このスレッドは950レスを超えています。そろそろ次スレを建てないと書き込みができなくなりますよ。

【鯖鱒wiki】ふたたび坂松市で聖杯戦争が行われるようです【AA不使用】

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948 : ◆6QF2c0WenUEY [saga]:2021/01/11(月) 23:02:00.79 ID:QQQYtNx80

【本日はここまで】

949 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/01/11(月) 23:18:42.90 ID:/givHmlCO
950 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/01/11(月) 23:54:55.22 ID:tXWPuYnoO
951 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/01/13(水) 22:20:20.29 ID:W/+eam8+o
今までの描写からしてエーデルワイスの関係者で少々森は恐らく偽名。
クラスメイトが雰囲気変わったって証言から、恐らく暗示の魔術によって彼女が本物の少々森に成り代わってると推測
ロベルトの執着から見るに、彼女は天使を呼ぶ為の呼び水だろうか

>>1が度々言及していた前回出せなかったエーデルワイスの関係者が恐らく少々森だと思う
952 : ◆6QF2c0WenUEY [saga]:2021/01/17(日) 22:02:17.69 ID:3GpwnOOe0

【それでは再開します……】

953 : ◆6QF2c0WenUEY [saga]:2021/01/17(日) 22:06:08.85 ID:3GpwnOOe0



一筋。銀の閃光がライダーを射抜く
龍に乗る王を捉えた光の槍は、正確無比な一撃を叩き込んだ

咆哮を、大地に刻む龍の上。ライダーは自らに起きた状況に困惑する


「ガ、ッ……!なん、で……お前……!」
「僕は“わかっていた”んだ……!お前の宝具は、完全に読み切っていた!」
「なのに、なんで……!僕の星詠みが外れる事は一度も無かった!」

ライダーは叫ぶ。わかりきっていたはずの攻撃が、何故に自らを撃ち抜いたのか

「そりゃそうだよ。オレの一撃は“既に決まっている”からね」
「避けようと思った時点じゃ遅過ぎる。守ろうとした時点で貫いているのがオレの槍」
「オレの真名……“エクスペダイト”の名を冠する時の槍だよ!」


得意げに語るランサーは、どこか嬉しそうにも感じる程に腕を突き付ける
限定的な時間移動にして、局所的な因果固定。怠惰を打ち破り行動を起こす時間の聖人

それこそが『エクスペダイト』。最新にして最先端の英雄である



 ◆『今だ(エクスペダイト)!』
  ランク:B 種別:対人(自身)宝具 レンジ:0 最大補足:1人
  常時発動型の宝具。思考・行動の高速化。および発想の即決力。
  ランサーが「これを行う」と決定したとき、その行動は既に行われている。
  さらに真名解放を行うことでランサーという時の槍は時空を越え、擬似的な過去改変の域に突入する。
  これを防ぐには概念干渉やタイムパラドクスへの耐性ではなく、怠惰を捨て去る意志力や決断力が重要視される。

  足元でカラスが鳴いた。「明日(cras)!」「明日(cras)にしよう!」
  いいや、否。否だ。目標達成を決めたからには、未練も躊躇いも不要。
  明日では遅い、「すぐに」では手遅れだ。
  行動を起こすのは―――



「――今だ(Expedite)!」


954 : ◆6QF2c0WenUEY [saga]:2021/01/17(日) 22:09:31.96 ID:3GpwnOOe0



「速い……!」
「何をやってるのか、僕にも見えないぞ……」
「避難しろマスター!ここは瓦礫が降ってくるぞ!?」


目にも止まらぬ光速の槍。今、この場を支配しているのはランサーだ
マスターであるルゥナですら目視では残像すら映らない。龍の上での攻防戦は完全にこちらが押している

ライダーの激しい抵抗の表れか。龍は雄叫びを放ちつつ、一層激しく暴れまわる

だが、それもアーチャーによって押さえ込まれていた
一つ一つは砂粒だろうと、束ねてしまえば砲弾となろう
大河を塞き止める程の大量の銃弾を叩き込む。それは人が自然と対峙した時の歩みの様に

