【あんこ】あなたは淫魔に襲われました【ファンタジー】

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2 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/07/17(金) 22:51:30.45 ID:9+Cq8p0M0





………

………………

………………………





3 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/07/17(金) 22:53:05.21 ID:9+Cq8p0M0

草木も眠るある深夜、本当に本当に深い夜のこと。

月明かりに煌々と照らされた大地の片隅に蠢く何か。

夢の国へと旅立ち休息を享受するあなたに忍び寄る影がありました。



【"あなた"はーー】



1.罪人
2〜9.貧民
10〜19.村人
20〜69.冒険者
70〜79.貴族
80〜89.王族
90〜99.亜人
00.英雄

4 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/07/17(金) 22:55:21.51 ID:Uc0/40HfO
au
5 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/07/17(金) 22:55:24.45 ID:9+Cq8p0M0

そう、あなたは冒険者という職業の人間です。

いえ、或いは生き方と呼ぶ人もいるかもしれませんが、それはそれ。

何にせよ生命を糧に日々を生きる一人の人間。

時には他者を傷付け、苛み、甚振り、殺すことさえあるのかもしれません。

しかし、それが誰であれ寝込みを襲うというのはあまり褒められたものではないでしょう。

いつの時代、どの場所であってもそれは変わらぬこと。

日々がどのようなものであっても意識を手放し眠りという救いに身を委ねているのです。

それを家族や恋人といった親しい者ならばいざ知らず、他人に侵されて良い筈がーー


淫魔「…………ふふ」



【"あなた"の魅力とは】



1〜24.容姿
25〜49.精力
50〜74.魔力
75〜99.武勇
00.全て
6 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/07/17(金) 22:59:04.62 ID:oMvZTAadO
7 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/07/17(金) 23:02:36.37 ID:9+Cq8p0M0

淫魔「ふふ……こんなに凄い精気を放っている人間なんて久々? いーえ、きっと初めて」

幸か不幸かあなたは人類においては最高レベルの精力を持った人間なのです。

普通の感性を持っていればまず間違い無く男性には嫉妬と同時に畏怖を抱かれるでしょう。

それも僅かな嫉妬と、同じオスという存在にも拘わらず隔絶したその際限無い精力への畏怖を。

まぁ、だからこそ人の、時にそれ以外の種族の精気を吸う魔性の女に狙われてしまったわけなのですが


淫魔「ま、ひ弱な男なら幾らヤってもつまらないかもしれないし……そのときはどうしようかしらね」



【冒険者としては】



1.魔術
2.物理
3.魔術
4.物理
5.物理
6.物理
7.物理
8.魔術
9.魔術
0.魔術
ゾロ目.両方
8 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/07/17(金) 23:12:46.33 ID:4mw7DsGvo
9 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/07/17(金) 23:15:36.01 ID:9+Cq8p0M0

【下一桁……7:物理】



淫魔「いえ、こんなに大きな身体で筋肉だらけの男がひ弱なわけも無し。
これで万が一体力的にアウトならそれはそれで笑い話として広めてしまってもいっか」

そうなのです、あなたが狙われたのにはもう一つ理由があります。

筋骨隆々としてまさに戦う為の肉体、或いは誰かを背にして守る為の武器。

それもまた淫魔などという化生の身を持った女に狙われた理由。

幾つもの刀傷に覆われてそれでもなお生命力漲る肉体。

女であれば好みはあれど凡そ男らしいと見上げる姿、それがあなたです。

淫魔「夜は短し盛れよ乙女とも言うし、それではおめざめー」

時は初夏。腰にある肌着のみを纏って仰向けに寝るあなたの分厚い胸板に形だけは嫋やかな掌が乗せられます。

しっとりと汗で湿った胸板を愛おしそうに、否、確かに愛しく思っているのでしょう。

艶かしさはあまり感じさせない手付きで、ただゆっくりとあなたを掌に染み込ませるように。

淫魔「私、睡姦ってあんまり好きじゃないの。だからほら……おはよう? 」



【…………】



1.自然と
2.握られる
3.自然と
4.握られる
5.握られる
6.自然と
7.キス
8.握られる
9.自然と
0.キス
ゾロ目.チャーム
10 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2020/07/17(金) 23:22:52.55 ID:X+BwZZpaO
おお、戻って来ましたね
11 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/07/17(金) 23:24:12.89 ID:9+Cq8p0M0

【下一桁……1:自然と】



「ん……んん…………はっ? お前はっ」



夢を見ない程に深く眠っていた気がする。

いや、見ていたけれど忘れてしまったのか。

そんなことはどうでもいいのだが、どうにも頭が上手く回らない。

まず眠りから覚めて目の前に女がいるというのは意味が……分からなくはないが今日は一人寝だった筈。

そもそも生まれたときから寝起きは良くない方ではあったが。

淫魔「おはようございます。類稀なる戦士にして女殺しの悪党様。今までに何人殺してきたの? 」

「……最近の娼婦は営業先に困って売り込みも強引なんだな」

しかも、口が悪い。

下町の女でも客に対してはもう少しまともな口を聞く。

いや、言いたいことは分かるし事が済んだ後ならば娼婦も冗談でそれくらい言うときはあるが。

12 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/07/17(金) 23:32:20.12 ID:9+Cq8p0M0

淫魔「あぁら……私をそこいらの人間風情、しかも娼婦と見間違えるなんてもしかして、目を? 」

「目をやられた戦士に生きる術など無かろうよ。……敵意は無いようだが

退け、と言おうとしたところで止められた。

それも無意味に大仰な、役者ぶった仕草で人差し指を唇に当てられて。

「私は、淫魔。あなたたち人間がそう呼ぶ者」

「……退け」

敵意は無いようだが結局は自分に害成す者、しかもただの暗殺者よりタチが悪い。

自分の精力にはかなり自信があるがさすがに魔の者とまぐわう程では無い。

聞けば彼奴らは人間には到底辿り着けぬ荒淫で男の精気を盗むのだという。

一瞬の快楽の為に精気どころか生気まで貪られてはたまったものではない。

「生憎と女に困ったことは無いし、お引き取り願おうか」

これでも引かないのなら、斬る。

言外にそう匂わせつつベッド脇に立て掛けた愛用の剣に手を伸ばしかけーー

淫魔「こちら、人界には初めて降り立った乙女でしてよ? それなりに物色してあなたしかいないと決めましたの」

「…………人の話を聞け」
13 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/07/17(金) 23:41:18.69 ID:9+Cq8p0M0

淫魔「……? 」

「…………お前はまず会話というものを覚えてから人界に来い」

相手は化生の女とはいえ殺伐とした雰囲気ではない。

魔術的な素養は人並だが相手にとって不足は無い。

聞けば淫魔というやつは人間の精気を吸うだけに飽き足らずそれを自らの力に変えるのだという。

一説によればその反対に自らの力を人間に分け与えることも可能だとされているが、どうだか。

それは本来元始の人間たる男を初めて誘惑し堕落させた女がその祖だからなのだというが、どうでも良い。

分かっている事実としてはこの女が俺とヤりたい、それだけだ。

そして今俺はヤりたくない、眠りに付きたい。

淫魔「そんなにヤりたくないのなら出直してきますけれど……ふふ」

「だから人の話を聞け。そして出直してくる必要は、無い」

淫魔「…………ふふ」



【帰ってくれ】



1.ーーこんなに雄々しくさせて
2.ーーこんなに雄々しくさせて
3.……好みじゃ、ないとか?
4.ーーこんなに雄々しくさせて
5.……好みじゃ、ないとか?
6.ーーこんなに雄々しくさせて
7.……好みじゃ、ないとか?
8.ーーこんなに雄々しくさせて
9.……好みじゃ、ないとか?
0.ーーこんなに雄々しくさせて
ゾロ目.面倒なあなたは私の目を見てくださーい(はぁと)
14 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2020/07/17(金) 23:42:11.81 ID:puHap0Jj0
恐怖におびえて、生き恥曝せぇ
15 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/07/17(金) 23:54:40.67 ID:9+Cq8p0M0

【下一桁……9:……好みじゃ、ないとか? 】



淫魔「……ん? 」

「…………」

見ないように、意識しないようにしていたのに、どつしても目が吸い寄せられてしまう。

目の前の女が言うところの人界では見たことも無い上質そうな生地でできた真紅の夜着。

その夜着は下品な程薄くは無いが不思議と身体のラインが浮き出る物だった。

露出自体は肩から手の先と太腿の半ばから下くらい、それと深い襟ぐりの中央に口を開けた見事な谷間。

少し身動ぐ度にその谷間が実に扇情的な揺れ方をし、初夏の暑さが僅かに淫魔を汗ばませている。

淫魔でも汗をかくんだな、なんてつまらないことが一瞬頭を過ぎる。

まぁ、汗みどろになって愉しむことの楽しさといったらないわけで。

彼奴らが伝承通りならば寧ろそこは外せないだろう、とか。

気付けば段々と相手にノせられて変に目が覚めてきてしまった。

「……好みだよ、最高に」

「! あらぁ、じゃあいい

「これでいいか? ほらほら、そんなにヤりたいなら隣の男はどうだ? 顔は中々に良かった筈だぞ。恥ずかしいなら呼んでやろうか? 俺は寝る」

これがたぶん最後の抵抗だ。

正直今物凄くヤりたい、この女と。

豊かでいて全く垂れていそうも無いハリのある肌理細やかな胸。

細くキュッとしたウェストと急激に女を感じさせてくる腰。

細過ぎず、いや寧ろ或いは好みが分かれるかもしれないムッチリとした脚。

そして熟練の職人が歳月を惜しまず手を加えたかの如き金糸。

「この宿屋、あなたの部屋だけ完全防音にしておいたから。あなたって激しそうだし」

「…………」

そんなことに魔術を使うなと言いたい。

それから指先をクルクルと回しながら得意げな顔をするんじゃない。
16 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/07/18(土) 00:02:23.24 ID:6lC8fS2y0

