【禁書】上条「野球大会で優勝したぞ！」看取「2回裏だゾ」【安価】

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953 ： ◆y1POWXBhVp87 ：2021/05/02(日) 19:31:23.67 ID:yx5QCjjq0

浜面「よっし、ゆっくり休め！」

麦野「だから…静かにしろ！」ﾎﾞｺｫｯ

浜面「ひげふっ！！」

上条「よーっし、続け絹は―――」


ｽｶｧﾝｯ


絹旗「あ」

上条「あ」

麦野「あ、いったわこれ」



実況『打ったぁあ！　打球はライトに上がった！　ライトバック、ライトバック、まだ下がる、下がって―――入ったぁぁあああああああ！！』

カチューシャ『うわぁ』

実況『アウトローのストレートを見事に打ち返した打球は、ライトスタンド上段席に突き刺さったァアア！！』

カチューシャ『完璧なホームランだけど…うわぁ、凄いわ』



絹旗「困ったときのアウトローといいますし。超山張ってました。超気持ちいい当たりでしたね、ハイ」


美琴「だからって上段席までもっていくとか…」

絹旗「いやぁ、さすが私！　ヒーローは私ですよね！」


（（（いや、さすがにシャットアウラだろ）））


上条「まあともかく…」

上条「……これなら勝てるぞ！　表の回、キッチリ勝つぞぉおお！！」

「「「おおお！！！」」」




遅刻者到着コンマ下１
奇数→来る
偶数→来ない…

奇数
→素数…1人
→3の倍数…2人
→5の倍数…3人
→7の倍数…4人
→9の倍数…5人

【控え】
一方通行（無）（一/外）右投右打 背番号１
弾道１・ミートF・パワーG・走力G・肩力G・守備F・エラーG
【エラー・安定度１・三振・チャンス２・盗塁１・走塁１・チームプレイ×】
打撃ランクＧ 守備ランクＧ
↓一試合３回のみ
一方通行（有）（一/外/投）両投両打
弾道４・ミートS・パワーS・走力S・肩力S・守備S・エラーS
【チャンス５・対左投手５・盗塁５・走塁５・内野安打・守備職人・パワーヒッター・アベレージヒッター・豪力】
打撃ランクＳ 守備ランクＳ
MAX169km/h・コントロールA・スタミナF・Hスライダー７・スローカーブ７・ナックル７・Hシンカー７・Hシュート
【ジャイロボール・超スローボール・キレ５・勝ち運・牽制○・チームプレイ×・剛腕・短気・低め◯・】
投手ランクＳ

オリアナ＝トムソン（遊・投）右投両打　背番号14
弾道４・ミートＡ・パワーＦ・走力Ａ・肩力Ｅ・守備Ｄ・エラーＥ
【盗塁５・走塁５・バント職人・ゲッツー崩し・内野安打】
MAX134km/h・コントロールＤ・スタミナＡ・
カーブ４・ナックル３・シェイク７・スラーブ５・パワーシンカー４・シュート４・超スローボール５・チェンジアップ７
【逃げ球・尻上がり・弾持ち・リリース・キレ４・走者釘付け・変幻自在・ギアチェンジ】

選手を交代しますか？　安価下２
はい→交代する選手を指定してください
いいえ→そのまま

954 ：以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]：2021/05/02(日) 19:35:32.92 ID:Dk9V6Jipo

あ

955 ：以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]：2021/05/02(日) 19:36:51.37 ID:Dk9V6Jipo

あ

956 ：以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]：2021/05/02(日) 19:37:17.87 ID:Dk9V6Jipo

ミスった
いいえ

957 ： ◆y1POWXBhVp87 ：2021/05/02(日) 19:42:43.63 ID:yx5QCjjq0

ｽﾞﾊﾞｧﾝｯ


実況『ストライク！　三振に倒れました結標。しかし！この回、大きな大きな追加点が入りました！！』

実況『さぁ9回の表に入ります！

958 ： ◆y1POWXBhVp87 ：2021/05/02(日) 19:56:43.54 ID:yx5QCjjq0

麦野「よ、いっしょっと…」ﾌﾗｯ

上条「大丈夫か？」

麦野「大丈夫だって、の」

オリアナ「本当？　私とこの坊やがいるから、休んでいていいのよ？」

麦野「大丈夫っつってんだろ牛女。ったく、こんなところで降りたら、フレンダに顔向けが出来ないでしょ」

麦野「私は最後までマウンドに立って勝ちたい」

上条「………わかった」

上条「ダメだってわかったら、すぐに代えるからな！！　頼むぜエース！！」

麦野「任せなさい！」ｶﾞｯ



幻生「ぐ、ぬぬぬぬ…！」

イサク『大丈夫か、顔が真っ赤だぞ幻生』

幻生「く、好き放題やってくれるねぇ」

幻生「そうでなくては、そうでなくてはならないよねぇ」

幻生「イサクくん、『アレ』をやろう」

イサク『………正気か？』

イサク『出来なくはないが…準備不足もいい所だぞ』

イサク『１回持つか？』

幻生「この表の攻撃、逆転できればそれでいい。延長戦になれば、スタミナ切れでこっちが有利だからねぇ」

イサク『……わかった。すぐに準備するから、チャンスは作れよ』

幻生「当然だとも…」



9回表
チーム第七学区21-16木原メタルタイガース
――123_456_789_計
木原240_323_20
第七101_826_12

失点コンマ下1
奇数→0点
偶数→失点
…2の倍数→そのコンマ一桁÷2＝その回の失点数

959 ：以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]：2021/05/02(日) 19:57:59.49 ID:cBRNvpJ0o

