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【禁書】上条「野球大会で優勝したぞ!」看取「2回裏だゾ」【安価】

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193 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/09/23(水) 00:26:47.74 ID:zrLnrlg50
とりあえずインディアンポーカー使って休む
194 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/09/23(水) 00:28:31.81 ID:/IlNjXHmo
現状の問題で一番頼れそうなの全部土御門さんしか思い付かないんだが誰頼れば良いかヒント無い?
195 : ◆y1POWXBhVp87 [saga]:2020/09/23(水) 00:42:16.89 ID:ZcvUNi+nO
>>194
@ハーレムの誰か
A縦ロールと共通の趣味してるアイツ
B上条さんにズケズケ物を言える日常サイドのデコ
C恋愛上手な年上のお姉さん
D毎度おなじみ天使の相談室

の5人くらい?




――8月上旬

現在の上条さん 所持金8万0000円
HP:129/140 学力:60


野球/休む/遊ぶ/デート/バイト/勉強

野球
練習or試合=HP-20 指定した仲間or彼女の好感度

休む
HP+30
追加…安価のコンマがゾロ目でHP+50

遊ぶ
HP-20/指定した仲間との好感度+10〜30

デート
HP-20/彼女とデート好感度☆1〜4

勉強
HP=+20
学力=+10〜20

食蜂操祈……★★★★★★★★★★
警策看取……★★★★★★★★★★
ドリー………★★★★★★★★★★
オティヌス…★★★★★★★★★★

※5月下旬からオティヌスの手術可能
※看取さんとデートができません。誰かを頼って探しに行きましょう。
※操祈さんの事が認識できません。異常を異常と言える人は…?
※ドリーは大丈夫だろうか…

安価下2
196 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/09/23(水) 07:21:29.75 ID:/IlNjXHmo
197 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/09/24(木) 07:37:27.03 ID:RWwwpHjNo
遊ぶ
風斬
198 : ◆y1POWXBhVp87 [saga]:2020/09/27(日) 19:36:24.62 ID:HVPVtu98O
大変お待たせしました
短いですが始めます
199 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/09/27(日) 19:38:09.41 ID:2uvPrLozo
おけ
200 : ◆y1POWXBhVp87 [saga]:2020/09/27(日) 20:19:13.38 ID:HVPVtu98O
上条(――8月になった)

上条「あれからもう1年かぁ」

上条(学園都市野球大会から早一年。早かったような長かったような)

上条(―――アレイスターが掲示した1日学園都市統括理事長権施行期限まであと1か月)

上条「――――」

上条(………ドリー…看取…操祈…)

上条(心配事が多い。全く解決しない。部屋の中ではなにもならない。真夏の灼熱地獄のなか俺は公園のブランコに座っていた。そんな時――)

上条「………何やってんだ俺…」ギィッ

上条「………ん」


ワンッワンッ!
ガルルルルルr


風斬「―――――」ガジガジガジガジ

上条「って、風斬ィーーーーーー!!!!!?????」

上条(野良犬の大軍にガジガジに噛まれまくっていた風斬氷華を見つけた)


・・・・・


上条「ぜーっぜーっぜーっ…どうして! いつも! 動物に絡まれるんだ! おまえは!」ボロッ

風斬「いやーいつもは動物にもスルーされるのですが、実体化するとどうも絡まれちゃうようで…」エヘヘ

上条「照れるな褒めてない」

風斬「まあ助けられたのは事実。お礼に一つ、お手伝いさせてください。困っている事があるなら相談に乗りますよ」

上条「………このパターン定番化してない?」

風斬「気のせいでは?」



風斬相談室
@だんだん瞳のハイライトが消えていく彼女について
Aゾンビに襲われてから全く行方知れずの彼女について
B行方不明になってから、だんだん記憶も曖昧になってきた彼女について
C今年のパ・リーグって面白くない?


安価下2
201 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/09/27(日) 20:20:05.49 ID:GNFq+bhgo
202 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/09/27(日) 20:20:31.23 ID:rbbFWA/m0
1
203 : ◆y1POWXBhVp87 [saga]:2020/09/27(日) 21:40:30.10 ID:HVPVtu98O
上条「最近、一つ……いや、三つ心配な事があってな」

上条「その一つなんだが…」

風斬「ええ」

上条「ドリーの事なんだが――」

風斬「え?そっち?」

上条「――え?」

風斬「……いや、なんでも」

風斬「ふぅん、見えない人と居ない人より、見えてて居る人が優先なんですね…」

風斬「それで、ドリーさんがどうしました?」

上条「最近、色々忙しくてなかなか会えなかったんだ。だけど先日会った時…」


ドリー『こんにちわ、おにいちゃん、とミサカは―――あれ?なにかいいかけてた?』


風斬「はぁ…だからドリーさんと…いやなんでもないです」

風斬「あの子が言った通りですね。女の子をほったらかしにしていると、痛い目をみますよ」

上条「――――」

風斬「こういう時は、本人と会った方が吉です! デートですデート!」ズビシッ

上条「ええ…」

風斬「そんなに雰囲気が悪いのなら、私がついて行ってあげましょうか?」

上条「いやそれは―――」



彼女じゃない他の女と一緒に彼女とデートだとぉ!? コンマ下1
奇数→よ、よろしくお願いします…
偶数→ええい、一人でいけらぁ
204 : ◆y1POWXBhVp87 [saga]:2020/09/27(日) 21:43:05.46 ID:HVPVtu98O
ごめんなさい今日はここまでにさせてください
来週は土曜日の19時からはじめます

コンマ下
205 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/09/27(日) 21:43:52.02 ID:Rs24NhoAo
他の二人は生きてる限り何とでもなりそうだけどドリーは実質死にそうなんだよね
206 : ◆y1POWXBhVp87 [saga]:2020/10/03(土) 19:02:56.31 ID:+ea24v/GO
はじめます
207 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/10/03(土) 19:03:49.44 ID:Cm/5CMCHo
予告通りだ
208 : ◆y1POWXBhVp87 [saga]:2020/10/03(土) 20:09:57.89 ID:+ea24v/GO
上条「ええい、一人でできらぁ!!」ドーン

風斬「ほう。できますか? 一人でドリーさんとおデート!」

上条「ふふ、舐めるなよ。これでもドリーの好感度はMAX!!」

風斬「それに甘えて放置してたのはどこのどなたでしたっけ?」ニコニコ

上条「………」←ぐうも出ない

上条「と、とにかく今からデートをするぞ! ちゃんとデートできるか不安ならついてくればいいだろ!」つスマホペポパ

上条「はいもしもし、ドリー? うん、今日は暇か?」



風斬「………これで、いいんですね?」

風斬「……そう、わかりました。私もついて行きますから、辛くなったら来てください」



上条「よし、ドリーとの約束も取り付けた! よーし、思い出を作ろぞー!」

風斬「では私は遠くから見てますから。もし何か異常があればすぐに駆け付けます」

上条「そんな大袈裟な…」


・・・・・


上条(大袈裟じゃなかった)

ドリー「おにーちゃーん!」タッタッタッタッ

上条「………」

ドリー「今日はお誘いありがとうございますと、ミサカは、久々の逢引に胸を躍らせ―――……あれ、おにいちゃん?」

上条(ますますドリーが御坂妹になっていた。前に会ってから1か月もしていないのに)

上条「―――」フルフル

上条「今日はいっぱいおめかししてるな。よく似合ってて可愛いぜ」ナデナデ

ドリー「えへへ。みさきちゃんがえらんでくれた、おようふくきてきたんだ!」

上条「………そうか。ホント、どこいったんだろうな…」ボソッ

上条(操祈の名前を聞いて、寂しくなる。会いたいな…)

上条(いや、今はドリーだ。ドリーの事を考えろ)

ドリー「?」

上条「いやなんでもない。行こうか。今日はドリーとめいいっぱい遊ぶぞ!」

上条(そして思い出を作って、俺はドリーを取り戻す)





風斬「うんうん、いい滑り出しですね! 女の子が来たらまずファッションを褒める! ただ、他の女の子の名前を出すのはNGですが、まぁいいでしょう!」カキカキ

風斬「さて、ここからこの恋愛マスター(なんちゃって)氷華さんが、上条さんのデート力を評価しますよー!」ナンツッテ


上条さんデート力レベル午前の部コンマ下1
奇数→まさかの100点満点マーベラス
偶数→まさかの時のスペイン宗教裁判〜〜!!
209 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/10/03(土) 20:13:19.96 ID:N+qFvF8ho
基本成功率50%だから完全に運なのよね
210 : ◆y1POWXBhVp87 [saga]:2020/10/03(土) 21:21:39.43 ID:+ea24v/GO
上条「――――」アハハハハ

ドリー「――――」アハハハ


風斬「うんうん、いい雰囲気です。どこからどう見ても誰もが羨むイチャイチャバカップルです……いえ、私は羨ましくないですが……」←耳には盗聴器

風斬「さて、まず最初にどこへ―――」

風斬「!?」


上条「ここ、青ピーと土御門がオススメって言ってたお店で、猫カフェらしいぞ…」

ドリー「へー」


カランカラーン


風斬「ほう猫カフェですか…たいしたものですね」

風斬「基本、女の子は小動物に目がないらしく、本気デートで多用するプレイボーイもいるくらいです…」

風斬「では私も猫と戯れるとしましょうか……ん?そういえばさっき、変態二人の名前があがったような―――」


カランカラーン


猫耳メイド「お帰りなさいませご主人様ー❤」キャルッ


風斬「―――って、猫カフェじゃなくて猫耳メイドカフェじゃないですかぁ!?」


猫耳メイド「あ、よく間違われるんですー。外観も店名も猫カフェっぽいと。実際なにも知らずに入ってこられるご主人様が多くて…」

風斬「……お、おう、こ、これはデートに連れてこられたら…」

風斬「赤点ですよ! これは!」

風斬「上条さんとドリーさんは…! あ、上条さんいた。ドリーさんは…お手洗いかな? よーし」


上条「―――」

上条「や、やべー…これはマズイぞ…猫カフェかと思ってきたら、まさかの猫メイドカフェだったとは…」

上条「くっ、何が冥土に行くレベルの癒しだ…」


土御門『ハーレムエンドなんて誰がやらせるかにゃー』

青ピー『可愛い彼女にゲンメツされてしまうがいいわー!』


上条「見える、見えるぞ…ほくそ笑むバカどもの顔が…くそ、あいつら〜〜〜っ」

上条「学校で会ったら裁判に掛けてやる――」


風斬「まさかの時の! スペイン宗教裁判〜ッ!」ジャーンッ


上条「そげふっ!?」ベキィッ

上条「風斬…何をする…?」

風斬「何をするって、これどーするんですか、これ。いきなりメイドカフェデートって何考えているんですかハーレム主人公」グイィー

上条「俺だってわざとじゃねえ…」

風斬「で、ドリーさんはどうしたんです? もしかしてもうお帰りに?」

上条「いやさっき店員さんに呼ばれて奥に――」
211 : ◆y1POWXBhVp87 [saga]:2020/10/03(土) 21:33:31.83 ID:+ea24v/GO

ドリー「おにいちゃーん!」


上条「ドリー!?」

風斬「!」ササッ


ドリー「どう? にあってるかにゃー?」キャルッ

上条「お、おおおおお!!??!??!//////」

メイド「チェキ取り放題2000円ですー」つインスタントカメラ

上条「借りますッッッッ!!!」バンッ

ドリー「えへへ、よろこんでるみたいだね!」

上条「最高だぜドリー!」カシャカシャカシャ!


風斬「………これは…」

猫耳メイド「当店では、お越しいただいたお嬢様には猫耳メイド衣装無料貸し出しサービスを行っております」

猫耳メイド「折角来ていらっしゃったのに、楽しんでいただけないのは、メイドの名折れですから…」

風斬「メイドさんの鏡!」

猫耳メイド「まぁその分、チェキなどのサービスの方でかなり儲けさせてもらってるので、こちらとしてもいい話ですが…」ヘヘッ

風斬「商人の鏡…!」

猫耳メイド「と・こ・ろ・で」

猫耳メイド「お客様もどうですか?」ニッコリ

風斬「――――」ジリッ



上条「やべー…これは確かに癒しだ…」ハァハァ///

ドリー「おにいちゃん……じゃなかった。ごしゅじんさま、だーいすきっ」ダキッ

上条「ど、ドリー! その恰好でいつものように抱き着かれると、急にヘンなスイッチが――」


風斬「ふぇぇえええ…! なんで私はビキニメイドなんですかぁあ!?」

猫耳メイド「よくお似合いですよお嬢様方」カシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャ

上条「ぶっ」
212 : ◆y1POWXBhVp87 [saga]:2020/10/03(土) 23:14:09.63 ID:+ea24v/GO
・・・・・


ドリー「はーったのしかった❤」

上条「それはなにより…」

上条(つい勢いで色々したから軍資金が……くっ、あのぼったくりカフェもう二度と行かねぇ!)

