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【鯖鱒wiki】ふたたび坂松市で聖杯戦争が行われるようです【AA不使用】

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105 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/09/22(火) 20:57:25.94 ID:t/Txw/Hq0
いちたりない
106 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/09/22(火) 20:59:01.47 ID:PMVrYAib0
惜しい
107 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/09/22(火) 20:59:56.42 ID:PMVrYAib0
オリオンを刺した蠍とか?
安直だけど
108 : ◆6QF2c0WenUEY [saga]:2020/09/22(火) 21:13:59.18 ID:NdM4pX650

7:そりゃあね



「まあわからないかなー」
「何よ、もう……!」
「あはは。まあいいじゃん、バーサーカーは追い払ったんだし」

「考え方によっては令呪を使わせられた。オレ達が有利になったって事でしょ」
「そうかもしれないけど……」


ランサーからの返答に言葉に詰まらせるルゥナ
言われてみればそうなのだが、あれだけ無様を晒せば恥ずかしくもなるというもの

「でもマスターって案外ビビりなんだね」
「な、違うわよ!というか、何であんたは平気な顔してられるのよ」
「ほら、オレって計算速いし」「それ何の関係があるの!?」

「なんか、急に恐くなったのよ……あいつの姿を見た時に」


 ◆【恐怖の相貌】:A+    
  認識した物を恐慌状態へと陥れる悍ましき相貌。        
  同ランク以上の対精神スキルを持たない者は強制的に恐慌状態へと陥り全ステータスが1ランクダウンする。


「へぇーそれじゃ戻ろうか」「ちょっと!?」
「ま、バーサーカーの真名はその内わかると思うし!今日はゆっくり休もうか!」
「だから抱えて飛ばないでってーのー!!」

ルゥナを小脇に抱えて飛び立つランサー。夜の闇を高速で走る姿は、幸い発見される事は無かった


109 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/09/22(火) 21:25:39.34 ID:BW7lQUTvO
なんだろ。ギルタブリルかな。
110 : ◆6QF2c0WenUEY [saga]:2020/09/22(火) 21:51:14.36 ID:NdM4pX650




「ルゥナ。今日街の方に新しい店が」
「姫!近くののサ店で飯食べませんか!?」
「ウッザ……」

放課後。ルゥナは何故か取り合う花村と縦島の間で顔を渋らせていた
双方、勝手に自分と行くつもりになっている。ちなみにルゥナはどっちとも行きたくない

「何だよ縦島、ルゥナに惚れてんのか?」
「一目惚れだ悪いか!花村こそ姫に邪な考えを持っているんじゃねえだろうな!」
「ん?せっかくだし付き合っちゃおっか?」

「止めて欲しいんだけど……」

どちらも引くつもりは無いらしい。こっちは既にドン引きしているのだが、それには気づいていないようだ
この手合いは下手に断ると面倒な事になるというのは何となくわかる。ここは……


「そもそも、あたし用事あるんだけど?」
「あ、そうなの?」「いやそうでしたかー!姫は忙しいですからね!」

これで二人は納得した。後は適当な奴を捕まえて、さっさと教室から出ていこう
近くにいた女生徒の腕を掴んで外に出る。当の本人は、きょとんと不思議そうな顔を浮かべていた

「待たせたわね!それじゃ行くわよ」
「……後で謝ったげるから、あたしに付き合って貰うわ」


「あれ、あの子って名前何だっけ?」
「少々森かー!あいつ、いつの間に姫とー!」

「縦島、さっきから気になってたんだけどその姫って何?」
「惚れた女は全員姫だ!」「そういう意味じゃねーだろ!」


111 : ◆6QF2c0WenUEY [saga]:2020/09/22(火) 21:51:50.01 ID:NdM4pX650




「……ふぅ、これで大丈夫ね」
「あんたも災難だったわね。それじゃ」
「…………………………」

校門の前で女生徒を解放する。ルゥナに連れてこられても、無表情で顔を見るだけで
沈黙の間に、銀の髪が風に揺れる。透き通った印象の少女だがそれが逆に不自然に映った

「ちょっと……何か話しなさいよ」
「…………………………」
「無視?馬鹿にしてるの?そりゃ確かにあたしが強引に連れ出したけど……」

「…………………………」
「何か言いなさいよ!怖いじゃない!」
「…………さようなら」
「絞り出した結果がそれ!?」

結局答えたのはそれだけで。女生徒はそのまま帰路につく
それを強引に押し止めたルゥナ。彼女の手を掴み、無理矢理近づける


「あんた、名前は?」
「名前、名前。名前は、少々森 若子(ささもり わかこ)」
「そ、少々森ね。覚えてやるわ」

それだけを聞き出すと手を離す。用は済んだと言いたげに笑うと、ルゥナは背を向けて去っていった


112 : ◆6QF2c0WenUEY [saga]:2020/09/22(火) 21:53:22.51 ID:NdM4pX650

【本日はここまで。明日は夜行動から】

【おおまかな学生グループの面子は紹介し終えたはず。まだいますけどね!】
113 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/09/22(火) 21:55:24.37 ID:DcXWcjeB0
114 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/09/22(火) 21:55:46.75 ID:fzSprUXFO
115 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/09/22(火) 21:55:59.87 ID:Hqdtf6b2o
116 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/09/22(火) 22:00:45.65 ID:OStra00Z0
117 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/09/22(火) 22:00:51.65 ID:tqbUWyzf0
乙です
118 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/09/22(火) 22:07:28.49 ID:xjE2SU1+o

まだ出てない学生は学年違いとかか?
119 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/09/22(火) 22:12:15.57 ID:JP9GFZUzO
おつ
120 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/09/22(火) 22:15:41.44 ID:PMVrYAib0

他のサーヴァントも楽しみ
121 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/09/22(火) 22:19:00.75 ID:xjE2SU1+o
よく考えたら今出てる学生は全員御三家じゃないのか
前回の新重みたいなはぐれ魔術師がいるのかも?
122 : ◆6QF2c0WenUEY [saga]:2020/09/23(水) 19:53:46.51 ID:z2pAQoeX0