ちっぽけでも、微かでも。確かに一歩刻まれる様に


「……やっぱり、この龍は生物というよりも機械に近い存在の様ね」
「脚の部分に銃弾を詰めたわ!これで、少しは動きが鈍くなるはずよ!」

「雑魚が……!舐めるなよ、これしきの事で!」
「僕の!偉大なる!この運河を止めようなんて百年は早いんだよォッ!」


955 : ◆6QF2c0WenUEY [saga]:2021/01/17(日) 22:14:22.04 ID:3GpwnOOe0


激昂する主に呼応するかの様に、龍の翼が翻る
その身に流れる激流が、瀑布となって滝の様に周囲を襲う

完全に展開された大いなる翼。その重量を全く感じさせない動きで、主と槍兵を乗せて悠然と空に飛翔した

「うわっ、とと!?」
「おっ……落ちる〜〜〜っ!?」
「ハッ!精々大地に落ちて、派手に花を咲かせてみせてよ!」

当然……闖入者である、ランサーを乗せる道理は無い。そのまま宙を反転し、振り落とす
聖人に空中を移動する術は無い。後は落下し、血の花を咲かせる事だろう


「まだまだ……!オレは止まらないよ!」
「そらっ、こっちに来い!オレと速さで勝負なんて百年は早いよ!」


しかし、槍を身体に突き刺して食らい付く。龍の悲鳴が天空を揺らす
光速の槍?がその肉体を削っていく。遂に耐えきれなくなったのか、堪らず龍は離れた場所に墜落した

ライダーは一人激怒する。たかだか一つの槍で我が象徴が失墜する等、ありえてはならないと
倒れ伏す龍に檄を飛ばす。こんな事を認めてはならぬと叫びながら


「この……!やれ!まだやれるだろう!?」
「僕の偉業だぞ、ここで倒れるワケが無い!こんな所で潰えるワケが無いだろうが!」
「早く起き上がれ……!その時計野郎を完膚無きまでに叩き潰せ──!」



956 : ◆6QF2c0WenUEY [saga]:2021/01/17(日) 22:19:01.48 ID:3GpwnOOe0


激しく鳴り響く鉄の音。それを辿りやって来たのはルゥナとアーチャー
ガイスロギヴァテスの基地から少し離れた森の中で、武器のぶつかる音が反響していた

「……ここね、ランサーが堕ちた場所は」
「っ、貴女は下がってなさい!貴女が死ぬと、私まで迷惑するのよ!」
「うるさいわね。自分の身くらいなんとかするわよ!」

鳴り響く火花の中心地。ランサーと龍は互いの槍と爪を重ね合わせていた
ライダーも手に握る槌を振り落とし、重い一撃を叩き込む

だが、ランサーはそれを神速の動きで避わしていなす。爪も牙も当たりはすれど、大きな衝撃にはなり得ていない
的確に一突きを刺しては距離を取る。ライダーと龍は、共にランサーに翻弄されていた


「凄い……龍なんかよりも、ずっと速い……!」
「ランサーに集中している今なら……!私の援護射撃が通じるかもしれないわ!」

手に握る銃の標準がライダーを狙う。それにも直ぐ様気付くものの、目の前の槍を完全に回避する事も叶わず


「クッ……!龍よ、僕を……」
「させないよ!……それっ!」

翼を盾に、アーチャーの狙撃から身を守る
だか、そこに生まれた隙を見逃さない。指示を飛ばしたその先に、渾身の槍を投げ込んだ


「ガ……ッ!」
「やった!あのライダーに勝った!」
「お前、お前ぇえええッ!!」


957 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/01/17(日) 22:21:59.23 ID:4tpkw4wPo
結構フルボッコだなライダー
958 : ◆6QF2c0WenUEY [saga]:2021/01/17(日) 22:24:42.47 ID:3GpwnOOe0




「お前だけが、本気じゃないと思ってたの?」




身体に食い込んだ槍を放り捨て、ライダーは苛立ちを隠さずに吐き捨てる
流れ落ちる血を踏みにじり、目下の三人へ憎悪の視線で射抜き返す


「本当に苛々するね。潰しても潰しても沸き出てくる蛆みたいだよ」
「ああ。そんなに死にたいなら見せてやるよ。僕の本気ってやつをさぁ……!」

突然、背後にて伏した龍が崩れ出す。流水は天へと遡り、戦艦は静かに瓦解する
彼の最大の武器である、龍の姿が変わりゆく。それは、彼の最大の偉業を示すが如く

「“薩水、大捷──。河は悠久に揺蕩い、空は星を讃えて輝く”」
「“天は我が行く果てを照らし、我が障害を討ち滅ぼす。。……ひれ伏せ!愚民共!”」
「“これこそ真なる偉業である!万物、須らく地に伏せよ!”」