ドリー「またこようね!」ニコッ

上条「…………うん!」デヘー


風斬「はぁ…はぁ…あのメイドさん、しつこかったですね…」

風斬「しかし当初の目的である、ドリーさんとのデートは破綻せずにいる様子」

風斬「……妹達化の兆候は止まっているみたいです。どうやら上条さんへの恋愛感情で自我が確立するようです。総体さんのアドバイスは正しかったみたいですね!――ちょっと口にするのは恥ずかしい台詞ですね、愛って」

風斬「さて、このままお昼、午後まで様子を見ましょうか……――――あれ? これ、もしかして夜になると…いやまさか」

風斬「ま、恋人のアレコレについては口出ししない事にしましょう」

風斬「それでいいですよね…」

風斬「私?最後まで付き合いますよ。そういう約束ですから。デートがちゃんと完遂できるか、ドリーさんがちゃんと自分だけの現実を守れるかが重要です」

風斬「……釈迦に説法ですね、すいません」



・・・・・



上条「――――」アハハ

ドリー「―――」エヘヘ


風斬「只今17時を回ったところ……今のところ問題はなし――そろそろお開きの時間ですが…」

風斬「今日は色々ありましたね。あれから映画館へ行って、クレープを食べて、水族館でイルカショーを見て…うん、十分デートになってると思います!」

風斬「………当然ですか! ま、それくらいの甲斐性がなかったら4人も女の子とお付き合いできませんよね!」

風斬「きっと上条さんなら、ドリーさんの少しの違和感も見逃さない筈…感じている様子はないですからきっと大丈夫ですよね!」

213 : ◆y1POWXBhVp87 [saga]:2020/10/04(日) 00:14:57.55 ID:QJMg4dPqO
―――夕方 展望台


ドリー「おにいちゃん、ゆうひがキレイだね!」

上条「ああ、もう夕方か。一日が早いな」

ドリー「きょうはありがとう!」

上条「ああ、俺も礼を言うぜ。楽しかった。おまえも楽しかったか?」

ドリー「うん!」

上条「そうか、それはよかった。とても嬉しいぜ」


上条「―――御坂妹」


ドリー?「………」

ドリー?「やはり、わかっていましたか、とミサカは自信があった演技力が見破られて少しガッカリします」

上条「やっぱり」

御坂妹「そんなに悲しい顔をしないでください。本当に楽しかったのは事実です、とミサカは今日のデートの感想を述べます」

上条「それは、おまえの感想か? それともドリー?」

御坂妹「両者です。と、ミサカはMNWに溶けたドリーの意識に確認します」

御坂妹「このミサカ10032号個人も大変楽しく、幸福な時間でした。どうじに、ドリーもとても満足しています、とミサカは報告します」

上条「いつから?」

御坂妹「演技をしていたのはですか?数日前、目覚めてからです。食蜂操祈やご学友を誤魔化せていましたが、流石にあなたは見抜けましたね、とミサカはつい微笑みます。――貴方なら見抜いてくれると思っていました」

御坂妹「いつから?」

上条「実は割と序盤で。会った時はまだドリーだと思ってたよ」




上条「ドリーの自我は…ドリーは生きているのか」

御坂妹「――はい。ドリーはMNWの中で生きています」

上条「―――――」

上条「はぁああああああああああ!!」ドハァ

御坂妹「そんなに大きな溜息をついてどうしたのです?とミサカは問います。そこまで不安だったのですか?」

上条「当たり前だ。世界で一番大好きな女の子が生きるか死ぬかだからな。でも、生きているならまだ猶予はある筈だ」

御坂妹「はい。もう少しだけ…」

御坂妹「ドリーは今、私たちミサカたちと戦っています。その差は1人対9,968人。圧倒的です。すでに決着がついています」

御坂妹「もうドリーの自我は磨り減り、すでに消失したも同然の大敗北です、とミサカは現状を報告します」

御坂妹「ですが、一つだけ、この争いに終止符を打ち、ドリーの自我を取り戻す方法があります、とミサカは提案します」



御坂妹「上条当麻さん。私は…いいえ、私たち9,968人の妹達全員が、貴方の事を愛しています。どうか、私たちと恋仲になってはくださいませんか? と、ミサカは愛の告白をします」



上条「―――」

上条「……それは、本気か?」

御坂妹「はい。私たちは本気で貴方をお慕いしています。あの日、一方通行から助けて頂いたあの夜から――と、ミサカは恥ずかしそうに、頬を赤く染めます」

御坂妹「私たちも、愛してください」
214 : ◆y1POWXBhVp87 [saga]:2020/10/04(日) 00:45:34.38 ID:QJMg4dPqO

上条「――――」

上条「それで、御坂妹と俺が付き合うとして、ドリーがどうなるんだ」

御坂妹「事の発端は私たちですが、騒動の引き金になったのは間違いなく貴方とドリーの性行為です」



御坂妹「あの日、こんな夕日の中の校舎、保健室で体を重ねたドリーの感情で、MNWを焼き尽くすほどの愛情とリビドーを感じました…とミサカはあの時の衝動を思い出し、少し下腹部に違和感を覚えます」

御坂妹「最初はこの衝動からくる欲求の正体がわかりませんでした。私たちミサカは9968人全員が外から情報を集め、内で考察し、議論をするという工程を繰り返してきました」

御坂妹「私を突き動かす、この衝動――愛欲はどこから来るのか」

御坂妹「最初は、ドリーのリビドーに釣られて引き出された本能だと考えていました。ならば、自らを自らで慰めるだけで事は済んだはずです」

御坂妹「しかしいくら慰めても慰めても、この欲は尽きる事はありませんでした、とミサカは告白します」

御坂妹「なら、私たちミサカとドリーとで何かが違うのでは?と考えました」

御坂妹「しかし体の構造も、スリーサイズも、唇の柔らかさも胸の形も同一性能の筈。違うのは、髪の長さとアイデンティティだけ、とミサカはドリーの特徴を思い出します」

御坂妹「ならば私たち全員が髪を伸ばし、アイデンティティをドリーのそれと100%一致させれば――私たちがドリーになれば、きっと貴方は私たちを愛してくれる……――この愛欲の正体が判明する、と考えました」



上条「それで、今日、ドリーの体を使って確かめたって訳か」

御坂妹「はい。貴方からの電話は大変都合がよかったです、とミサカは微笑みます」

御坂妹「性行為なんて必要ありませんでした。ただ、貴方が私たちに――私に微笑みかけてくれるだけで、欲は満たされるのですから、とミサカは今日一日の体験を一生の思い出として胸にしまう事を誓います」

御坂妹「しかしその思いとは別に、『まだ足りない』『もっと欲しい』『もっと愛が欲しい』とミサカたちが訴えるのです」

御坂妹「そこで私たちMNWが導き出した答えが“ミサカたちをドリーにする”方法です、とミサカはファイナルアンサーを答えます」

御坂妹「9968人のミサカと1人のドリー全員を愛していただけるならば、ドリーの自分だけの現実は確保され、私たちも貴方からの愛を受けることが出来る…と、ミサカはまさにwin-winな提案をします。どうでしょうか」


上条「………」


御坂妹――妹達から愛の告白……上条さんの答えは――コンマ下1

奇数→………それは、出来ない
偶数→俺も御坂妹は好きだよ
215 : ◆y1POWXBhVp87 [saga]:2020/10/04(日) 00:50:47.14 ID:QJMg4dPqO
今日はここまで
ありがとうございました

来週土曜日の19時から始めます
明日出来たらドリー√詰めます
216 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/10/04(日) 00:51:56.08 ID:184n3NG7o
217 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/10/04(日) 00:52:42.09 ID:0nNirzxeo
今日は成功無しか
218 : ◆y1POWXBhVp87 [saga]:2020/10/10(土) 19:02:40.35 ID:nPqKeOLTO
はじめます
219 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/10/10(土) 19:07:38.35 ID:Y48eLFGDo
OK
220 : ◆y1POWXBhVp87 [saga]:2020/10/10(土) 20:33:41.75 ID:nPqKeOLTO
上条「………」

御坂妹「……どうで、しょうかと、ミサカは不安と羞恥心で、どうにかなりそうです…」

上条「―――」

上条「俺も、俺も御坂妹は好きだよ」

御坂妹「―――!」

御坂妹「なら!」


上条「でも―――ダメなんだ」


御坂妹「え…」

上条「俺は…ドリーを愛してる…。俺が愛しているのはドリーだ――」

御坂妹「理解不能です…とミサカはショックによる昏倒を堪えます。この体はドリーです。自分だけの現実は確かにミサカのものですが、貴方から見るこの姿はドリーの――」

上条「いいや。――おまえはおまえだ。ドリーじゃない。例えどんなに自分を偽っても。ドリーをふりをしていても。御坂妹は御坂妹なんだ」

御坂妹「………わかりません、とミサカは涙を堪えながら訴えます」

御坂妹「何が、違うのでしょうか。外見と内心は全て、100%同性能のはずです、とミサカは貴方は彼女のどこを愛しているのか理解できません」

上条「中身がどうこうとか、外面がどうこうとかそういう問題じゃあない。俺が愛しているのはドリーなんだ。ドリーの姿をした、ドリーの心をしたドリーなんだ」

御坂妹「???」



上条(ドリーの心がMNWに溶けた今、御坂妹とドリーは精神を共有している状態のはずだ)

上条(もし今日のデートの記憶がドリーにも共有されているのなら、目の前にいる彼女は紛れもなくドリーになるのだろう)

上条(……また、妹達一人一人の記憶が全体で共有されているのなら、その情報からドリーを演じる事は可能だ。実際、今まで完璧に演じて見せた)

上条(――違う、あれはほぼ完全にドリーだった。なら、今、御坂妹たちを動かしているのは――)

上条(この関係のまま事が進めば――きっといずれどこかで歪み、破綻する)



御坂妹「なぜ、なぜ、なぜなのでしょう、とミサカはこの胸からあふれ出る感情を抑えきれず、涙を流します。なぜ!?」

上条「じゃあ百歩譲って、俺がおまえたちと付き合うとするぞ。1万人のドリーとだ。ドリーと同じ外見と中身でこれから長い時間を過ごすして」

上条「おまえたち1万人の心はどこへ行く!?」

上条「―――そこに、おまえたち一人一人の感情は、個性は、自分だけの現実は、アイデンティティは! MNWの海の中に漂流するってのか!?」

上条「そんなことをすれば…絶対にいずれ、精神に異常が来るはずだ。少しずつ負の感情が積もって、おまえたちを圧し潰す」

上条「そんなの、ドリーが陥っている状況と何が違う…たった一人の為に1万人犠牲にしろってか?」

御坂妹「それは……と、ミサカは言葉に詰まります。全く想定していなかった欠点をこうもあっさりいきなり叩きつけられるとは」

御坂妹「恋は盲目、という事なのでしょうか、とミサカは自嘲気味に笑います」

上条「………すまん。でも、こんな事で自分を殺すような事はしないでくれ…」

御坂妹「―――はい」

御坂妹「ありがとうございました、とミサカは頭を下げます。混乱させるような事を言ってしまいました」

上条「いいよ。好きだって言ってくれて、嬉しかったのは間違いない」

御坂妹「その言葉だけでうれしいです、とミサカは涙をぬぐいます」
221 : ◆y1POWXBhVp87 [saga]:2020/10/10(土) 21:23:38.90 ID:nPqKeOLTO
・・・・・



上条「ごめん…せっかくのデートが台無しだ」

御坂妹「いいえ、ミサカは気にしていません。よく考えれば、ミサカたちが導き出したあのファイナルアンサーは、貴方に受け入れられるものではありませんでした、とミサカは反省します。些か暴走が過ぎました」