【それでは再開します】

【参加してくださる方はいらっしゃいますか?】

123 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/09/23(水) 19:54:58.87 ID:sUIP6EnQ0
うり
124 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/09/23(水) 19:55:05.28 ID:hmEmVpkHO
125 : ◆6QF2c0WenUEY [saga]:2020/09/23(水) 19:59:59.67 ID:z2pAQoeX0




「う、あう。ルゥナさん……」
「あら、ベルじゃない。どうかした?」

「どうして昨日連れていってくれなかったんですか……!?ベルの事、嫌いに……!」
「あんた寝てたじゃない!」


帰宅早々、ベルに抱きつかれる。放っておいた方がいいというルゥナなりの気遣いが裏目に出たのだろう
今度から寝ていたとしても連れていこう。強く心に決めるのだった

「あ、マスターおかえり。ちょっと話しておきたいんだけど」
「ちょって待ってて。ベルが……」
「何でも前回の聖杯戦争で「話を聞けーっ!」

「マスターをやっていた子は、まだ在学してるんだって。二年前なんだよね?」
「……何ですって?」

何気ない様に話すランサーの言葉に、ルゥナはベルを放り投げて距離を縮める
前回のマスターが学校の中にいる。この情報はルゥナにとっても極めて重要なものだろう

「何でそんな事知ってんのよ!ずっとパソコン弄ってただけじゃない!」
「いやーそれがさ。市長のデータベースを軽くハッキングしてみたら前回の聖杯戦争のデータがあって」


「……市長の?」
情報の出所は、およそ聖杯戦争とは無関係そうな名前からだった
困惑の表情を読み取ったのか、ランサーはパソコンの画面をこちらに向けてくる



126 : ◆6QF2c0WenUEY [saga]:2020/09/23(水) 20:01:03.92 ID:z2pAQoeX0




「ほらこれだよ。入念に隠されてたけど」
「……本当だ。ドミトリイさんの名前もある」

「それで、これを見ると前回のマスターは過半数が学生になっていたみたいなんだ」
「随分と年齢層の若い聖杯戦争だったのね」


ルゥナに見せられた資料には、隠し撮りされたと思われるアングルからの写真が幾つか
そして、その下にはマスターやサーヴァントといった文字が。恐らく、ここにあるのが前回の参加者なのだろう

書かれている年齢から逆算するに、確かにセイバーとアーチャーのマスターは在学中だろう
もしコンタクトを取れれば……あるいは、心強い味方になり得る可能性が浮上してきた


「それに、幾つか怪しいスポットを見つけておいたんだよね。行ってみない?」
「あんた……思った以上に優秀なのね……」

予想以上の働きを叩き出したランサーに、素直に感嘆の意を示すルゥナ
対して、ランサーはあまり気に止めていない様だ。さて。と席を外して腕を回す

「さあ、今日も探索だ!敵を見つけるぞ〜!」



1:探索(コンマ判定有)
2:会話(人物指定)
3:その他
↓1
127 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/09/23(水) 20:03:13.95 ID:hmEmVpkHO
1
128 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/09/23(水) 20:03:17.64 ID:x582UEUlo
1
129 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/09/23(水) 20:07:15.24 ID:x582UEUlo
ベルは学校こないんだなー
そういえばルゥナは16歳だから、海外と学期がずれてたせいで日本人と比べて一年遅れなのかな
130 : ◆6QF2c0WenUEY [saga]:2020/09/23(水) 20:17:42.72 ID:z2pAQoeX0





「よし、今夜も外に行くわ」
「戦争で引きこもるのは悪手よ。敵の居場所を探り当てないと」

軽く仮眠をとり終えたルゥナはコートを羽織る
コンタクトを取れる可能性もある以上、交渉の材料はあるに越した事は無いのだから

「あ、あの、ベルは」「あんたも来るの!」
「ほー……なら俺は今夜はパスだ。警備は任せておけよ」
「私がいるのだがな。ああしかし……ランサーの近くにいたい……」

「大丈夫大丈夫。すぐに帰ってくるから!」
「ま、そんな簡単に捕まえられるとも思えないし……様子見よ」
「べ、ベルはそれだけで……?まさか、役立たずだと思われて……」


ベルの泣き声は無視して外に出る。昨日は放置して文句を言い、今度は連れ出して文句を……

「それじゃあリストは纏めておいたから。早速行ってみようか!」



【ランサーの纏め】+1
123:何の成果も
456:気配を感知
789:いたよ!サーヴァントが!
↓1

131 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/09/23(水) 20:18:12.44 ID:Buw8bc8YO
132 : ◆6QF2c0WenUEY [saga]:2020/09/23(水) 20:24:38.83 ID:z2pAQoeX0


5:気配察知



「あ、何か見つけた気がする!」
「はあ!?」

言うが速いか、ランサーは全力疾走で彼方へ走り去る
どうにも、ランサーのアンテナが何かを嗅ぎ付けた様子だが……

「あ、あの。ルゥナさん。えっと」
「追うに決まってるでしょ!?ベル。あんたは走れる!?」
「無理ですぅ!またベルを虐め「あーもう強化魔術かけたから!背中に乗って!」


ベルを背に載せランサーを追い掛ける。といっても魔力の後を辿るだけだが……

「これで何も無かったら……承知しないから!」


【一度感知した】+1
123:見失ったよ
456:サーヴァントが待ってる
789:マスターも一緒
↓1

133 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/09/23(水) 20:24:48.03 ID:hmEmVpkHO
134 : ◆zeb83ni1C7TT [saga]:2020/09/23(水) 20:28:10.32 ID:z2pAQoeX0

4:サーヴァントとエンカウント

【現時点でうろついているのは三騎】

【酉判定で決定します。1〜3で一つだけ選択してください】

1〜3で数字を一つ
↓1
135 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/09/23(水) 20:29:24.54 ID:x582UEUlo
1
136 : ◆6QF2c0WenUEY [saga]:2020/09/23(水) 20:56:36.10 ID:z2pAQoeX0