天へと登った龍が嘶く。……否、それは最早、龍と呼べるモノに非ず
その身は運河に、鱗は星に。空に輝くそれはまさしく……『天そのもの』

轟々と龍の唸りが鳴り響く。それは、雲の上で泣く雷鳴であると気がつく時には遅かった
空から襲い来る雨が、ランサー達を襲撃する。悲鳴すらかき消す雨音が、周囲に静かに木霊した



「“飲馬長城窟行・示従征群臣(あきのくれ、さいがいのくも、きりはくらしかんざんのつき”」
「“呑まれろ。天に抱かれて砕け散れ──!”」



959 : ◆6QF2c0WenUEY [saga]:2021/01/17(日) 22:26:52.38 ID:3GpwnOOe0


天から降り注ぐ、無数の雨
それは、一つ一つが龍の爪であり龍の息。暴風雨が周囲を刻む
これこそが煬帝の真骨頂。天すら我が腕、我が意のまま。雨も、風も、雷も総てが彼の手足

上空を覆う、美しき大運河。その下では無慈悲な虐殺が繰り広げられていた



 ◆『飲馬長城窟行・示従征群臣(あきのくれ、さいがいのくも、きりはくらしかんざんのつき)』
  ランク:A+ 種別:対国宝具 レンジ:1〜40 最大捕捉:1000人
  過去にライダーが繰り返した国外征伐の再演。
  人造龍神の最大出力でもって上空に大運河を形成する。
  これを雲とすれば地上からのあらゆる反攻を防ぐ変幻自在の防壁に。
  霧とすれば万物万象を迷わせる脱出不能の迷宮に。
  雨として降らせれば敵軍を一掃する大暴風雨を引き起こす。
  皇帝とは龍であり、天であり、世界である。その意思は天の意思、何人たりとも抗うことは叶わない。


「うわっ、マズイ……!ここまで範囲があると、避けられない!」
「ランサー!速くこっちに!銃を束ねて盾にしなさい。ある程度は守れるわ!」

幾ら速くとも、雨粒を避けて戦う事など不可能である。先程とは逆に、ランサーは追い詰められていた
アーチャーの機転で幾分か耐えられたものの、このままではライダーに近づく事すら出来ないまま

天に対しての反抗は、今まさに佳境を迎えていた



960 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/01/17(日) 22:28:07.81 ID:4tpkw4wPo
前言撤回、これは今次最強の鯖だわ
961 : ◆6QF2c0WenUEY [saga]:2021/01/17(日) 22:29:46.63 ID:3GpwnOOe0

【本日はここまで……】

【次回は決着までいけたら……】



962 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/01/17(日) 22:32:59.93 ID:4tpkw4wPo
乙です
963 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/01/17(日) 23:03:31.86 ID:yr8YRDOGO
964 : ◆6QF2c0WenUEY [saga]:2021/01/26(火) 22:46:45.18 ID:txj8ItYr0

【ごめんなさい。決戦までは無理でした…】

【ずっと待たせてしまったお詫びとして、書き留めていた分を投稿します】



965 : ◆6QF2c0WenUEY [saga]:2021/01/26(火) 22:48:03.76 ID:txj8ItYr0


「こっちよ!早く!」
「わかってる!」


豪雨と暴風が支配する。叫び声は霧消する
まるで刃が降ってくる様な、空そのものが切り裂きにかかる様な錯覚に陥りそうだ

銃を重ねた簡易的な傘の中、ルゥナはゆっくりと肺に酸素を叩き込む
一つ呼吸をする度に、一つ銃身がへし折れる。柔な造りでは無い筈なのに、まるで割り箸の様に容易く両断されていく

雨宿りと言うには物騒な光景。さざめく雨音はどこかもの悲しい旋律を奏でている
それは正しく、寂寥感すら漂う程の殺戮だった


「どうだい?僕の世界、僕の帝国は」
「これこそ無敵、無類の宝具!龍は天であり、天は我にある!」
「日出る処は此処に非ず。雨と風で削り殺してやるよ……!」

邪悪な笑みを浮かべながら、じりじりと囲んで潰していく
まさに、現状は袋のネズミ。今いる場所を守り切る事で精一杯だった

「ランサー、あんたの速さでここから逃げられないの!?」
「オレとルゥナだけならともかく……アーチャーまで来るとなると難しいかな」
「っ。なら、私がこの場を耐えて……」