上条「いや、いいよ。二年前、まるで感情が乏しかった御坂妹から凄い進歩だ」

御坂妹「―――ありがとうございます」



御坂妹「では、ミサカはここで」

上条「ああ。今日は楽しかったぜ。また遊ぼうな。今度はドリーじゃなくて、自分の体で」

御坂妹「はい。ありがとうございました――」






風斬「………振っちゃいましたね」

上条「風斬…やっぱり見てたか」

風斬「ええ、今日のデートを採点しようと思っていましたが…まさかドリーさんじゃなくて御坂妹さんでしたとは」

風斬「よくわかりましたね」

上条「ほとんど勘だ。自分でもビックリだ」

上条「―――なあ、御坂妹は俺を本気で好きだったのかな」

風斬「………さぁ」

風斬「それは本人にしかわからないし、貴方は信じられないと思って振ったのでしょう?」

上条「………ああ」

上条「御坂妹が持っているのは俺への恋愛感情じゃあない」


上条「ドリーへの嫉妬心だ」


風斬「……やっぱり」

風斬「妹達の中でも人一倍人間性に溢れるドリーさんの感情が、ずっと眩しかったのでしょうね…」

風斬「御坂妹たちの心は、どこかのレベル5さんと違って、わかりませんが」

風斬「学習装置で模られた思考回路とアイデンティティから感じるドリーさんの心の輝きは、なんとなくわかる気がします」

風斬「すごく、すごく、羨ましくて、でも自分にはなれなくて、届かなくて……自分もそうありたいと願う気持ちは、とても」

上条「………」


風斬「では私はここで」

上条「ああ、ありがとう。ただドリーに関しては何の進展はなさそうだ」

風斬「――――」ピーン

風斬「いいえ。そうでもなさそうですよ」

上条「?」

風斬「まぁそれは後々のお楽しみ、と言う訳で…」

風斬「じゃあ、また困ったときにお会いしましょう!」




222 : ◆y1POWXBhVp87 [saga]:2020/10/10(土) 21:59:40.36 ID:nPqKeOLTO
上条「――――」

上条(そう言って、風斬氷華は瞼一つの間に消えてしまった)

上条(AIM拡散力場の集合体。学園都市が作り出した人間の形をした超能力。虚数学区。科学の天使。人工の上位存在)

上条「風斬も、俺たちに嫉妬してるんだな…」

上条(俺にだって人を羨ましいと思う事はある。でも、それに折り合いを付けながら生きていくのが、人間ってものかもしれない)

上条(なら、風斬は……御坂妹たちは、すごく人間的じゃあないか)

上条(だったら、この経験はきっと御坂妹たちの糧になる。恋でもなければ愛でもない、嫉妬心からくる恋愛感情かもしれない)

上条(でも妹達が本当に誰かを好きになる事があるなら、心より幸せを願いたい…)




上条「――――」スタスタスタ

上条「中身と外見は同じでも、心が違うのなら別物。例え全く同じでも偽者ならいずれ破綻する…か――」

上条(どこかで聞いたような…見たような―――いや、経験したような話だ)


土御門『嘘はいつかバレる。小さい大きい問わず、長い時間をかけてでも、いつか真実が追いついてウソツキの肩を掴む。世の中上手い具合に出来ている』


上条「自分についた嘘はいつか自分を呪う。人についた嘘はその人を不幸にする――だからいずれ御坂妹は不幸になっちまう」

上条「――ああ、だから操祈は――――ぐっ」ズキィッ

上条「あ、頭が……うぅ!」


ピッ


上条「……あれ? 痛く…ない?」

上条「なんだったんだ…?」

上条「???」

上条「――――」

上条「操祈!?」バッ

上条(後ろを振り向くも、誰もいなかった。だけど確かにそこに、誰かがいる気がした)



上条「――――」

上条「今日は早く寝るか」
223 : ◆y1POWXBhVp87 [saga]:2020/10/11(日) 00:48:03.22 ID:Pd62FwDaO
――夜 操祈・看取・ドリー宅


御坂妹「……ドリーの体で活動するのも今日までですね、とミサカは名残惜しくベッドに横たわります」

御坂妹「……私の記憶なら、両隣に食蜂操祈と警策看取がいたはずですが、ずっとミサカ一人で暮らしている感覚で、心細かったですと唇を尖らせます」

御坂妹「時々貴女の派閥の方がいらっしゃいますが、様子をうかがうくらいです、とミサカは付け加えます」



御坂妹「――今日は善き一日でした、とミサカは振り返ります」

御坂妹「恋する人と手を繋ぎ、腕を組み、抱いて抱かれて、微笑み微笑まれ――とても幸せなデートでした、とミサカはこの記憶映像をMNWの永久保存しました」

御坂妹「フラれはしましたが、それはそれでミサカたちの成長の糧になると判断します、とミサカは前向きに考えます」



御坂妹「はい。数時間前まで抱いていた感情は、なぜかすっきりと消えてしまいました、とミサカは現在の心境を伝えます」

御坂妹「ですがやはり、あの人――上条当麻さんを想う気持ちは本物だと、これは恋でも愛でもあると確信する心は変わりませんと、ミサカはあなた達に宣言します」

御坂妹「いいえ、これは嫉妬心からくるものではありません」

御坂妹「ミサカたちが嫉妬をしていたのはドリーです。故に、ドリーの全てを暴こうとし、結果的に全てを飲み込んでしまいました、とミサカは少し後悔します」

御坂妹「あの人を悲しませてしまいました、とミサカはここに謝罪します」

御坂妹「――ごめんなさい、もうそろそろ活動限界です。他のミサカと違い、まだドリーの体での活動には支障があるようで」

御坂妹「はい、明日の朝には、ドリーは―――」



―――――
――――
―――



ミサカ10032号「――と言う訳で、先日結論した計画は全て破綻と相成りました、とミサカは報告します」

ミサカ14790号「さすがあの人です、とミサカは感嘆します、とこの計画に反対していたミサカは頷きます」

ミサカ13578号「いえ、最終的にミサカ14790号もノリノリでしたよね?とミサカはツッコミます」

ミサカ20001号「もー!だから無茶な事はやめてってミサカはミサカは怒ってみたり!」

ミサカ20002号「結局あの人に迷惑かけただけだったしね。あーあ、ハズカシー。勝手に嫉妬して勘違いして暴走して自爆ってバカなの?」

ミサカ20001号「!aku 20002」

ミサカ14863号「ですが、ミサカにとってもあの人にとっても有意義な経験だったと、ミサカは分析します」

ミサカ11478号「しかしミサカはあの人を射止めるのは不可能たいへん難しいのではないでしょうか」

ミサカ11478号「彼がミサカたちを見る目は、女性ではなく友達の妹の立ち位置に似ています。ここから『恋人』へとクラスチェンジは至難の業かと、
とミサカは数々の漫画や小説映画ドラマや恋愛成功本、ゲームなどで学習した恋愛統計学を元に分析します」

ミサカ17782号「そのデータ、かなり偏りがあるのでは?と、ミサカは主に恋愛ゲームしかやっていない11478号にツッコミを入れます。このエロゲーマーが」

ミサカ16248号「しかし事実であります。現に先ほどコテンパンに振られたではありませんか、とミサカは悲しい失恋の記憶を思い返します。ぐすん」

ミサカ11132号「それでもミサカは諦める事はできません。それは全てのミサカも同じはず、とミサカは何か妙案がないか模索します」

ミサカ12048号「いいえ、諦めるべきです。これはミサカたちと、あの人と、そしてドリーの為です、とミサカは諦観の思いを吐露します。相手が悪すぎた」

ミサカ11451号「しかしこのままドリーにみすみすいい思いをさせるのは癪です、とミサカは嫉妬心に燃えます」
224 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/10/11(日) 01:01:20.89 ID:F4sZ3wB7o
上条さんも一万人くらいいれば良いのに
225 : ◆y1POWXBhVp87 [saga]:2020/10/11(日) 01:13:36.49 ID:Pd62FwDaO

ミサカ10032号「はい、ミサカ10032号に、一つ妙案が、とミサカは胸を張り手を上げます」

「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「 ??? 」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」


ミサカ10032号「ドリーにMNWの一市民として、存在を認めるのはどうでしょうか、とミサカは恐る恐る提案します」」

ミサカ10032号「今、MNW内で漂流しているドリーの記憶と意識と自分だけの現実をサルベージと復旧をし、ドリーの体に返還をするのです」

ミサカ10032号「そしてドリーのMNWへの干渉に制限を掛け、逆にドリーの記憶をMNW内で整理し、すべてのミサカが閲覧できるようにするのです、とミサカは提案します」


「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「 !!! 」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」


ミサカ14782号「それはただの妥協案では? とミサカはツッコミを入れます。それで喜ぶのはNTR属性だけです」

ミサカ10032号「いいえ。共有するのはドリーが見て感じた全ての記憶と感覚です。これからドリーが経験する一生を、私たちが体験するのです」

ミサカ10032号「それはただの夢、只の幻想ですが――もとより現実的に1万人個々人すべて一人で相手にするのは、あの人に負担が大きい」

ミサカ10032号「大多数が、出来ないことをドリーが代わり行い、ミサカたちがその幸福を共有するのでは、いけないのでしょうか?とミサカは訴えます」

ミサカ10032号「いつか一人一人に愛する人が現れるまで…それで妥協するのは、ダメなのでしょうか…」


「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「 …… 」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」



「いいや、ダメだよ!」




「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「 !!!?!?? 
」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」


ミサカ10032号「貴女は…と、ミサカはあり得ない声を聴き、驚嘆に言葉を失います」

「わたしは…ドリー! せかいでイチバン、おにいちゃんがだいすきなミサカだよ!」


「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「 !!!! 
」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」


ミサカ10032号「なぜ…? 貴女はMNWの海の中で、意識をバラバラに分解されて、漂流していたのでは…?」

ドリー「わたしは、わたしだよ!」

ミサカ10032号「!」

ドリー「おにいちゃんがいってたよね。ドリーはドリー! あなたはあなた!」

ドリー「イシキをキョーユーしていたとしても、おにいちゃんがダイスキなのは9970にんのあなたたちにはぜっっっっっったいにまけない!!」

ミサカ18922号「まさか、自力で自分だけの現実をサルベージして、修復したというのですか――?とミサカは恐る恐る尋ねます」

ドリー「みーちゃんがいってた。『アイのまえではすべてムリョクだ!!』って!!」

ミサカ14752号「愛の前では」

ミサカ17812号「無力…」

ミサカ17777号「まったく答えになっていません!!とミサカは言語の疎通に疑問を隠せません!」

ミサカ10951号「まさか、あの人を思う心だけで蘇生したのでは…?とミサカはあり得ない現象を目撃します。なんてオカルティック!」

ドリー「ふーん、おにいちゃんへのアイは、そのてーどなんだ…ふーん」ニマニマ


「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「 あ? 
」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」



ドリー「だってそうじゃん。おにいちゃんだいすきーイッシンでわたしはわたしをとりもどした」

ドリー「あなたたちとのツナヒキにかったってコトだよね! わたしのアイはイチマンインぶんってことかーそっかー」

226 : ◆y1POWXBhVp87 [saga]:2020/10/11(日) 01:44:41.73 ID:Pd62FwDaO

ミサカ10241号「上等だコラ、とミサカはこの煽りに怒りを覚えます」

ミサカ11478号「私たち一人の想いは、貴女の1/10000以下だと?ほうほうほうほう…舐めてますね、これは、とミサカは青筋を立てます」

ミサカ19302号「よろしいならば戦争だ、とミサカは投げられたマイクを拾います。宣戦布告じゃコラ」

ミサカ20001号「あのー…もしかして大炎上の予感しかしないんだけど…ってミサカはミサカは鬼のアク禁祭りの準備をしてみたり…」

ミサカ20002号「これは手遅れだわ。あー今夜眠れねぇわ」

ミサカ20001号「!aku 2002」


ドリー「あっはっはー! わたしはここで、しょうりせんげんさせてもらうよ!」ドーン

ドリー「くやしかったら、わたしをのっとってみろー! それかセーセードードー、ジブンのカラダであらわれて、おにいちゃんをわたしからうばってみろー!」

ドリー「わたしのモホウとか、シスターズそうドリーかとか、やったってムダムダムダ! わたしのことダイスキなおにいちゃんならぜったいにみぬくし! ゲンメツするにまちがいないもん!」

ドリー「えーっとつまり! わたしがなにをいいたいかっていうと!」

ドリー「わたしはぜっっっっったいにまけない! あなたたちからおにいちゃんはぜっっっっったいにわたさない!!」

ドリー「だって、わたし! おにいちゃんのコトがだいだいだいだいだいだいだい、だーーーーーーーーいすきなんだもーーーーーーーんん!!!!」ビリビリ



「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「 …… 」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」


ドリー「はぁ…はぁ…はぁ…ふぃー、やーっといいたいことがいえたー」スッキリ

ドリー「じゃあわたしはかえるね!」

ドリー「ノシ」




ミサカ10032号「…………」

ミサカ14782号「…………」

ミサカ13347号「…………」

ミサカ20001号「あ、ドリーがログアウトしちゃった…ホントに自分で自分を取り戻しちゃった…ってミサカはミサカは嵐のように過ぎ去ったあの子にただただ驚いてみたり」

