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【安価でのわゆ】久遠陽乃は勇者である【1頁目】

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853 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/11/26(木) 00:24:40.09 ID:ECNRIAQ4O

まあ嫌われるのもしょうがないよなあんなことあった後だし……
854 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/11/26(木) 00:44:32.85 ID:k+IJy6Kp0
まあ原作からして大団円ってわけでもないからなぁ
855 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/11/26(木) 01:59:06.43 ID:Dd/GDsME0
こうなってくるといよいよ長野向かうよりほかないのかなあ
不安だし杏だけでも付いてきてほしい
856 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/11/27(金) 22:54:03.64 ID:J6Dnwb/ro

遅くなりましたが、少しだけ
857 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/11/27(金) 22:59:20.41 ID:V7OSEtgHo
はいよー
858 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/11/27(金) 22:59:26.29 ID:+SeUFUbiO
かもーん
859 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/11/28(土) 00:14:30.88 ID:3qCvChvqo

陽乃「上里さん……」

若葉『ひなたはそういうやつなんだ』

自己犠牲すればいいと考えているわけではないが、

しかし、それで陽乃のことを救い、

それが若葉の為になるのであれば……ひなたは大社預かりになることを受け入れる

たとえその結果みんなに会えなくなるのだとしてもだ

陽乃「悪いけれど、それは駄目だわ」

若葉『……いいのか?』

陽乃「ええ、それでいいわ」

若葉も、酷く疲れが感じられる

陽乃のこと、ひなたのこと、千景のこと、大社のこと

考えるべきことが多くて、手いっぱいなのだろう

ひなたを若葉から奪うのは得策ではない

もちろん、九尾からしてもダメだ
860 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/11/28(土) 02:13:15.79 ID:3qCvChvqo

若葉『しかし……ならどうする』

陽乃「そうねぇ……」

若葉は、陽乃に敬語を使うことも忘れるほど、悩んでいる

陽乃としては別にそれでもいいので、

それについてとやかく言うつもりはないが

それほどに追い詰められているというのは……無視できない

陽乃「結論、私と上里さんを一緒には出来ないということね」

若葉『端的に言ってしまえばそうなる』

陽乃「………」

陽乃が寄宿舎に戻るのなら、ひなたは解放されない

陽乃の行方がつかめない状態でも、ひなたは解放されない

陽乃が大社預かりでなければ、ひなたは解放されない

若葉を従える目的と、優秀な巫女を守る目的

大社は、ひなたを護るという名目で行動しているが……結局

両方満たせる良い判断だ。と、言うべきだろうか
861 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/11/28(土) 02:55:42.28 ID:3qCvChvqo

もちろん、それは褒めているのではなく皮肉だ

大社が実際に若葉を押さえるのは二の次と考えて

本当にひなたの保護だけが目的であったのだとしても……皮肉だ。

さて……どうしたらいいのだろうか

陽乃が大社預かりに戻るのが、大社にとってのベスト

だが、陽乃にとってはそれは最悪の一手

あんな息苦しい生活はお断りだ

だから……ひなたを諦めるか

ひなたを返さなければ、神樹様を枯らせるとでも脅すか

それとも……

考えれば、手はある

しかし、

ひなたを返して貰った上で陽乃が望んだ生活をするための手は

大社を今まで以上に脅す必要がある

それは、あまりいい方法とは言えない
862 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/11/28(土) 02:58:00.00 ID:3qCvChvqo

では短いですがここまでとさせていただきます
明日は可能であれば少し早い時間から
863 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/11/28(土) 06:09:10.08 ID:tzt6cJ6RO

そのまま長野に行ってもひなたは捕らわれの身のままなのか…
これは困ったな
864 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/11/28(土) 11:36:52.51 ID:EPm+s89Z0

所在不明だと困るってことだから大社に長野行きますって伝えれば大丈夫なんじゃね
865 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/11/28(土) 23:40:41.58 ID:3qCvChvqo
すみませんが本日はお休みとさせていただきます。
明日は、出来る限りお昼ごろから
866 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/11/28(土) 23:48:29.16 ID:vFJU+aB2O
連絡乙です
多忙なのかここのところ急に投稿ペースが落ちてきて心配だけど楽しみに待ってます
867 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/11/29(日) 01:52:44.75 ID:CTtl/PXdO

いま話が動き始めて面白いところになって来たので毎回楽しみに待ってます
868 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/11/29(日) 20:55:47.68 ID:EvNFADcEo

遅くなってしまいましたが、少しずつ
869 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/11/29(日) 20:58:17.11 ID:i+mjZ4k5O
おっしゃ
870 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/11/29(日) 21:15:40.23 ID:EvNFADcEo