「その必要はない」
「よく耐えた。ここからはオレが先を進もう」


966 : ◆6QF2c0WenUEY [saga]:2021/01/26(火) 22:51:09.21 ID:txj8ItYr0


ごう。と風とは異なる音が鳴る
一つ限りではなく、次々と。魔力の砲撃が雨の中を通り抜ける
ライダーに殺到する無数の砲撃。しかし、どれも彼に当たる事なく有らぬ方向へ逸れていった


「新手か……?何だ、お前は」
「アーチャーのマスター、ストレングス。貴様を倒しこの街を守る者」
「ならば、お前も塵芥となるがいいさ!」

豪雨が更に勢い付き、闖入者であるストレングスを薙ぎ倒さんと舞い踊る
その渦中でストレングスは手短に話す。あちらでは何があったのかを

「突然の暴雨によって、キャスター陣営。及びガイスロギヴァテスは撤退を余儀なくされた」
「全員が基地の中に避難してはいる。が……主であるアーチャー。貴様がいなければ恐らくは数分も持たないだろう」

「どうして令呪を使わなかったの!?私だけは戻れたのに……!」


まるでなんて事も無い様に淡々と語るが、それは絶体絶命の危機である事を示していた
苛立つアーチャーは鋭く詰問する。その真剣な顔を見つめ、一言だけ呟いた

「ランサー陣営は、仲間だからだ」
「仲間を捨てる事だけは、オレは絶対にしたくない」



967 : ◆6QF2c0WenUEY [saga]:2021/01/26(火) 22:52:42.44 ID:txj8ItYr0



「へぇ〜、オレもそう思ってるよ!」
「納得するんじゃないっての。本当は何か要求でもあるんでしょ?」
「信じたくなければそれでもいい」

「話してる暇なんて無いわ!早く基地に戻らないと全滅するのよ!?」
「ここで死にたくないのなら、何とかしてここを突破しないと……!」


こうして話している間にも、刻一刻と近づいてくるのは死の気配
雨の檻の中に入り込んだはいいものの、それを強行突破出来なければ意味が無い

「オレが魔力で雨に穴を開ける。そこを全力で駆け抜けるぞ」
「ああ、来た時も同じ手を使ったんだね?」

「……行かせるとでも思ったのかなあ?」
「強引にでも押し通る」

「じゃあやってみろよ!木瓜野郎が!」


ライダーの怒気が辺りに伝播する。すると、途端に白の靄が漂い始めた
怒れる熱気に反応するかの様に、落ちた雨粒が蒸発する。檻に加えて、霧の壁まで立ち塞がる
豪雨は何時しか霧雨となる。勢いは消えたものの、周囲の視界は完全に閉ざされた

「……マスター、この霧を払う事は」
「難しい。どれだけの魔力を込めようと、一瞬で霧が覆うだろうな」
「それって要は、一瞬だけなら払えるって事だよね?」


ああ。と返答するストレングス
怪訝そうな顔のアーチャーとルゥナを横目に、ランサーは自信ありげに腕を掲げた

「じゃあ、今からオレが合図をする度に、霧を払ってくれるかな?」
「はぁ?あんた何言って「それじゃあいくよ!……“今だ(エクスペダイト)!”」



968 : ◆6QF2c0WenUEY [saga]:2021/01/26(火) 22:54:34.13 ID:txj8ItYr0


聞くが早いか。首根っこをひっ掴まれたかと思いきや猛烈な重力が体を襲う
ランサーが宝具を使った。……そこまでは理解できた。がこの状況はまるで意味が……

「成る程、お前の宝具で切り開くという訳か」
「そういう事!オレが“行く”って思えば、必ず辿り着けるはずだ!」
「貴方のマスター気絶しているわよ?」「平気平気。ルゥナは少し鍛えた方がいいからね」