ミサカ11111号「よし、売られた喧嘩は買うべきです、とミサカは今後の作戦を練ります。あの思考回路幼稚園児に負けてたまるか」

ミサカ10484号「私たち全員より生まれたのは早いですがね、とミサカはツッコみつつ、その提案に乗ります。やってやろうじゃん」

ミサカ10487号「あのメロー、一方的に勝利宣言して出ていきやがった、とミサカは激怒します。やられたらやり返す…倍返しだ!」


「「「「「「喧々」」」」」」

「「「「「「諤々」」」」」」


ミサカ2001号「あーあ、これは大変な事になったなぁってミサカはミサカはため息をついてみたり。あの人、大変な事になるかも…」

ミサカ10032号「ふふ、あははははははは!」

ミサカ20001号「何が楽しいのかなー?ってミサカはミサカは更に混沌になるだろう状況に疲れてみたり」

ミサカ10032号「『私は私』ですか…」


上条『――おまえはおまえだ。ドリーじゃない。例えどんなに自分を偽っても。ドリーをふりをしていても。御坂妹は御坂妹なんだ』


ミサカ10032号「本当に、眩しいです。とミサカは、心から羨ましそうに、あの3番目の姉を見つめます」

ミサカ10032号「きっとこれから、このMNW内では、ドリーのすべての経験が、心が一方的に流れ込むことでしょう。そしてその度にミサカたちは阿鼻叫喚――もとい、楽しく鑑賞し、考察し、自らに生かす…恋愛の事を。そんな人間らしいことをするのでしょうね…と、ミサカは未来に夢を見ます」

ミサカ20001号「それって、楽しいかなー?ってミサカはミサカは訝しく思ってみたり……でも、楽しそうかなって思ってもみたり」

ミサカ10032号「ええ。やっぱりドリーは妹達の姉です。私たちのずっと先を歩いている」

ミサカ10032号「そんな彼女が、あの人と送るだろう日常を、とても楽しみに思えてしまうのです。とミサカは微笑みます」

ミサカ10032号「明日が楽しみです」


227 : ◆y1POWXBhVp87 [saga]:2020/10/11(日) 02:14:12.54 ID:Pd62FwDaO

―――――
――――
―――


上条「………ふぁ…」スタスタスタ

上条「すっかり一人で歩く通学路も慣れてきたな…」

上条「ドリー…大丈夫かな……風斬が意味深なことを言ってたけど…」


ダダダダダダダダ


上条「ん? なんか背後から猛烈なダッシュ音が――」


ドリー「おにいいいちゃーーーーーーん!!!!!!」ダダダダダダダダドーン


上条「どげべっ!?」メキョッ

ドリー「おっはよーおにいちゃん! ひさしぶりだーー!」グリグリグリグリ

上条「ぐへぇ…こ、この背骨をひん曲げる猛烈タックルは懐かしい衝撃――って、ドリーか!?」

ドリー「えへへーおにいちゃんのにおい、ひさしぶりだなあ」スハスハ

上条「ドリー!」ダキッ

ドリー「くるしいよぉ」タップタップ

上条「バカヤロウ…まったく、心配させやがって…」

ドリー「だいじょーぶ。もう、ぜったいにどこにもいかないから!」


上条(なにがあったのかわからないが。ドリーは自分を取り戻したらしい。ドリー曰く『愛の力』とかなんとか)

上条(とにかく戻ってきてくれて本当によかった…良かった…)




風斬「あの…大丈夫ですか…?」

打ち止め「………掲示板管理って重労働だと思わない?ってミサカはミサカは炎上するMNWの火消してて不眠で死にそうになってみたり…」キュウ…

風斬「……お、お疲れ様です」

一方通行「ウチのクソガキをこんな目に合わせた奴ゥ見つけ出してブッコロス!!!」ゴォッ

風斬「……」



風斬さんの好感度が10上がりました
風斬氷華好感度36→46

上条さんのHPが20減りました
228 : ◆y1POWXBhVp87 [saga]:2020/10/11(日) 02:16:59.10 ID:Pd62FwDaO


――8月下旬

現在の上条さん 所持金8万0000円
HP:109/140 学力:60


野球/休む/遊ぶ/デート/バイト/勉強

野球
練習or試合=HP-20 指定した仲間or彼女の好感度

休む
HP+30
追加…安価のコンマがゾロ目でHP+50

遊ぶ
HP-20/指定した仲間との好感度+10〜30

デート
HP-20/彼女とデート好感度☆1〜4

勉強
HP=+20
学力=+10〜20

食蜂操祈……★★★★★★★★★★
警策看取……★★★★★★★★★★
ドリー………★★★★★★★★★★
オティヌス…★★★★★★★★★★

※5月下旬からオティヌスの手術可能
※看取さんとデートができません。誰かを頼って探しに行きましょう。
※操祈さんの事が認識できません。異常を異常と言える人は…?

※1日学園都市統括理事長権施行期限まであと1ヵ月

安価下2
229 : ◆y1POWXBhVp87 [saga]:2020/10/11(日) 02:34:19.18 ID:Pd62FwDaO
今日はここまでです
ありがとうございました


ドリー√はクリアです
当初の予定では、ミサカのみ感染する病気に罹り闘病生活って王道の予定でしたがコロナのせいで変更し、こんな形に相成りました
原作設定ではドリーはMNWとは完全にシャットアウトされているようですね
アニメT最終回でドーナツ頬張ったり、水族館デートしているドリーは無邪気で微笑ましいです

野球要素?それは9月下旬の後でやろうかなと
しばらくヘビーですが、お付き合いくださいませ

安価下
230 : ◆y1POWXBhVp87 [saga]:2020/10/11(日) 02:38:16.31 ID:Pd62FwDaO
次回は来週土曜の19時から始めます
231 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/10/11(日) 07:05:16.43 ID:TU4wCe1xO
勉強
232 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/10/16(金) 20:52:31.27 ID:o+OQq4zpo
エピローグ目前かと思ったが中々エンディングに辿り着かんな
いつも楽しませてはもらってるけどそろそろ新作が見たいというか何年やってるんだというか
233 : ◆y1POWXBhVp87 [saga]:2020/10/17(土) 19:49:38.08 ID:pHMbTkE6O
大変お待たせしました
安価埋まれば始めます

安価下
234 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/10/17(土) 19:50:44.72 ID:0fom3cKho
遊ぶ
吹寄
235 : ◆y1POWXBhVp87 [saga]:2020/10/17(土) 20:58:23.69 ID:pHMbTkE6O
キーンコーンカーンコーン


小萌「では!みなさん!夏休みだからって浮かれてないでおべんきょーもするのですよー!」


ハーイ!!


上条「――――――」←ほとんど耳に入ってない

吹寄「…………」ジーッ

吹寄「やっぱり変」


―――――
――――
―――



上条「――――」

上条(暑さ寒さも彼岸までというが、盆が過ぎてもまだ暑いのは変わりない8月中頃)

上条(看取の手がかりも、操祈の行方も分からないまま、時は過ぎた)

上条(――そんな頃、あてもなく公園に立ち寄ると)


上条「………」

吹寄「………」

上条「なにやってんの、そんな恰好で」

吹寄「――ふんっ!」ゴッ

上条(チャイナなファッションの吹寄がいた――)バタンッ



・・・・・


上条「太極拳が健康にいいからって、形から入るかよ。どこぞの格ゲーのキャラかと思ったぜ」イテテテ

吹寄「なによ文句ある? はい、濡れタオル」

上条「いや…」サンキュ

上条(エロイな、なんて口が裂けても言えない)

上条「そういえば、こういうコスプレみたいなの、時々着てたな――」

上条(そういえば、よくバニーを着ていたアイツは――だんだん顔が思い出せなくなっている)

上条「………」

吹寄「……なにいきなり塩らしくなっている上条当麻! まったく、捨てられた犬みたいな顔されると、調子が狂う!」

吹寄「ちゃんとしなさい!ちゃんと!」

上条「……ごめん」

吹寄「まったく。ま、こんな酷暑が続く毎日じゃ調子もでないか…」

吹寄「相談事くらいは乗るわよ」

上条「……委員長」

吹寄「……別に私、委員長じゃないんだけど」


吹寄さんと何を話そう 
@操祈について。らしくなく弱音を吐いてみる
A看取について。ダメ元で聞いてみる
B太極拳をやってみてくれ(胸に注目しながら)

安価下2
236 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/10/17(土) 20:59:11.14 ID:cf1mzJXV0
安価↓
237 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/10/17(土) 21:01:26.02 ID:VHqZ00jYO
@
238 : ◆y1POWXBhVp87 [saga]:2020/10/17(土) 22:16:51.82 ID:pHMbTkE6O
吹寄「まぁいいわ。言ってごらんなさいよ」

上条「実は――」

上条「……操祈と全然会ってないんだ…」

吹寄「……そう…ん?……食蜂さんと? ―――?」ハテ

上条「ちょっと前に…色々あって……それ以来全然――」

吹寄「ちょっと待って。理解が追いつかない。え、食蜂さんよね?」

上条「そうだが…」

吹寄「………?」チラチラ

上条「?」


上条(吹寄が不思議そうな顔で俺とどこかを交互にチラチラみてる)


上条「どうかしたか?」

吹寄「ふむふむ…ふぅん、わかったわ。よくわからないけど、つまり『上条がおかしい』のね」

上条「え、俺がおかしいのか!? 俺の何が操祈を――」

吹寄「あー、ちょっと待って。違う。きっと彼女はまだ上条を想ってるわよ」

上条「……じゃあ、なんで操祈はいなくなっちまったんだ?」ホロロ

吹寄「――――」



吹寄さんの面倒見の良さコンマ下1
奇数→委員長、空気を読む
偶数→恋沙汰なんてストレート勝負よ
239 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/10/17(土) 22:18:03.50 ID:V2y9lqoso
240 : ◆y1POWXBhVp87 [saga]:2020/10/17(土) 23:49:45.94 ID:pHMbTkE6O
吹寄「いや、上条に言ってないから」

上条「は?」

吹寄「…………」

上条「……吹寄?」

吹寄「――――」

上条「あのー…」

吹寄「なにそれ」

上条「!」

吹寄「なに?って事は、全部アンタが悪いじゃない!!」ズビシィッ

上条「え、やっぱり俺が悪いのか?」

吹寄「だから上条じゃないってば! ああんもう! めんどくさいわね!!」

上条「!!???!?!?」


吹寄「いい?食蜂操祈さんはずっと学校に来てたわ!生徒会長が不登校なんてなったら大騒ぎになってたでしょ!?」

上条「………確かに」

吹寄「そもそも彼女がいなかったら警策さんもドリーさんも――え?警策さんも行方不明でドリーさんは最近まで……もうなんなのよ貴様の恋人たちは!」ガックガック

上条「首を掴んで揺らすなぁぁあああ!!」


吹寄「はぁ…はぁ…はぁ…」

上条「さっきから挙動が不審だぞ…」クラクラ

吹寄「もうじれったい。もう止めたってダメだからね。私が聞いたのが運の尽きよ!」ガシッ

上条「え!? なんで右手をいきなり掴むで頭に押し付けるのでせう!?」

吹寄「能力封じよ!」

上条「いや俺、無能力者!」

吹寄「黙れ! いい? 食蜂操祈さんは今もずっと――」



吹寄「―――上条当麻の後ろにいるの!!!」



上条「………」

上条「え…」
241 : ◆y1POWXBhVp87 [saga]:2020/10/18(日) 00:03:55.77 ID:j8Y2tO1UO
―――――
――――
―――






風斬『………これで、いいんですね?』

操祈『ええ。私と看取さんより、ドリーの方が危ない。その判断は正しいわぁ。ただ、これは私の――』

風斬『……そう、わかりました。私もついて行きますから、辛くなったら来てください』






風斬『ふぇぇえええ…! なんで私はビキニメイドなんですかぁあ!?』

操祈『なんで私もぉ…』

猫耳メイド『よくお似合いですよお嬢様方』カシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャ







御坂妹『あの人を悲しませてしまいました、とミサカはここに謝罪します』

御坂妹『――ごめんなさい、もうそろそろ活動限界です。他のミサカと違い、まだドリーの体での活動には支障があるようで』

操祈『いいのよぉ。もうお休みなさぁい。貴女たちはとても、人間として成長しているわぁ。どうか、ドリーをお願いね』ナデナデ

御坂妹『はい、明日の朝には、ドリーは―――スー…スー…』

操祈『………私が見えていなくても、ドリーがいれば、あの人は――』ギュッ








小萌『では!みなさん!夏休みだからって浮かれてないでおべんきょーもするのですよー!』


ハーイ!!