若葉『私は……可能なら避けたいが、ひなたを大社預かりにして久遠さんを呼び戻そうと考えていた』

ひなたもそれを望んでいるし、

最善の策ではないにしても、妥協案の一つとして絶対に選べないものでもないと考えていたからだ

しかし、それを強行するのは陽乃の望むところではない可能性も考慮して躊躇っていた若葉は

それを完全に却下された今、打つ手はないと言っても良い

もちろん、反旗を翻してやろうか。という脅しも使えなくはないが

若葉達に使えるものではない。

若葉『だから……久遠さん、寄宿舎かひなた。どちらかを諦めて貰うことは出来ないだろうか……』

たとえ寄宿舎でなくとも、

最低限の自由は保障して貰うつもりだと、若葉は苦しそうに言う。

若葉だって、みんなでまた寄宿舎に……と、考えていただろうから。


1、そうねぇ……なら、寄宿舎を諦めるわ
2、上里さんが、望んでるなら
3、ねぇ……私、長野に行っても良いかしら?


↓2
871 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/11/29(日) 21:23:15.59 ID:i+mjZ4k5O
2
872 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/11/29(日) 21:25:10.44 ID:WbJSUYW60
3
873 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/11/29(日) 22:09:38.56 ID:EvNFADcEo

陽乃は少し考えてから……口を開く

陽乃「ねぇ……私、長野に行っても良いかしら?」

若葉『なにっ!?』

陽乃「っ……長野よ。長野……白鳥さんのいるところ」

若葉『そ、それは分かっているっ!』

急激に近く、大きくなった若葉の声から逃れるように、陽乃はスマホを離す。

突拍子もないことを言ったつもりはないけれど、

若葉にとっては想定外だったのかもしれないと……息をつく

陽乃「だめ?」

若葉『それは、単独で……という話か?』

陽乃「人員を他にも出して貰えるのならそれが一番だとは思うけれど、難しいんじゃない?」

若葉『正直、それに関しては久遠さんを寄宿舎に戻す以上に難色を示すと思う』

若葉はそう言って、ただし。と付け加えた

若葉『久遠さん単独でという話でなら……大社は要求を呑んでくれる可能性がある』
874 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/11/29(日) 23:08:32.78 ID:EvNFADcEo

陽乃「そうなの?」

若葉『これは邪推というか……内密の話でお願いしたいのだが……』

若葉はそう前置きして

若葉『大社は、久遠さんを長野に派遣することで体のいい厄介払いが出来ると考えるかもしれない』

陽乃「それはまた……」

状況から察するに、

悪く言えば長野は捨て駒であり、

ここ、四国本陣の準備が整うまでの必要な犠牲と考えられていると考えられる。

もしそうであるならば、

そこに陽乃が向かうことで時間稼ぎが延長できるし

道中で終わり辿り着けなかったとしても、敵の数を大幅に減らし

今後の負担を軽くしてくれる上に……勇者や神樹様の脅威の一つが消えることになるからだ。

若葉『反対に、同行者が容認されない理由は言わずもがなだろう』

陽乃「まぁねぇ……最悪、私が殺す可能性もあるものね」

若葉『私達はそんなことしないと確信しているが、大社は信じないだろうからな……』
875 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/11/29(日) 23:13:15.63 ID:EvNFADcEo

若葉の残念そうな声が尻すぼみ気味に消えていき、

溜息が零れたのが電話口から聞こえてくる

やはり、若葉もつかれているのだろう

若葉『長野への遠征、本気か?』

陽乃「ええ」

若葉『………』

電話は繋がっているものの、

向こうからの音が聞こえなくなる

考えに考えているであろう若葉は、しばらくしてから「久遠さん」と呼びかけてきた

陽乃「なに?」

若葉『大社に長野遠征を要望として出すのは構わない』

陽乃「何か条件があるの?」

若葉『単独でしか許可が出なかった場合……行くのは諦めて貰えないだろうか?』
876 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/11/29(日) 23:20:54.23 ID:EvNFADcEo

