分が、早くも尖りはじめていることを本人は自覚していた。
視姦され、そしてこの後に期待するだけでこの有様。
顔から火が出そうなほどに恥ずかしいが、そこに感じる視線がさらに身体を昂ぶらせる。


(ああ、見られている……! アベルにももう、絶対気がつかれています……!)


ぞくりと身体を震わせれば、合わせるように胸も揺れる。
その一挙一動を見られていると思うと、ますますアーシャの身体は悦びに震えるのであった。

785 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/08/30(日) 23:51:36.14 ID:+1uowV+80


そして当然、ここで終わりではない。
しばし揺れる胸を楽しんでいたようだが、アベルの視線はその下へと向いている。
今脱げばどうなるか……
それはアーシャも重々承知の上だが、しかし脱がねば延々と視姦されて夜が明けてしまうだろう。
意を決し、下腹部を覆う下着にも指をかける。
黒地の面積の少ないそれは、左右を紐で結ぶ代物だった。
解くのは然程難しくなく、すぐさま片方がその役目を失い布は大きくめくれてしまう。


「っ……」


それだけで……いや、おそらくは最初から感づかれていただろう。
それが既に水分を含み始めていたということに。
もう一方も解かれて床に力なく落ちれば、もうアーシャの身を守るものは何も残されていない。


「……濡れているな」

「あぅ……」


まじまじと股を視姦され、アーシャは思わず顔を背けたくなる。
しかし首輪を繋ぐ紐を引っ張られ、それは許されない。
ただ純粋に秘所を見られているという恥ずかしさもあるが、前戯も無く濡らしている自分という存在が恥ずかしいのだ。
それこそまさしく躾のなっていない犬かなにかだ。
それがわかっていても、身体の熱が抑えられない。
上から下へと送られる視線だけで、声が漏れてしまいそうになる。


(アベルの視線を、凄く感じます……)


どうしようもなく恥ずかしく、しかし嬉しいという感情がが渦巻く。

染みついてしまった貴族の教養でもあるが、アーシャは無意識でその身体の美しさを保つことを心がけている。
無駄な肉は無く、しかし女性らしさは失わず。
所作にも気をつかい、細剣を扱う腕や踏み込む脚はすらりと美しく。
しかしそうして完成されてしまった身体だからこそ、自身の能力同様に突出した存在には及ばないことが密やかな悩みでもあった。
ある程度はあるとはいえ、抱擁力を具現化したかのような聖女の豊満な胸には届かない。
愛らしい耳や尻尾もなければ、彼女程に腰に括れがあるわけでもない。
愛されついに子を授かった少女のように、抱きしめやすい華奢な見た目というわけでもない。
そんな自分の身体を、愛する男がこれでもかといわんばかりに視線を寄越してくれるのだ。
性癖を抜きにして、求められているということは女としてただただ嬉しい。


(……あれ?)


――今自分は、どっちを悦んだのだろう?
ペットとして扱われたいのか、それとも一人の女として見られたいのか。
一瞬だけ、それが揺らいでしまった気がする。
しかしそれも些細なこと。
きっとこの後は以前と同じように、獣のごとく後ろから激しく突かれるのは変わらないのだから。
それを期待してしまうと、太腿までたらりと愛液が垂れてきた。




「……よし、それじゃあ行くとするか」

「え?」



だからこそ、アベルの言葉はあまりにも予想外であった。
呆気にとられ思わず聞き返してしまうが、アーシャはそこで確かに見た。
アベルが意地悪い笑みを浮かべているのを……

786 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/08/30(日) 23:52:30.87 ID:+1uowV+80


「い、行くって何処へですか?」


応えを待つが、返ってくるのはくつくつという笑いのみ。
博識で通るアーシャも、言葉の真意が掴めずに困惑する。
今の時間は皆も寝静まる頃合い。どこかの店が開いている確率は低いだろう。
そもそも自分はアベルの望み通りに服を全て脱ぎ去った状態だ。
一度脱がせて、また着させて何処かへ向かう? それはないだろう。
それでなくとも昂ぶったこの身体では、下着をなおしてもすぐに濡らしてしまう。
どう考えても、この状況下でどこかへ向かうというのは愚策だろう。