上条『――――――』

操祈『………』

吹寄『…………』ジーッ

吹寄『やっぱり変』

吹寄(なんで1年生が3年生のクラスに、しかも上条の隣の席に普通に座っているいるのかしら)






―――――
――――
―――
242 : ◆y1POWXBhVp87 [saga]:2020/10/18(日) 02:00:52.51 ID:j8Y2tO1UO

吹寄「いい? 食蜂操祈さんは今もずっと――」



吹寄「―――上条当麻の後ろにいるの!!!」



上条「………」

上条「え…」

吹寄「……慌てふためいてももう遅いわよ、食蜂操祈さん。そんな酷い顔で幽霊みたいに後ろ付いて回られたら、たとえ見えなくても迷惑よ」

上条「ちょ、ちょっと待ってくれ吹寄…操祈は、俺の後ろに…いるのか?」

吹寄「……ええ。酷い有様よ。肌はボロボロ、髪もぼさぼさ、あーあー目の下にクマが出来てるわね。きっと能力で誤魔化してたんでしょ」

吹寄「というか、やつれたわね。本当に大丈夫? ――何を言っているの。まったく。なに泣きそうな顔をしているの。自業自得でしょ」ナデナデ

上条(俺からすると吹寄が一人芝居をしているようでなんかシュールだ)

吹寄「ほっとけないわね。ちょっと待ってなさい。すぐに戻るから!! 食蜂さんは私と一緒に…」ズンズンズン…

上条「ええ…」



・・・・・



上条「………」

上条(そうか、操祈は俺の事を見捨ててなかったのか)

上条(ずっと傍にいた。傍にいてくれていたのか)

上条「そうか…そうだったのか…」

上条(思わず笑みがこぼれる。ちょっと嬉しくて涙が出そうだった)

上条「いや、現状何も変わっていない! 操祈の為に俺がなにかしないと…」


吹寄「あ、ちゃんと待ってたわね!」ズンズン

上条「吹寄! 操祈は…」

吹寄「いるわよ、ちゃんとここに……やっぱり見えない?」

上条「……見えねぇ。くそ、声も足音も聞こえないなんて…」

吹寄(実は今、腕を掴んでいるんだけど……本当に触覚も感じないのね)

吹寄「……乗り掛かった舟。最後まで面倒みてあげようじゃないの!」ドーン

上条「吹寄!」パアアア

上条「で、具体的にどうすれば――」

吹寄「そんなの決まってるじゃない―――」


吹寄さんの無茶振りコンマ下1
奇数→頭おかしいなら医者に聞け
偶数→頭おかしいなら殴ってみればいいじゃない
243 : ◆y1POWXBhVp87 [saga]:2020/10/18(日) 02:01:34.51 ID:j8Y2tO1UO
今日はここまで
ありがとうございました

来週土曜日の19時から始めます
244 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/10/18(日) 02:29:50.96 ID:Mf8y+Bduo

げんころ!
245 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/10/18(日) 03:55:32.82 ID:4ITGbGVso
246 : ◆y1POWXBhVp87 [saga]:2020/10/24(土) 19:00:32.27 ID:EwLKLcxSO
はじめっます
247 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/10/24(土) 19:04:53.18 ID:Tbb4IJEWo
何で原作より何百倍も平和な世界なのに上条さんの脳は原作よりボロボロなんだろうか
248 : ◆y1POWXBhVp87 [saga]:2020/10/24(土) 20:42:31.60 ID:EwLKLcxSO
吹寄「頭が悪くなってるのなら、殴ればいいんじゃない?」パンッパンッ

上条「なんで、ハンマーなんて持ってるのでせう?」

吹寄「いやほら、よくあるじゃない? 人格入れ替わりとか記憶喪失とかって原因になった事故をもう一度やるとなるっていうじゃない」

上条「それフィクション! これノンフィクション!」

吹寄「って事で、食蜂さんソイツ抑えてて」

上条「ファッ!? か、身体が動かない!」

吹寄(あ、後ろから羽交い締めにされてると、そんな認識なんだ)

上条「お、おい正気か!? 人間の頭蓋骨って陶器より薄いんだぞ!? そんな金槌でブッ叩いたら脳ミソごと頭蓋骨粉砕だぞ!」

吹寄「――――」

吹寄「………冗談よ」

上条「……なぜ一瞬、止まった? 本気だっただろ」

吹寄「あーだこーだうるさい。しょうがないから、これで我慢してあげる」胸ぐらグイー

上条「へ、ちょ、まさかこれいつもの、頭突―――」

吹寄「じゃあ思いっきりいくわ――――よ!」

上条「――き、ゃ」ゴッ



―――――
――――
―――



「――私は、彼は思い出してくれるのだと、信じていた」


その女はそう言った。
寝不足か過度のストレスか目の下にくまを拵えた、今にも死んでしまいそうな顔で、ひび割れた唇で食蜂操祈はそう言った。


「ずっと見ていたわぁ。自分の目で、人の目を借りてでも彼を、ずっと」


そうして何年たったのだろう、とふと思った。親友の秋沙や御坂美琴さんよりずっとずっと前からあのどうしようもない男を想っていたのか。


「でもある日、突然信じられなくなったの。ふとね、『ああ、幸せそうな顔で笑うなぁ』って思ったの。すると、『ああ、私なんて思い出さなくても彼はいいんだ』って思ってしまって」


――それが食蜂の転換点だったのか。
酷くみっともない姿を見ていられなくて、服を着替えさせ、メイクを手伝い、髪を梳かしていた時だった。
ぽつり、ぽつりと、レベル5の、常盤台の女王はレベル0のただの女に。まるで懺悔のように呟いた。


「でも私は諦めれなかった。想ってきた年月に押しつぶされそうなくらいに好きだから。ダメな女よね、上条当麻は『食蜂操祈の事を記憶できない』…その原因を作ったのは私なのに」


いや、違う。と私は断言する。
食蜂操祈が言った彼女の過去が本当であれば、食蜂操祈を襲い、上条当麻の脳に軽くない障害を負わせたのは間違いなくデッドロックとかいうスキルアウト(とは違うが行動は同じか)のような奴らが原因だ。二人とも悪くない。
だが食蜂は上条を巻き込んだ、と思っているのだろう。そして結末は罰だと思い込んでいる。
――と、私はそう解釈している。


「だから私は痺れを切らして行動に出たの。ある目的の為に――」


それはどんな?と、髪を櫛で梳かしながら訊いた。


「――当麻さんの記憶を呼び覚まさせる方法」


櫛を持つ手が止まった。
249 : ◆y1POWXBhVp87 [saga]:2020/10/24(土) 21:10:40.73 ID:EwLKLcxSO
―――――
――――
―――



上条「アイ、タタタタ…」

吹寄「〜〜〜〜〜!!!!」ジタバタジタバタ

上条「ちょっとイラっと来たから、いつも以上に力を入れて振りかぶったら、想像以上の衝撃が来たわね……」クラクラ

上条「え?」

吹寄「―――ってぇええええ!!!」

吹寄「おいこら吹寄! ちったぁやり方ってもんがあるだ…ろ……」

吹寄「は?」



吹寄?「なんで…俺が、目の前に…?」

上条?「なんで私、目の前に立っているの?」


吹寄?「もしかして…」

上条?「私たち…」

「「入れ替わってるぅーーー!?」」


チャラチャラチャララ-♪チャラチャラチャララ-♪チャラチャラチャラララーン♪
君ヲ前前前世カラ僕ハ――


吹寄「いや古いわ! 何年前の大ヒット映画だよ!!」

上条「……なんでこんなことになるのよ! 責任を取りなさい上条当麻!!」

吹寄「いや俺被害者―――つーか俺の体でその口調やめろ! 想像以上に気色悪い! 内股やめろぉ!」

上条「そっちこそガニ股禁止!って某映画の再現か! ……どうしたのよ」

吹寄「いや…なんか肩が凝るなぁっと思ったら、その…胸が―――ほう」モミモミ

上条「揉むなぁ! 自分で自分の胸を揉んで発情するナルシストな変態だと思われるじゃな、い……――――」

吹寄「……どうしたんだ」

上条「その、股になにかあるなと…///」モミモミ

上条「……ちょっと大きくなってきたんだけど!」

吹寄「オイコラそれ以上揉むな! セルフテント設営とか俺の体でそんな醜態を公然で晒すなぁ!」



上条「これどうやって収拾つかせるのよ!?」

吹寄「おまえのせいだからなぁ!?」
250 : ◆y1POWXBhVp87 [saga]:2020/10/24(土) 22:11:44.67 ID:EwLKLcxSO
―――――
――――
―――


「上条は…記憶喪失――?」

「そうよぉ。二年前の7月に生きていた全てのエピソード記憶を『破壊されている』。夏休み前後で変わったことがないのは、当麻さんの裏表がない性格だからよぉ。彼、一部の人間には公表しているから、知り合いみんな知っているつもりかもしれないけどぉ、やっぱりあなた達には伝えていなかったのねぇ」


金槌で殴られたような衝撃だ。ただただショックだった

なぜ。なぜ。

強い怒りが湧きあがる。なぜ、アイツは私を――私たちを――――。


「それを知った時、ショックだったわぁ。だっていくら待っても私の事なんて思い出す事はないし、記憶に取っ掛かりが無かったら、私の事なんて覚えてくれる訳がないわぁ」


――それでも、食蜂は諦めなかったのだろう。


「それでも記憶の復元は不可能じゃないわぁ。可能性は低いし、与太話にも等しいくらいに未発展な分野だけど。それでも私は藁を掴む思いで手を伸ばした」


それはどんな? そう聞くと、食蜂は自嘲気味に――成功してしまった過ちを自分で嘲笑って、こう答えた。



「記憶は内臓にも宿るのよぉ」


――は?


「よく聞く話じゃない? 心臓移植をした患者がドナーの記憶を引き継いでしまうという話」


確かに小説やドラマではよくある話だ。
それは心臓だけではなく、肝臓など他の臓器、血液にもあるそうだ。
ドナーの記憶の他に、性格や趣味嗜好、食べ物の好き嫌いまでもがドナーからの影響を受けてしまう。
実際にクレア・シルヴィアという事例がある。科学的証明はされていないが、現象として起こっている。


「内臓は脳と同じく常に細胞が稼働しているから、脳と同じ細胞だから記憶保持力を持っている――そんな説もあるけどぉ、まだはっきりしていないのよねぇ。
もし記憶や意識が人間の生死力を司るのなら、上条当麻は7月に死に、別人となって生まれ変わった。でも内臓は前の上条当麻のもの。つまり内臓丸々移植したと仮定すれば」


――上条当麻には、2年前の7月以前の記憶残されている事になる。


いや、失敗する。素人でもわかる。
だって、それでも記憶は脳に宿るのだから。
百歩譲ってその理論が正しくても、あくまで腸はサブサーバー。メインサーバーは頭蓋の中にある。

小萌先生だったか、人の記憶には4つのプロセスを踏むという。
『銘記』『保存』『再生』『再認』
その処理はあくまで脳細胞が行う。

上条のエピソード記憶は、脳細胞ごと破壊されたと食蜂は言った。
なら、サブサーバーからどれだけ記憶を引き継いでも脳がポンコツなら無駄では――


「そう。だから私は上条当麻の脳を作り変える必要があったのぉ。過酷力高いけど、この方法しかなかったわぁ」


人の脳細胞を作り変える? ――どうやって


「………まずは、人一人を―――殺したわ」
251 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/10/24(土) 22:21:45.09 ID:Tbb4IJEWo
あんだけ日常的に大怪我してたら内臓とかとっくに機能的には天然と何も変わらない人口内臓に代えられてて前の上条さんのものなんて何も残ってなさそう
252 : ◆y1POWXBhVp87 [saga]:2020/10/24(土) 22:37:09.81 ID:EwLKLcxSO
―――――
――――
―――


上条「しょうがないわねぇ」コキッコキッ

上条「ベターだけど、元に戻す方法が一つあるわ」ガシッ

吹寄「ちょ…吹寄さん? 胸ぐら掴んでどうしたんでせう?」

上条「もう一回どついたら元に戻るでしょ」グィー

吹寄「!? や、やめ――」


ムチュッ


上条「むっ!?」ムチュ-

吹寄「ん…!?」ムチュー



「「お、おおえええええええええええええ!!!」」



吹寄「な、なにしやがる…」

上条「い、いつものように頭突きしたら、た、体格差が変わってて標準が……」

吹寄「――え?なんでそんな気持ち悪そうにしてるかって?」

吹寄「当たり前だ! 男の俺が男とキスしたんだぞ!」

上条「く、思っていた以上に手慣れているから、よけいに気持ち……――ハッ」

吹寄「どうした」

上条「今のが私のファーストキス…」ウルウル

吹寄「自業自得なッ!!」




吹寄「さて、頭突き作戦はしばらく却下だ。最終手段とする」

上条「じゃあどうするのよ」

吹寄「……病院? ……またか…」
253 : ◆y1POWXBhVp87 [saga]:2020/10/25(日) 00:42:47.32 ID:5uENLH+nO
―――――
――――
―――