霧雨の中を光速で走る三人組、そして一名
ストレングスの光弾が風穴を開けると同時に、そこに目掛けてランサーが槍を振るい払う

十文字に道が開く。そこを切り抜けると、基地はもう目の前まで迫っていた


「見えたわ!……ライダーは!?」
「今の所は追ってきてはいないみたい」
「ううん……追う必要が無いって言った方が良さそうかな」

ランサーの指摘の通り、背後には誰の影も見えない
しかし、降り頻る豪雨がここまで影響を及ぼしている事実そのものが、ライダーの掌の上にいる事を証明していた

「……とにかく、今は基地に戻る」
「体勢を建て直し、ライダーを打倒する為の策を考えなくてはならない」


言い終わる前に基地へと入る。残された二人もその後に続く
ライダーは遥か遠方で、その様子を蛇の如き眼で眺めていた

「ははは……わざわざ巣に戻ってくれるとはね」
「これでいちいち一つ一つ潰す手間も省けるってもの。纏めて葬り去ってやるよ……!」

豪雨は更に増していく。暴風は空を駆け巡る
遂に、街を覆い尽くしたライダーの領域。民はこの災害を前に、戦く他は無かったのだった


969 : ◆6QF2c0WenUEY [saga]:2021/01/26(火) 22:55:12.53 ID:txj8ItYr0

【ここまで。また近日中に決着をつけたい…!】

970 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/01/27(水) 00:31:43.33 ID:4/m2QUj1O
971 : ◆6QF2c0WenUEY [sage]:2021/02/06(土) 23:22:59.99 ID:2EMT0ly40

【明日決着まで更新します】

972 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/02/06(土) 23:43:32.11 ID:YmdkN7ZO0
了解
頑張ってー
973 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/02/07(日) 00:00:49.25 ID:bOz7eG9Z0
了解です
974 : ◆6QF2c0WenUEY [saga]:2021/02/07(日) 22:33:03.74 ID:o6ttuLRa0

【それでは更新。安価は無いですのでお気軽に…】

975 : ◆6QF2c0WenUEY [saga]:2021/02/07(日) 22:34:47.93 ID:o6ttuLRa0

【アアアアア!データが!データが飛んでいる!?】

【ちょっとお待ちください思い出せる範囲で書いてきます】

976 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/02/07(日) 22:36:56.32 ID:f9vCToyfo
クラウドに保存してるアプリだからと安心してると、白紙で上書きしてるとかたまにあるよね……
977 : ◆6QF2c0WenUEY [saga]:2021/02/07(日) 22:43:37.41 ID:o6ttuLRa0


「どうすんのよ!?このままだと本当に」
「う〜ん。オレもちょっと考えてるんだよね」

「籠城して去るのを待ったとしても、またここに来るだろうし」
「かといって、ライダーを倒すには雨と風の壁が厚くて突破できないんだ」
「なら逃げましょうよぉ……ルゥナさんは令呪がまだありますしぃ……」

「それだと僕達が生き埋めになるんだが」
「オレもそれには反対かな。ほら」

ユーニスの発言に賛同する様に、ランサーが手元のタブレットに示される気象情報を見せる
坂松市には、“大雨特別警報”と掲示されていた

「……つまり、街全体がライダーの捕捉範囲?」
「多分ね。」

思考が堂々巡って回り、硬直した重苦しい空気が漂い始める
進むも退くも不可能な状況で、まさに、袋小路に陥っていた




「……吉田君」
「だからそう呼ぶなと!」
「君の宝具で、どうにか出来ないのか?」


978 : ◆6QF2c0WenUEY [saga]:2021/02/07(日) 22:45:26.27 ID:o6ttuLRa0


ぽつりと、一言呟くユーニス
その発言に周囲の視線が集中する。発言者ではなく、彼女の差した……


「はぁ!?……いやいや、無理だからな!?」
「そもそも俺は単なる学者だぞ!あんな化け物相手にどうこう出来るか!」
「じゃあ、何でキャスターを召喚したのよ……」

「僕は考古学者でね。是非ともこの国の同業者の話を聞きたかったんだ」
「そんな理由で召喚したの!?あんた達勝つ気が無いワケ!?」
「「うん」」

あっさりと頷くキャスター陣営に頭が痛くなる
まさか、聖杯戦争で勝ち残る事が目的でない者がいるとはルゥナの目を以てしても見抜けなかった
とにかく、キャスターはほぼ戦力外だろう。しかし宝具の存在はどうしても気になった