淫魔「ま、あなたがどうしてもヤりたくないと言うなら」

「言うなら? 」

物凄く、から途轍も無く、へ。

頭で考えていてその二つにどれだけの差があるのかが分からなくなる。

そんな言葉遣いどうでもいいじゃないか、ヤってしまえ。

そんな悪魔の言葉が頭の大部分を占め始める。

淫魔「その気にさせてあげるのが淫魔、というか女の甲斐性でしょう? 」

「ふざっけんなこっちは朝が早ーー

無理矢理に抑え込んだ性欲が溢れ出す、寸前。

あぁ、好みだよ、最高だよ、そう言って無礼な女を組み敷いて滅茶苦茶にしてやりたい。

しかしこちらも職業冒険者として外せない用があって、それを投げ捨てるというのは矜恃がーー



【さて】



1.チャームのお時間です☆
2.女の甲斐性。権能には頼らない
3.チャームのお時間です☆
4.女の甲斐性。権能には頼らない
5.女の甲斐性。権能には頼らない
6.チャームのお時間です☆
7.チャームのお時間です☆
8.チャームのお時間です☆
9.女の甲斐性。権能には頼らない
0.じゃあはい今日一日中嫌がらせ
ゾロ目.ところがどっこい一人じゃないゾ(はぁと)
17 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/07/18(土) 00:04:14.28 ID:G+V6bqJ7O
っふん!
18 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/07/18(土) 00:06:03.30 ID:nPCBavh/O
>>17
あんこだから意味ないぞ
19 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/07/18(土) 00:16:12.42 ID:6lC8fS2y0

【下一桁……4:女の甲斐性。権能には頼らない】



淫魔「初めて閨を共にする生の男にチャームだなんて女として負けですもの、ええ、天国までイかせてあげる」

ーーま、天界なんてそう良いものでもないけれど。

そんな呟きを聞いたのは温かな吐息が耳元にかかるくらいに近い場所で。

気付けば自分の身体はすんなりと淫魔の身体を抱き止め、俺は完全に寝台へ押し倒されていた。

淫魔「ふふ……ええ、素直になればいいじゃない。誰も、責めない、いいえ、誰にも責めさせないわ」

ーー責めさせるということは、つまり私が魅力的ではないということでしょう?

呟きは囁きへ、囁きは言葉にならない何かへ。

「ッ…………」

真っ白で汚れの全く無い上質な陶磁器染みた肌が温かな体温を伝えてくる。

胸板で潰れて変形した双丘はまるで天上の果実が如き艶かしさ。

その柔らかさと肌理の細かさは地上には到底存在し得ない、否、在ってはならない禁断の味だった。

「ン……チュ…………」
20 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/07/18(土) 00:22:24.59 ID:6lC8fS2y0

不味い、実に不味い。非常によろしくないことに勃ちが酷い。

これでいっそ勃たなければ、などというのはさすがに戯言か。

認めよう、認めなくてはならない。

この女を知ってしまえばきっと人間の女では終ぞ満足することは無いだろう。

天上において淫らが過ぎる故に放逐を決められた極上のメスと比べ得るものでは決してない。

この女と比較してしまえばきっと王国一の美姫といえど精々が婢女程度としてしか思えず、

ただの温かい薄布に逸物を滑らせる遊戯と同義になってしまう。

そんな予感染みた何か、期待という他無い獣性が全身に電流を迸らせる。

まだ、押し倒されて肌の感触と、それから首筋に吸い付く唇のスウィープを知ったばかりだというのに。
21 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/07/18(土) 00:36:27.20 ID:6lC8fS2y0

「ッ……! 」

刹那の思考を遮った感覚は首筋のスウィープが鎖骨を降り、胸郭まで到達したからだった。

蛞蝓が這った後のような跡が窓から差し込む月明かりに照らされて銀に輝く。

それすらも何か魔的な香気を放っていたが何よりも重要なのは酷く鋭敏になった身体への刺激。

彼女の唇が胸郭まで降りてきたということは自然、彼女の身体全体も下げるということ。

人間としてはかなり大柄な彼の上に乗る化生は、しかしどれ程スタイルに優れていても所詮は女。

胸板辺りに顔があるということはつまり彼の股間と彼女の股座が丁度同じ位置に来るということでーー

淫魔「ちゅ……ふふ、やっぱりヤりたいのでしょう? 」

犯したいのでしょう? 組み敷いて滅茶苦茶にしたいのでしょう? 己の欲望に従って女を壊したいのでしょう?

さぁ、その意志を開放して差し上げなさい。頭には性欲だけ、瞳には私のことだけ写していなさい。

天へと屹立した肉槍は肌着の窮屈さと目の前の女を貪りたい意識を抑える理性に牙を剥いている。

こんな生意気な女、自分に従えさせないと、嘘だ。

下らない理性や常識など投げ捨てて楽になってしまえ。

淫魔「いいのよ、それで。理性的な男は嫌いではないけれど、正直な男はもっと好き」

言外に語りかけてくる女の瞳は勝ち誇っているようでーー



【…………】



1.五月蝿い唇を塞ぐ
2.いっそこのまま奉仕される
3.魔性の丘を鷲掴む
4.五月蝿い唇を塞ぐ
5.魔性の丘を鷲掴む
6.魔性の丘を鷲掴む
7.五月蝿い唇を塞ぐ
8.いっそこのまま奉仕される
9.いっそこのまま奉仕される
0.はぁいまだまだ私のターン(はぁと)
ゾロ目.襲撃
22 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga sage]:2020/07/18(土) 00:38:47.30 ID:6lC8fS2y0

すまない……すまない……
>>1のターンが尽きました
酔って建てたのは後悔していないけれど、力尽きた

こんなところでぶん投げたりはしないので、暇なときに覗いてもらえればとても嬉しいです

それではまた
ありがとうございました
23 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/07/18(土) 00:42:17.41 ID:SNmMzsEkO
続き気になるのに不定期?
24 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/07/18(土) 04:00:00.81 ID:TLM7FfO4o
期間を心よりお待ちしておりました
早速1割抜いてて安心すら覚える
25 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/07/18(土) 04:00:27.06 ID:TLM7FfO4o
帰還
おつです
26 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga sage]:2020/07/18(土) 17:04:08.93 ID:sEkwVDBYO

>>23
不定期になるかと思います。
ただ数回で畳む予定なのでそんなに(長引かない限りは)かからないかと

夜また来ると思いますが次の表まで少しだけ


しかし何故>>1の素性が暴露るのか
27 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga sage]:2020/07/18(土) 17:04:58.78 ID:sEkwVDBYO

【下一桁……0:はぁいまだまだ私のターン(はぁと】



淫魔「でーも……まだ勝手に触れていいとは言ってないわ」

胸板を降りて腹筋を滑った先に今はヘソまで顔が到達している。

滑り落ちる様はなめらかで艶やか。

彼女は男を困らせたり生殺すのが好きなのか果実の先端は既に硬く主張しているようで。

筋肉に擦れた際の艶やかな声と細めた目はそれすらまるで悪魔の魅力そのもののようで。

緩やかに下腹部で押さえつけられた、否、お楽しみはこれから、と宥められた肉槍は限界を超えて張り詰める勢いだった。

女王然とした性の極致と言える容姿とその目的や仕草に反してだが、

彼女は男を軽く責めつつも奉仕することに悦びを覚えるタイプであるらしい。
28 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga sage]:2020/07/18(土) 17:05:43.31 ID:sEkwVDBYO

淫魔「ン……ところで」

「……? 」

酷く、痛みさえ伴う忍耐の痛苦に苛まれながらも数分前と比べればまだそれなりに余裕が出てきた頃。

執拗に甘く責められるヘソと、クッキリと肌着に浮き上がった怒張をふんわりと押し潰す豊かな柔さを楽しんでいた頃。

殆ど触れてもいないのに湿り気を帯び始めた淫魔の下着、レースが擦れる感覚を片方の太腿で楽しんでいた頃。

何が楽しいのかまるで上肢と下肢が別人であるかのように細やかで、一種変態的なくねりも一流の芸術を観るように思えてきた頃。

女が、笑った。それは凡そ化け物とは表現できない、単なる町娘が咲かせた小さな野花。

それでいて品を良く保ち、男に服従を見せつつも卑屈にはならない絶妙な微笑。

高貴でも野卑でも無い。そんな人間にはできない笑みが彼に向く。
29 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga sage]:2020/07/18(土) 17:06:14.28 ID:sEkwVDBYO