――人を殺した…?そんな、まさか。


「安心して。人を殺したと言っても、同意の上よ」


どういうことだ。


「内臓からの記憶を引き出すにはまず、取っ掛かりが必要だったの。ほら、部屋の鍵とか大事な論文が書かれたUSBメモリとか、失くした物を思い出すには、まず最後にどこで見たかを思い出すでしょう? それと同じように、食蜂操祈の思い出を蘇らせるには『食蜂操祈の記憶がどこで記憶から消えているか』を知る必要があった。その手始めに――全くの他人をワタシにしたわぁ」


………聞かずともわかる。ここから先は吐き気がする話だ。


「幻想御手って知っているかしら。それで私と同じ能力を持っていた彼女と私の脳波を同調させて、お互いに能力で記憶を結合させたの。
お互いの記憶を共有して、本物の食蜂操祈の体の方をカプセルで眠らせた。だってそっちの私があの人に見られて、食蜂操祈として認識されたらその時点ですべてがパーよぉ。

まずは偽物の食蜂操祈が上条当麻と接触をする――最初は彼女の、ただの『蜜蟻愛愉』として接触させたわぁ。彼女も当麻さんの事が大大大好き力私並だからぁ、久しぶりに会って号泣してたわねぇ。蜜蟻さんが落とした『食蜂操祈』の名前が刺繍されたハンカチを拾ってもらう、それだけの、たった数秒の出会いのシーンなのに。あの人、ビックリしてたわぁ――そんな記憶も消えていたけど」


と、懐かしそうに語る食蜂。それは一体いつの話なのか。


「そこから常盤台の生徒として、常盤台のレベル5として。食蜂操祈の表記をローマ字表記にして、カタカナ表記にして、漢字を変えて。髪を伸ばして、本物と一緒の色に染めて、化粧で似せて、胸にパットを入れて、服装を全く同じにして――最初はそんな地道なトライ&エラー。

『上条当麻とショクホウミサキの出会いを無数に繰り返す』

毎日毎日、学校へ行く途中、学校の帰り、休日の昼下がり。不良たちに追われる夜。雷が落ちた鉄橋の近くで。学生塾から出てきた時。第一位のもとへ向かう途中。学園都市の外の海で――無数に出会ってきたわぁ。そして、その度に彼はショクホウミサキを忘れていた」


それは辛くないのか。


「慣れているわぁ。――でもある日、


『あれ?そういえばどこかで会ってない?』


そう投げかけられた言葉にどれほど嬉しかったか。幸福力で空も飛べそうだったわぁ。その『ショクホウミサキ』の記憶の取っ掛かりを、少しずつ、少しずつ広げて、また出会いを続ける……既視感を覚える表情を見た時は本当に嬉しかった」


……具体的に、偽物の食蜂操祈をどうしたのか。


「――美容整形よ」


即答だった。
254 : ◆y1POWXBhVp87 [saga]:2020/10/25(日) 01:11:14.66 ID:5uENLH+nO
―――――
――――
―――


上条「検査、結構長引いたわね。私の方は特に」

吹寄「ま、俺の体だからなー」

吹寄「入れ替わりはカエル先生がいうには、たまにあるんだと。脳に強い衝撃を受けると、AIM拡散力場が混乱してどーのこーの」

上条「……あるのね、こんなマンガみたいな事例が」

吹寄「で、大概の場合、一日経てばなぜか元に戻るから今夜は止まっていきなさいってさ」

上条「そう。本当に夏休みでよかったわ」

吹寄「まったくだ。で、一つ疑問に思っていることがある」

上条「奇遇ね、私も同じこと思っていたわ」



「「なんで! 男女が同室なのよ」んだよ!!」



カエル先生「だって、別室なら何かがあった時不便でしょ?」

上条「何かの過ちがあったらどうするんです!?」

カエル先生「吹寄さんだね? 上条くんの姿でその口調は気持ち悪いね?」

吹寄「そうだぜ先生! 男はオオカミなのよってオティヌスが言ってた!」

カエル先生「オティヌスさんは間違いなく僕と同世代だね?」

カエル先生「別室にしてもいいのかい? それだと、お互いがお互いの体で何をするか分かったものじゃないだろう? お互いを監視すればいい」

カエル先生「それに、自分の体を見て欲情なんてするのなら、君たちはとんだナルシストだね?」


「「―――」」


カエル先生「まぁそういう事だよ? 上条君の体の検査が長かったから、今夜は遅いけど。ここでゆっくり眠るといいね? ダイジョウブ、明日になれば元通りになるはずさ」

「「………」」

カエル先生「じゃあ、おやすみ」パチッ

「「おやすみなさーい」」


―――――
――――
―――



「まずは目の形を本物に寄せて、彼と出会い、鼻の形を似せて、彼と出会い、顎のラインを削り、彼と出会い、耳の形を変えて、彼と出会い、脂肪吸引と豊胸手術で体型を作り、彼と出会い、声質を変質させるために声帯を取り換え、彼と出会い、骨格を変えるために一度全身の骨を砕いて治し、彼と出会い――……一つ一つを少しずつ、少しずつ変えて、彼の認識を変質させ、最終的に全身が本物の食蜂操祈になる頃、とうとう彼は『ショクホウミサキ』を忘れなくなっていた」


それはつまり、上条の蜜蟻愛愉の記憶をショクホウミサキにすり替え、彼女の存在をもすり替え、この世から消し去ったという事。
これが食蜂操祈の殺人。
なんてまどろっこしい洗脳。洗脳を得意とする精神系能力が能力を使わない洗脳をやりとげたというのか。


「洗脳じゃあないわぁ。洗脳は相手の脳を騙すだけ。でも私たちがやったのは上条当麻の脳の認識を…いいえ脳を作り変える」


なんて酷いことを、その蜜蟻とやらが可哀想だ。


「このアイディアを出したのは彼女よぉ。――それでもあの人と一緒にいられるなら、って。私になれるなら自分を捨てると泣きながら懇願したのは彼女よぉ。彼女のおかげで、計画は順調だった」


違う。それはあくまで偽物の食蜂操祈を『ショクホウミサキ』として覚えているだけで、本物の食蜂操祈『食蜂操祈』として銘記して保存している訳じゃあない。
記憶を失い、記憶障害を持つ上条当麻からすれば“本物のショクホウミサキ”だが、偽物は偽物である限り、『食蜂操祈』は記憶されないままだ!

――これが分からない精神系最強能力者じゃない。
……ああ、そうか。だから土御門は許せなかったんだ。
食蜂操祈は自分に嘘をついている。人に嘘をつき、自分を騙して、最初から間違えていた計画を後戻りできないまでにやり遂げてしまった――

最後に、どうするつもりだったのか。
255 : ◆y1POWXBhVp87 [saga]:2020/10/25(日) 01:27:21.56 ID:5uENLH+nO


「―――そしてあの日、土御門元春が連れてきたときは焦ったけど、最初から本物を見せるつもりだったわぁ。あの時、すでに脳細胞の作り変えは整っていた。言うなれば、壊れたハードディスクの修復は済んでいた。あとはデータのダウンロード。本物の私を認識させ、今まで食蜂操祈として出会っていたのは偽物だったと気づいた時―――あの人の世界は反転する」


つまり、どうなるのか。


「本物の私を認識した時、それが取っ掛かりになってサブサーバー…内臓からの記憶が脳に届き――記憶を失う前のあの人が帰ってくる! 」


―――ああ、そういう事か。

狂っている。狂っているわ。貴女達――いいえ、貴女は。



「そうね、私はとっくに狂ってしまっている。あの日――自分で命を絶とうとしたあの日から」


そう。一つ、質問いいかしら。

貴女、食蜂操祈と蜜蟻愛愉――いったいどっちなの?



「―――――」



目の前にいる女は、今にも崩れ出しそうだった。



「そんなの、私にもわからないわよぉ」



死んだのは、蜂か蟻か。それとも――


―――――
――――
―――



吹寄「――――ぷはぁっ!」ガバッ

吹寄「……はぁ…はぁ…はぁ…ここは……ああ、そうか病院だ」チラッ



上条「スー…スー…」


吹寄「俺の体…って事は今俺はまだ吹寄の体のままか」モミモミ

吹寄「そしてさっきの夢……いや、あの記憶は―――」


カタッ


吹寄「よう、久しぶりだな」

吹寄「元気にしていた、操祈」


操祈「――――」


上条(真夏の月夜に照らされて、久しぶりに『見える』操祈は相変わらず綺麗だった)

上条(吹寄がいうには、ひどい有様だそうだが、そんな事はない……俺の愛しい人は、やっぱり世界で一番綺麗だ)

256 : ◆y1POWXBhVp87 [saga]:2020/10/25(日) 01:37:27.64 ID:5uENLH+nO

操祈「ええ、久しぶりねぇ」

吹寄「痩せたか?」

操祈「お陰様で。酷い有様よ―――もしかして、昼間の吹寄さんとの会話、見た?」

吹寄「ああ、やっぱりか。さすが精神系能力者。なんでもありだな」

操祈「入れ替わりはAIM拡散力場の混線で学園都市ではたまにある事よぉ。ま、私の能力ならその手助けくらいは出来ないこともないけどぉ」

吹寄「―――抱き締めてもいいか?」

操祈「ええ」

吹寄「―――」ギュゥッ

操祈「うわ、流石吹寄さん。驚異の胸囲力だわぁ。おっぱい苦しい」

吹寄「操祈…操祈…操祈…」ポタポタ

操祈「―――」ナデナデ

操祈「ごめんなさぁい…本当に、ごめんなさい」ツー

吹寄「いいよ、操祈。俺の事を想ってやったのなら」

操祈「いいえ。こればかりは私の身勝手。吹寄さんにこっ酷く叱られたわぁ」

操祈「もうやらない。もう何もかも遅いけど…」

吹寄「いいさ。こうしてまた出会えた。もう絶対に忘れるもんか」

操祈「……私が、私じゃなくても?」

吹寄「構うもんか。なんなら二人とも愛せる自信がある」

操祈「……サイテー」フフッ


・・・・・


上条(そこからお互いの事を話し合った。あの日から、何があったか。何をしたか)

上条(操祈はずっと俺の傍にいていたらしい)

上条(オティヌスも察して黙っていてくれたそうだ。土御門も御坂も)

上条(だが流石は吹寄。空気を読まずにここまでズカズカ言えるとは)


操祈「ああいう真っ直ぐさ、見習いたいわぁ」ナデナデ

上条「うぅん…」

吹寄「吹寄を撫ででいるみたいだけど、それ俺の頭だからな?」

操祈「一度で二度美味力あるわぁ」ニヘー


操祈「………貴方の体にいる吹寄さん…私の事を見えていなかったわぁ。そして私の存在も覚えていなかった」

上条「………」

上条(それは、つまり)


操祈「朝になれば二人は元に戻るのでしょう? ――なら、このお話の結末は決まっているわぁ」

吹寄「――――」

吹寄「これからどうする気だ」

操祈「……もう、お別れよぉ」

吹寄「……ふざ、けんな」

吹寄「明日の朝、俺はおまえの事をきれいさっぱり忘れて、おまえの事も見えない世界で、俺は…どうやって生きていけばいいんだ!!」
257 : ◆y1POWXBhVp87 [saga]:2020/10/25(日) 01:50:28.78 ID:5uENLH+nO

吹寄「……失いたくない…失いたくない……この世界で一番愛している操祈を忘れて生きるなんて」

吹寄「こんな喪失感を覚えながら、何十年も生きていかなくちゃいけないのか!?」

吹寄「それならまた、何もかもを忘れて、いっそのこと廃人になってしまった方が百倍マシだ…!」

操祈「――――」

操祈「泣かないでよ…そんな事言われたって……私だって、お別れなんていやよぉ……うぅうわぁ―――」

吹寄「ぐずっ…ちくしょう…ちくしょう…ほかに方法はないのかよ…科学の力でも神様でも天使でも悪魔でもいい!」

吹寄「どうか、俺から操祈を、操祈から俺を奪わないでくれ…あぁ――」





操祈「………」

吹寄「………」

操祈「……ぐず、もう朝が来るわね」

吹寄「ああ。もう1時間もすれば…」

操祈「泣かないで…」

操祈「ねえ……キスして。今まで以上に精いっぱい、愛情をこめて」

吹寄「………他人の体だけど、いいのか?」

操祈「他人の体を使ってる私が文句をいうとでも?」

吹寄「……じゃあ、お休みのキスだ。これからも愛している。絶対に忘れたりしない」

操祈「――ええ。ずっと待ってる」










カエル先生「…………」

カエル先生「………」カツン、カツン、カツン…




―――――
――――
―――



上条「――――」パチッ

上条「朝…あれ、なんで俺、病院に―――」



上条さんの記憶力コンマ下1
奇数→――――操祈
偶数→………………。
258 : ◆y1POWXBhVp87 [saga]:2020/10/25(日) 01:53:39.54 ID:5uENLH+nO
今日はここまで
来週の土曜日19時から始めます