酉:#弓×??↓??↑

選択:1=アーチャー



「……いない」
「いない、いない、いない!いったい何処に隠れたというの!?」

……走った先は、昨晩バーサーカーに襲われた路地裏に差し掛かる道
立ち止まるランサーの影に隠れる様にして、目の前の相手の様子を伺う

「よっ!何かお探し?調べとこうか?」
「っ!貴方、サーヴァント!」

気さくに話しかけるランサーに反応したのか、振り向き様に得物を突き付ける
それにも怯まず、ランサーは余裕そうに自己紹介をし始めた

「そ。オレはランサー。槍の英霊!」
「ランサー……そう、貴方が私の獲物を……!」

「そういうお前はアーチャーかな?弓じゃなくて銃みたいだけど」
「どうでもいいわ。私の獲物を横取りした罪。その身に刻んで消してあげる」


対峙している相手は女性。それも銃を持っている事からクラスはアーチャー
発砲音が鳴り響く。冷酷に、淡々とランサーを仕留めんと弾丸を発射しているのだろう

それを掻い潜り、槍を振るう。連戦だというのに、ランサーは止まる様子すら見せなかった



137 : ◆6QF2c0WenUEY [saga]:2020/09/23(水) 20:57:51.12 ID:z2pAQoeX0


『アーチャーのステータスを開示します』


┏━━━━━━━━━━━━━━━┓
  ≪クラス≫:アーチャー
┣━━━━━━━━━━━━━━━╋━━━━━━━━━┳━━━━━━━━━━━━━┓
  【真名】:???              【コスト】:20        【属性】:中立・悪
┣━━━━━━━┳━━━━━━━╋━━━━━━━┳━┻━━━━━┳━━━━━━━╋━━━━━━━┓
  【筋】:E(10)     【耐】:D+(20)     【敏】:C(30)     【魔】:B(40)     【運】:E(10)     【宝】:C(30)
┣━━━━━━━┻━━━━━━━┻━━━━━━━┻━━━━━━━┻━━━━━━━┻━━━━━━━┫



138 : ◆6QF2c0WenUEY [saga]:2020/09/23(水) 21:00:16.59 ID:z2pAQoeX0



「ほらほら!当たってないよ!」
「ちょこまかと……まるでネズミね!」

今回の戦闘も圧倒的だった。無数に放たれる弾を敏捷だけで避けている
アーチャーの方も間一髪で槍を避けてはいるが徐々に壁際へと押し込まれていっていた


「だったら……これならどう!?」
「点で駄目なら面で撃つ。弾丸の雨を喰らってみなさい!」
「うわっその数は卑怯だって!?」

しかし、アーチャーは数多くの銃を配置する事で対処する
幾ら避けられようが関係無い。百、千、万の内一つでも当たれば良いという考えなのだろう

ランサーもこれには難色を示す。元より、敏捷以外のステータスは低めなのだから


「ああもう!こうなったら……うわっ!マスター避けて!」
「え?……ぎゃあああっ!?」「う゛ぁあ゛あ゛あ゛あ゛!!!」

甲高い絶叫を挙げながら吹っ飛ぶルゥナとベル
突如空から降ってきた魔力の弾丸が、絨毯爆撃の様に二人を襲ってきたと知るのは空の上

辛うじて飛んできたランサーが二人を掴むと、そのまま高速で走り去っていった


「な、何なのよアレ!?」
「ごめん!アーチャーも逃げちゃってさ」
「あぶあぶあぶ……」「あ、ベル失神してるわ」

今は戦線の離脱が先。バーサーカーに次いで、アーチャーにも狙われるとなると……
ルゥナの頭の中は、早くも今後の不安でいっぱいだった


139 : ◆6QF2c0WenUEY [saga]:2020/09/23(水) 21:05:10.77 ID:z2pAQoeX0





「市長。明日の予定です」
「ああ!ありがとうございます、鶴崎さん!」
「君は明日は有給だったね!ゆっくりと心身を休みなさい!」

「それにしても、本日も良き一日でした!平和とは本当に良き事ですね!」
「はい。私も全くそう思います」

ここは坂松市役所の中。市長の坂松鳥仁は秘書の女性鶴崎からコーヒーを受け取り一息つく
にこにことした笑みを浮かべ、一面に貼られた坂松市の地図を悦に入った様に眺めている


「平和?フフフ。ああ、正しく天下太平の世。と言うのだったかな」
「おや、君ですか!人が悪いですよ。いきなり出てきて驚かすなんて!」

水を刺したのは全身を上等な黒いスーツで覆う痩身の男性
くつくつと笑い声を挙げているが、その目には光が欠片も宿っていない

男は机に腰掛け、振り向く様にして座っている市長に視線を向ける
対する市長は、まるで気にしていないという風ににこやかな笑顔を崩さなかった

「平和等、所詮は蜃気楼。見せられ、踊らされるだけの幻でしかない」

「現に、この街で起きている事等……知る者の方が少ないんじゃあないかな?」




140 : ◆6QF2c0WenUEY [saga]:2020/09/23(水) 21:09:20.45 ID:z2pAQoeX0





「ははは!君もおかしな事を言いますね!」

「“何もありませんよ!”“何も!”今日も、明日もね!」

「まあ……ね。有り得ない話だったかな」

黒服の男と市長は笑い合う。その目に宿るのは妖しい光
坂松市は平和だと断言した彼は、近くに控えていた秘書に一杯を差し出すよう指示を飛ばす

「ええ、本当ですとも!鶴崎くん!彼にもコーヒーを!」
「かしこまりました」

秘書は軽く一礼をすると、コップに黒い液体を注いでいった

「いただこうか。私と君の将来に」
「ええ!君と私は対等な関係。マスターとか、サーヴァントとかではありませんからね!」

二人の語る真意。それは互いに知らずとも良いと、互いにコップに口をつける

それを見るのはただ一人。二人に目もくれず、黙々と資料を片付ける秘書だけだった


141 : ◆6QF2c0WenUEY [saga]:2020/09/23(水) 21:13:51.82 ID:z2pAQoeX0




「少々森ぃ!姫と友人なら言えよぉ!」
「友人、友人……る、る……」
「ルゥナよ。覚えておきなさいよ」

「まあまあいいじゃん?少々森ちゃんだっけ、付き合ってみない?」
「あんた見境ってものは無いの?」
「付き合う……付き合う?付き、合う?」
「なんかこの子バグってない?」