細く長い淫らな舌が彼女の唇をゆっくりと舐め回して。

数瞬前まであれが自分の身体を舐め回しキスを降らせていたのだと嫌でも感じさせられた。

それは、それだけで身震いする精神的な甘露だった。

理由なんてものは最早どうでも良いことだ。

これ程までに凄艶を振り撒く女に奉仕されるのならば。

人の身ならざる者にしか纏えない空気に溺れたとして、構やしないじゃないか。

淫魔「ところで、本当にこのまま続けてよろしかったのかしら? 」

「……は? 」
30 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga sage]:2020/07/18(土) 17:06:51.29 ID:sEkwVDBYO

精気に釣られてなのかはたまた単純に行為によってのものなのか。

初夏の蒸し暑さで彼女自身の発汗も大分進んだようだった。

胸元の深い谷間に溜まった甘露のような汗を彼の肌着にこれでもかと染み込ませながら淫魔がなにごとか宣った。

淫魔「私、プレイを全力で楽しむ気持ちはありますけれどやっぱりただの無理矢理はよろしくありませんものね」

ーー睦言はお互いが合意の下楽しむものでしょう?

「…………はんっ」

言わせたいのだ。自身の負けを、彼自身の口から。

彼が事ここに及んで自分を拒否するなど有り得ないと確信した勝者の笑みがそれを物語る。

あくまで誘った女と、誘惑されて獣に成り下がった男という図式が欲しいのだろう。
31 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga sage]:2020/07/18(土) 17:07:31.28 ID:sEkwVDBYO

淫魔「それとも、女にここまでさせて、無碍にする趣味でもあるの? 」

そんなことは無いと、素気無く返される可能性など微塵も有り得ないと信じ切った貌。

場末の娼婦や行きずりの女が相手で余裕があるのなら抗ってみて絡み合うアクセントにもしようけれど。

果たしてそれはこの場で正しい礼儀と言えるだろうか。

目の前の女、はどうでもよろしいとして、こう、男の子的に。



【夜はまだ始まったばかり】



1.無言で手を伸ばす
2.……敗者にどうか服従のキスをお許しください
3.無言で手を伸ばす
4.無言で手を伸ばす
5.……敗者にどうか服従のキスをお許しください
6.……敗者にどうか服従のキスをお許しください
7.無言で手を伸ばす
8.……敗者にどうか服従のキスをお許しください
9.無言で手を伸ばす
0.ところがどっこい死んでも治らない負けず嫌い
ゾロ目.襲撃
32 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga sage]:2020/07/18(土) 17:08:24.91 ID:sEkwVDBYO

夜また来ます恐らくきっと
33 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/07/18(土) 17:36:19.99 ID:a7gFZ/mAO
はい
34 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/07/18(土) 18:18:24.47 ID:TLM7FfO4o
淫魔に勝てる訳ないだろ!
たんおつ
35 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga sage]:2020/07/18(土) 22:33:19.01 ID:sEkwVDBYO

とかなんとか言ってたら野暮用ですよ申し訳無い
今日はちょっと難しいから明日にでもまた来ます

それとキャラクタの名前って募集してもいいですか?
無くてもいいけどあったらちょっといいかなって唐突に思いました

まぁでも取り敢えず明日は来ますすみません
36 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2020/07/18(土) 22:47:13.70 ID:vu90vtJHO
んー、なくてもいいかな
今までのも固有名詞なかったし
相変わらず味があって好きよ
37 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/07/18(土) 23:50:05.18 ID:TLM7FfO4o
おつおつ
1がつけてくれるならあってもいい
つづきおまちしてます
38 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/07/19(日) 00:39:52.74 ID:VovIc31cO
安直だけど淫魔ならリリスとか
39 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/07/19(日) 00:47:38.49 ID:9pxS24tBo
M向けっぽいシチュエーション
淫魔でM向けといえばサキュバス戦記思い出す
40 : ◆cKDALETpQ6 [saga sage]:2020/07/19(日) 19:12:54.17 ID:iDInhXbfO

それならまぁ無くてもいいですね
何か無ければこのままで

あともう少し遅くなってから来ると思いますがトリップはこれで

それからどんな方向に行くかは分かりませんお願いします
41 : ◆cKDALETpQ6 [saga sage]:2020/07/19(日) 19:13:30.30 ID:iDInhXbfO

【下一桁……8:……敗者にどうか服従のキスをお許しください】



忌憚無く、憚り無く、そして衒い無く本心を。

善行には感謝と祝福を、罪には罰を、そして敗者には断罪と赦しが相応しい。

淫魔「よろしい。……さ、男を知らぬ乙女の扉が何処にあるかはご存知? 」

大仰に、殊更芝居がかった仕草はまるで舞い踊る踊り子のようでいて不思議と気品があった。

或いはそう、傅くことで魔術的な契約が為されるというのなら、

その決断と選択にはきっと相応しいそれは魔性と無垢の混じり合う矛盾した粋美。

「……当然、その唇に」

敗者、という語感から推せばそこはきっと秘処、あるいは足の甲。

寝台に昇った演者とすればそれは手の甲だ。

けれど敢えて上唇と下唇の間、心が吐息と共に漏れる深淵に刹那の愛を。
42 : ◆cKDALETpQ6 [saga]:2020/07/19(日) 19:13:58.18 ID:iDInhXbfO

淫魔「それでこそ、ね。…………一差し、あなたを捧げなさいな」

流されに流され無理矢理昂らされた身体は不思議と軽い。

両腕は淫魔の腰と背中に回したまま腹筋だけで上半身を持ち上げる。

寝台に座ったまま対面した彼女は、美しかった。

神の正反対に坐す真性の化け物でありながらその美貌は神域に達する弥終の更に極致。

釣り上がった猫の目が如き真紅の宝玉に見つめられれば、

男ならば皆等しく這いつくばり己の不明を恥じる他無い。

嗚呼、醜くも無様に反抗して詫びの入れようも御座いません、と。

殊更相手を小馬鹿にする意図が有るにせよ無いにせよ、
その紅玉と合わさって口角を僅かに上げる笑みは蠱惑的で、嗜虐的だ。
43 : ◆cKDALETpQ6 [saga sage]:2020/07/19(日) 19:15:25.06 ID:iDInhXbfO

「御名を、お聞かせ願えますか? 」

芝居がかったお姫様には役者ぶった返答を。

「本来ならおしえてあげる義理は無いけれど……そうね、初めての相手、最初で最後の相手だものね」

「最初で、最後……? 」

「精気を吸うだけならば淫夢を見せるだけで良い。
生気を奪うだけなら使い魔を取り付かせるだけで十分なの、私たちって」

「は、はぁ……」

「だから、あなたたち言うところの淫魔というのは本来無垢な愛をこそ……

「愛を、こそ? 」

「いえ、今この場では下らないことね。…………」

「…………ん」



契約は、成された。
44 : ◆cKDALETpQ6 [saga]:2020/07/19(日) 19:15:53.02 ID:iDInhXbfO

一方的で独善的、ただひたすらに上下だけがある。

けれど、そこに否やは欠片も存在しない、合意の上での純然たる契り。

その瞬間だけは何があろうとも死の寸前まで忘れはしないだろう。

周囲の物音は何もかもが、寝台の軋みすら恥じらって。

いつの間にか首に回された華奢でいて確かに暖かい腕も、

胸板で無遠慮に押しつぶされた双つの果実も、

下腹でいきり勃ち泣き声を上げる肉槍を甘く押す秘処の湿り気も。

啜れば幸福感に浸されて死を迎えそうなそんな全ても、束の間頭から吹き飛んだ。
45 : ◆cKDALETpQ6 [saga]:2020/07/19(日) 19:16:26.76 ID:iDInhXbfO

淫魔「____……さ、触れても、いいわよ? 」

「…………はい」

相応しい名だと、信じた。

キスの後、耳元に舞った名は、ただただ相応しい。

思った、のでは無い。それは彼女の名であり、彼女だけに許された称号。

昏く沈んだ暮夜の支配者たる彼女にのみ許された響き。

「んっ……ふふ、私、逃げないけれど、逃がさないから」

獣性を許された従者、或いは下僕を押し倒した美姫がふわりと笑む。

その声が届いたかどうか。

従者といえど根本的には無礼で遠慮の無い獣であるのだ、彼は。

否、彼女の前に立てばどんなに清貧を尊ぶ聖職者とて卑しい淫者に成り下がるのだが。

「ッ……ぁ…………

さして柔軟でもない寝台に押し倒された所為で肺の空気が漏れ出る。

漏れ出た空気を吸おうとして開いた口は彼の主人によって再度封をされた。
46 : ◆cKDALETpQ6 [saga]:2020/07/19(日) 19:16:53.30 ID:iDInhXbfO