「決まっているだろう? ペットには適度な運動……散歩も必要だ」



なんでもないと言わんばかりに告げられたその言葉に、アーシャは絶句する。
手元にあるリードがわざとらしくくいと引っ張られ、それが冗談ではないと念押ししているようだ。
散歩。確かに飼っている動物であれば必要なことではある。
しかしまさか、全裸に首輪というこの状況で、人間に散歩をさせようというのか?


(お前はもう本当に、人間じゃなくて俺のペットだと……そういうことなのアベル?)


飛躍したペット扱いに、思わず身震いしてしまう。
だがその視線は非常にぞくぞくとするものであり、身体の内が熱を持っていくことがわかる。
ここでこれを断ってしまえば、今後ともペットの様な扱いをしてくれなくなるかもしれない。
恐怖と羞恥の感情が無いと言えば勿論嘘だ。
その感情以上に、逸楽を求めてしまう。それだけのこと。


「わ、わかり、ました……」

「……よし。四つん這い……と言いたいところだが、怪我をされても困る」

「特別に、二足で立つことを許してやろう」

「ありがとう、ございます……」

「――ただし、手は行儀良く背中の後ろで組んでおくんだぞ?」


耳元で低く囁かれ、アーシャは朱に染まると同時に激しく混乱する。

二足、人間の尊厳を許されたのは僥倖……いや果たして本当にそうと言えるのか?
なまじ残っている方が、より無様で屈辱的な格好なのではないか?
四つん這いであれば、正面から誰かが来ても胸部や秘所を隠すことはまだできる。
しかし手を背中側で組まされては、もう隠しようも無い。全てが見られてしまう。
どちらにせよ誰かに見られたならば、ある意味で生涯に幕を降ろすと言っても過言ではないだろう。
ならばまだ、四つん這いの方が愛する人以外に身体を見られずに済んだのではないか?
才女の頭脳はあれやこれやと考えるが、正解が導き出せない。
導き出したところで、結局は主人の許可が無ければ意味が無いのだが。


「よし、いい子だアーシャ。楽しい散歩に行こうな……?」


逆らうこともできず、アーシャは背を向けて手を組んだことを見せる。
そのまま背中を優しく撫ぜられ身体が反応してしまうが、無理もないだろう。
半ば本番をお預けされて、熱は上昇を続けるばかり。
そんな状態で外に出れば、どうなってしまうのか……
まさか、このまま外で……?

頭が沸騰してしまいそうな程の熱で、正常な思考ができなくなってくる。
繋がれた動物は、ただただ主人に従って部屋を飛び出すことしかできなかった。

787 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/08/30(日) 23:56:05.89 ID:+1uowV+80
……


「はぁっ……はぁっ……」


アーシャの荒い呼吸音は、時間と共に大きくなって行った。
今、自分は全裸に首輪という人間の尊厳を投げ捨てた格好だ。
身体を隠すことも許されず、全てを曝け出して城塞内の廊下を歩かされた。


「興奮しているのか? 音を抑えないと、ロウルに聞かれてしまうかもしれないぞ?」

「っ!?」


後ろから囁かれ、息を呑む。
手は組んだまま。口を押さえることもできない。
静かな夜の散歩は、確かに呼吸の音さえよく聞こえてしまう。
いくら気心が知れた仲とはいえ、こんな姿を見られれば軽蔑されてしまうだろう。


(あぁ、アベル、アベル……っ!)