コンマ下
259 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/10/25(日) 01:54:59.90 ID:O8u9wa/Zo
260 : ◆y1POWXBhVp87 [saga]:2020/10/31(土) 19:22:17.36 ID:AWaELhuFO
始めます
ちょっと遅れたけど
261 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/10/31(土) 19:30:31.60 ID:M4W+g4Sro
OK
262 : ◆y1POWXBhVp87 [saga]:2020/10/31(土) 20:03:35.40 ID:AWaELhuFO
上条「…………」

上条「……………………。」

上条(なにか、重要な事を忘れている気がする)

上条(まるで胸にぽっかり穴でも開いたかのような喪失感)

上条(頭はスッキリしているのに、焦燥感で背中がハラハラする)

上条「―――」ポロッ

上条「……あれ、なんで俺泣いてんだ…?」



吹寄「泣きたいのはこっちのほうよ、上条当麻…」



上条「……ああ、吹寄おは―――よ?」

上条「なんで裸なんでせう?」

吹寄「昨晩はお楽しみだったようね、人の体で…」ゴゴゴゴゴ

上条「なんで朝から怒髪天?」

吹寄「なんでか“昨晩なにがあったかはしっかりと覚えている”わよ。怒髪も天を衝くわ!!」ガシッ

吹寄「―――人のか、身体で! あ、あんなはしたない事をッ――!」ギリギリギリ

上条「ぎゃーっ前隠せ! あと胸ぐら掴むな、このフォームはまた頭突きか!? また入れ替わってややこしい事に――」

吹寄「忘れているようだけど、いい加減に思い出せぇーーーーーー!!!!」グィィィイッ

上条「――ヒッ!」



ガツゥーーーン




カエル先生「どうかしたかい?いまさっき、すっごい音がしたけど?」ガラッ

吹寄「大丈夫です先生。私も上条も無事に元の体に戻りました」シュババババ

吹寄「これで退院してもいいですね?」シャキーン ←普段着に早着換え

カエル先生「ああ、いいけど………その、上条君はなぜ額がコブダイみたい腫らしてのびているんだい?」

吹寄「自業自得です。ではお世話になりました」スタスタ

カエル先生「……お大事に」
263 : ◆y1POWXBhVp87 [saga]:2020/10/31(土) 22:56:02.87 ID:AWaELhuFO
上条「――――」ピク、ピク


上条(ふと、いまぶっ倒れている、吹寄が使っていたベットからふと)

上条「……」クン

上条「―――」

上条(蜂蜜のような匂いがした)

上条(大好きな甘い匂い。ずっと嗅いでいたい。離したくない。忘れてはいけない匂い)

上条(これは……誰の匂いだったか―――)



『これからも愛している。絶対に忘れたりしない』

『――ええ。ずっと待ってる』



上条「…………」

上条「―――操祈」



操祈『当麻さん』

操祈『当麻さん、ナイスピッチよぉ!』ピョン

操祈『はい、当麻さん。あーん。美味しいかしらぁ? あらそう? 嬉しいわぁ』ニヘー

操祈『当麻さん、あれ。とても綺麗だと思わないかしらぁ。え? 私の方が綺麗? またそんな事を言ってぇ。照れるじゃない』///

操祈『当麻さん、好きよぉ』

操祈『当麻さん』

操祈『当麻さん…』

操祈『――お願い、生きて…』


上条「―――――」

上条(忘れていなかった…忘れていなかった…)

上条「操祈…操祈…操祈ぃいいいいいいいいいいい!!」

上条「いるんだろ? どこかに…どこだ、どこにいるんだ操祈――!」



シーン…



上条「…」

カエル先生「上条君。落ち着いて? ここは病院だよ?」

上条「先生…俺、吹寄の体で、アイツが見えていたんです……操祈、ずっと俺と一緒にいた……なのに、俺、なにも――」

カエル先生「……ああ、そうだね?」

上条「俺…このままじゃあ嫌だ。操祈、操祈…」

上条「先生! 俺、このままなのか!? 一生、操祈が見えないままなのか!?

カエル先生「―――そうだよ? 君は脳に障害を負った。この僕が持てる力でも治療が難しいくらいどうしようもない障害だ」

カエル先生「これから一生恋人の姿を見つける事も、声を聴くことも、触れる事もできやしない」

上条「―――」
264 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/10/31(土) 23:07:49.74 ID:Xj2TBSVHo
看取の問題も解決しなきゃいけないんだからハーレムは大変だ
265 : ◆y1POWXBhVp87 [saga]:2020/11/01(日) 00:00:24.22 ID:TLbIdxgiO


カエル先生「このままではね?」

上条「………このままでは?」

カエル先生「君が持つ、1日学園都市理事長権を使いなさい。学園都市の全能力を総結集すれば、君の脳を回復させることができるかもしれないよ?」

上条「―――!」

カエル先生「しかし絶対ではない。学園都市でも脳の全てを把握できている訳じゃない。もし失敗すれば、さらに酷いことになるかもしれない」

カエル先生「恋人を見つけられるどころか、何も見えない、聞こえない、触れられない…いや死んだ方がマシだったと後悔するような事になるかもしれない」

カエル先生「それでも君が治りたい…食蜂操祈さんを見つけたい――いや、君と彼女の全てを取り戻したいというのなら…」

カエル先生「僕はこの命に代えても、僕は君を守って見せよう」

上条「先生…」

上条「――俺は、治りたい…この眼で、もう一度、操祈に出会いたい…!」

上条「ああ、お願いするよ先生…」

カエル先生「―――」

カエル先生「ああ、任せてくれたまえ」ポンッ





カエル先生「――――」チラッ

操祈「………」ペコリ

カエル先生「……」コクリ

カエル先生(もうこの子を泣かせるんじゃあないよ?)



・・・・・



上条「お世話になりました」

カエル先生「お大事に…」


上条(カエル先生がいうには、俺の脳外科手術はすぐにできるとのことだ)

上条(期限まであと1ヵ月――俺にはやり残したことが…)


※上条さんの手術が決まりました
266 : ◆y1POWXBhVp87 [saga]:2020/11/01(日) 00:03:37.11 ID:TLbIdxgiO
上条さんのHPが20減りました
吹寄さんの好感度が10上がりました
吹寄制理好感度719→729




――9月上旬

現在の上条さん 所持金8万0000円
HP:89/140 学力:60


野球/休む/遊ぶ/デート/バイト/勉強

野球
練習or試合=HP-20 指定した仲間or彼女の好感度

休む
HP+30
追加…安価のコンマがゾロ目でHP+50

遊ぶ
HP-20/指定した仲間との好感度+10〜30

デート
HP-20/彼女とデート好感度☆1〜4

勉強
HP=+20
学力=+10〜20

食蜂操祈……★★★★★★★★★★
警策看取……★★★★★★★★★★
ドリー………★★★★★★★★★★
オティヌス…★★★★★★★★★★

※5月下旬からオティヌスの手術可能
※看取さんとデートができません。誰かを頼って探しに行きましょう。
※上条さんの手術可能

※1日学園都市統括理事長権施行期限まであと半年(2ターン)

安価下2
267 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/11/01(日) 00:06:23.34 ID:+sYpZwjOo
268 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/11/01(日) 00:08:08.62 ID:usQJZa8t0
遊ぶ
土御門
269 : ◆y1POWXBhVp87 [saga]:2020/11/01(日) 00:47:01.81 ID:TLbIdxgiO
今日はここまでにさせてください
ありがとうございました


ソフトバンクホークス、読売ジャイアンツ、リーグ優勝おめでとうございます
予想してたけどやっぱ強い


ただここ最近の戦績から
連勝続きの勢いのまま優勝してホクホクしているみさきちと
マジック減らせず変な形で優勝してしまってゲッソリしているみこっちゃん
が簡単に想像できますね…


ちなみに回裏で加入組は――
帆風さん悠里ちゃんはロッテ
蜜蟻さんはオリかヤクっぽい
入鹿と猟虎はまだ未定…
風斬さんとオリ姐さんはバファローズ
インなんとかさん?奴は飯が美味い所ならどこでもファンになれる



次回は来週土曜日19時から始めます
安価下
270 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/11/01(日) 09:02:45.39 ID:6EpZ0JwLo
遊ぶ
土御門
271 : ◆y1POWXBhVp87 [saga]:2020/11/07(土) 17:20:47.82 ID:ylgmFfvAO
こんばんわ
ごめんなさい、きょうはお休みさせてください
明日の19時からはじめます
272 : ◆y1POWXBhVp87 [saga]:2020/11/08(日) 19:41:03.36 ID:sp0ltSL3O
ごめんなさい、今週お休みさせてください
体力的に難しいので…
来週土曜日の19時から始めます…


千葉ロッテマリーンズCS進出おめでとうございます
273 : ◆y1POWXBhVp87 [saga]:2020/11/14(土) 23:11:03.11 ID:l5qK4ongO
申し訳ございません
急用あって更新できませんでした

明日の19時からはじめます
274 : ◆y1POWXBhVp87 [saga]:2020/11/15(日) 19:19:34.89 ID:/Vtl1cuLO
遅れましたがはじめます
275 : ◆y1POWXBhVp87 [saga]:2020/11/15(日) 20:05:59.66 ID:/Vtl1cuLO
――上条宅


上条「………」

上条(明日から2学期…そして9月末までに1日学園都市統括理事長権を施行しないと失効となってしまう)

上条(そのまえに俺には一つ、やるべきことがある)

上条(それは――)



ピンポーン



土御門「オッス! カミやんおっひさー」ガチャッ

上条「おう、あの研究所以来だな土御門」

土御門「いやー食蜂との問題が解決しそうでよかったにゃー」

上条「おう、お陰様でな。まったく、ひどい目にあったぜ」

土御門「そのおかげで、カミやんは無事に脳がフル回転で使えるようになったんだぜぃ。感謝してくれにゃー」

土御門「お隣にいる食蜂も泣いて喜んでいるぜぃ」

上条「あ、いるの操祈」

土御門「あ、きづいてなかったのかにゃー」

土御門「で、だ。以前から頼まれていた事だが――」

上条「やっとか。ようやく来た」

土御門「ああ。かなり時間がかかった。元多重スパイであるオレ流石、といいたいぜぃ」

土御門「いいかカミやん、心して聞け。時は極めて重大かつ切迫している。一つの選択ミスですべてがパーだ」

上条「わかっている。俺もようやく事が動き始めたばかりだ」

土御門「フッ、流石カミやん。伊達に修羅場をくぐり続けている訳じゃあない」

上条「これは俺の最後の難関にして最重要の問題だ。――俺は今夜に命を懸けるつもりでいる」

土御門「カミやん――」

上条「土御門、言ってくれ。俺が依頼した――」



@「看取の居場所について」
A「日本シリーズのチケットの入手について」
B「その前に、夏休みの宿題をだな」

安価下2
276 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/11/15(日) 20:08:38.85 ID:zrElcqzpo
1
277 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/11/15(日) 20:09:06.33 ID:2fAqmjNf0
1
278 : ◆y1POWXBhVp87 [saga]:2020/11/15(日) 22:20:52.50 ID:/Vtl1cuLO
上条「――看取の居場所について」