淫魔のクセに初めての乙女と宣う彼女のキスはいっそ暴力的。

こちらの呼吸など全て無視し、封殺し、そして反論を許さない。

歯茎を舐られ絡め取られた舌は表面から削られるように吸い上げられる。

それなのに反抗しようと舌先でちょっかいを出せば返されるのは酷く芳しい唾液だった。

下らないことを言えばきっとそれは一雫で一生を遊んで暮らせる程に高価な魔薬の原料となる。

意中の男を籠絡する媚薬にも、反抗的な女を破壊する催淫薬にもなり得るそれはまさに聖水。

そんなものがそのまま、何も手を加えられず、空気にすら触れるのも惜しいとばかりに口腔を満たして、流し込まれる。

圧倒的に華奢な女に組み敷かれキスだけで犯される、そんなことは矜恃が許さないこと、だった。

けれど今は寧ろこれこそが、こうでなくてはならない絶対の主従関係。

そうなれば、主人から与えられた麻薬に頭を侵され身体の自由を半ば奪われるのも致し方無い、泥沼の幸福だ。
47 : ◆cKDALETpQ6 [saga sage]:2020/07/19(日) 19:17:22.90 ID:iDInhXbfO

淫魔「っふぁ……」

「っはぁ……はぁ…………っ」

漸く、解放された。

時間にしてしまえば数瞬の出来事ではあっただろう。

けれど、天上の美姫に直接脳を弄り回され神経の配列を幸福に置き換えられる痛苦的な幸福は時を、曖昧にした。

しかも彼の主人は暴力的で絶対的でありながら、根幹には労わりと癒しがあり、奉仕的でさえあった。

彼の身体を気遣うように這い回る右手と、顎を捕らえて逃がさない左手と。

ある種矛盾したその振る舞いがまた彼の脳を沸騰させ神経を灼き切るが如き快楽を齎す。

48 : ◆cKDALETpQ6 [saga sage]:2020/07/19(日) 19:17:53.66 ID:iDInhXbfO

淫魔「んふ……」

貪られいいように弄ばれた遊び場から名残惜しそうに離れる笑み深い唇。

そこから首筋と胸板に垂れ落ちる銀の橋が美しい。

淫魔「はしたないけれど私もあまり我慢はできない、かな」

そう溢して、彼女は彼の最後の守り、或いは反対に枷となっていた一枚を勢い良く引き裂いた。

同時に、レースに縁取られた赤い下着も紐を解かれ寝台を滑り落ちる。

それはべったりと湿り、硬い木の床に新しい水溜りをつくっていく。

千切れて投げ捨てられた肌着が覆っていたのは凡そ人の世では憧れぬ者のいない逞し過ぎる怒張。

女の奥を殴り付け、屈服させ、自らの欲望を流し込む覇者の肉槍。

それは主人の絶佳に震え、散々に焦らされたことで獰猛にそそり立っていた。

幾ら主人とはいえ、凄絶な程に艶かしく美しい女を前にしてそこは変わらない獣の意志。

それを愛おしそうにさすり少しだけ息を吐いたのは武者震いのようなものか、それとも緊張だろうか。
49 : ◆cKDALETpQ6 [saga sage]:2020/07/19(日) 19:19:17.14 ID:iDInhXbfO

淫魔「……上になる無礼をお許しください、旦那様? 」

言葉だけは恭しく奉仕的で、そこには強者として獲物を逃がさない蹂躙の徒が君臨していた。

子供の腕程もある赤黒い極太の長槍を捕まえて、自らの濡れそぼった秘処へ宛てがう姿はやはり主人然としていて。

けれどその対比は確実に奉仕する側の弱々しい姿に見えて。

ーー何か、これが契約後最初の選択肢、無言の岐路なのだろうか、なんて。



【従者か下僕か奴隷か、それとも】



高い程痛苦的、低い程愛念的
また数字が近い程シンクロ
0は10

←淫魔(二桁目):“ あなた ”(一桁目)→
50 : ◆cKDALETpQ6 [saga sage]:2020/07/19(日) 19:20:09.18 ID:iDInhXbfO

チッ……低い……

こんな感じでまた来ます
51 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/07/19(日) 19:52:00.93 ID:oeSkpFS1o
淫魔いいなこの性格

おつー
52 : ◆cKDALETpQ6 [saga ]:2020/07/19(日) 22:07:46.18 ID:riJACanJ0





………

………………

………………………

53 : ◆cKDALETpQ6 [saga]:2020/07/19(日) 22:08:26.97 ID:riJACanJ0

【淫魔:1……これ以上無い愛念的な絶頂】
【“ あなた ”:4……かなり愛念的な快楽】




淫魔「あっはっ……なに、これぇ……ッ」

貪欲で暴力的、その全てが女を殺すカタチをしたオスの肉凶器。

反り返った槍は娼婦が思わず泣いて詫びたくなる程に、エグい。

膣道をこれでもかと削りそうなカリ、何本も太い血管が浮き出た刀身。

単純な大きさだけではなくカタチそのものが男らしさを煮詰めて凝縮したような怒張。

それがその殆どを初めてに戦慄くメス穴に突き立てられている。
54 : ◆cKDALETpQ6 [saga]:2020/07/19(日) 22:09:17.39 ID:riJACanJ0

それなのに、この瞬間何を最も感じるのかといえばそれは痛みではなく愛念的な多幸感の奔流だった。

肉の感覚的に言えば淫魔とはいえ破瓜の痛みからは逃げられないし、

一気に九割方の侵入を許して身体の奥を殴られた衝撃が内臓を直接揺らし電流のような感覚で脳を灼いている。

初めての緊張を殊更に芝居がかって過剰な演技で誤魔化していたツケか、

それともそれなりの時間をかけて淫夢で男を物色するなどという舐めた真似の代償か。

自分を主人と認めた筈の男は暴力的で一方的な行為だけではなく、

ひたすらに慈愛と献身に満ち満ちたゆったりとして、それでいながら激しい情愛を伴う行為で反抗していた。
55 : ◆cKDALETpQ6 [saga]:2020/07/19(日) 22:09:45.07 ID:riJACanJ0

まずは挿入れた瞬間、耐えた。

広がりきった傘が膣道を通る数瞬、耐えられた。

槍の根本に近い太くなった部分の圧迫、震えた。

粘性の腺液を垂れ流す硬い先端のキス、無理だった。

無理矢理拡げられているのに、それは優しく。

我武者羅に突き通されていても、それは優しく。

絶対に逃がさないという拘束も、それはまだ優しく。

しかし刹那の空白の後、猛った怒張は彼女の最奥を確かに押し潰し、打ち抜いていた。
56 : ◆cKDALETpQ6 [saga]:2020/07/19(日) 22:10:16.92 ID:riJACanJ0

淫魔「っは…………はぁんっ」

息が、苦しい。

内臓を強く圧迫する感覚が脳髄を揺らし、

またしっかりと存在を主張する太幹の遺物感が神経を細切れにするかのよう。

それでもまだきっと本気ではないのだろう、

従者は従者らしく主人に牙を向けないように耐えているのだ、彼は。

快楽に顔を顰めているのは本当に心から愛おしい。

汗と彼女の唾液でベタベタとした顔に髪が張り付いている様は人間たちのつくった最高峰の彫像が如くあって。

自分の美しさには及ばないけれど、認めてもいいかな、なんて。

いや、認めたからこそ自分の破瓜血を与えたのだからそれでこそ、なんて。

それらは全て千々に千切れて纏まらぬ益体の全く無い戯言。

一言で表してしまえば、情愛だった。

肉欲的な痛苦が、溢れる愛と献身で漂白されて、塗り替えられている。
57 : ◆cKDALETpQ6 [saga]:2020/07/19(日) 22:10:45.06 ID:riJACanJ0

房事なんてただの食事、粘膜が触れ合うだけの些事。

そんなことを言っていた年上の同族に初めて憐れみを覚えた。

きっと彼女には男を見る目がまるで無かったのだろう。

下らない、路傍の石にも劣る者としか契りを結べなかったのだろう。

それでは、人間たちが言い伝える淫魔像そのものの唾棄すべき魔物ではないか。

だって、こんなにも優しくて激しい矛盾した瞬間が幸せではなくて何だっていうのか。
58 : ◆cKDALETpQ6 [saga]:2020/07/19(日) 22:11:22.79 ID:riJACanJ0

一人の男になんて縛られたくない。あくまでこちらが主人であちらは道具。

そんなことを宣う見た目だけは可憐な同族には心底からの侮蔑を向けてしまった。

彼女は、ただの淫乱で、私たちの仲間なんかではないのだ。

確かに私たちの種族は男の精気を生命力に変えることができるけれど、

それは相手に与えることもできる相互的な愛の交換なのだ。

それを、ただ貢がれるだけの契約に貶めるなんてそれは自らの堕落と怠惰に他ならない。

幸福への勘違いとパートナーを定められない不幸への無意識的な諦念だ。
59 : ◆cKDALETpQ6 [saga]:2020/07/19(日) 22:11:48.29 ID:riJACanJ0