ルゥナの周りで話し合う花村、縦島、少々森。どうやら縦島は少々森の事を知っていた様で
少々森に「俺を紹介してくれよぉ!」と掴み、泣き叫んでいる有り様だ

「あー、あたし今日寄る所あるから」
「そっか。じゃあ明日は平気か?」「ま、明日なら付き合ってやるわよ」

「つつつ付き合う!?花村お前ーっ!?」「勘違いだからな!反応はえーよ!」
「る、る……ルゥナ」「何よ」
「さよ……さよなら?」「何で疑問系なのよ?」


花村と縦島の殴りあいを余所に、少々森とルゥナは挨拶をして道を別れる
目指すは三年生の教室。そこに前回のマスターがいるはずなのだが……



12345:そろそろ出しておこう
67:不在
89:いたよ
↓1

142 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/09/23(水) 21:14:40.71 ID:ybscfRZsO
出て来てくれ
143 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/09/23(水) 21:14:41.55 ID:DdRLeHM2o
どうだ
144 : ◆6QF2c0WenUEY [saga]:2020/09/23(水) 21:41:59.79 ID:z2pAQoeX0


1:学校にいるマスターが来たよ



「えーっと?三年の教室はこの奥ね!」
「早くしないと帰っちゃうじゃない……っと!」


学校に存在する御三家とのコンタクトを急いで取り付ける為に、学校の階段を駆け上がる
ようやく辿り着いた三年生の教室前。どこにいるかは知らないが、手当たり次第に開けていけば……

「……あら?もしかして、貴女はルゥナさん?」
「な……っ。そうよ、あんた誰?」

突然、横から女性に話しかけられる。そのせいで足が止まってしまった
早く行かねば帰られてしまう。こんな所で、どうでもいい事で時間を取られては間に合わないというのに……

「悪いけど、あんたなんかと話してる暇は無いの。それじゃ……きゃっ!?」
「ふふ。どうしたのかしら、そんなに慌てて。まるで可愛いモルモットみたい」
「な、あんた……!」

突然、前のめりにつんのめる。足元は廊下。つまずく所など皆無に等しい場所なのに
女性は穏やかに笑いながら、屈み込んでルゥナの顔をじっと見た

「まだ解らないのかしら?それとも、こう言えば物分かりの悪いルゥナでも解るかしら」
「時計塔から捨てられた、ガイスロギヴァテスのお馬鹿さん?」「あんた……まさか」

時計塔、ガイスロギヴァテス。その名を知るのは魔術師以外には有り得ない
その事を表情で読み取ったのだろうか。女性はルゥナを足で踏みつけ、名乗りを始める



「ティファニー・フォン・ロシュフォール。時計塔より送り込まれた魔術師の一人」

「そして、ロシュフォール家の次期当主。……貴女は年が近いから、特別にティファと呼ばせてあげる」

儚げな微笑みとは裏腹に、ティファは腕に刻まれた印を見せつける
それは令呪……彼女もまた、聖杯戦争に参加しているのだと言外に告げていた



145 : ◆6QF2c0WenUEY [saga]:2020/09/23(水) 21:43:05.39 ID:z2pAQoeX0

【本日はここまで】

【参加していただけた方、本当にありがとうございます】

146 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/09/23(水) 21:43:43.40 ID:V8Uel3Ek0
乙です
147 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/09/23(水) 21:44:45.82 ID:XVB0Hi9qO
148 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/09/23(水) 21:44:48.57 ID:ybscfRZsO
149 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/09/23(水) 21:54:44.86 ID:DdRLeHM2o
乙です
150 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/09/23(水) 22:03:29.66 ID:UrvTT6YW0
151 : ◆6QF2c0WenUEY [sage]:2020/09/24(木) 21:04:08.54 ID:9POd9gGIO

【本日はお休み……】

【明日、続きを再開します】
152 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/09/25(金) 21:06:49.29 ID:Pro13Zqho
開始まで待機
他の御三家の状況はまだまだ出てないな
153 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/09/25(金) 21:09:53.87 ID:0+JWLRbQ0
現金な話だが送ったデータが採用されてるかは早めに見たいよなやっぱ
154 : ◆6QF2c0WenUEY [saga]:2020/09/25(金) 21:19:06.22 ID:gTjOpqHOO

【ではちびっと再開します】

155 : ◆6QF2c0WenUEY [saga]:2020/09/25(金) 21:19:42.84 ID:gTjOpqHOO




「ロシュ、フォール……」
「知っていたかしら?脳味噌に火薬が詰まっていると思っていたのだけど」

「当たり前よ。どいつもこいつも“魔眼”を持つ一族なんて、一度聞けば忘れないわ」
「どうせ、あたしを転ばせたのもその魔眼の力でしょ。随分といい“眼”してるじゃない……!」


 ◆顛倒の魔眼   
 彼女の右目に持つ魔眼の一種
 ランクは『ノウブルーカラー』   
 この魔眼の発動は彼女が相手の足を見ることで発動する。   
 彼女に足を見られた人物は、下半身の力が抜けバランスを崩し倒れ込んでしまう。   
 シンプルな能力だが、使い勝手が良く割と気に入ってるとは本人の談。   
 魔眼使用時は彼女の右眼は赤色に輝く