何よりも救えないのは、この状況に言いようのない興奮を覚えている自分自身だとアーシャは自らを内心罵る。
いつ誰に見られるかわからない恐怖。その中で、アベルだけが後ろからずぅっと視線を寄越している。
彼には震える尻も、徐々に量を増して垂れ流す愛液も、全て見られてしまっているだろう。
正面に回り込まれれば、触れられてもいないのにひどく主張している乳首もばれてしまう。
夜風で冷えたせいだと言い訳をしたいところだが、とてもそれだけで説明できる状態ではない。


「どうした? 散歩は楽しくないのか? 尻尾があれば、悦んでいるかどうか俺にもわかるんだがな」

「んっ!? んんぅぅ……!?」


不意に尻肉が割り広げられ、中心に指を埋められる。
あまりに突然のことに声をあげそうになるが、アーシャは唇を噛みしめてこれを堪える。
以前、筆の先端を埋め込まれ尻尾のようにされた経験がなければどうなっていたことだろう。
まさか今日も尻尾を生やされるのかと身構えるが、どうやら違うらしい。
性的な興奮を与えつつ、望む域までは与えない……待てという、躾をされているのだろうか?


(どうにかなってしまいそうです……アベル、どうか……)


心中でねだっても、主人がそれに応えてくれることはない。
やわやわと尻を撫で、時折軽く叩かれるのみ。はやく進め、という催促なのだろうとアーシャは判断する。
『ご褒美』が欲しくてその指示に従って歩を速めれば、時折自分の息とは違うぱた、ぱたという音が聞こえ始めた。
もう見なくてもわかる。自分が溢れさせているはしたない雫が、脚を動かす度に点々と地面に痕を残しているのだ。
拭き取りたい。でもわかっている。それが許されないことくらい。


「くくっ、いやらしいなぁアーシャは……」


嘲笑に、ますます身体は熱くなる。
痕跡を残さないためにも、はやくはやくと動いてようやくアーシャは気がついた。
この先は……


「ア、アベ――」

「どうしたアーシャ。もうすぐ城塞の外だぞ? 散歩なんだから、しっかり外に出ないとな?」

「ああ、誰かに見られるのが恥ずかしいのか。それなら、逆にこう考えればいい」

「――自分が何も視なければいいんだとな」


言うや否や、アベルは黒い布を取り出すとアーシャの視界を塞いで見せた。
アーシャは何もできない。夜目に慣れつつあったところに、漆黒の帳。
第二皇子と同じく、人は視覚を奪われるとその他の感覚が鋭くなる。
肌に感じる感じる視線も、冷気も、何もかもより強く。

788 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/08/30(日) 23:56:52.81 ID:+1uowV+80


「アベ、ル……!?」


視界を覆われ、身体は自由には動かせず、当たり前だが逃げ出すこともできず。
息をますます荒げながら、アーシャはいよいよ混乱の極致にいた。
命を預かる者として、冷静に策を考えて状況を判断しなければならない……
そうは言うが、いくらなんでもこんな事態はアーシャの想定の範疇を逸脱している。

不意により肌寒くなったということは、本当に外に出てしまったのか。
かつてよりは平和になった今だが、まるで警邏の兵がいないわけでもない。
こんな姿を、アベル以外に見られてしまったら恥ずかしさのあまり死ねるのではないか。
そう思うも、こうして目隠しされてしまっては、果たしてどれだけの人間にこの痴態を見られているかもわからない。
後ろから感じる、たまらなく好きな視線に神経が集中してしまい、他の人間にまで気が回る気もしない。


「ほう、今日はなかなか涼しい風が吹くな。草木も程よくそよいでいる」


耳を傾ける余裕はない。自分の心音と呼吸が煩すぎる。
誰かに見つからないようにと、頭から発せられる命令も限られてくる。
しかしこの状態では、どこに向かえばいいのかもわからない。
アベルがその気になって首輪を強く引っ張れば、それだけで自分はその場所に縛り付けられてしまう。


(ああ、主人に逆らうことも出来ない。望みのまま、行きたい場所に行くことも許されない……)

(まさしく、ペットの扱いです……だけど、アベル……!)