深い、深過ぎる程に深遠な絶頂が刹那で彼女を塗り替えた。

あんなにも演技と主従関係の強調で遊んでいる風を装ったのに、意味が無かった。

余裕なんて殆ど破壊されて、吹き飛ばされてしまった。

まだ、初めて咥え込んだだけなのに。

激しく痛め付けることもできるのに、それをしない。

否、ただしないだけのその純粋さにこそ最も激しく痛め付けられる。

こんな、ただ精力の強いだけの人間に、従者に、慮られるだけなのがただ優しく辛い。

琴線を鷲掴まれて、優しく握り潰されるような矛盾して乱れた感情と理性の混ざり合い。

混濁した世界は、優しいのが辛くて、辛いけれど快感で、快感は優しさだ。
60 : ◆cKDALETpQ6 [saga]:2020/07/19(日) 22:12:15.42 ID:riJACanJ0

「…………暫く、このまま」

淫魔「っ…………」

そうだ、彼はまだ何か動いたわけではない。

主人たる彼女が捕らえて、腰を下ろして、貫かれて、勝手に愛に堕ちて絶頂しただけだ。

きっとこれはちょっとだけ不幸で、最高に幸福感な行き違いと巡り合わせ。

彼女の種族的な体質と、彼の超人的な身体能力が嵌っては駄目なレベルで噛み合ってしまったのだ。

彼程の肉槍で、しかも騎乗位で破瓜を迎えたい女なんて人間にはいないだろう。

けれど、彼女は人間ではなくて、ある種女も男も舐めきっていて、そして主人で。

快楽には滅法強く、それでいて感受性も抜群な身体が激しい痛苦を塗り潰した代わりにそれを快楽に変換したのだ。
61 : ◆cKDALETpQ6 [saga]:2020/07/19(日) 22:13:02.43 ID:riJACanJ0

淫魔「んっ……いい、から。触れてっ、もいいと約束、したじゃない……っ」

約束は、守らなければならない。

それも、主人がその従者にした契約はすなわち絶対の契り。

お遊びの契約なんかではなかった、今ではそう言える。

そこに魔術的なものや観念的な何かが介在していたわけではない。

そんな無粋なものは無くても、これは契約だったのだ。

何はともあれ、ここで彼の優しさに溺れてしまっては恥知らずにも程がある。

破壊されて塗り潰された感情は兎も角、明滅する意識をはっきりさせるためにも、

そしてこの初めてを一瞬の輝きに終わらせない為にも。
62 : ◆cKDALETpQ6 [saga]:2020/07/19(日) 22:15:47.52 ID:riJACanJ0

淫魔「ほぅら……こういうのは、如何かしら? 」

敢えて、快楽と行き過ぎた多幸感に濡れた秘処を締め付ける。

それだけで仰け反って喘ぐ従者の表情に仕合わせを覚えた。

もっと、もっと、もっと、もっと!

更に深く遠く果てしない坩堝へ二人だけで堕ちてしまいたくなった。

二人だけで、誰も、何も存在しない、極地で、ただ。

淫魔「っ……ヤ…………ぁんっ」

ーーけれど正直、腰を振る余裕はまだ、無い。



【崩壊する理性(とプロット)】



1.果実
2.抱き締め
3.抱き締め
4.果実
5.抱き締め
6.抱き締め
7.果実
8.抱き締め
9.果実
0.鷲掴む
ゾロ目.襲撃
63 : ◆cKDALETpQ6 [saga]:2020/07/19(日) 22:16:27.41 ID:riJACanJ0





………

……………

…………………

64 : ◆cKDALETpQ6 [saga]:2020/07/19(日) 22:35:38.20 ID:riJACanJ0

【下一桁:2……抱き締め】



「……? 」

何か、しただろうか。

彼の主人たる女が、くたりと彼の胸板に崩れ落ちるように倒れ込んできた。

あまりの痛みに姿勢を保てなくなったわけではないだろう。

何せ、彼女の言葉通りぴったりと閉じ切っていた秘裂からは多めに破瓜の血が流れている。

まさか淫魔が、それも超然とした艶やかな美女が生娘だなどと誰が信じよう。

しかも彼の如き人外染みた肉槍を初めて咥え込むのに騎乗位から始める女が何処にいよう。

そんな、ある種常識的な意識が胸板に落ちた彼女に疑問を投げ掛けたのが一つ。
65 : ◆cKDALETpQ6 [saga]:2020/07/19(日) 22:36:05.82 ID:riJACanJ0

それから、彼女の見事なまでの果てっぷりだ。

彼はその業物に違わず常人では到底至ることのできない耐性を持ってはいる。

荒淫、という程の暴れ振りだったわけではないがそれなりに経験もしてはいる。

百歩譲って彼が一突き、強引に押し入ったその一撃で堕ちた女もいなかったわけではない。

だがそれは十分にお互いが絡まり合い、前戯を尽くして解した結果だ。

まさか殆ど雰囲気だけで濡れそぼった女が腰を下ろして勝手に登り詰めるとは思わない。

しかもその自称処女は破瓜の聖血が証明してしまっている。



ーー正直よく、分からない。
66 : ◆cKDALETpQ6 [saga]:2020/07/19(日) 22:38:24.16 ID:riJACanJ0

「ん……ちゅ」

「ん…………っ」

分からない、分からないことだけれど、しかし。

彼女が淫魔であることとか、逸物を締め上げる甘やかでいて激しい快楽は事実で。

力の抜けた彼女が無心で欲しがるのならば、

精を吐き出したい気持ちも滅茶苦茶に突き上げたい欲求も耐えて。

ただ緩く抱き締めてキスを返す。

本当はこのまま突き上げ、この女の肉をグズグズにしてやりたい。

生意気で少しだけ小馬鹿にしたような笑みを二度とできないようにしてやりたい。

けれど、そんなつまらないことよりもきっと大切なことがあって。

それはただ彼女を抱き締めることだと、甘くキスを返すことだとそう思ったのだ。

零れた涙がスッと頬を伝い溢れ落ちて、胸板で汗と混ざり合った。

67 : ◆cKDALETpQ6 [saga]:2020/07/19(日) 22:46:37.42 ID:riJACanJ0

「う、ごかないの……? 」

「ん……」

暫く軽い、それも初心な少年たちが交わすようなキスを返し合い、何かを確認するように繰り返した。

それが徐々にまた肉欲に満ちた深く、貪るようなものに変わっていって。

どこか心細さを見せるような、捨てられまいとする貌が目の前にあった。

はち切れそうな程に張り詰めた逸物は相変わらず食い千切ろうとするかのような秘唇に食い締められている。

射精してしまおうと思えばそれは簡単に決壊させてしまえそうでは、あった。

どうせ流し込んでしまうのなら好き勝手に動いて高く高く意識を落とすような場所でイき果てたいのも確か。

女を前にしてこんなにも自制したことなどあっただろうか。

不思議と、それが嫌では無い自分という状況に変な笑みさえ溢れそうなときだった。
68 : ◆cKDALETpQ6 [saga]:2020/07/19(日) 22:51:18.75 ID:riJACanJ0

淫魔「もう、良いわ。慣れ、てはいないけれど、うん。これ以上甘やかすのなら、怒る」

怒る、なんて子供っぽいことを言って、ソレは笑った。

「…………ッ」

その笑みが、切っ掛けだった。

淫魔「あっ……! はっ…………んっ……はぅ…………っ! 」

決壊したのは肉体の限界ではなくて、理性の堤。

押し寄せる獣性でもなく、何処にでも転がっていそうな情愛でもない。

想うだけで絶頂し過ぎるが如き意味の分からない衝動だった。
69 : ◆cKDALETpQ6 [saga]:2020/07/19(日) 23:00:53.54 ID:riJACanJ0

緩く抱き締めた腕を彼女の背中に回す。

珠の汗に塗れた背中は滑らか過ぎて恐ろしかった。

まるで神が手ずから捏ね上げ磨いたが如き肌理は触れただけの掌を捕まえて離してはくれない。

淫魔「ぁ……背な、っか! だめっ…………! 」

オープンバックにも程がある淫らな衣装は汗を吸い過ぎて最早意味を成してはいない。

彼女の背中を余す所無く味わいたい、手を滑らせたい、滑る手に悶えて彼の眼前で仰け反る顔を見たい。

思ったときにはもう、手が動いてしまっていた。

淫魔「あ、あぁ……っ」

太腿まで伸びていた夜着をまくり上げるのも面倒だ。

腰を軽く突き上げて彼女の抵抗を無くした後は然程難しくもない。

肩紐に腕を通すのは省略してしまった。

淫魔「結構気に入っっっっ……っふっあっ…………! 」

力任せに破き捨てた夜着はぬめった音を立てて木の床へ、落ちた。

70 : ◆cKDALETpQ6 [saga]:2020/07/19(日) 23:09:08.90 ID:riJACanJ0

「申し訳、無い。……でも、もう耐えられ、ないっ! 」

淫魔「! はうぅんっ! 」

最初は弱く抑えていた抽送を少しずつ、ではなく一気に加速させる。

彼女の顔が苦痛を浮かべていれば止められたかもしれないが、

淫魔が浮かべていたのは紛れも無く女の至福で。

こんなにも悦んでくれるのなら、止めるなんてとんでもないことだ。

豊かな桃尻を鷲掴み逃げ場を奪い激しい抽送を繰り返す。

その一度毎にキュッと締め上げられる逸物への愛撫。

胸板で潰れて早鐘のような鼓動を伝える双つの果実。

切なさと快楽と、灼ききれそうな理性を見せる美貌。

その全てに得も言われぬ愛情が湧き上がる。
71 : ◆cKDALETpQ6 [saga]:2020/07/19(日) 23:21:59.06 ID:riJACanJ0