あ

960 ： ◆y1POWXBhVp87 ：2021/05/02(日) 21:08:44.31 ID:yx5QCjjq0

ﾊﾞｶｧﾝｯ


土御門「カミやん！」

上条「おおっ！？　土御門、どうした？」

上条「お、おう、みんな勢ぞろいでどうした？」

フレンダ「はぁ、はぁ、結局勝ってる訳じゃん」

猟虎「すーーーーーーーーーっんはぁ、ウナジからの汗の香りたまんないですわぁ」

フレンダ「ふんっ！」ｺﾞｯ

猟虎「ぐへっ」ﾊﾞﾀｯ

リーダー「さっき、無線で連絡したんだけど…聞いてなかったか？」

上条「……いやもうそれどころじゃなくて…」

清ヶ「……なんちゅースコアだよ。なにをどうしたらこんな馬鹿試合になるんだよ」

清ヶ「たっく、どいつもこいつもボロボロじゃねえか。まぁ6時間近く野球してたらそうなるか」

やっくん「軽くプロ最長試合記録更新してるね…」

上条「で、なんだよ、全員で」

土御門「それなんだが…」


土御門「警策の居所が判明した」


上条「！！！」


上条「………どこだ！？　看取は、どこにいるんだ！？」

土御門「まあ待てカミやん。奴さん、とんでもないところに隠していやがったにゃー」

上条「……」

土御門「いいかカミやん。この球場は、京セラドームを似せて作られている」

上条「ああ」

土御門「京セラドームには野球の他にコンサートホールとしても設計されていてな」

土御門「コンサートホールに使う騒音や振動の問題を解消するために、構造上の大きな目玉として天井のスーパーリングがあるんだにゃー」

上条「スーパーリング？」

上条「あの今にも落ちて来そうなでっかい丸の事か？」

土御門「ああ……実はあの丸いの、可動式なんだぜぃ」

上条「へぇ」

上条「ん？　でもここって地下だよな？　騒音なんてあるのか？」

土御門「そこだぜぃ」

土御門「ここが地下である限り、騒音問題は……まあよっぽどの事がない限り発生しないが――あのスーパーリングは全く不要な存在だにゃー」

上条「じゃあなんで…」

土御門「もちろん元ネタを忠実に再現した、ってならわかる。だが、ここが木原の研究施設であると仮定するなら、必ず理由があるはずだにゃー」

上条「それってつまり―――」

土御門「ああ」

土御門「一番重要な研究、あそこで行われていたんだ」


上条（土御門はスーパーリングの中央の膨らみの穴を指さすと―――）


上条「なんだ、あれ」


上条（ＵＦＯ襲来よろしく、天井がズズズズズ、と球場中央へと“落ちてきた”）

961 ： ◆y1POWXBhVp87 ：2021/05/02(日) 21:58:47.29 ID:yx5QCjjq0

ｽﾞｽﾞｽﾞｽﾞｽﾞｽﾞｽﾞｽﾞｽﾞ


幻生「本当なら、最後の最後まで取っておきたかったんだがねぇ」

幻生「ご褒美だよ、幻想殺し君。愛しの愛しの恋人に今あわせてあげよう…」ﾆﾋﾋ



上条「スーパーリングが…完全に下りた…」

上条「なんだ、何が来るんだ…？」




・・・・・



イサク「まったく、人扱いの悪い爺さんだ…」ｶﾞﾁｬｶﾞﾁｬｶﾞﾁｬ

イサク「………よし、これでしばらくは」


ｺﾝｺﾝｯ


イサク「ハイハイ、入ってますよーっと…」ｷｭｨｲｲｲｲ―――


ｶﾞﾁｬｯ


イサク「……オイコラ、取り込み中なんだ。クソ忙しい時になんの―――よ」

黒垣根「よう、アンタがここの頭目か？　……女か」

イサク「！？　垣根提督！　なんでここ―――ぐぁっ！」

黒垣根「四の五の喚かず答えろ。てめーが、木原の野球人形を作っている魔術師って奴か？」

黒垣根「つーか警策看取はどうした？」

イサク「……カハッ」ﾋﾞﾁｬｯ

イサク「はは、白い翼に貫かれるって……なかなか出来ない経験だ、ありがとよ」

イサク「いかにも。俺の名前はイサク＝ローゼンタール。ローゼンタールの死霊術で学園都市中に野球人形をばら撒いたご本人サマさ」

イサク「それで、なんだ？　商売敵でもぶっ殺しに来たのか？　ロクデナシの超能力者さんよ」

黒垣根「バーカ、取引だよ」

イサク「取引？」

黒垣根「この一件に手を引け。そして俺に協力しろ。そうしたら、残り短い寿命を延ばしてやる」ｸﾞﾘｯ

イサク「ぎぁゃああ！！？」

イサク「ヘヘ、もう、遅い…」

黒垣根「あ？」

イサク「俺は幻生についたんだ。完全なるゴレムはここに完成する――例え短い時間でも、俺は俺の理論が正しかったと証明できる！」

黒垣根「てめー、何言って…」

イサク「小僧、あと少しだったな。…もうすでに賽は投げられてんだよ」ﾌﾗﾌﾗ…ｶﾞｼｯ

黒垣根「あ？」

イサク「―――｣ｶﾞｺﾝｯ


ｶﾞﾀｯ

ｶﾞｶﾞｶﾞｶﾞｶﾞｶﾞｶﾞｶﾞｶﾞｶﾞｺﾞｫｫｵｵｵｵｵｵｵｵｵｵｵｵｵｵｵｵ


黒垣根「！？　なんだ、落ちてる！？」

イサク「ハハハ、このスーパーリング研究室を探し当てたのは褒めてやる！！　だが、もう遅い！！　警策看取は完全なるゴレムの核にさせてもらた！！」

黒垣根「……」

962 ： ◆y1POWXBhVp87 ：2021/05/02(日) 23:18:11.03 ID:yx5QCjjq0

・・・・・


上条（突き出したスーパーリングの穴から、銀色の液体が見えた）

上条（それは雫だった。ただ、その穴は思いのほかに大きい。つまりその雫は人がすっぽり入るくらい大きくて）

上条（それが、ぼとり…とグランドに落ちた）



ﾊﾞﾁｬｯ


上条（その水銀の塊は――液状化した不在金属の集まりは、人の形をしていた）

上条（否、液体金属を全身に纏ったヒトだった）

上条（それがゆっくりと立ち上がる。そして、その姿は―――）



メタル看取「――――」



上条「看、取…」

上条（彼女の姿をしていた）





幻生「はは、ははははっ」ｽﾀｽﾀｽﾀ

幻生「やればできる子じゃないかイサク君！　んー僕が見込んだ通り…完璧な素体だ」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

幻生「完全なるゴレムとはよく分からないが、すべての能力を発生させる絶対能力者は君だねぇ」

幻生「まさに最強の野球人形だ！　――…そう…君は神になれ―――」ｻｸｯ

幻生「る？」


ﾎﾞﾀﾎﾞﾀﾎﾞﾀ


メタル看取「―――」ﾆｭﾙｯ

幻生「ほ、ほえ？　え、ちょなんで勝手に攻撃して――」

メタル看取「木原、幻生…殺シテヤル、ト、言ッタ」

幻生「あ、あれ？　もしかして自我、あるんじゃ―――」

幻生「イサク、くん…これ、ダメだ、よ、ねぇ」ﾊﾞﾀﾝｯ

幻生「―――」ｻｧ


上条「…幻生が砂になって死んだ……？」

上条「―――ハッ」

上条「み、とり？　看取、なのか？」


メタル看取「―――守備、ニ、ツイテ」


上条「は？　いや、もう幻生は…」

メタル看取「ツイテ…マダ、試合ハ決マッテイナイ」ｺﾞｯ

メタル看取「私ハ、野球人形…ダカラ、野球デ決着ヲツケテ」ｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞ

上条「なんだ、ち、近づけない…」

963 ： ◆y1POWXBhVp87 ：2021/05/02(日) 23:21:43.99 ID:yx5QCjjq0

メタル看取「――ドウカ、オ願イ」

上条「！」

メタル看取「私ヲ、殺シテ」ｵｵｵｵｵｵｵｵｵｵ!!!