土御門「わかった―――その前に、いいか?」

上条「なんだ」

土御門「その前に………手を止めないか?」

上条「るせぇ! 夏休みの宿題がまだ終わってねぇえんだよぉオオオオオオオ!!!」ガリガリガリガリ

土御門「おまえッほんッとに成長してないな! 同じネタを二度もやらないからな!?」

上条「ああーーーー!!!(絶望)」ガリガリガリガリ

土御門「………ちなみに、あと何残っているのかにゃー?」

上条「数学と物理の問題集に読書感想文がまるまるごっそり」

土御門「―――!!」ボコー

上条「あべしっ」



・・・・・



土御門「よかったな、食蜂の派閥のメンバー全員に手伝ってもらって」

上条「……うん、ホント、ありがとうとしか言いようが、ない」グズグズ

上条「俺、初めて夏休み期間中に夏休みの宿題終わった…」

土御門「ハイハイ、よかったにゃーよかったにゃー」

土御門「で、本題に移るぜーい」



上条「―――看取の居場所がわかったってのは本当か?」



土御門「ああ」

土御門「ところでカミやん、もしかして最近テレビ見ていないのかにゃー?」

上条「? ああ、操祈の事や、夏休みの宿題の事があったから」

土御門「あの騒動が夏休みの宿題と同格レベルか…」

土御門「――じゃあちょっとテレビ借りるぜぃ……えーっと今の時間なら…」ピッピッピッ

土御門「あー、このチャンネルだぜぃ」



アナ『お昼のニュースです。昨夜、第2学区でテロ行為を企てていたと思われる生徒を警備員が補導しました』

アナ『容疑者は警策看取、16歳。第7学区の拘留所で――』



上条「―――――」

土御門「ってなわけだにゃー」

上条「み、看取ぃいいいい!?」
279 : ◆y1POWXBhVp87 [saga]:2020/11/15(日) 23:48:02.50 ID:/Vtl1cuLO
上条(全身真っ黒な服装だったが、あの背格好とツインテールは間違いなく看取に見えた)

上条(顔は隠れて見えないけど……複数の警備員に連れられて連行される場面がテレビには映っていた)


上条「―――」ガタッ


土御門「どこへ行く」

上条「どこへって、留置所に…」

土御門「無駄だぜぃ」スクッ

土御門「あれは偽物だぜぃ」

上条「……?」

土御門「さて、じゃあ行くぜぃカミやん」

上条「行くってどこへ」

土御門「――」ニッ

土御門「警策看取の所だぜぃ」

280 : ◆y1POWXBhVp87 [saga]:2020/11/15(日) 23:48:40.63 ID:/Vtl1cuLO
ごめんなさい今日はここまでにさせて下さい
来週土曜日の19時から始めます
281 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/11/16(月) 07:59:15.81 ID:Ta7bF504O
おつ
282 : ◆y1POWXBhVp87 [saga]:2020/11/21(土) 19:32:39.65 ID:GEZdbn77O
遅れましたが始めます
日シリ見ながら
283 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/11/21(土) 22:57:13.92 ID:cknGy67yo
またか
284 : ◆y1POWXBhVp87 [saga]:2020/11/22(日) 00:39:58.27 ID:HW/OwgEQO
――第七学区留置所


上条「ここってニュースでやってた…」

土御門「第七学区にある留置所だぜぃ」

土御門「警備員にとっ捕まった能力者は少年院に行く前に留置所にいくもんだが――あーいたいた。おーい」


???「!?」


上条「誰だ? あのマスクをした小さな女の子…あ、小走りでこっちに来た」

土御門「あー協力者だにゃー。警策看取らスクールを探すにはあまりにも学園都市は広すぎるから、人探しのプロに頼んで―――」


???「アホーーー!!」ボコーッ


上条「!?」

???「こっちはおまえの言う通り隠れて目標を探していたというのに、大声で叫び手を振って呼びつける奴がいるか!?」ポカポカ

土御門「アッハッハッハ−全然いたくないぜよー」

???「このー!」

???「ふん、まあいい。で、そこにいる男は?」

土御門「このまえ言ってたカミやんだ」

???「ああ」

上条「よ、よろしく…?」

???「よろしく。私は――」


??「あ、リーダー!」ブンブンブン


リーダー「!」

上条「リーダー?」

リーダー「こらナル! おまえなんでいつも能天気なんだ!」ポカポカ

ナル「イデデデデ、痛いよリーダー! 清ヶとヤっくん、止めてよぉ!」

清ヶ「めんどくさ」

ヤっくん「はいはい、リーダー落ち着いて」ダッコ

リーダー「離せ! たまにはコイツにはガツンと言わないと気が済まない!」


上条「なんだコイツラ…」

土御門「協力者の皆さんだにゃー。暗部組織『屍喰部隊(スカベンジャー)』!」

上条「スカベ…え?」


285 : ◆y1POWXBhVp87 [saga]:2020/11/22(日) 11:54:39.23 ID:HW/OwgEQO
ナル「キラーン」

ナル「とーぅ!」シュバッ

ナル「我ら学園都市に巣食う悪を倒すため! 日夜問わず戦い続ける!」シュババッ

ナル「その名を屍喰部隊スカベンジャー!」シュバーン!

上条「……お、おう」

ナル「ちなみにピンクが私、リーダーがレッド、清ヶはブルーでヤっくんがホワイト! そして兼ねてより必要としていたイエロー!」

土御門「このつっちーこと土御門元春だにゃー」デデーン

上条「……え、えー」




リーダー「すまん、色々と頭のネジが吹っ飛んでていてな。まあ悪い奴じゃあないから安心してくれ」

ナル「そうだよーボクほどジンチクムガイな人はいないよー……ところでジンチクムガイってなに?」

清ヶ「ハイハイ、ちょっと黙ろうな?」

ヤっくん「リーダーは大切なおはなしがあるからねー」



上条「……えっと、土御門さん? ホントに看取の居場所がわかるんですかね?」

リーダー「それは安心してくれ。ボクの能力で彼らの居場所は把握済みだ」

上条「! それなら!」

リーダー「あ、それより前に――薬っくん」

ヤっくん「はいはい」ゴソゴソ

上条「?」

上条(この茶髪の子…なにやら神妙な顔でナイロン袋から何か取り出すぞ……もしかして何か交換条件とかあるんじゃ――)


ヤっくん「はい、リーダーのアイス。ガリガリくんでよかったよね?」

リーダー「ああ。いやぁ今日は暑いからなぁ。アイスでも食ってないとやってられない―――ん? どうした?」

上条「………ナンデモナイ」

ヤっくん「はい、君のぶん!」つガリガリ君

上条「あ、どうも…」


・・・・・


上条「……なんか普通にアイス喰ってだべってたな…」

土御門「なかなかマイペースな奴らだが、まぁ仕事は確かだ……多分」

上条「……無性に不安になってきた」


リーダー「で、警策看取の捜索だが、結論的に彼女はこの第七学区留置場にはいる」コンコンッ

リーダー「昨日の夜に侵入してからこの留置所から出てきてない」

上条「……? テレビのニュースでは看取は捕まっていて、この第七学区留置所に連れられる。でもその看取は偽物だって言ってたよな…?」

上条「じゃあなんで看取はここに? 偽物は何のために看取のフリを?」

土御門「恐らく警策はここでなにかをやっているはずだにゃー。そんで、偽物は注目を浴びせる為の囮って訳ぜよ」

土御門「収監されている能力者に助っ人を頼むのか。それとも待ち伏せにきた襲撃者を叩くためか、偽物を追ってきた刺客を待ち伏せするためか」

土御門「ヤツの本意は未だ不明だぜぃ」

上条「看取はこの中にいるんだな?」

リーダー「ああ、間違いない」

上条「――なんにせよ、ここに入らないとわからないって訳か」
286 : ◆y1POWXBhVp87 [saga]:2020/11/22(日) 11:57:29.65 ID:HW/OwgEQO
ごめんなさい、寝落ちしてました
月曜日の18時から再開します




上条さんの侵入スキルコンマ下1
奇数→俺たちはルパン一家
偶数→ルパンじゃなくてドリフ
287 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/11/22(日) 12:26:42.82 ID:uiQdBDx5o
288 : ◆y1POWXBhVp87 [saga]:2020/11/23(月) 18:03:43.83 ID:mx6f6cVSO
はじめます
289 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/11/23(月) 18:18:56.56 ID:owQ88pIbo
290 : ◆y1POWXBhVp87 [saga]:2020/11/23(月) 18:50:27.06 ID:mx6f6cVSO
リーダー「では侵入する方向で」

上条「頼む」

リーダー「それ込みで依頼を受けたんだ。キッチリやるさ」

上条「で、どうやって侵入するんだ? 高い塀が留置所を囲んでて、出口は一か所しかないぞ」

リーダー「それは問題ない。――清ヶ」

清ヶ「はいよ」ペタッ

清ヶ「じゃあ行ってくる」シュタタタタタッ

上条「おお!高い塀を走って登っていったぞ!?」

リーダー「清ヶは摩擦係数を操る能力者だ。あれくらいの事は朝飯前さ」

上条「でも中の警備は?侵入者は即捕縛だろ」

リーダー「それについては問題ない。警策看取とスクールがあらかじめ制圧している」

上条「そつのないな…」

リーダー「まったくだ。そしてそれを私たちは利用させてもらう」

やっくん「問題は奴らに気付かれずに侵入し、上条くんを警策と接触させる――で、いいんだよね?」

土御門「問題ない」

リーダー「いいか? 潜入したら細心の注意を張るんだ。警策の能力はエコーロケーションを使う。大きな音でも立てたら一発でバレるぞ」

上条「わかった」

土御門「言われなくてもだにゃー」

やっくん「当然」

ナル「あははー」


ガチャッ


清ヶ「こっちだ」
291 : ◆y1POWXBhVp87 [saga]:2020/11/23(月) 19:42:44.54 ID:mx6f6cVSO
ソロリソロリ


清ヶ「看守は誰もいなかった」ヒソヒソ

リーダー「ここの設備はオートマタや警備ロボがメインだ。看守は必要最低限だろう。もっとも彼らは…」ヒソヒソ

上条「――ない」

リーダー「ん?」

上条「看取はそんなことをしない」

土御門「カミやん。あまりカッカするなよ。声がデカイ」ヒソヒソ

上条「――――」


土御門「監視カメラは大丈夫なのか?」ヒソヒソ

清ヶ「監視室はもぬけの殻だった。監視カメラに写っても問題はない。侵入するなら監視室だ」ヒソヒソ

清ヶ「舐められたな。警策が自分の能力でここを守っているつもりだ」ヒソヒソ

リーダー「ならホームアローンよろしく何か罠を張っている可能性も考えないとな。その場合、鼻が利くおまえが頼りだつっちー」ヒソヒソ

土御門「了解だぜぃ」ヒソヒソ

上条「………なんでもいい。看取に会えるなら…」ヒソヒソ

やっくん「いやぁいいなぁ。一度でいいからこんなに愛されたいなぁ」ヒソヒソ

清ヶ「いやおまえなら簡単だろ」ヒソヒソ

リーダー「オシャベリはそこまでだ。建物の壁に到着した。本格的に侵入するぞ」ヒソヒソ

リーダー「やっくん」ヒソヒソ

やっくん「ハイハイ」ゴソゴソ

上条「試験管? 薬品か」ヒソヒソ

リーダー「やっくんはあの手のモノを作るのが得意でね。基本何でもアリだ」ヒソヒソ

やっくん「みんな離れててねー」ヒソヒソ


バシャッ

ベタァ…


上条(壁が溶けた)
292 : ◆y1POWXBhVp87 [saga]:2020/11/23(月) 19:53:23.75 ID:mx6f6cVSO

やっくん「ホントに誰もいないね。罠もなし」ヒソヒソ

やっくん「入ってきていいよー」ヒソヒソ

上条「ホントになんでもありだな」ヒソヒソ

土御門「ルパン三世みたいだにゃー」ヒソヒソ

リーダー「さてここから3班に分かれる。私とナルは監視室で監視カメラから状況を伝える。ツッチーとやっくん、上条と清ヶが捜索班だ」ヒソヒソ

やっくん「これ、通信機ねー」ヒソヒソ

上条「………なぜゲコ太」ヒソヒソ

リーダー「いいだろ別に」ヒソヒソ

リーダー「各自、なにかあるか?」ヒソヒソ

ナル「はーい! 私も捜索したーい!」

リーダー「………ダメだ」

ナル「したーい! したーい! したーい!」

リーダー「だーッもうわかった。わかったから静かにしろッ」

ナル「よーし」

リーダー「じゃあ私と清ヶ。ナルは上条と組んでくれ」ヤレヤレ

「「「「「了解」」」」」ヒソヒソ


・・・・・


土御門「留置所は4階あるから、下と上から見て回るぜい」

土御門「オレたちは下から回る。カミやんたちは上から」ヒソヒソ

上条「了解」ヒソヒソ

やっくん「上条くん」ヒソヒソ

上条「はい」


ガシッ


やっくん「ナルをよろしくね…」ヒソヒソ

上条「……はい」ヒソヒソ


土御門「いくぞ」ヒソヒソ

やっくん「じゃあ後で。ナル、くれぐれもヘタしないでね…」ヒソヒソ

ナル「はいはーい」


上条(かなり念を押されたけど…まあ大丈夫か)


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