「もっ、う……無理だっ」

淫魔「わたしもっ、わたしももっ、う……イくっ」

元々登り詰めかけた身体に蠱毒のようなうねりと締め付けはまさに致命的で。

掴んで逃げ場を奪った桃尻の柔らかさも、

抱き締めた所為で更に強く押し付けられ胸郭に汗を塗りたくる豊かな胸も、

何より、華奢な身体を震わせて幾度も軽い絶頂を繰り返す彼女の美しく歪んだ貌に狂わされる。

激しかった抽送はより激しく、苛烈に、けれど有乎無乎の優しさをせめて掻き集めて。

味わう余裕なんてものは無く、ただ無心で腰を突き上げ天を目指す。

どちらかが言葉にしたわけではない。

けれど刹那でお互いが分かってしまった、理性ではなく本能が理解する頂きへの階梯。



ーー登り詰めた先に何があるのかは、知らない。
72 : ◆cKDALETpQ6 [saga]:2020/07/19(日) 23:30:22.59 ID:riJACanJ0

淫魔「っっっっーーーー……………………! 」

「ーーーーーーーー…………っ」

唐突に、言ってしまえば呆気無くその瞬間はやってきた。

片や、最早止め処なく溢れ水溜りさえつくれそうな程の涙で目尻を一杯にして。

此方、既に限界を越えて決壊を抑えながら振りたくる腰に力を込めて。

射精の高い奔流は中々止まらなかった。

波を吐き出し竿を脈動させている間にも、深い絶頂に伴う収縮が精を搾り取る動物の様に肉槍を食い締める。

行き過ぎた快楽は次々に押し寄せ、意識を痛苦にも似た快感で押し流していく。

その絶頂感が永遠に続くような、そんな錯覚さえ与えられる至福の頂き。

淫魔の子宮はしかし、その洪水染みた吐精の圧にも負けず全てを貪欲に飲み干していった。
73 : ◆cKDALETpQ6 [saga]:2020/07/19(日) 23:35:07.20 ID:riJACanJ0

「っ、ふぅ…………」

淫魔「…………………………………………っ」



ーー意識はなんとか、保っている。

たった一回の射精でこんなにも脱力するのも致し方無い快楽だった。

彼女のナカに突き立て欲望を流し込んだ怒張はその張りを弱めつつも、

未だ終わりなど許さないと次を待ち望んで燻っているけれど。

完璧に弛緩して口の端から唾液を溢している淫魔は目の焦点が合って、いない。

「ん……なぁ、おい…………おーい……? 」

淫魔「ぁ……ん…………はぇ? 」



ーーまるで、こちらが悪いことをしたような気がした。襲われたのは、自分なのに。
74 : ◆cKDALETpQ6 [saga]:2020/07/19(日) 23:43:54.96 ID:riJACanJ0

「……………………」

淫魔「んふ…………Zzz」

朝が、来た。

しかし心地良い疲労感など無く、それどころか何故か身体が嘘のように軽い。

今ならば魔術など使わずとも空を翔ることができそうな程に。

これが、彼女の言っていた” 与える ”ということだろうか。

淫魔「…………んん……Zzz」

「……………………」

しかし、寝惚けているわけにもいかない。

彼女の、昨夜の振る舞いからは想像できないことの他いたいけな寝顔を眺め続けたいわけではなかったけれど。



【……さて】



1.唯一にして最高の絶頂
2.唯一にして最高の絶頂
3.あれから(←桁回)ヤりました
4.唯一にして最高の絶頂
5.あれから(←桁回)ヤりました
6.唯一にして最高の絶頂
7.あれから(←桁回)ヤりました
8.唯一にして最高の絶頂
9.あれから(←桁回)ヤりました
0.唯一にして最高の絶頂
ゾロ目.あれ、そういえば朝陽を見るのって二回目では?
75 : ◆cKDALETpQ6 [saga]:2020/07/19(日) 23:45:45.47 ID:riJACanJ0





………

……………

…………………


76 : ◆cKDALETpQ6 [saga]:2020/07/19(日) 23:53:45.39 ID:riJACanJ0


【下一桁:6……唯一にして最高の絶頂】



淫魔「…………嗚呼」

「何を黄昏ているんだお前。飯が冷めるぞ」

身体が根本から造り替えられたような感覚は未だ続いていて。

今でも空を飛び大岩を一撃で破壊できそうな程に力は漲っている。

けれど、肝心の情報を聞き出したい相手は起きてからずっとこの有様だった。

無理矢理に叩き起こしよく冷えた布で身体に纏わり付く嫌な汗と名状し難い体液の成れの果てを丹念に拭き取った。

その後は何処か虚空から勝手に取り出した薄手のチュニックを着て、この有様。

最初に取り出したのはエゲツ無い切り込みの入った衣服とも呼べぬレース編みの下着だったが、

拝み倒し常識を説き頼むからまともに食事ぐらい食わせろと頼み込んでようやっと、

渋々選ばせた服であるのはこの際忘れることにしなければならない。

77 : ◆cKDALETpQ6 [saga]:2020/07/19(日) 23:59:49.43 ID:riJACanJ0

淫魔「まっさかねぇ……いやいや…………有り得無いわこれ」

「有り得無いのはお前の常識だ馬鹿」

物憂げに宿屋が出したスープを掻き混ぜる姿はただそれだけで美しい。

巨匠の人生最後に残した傑作と言っても差し支えない程に彼女は絵になった。

残念な常識力は兎も角としてそれはまさしく昨夜お互いを貪り合って、

ただ一度の深過ぎる絶頂を分かち合った相手である。

「……要らんと言うのなら俺が食べ

淫魔「食べないとは言ってない。主人の食事を奪うなんて躾のなっていない畜生にも劣るわ」

「…………」

耐える、ひたすらに、耐えた。

宿屋の主や他の客から無駄な注目は浴びたくない。

ただでさえ一人客だった筈が見たことも無い美貌の女と食事に降りてきたのだ。

無用の注目は害でしかないだろう。
78 : ◆cKDALETpQ6 [saga]:2020/07/20(月) 00:07:54.99 ID:/OzpEjmy0

「…………で? 説明してくれるので御座いましょうね、我が敬愛すべきご主人様」

淫魔「そういうわざっとらしい飾った言葉、嫌いなの」

「…………」

話が進まない。ついでに蓄積される苛々は止まらない。

彼が自らに更なる忍耐の訓練を課している間に、

漸く掻き回し続けていたスープに口を付け、顔を顰める。

その姿すら美しいのは反則だと思ったが、口には出さない。きっと得意気な顔をされて余計腹が立つ。

淫魔「食べていいわよわんちゃん」

「はいはい。……で? 何故俺はやたらと身体が軽くて今にも踊り出しそうなんだ? 」

79 : ◆cKDALETpQ6 [saga]:2020/07/20(月) 00:13:53.10 ID:/OzpEjmy0

淫魔「んー……まぁ、面倒な話を省いて適当に大雑把に話してあげると愛と性欲の融合パワーね」

「…………」

昨日の晩、美しく蠱惑的で、それでいて幼気で神聖でさえあった寝顔に免じて二回戦に進まなかったことを激しく後悔した。

次があれば三日は腰が上がらずまともに生活できないくらいには責め立ててやろうと心に決めた。

「……俺の知っている限りでは生気を吸い上げるのは淫魔で、人間は吸い取られた後死ぬ筈だが」

さして上手くない二皿目のスープを胃に流し込みながら問いかけを続ける。

人間の伝承ではサキュバスやラミア、夢魔といった数いる淫魔達は皆一様に人間を食い物にする存在である。

一夜、或いは数夜の果てに生命ごと搾り上げ、何処かへと去っていく。

それが彼の、恐らく彼と同様周囲の人間が持つ淫魔観とも言うべきものである。
80 : ◆cKDALETpQ6 [saga]:2020/07/20(月) 00:18:38.51 ID:/OzpEjmy0