アーシャの中で、興奮とは違った感情が急速に育ちあがる。
それは、紛れもない恐怖の感情だった。
学友であるが故に。彼に憧れ、時折見せる冷たさに惹かれたが故に。
アベルがまだ、この後に何かを企んでいるのだということは嫌でも察することができた。
そしてそれはきっと、既に限界寸前の自分には耐えきれないことであろうことも。


「夜の散歩は気持ちがいい。なぁアーシャ?」

「は、はい……」


思わず、声も震えた。見えずとも、アベルが意地の悪い笑みを浮かべているのがわかった。


「どうしたんだ? そんなに震えて」



「――あぁ、用を足したいのか? ならそこの樹の根元にするといい」

「俺が、しっかりと飛び散らないように見守っておくからな?」



その言葉は、残酷な程にしっかりと耳に入りこんできた。
それと同時に、アーシャの中の何かが砕け散った。


「っ、お、お願いアベル……どうか、どうかっ、それだけは……っ!」


嗚咽を漏らしながら、アーシャは自身の目元が熱くなるのを自覚した。
幼少期、家族の教育のせいもあり並の責め苦では泣くこともないと自負していたが……
こうも容易く打ち砕かれるかと、アーシャは自身に落胆する。
そればかりか、アベルのペットを望みながらそれを遂行しきれないという情けなさ。
色々な感情がぐちゃぐちゃに混ざり合うが、それでもアーシャの心の底からは叫び声が聞こえていた。
それだけは止めてくれ。彼の前で粗相だけはしたくない。
アーシャという『人間』の理性が、獣の欲を抑えこんで泣き叫ぶ。


「アベル、お願いです……っ!」


こんなにしおらしく、心の底から懇願したのは何時以来だろうか。
彼の前では、きっと初めてかもしれない。
それを感じ取ったのは、アベルも同じく……


「……アーシャ」


アーシャからは見えることはないが、アベルは笑みを浮かべていた。

789 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/08/30(日) 23:57:53.13 ID:+1uowV+80


「ふっ……少し意地悪が過ぎたかな?」


その笑みはすぐに消えると同時に、申し訳なさそうなものへと変わる。
そして詫びながらに結び目を解き、目隠しを外していく。


「……え?」


布が取り払われた瞬間、思わずアーシャは間の抜けた声を出す。
そこは冷たい風の吹く野外などではなく、彼女も知る場所であった。
見覚えのある浴場――城塞内の一部だ。


「ど、どうして……」

「……君の願いに、俺は出来る限り応えたつもりだ」


後ろから言葉と共に吹きつけられる冷風に、アーシャの肩が反応する。
そして瞬時に理解した。外に出たように感じたのは、アベルが調整した氷魔法を使っていたということを。
本来のアーシャであれば違いに気が付けたかもしれないが、極限の羞恥心は判断を鈍らせていた。
ほっと安堵するが、何故アベルがこのような真似をしたかまではわからない。


「少し、俺の予想以上に君が突き進むから困惑したが……」

「幸いにも君も野外排泄などは耐えきれないようで、安心したよ。あれは中々勇気がいるからな」

「万が一にも……君のそんな姿は誰にも見せたくない。だから少しばかり芝居をさせてもらったが……」


後ろから、低い声と共にぬるりと手が動かされる。


「そもそも、君の身体を見知らぬ連中に見せるということも、俺は我慢できそうにない」

「あっ……! アベル……!?」


いつの間にやら、アベルの手には泡のついた手拭が握られていた。
薄布越しに、緩やかにアーシャの腹部が撫でられる。
いくら野外排泄の危機が去ったからといって、全裸で首輪の格好なのは変わらない。
彼女に逃げ場は無く、無遠慮な動きに抗うことは不可能だ。


「っぁ、んっ……なに、を……!?」


気を緩めたところに、予期せぬアベルからの泡を伴った優しい愛撫。
ようやく触れられた悦びから、泡に紛れて再び愛液が滴り落ちるが、それを気にする余裕は無い。
状況の変化に、頭が追いつかない。


