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【安価・コンマ】ハーレムシミュレーター 第二部【R-18】
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◆WEXKq961xY
[saga]:2020/10/02(金) 20:57:05.99 ID:hqavAogG0
「今や、クリストラは危機に瀕しています」
聖堂の説教台にて。修道服を来た若い女が、高らかに言った。週の最終日、恒例のミサでのことである。
「魔王が復活し、勇者シーヴァが連れ去られ…このクリストラ領では、痛ましいことに、何十人ものアスラ様の子が、この世に産まれること無く命を落としています」
「…」
「…アスラ」
隣に座るシャーロットが、不安げに彼を見る。アスラは、腕組しながらじっと説教台の女を見つめている。
「もはや…クリストラは、今のままでは滅びるでしょう。滅びを免れるには、全てを神に委ねること…」
「…っ」
「アスラ?」
アスラは無言で立ち上がると、聖堂を後にした。ざわつく人々の間を縫って、シャーロットも後からついてきた。
…
「…」
ベッドの上には、一人の女が横たわっている。虚ろな目に、老け込んだその顔は、まだ40手前と言うにはあまりにも弱りきり、痛々しい。彼女はアスラとシャーロットが近寄るのに気付くと、ゆっくりと顔を向けた。
「…アスラ様」
「メイブ、調子はどう」
「わたくしのことは、もう…放っておいてくださいませ」
「叔母様! そんなこと言わないで」
「…シャーロット」
メイブが、弱々しく微笑んだ。
「今は…貴女だけが、頼り…どうか、アスラ様を…」
「…」
「あ、アスラ! 待って! …ええ、分かってるわ、叔母様。でも、叔母様も元気だして、ね」
そう言うとシャーロットは、足早に部屋を出るアスラの後を、再び追いかけた。
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