上条「み、とり…そんな！？」


麦野「行くぞキャッチャー」

上条「麦野！？　そんな、だって、看取が！」

浜面「やるぞ大将」

上条「浜面！？」

美琴「そうね。ここまで来たんだもの。こんな結末はご免よ」

削板「そうだ！　こんな根性が入らないオチがあってたまるかぁああああ！！！」

上条「おまえら！」



土御門「いいか聞けカミやん。恐らくだが、この野球人形はみんな野球をするためにプログラムされている」

土御門「なら試合が終われば、自然と大人しくなるはずだにゃー！」

土御門「きっちり、決着付けてやるのが情けってやるだ」

上条「で、でも…」

土御門「別に死ぬ訳じゃないにゃー！　死にかけてもカエルのオッサンが何とかしてくれるぜぃ！」

土御門「だから完全燃焼させてやれ」

上条「………わかった！」

964 ： ◆y1POWXBhVp87 ：2021/05/02(日) 23:23:05.22 ID:yx5QCjjq0

ごめんなさい、試合は決しましたが
今日はここまでにさせてください
明後日の19時から始めます

965 ： ◆y1POWXBhVp87 ：2021/05/04(火) 19:33:44.85 ID:1lGs2ETK0

ちょいと遅れましたが始めます

966 ： ◆y1POWXBhVp87 ：2021/05/04(火) 20:54:58.04 ID:1lGs2ETK0

上条「麦野、この回までだ。5点ある。一発貰ってもいいから、ストライクゾーンに攻めていくぞ」

麦野「舐めるなよ。きっちり三人で終わらせるわよ。――彼女、助けたいでしょ」


メタル看取「―――」


麦野「弱気なリードしたら叩き出すからね」

上条「わかったよ」




ｶｧﾝｯ



麦野「！」

上条「！」


実況『初球打ったぁぁああアアアアアアアアアアアアアア！！！！』

実況『これはいったぁぁあ！？』


結標「いきなり！？」ﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞｯ

シャットアウラ「いや、これは――結標、クッションボール！」

結標「！」


ﾎﾞﾝｯ


実況『フェンスに当たった！』

実況『恋査、悠々ツーベース！』


上条「………」

麦野「―――」

上条（読まれてもファウルにしかならないあの難しいボールを…）

麦野（まあ、そうなるか）

967 ： ◆y1POWXBhVp87 ：2021/05/04(火) 21:12:37.37 ID:1lGs2ETK0

カチューシャ『クッションボールの処理を誤らなかったな。フェンス際のプレーを誤れば、スリーベース、またはランニングホームランもありえる』

カチューシャ『点差はあるけど、そういう所をしっかりしていないと。5点差なぞあっという間にひっくり返されるぞ』

実況『そうです！　この試合はまさに打ち合い！

968 ： ◆y1POWXBhVp87 ：2021/05/04(火) 21:43:59.23 ID:1lGs2ETK0

実況『簡単にビックイニングを繰り出すゲームになっています。ゲームセットになるまで何があるかわかりません！！』


上条「センターナイス！　守備位置は定位置でいい！　点差はあるから大丈夫だ！！」




実況『フォアボール！！　２ストライクまで追い込みましたが、ボールが続いてフォアボール！！』

カチューシャ『勿体ない…！






美琴（って言ってもいきなり長打は…）

浜面（……これってヤバくね？）

絹旗（体力的に超しんどいのにまたこの展開ですか！！）

結標「はぁ、はぁ、はぁ」

シャットアウラ「大丈夫か？」

結標「ええ…」

シャットアウラ（リードは間違っていない…だが、やはり配球を読まれている！）

恋査（これは、裏の攻撃も考えないといけませんか）

削板（その場合は俺がヒーローになる！！　体力がなんだ、根性でやってやる！！）



麦野（しつこすぎて嫌になる！　自分が投げているボールが正解かわからなくなる！！）

上条（もちろん投げミスで甘いボールがきたら一発でスタンドぶち込まれる！）

上条（クソ、

969 ： ◆y1POWXBhVp87 ：2021/05/04(火) 22:59:42.28 ID:1lGs2ETK0

上条（クソ、暗闇で綱渡りしている気分だ！）


絹旗（超嫌な空気。ここは私が超ちゃんとしないと…）

削板（根性を据えろ。腹を括れ。打球が飛んできたら即飛び込む）

恋査（過度な緊張感…一つミスを犯せば流れは一気に…）

浜面（頼む…この場面、打球がこっちに来ないでくれ…）

美琴（ここでエラーとかしたらと思うとぞっとする…）

結標（……吐きそう）


『サード、削板』


メタル削板『―――』

上条「………」ﾊﾟﾊﾟﾊﾟﾊﾟ

麦野（……フォアボールの後…一球ストレートを胸元に…）

上条（フォアボールの後の初球…振ってくるはずだ。いつもならフォークや逃げるスライダーで外すけど、ここは裏をかく）

上条（ただ、甘い所はＮＧ。しかも置きに来るなよ。この回、全球全力投球だ。頑張れ麦野）

上条（もし俺のリードの傾向を読んでくるなら、見てくるはずだ。打ってくれてもファウルかポップフライだ）

上条（大丈夫…大丈夫だ…）

上条（―――来い！）

麦野「―――」ｺｸｯ


麦野「………」ｻﾞｯ

麦野「フンッ」ﾋﾞｭﾝｯ


メタル削板『――――』ﾌﾞﾝｯ　ｶﾞｯ


実況『打ち上げたぁ！！　たかぁく上がったフライですが…飛距離はありません。センター結標、前進！』


結標（き、来た！！）ﾀﾞﾀﾞﾀﾞｯ

結標（やった！　只の平凡なフライ…―――）ｶﾞｯ

結標「あ」ﾎﾟﾛｯ


実況『あああああああああああ！！！！！　結標捕れないィいい！！』


結標「あ、ああ」ﾊﾞﾀﾊﾞﾀ

結標「―――」ﾋﾞｯ

絹旗「――」ﾊﾞｼｯ

削板「ノー！」

メタル恋査『―――』ｻﾞｧｧｯ

結標「…………」


実況『の、ノーアウト満塁だァあああ！！』

実況『ここに来てビックチャンス！　一発出れば１点差に迫る！！』


上条「――――」

麦野「――――」

美琴「――――」

970 ：以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]：2021/05/04(火) 23:04:00.97 ID:ZJfT7r5zo