「一応聞くけど、どんな宝具なのかしら?」
「それはだな……」


979 : ◆6QF2c0WenUEY [saga]:2021/02/07(日) 22:46:34.52 ID:o6ttuLRa0


「あー……なるほどね」
「だろう?そもそもこの街の歴史が浅い!」
「これでは俺の宝具か全然役に立たないじゃないか!ここは日本じゃないのか!?」

宝具の概要を一通り聞いた。……確かに、これは使いにくい
キャスターは頭を抱えて踞る。こんな事になるなら来なければよかったと呻いていた

「どうするんですかぁ!?このまま全滅するのベルは嫌ですぅ!!ルゥナさぁん!」
「うっさい!あたしだって考えてるわよ!要はライダーを倒せばいいんでしょ!?」
「ちなみに、ただ令呪を使ってもあんまり意味は無いかな〜。威力が相殺されて、また暴雨に呑まれるよ」

ランサーの指摘に若干イラつくが、冷静に状況を鑑みる
しかし、どれだけ思考を張り巡らせても頭の中に浮かぶ言葉は『チェックメイト』
……要するに、どうしようもなく詰んでいるのだ



「……キャスター、一つ聞く」
「ん、何だ?言っておくけどな。俺は戦闘には絶対に……」
「その宝具は、俺の言う通りに使えるか?」

980 : ◆6QF2c0WenUEY [saga]:2021/02/07(日) 22:47:13.12 ID:o6ttuLRa0


「……ほ、本気ですかぁ?」
「まあこれしか手がないのも事実だしね」

ストレングスがキャスターに確認を取った内容
それに「多分出来る」と頷いたのを見やると、ランサーが一つの突破口を提示した
……あまりにも荒唐無稽過ぎて、ルゥナですらも正気を疑うような内容だったが


「それ、まさかあたしの令呪を使わないとダメな作戦じゃないわよね?」
「勿論切って貰うよ?大丈夫、アーチャー陣営も使ってくれるって言ってるし」
「そういう問題じゃないっての!」

「僕の計算によれば、成功確率は四割と言ったところだな」
「命が掛かってるんですよぉ!?そんなに低いと不安なんですけどおおおおお!」
「私だって反対したいわ。……けど、それしか方法は思い浮かばないのも事実よ」


アーチャーの苦悶の表情が、この作戦の無謀さを物語る
それしかない。その言葉が現在の状況を的確に示す様に、もうどうしようもないのだ

「キャスター」
「わかっている!……クソ、どうなっても知らないからな!?」

ストレングスの合図を皮切りに、キャスターの宝具が開帳される
それと同時に、ルゥナとストレングスは令呪を光らせて───


「「“──令呪を以て、命ずる”!」」

981 : ◆6QF2c0WenUEY [saga]:2021/02/07(日) 23:02:01.34 ID:o6ttuLRa0


豪雨に襲われる坂松の街。俯瞰し笑うは、張本人であるライダーだ
街が慌てふためく様を見て笑う。追い込んだ鼠の絶望を想像して笑う

いい気味だ。僕に逆らった者、即ちそれは自然への反逆に他ならない
有象無象にわからせてやる。この世で真に守るべきは、人ではないと知らしめる

「……さて、そろそろ連中は死んだかなぁ?」
「まあ……生きていても、許すつもりなんて欠片も無いけどね……!」


悪意で口が弧を描く。まさに今、敵を殲滅せんと魔力が更に渦を巻く
持って数刻の命をへか折らんと、風が、雨が更に激しく……

「……?なんだ、勢いが弱く……?」
「何か小細工でも弄したか?だけど、この程度で僕が……」





『わかっているさ!ライダー!』
『だからこそ、これで絶対に決める!』

「は────」

声が飛んでくる。今、まさに叩き潰さんとしていたサーヴァント一騎が叫んでいる
それ自体は、いや、その“現象”だけならいい。どうせ出てきたところで雨に裂かれて消え失せるのみ

しかし……ライダーは仰天し、思わず目を丸くして“ソレ”を見ていた

空から光る、銀の弾丸。状況を打開せんと迸る時空の槍



───“超光速で空を駆ける、ランサー”を



982 : ◆6QF2c0WenUEY [saga]:2021/02/07(日) 23:02:39.28 ID:o6ttuLRa0


「おおおどうだっ!?ちゃんと行ったか!?」
「うむ。視認する限りだが、ライダーへと一直線だ」
「そそ、そうか。なら俺は休む……!」

へたりこむキャスター。ご苦労と酒のビンを手渡すとらっぱ飲みして一気に飲み干す
宝具を、敢えて間違った使い方で使用したのだからその負担は計り知れない
横になるキャスターを尻目にユーニスは手元の蔵書の頁を開く。この先の結果を演算する為に