「どうだ? アーシャ?」


具合を聞いてくる声が、また意地悪い。
あえて敏感なところには触れず、その周りだけを撫ぜている。
それでいて自分はしっかりと感じてしまっている。それがわかるのが恥ずかしい。
勿論アベルもその反応を察しておきながら、こんなことを聞いているのだろう。
アーシャはただその身を震わせることしかできなかった。


790 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/08/30(日) 23:59:04.90 ID:+1uowV+80


「ペットの身体をしっかり洗うことも、飼い主の責務だと思ったのだがな」


小さく笑いながら、アベルは手を休めることはしない。
アーシャも頭でそういうことかと理解はするが、緩急のついた快楽の前に思考はあまりに無意味。
ごしごしと洗われつつも性感帯を刺激されるこの状況では、何も考えられない。


「短いとはいえ散歩は散歩だからな。念入りに洗わないとなぁ……」

「ひゃっ!? アベ、ル……だめですっ……そこぉ……!」


妙にこなれた手つきで、柔肌の上をアベルの手は踊るように移動していく。
本来であれば、背中を擦られた程度でこんな声は出さない筈だとアーシャは自負している。
しかし自分でやるのとは大違い……アベルの手が別の目的も持っているのは明らかだが、
それを抜きにしても気持ちが良いというのが正直な感想であった。


(身体が、熱い……)


ついさっきまで野外で冷えているつもりだった身体は、すぐさま熱を取りもどした。
羞恥の熱だけではない。アベルの手が滑った箇所は明確に熱を帯びてきている。
この泡に媚薬の類が混ぜ込んであると言われても、信じてしまうだろう。
身体の汚れが落とされ、ゆっくりとそれを染み込まされているかのような錯覚。
取り戻した熱はすぐに本来以上のものとなり、身体の芯から熱をもたせていく。


「はぁっ……アベルゥ……!」


「どうしたアーシャ? まだ背中と腕だぞ?」


熱にあわせるように、息も荒くなっていく。
まるで本当に発情した犬のようですらあるが、アーシャはそれを抑えることができなかった。
布越しに感じる無骨な指。大好きな人の掌。
それを感じる度に、甘い声が出てしまう。
主人に媚びる、動物の様に。


「まだ、これはつけておいた方がいいか? ここは、なかなか洗いにくいんだがな」

「きゅ、ふぅ……!?」


そして指は首の方へと伸ばされた。
背後から首に指をかけられるなど、本来であれば死を覚悟して同然の状態。
しかしアーシャには、これさえも予想だにしない快感となった。
首輪の隙間に少し強めに差し込まれた指が、程よい圧迫感と存在感を主張してくる。
紛れも無く、彼は今ここにいる。
こんな近くにいる。そう思うだけで、嬉しくなってくる。
首だろうが、背中だろうが、腕だろうが……
身体のどこを触られても雌の反応をしてしまう。
はしたない、恥ずかしい、それでも嬉しい。
何があろうとも、愛する人が傍にいるだけで嬉しいというのは、従順なペットと同じなのか?


「――なぁ、アーシャ」

「は、はい!?」


そんな時、不意に声がかけられた。


791 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/08/31(月) 00:03:04.20 ID:I3RUG0L20


「俺は、君に応えたいと思う」

「だが、君の望みに必ず全て応えられるわけではない」

「……俺は、どうあれ人を物の様に扱うことは好きじゃないんだ」

「ふぁ……!?」


撫で擦るような動きから、揉みこむような動きへ。
脇の下を通り、伸ばされた両腕は胸に触れたかと思えば下降。
腰回り付近で、しっかりと組み合わさった。
両腕の自由は聞くが、体躯で勝るアベルにこれをされては逃げ場はない。
手を離れた首輪の紐はだらりと床で水分を含んでいくが、それを気に留める者は誰もいない。


「アベル……っ」


背後から抱きすくめられ、彼の身体の逞しさを感じずにはいられない。
残念なことに彼は着衣の状態のため、その身体を直接感じることはできないのだが。
それでも下腹部の疼きが、どんどんと激しくなる。求めている。