淫魔「一概に嘘では無いけれど……んー……」

「お前が昨日口走っていたように、それは相互間で行えるものだと? 」

淫魔「それでも決定権は主人たる私側にあるわけだけれど、そうね」

「……そうかい」

つまり、今の彼は自分の有り余る性欲と彼女の愛欲が合わさって生まれた力に満ちている、と。

取り敢えず化け物染みた力が完全に彼女の眷属となった証では無いようで少しだけ、安心した。

淫魔「私たちの種族って本来は随分と下級なのよね。
あなたたち言うところの魔物の中では例えば戦闘が不得手」

物憂げに、それすら絵画的に。

美しい金糸を指先で弄びながら淫魔がゆっくりと説明を続けていく。
81 : ◆cKDALETpQ6 [saga]:2020/07/20(月) 00:28:39.39 ID:/OzpEjmy0

淫魔「でも、それはあくまで私たちの祖があなたたち人間の祖と口論になって放逐されたときの話」

「十字教の教えでは勝手に家出したことになっているけどな」

淫魔「あっそ」

そこには興味が無いのだろう。今度は指先を自らの金糸ではなく彼の切り揃えた髪へ向けてきた。鬱陶しい。

「邪魔だ暑苦しい。……昔、元始の男はその肋骨から妻となる女を授かった」

淫魔「けれどその前に、神は男と同じく土塊から女を創造していました」

「が、その女は同じ土塊から生まれた男と対等であると主張したのでした」

淫魔「それも当然のことと一時は納得した男でしたが、結局は女を放逐し、
神に頼み込み自らの一部から従順な妻を生み出してもらいました」

「めでたしめでたし。……概ね同じ流れなわけだな、最初は兎も角」

淫魔「もっと細かく話せば違うわよ? 私たちの言い伝えではその部分で一冊だもの」

「はぁ? 」
82 : ◆cKDALETpQ6 [saga]:2020/07/20(月) 00:32:23.85 ID:/OzpEjmy0

淫魔「まず、そうね。同じ土塊から生み出されたとき二人は平原に二人だったわけ」

「あぁ」

淫魔「ね? 分かるでしょう? 」

「……何が? 」

淫魔「何って男女が二人いて他に誰もいなければヤることは一つしか無

「淫魔に学術的な興味を持った俺が馬鹿だったよ」

淫魔「ふーん……ま、聞きたくなればどうぞ。説明しながらあなたの身体に実地で刻み込んであげるから」

「言ってろ」

彼女の話を聞けば聖典の一端を知ることができるかとも思ったがそんなことは無かった。

実に淫魔的ではあるが、それだけだった。
83 : ◆cKDALETpQ6 [saga]:2020/07/20(月) 00:35:55.07 ID:/OzpEjmy0

「まぁ、理由は分かったさ。これからどうするんだ? 」

いつまでも宿屋の食堂で喋り散らかすわけにもいかない。

本来であればこの後はこの街で日銭になりそうな仕事を探す予定であったが、

さすがに一晩閨を共にした女の行き先を訊かぬわけにもいくまい。

とどのつまり単なる社交辞令である。

淫魔「私が決めてもいいの? 」

「? 」

淫魔「?? 」

「???? 」

淫魔「? 私、少なくとも暫くはあなたに着いて行くけれど」

「……ご冗談がお上手ですね、ご主人様」

どうせそんなことだろうとは思っていたが、事実は重くのし掛かる。
84 : ◆cKDALETpQ6 [saga]:2020/07/20(月) 00:41:12.09 ID:/OzpEjmy0

「端的に訊こうか、お前強いの? 」

彼はこれでも一端の冒険者で、鍛えているのは下半身だけではない。

最も得意な得物は片手でも両手でも戦況に応じて扱える長剣ではあるが、

槍も、槌も、二つを合わせたようなものでも武器と呼べる物はそれなりに扱える自信がある。

その彼が請け負う仕事は殆どが荒っぽいものばかりである。

モンスター狩りでも捕獲の為の露払いでも、

或いは人間の盗賊集団を相手にする殲滅戦や偵察であっても。

結局は殺し殺されることが通常営業の生命を賭けた賭博のようなものだ。

勝てば生命を潤す日銭を得、負ければベットした生命ごと全てを奪われる。

ただそれだけだが、彼は人生においてそれしか知らないし、それでいいと確信している。
85 : ◆cKDALETpQ6 [saga]:2020/07/20(月) 00:49:54.87 ID:/OzpEjmy0

淫魔「まぁ……元々適当な人間よりは強いし、その辺の雑多な種族には負けないくらいだったけれど」

「あぁ、そうか。俺だけじゃなくてお前も生命的に強くなってるって? 」

淫魔「ええ、私たちはそうやって飛躍的に強くなったり補給することのできる生物だから」

「ふぅん……? 」

ヤれば相互に強くなる。補給も自前で可。

なんだ最強か。

「問題はたった一回のあれでどれだけ力を蓄えたか、だな」

彼の場合は身体が異常に軽く疲労感そのものを忘れたような感覚であることだけである。

確かにこのレベルであれば普段よりも快調である、とは言えそうだがそれは鍛錬を積んだからこその結果だ。

特に鍛錬を積んでいそうも無い彼女がいきなり剣を振り回して意味のある動きができるとは思えない。

それこそ、魔術的な許容量や電撃か何かの威力が増す、というのなら分からなくも無いが。

淫魔「そうねぇ……うーん……感覚的には」



【感覚的には? 】



1.人間の小集団への範囲攻撃くらい
2.強めのモンスターならまぁ一撃で
3.人間の小集団への範囲攻撃くらい
4.強めのモンスターならまぁ一撃で
5.人間の小集団への範囲攻撃くらい
6.強めのモンスターならまぁ一撃で
7.強めのモンスターならまぁ一撃で
8.人間の小集団への範囲攻撃くらい
9.強めのモンスターならまぁ一撃で
0.元々バフデバフ盛り盛りの剣士だゾ☆
ゾロ目.小国くらいならまぁ一瞬だゾ☆
86 : ◆cKDALETpQ6 [saga sage]:2020/07/20(月) 00:50:56.77 ID:/OzpEjmy0

危ねぇ……

取り敢えずどんな方向かは分かりませんがもう少しやります
やりたかったことは大体できた

また良ければよろしくお願いします
ありがとうございました
87 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/07/20(月) 01:05:43.56 ID:yUpL/fYTo
おつあつ
まだここではゾロじゃないってコンマ神が
88 : ◆cKDALETpQ6 [saga sage]:2020/07/20(月) 10:46:02.04 ID:4P7go0JO0





………

……………

…………………



89 : ◆cKDALETpQ6 [saga sage]:2020/07/20(月) 10:47:23.65 ID:4P7go0JO0

【下一桁:7……強めのモンスターならまぁ一撃で】




淫魔「私、何故着いて来させられたのかしら」

「お前が暫く着いて来るって吐かしたんだろうが」

ついでに戦力としても。一撃で強力な相手を粉砕できるレベルの力を腐らせておくのは勿体無いにも程があろう。

淫魔「あれはあなたの行動する場所の近くにいるってだけで逐一野蛮な殺戮を見学するって意味ではなかったのに」

ーー私、飛べるし。

戯言は無視、呟きも無視、ついでに目の前を飛び回る羽虫を払う。

人目が無くなってからは足がダルいと宣ってふわふわと浮かび出した女は、

買って差し上げたローブも顔が蒸して不愉快だとほざいて今はフードを首に下げている。意味が無い。

その見目はどうしようもないとして見事な金髪は特に目を引く。

だからこそその両方を隠す為のロープだったのだが。
90 : ◆cKDALETpQ6 [saga]:2020/07/20(月) 10:48:56.01 ID:4P7go0JO0

「お前が何をしたいのかは知らんが俺にも大した余裕があるわけじゃないからな」

淫魔「そうね。身体だけは一級品なのに貧相な装い極まって涙が出……下賤な男に犯されるプレイっていうのも悪くないわね」

「…………はぁ」

万事が万事、この有様。

まともな話は長く続くことなど無く、酷いときには二言三言で淫語か淫魔的ジョークに流される。

そうでなくても根本的な性格からがして相手を煙に撒くのらりくらりと躱すタイプなのだ、彼女は。

一晩のまぐわいと半日にも及ばぬ会話で彼は既にその事実を認識させられていた。

せめて昨晩の超然としていて艶かしい、君臨していながら奉仕にこそ喜びを覚える女の十分の一くらいは保っていてほしかった。

淫魔というものが皆こうなのならば、男としては一人寝の夜に寂しく処理をする題目には一生使わないだろう。

顔の崩れ掛かった年増の街娼相手に目を瞑って身を任せた方が余程マシである。
91 : ◆cKDALETpQ6 [saga]:2020/07/20(月) 10:49:38.53 ID:4P7go0JO0