『まずは、キャスターの宝具で飛び交う暴風雨の勢いを制御する』
『それが可能なのはお前だけだ、“大地に宿る記憶を呼び覚ます”宝具を持つキャスター』

『……吉田君、大丈夫かね』
『大丈夫も何もやらんと死ぬだろうが……出来たら大吟醸を寄越せよ』
『勿論だとも。令呪は無いが応援はしている』



『ではいくぞ!……“地理、歴史。とりもなおさず未来に向けて、その名を紐解き幾星霜”』

『“土の記憶よ想起せよ。風の記憶よ再度覚めよ!その名、その地の想いよ起きろ!”』


『“開け、『大日本地名辞書』!この地の記憶を呼び覚ませ!”』


983 : ◆6QF2c0WenUEY [saga]:2021/02/07(日) 23:03:26.94 ID:o6ttuLRa0
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984 : ◆6QF2c0WenUEY [saga]:2021/02/07(日) 23:04:02.97 ID:o6ttuLRa0
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985 : ◆6QF2c0WenUEY [saga]:2021/02/07(日) 23:06:08.70 ID:o6ttuLRa0
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986 : ◆6QF2c0WenUEY [saga]:2021/02/07(日) 23:06:56.38 ID:o6ttuLRa0

 ◆『大日本地名辞書』   
 ランク:A 種別:対地宝具 レンジ:1〜100 最大捕捉:1000   
  見た目は当時刊行された状態の大日本地名辞書であるが、それをもとに行われた日本のすべての地名・地史研究の成果が詰まっている。   
  彼が生前執筆のために集めたり全国各地から送られた資料を基に構築された、日本全土の人々が持つ地名や地誌に関する思いの集合体である。   

  現在いる地点の地名の載ったページに魔力を走らせることで発動する。   
  その際はキャスターの心象世界に上手く風景を展開するイメージとして、短歌や漢詩にも造形の深かったキャスターが地名に関した短歌や漢詩を詠むこともある。  

987 : ◆6QF2c0WenUEY [saga]:2021/02/07(日) 23:07:23.52 ID:o6ttuLRa0
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988 : ◆6QF2c0WenUEY [saga]:2021/02/07(日) 23:08:10.31 ID:o6ttuLRa0
    
  その能力は、現在いる地点に関する過去の風景や事件の再現を行う固有結解。   
  人々の持つその土地に関する歴史や想いといったすべての力を持っての再現を行う。  
  膨大な魔力があれば日本全土分の過去の風景を再現することも理論上は可能だが、通常は数百メートル〜最大数キロメートルの地区1つ分くらいの範囲が精いっぱいである。   

  固有結解であるので自分と対象以外に影響を起こすことはなく、一般に被害を与えずに済むことにキャスターは安堵している。        
  もちろん制限もあり、地史の改訂・刊行に間に合わないようなあまりに最近の事柄や、地史に記録されないような微細な事柄は再現できない。   
  また再現できるのは基本的には過去に起こった事実だが、人々の記録として伝わる中でねじ曲がっていった場合は影響を受けるし、 記録されていない部分はどうなるかわからない。      


989 : ◆6QF2c0WenUEY [saga]:2021/02/07(日) 23:08:40.55 ID:o6ttuLRa0
     
  例えば蛇川(蛇の字)など土砂災害に関する地名より、土砂災害を引き起こしたとしても起きるのは当時のままの事象であるが、微細な部分が記録されていなければ、   
  洪水なのか土石流なのか、どの地点から発生しどのような被害があったのか等は資料に記録された分だけしかわからない。   
  使い方を誤れば自死をも引き起こすが、崩沢、というように川に合流する細かい沢の名前が残ってたりすると土石流の発生点を少し特定できるし、   
  逃れの杉、といったように災害から逃れたことを示す地名があれば、その地点へ自陣営だけ避難するといったこともでき、キャスターの調査研究能力が大きく求められる。


990 : ◆6QF2c0WenUEY [saga]:2021/02/07(日) 23:09:50.26 ID:o6ttuLRa0

『がああああ!後は任せたぞおおおお!!』
『アーチャー、オレをあそこに飛ばせる!?』
『無茶言わないで……!本来、この館は閉じ込める為のものよ!?それを無理に変えてるせいで時間が……!』