「……俺は、強欲……いや、傲慢な男だ」

「そ、そんなことはありません。アベルは……」

「君の望みに応えたい。そう言っておきながら、俺は自分の我を……欲望を押し通したいとも思っている」

「欲望、ですか?」

「ああ……君の望みを全否定しかねない、酷い欲望さ」





「――俺は、アーシャをペットとしてではなく、一人の大切な女性として扱いたい」

「そして――君も孕ませてしまいたいと思っているんだぞ?」





耳元で囁かれ、言葉そのものが媚毒のようにアーシャの身体に浸透していく。
首輪で、腕で、身体全体で……逃げ場無く捕えられた獲物。
ここに欲望という名の愛が加われば、どうなってしまうのか。想像に容易い。


「アベ、ル……」


身体も声も震える。
それは歓喜からか、恐怖からか。
アーシャは城塞で暮らしてきた年数で言えば、古参の二人には劣る。
それでも、軍学校で共に学び過ごした時間はあるし、数年も共に暮らせばアベルの人となりも十分わかる。

自分だけじゃない。多くの人が彼を支えてきたが、核となったのはアベルの意思があったからこそ。
彼は、為すと決めたことは投げ出さない。為し遂げるまで投げ出さない。
そんな彼が、エリスと同じく自分まで孕ませると宣言したのだ。


(私、も……)


きっと、近いうちに。
自分もエリスと同じになるのだ。
……嬉しくないわけがない。


792 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/08/31(月) 00:03:37.87 ID:I3RUG0L20


「……エリスちゃんは?」


それでも、それを遠ざけようとしてしまうのは何故なのか?


「……普通に考えれば、俺は刺し殺されても文句は言えないだろう」

「だが、俺の気持ちの全てに偽りはない。エリスも、アーシャも、生まれてくる子も、等しく愛するよ……」


肩に、軽く口付けたかと思えば吸い上げられる。
まだだ。まだこれは、待っている。


(私の、言葉を……)


手が腹から脇腹へ、そしてそのまま太腿へと移動していく。
触れるか触れないか、そんな絶妙な位置を、ひたすらにゆっくりと撫でまわす手に、眩暈を覚えてしまいそうになる。
大切な場所には、一切触れていない。
意地悪で、優しくて、いやらしい手だ。


「ふふ、アベルはなんだかんだで子供好きですものね……」

「あまり、そういったつもりはないんだが?」

「……子供が欲しいなら、コウノトリさんが連れてきてくれるかもしれませんよ?」


自分にも少し突き刺さる冗談を言ってみるが、当然手は止まらない。
より際どい位置を優しく撫ぜるだけ。
空いたもう一方の手は、やんわりと胸を揉みしだき始める。


「その冗談は笑えないな。やはりペット扱いをしないと駄目か?」

「んぁぁあっ……んぅ、そ、そんなことは、ありません、けど……っぁ!」


会話をしつつも乳首をこりこりと刺激し、アベルの責めは緩むことが無い。
アーシャ自身、アベルの子を産む……正しくは、アベルとの結婚を望んでいないわけがない。
貴族の人形同然だった自分が、生まれ変わるような道を示してくれた大切な人……
自分が決意した時には大切な友人を恋人としており、諦めかけたというのに愛してくれた。
こうしているだけでも、既に幸せだと言うのに。
どうして自分は、最後の一言を言えないのかアーシャにはわからない。
ペットを望んでいるのも……大元は、彼の視線が欲しいからだ。
聞かれるまでも無い。全身が貴方を欲しているのだと。
相手もこうして、もう待ちきれないと言わんばかりではないか。
ここで首を縦に振って、了承するだけで……
きっと、お互いが幸せになれる筈なのに。