「ご、う、か、く。よくできました」
「ガイスロギヴァテスも有名よ?火薬と硝煙にまみれた鼠。魔術の恥さらし……ふふ」
「うるっさ……!」

余裕そうに微笑みを浮かべ、ルゥナを足で踏みつけ悦に至るティファ
反論しようにも、彼女の拘束から逃れられない状況が続く。いつの間にか人も無くなっていた

「人払いは済ませておいたわ。これで、心置きなく話し合えるでしょう?」
「貴女には聖杯戦争は早過ぎた。大人の世界に踏み込んだら駄目じゃない。お子様は」

「こ、の……!」

ティファの明らかな挑発にも、這いつくばって睨み付ける事しか出来ない
このままいたぶられ続けるくらいなら、いっそここで令呪を使って……


156 : ◆6QF2c0WenUEY [saga]:2020/09/25(金) 21:20:38.22 ID:gTjOpqHOO





「あー……ちょい待ちちょい待ち」
「それ以上は止めてくれ、やる事が増える」
「おまけに、まだ夕方じゃねえか、神秘の秘匿とか考えてくれ、な」

割り込んできたのは中年の男性。明らかに嫌な顔を浮かべながら、こちらに向かってきた

「あら?私の人払いが効いていないの?」
「ま、一応魔術師なんでね。……怪しいもんじゃないんだが」

「おれはディール・ガイスロギヴァテス。この学校の用務員で、神秘の監査役だ」
「この場は俺に免じてくれねえかな。頼むよ、ロシュフォールさんよ」「はあ!?」

ぶっきらぼうに名乗ったディールはつかつかと二人の元に行き、一切の躊躇い無く頭を下げる
あまりにもあっさり。あまりにも軽く腰を曲げたその姿にティファも面食らって目を白黒させていた


「……はあ。そうね、今回はその羽虫の様な無様な姿に免じて許してあげる」
「それに私のサーヴァントはとても強大でね。ここで暴れたら学校がどうなるか」
「助かる。それじゃ、お嬢から足をどけてやってくださいよ」


仕方無いわね。とため息を吐いて足をどける。確認していないが、恐らく背中には足跡がくっきり残っているだろう
不適な笑みを残して去っていくティファ。彼女の背中を、ルゥナは床に転がり睨み付ける事しか出来なかった


157 : ◆6QF2c0WenUEY [saga]:2020/09/25(金) 21:22:12.32 ID:gTjOpqHOO

【では、今回は他陣営の行動を】

【コンマで決定します】

12:セイバー
34:アーチャー
56:ライダー
78:キャスター
9:????
↓1

158 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/09/25(金) 21:22:19.82 ID:/p0yC4gNO
159 : ◆6QF2c0WenUEY [saga]:2020/09/25(金) 21:59:15.00 ID:gTjOpqHOO

2:セイバー



遡る事、数日前
早朝の街を俯瞰する、一人の女性がいた
その手に宿る刻印は令呪。彼女は聖杯を我が手にする為に異国の地から推参した魔術師

「……ここが、坂松。聖杯戦争の地」
「待っていてください。必ずや、私が聖杯を手にしてみせます……!」

誰にともなく決意を新たに、清廉な冷えた空は故国の記憶を想起させた
そうだ。私は聖杯を手にしなくてはならない。絶対に……!
……そして、現在



「ん〜〜〜!ファ◯チキ美味ひい〜〜〜!」
「ねえねえフェリシア、もう一個貰っちゃ駄目かな?これ凄っごく美味しいの〜〜〜!」

もっしゃもっしゃと揚げた鶏肉を齧り、ご満悦に浸る女性
彼女こそが女性……フェリシアのサーヴァント。それも、最優のクラスと名高い剣の英霊だ

事実、前回の聖杯戦争の勝者はセイバー。故に最初は大きく期待していたのだが……

「……それが必要なら。けれど、貴女の性能には不必要。寧ろ無駄じゃないかしら」
「あら冷たい。私のマスターなら、もっとこう楽しくいかないと」
「人生は楽しまないと損!それが、私の人生で得た教訓なのです」

ニッと拳を突き出すセイバー。しかし、その顔はすぐに曇る
背中に携えた巨大な剣。それを見やるとため息を吐く

「あーあ、こんなクソ剣、高く売れたらさっさと売るんだけどナー」
「貴女、自分のクラスがわかっているの?それが無くては戦えないじゃない」


160 : ◆6QF2c0WenUEY [saga]:2020/09/25(金) 22:01:17.38 ID:gTjOpqHOO



「ええ、ええ。わかってますとも」
「私はフェリシアのサーヴァント。貴女の命令には従います」

「……それはそれとして、ちょっとくらいお小遣いをくれてもいいんじゃないかなーって」
「駄目よ」「ケチ!」

そんなやり取りをしていると、視界には制服を着た男女がちらほらと
どうやら下校の時刻らしい。フェリシアは彼等を眺めながら、足を人気の無い場所へと移す


「あらフェリシア。もしかして懐かしの青春って奴かしら?」
「いいなー。私ももっと楽しい十代を……」
「全然違うわ。そもそも私は……」

下らない会話、どうでもいい日常。彼女達は、今この時だけは聖杯戦争を忘れている……様に振る舞っていた

「……ところで、さっきからこっちを覗き見している外道!」
「さっさと失せたなら気づいてないふりをしてやったものを!出てきなさい!」

セイバーの一喝。姿を見せない卑怯者に向けた渾身の一撃
凛とした声は、先程のふにゃふにゃとした態度とはうって変わって力強く
その声に相手は観念したのか、その姿を現した



123:???(有害)
456:???(どっちとも言えない)
789:???(無害)
↓1

161 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/09/25(金) 22:02:03.83 ID:XbgnnS2zo
立ち位置的にはケイネス先生とかと同じか
162 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/09/25(金) 22:02:04.11 ID:50nBgnXAO
163 : ◆6QF2c0WenUEY [saga]:2020/09/25(金) 22:26:03.46 ID:JkozjGQP0

3:有害な奴



「はは、やはり割れていたか」
「慣れない事はする物じゃない。恥ずかしくて顔から火が出そうだよ」

暗闇から現れたのは一人の男性。その細い痩躯はおよそ戦闘に耐えうる肉体ではない
それにも関わらず、この男から発する邪気は場違いな程に恐ろしい
戦に馴れたセイバーさえも、その剣を振るうのを躊躇ってしまっている程に