『ならば。“アーチャー、汝がマスターが令呪を以て命ずる”』
『“宝具の領域、構造を拡大。ランサーを射出可能となる発射口を作成せよ”』
『……っ!ああもう、仕方ないわねっ!』


『ランサー、絶対に倒しなさい。これは令呪を使うまでもない命令よ』
『ここまでの手を尽くした以上、あんたのヘマで失敗しました。なんて許さないからね!』
『わかってるよ……さあ、あの傲慢な皇帝様に、勝ちにいこう!』



『────“今だ(エクスペダイト)!”』



991 : ◆6QF2c0WenUEY [saga]:2021/02/07(日) 23:10:29.58 ID:o6ttuLRa0


ライダーは混乱していた。空から襲来する槍の穂先は自らを貫かんと迫る
凶を示す彗星が降る。今日が命日と告げていた

「クソ……クソッ、クソッ!!僕は!こんな所で終わる人間じゃない!」
「何でだ……!?僕は、民が健やかに暮らせる国を造るんだ、なのに!」
「何で……こんな、取るに足らない凡夫共に押されているんだよ!?」


あり得ない。信じられない。これは何かの間違いだ
頭の中で叫ぶものの、ランサーの勢いは止まらない。雨も、風も、嵐すらも。最早誰の行く手を阻む壁にすらなっていない
豪雨の中でライダーは睨む。暴風を隔てたその先で、時空をしろ示す聖者の姿を

「ライダー……オレは皆が、仲間がいてくれたからこそ、こうして戦えるんだ!」
「一人一人が団結して……決断したから“今”がある!煬帝という偉大な存在に立ち向かえる!」
「過去を護る思いは素晴らしいと思う。けど」



「オレ達は……未来に、生きたいんだ!」

ランサーの蹴りが、嵐の中の煬帝を貫く。その顔にあるのは驚愕ではない
それは、どこか知っていたとばかりの諦めか。星の教えた未来を受け入れた故か

背後で魔力が爆散する。周囲一帯を轟かせて、王の敗北を哀しみながら


992 : ◆6QF2c0WenUEY [saga]:2021/02/07(日) 23:12:07.55 ID:o6ttuLRa0



「……ふ、く、ハハハハハハ」
「アサシンの奴に乗せられてやったけど……僕の失策だったか」
「……だけど……覆したかったなあ……」

「“僕がどこかで敗北する”予見をさあ……」
「ライダー……」

ぽつぽつと呟くライダー。その身体は既に限度を超えている
それでも、未だに現界を果たせるのはそもそもの霊基の格が違うからだろう


「ああ……お前に一つ、面白い星が見えたんだ」
「何れ、重大な決断を迫られる……そんな、転機が訪れる」
「気を付けなよ。精々後悔しない様にね……」

「する訳ないよ。例え、どんな選択でもルゥナはしっかりと決断するはずだ」
「……オレが喚ばれたんだ。彼女はそれが出来る人間だよ」

一瞬。目を丸くするが、すぐにいつもの不敵な笑みを浮かべるライダー
悠久なる道程を歩みながらも、その最期は腹心に裏切られるという不遇の死

それと比べれば、戦場で華々しく散る事のなんと美しい事だろう



「……暮れに、江は決して動かず」

「春の花は満ち行き、満開に咲き誇る」

「流るる波は月を砕いて去り……」

「潮の水面は、星を、帯びて───」



最期の句は、自らの詩の中で没落を詠ったとされる『春江花月夜』
その真意は彼にしかわからない。だが、唯一わかるのは


その姿は晴れやかで、勇壮で……
天帝、楊広は粒子となって、天へと昇る龍の様に消えていった事だけだった


993 : ◆6QF2c0WenUEY [saga]:2021/02/07(日) 23:14:27.04 ID:o6ttuLRa0

【本日はここまで。遅くなってすみませんでした】

【ちょっと次スレ建ててきます。予想以上に手間取ってしまった……】

994 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/02/07(日) 23:17:02.06 ID:bOz7eG9Z0
乙でした
995 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/02/07(日) 23:24:50.51 ID:f9vCToyfo
乙乙
そろそろ終盤かな
996 : ◆6QF2c0WenUEY [sage]:2021/02/07(日) 23:26:15.90 ID:o6ttuLRa0

【次スレです。今度ともよろしくお願いします】
https://ex14.vip2ch.com/i/read/news4ssr/1612707762/

997 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/02/08(月) 02:25:14.85 ID:xP+zO9fxO
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