「では、何故だ……?」


問いに答えることはできない。
アーシャ自身が、わからないからだ。
エリス以外……ロウルにシア、パトラやティアを結果的に出し抜いたからだろうか?
確かに申し訳なさはあるが、彼女達のことだ。
少し羨ましがられるか、またくじ引きを用意するか……
おそらく、そう酷い結果にはならないだろうと予想できた。
一人の男を巡る多数の女達という構図では、極めて稀な一例だろう。
これも、愛する人の人徳のおかげか。

793 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/08/31(月) 00:09:49.07 ID:I3RUG0L20


「……」

「……」


しばらく、無言のまま時が流れる。
しかし全くの無音というわけではない。


「んっ……んぅぅ……! ふぅ、ふぅ……くぁ……!」


どれだけ思考を巡らせようとも、緩やかな愛撫だけでアーシャの身体はとっくに出来上がっていた。
今日の夜の始まりからしてお預けを続けられた身体は、既に限界を超えている。
欲しいのに、遠ざけてしまう。
その理由を理解したい。頭ではそう思っても、身体はそうもいかなかった。


「あっ、あっ、あぁっ……!?」

「おっと、俺の欲望を肯定するか否定してくれるまでは、逃がさないぞ?」


火照った身体はしっかりと抱きとめられ、首輪以上の拘束力と興奮をもたらしてくれる。
愛する人の抱擁に比べれば、無機質な首輪のなんと味気ないことか。
ゆっくりと、ゆっくりと……
決して強くはない言葉と行為で、アーシャの中の何かが削り取られていく。


(あつい、ほしい、アベルが……)


熱にうかされ、アーシャは彼の手を掴んで秘部へと招こうとすらした。
しかしそれは叶わず、相変わらず足の付け根で意地悪を繰り返すのみ。
思考が乱される。何も考えられない。


(赤ちゃん、アベルの……)


乳首を嬲る彼の指先に、どうしても意識が集中してしまう。
転がされる度に悶えて、それでいてもっと激しくと望んでいる自分もいる。
理知的な軍師は、その思考が武器だ。
その武器が、快楽で塗り潰されていく。
じくじくと全身が疼く。これ以上されれば……


「……」

「あっ……!?」


そんな時に、急に刺激が無くなれば誰もが驚くだろう。


「……」


アベルは無言で愛撫を終えていた。
それは己の欲望諦めたのか、或いは絶頂の寸前で止める意地悪なのか。
判断ができないが、もはやアーシャにとってどちらでも答えは変わらない。




「――おねがい、アベル……!」



……



794 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/08/31(月) 00:10:28.79 ID:I3RUG0L20
――


「んっ、んあ゛あああぁぁぁぁぁぁ!?」



真夜中の浴場に、大きな女性の喘ぎ声が響く。
普通の部屋よりもより響いて聞こえるが、その原因は場所だけではない。
ただただ、純粋にアーシャの喘ぐ声が……
普段の品の良さを感じさせない程に、乱れたものだったからに他ならない。


「ま、まって、まってアベルッ! ん、んぐっ、んう゛うぅぅぅぅぅぅぅぅ!?」


そして品が無いのは、その姿勢もだった。


「これ゛、深いですっ……! 奥まで、アベルが奥までえ゛ぇぇぇぇぇぇ!?」


アベルの欲望と、アーシャの欲望。
二つの欲望を満たす為なのか、アベルはアーシャを四つん這いにさせてすぐに刺し貫いた。
十分過ぎる程に解れきったそこは、ぬぷりと深い一撃も飲み込んでみせた。
まるで獣の交わり。しとやかな夫婦の一夜ではないだろう。


「まだだ、まだもっと、アーシャを……!」

「あ゛っ!? 腕、ひっぱら……ふぐ、んあぁあぁぁぁぁぁぁ!」


それでも、二人は幸せだった。
四つん這いで叫ぶ姿は、貴族らしからぬ姿だ。
だが貴族の檻を壊し、アーシャという個人を見せることができているという幸福感がある。
女の敵だという自覚を持ちつつ、だからこそ己の手中から離したく人には常に全力の愛を注ぎたいとアベルは願う。
激しく荒々しく、獣のように愛する人の奥底に愛と欲望の印を刻めるのは至高の悦びだ。