「……貴様は。私達を監視していたのか?」
「監視?……くくっ、そんなご大層なものじゃあ無いさ」
「君達を見続けた所で、大した情報が手に入るとも思えない。暇に見られたのなら心外だね」


大袈裟に両手を広げて鼻で笑う。そのオーバーな態度はフェリシア達を苛立たせるのに充分で

「だがまあ……用があるというのは嘘じゃない」
「端的に言ってしまうと、君達の武力を我々が買い取ろう。という話だよ」

黒衣の男はそう言いながら、懐から一枚の紙を差し出す
どうやらそれは何かの名刺の様で。受け取ったフェリシアは名前を確認する

「……それは、私達と同盟を結びたい。という事でいいのかしら?」
「好きな風に考えるといい。君達を利用する。君達を助ける。君達と手を取り合う……」

「何にせよ利害は一致する。それでも私達を信用出来ないと言うのなら……」





「“聖杯は、君達に渡そう”」
「“我々は聖杯そのものには興味ないのでね”」


【条件は美味しい】+2 【幾らなんでも怪しすぎる】-2 【初対面】-1

【合計】-1
123:乗った
456:保留
789:断る
↓1
164 : ◆6QF2c0WenUEY [saga]:2020/09/25(金) 22:26:40.39 ID:JkozjGQP0

【全部の補正が逆でした。+1が正しい】

【このレスはコンマに含まれません】

165 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/09/25(金) 22:27:35.14 ID:50nBgnXAO
ほい
166 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/09/25(金) 22:27:40.21 ID:mqIxGlvb0
乗りそうだな
167 : ◆6QF2c0WenUEY [saga]:2020/09/25(金) 22:29:03.32 ID:JkozjGQP0

5:この場は保留

【という訳で本日はここまで】

【次回は続き+ルゥナのターン。ありがとうございました】

168 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/09/25(金) 22:30:20.91 ID:mqIxGlvb0
169 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/09/25(金) 22:35:02.09 ID:zeIJW9+50
乙ー
170 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/09/25(金) 22:37:53.45 ID:/p0yC4gNO
171 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/09/25(金) 22:51:44.02 ID:50nBgnXAO
172 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/09/25(金) 23:02:12.61 ID:XbgnnS2zo
市長のサーヴァントは何者ぞ?
まあ主人公がまだ会ってもないのに真名わかったりしたらそれはそれで困るけどw
173 : ◆6QF2c0WenUEY [saga]:2020/09/26(土) 21:29:36.32 ID:FiMIHuS5O

【本日はお休み】

【その代わり、明日はほんの少し早くやる予定です】

174 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/09/26(土) 21:37:11.88 ID:Z5Lebn6qO
了解です
175 : ◆6QF2c0WenUEY [saga]:2020/09/27(日) 19:12:17.85 ID:tpMyMRz00

【19:30を目安に再開します】

176 : ◆6QF2c0WenUEY [saga]:2020/09/27(日) 19:30:02.70 ID:tpMyMRz00




「……この場は、保留させて貰うわ」
「貴方達を信用する要素も、切り捨てる要素も無い。今の段階では話を進められない」

毅然と。凍る背筋と震える唇を噛み潰しながら答えるフェリシア
男の方は憮然としながらも、体裁を整える為に咳払いを一つ。その顔には嘲りが


「それならば仕方が無い。この場はお引き取りしよう」
「ただ……我々はあくまでも、武力だけを求めていてね」

「候補はまだ他にもいる。君達だけが特別だと勘違いしない事を祈っているよ」
「いいからとっとと失せなさい。私のクソ剣の餌にしてやろうか?カラス男」


セイバーからの悪態にもどこ吹く風。男は闇にその身を溶かして消えていく
男の態度は最初から、一貫して此方を下に置き値踏みする様な厭らしいもの。思わずフェリシアは身を震わせる

貼り付くような笑みが頭から離れない。ふと、目につくのは渡された名刺に書かれていた名前



『坂松市長 坂松鳥仁』の文字が、やけに頭に残っていた


177 : ◆6QF2c0WenUEY [saga]:2020/09/27(日) 19:31:36.61 ID:tpMyMRz00




「ロシュフォールってどういう事!?」
「あんなのがいるなんて、聞いてないわよ!?どうなってんの!?」

帰ってきた開口一番。ルゥナの絶叫が部屋の中で木霊する
顔には青筋が幾つも浮き、目は血走って怒りを堪えているのがありありと

その後ろから、申し訳なさそうにディールが姿を見せて平謝りを。その額には油汗がびっしりとついていた


「いやー本当にすみません。おれの方でも把握はしていなくて」
「名乗ってようやく気づいたんです。恐らく、暗示の魔術で……」

「話に聞いた事がある。ロシュフォールの一族は全員が魔眼を持ち、当主となる者は最上級の眼を持つ。と」
「連中は有名だぜ?権力争いの中枢にはいつもその名前が出てきやがる」
「どど、どうしてそんなのが……ままままさか、ベル達はもう用済みって事じゃ」

報告を受けた面々は、侃々諤々の大騒ぎ



「そっか……そんな人がいるんだ」
「なら早速会いに行こう!善は急げって「待ちなさいこのバカ!」




178 : ◆6QF2c0WenUEY [saga]:2020/09/27(日) 19:32:42.14 ID:tpMyMRz00




「え?何?お腹でも痛い?」

「違うわよ!……あんたを召喚してから、ずっと探索ばっかりじゃない」
「一度ゆっくりと腰を据えて、話をしてもいいと思うんだけど」

「そもそもあたしはこの街の事も、ひいてはあんたの事も知らないのよ?」

逸るランサーを制止させ、ルゥナは持論を展開する
それを聞いたランサーは不服そうな表情……時計の為読み取れないが……を浮かべている


「えぇ……でも行動は早い方がいいし」
「振り回されるあたしの身にもなりなさいよ!こっちは筋肉痛で疲れているの!」
「あんな奴、筋肉痛じゃなければこてんぱんにしてやれたんだから……!」

半ば逆ギレする様に叫ぶルゥナ。頭の中には先程の、ティファにされた仕打ちが脳裏に浮かんでいるのだろう
次こそは、次出会ったなら必ず倒す……その執念を心の中で滾らせるルゥナ