命懸けの戦いが日常だったり無限地獄味わった奴がたかが野球でプレッシャー感じるって

971 ： ◆y1POWXBhVp87 ：2021/05/05(水) 00:09:09.71 ID:8llWOptc0

『バッターは、垣根』


メタル垣根『―――』ﾌﾞﾝｯ

メタル垣根『―――』ｻﾞｯｻﾞｯ



カチューシャ『……ここはマズイな。ここで流れを切れたらいいが…』

実況『今日の垣根は6打数2安打です。なお凡退した2打席は併殺打に倒れていますが…』

カチューシャ『ヒットを打った2本は長打か…』



上条「タ、タイム！！」




麦野「…………」

恋査「………」

削板「………」

浜面「………」

絹旗「………」

上条「………」

上条（雰囲気悪いな…ここは何とか流れを変えないと……でもどうする！？）

上条「―――」




フレンダ「コラーーー！！　結局イヤなムードになってんじゃなわよーーー！！！」ﾊﾞｺﾊﾞｺ

猟虎「い、痛いからメガホンで頭叩かないでくださ…アベッ」

清ヶ「ホラホラ、声出せおまえらーーー！！」

ナル「頑張れーーーー！！」

やっくん「ここ抑えたらかっこいいぞーー！！」

土御門「まだ１点も取られてねーってのに暗いぜぃおまえらーー！」ﾊﾞﾝﾊﾞﾝ

一方通行「オーイ、ピッチャービビってンのかァ？　マウンドに上がるときの啖呵はどォしたァ！」

オリアナ「ここで抑えたらご褒美になんでもしてあげるわよー！」



ｷﾞｬｰｷﾞｬｰﾜｰﾜｰﾔｲﾉﾔｲﾉ


浜面「アイツら、他人事だからって気楽に言ってくれるじゃねえか」

絹旗「まったく。超楽しんでますねあれ」

削板「うん。だが、まぁ根性が入った」

上条「麦野、まだやれるか」

麦野「―――ったり前よ！」

上条「よし、全員気楽に行こうぜ。点差は５点！　１点取られても１アウトずつ取れば逃げ切れる！」

上条「きっと打たれると思うけど、内野バックよろしく頼むぞ！！」


「「「「「おおーー！！」」」」」

972 ： ◆y1POWXBhVp87 ：2021/05/05(水) 00:56:28.99 ID:8llWOptc0

『バッターは6番ライト垣根』


実況『内野手がそれぞれのポジションに散りました』

実況『さあこのピンチをどう切りぬけるか』


上条（この垣根には長打を二つ貰っているが、ランナーがいない場面だ。ランナーがいた時は凡退している）

上条（もしコイツが得点圏でそこまで実力が発揮できるないウチの垣根の短所までも再現しているのなら……ここはゾーンで勝負！）

上条（ストレートでガン押し！）ﾊﾟﾊﾟﾊﾟﾊﾟ

麦野「……」ｺｸｯ

麦野「――」ﾋﾞｭﾝｯ

上条「（甘っ）」


ｶｧﾝｯ



麦野「まずっ」

絹旗「！」ﾊﾞｼｯ


実況『初球ライナー！　いい当たりでしたが、ショート絹旗の真正面でした！！　ワンナウト！！』


上条「よし！　ナイスショート！！」

麦野「ふぅ…」ﾌﾗｯ

上条「次のバッターをゲッツーにとればゲームセットだ……！」


『7番セカンド　シャットアウラ』


メタルアウラ『―――』

上条（スライダーを引っ掛けさせる…）ﾊﾟﾊﾟﾊﾟ

麦野「―――」ｺｸｯ

麦野「―――」ｻﾞｯ…ﾋﾞｯ

上条「ゲッ」

上条（曲がらないッ）

メタルアウラ『―――』ｶｧﾝｯ


実況『打ったァ！！　が、これはミスショットだ！　たかぁく舞い上がった打球はセカンドの頭上…！』


恋査「おーらい」ﾊﾟｼｯ


カチューシャ『投げミスだけど、それで助かったか。もう少しズレてたらグランドスラムだった』


上条（……あっぶねぇ…）

麦野「……」ﾌﾗﾌﾗ

上条「（もうダメか？）」


ｿﾞｯ


上条「！　―――ここで登場か」


『バッターは、御坂に代わりまして――警策』


メタル看取「―――」

973 ： ◆y1POWXBhVp87 ：2021/05/05(水) 00:59:02.15 ID:8llWOptc0

ごめんなさい
今日はここまでにさせてください

次回は土曜日の19時からやります


こまけぇことはいいんだよっの心で生暖かく見守っていただければ幸いです

974 ：以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]：2021/05/08(土) 14:00:50.43 ID:QOezQJbAo