「っ、そろそろ、一回出すぞ……っ!?」

「ん゛っ、く、ん――――〜〜〜〜〜〜っ!?」




通常よりも深く挿入された状態で、アベルの欲望がアーシャの身体に注がれていく。
ともすれば、雌ならば誰もが屈服しかねない程に雄々しく容赦のない膣内出しだ。


「あっ……あぁっ……」


だからこそ、それはアーシャにとっては望んでいる、たまらないものだ。
視線を合わせられない難点はあるが、こうして愛されつつも獣のような交わいは、嫌いではない……
いや、大好きなのだと。
アーシャは自分の性癖というものを、改めて理解するのであった。


「ふぅ……ふぅ……」

「よかった、です……アベル……」


アーシャの四足として支えていた腕が、くたりと折り曲げられる。
崩れ落ちた彼女の身体は、幸せに震えていた。


795 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/08/31(月) 00:11:06.82 ID:I3RUG0L20





「……まだだぞ、アーシャ?」

「え? っ!? あ、はあああぁぁぁぁあ゛あ゛ああぁぁぁぁ!?」


そんなアーシャに、再びアベルは挿入を再開した。
終ったと油断し弛緩した身体。
絶頂を迎え敏感になっている上、腕が曲がった分より高く彼に尻をみせつける格好になってしまった。
そんな状態でより激しく突かれれば、よがり狂わない道理はない。


「ま、待ってぇ!? まだイッ゛!?」


子宮を容赦なく突かれ、その度にアーシャの身体はビクビクと反応する。
容赦のない、まさしく欲望の獣のようなアベルを前に、アーシャはようやく理解した。
何故、自分は望んでいるにも関わらず、彼から離れようとさえしてしまったのか?


(こ、こんなっ、はげしいっ……♪)


何のことは無い。確実に自分の予測を上回るであろうアベルの苛烈な責め。
それを冷静な頭が警戒して、身を守ろうとしていたのだ。
だが今となってはもう時間切れ。
アーシャの身体は、愛を持って蹂躙され続ける。


「あ゛っ! あぅっ! アベ、ル……ァ!」

「アーシャ、もっと……!」

「んぐぅぅ!?」


アベルは精液を吐き出しながらも、動きを止めることが無かった。
吐き出されながら、すぐに体内でかき混ぜられ、突き上げられ、擦り込まれていく。
膣壁に、そして子宮に、アベルが馴染ませられていく。


「んうぅぅぅぅ!? ま、待って、待ってアベルっ!?」


制止の願いも虚しく、アーシャは突かれ続ける。
深く、深く、刻み込まれる。
乱暴な様でいて、愛を感じられる。
圧倒的な愛欲が、何もかもを塗り潰していく。


「君のここは、俺を咥えこんで離そうとしていないぞ……!?」

「だ、だって、アベルと離れたくなんか、ないですもの……♪」

「でも、もう少しだけ……」

「ああ、まだまだ、これからだアーシャ……っ!」

「ちが、待ってえぇぇぇぇぇぁぁあああああ゛あ゛あ゛あぁぁ!?」


お互い、声を抑えようなどという考えは無くなっていた。
誰にも見せたくない痴態も、二人の間だけだったら問題ないのだから。
二人しかいないこの世界なら、存分に獣に身を堕とせる。


「アベル、アベル……!」

「アーシャ……!」


二頭の獣は、なにものにも邪魔されることなく、いつまでも存分に愛を貪りあうのであった……



……


――
796 : ◆gEU9La026k [saga]:2020/08/31(月) 00:13:46.66 ID:I3RUG0L20
というわけで、アーシャとの一夜でした
この後のやりとり及びマックスの処遇などはまた後日
そして次はティア&シアの予定です
(こちらはほぼ内容が決まってしまっているので、次に内容募集があるとすればパトラになります)

本日もありがとうございました!
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