その為に入念な準備。もとい休憩を取りたいというのが本音だろうが……



※1以外どちらがいいかは不明
1:敵が来る
2345:いいや限界だ行くね
6789:しょうがないにゃあ
↓1
179 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/09/27(日) 19:33:06.11 ID:lM39xefFO
180 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/09/27(日) 19:34:00.72 ID:8ZOgHUnKo
ピンポイントでw
181 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/09/27(日) 19:35:14.15 ID:lM39xefFO
どちらが良かったか考えずにすんだな
182 : ◆6QF2c0WenUEY [saga]:2020/09/27(日) 19:37:40.06 ID:tpMyMRz00

1:ピンポイント

【では次は誰が来るか。これはこちらで候補を選択】

123:ライダー
456:アーチャー
789:セイバー
↓1
183 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/09/27(日) 19:38:02.84 ID:wac+nYjFO
a
184 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/09/27(日) 19:41:19.67 ID:8ZOgHUnKo
アチャーか
両方万全で再戦かな
185 : ◆6QF2c0WenUEY [saga]:2020/09/27(日) 19:56:43.98 ID:tpMyMRz00


4:アーチャー


それは、突然の出来事だった
探索だ休息だと言い合う二人を襲った振動。外で放たれた高出力の光が基地を襲う

あまりにも突然の出来事に、全員の思考が一瞬フリーズする。彼等は傭兵の一族の出だが全員がそうとは限らない


「外だ!一旦外に出よう!」
「モタモタしてると壊される!早く!」

ただ一人、冷静な思考を保つランサーの発現で意識を取り戻す。着の身着のまま蹴破る様に基地から脱出を果たす
ガイスロギヴァテス陣営の前に立ちはだかっていたのは銃を担う女性……アーチャー

そして、その側にいる傷んだ外套に身を包む者はマスターなのだろう。
顔も見せない暗がりの中で、薄暗い瞳を彼等に向けていた


「サーヴァントを確認した。対象はランサー。マスターは赤毛の女と特定」

「戦力差は未知数。サーヴァントは互角と判断した。……手筈通りに動け、アーチャー」


???判定
12345:知らんがな
678:なんとなーく
9:知ってるよ
↓1

186 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/09/27(日) 19:57:15.38 ID:Fbpnvmpq0
187 : ◆6QF2c0WenUEY [saga]:2020/09/27(日) 20:11:24.74 ID:tpMyMRz00

8:なんとなーく


「……?あいつは?」
「知ってるのかな、ディール」
「いや、なんとなく聞き覚えが……後で、本家に連絡しときますよ」

アーチャーのマスターを、怪訝そうな顔で見つめるディール
その反応に興味を失ったのか。全員を捕捉していた視界はルゥナに注力される

そして、それを皮切りにアーチャーの銃が光り炎を放つ。聖杯戦争の幕開けを示す様に


「……行くわよ!ランサー!」
「いいよ!けどまあ、今回もオレの勝ちだろうけどね!」

意気揚々と、アーチャーへ突進するランサー。前に見せた圧倒的な敏捷は健在だ
一瞬の内に間合いを詰めて、槍で貫く算段なのだろう。その距離は瞬く間にも縮んでいく

しかし、アーチャーもそれは想定内だったのか無数の銃を盾にその槍を阻む
最短距離で動いていたランサーの直線的な動きは読まれていたのか。見事に即席の鉄林に引っ掛かってしまう

一瞬の停止。それは速度を売りとするランサーにとって致命的な隙となる
生まれた隙を見逃さず、アーチャーは顔の頂点へと引き金を……


「余計な事はしなくていい。手筈通りにと指示したはずだ」
「……わかっているわ。これは前のお礼よ!」


寸前、銃弾が顔を掠める。ギリギリだったが、直撃していればかなりのダメージを負っていただろう
その間、アーチャーはランサーを無視して背後の建物……ガイスロギヴァテス簡易基地へと侵入していった



188 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/09/27(日) 20:23:19.46 ID:8ZOgHUnKo
敵マスター、関係者じゃないけど情報網に引っかかってた感じかな
アーチャーは単純に強いな…銃という身近な得物なせいで想像できて今までの中でもサーヴァントじゃないと勝てない感が強い
189 : ◆6QF2c0WenUEY [saga]:2020/09/27(日) 20:29:14.81 ID:tpMyMRz00



「……はぁ?」
「な、なんで基地へ……?」
「俺達は相手にすらならねえってか?」
「別に重要な情報はありゃしないはずですが」

「しまった!私のリアル肉体はまだ基地の中にいるのだ!このままでは非常にマズイ!」
「えええぇぇええ!?」

一人だけ、場違いな程に狼狽えるコリー。ここにいるのはアバターであり、中にはまだ操作を行う本体が
このままではアーチャーに殺される可能性すら存在する。コリーは極めて危険な窮地に立たされてしまっていたのだ

「オレがアーチャーを倒す!その間にアンタは逃げてくれ!」
「かたじけない!シャットダウン!」

言葉と同時に姿を消す二人。恐らく電源を落として脱出の準備を始めたのだろう
そしてランサーはアーチャーを追って、基地の中に突入する。追おうとするルゥナを阻む様に立ち塞がるのは……


「止まれ。それ以上の行動は許可しない」
「あっそ……あんたがあたしの相手ってワケ!」

アーチャーのマスターが基地の前で待ち受ける
片腕から発する魔力の鼓動。どうやら、あの光弾はこのマスターのものによるらしい

「敵対マスターを捕捉。速やかに降伏するならば命までは奪わない」
「ならあんたから燃やしてやるわ……ベル!魔力を回しなさい!」「はひぃいいい!!」

瞬間、轟音がルゥナ達を襲撃する。炎を纏う剣が周囲を払う
マスター同士の激突。聖杯戦争における魔術師同士の戦闘が始まるのだった


190 : ◆6QF2c0WenUEY [saga]:2020/09/27(日) 20:46:38.44 ID:tpMyMRz00





「そこ!外さないわ!」「うわっ!?」

外で爆炎が燃える一方、基地の内部では静かに戦闘が行われていた
元々はガイスロギヴァテスの建物である。当然ランサーは構造を知っている

対してアーチャーは初見。地の利でアーチャーの方が不利だと判断出来るだろう
しかし、現在押されているのはランサーの方。初戦とは逆に、アーチャーの動きに翻弄されている