新刊読んだ？

975 ： ◆y1POWXBhVp87 ：2021/05/08(土) 19:44:39.66 ID:4gXTwzNE0

こんばんわ
今日は時間作れずお休みさせてください
明日の19時から始めます

976 ： ◆y1POWXBhVp87 ：2021/05/09(日) 20:38:38.59 ID:fg5zuIW00

ぐえ…ごめんなさい、今日も出来なさそうです
来週土曜日の19時にきます…ごめんなさい

977 ： ◆y1POWXBhVp87 ：2021/05/14(金) 23:03:18.53 ID:nzd/cu2Q0

ごめんなさい明日も難しいので、今ちょこっと書きます

978 ： ◆y1POWXBhVp87 ：2021/05/15(土) 00:54:24.44 ID:7nC33OpH0

上条「…。タイム！」


実況『上条、最後になるかマウンド訪問。さすがに慎重になるか』

カチューシャ『無理はない。もし一発貰っても１点ある…けど１点差。今日のゲームの流れを考えると、１点リードなんてあってないようなもの』

カチューシャ『麦野の調子は悪くないけど…球数は１２０球越えたか、体力も限界に近い』

カチューシャ『キャッチャーもピッチャーもいい加減にバッターの特徴と調子はわかっていたけど、ここで未知数のバッターが来た』

カチューシャ『ここで点を取られたのなら、一気に試合はひっくり返される可能性が高い』


上条「麦野、まだ行けるか」

麦野「ダイジョーブだってば。あとアウトひとつ…ここまで来たらやるわよ」

上条「その意気だ。――ただ看取に……相手バッターに打たれたら交代だ。あと一人、頼んだぜ」ﾎﾟﾝｯ

麦野「はいはい。さっさと行った行った」ｼｯｼｯ

麦野（あと一人…あと一人で…）


恋査「ここです。ここですよみなさん」

削板「こっちこぉおーーーい！！」

浜面「エラーは厳禁だぞおまえら！」

絹旗「みなさーん、ファーストがどんなショートバンでもハーフバンでも超完璧に捕るそうですよー！」

浜面「嘘です！　超丁寧にオネガイシマス！！」

美琴「外野はどうする？」

結標「定位置でいいでしょ」

シャットアウラ「セカンドランナー刺せる程度の位置まで下がろう。前進守備での長打はランニングホームランになる」


上条「バック頼むぞー！　ここで切るぞー！」

「「「「「「「おおーーーー！！」」」」」」」

上条「よし、なんとか重い空気が上がってきたな」

（（（（（（（ここで止めないと、まださらに試合が長引く…！）））））））

（（（（最後のアウトは任せろ…！））））（（（頼む…三振で取ってくれ！！）））

上条（なんか変なプレッシャーあるけど）



メタル看取「―――――」


上条「よう、久しぶりだな」

メタル看取「…………」

上条「探したんだぜ」

メタル看取「………………」

上条「口もきいてくれない、か」

上条「まあいいさ。さっきの事だけど…簡単に殺してとか言うなよ」

メタル看取「………」


麦野（サインはよ…）

上条（体力は限界を超えた。スプリットはただの抜けた半速球。シンカーは左側に逸れる。スライダーもそこまで曲がらない）

上条（ならサインは一つ…）ﾊﾟﾊﾟﾊﾟﾊﾟ

麦野（へ…それならやりやすいし分かりやすい）ｻﾞｯ

979 ： ◆y1POWXBhVp87 ：2021/05/15(土) 02:07:34.93 ID:7nC33OpH0

『ストライク』ﾊﾞｺﾞｫﾝｯ


実況『ストライィク！！　球数は123球となりましたが、ここで157km/hのストレート！！　まだ闘気十分！！』

カチューシャ『最後の力を振り絞った！　キャッチャーも構えたのはど真ん中。ただ全力でストレートを投げてこいというサインもへったくれもないリードだ！』

カチューシャ『解説がこういうのもなんだが、頑張れ麦野！！　学園都市の命運がかかっている！！』


上条「よし、ナイスボール！」ﾋﾞｯ

メタル看取「―――」

上条「どうした、打って来ないのか？　ただ突っ立っているだけなら、代打で出た意味ないだろ」

上条「振ろうぜ、バット。自暴自棄になっているのか？　まだたった５点差だぜ？」

上条「まあ自暴自棄になるのはわかるさ。終盤でこの点差だし…それに自分の不幸に泣きたくなるのも、幻生の野郎に怒るのは当然だ」

上条「辛いのもわかる。木原幻生に何されてたかは本人に聞いた。許せねえ。俺だってはらわた煮えくりかえってんだ」

上条「けど、それでもおまえが憎んだり苦しむのを、俺はほっとけねぇよ。俺はおまえが好きなんだ。だからおまえが不幸になるのは嫌だ」

上条「だから帰って来いよ。おまえがいないと、やっぱりつまらないぜ。看取はどうなんだ？」ﾊﾟﾊﾟﾊﾟﾊﾟ

メタル看取「―――」


上条（ツーストライクとるぞ。全力で腕ぶん回せ）ﾌﾞﾝﾌﾞﾝ

麦野（なーにペチャクチャ喋ってんのかわからないけど…私は――あのミットにこのボールをぶち込むだけ！！）ｻﾞｯ

麦野「――りゃっ！！」ﾋﾞｯ

メタル看取「―――」ﾌﾞﾝｯ


ｶﾞﾂｩﾝｯ


実況『打ったぁアアアアアアアアアアア！！！　ライトポール際に大きな当たりぃいいい！！！』

実況『入るか？　グランドスラムになるのか？　右か左かぁああああああ！？』


ｶﾞｺﾞｫﾝｯ


実況『右だァ！　ファウル！！　命拾いしました麦野。ど真ん中のストレート、159km/hを計測しました』

実況『自己最速タイのストレートを引っ張って、ライト上段…いや照明の近くまで飛ばしました！！』

カチューシャ『ボールに速度あるから、ジャストミートしたらその分飛ぶな』

実況『しかしツーストライク！　追い込みました…さぁ勝利まであと1球です！！』


上条「―――――」ﾄﾞｷﾄﾞｷ

上条「惜しかったな」

メタル看取「―――」

上条「でも追い込んだ。ラストボールだ看取。この試合が終わったら、ウチに帰ろう」

メタル看取「―――」

メタル看取「………ナイヨ」

上条「ん？」

メタル看取「――帰レナイ、ヨ…」

上条「帰れる」

メタル看取「私…自分ガ誰ナノカモ分カラナクナルクライ、滅茶苦茶ニサレタンダヨ？」

上条「大丈夫だろ。なんとかする。ほら、俺、今日一日学園都市の統括理事長なんだぜ？」

上条「なんでもやってやるさ」

メタル看取「…………ソウ、ナラ…」

980 ： ◆y1POWXBhVp87 ：2021/05/15(土) 02:10:56.14 ID:7nC33OpH0

中途半端でゴメンナサイ
今日はここまでにさせてください

日曜日の18時から始めたいです


ラストスパート…今月には終わる、はず…Zzz

981 ： ◆y1POWXBhVp87 ：2021/05/16(日) 18:20:52.64 ID:irOCZWBo0

ちょいと遅れましたがはじめます

982 ： ◆y1POWXBhVp87 [saga]：2021/05/16(日) 19:29:05.03 ID:irOCZWBo0

メタル看取「―――」

メタル看取？「ダメだねぇ、それじゃあ僕の計画が丸潰れじゃあないか」

上条「―――！」

メタル看取？「ねぇ上条君」

上条「木原、幻生…！」



・・・・・

ｽﾞｽﾞｽﾞｽﾞｽﾞｽﾞｽﾞｽﾞｽﾞ…ｽﾞﾝ…



黒垣根「……お、天井が元に戻った」

イサク「ハァ…ハァ…そろそろ、この翼抜いてくれねえか？　ここに警策看取はいない…すでにグランドに落とした」

イサク「くく、中途半端だが、奴は完全なるゴレムに近い存在になった。――もう少し！もう少し調整を加えれば、アレは完璧になる！！」

イサク「おまえがここにいてもムダだ！　ここにいるのは、ただの出来損ないの野球人形だけだ！」

イサク「なんならおまえを完全なるゴレムにして、永遠の命をくれてやってもいい！！　そうすれば下の娘は助けてやる！！　警策よりおまえの能力の方がやりやすそうだ！！」

黒垣根「あ？何言ってんだ？　てめー」ﾂｶﾂｶ

イサク「え？」

黒垣根「あの小娘がどーとか、完全なるゴレムだかガンダムだかがどーとか、俺にとっちゃあ興味なんてねぇよ」

イサク「………！？　警策看取とは仲間じゃないのか！？」

黒垣根「バカ抜かせ。アレとはただの協力関係だ。アイツは学園都市をぶっ潰したかった。いや、ただただ復讐がしたかった。マヌケにも失敗したがな」

黒垣根「だが俺は生憎と学園都市をぶっ潰したいとは思ってねぇし、復讐なんてもう考えちゃあいねぇ」

黒垣根「単に警策とは利害が一致していただけだ。上条に手を貸したのはおまえらが調子ぶっこいて好き勝手するのが癪だったからだよ」

黒垣根「どうした。助かる当てが外れたか？　ん？」ﾆﾀﾆﾀ

イサク「―――」ｸﾞﾇﾇ


獄彩「嘘が下手ね。相変わらず」


黒垣根「ついてきたのかよ。てめーら」

獄彩「私、野球は観戦専門よ。プレーも応援も好きじゃないの」

エステル「………」

エステル「蛭魅…」

イサク「マヌケ、俺はイサクだ。エステル＝ローゼンタール。おまえのご先祖様の残留思念で作られた野球人形だ」

イサク「もっとも、この姿なのはイサク＝ローゼンタールの最期はこの姿だったからだ。勘違いするなよ」