淫魔「あぁ……だる…………そうだ、あなた野外でって経験はあるの? 」

「あったらなんなんだ今はしないぞ変態」

ーーそれは私たちにとって褒め言葉よ。

とかなんとか聞こえた気がしたが、無視。たわごとは無視するに限ると今日だけで嫌という程分からされた。

「今回請け負った仕事は兎に角硬い鎧殻を持つ猪型モンスターの捕獲だからな。
お前の尻にアタックしている間に自分のケツを掘られるわけにはいかない」

淫魔「あっはは……! それ、良いわね。あなた是非こちら側に来なさいな。皆歓迎するわ」

「はいはい、考えておきますよご主人」

淫魔にジョークを褒められるというのは実は最低のセンスを持っている証拠だと思う。

正直自分でも無いな、と思った下ネタから笑い始める女に早くも慣れ始めたことに戦慄もするが。
92 : ◆cKDALETpQ6 [saga sage]:2020/07/20(月) 10:50:52.99 ID:4P7go0JO0

淫魔「えーと、なんだったかしら……皮の鎧を纏ったマゾ豚を探せば良かったのかしら? 」

「…………探せるものなら探してみろよ」

万が一、否、億が一そんな醜いものをこの深い森で見かけたら腹いせに切り捨ててやるが。

淫魔「あなた、魔術の嗜みは無いの? こう、パーっと探してみた方が早いわよ? 」

「使えなくはないが……どちらかというと戦闘向きだし前衛があまり消耗するのもな」

淫魔「だったら是非使ってみなさい。周りに被害も出さずにエロパワーの試し打ちができるから」

「あ、なるほど」

淫魔「アナル? 」

「終いには拡がり過ぎて戻らなくするぞてめぇ。……確かに今ならかなりいけそうではあるな」

いい加減深い森の中で巫山戯た問答しかできない女と歩き詰めなのにもうんざりしてきたところだ。
93 : ◆cKDALETpQ6 [saga sage]:2020/07/20(月) 10:51:40.50 ID:4P7go0JO0

彼女の口にする名称は兎も角として実際に何かやってみなくては今後の為にもならない。

どれだけ効果が持続するのか、魔術毎にどれくらいの差が出るのか、疲労や心身両方の負担などなど。

一発のジャブが二発分になりました、では大した意味の無いフレーバーである。

淫魔「まぁ、こゆーい感じだったとはいえたった一度の契りだものねぇ」

フワフワ、フヨフヨ。相変わらず指先で肩甲骨辺りまで伸びた金髪を弄んでいる淫魔。

頭が軽過ぎて浮いているのが通常なのだろう。違和感も特に無い。

無いが、何か一人歩き詰めの自分が馬鹿に見えてくる。

仮に相当レベルで強化されているのなら自分もあれくらいやってみようか。

前衛的な戦闘力に不便を覚えたことは無いのだ。

それならば移動くらい楽にしたとして誰も責めまい。
94 : ◆cKDALETpQ6 [saga sage]:2020/07/20(月) 10:53:37.51 ID:4P7go0JO0

淫魔「んん……私の調査によるとあなたはーー

調査というよりはただの直感や勘の類いだろう、とは言わないでおいた。

愚痴愚痴と面倒なことこの上無いことが分かり切っていたからである。



【魔術的能力は君どうなのさ】



1.普通の中堅
2.使い手
3.普通の中堅
4.使い手
5.使い手
6.普通の中堅
7.普通の中堅
8.普通の中堅
9.使い手
0.や、ぼくぜんえーしょくなんで……
ゾロ目奇数.破邪
ゾロ目偶数.邪悪
95 : ◆cKDALETpQ6 [saga sage]:2020/07/20(月) 11:11:30.29 ID:4P7go0JO0

【下一桁:1……普通の中堅】



淫魔「普通ね」

「まぁ……そうだな」

淫魔「下手を打たなければ安定して力を発揮するけれどそれが限界。
あくまで剣技の補助、といったところかしら」

「それで十分だろうよ」

普通とはいってもここまで堅実に鍛錬を積んできたからこその能力である。

殊更称賛される程ではないけれど、逆に馬鹿にされたものでもないと自負している。

「ま、その方がどれだけ上増しされたか分かりやすいだろう?
取り敢えず周辺の状況を把握して大きめの生物を感知したら意識を向けてーー



【で、どうなったの? 】



1.一段階くらい
2.強くはなったかな、くらい
3.一段階くらい
4.一段階くらい
5.強くはなったかな、くらい
6.一段階くらい
7.一段階くらい
8.一段階くらい
9.強くはなったかな、くらい
0.現実は非情である。ほぼ変化無し
ゾロ目.永久なる御力の氷撃。相手は死ぬ
96 : ◆cKDALETpQ6 [saga sage]:2020/07/20(月) 11:16:06.64 ID:4P7go0JO0

【下一桁:9……強くはなったかな、くらい】



「ん、んん……見つけた、かな」

淫魔「それは重畳。マゾ豚だかメス犬だか知らないけれどさっさと捕まえて帰ってヤりましょう」

「まぁ、幸い近いし余裕だろうが……おい」

淫魔「何? 」

「実感できなくはないが大して変わってないぞこれ。
多少鋭敏ではあっても例えば火球を生み出すなら誤差だ」

淫魔「信仰心が足りないのね。もっと私に貢いで崇めなさいな」



ーー下半身に魔力を吸い取られた従者君?
97 : ◆cKDALETpQ6 [saga sage]:2020/07/20(月) 11:16:33.09 ID:4P7go0JO0





………

……………

…………………

98 : ◆cKDALETpQ6 [saga sage]:2020/07/20(月) 11:23:36.10 ID:4P7go0JO0

鎧殻猪くんは何事も無く捕獲され深い眠りについたまま工房の集まる地区へと移送されていった。合掌。

淫魔「どうも私、豚って好きになれないのよねぇ……馬の方が好き」

「左様でございますか。……馬とヤったら馬も強くなるのか? 」

淫魔「私がその気になれば或いは。あくまで感情の交換が原則ではあるけれど」

慣れ、というものは恐ろしい。

思考無しで飛び出す自分の言葉が加速度的に彼女側に悪化している。

このままでは正直いつかどこかでボロを出す気がして恐ろしい。

淫魔「でも安心しなさい? 今のところあなたには死ぬまで取り憑いて差し上げる予定だから」

「今朝は暫くとか言ってただろうが」

淫魔「貢物で気が変わったの。従者の贈り物には誠意を持って返さなければならないでしょう? 」

「ばーか。……そこまで高いものでは、ないが」

淫魔「いいのよ、そんなのは。気持ちが大事っていうでしょう? 」

淫魔に正論を吐かれると正義が曲がる気がするが特に異論は無かった。

気持ちは確かに、大事だと思う。
99 : ◆cKDALETpQ6 [saga]:2020/07/20(月) 11:37:20.71 ID:4P7go0JO0

細やかな図柄に目を引かれた銀細工のバレッタ。

美しい金糸の川を纏めればきっと映えるだろう、なんて。

大きな鼾を上げる猪の後ろから一人でぼんやりと歩いていたときに考えてはいた。

早々に宿へと帰り夕食まで寝ているお宣言した彼女ではあるが、

猪を無傷で眠らせて宙に浮かせたまま街の入り口に運んだのは、彼女で。

まぁ、見目麗しい女に贈り物をするのも、喜んでいる顔を見るのも嫌いではなかった。

ある程度以上の蓄えもあるわけだし、多少は報いてやらねばならない、などと変に自分へ言い訳してみたりして。

それが結実したのは今回の依頼主だった馴染みの工房ギルドで、長と近況を語り合っていたときのことだ。

先程出来上がったばかりだという翅を広げた夜蝶の姿が綺麗な銀細工。

アクセントとしてある小さめの月のみ金色に輝いているそれは実に琴線を揺らして止まず。

言い値で、それも誰に渡すのかと絡まれるのも面倒だと吹っかけられた気もする値段で購入した。
100 : ◆cKDALETpQ6 [saga sage]:2020/07/20(月) 11:47:11.28 ID:4P7go0JO0

正直なところ懐はかなり、傷んだ。

今日の成果をマイナスにしてしまうくらいには。

けれど後悔は、していない。

なにせ、そう、気持ちが、大事だから。

淫魔「んー……こういう綺麗で大切なものを見てると」

「あん? 」

淫魔「壊したり汚したりする背徳感に背を撫でられるものよねぇ……」

「……あ? 」

壊れにくく汚してもいいもの、そう、いっそその辺の石ころでも渡してやればよかったか、なんて。

それが冗談なのは伝わる。変なことは口走るがそれはその場だけの他愛無い言葉。

だから、ひと睨みでこちらも仕舞いにした。
101 : ◆cKDALETpQ6 [saga sage]:2020/07/20(月) 11:50:08.70 ID:4P7go0JO0

「…………ま、故意じゃないなら、いいさ。また、買ってやるから」

付けるまでは手指で弄び続けて、いざ付けてみてからも何度も手を伸ばして触れてみたりして。

そんな姿を見せられていては、仕舞いにせざるを得ないじゃないか。

しかし、傷付きにくいものなら宝玉にした方がよかったか、

なんて考えた自分はもう終わっているかもしれない。



【で、実際は? 】



1.猪+α
2.猪+α
3.猪+α
4.猪+α
5.猪+α
6.猪+α
7.猪+α
8.猪+α
9.猪+α
0.猪+α
ゾロ目.大都市とか小国が買える
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