理由は幾つかある。その一つは屋内という限定された空間での戦闘であるという事
ランサーの強みである敏捷を活かせないこの場所は、足をもがれるに等しい難所となっていた

アーチャーは的確に銃弾を撃ち込んでいく。多くの鉛が殺到する
ランサーは思考を高速化させて対応しているが、やはり限界が近づいていた

「ここだっ!」
「無駄よ。幾ら速くとも、当たらなくては意味が無いわ!」
「貴方の動きは読めている。この場にいる限り私の銃からは逃れられないのよ!」

……そして、もう一つの理由は閉鎖空間
この狭い空間は、アーチャーにとっての最高の戦場となっていた


 ◆空間掌握:B- (種別:体術/異能 タイプ:常時)
  三次元的な空間把握・利用技術。
  屋内などの閉鎖空間に限り、高いレベルの回避能力や高速移動、対多数戦闘技能を行使することが可能。


191 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/09/27(日) 20:54:36.97 ID:wac+nYjFO
アーチャーは地の利を得たぞ!
192 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/09/27(日) 20:56:13.94 ID:Fbpnvmpq0
多分どっかで見た事あるなこのアーチャー
193 : ◆6QF2c0WenUEY [saga]:2020/09/27(日) 21:29:11.01 ID:tpMyMRz00




「ふっ……な、中々やるじゃない」
「きゅうぅうぅえええ!!ベルはやりたくないのにぃいい!」

一方、ルゥナとベルは降りしきる絨毯爆撃を炎で迎撃する
アーチャーのマスターの放つ高火力の魔力弾は純粋な威力だけを高めた代物
ベルの援護もあるとはいえど、ルゥナだけでは出力がどうしても足りない。こちらも押されているのはルゥナの方だ


「不味い。このままじゃぶっ殺されちまう……」
「ベルだってこんな所で死にたくありませええええん!!」

「ええいわかったわよ!あんた達は一時退避!後でまた合流する事にするわ!」
「ディール!アダムスさん!ここはあたしが何とかするから死ぬんじゃないわよ!」

不安そうに顔を曇らせる面々に、ルゥナは叫び逃げる様に伝える
その言葉を受け取ったのか、二人は背を向けて闇へと姿を眩ませていった


「じゃじゃじゃあベルもこの辺で」
「あんたは残る!」「うひぃいいん!!!」

泣き叫ぶベルの首根っこを掴みながら、炎の剣を振り回す
何度も繰り返された迎撃に、アーチャーのマスターは埒が明かないと判断したのか腕を下げ


「これ以上の時間経過は不要と判断。段階を一つ上昇する」
「循環、加速……周囲の殲滅を開始する……!」

再度、その腕を上げる。手に渦巻くのは先程とは比べ物にならない程の魔力の波動


「……ルゥナさぁん」「撤退、撤退ーーーっ!」

ルゥナが叫ぶのと魔力の着弾はほぼ同時だった
酷い爆破音が耳に響く。ランサーを脳内で呼びつけて、脱出を図ろうと画策した


12:アーチャーには勝てなかったよ…(令呪を使用)
3456789:敏捷EXは伊達じゃない
↓1

194 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/09/27(日) 21:29:38.65 ID:oFnuaYaEO
195 : ◆6QF2c0WenUEY [saga]:2020/09/27(日) 21:32:06.96 ID:tpMyMRz00

5:超高速移動により令呪を使用せず脱出

【それでは、本日はここまで】

【お付き合いありがとうございました】

196 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/09/27(日) 21:32:28.63 ID:oFnuaYaEO
197 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/09/27(日) 21:33:18.25 ID:8ZOgHUnKo
乙乙
198 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/09/27(日) 21:34:01.75 ID:wac+nYjFO
199 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/09/27(日) 21:36:43.20 ID:Fbpnvmpq0
200 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/09/27(日) 21:37:10.82 ID:6qz0MEzD0
201 : ◆6QF2c0WenUEY [sage]:2020/09/28(月) 21:10:56.46 ID:gQrmT2wiO

【本日はお休み…】

202 : ◆6QF2c0WenUEY [sage]:2020/09/29(火) 21:07:19.27 ID:LYIro2TdO

【本日もお休み…】

【明日。明日こそは必ずや…!】
203 : ◆6QF2c0WenUEY [saga]:2020/09/30(水) 19:38:49.14 ID:tadddOUe0

【それでは再開します】

【ゆっくり更新ですので、のんびり参加していただければ】

204 : ◆6QF2c0WenUEY [saga]:2020/09/30(水) 19:40:40.15 ID:tadddOUe0




「……終わったわ。マスター」
「これでこの建物は私のもの。今後はここを拠点にしましょう」

ルゥナ達が去ってすぐの事。静けさの帰る数分の間
ガイスロギヴァテスの基地を奪ったアーチャーは、外で待機するマスターに話しかけた

事務的で無感動、淡々とした感情の無い声。彼女からすれば彼は単なる同盟相手なのだろう
互いの目的の為に利用し合う。ただそれだけのビジネスライクなドライな関係のはずなのだ


「アーチャー。貴様は聖杯に何を願う」
「……何ですって?」

「聞こえなかったのか。聖杯をその手に収めた時、何を叶えるのかと発言した」

故に、突然の話題に言葉が詰まる。そんな事を問われる程、信頼関係を構築した覚えは無い


「言ったはずよ。貴方と私は干渉しない。好きに私を使う事を許す代わりに、私の好きに動いても許して貰う」
「願いについても同じよ。貴女に話す義理も、筋合いも無いわ」

返答はにべもなく。冷たく突き放すかの様に、アーチャーは背中を向けて基地へと戻る



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