エステル「………そうか。なら、安心して貴様を葬れる」ﾁｬｷｯ

イサク「舜帝の剣――の、レプリカか。あの時のより精度が落ちてる。急ごしらえか？」

イサク「ハハ、舐められたものだ。そんなオモチャで俺が殺せるものかよ」

エステル「……確かに。これは精々符を身体から出させるしか出来ない……だが、イサク、貴様を止めることなら出来るはずだ！」

イサク「やれるもんならやってみやがれ！」

イサク（……そんときは自爆術式でこの部屋を吹っ飛ばす！　どうせ死ぬんだ、道連れだ！！）


獄彩「やめておきなさい。どうせ、この小物っぽいこの女…ああ、中身はオジサンだったかしら…まあいいわ。小物の事だから自爆で道連れだ、とか考えているんでしょ」

イサク「……」

獄彩「ねえ、そんな事をしていいのかしら？」

イサク「――――」

イサク（！？　どういうことだ…？　どうして急に、この女に『死んでほしくない』と思ってしまうんだ！　精神系の超能力か…！）

983 ： ◆y1POWXBhVp87 ：2021/05/16(日) 20:23:46.25 ID:irOCZWBo0

黒垣根「そうだ。それに、コイツにはまだ利用価値がある」

エステル「な！？」

イサク「―――」


黒垣根「喜べよイサク、おまえに一つ聞きたいんだが―――くそ、パイチチデカイが、中身がオッサンだと思うとヘドが出るな」

獄彩「あら、そういうのがお好み？」

黒垣根「バーカ[ﾋﾟｰｰｰ]」


黒垣根「てめーの命はまだ助けてやる。だがすべての要求を飲まないと、フレンダみたいに胴体真っ二つにすんぞ」

黒垣根「そのあとは好きにしな。生きるのも死ぬのも自由だ」

イサク「！　ク、だ、誰がおまえなんか――」

獄彩「聞きなさい」

イサク「………わ、わ、わかった！　お、俺は何をすればいい！！」

イサク（くそ、くそ！　この女の言う事を聞かないとダメだと心の底から思ってしまう！！）

黒垣根「まず、木原幻生が死んでも別のボディに疑似魂魄が移らないようにしろ。なんなら壊してくれてもいい」

獄彩「やりなさい。やらないと死ぬわよ」ｽﾞﾋﾞｼｯ

イサク「く、そ、この…―――はい」


イサク「これは木原幻生の予備ボディを維持するための霊装だ」つ符

黒垣根「寄越せ」ﾊﾞｼｯ

黒垣根「間違いないか？」ｽｯ

エステル「……ああ、その符は各所にある身体の腐敗を伏せぐよう、遠距離から指定できるよう設定されている。符に書かれた文字を書き直せば自壊できる」

黒垣根「やってくれ」

エステル「わかった」ｶﾘｯｶｷｶｷ

エステル「これでどうだ？」

獄彩「どう？」

イサク「……爆発って書いてないか？」

エステル「一番手っ取り早いと思ったが、ダメだっただろうか…」


ﾎﾞｶﾝｯ


黒垣根「部屋の隅に幾つか置いてあるなら先に言えや。おかげで爺の血肉でベッタベタじゃあねぇか」ﾍﾞｯﾀﾘ

獄彩「最悪ね」ﾍﾞｯﾀﾘ

エステル「……すまない」ﾍﾞｯﾀﾘ

イサク「これでいいか！？　これで木原幻生は死んでも生き返らない」ﾍﾞｯﾀﾘ


黒垣根「まだだ」

イサク「ええ！？」

黒垣根「これはあいつらへの義理だ。こっから本題だバーカ」

獄彩「さすが、性格が悪いわね」


黒垣根「俺の目的はただ一つだ。―――ローゼンタールの死霊術…てめーの技術で一人、生き返させろ」

984 ： ◆y1POWXBhVp87 [saga]：2021/05/16(日) 21:42:05.24 ID:irOCZWBo0

・・・・・


幻生「いやぁ困った困った。次に移るボディが爆発四散したようでねぇ」

幻生「次の依り代がなかったから仕方がなく、この体に居座らせてもらったよ」

幻生「警策君の生身だけど、一応彼女と僕の脳波は調整済み。一か八かだったけど、僕の疑似魂魄が彼女に宿ってくれて助かった」


『ボール』ﾊﾟﾝｯ


上条「嘘、だろ？」

幻生「垣根君がイサク君を脅してなにかやったのかな？まあいい。彼の代わりはいくらでもいる――例えば、子孫のエステル君とかね…」



『ボール』ｽﾞﾊﾞﾝｯ



上条「幻生、てめぇ…」

幻生「まあそう怒らないでくれ。僕だっていよいよダメだって思っているんだ。イサクくんを抑えられたなら、外にいるゾンビたちが機能停止になるのも時間の問題」


『ボール』ｽﾞﾊﾞｯ


幻生「ゾンビと不在金属の液化人影で圧倒的数の有利で挑んだ野球勝負には二死満塁２ストライクとあと一歩で追い込まれ」

幻生「液化人影も活動に限界を迎えている。うん、これは僕の失態だねぇ。そしてエスケープとしての切り札も潰された」


『ファウル』ｶｯ


幻生「もう僕はおしまいだ。君たちの勝利だ。僕は敗北者になり、敗れ去ってあの世へ行くだろう」

幻生「そして僕が念には念を入れて完璧だと踏んで実行した計画は無残にも破綻し瓦解して」

幻生「街中にいる野球人形たちは一掃され明日には学園都市は元の通り活動し始め、生きている者皆、何があったか忘れ、知らずに日常を過ごすだろう」




『ボール』ｽﾞﾊﾞｯ


上条（……くそ、フルカウント…技術は警策らしいが、嫌らしさは更に上だ！　ボールで逃げてもファウルで粘られる。球数を要しても麦野が先に根を上げる！）


幻生「―――ふざけるな」


上条「！」

幻生「ふざけるな！　僕はまだ、まだ、まだまだまだ、やらなくてはならないことが、やりたい事が山ほどあるんだよ！」

幻生「死んでなるものか、死んでなるものか！　僕はまだ死ねないねぇ。だって僕には夢がある！」

幻生「君たちが日常を愛するなら、僕は非日常を望む！」

幻生「日々に常に刺激を！　刺激には科学を！　科学には発展を！　発展には犠牲を！　犠牲には目的を！　目的には過程を！　過程には憎悪を！」

幻生「憎悪こそ目的を与え、憎悪こそ犠牲を払うに相応しく、憎悪こそ発展を促し、憎悪こそ科学を創り、憎悪こそ刺激的に日々を回す！！」

幻生「憎悪、憎悪、憎悪憎悪憎悪憎悪憎憎憎憎憎憎憎悪悪悪悪悪悪ぉぉおおおおおおお！！！」

幻生「あははは、若いっていいねぇ！　見てよ上条君！　こんなにバットを振ってもちっとも腰が痛くない！！」ﾌﾞﾝﾌﾞﾝﾌﾞﾝﾌﾞﾝ!!!

幻生「素晴らしいねぇ羨ましいねぇ。羨ましくて憎いよねぇ。うん、実に良い！　ここで一発ホームランを打って、逆転しようじゃあないか！！」

上条「狂ってる…」

幻生「狂ってる？　はは、何を今さら――科学に狂気は憑き物さ」

幻生「僕はこれっぽっちも諦めちゃいない。これから華麗に逆転勝利を挙げる。君たちは勝ったつもりでいるかもしれないがねぇ」

幻生「野球はツーアウトからだ」

幻生「君たちに勝利して、僕はこの夢のような力を持って、1日学園都市統括理事長の権限を持って、文字通り一日で学園都市を科学の地獄に染め上げよう」

985 ： ◆y1POWXBhVp87 ：2021/05/16(日) 22:09:38.71 ID:irOCZWBo0

幻生「何人犠牲になるかなぁ。いいねぇ、夢が膨らむ！」

幻生「夢のような科学を！　私はずっとずっと永遠に発展し続けるために、君たちに勝利する！！」


幻生「憎悪こそ科学だ。野球も然り。憎悪のままに、君の全力を尽くしてきたまえ」

幻生「配球を読むのは無駄だねぇ。コントロールなんて概念がないピッチャーに配球読みはむしろ邪魔！」

幻生「ここは力と力の勝負だ」

幻生「さあ、Payoff pitchだ。来たまえよ、上条当麻君。憎しみのままに！」


上条「――――」

上条「ふざ、けんな…」

上条「憎しみで野球なんて出来るかよ。野球は楽しいものだ。憎しみなんてもんがあっていい訳がねえ」

上条「いいぜ、ここで勝負だ木原幻生。憎しみがおまえの全てだというのなら―――その幻想をぶち[ﾋﾟｰｰｰ]！」




上条「麦野！　思いっきり投げてこい！！　球威はまだ死んでねぇ！！　ストレート思いっきり、俺のミットめがけて投げてこい！！」

幻生「はは、いいねえ！　ストレート予告とは、オールスターの藤川球児みたいだ！！　来たまえ麦野君、君の限界を超えた姿が見てみたい！！」

麦野「さっきからペチャクチャペチャクチャっるさいわよそっちで…」ﾊｧﾊｧ

麦野「何が何だか分からないけど」ﾌｩ―――ｯ

麦野「面白れぇ…やってやるわよ…これで最後――！」ｻﾞｯ

麦野「だぁぁ！！！」ﾋﾞﾄﾞｭﾝｯ



幻生（ハハハ、いい集中力！！　150m/h後半のストレートが見える！見えるぞぉ！　これが若さの動体視力！！）

幻生（麦野君も最後の最後で失投だ！　速さに慣れたバッターにど真ん中のストレートなんて、もう打って頂戴と言わんばかりだよねぇ！！）


麦野「――――」

上条「――――」

幻生「ははは、貰っ――――」ﾌﾞﾝｯ


ｽｯ


幻生（――――な、バカな）


ｽﾞﾊﾞｧｱﾝｯｯｯ



幻生「―――た…？」




実況『さんしぃいいいいいいいいいいんん！！！！』

実況『バットが空を切った！！！　試合終了ぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおお！！！！！』

実況『5時間半を超える長いゲームが今、幕を閉じましたぁあああああああああ！！！』

実況『最後に投じた一球の球速が―――165km/h！？！？？』

カチューシャ『………なんて女だ、ここに来て限界を超えたけど…凄いな』


上条「しゃああああ！！！」ｶﾞｯ

麦野「どうだゴラァァアアアアアアアアアアアアアアア！！！」ﾊﾞｯ

浜面「おおおおおおおおおおおお！！！！」

絹旗「超ヤバい！超ヤバイですよ最後！！　球速表示見ました！？」

986 ： ◆y1POWXBhVp87 ：2021/05/16(日) 23:35:01.25 ID:irOCZWBo0

恋査「すぐにアイシングが必要です。靱帯が千切れている可能性があります」

美琴「ナイスピッチ！悔しいけど！」

結標「ま、偽物に本物が敗ける訳にはいかないわよね」

シャットアウラ「全員の勝利だ！！」

削板「違う！！根性の勝利だ！！」


実況『ナインがマウンドに駆けあがります！　ああ、ベンチからも選手たちが仲間たちが詰めかけます！！！』

実況『大量点差から逆転勝利！　チーム第七学区がまたしても学園都市野球史に残る伝説を打ち立てましたッッッ！！』

実況『おっと、放送時間もここで終わりのようです……カチューシャさん、一言どうぞ』

カチューシャ『野球は最後の最後までわからないという事がよく分かる試合だったけど……しかしよく戦ってくれた。上条たち選手は学園都市を上げて労いたいくらい。以上！　よくやったおまえら！！』

実況『実況は私と、解説はヘソ出しカチューシャさんでお送りしました。ナイスゲーム！！チーム第七学区！！』






麦野「体中が痛い…」

美琴「6時間もぶっ続けで野球とか…さすがにキツイわ…」

恋査「すぐに病院に行きましょう。みなさんも、すぐに」

結標「私の能力ですぐに地上に送るわ」

上条「あ、俺は右手の関係上いけねえわ。とりあえず先に行っててくれ。俺はまだ平気だ」

恋査「わかりました…ではまた後程」




ﾋｭﾝｯ



幻生「…………」


上条（看取が…いや、看取の身体に憑いた木原幻生が、まだバッターボックスで座り込んでいる。まるで精も根も出し尽くした老人のようだ）

上条（他の液化幻影は、もういない。ただの液体金属になってグランドに水たまりになってる）

上条（俺は一人、灰色になった幻生に歩み寄る）



上条「幻生、おまえの負けだ」

幻生「……は、はは、そうか。私は敗けたのか…」


土御門「木原幻生だな？　姿は警策だが、憑依したか」


幻生「やあ、土御門君じゃあないか。アイレスターは元気かい？」

土御門「ああ、いつも野球ばっか見てる。久々の休暇だ。学園都市飛び出して横浜スタジアムにでもいるんじゃないのか？」

幻生「変わったねえアレイスター君は…」

土御門「ああ、おまえもな」

土御門「おまえはすでに野球人形でも科学者でも残留思念の疑似魂魄ですらない」

土御門「妄執に囚われたただの悪霊だ」

幻生「悪霊、ときたか。オカルトだねぇ」

土御門「陰陽師だからな」

土御門「陰陽師の見解としては、おまえは学園都市に漂った、『科学』そのものに執着する地縛霊に似た存在だ」

土御門「もっとも木原幻生は存命だ。だが食蜂に脳を弄り回された結果生まれた『生霊』だがな」

987 ： ◆y1POWXBhVp87 ：2021/05/16(日) 23:37:09.46 ID:irOCZWBo0

土御門「それが垣根が最初に作った野球人形に“たまたま憑いた”。それが始まりだ。逆に言えば、憎しみがそのたまたまのチャンスをものにしたって訳だが」

土御門「日本人形に子供の霊がとり憑くのはよくある話」

土御門「イサクもわかってたんじゃないか？　おまえが悪霊ってのを。おまえを疑似魂魄に加工して、別の人形に移し替える魔術を組み立てはしたが」

土御門「おまえの憎しみが続く限り、執着が残る限り、人形がなくなっても別の何かにとり憑くってのを」

土御門「それが同じ憎しみで、学園都市に復讐を企んでいた警策看取だった。それが今回の顛末だ」

土御門「ま、これで運の尽きだがな。残念だったな、木原幻生。ゲームセットだ」


幻生「私は、一体どうなるのかねぇ？」

土御門「消滅する。魂魄は死後、あの世に行き輪廻転生となるが、生霊は本体に戻るだけ。だが、本体の頭に自我がないなら、おまえは空中で分解される角砂糖だ」

土御門「俺は陰陽師だ。悪霊退治ならこっちの分野だ。つっても、俺の専門は風水だがにゃー」

土御門「――いざという時は天草式も呼んである。なんなら神父もいるぜよ」

幻生「そうか…ま、当然の報いという奴かねぇ」



上条「幻生…おまえの敗因は一つだ」

上条「おまえは執着と憎悪しかなかった」

上条「確かに憎悪は強い。感情論で言うなら最強の感情かもしれない」

上条「だが俺たちはそれ以外があった。仲間がいた。どんなに点差が離れても諦めない折れない心があった」

上条「そして成長をしたんだ。あんたと戦って、俺はまた成長した」

上条「グランドに来た奴ら全員がそうだ。圧倒的な敵を前にしても、憎悪じゃなくて、『絶対に勝ちたい』って気持ちが限界を超えたんだ」

上条「おまえは一人、ただ憎しみと生きる執着しかなかった。成長しなかった。だから俺たちに競り負けたんだ」

幻生「―――」

幻生「そんな、そんな事で、僕が敗けたのかねぇ…」



？？？『マ、そういうコト』

幻生「！」

幻生「警策君、君、自我が」

看取『ヨーヤク目が覚めたわ。二つの意味で。あんたがやっと落ち着いたからワタシが表に出れたし、憎しみで動く奴ってホントに醜いわーって目が覚めた』

看取『私、あんな目をしてたんだな…』

幻生「そう、いい反面教師になったようで何よりだねぇ」

看取『アンタにされた事、許せないけど、もういいや。ツカレちゃった。どーでもよくなったわ』

看取『身体の全部メチャクチャにされて死にたい…いっそ学園都市を巻きこんで自爆したい気分だけど、もういいや』

看取『憎しみとかアレだわ』

看取『メンドクサイ』

幻生「………」

幻生「僕の全てを一言で全否定しないでくれるかねぇ」

看取『ま、これもセイチョーって事で一つ』

幻生「………成長、か」

幻生「科学の発展に犠牲はつきもの……だが、そうか、それぞれの成長も、科学の発展に必要だったのか」

幻生「―――」ﾆｭｳｯ


上条「……看取の身体から、液化幻影が…」

看取「――――」ﾊﾞﾀｯ

液化幻影『…………』

988 ： ◆y1POWXBhVp87 ：2021/05/17(月) 00:00:03.69 ID:9NpbLvZV0

土御門「今度は液化人影に憑いたか」

メタル幻生『そういう事だねぇ』

上条（液化幻影は、木原幻生の姿になって佇んでいる）

メタル幻生『さあ、上条君。君の右手で殺してくれないか？』

上条「幻生…」

メタル幻生『土御門君がいう、私という悪霊がいる限りこのゲームは終わることがない。心変わりする前に一思いにやっておくれ』

メタル幻生『なに、躊躇することはない。私は元々あってないような影法師。殺人には当たらない。気に病むことはないはずだよ』


土御門「カミやんの右手なら、警策の能力である液化人影は解ける。憎しみの心が薄れている今、そのボディが崩れたら幻生の生霊は空中分解するはずだ」

土御門「やってやれ。それがせめてもの情けだ」

上条「――――」

上条「ああ、わかった」

メタル幻生『―――』ﾆｺｫ

メタル幻生『上条君、ありがとう。彼女には君から謝っておいてくれ。そして君たちの道行きに幸が――いや、憎悪がないコトを祈っているよ」

上条「………ああ、わかった」ｽｯ



ｷｭｨﾝｯ



・・・・・



上条「―――ああ、学園都市統括理事長権で警備員に、甲子園の地下にいるゾンビを掃討させる。黄泉川先生たちなら大丈夫だろ」

土御門「さーってなんだか長い夜が明けた気分だぜぃ」

上条「まったくだ。朝の9時だぜ？今」


看取（声が聞こえる。懐かしい声が。愛しい声が聞こえる）


上条「しかし雲川先輩がいて助かった」

土御門「今日の試合実況してたらしいぜぃ」

上条「深夜に生中継しててよかったのかよ」

土御門「さあ」


看取（大好きな人の体温と汗の匂いを、全身で感じている。ああ、これはダーリンの背中だ）


上条「ま、素っ裸で外に出さなくてよかった。なんで服一式もってたのかは謎だけど。―――変な気を起こすなよ土御門」

土御門「オレは妹以外欲情しないぜぃカミやん」

上条「さすがシスコン軍曹、レベル高いぜ」


看取（長い悪夢を見ていたような気がする。でも、もう夜は明けた）


ｽﾞｩﾝ…ﾁｰﾝ――ｶﾞｺﾞｫ…


看取（エレベーターの音と扉が開く音がした。そして太陽の眩しさと暖かさで完全に覚醒する）

看取（おはよう、警策看取。目覚めの時だ）


上条「おはよう、看取。気が付いたか？」

看取「うん、おはようダーリン」

989 ： ◆y1POWXBhVp87 ：2021/05/17(月) 00:01:28.58 ID:9NpbLvZV0

今日はここまでに
ありがとうございました


次週土曜日19時から、始めます
エピローグまでもたせたかったけど、足りないなこれ…

990 ：以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]：2021/05/22(土) 11:55:12.18 ID:IGICwEQEo

次あったら試合の進め方考えた方が良いよな
流石に長すぎる…

991 ： ◆y1POWXBhVp87 [saga]：2021/05/22(土) 20:45:45.59 ID:M7P0LHVh0

最後のスレを立てました
このスレは埋めてもらって結構です
1000には（可能な限り）願いを叶えてしんぜよう…

https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1621682726/#footer

992 ：以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]：2021/05/22(土) 20:48:03.08 ID:IGICwEQEo

埋め

993 ：以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]：2021/05/22(土) 20:48:43.23 ID:9O6CRreT0

もう終わっちゃうのに願いも何も

994 ：以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]：2021/05/22(土) 20:48:59.84 ID:IGICwEQEo

埋め

995 ：以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]：2021/05/22(土) 21:00:41.14 ID:TcSelaWDo

あ

996 ：以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]：2021/05/22(土) 21:01:15.44 ID:TcSelaWDo

あ

997 ：以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]：2021/05/22(土) 21:02:09.37 ID:lYyOfbk/0

埋め

998 ：以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]：2021/05/22(土) 21:02:24.04 ID:IGICwEQEo

埋め

999 ：以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]：2021/05/22(土) 21:04:20.60 ID:eMnUF+v90

あ

1000 ：以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]：2021/05/22(土) 21:05:27.99 ID:Gm8bWebJ0

完結したらまた新しい野球ものを
時系列は常に最新のってことにしといて参戦可能キャラ爆増

1001 ：1001 ：Over 1000 Thread

　　　　　　　　　　　,　-―　 、
　　　　　　　　　／　　　　　　 丶
　　　　　　　　/　　　　　　　　　　ヽ　　　　　　こんなにもスレ住民達がおじぎに飢えてるとは思わなかった
　　　　　　　 i　　　_,,＿ル,,ｒｮｭ 、 i
　　　　　　　 |　　ィ rっﾌ ,　弋ﾐｱ　|ｒ,　　　　　　　　　わたしの愛を　　全てのスレ住民に!!!
　　　　　　　_|　　"''"~ ﾊ 　 ハ　 　.i;{　
　　　　　　　} ;　　　　/　"　'　 ヽ 　 |ｊ　 _　　 ＼ニニニ ニニニ　　　
　　 　 　　 λヽ　　　　ｒ―''"入　 /ｲ/ﾊ:.:/{ ﾉ !:::::|　　　　＿__ノ^ヽニニニニニ
　　　　　 ／.::::: 　i　　 廷廾ﾆツ,　, -――- 、　/:::::/　／ 　 　　￣｀ヽニニニニニニ
　　 　 ／.::::::::::::::　i、　 -　／ -―- ､⌒Ｖ::::::/ ／／ ｊ＿__ノ、　　ヽニニニニニ
　　／ニニ、｀ヽ｀ヾ;　　ﾍ.イ　､＿_（　　 >　 ＼／ （__ ノニニニ　　 　 ＼ニニニニニ
　,仁ニニニ＼ヽヽヽ ∨　　　/ニﾆ＞彡＞--'）__ ノ　　 　｀ヽニ　　　　　＼ニニニニ
　ニニニニニﾆヽ 　 /　　 　 {ニニ＞ ´　｀¨¨´　　　　　　　　 ﾆ}　　　　　　＼＞''"´
　ニニニニニニﾆﾆ/　　　　 ∨　/　　　　　　　　　　　　　　　}八
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今の自分に正直に！ ＠ 2021/05/22(土) 09:28:22.02 ID:WOkvSjhko
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【ミリマスSS】もぐもぐ聖母 ＠ 2021/05/21(金) 21:04:50.63 ID:2Ixpj7kv0
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女騎士「囚人のジレンマだと？　くっ、悪趣味な真似を！」 ＠ 2021/05/21(金) 16:55:41.52 ID:fmoFc4UE0
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【安価・コンマ】俺「安価で斬る」【アカメが斬る】 ＠ 2021/05/21(金) 08:01:45.39 ID:vawQhE6H0
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安価とコンマでダンガンロンパ【オリロンパ】 ＠ 2021/05/20(木) 16:10:11.07 ID:JJCejOdKO
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【イナズマイレブン】世界への挑戦 ＠ 2021/05/20(木) 11:25:18.19 ID:ZWKyNkVN0
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