今でも十分に陽乃の状況が詰んでいるのは若葉も知っているだろう

その苦肉の策として長野に行きたいと言っていることも

若葉は理解しているだろう。

けれど、それでも若葉は単独で長野に行くことは認めたくなかった。

若葉『久遠さんの力は信頼している……だが、それでも絶対ではない』

若葉や、友奈

他の勇者メンバーが単独で行くのに比べたら、その生存率ははるかに高いはずだ

しかし、だとしても確実という保証がない。

遠征中に連絡が取れるとは限らないし、もしものことがあったら目も当てられない。

若葉『私は、久遠さんにいなくなってほしくないんだ』

陽乃「そんな――」

若葉『畏怖すべき力であるとしても、貴女の力は起死回生の一手だ。誰かが死ぬ戦いも、貴女がいれば死なずに終えられるかもしれないんだ』

陽乃「過大評価だわ」

若葉『いいや……貴女は誰かが死ぬなんて見過ごせない。だから絶対に、助けるはずだ』

なんという信頼なのかと、陽乃は眉をひそめた


1、良いわ。じゃぁ、単独許可だったら諦める
2、ごめんなさい。単独でも行かせて貰うわ。貴女の評価を信じるのなら。分かるでしょう?


↓2
877 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/11/29(日) 23:23:38.05 ID:WbJSUYW60
1
878 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/11/29(日) 23:23:43.23 ID:CTtl/PXdO
1
879 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/11/29(日) 23:24:59.01 ID:i+mjZ4k5O
1
880 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/11/29(日) 23:28:22.20 ID:EvNFADcEo

ではここまでとさせていただきます。
明日もできれば通常時間から
881 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/11/29(日) 23:40:30.41 ID:i+mjZ4k5O

流石に単独で遠征は多分ゲームオーバーフラグだろうしなぁ
でも残るなら少しでも待遇改善してほしいけど…
882 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/11/30(月) 00:43:25.90 ID:7aAg6JtUO

とりあえず単独での長野行きは無しか
話がどう転がるかドキドキするなあ
883 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/11/30(月) 22:13:40.55 ID:ASGCEm9Io

では少しだけ
884 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/11/30(月) 22:14:27.32 ID:Kxdc7uNlO
いえす
885 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/11/30(月) 22:39:22.27 ID:ASGCEm9Io

陽乃「良いわ。じゃぁ、単独許可だったら諦める」

若葉『すまない』

陽乃「仕方がないわ。私だって無謀だと思うし」

陽乃だって、自分の力を過信したいとは思わない。

今の自分の状況を変えたいとは思うけれど、

わざわざ死にに行くつもりはない。

もちろん、それ以外に道がないというのなら、行くしかないけれど。

陽乃「でも、だからと言って上里さんを向こうに置いておくわけにはいかないわ」

若葉『なら、大社の下に戻るのか?』

若葉は自分自身に問いかけるような小さい声で呟くと、

陽乃が何かを言うよりも前に、口を開く

若葉『それもダメだ。何されるか分かったものじゃない』

陽乃「あれもダメこれもダメ……私達、ダメな事しかないわね」

若葉『せめて大社からの扱いが私たちと同等ならよかったんだが……』
886 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/11/30(月) 23:21:01.97 ID:ASGCEm9Io

陽乃「もしもそうだったなら……郡さんのことを除けばすべて解決かしら」

若葉『……そう、だな……』

若葉は、無理矢理に暫定的なリーダーという役目を押し付けられて、

問題を抱えている陽乃と、陽乃を敵視している千景やほかの勇者達とを取り持たなければならない。

そしてそれは、さらに大社や民衆に対してもだ。

今は陽乃を連れ戻せという大社に対し、

陽乃の要求通りに、寄宿舎に戻す程度で収めて貰えないかを交渉している。

その結果、若葉の大切な人が奪われた状態にある

若葉は軽はずみなことを言ってしまったのではないかと申し訳なさそうに零したが、

そう言いたくなるのも無理はないだろうと陽乃は笑う。

陽乃「ほんと、私が勇者じゃなかったら良かったのにね」

若葉『いや、それは困る……問題は多いかもしれないが、それを補って余りある力を持っている』

若葉は陽乃の力を、九死に一生を得るための切り札のようなものだと考えている。

さっきも言った、起死回生の一手。

陽乃に気にするなとは言えないけれど、

民衆や大社の声に惑わされて欲しくないと、若葉は思っていた。

若葉「それに、たとえ九尾の力がなかったとしても……貴女は勇者になっていたはずだ」
887 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/11/30(月) 23:54:49.07 ID:ASGCEm9Io

陽乃が正式な勇者であったなら、

大社から疎まれることも、民衆から恨まれることもなく、

普通に、若葉達と同じ勇者として敬われる立場にあったことだろう。

そうだったなら……と、若葉と陽乃は互いに考えて、

しかし、そうではないのだからと首を振る

陽乃「私の価値は、この力だけではないって言いたいんだって思っておいてあげる」

若葉『ああ……それで頼む』

少なくとも、見分けがつかないほど完璧に見た目を変えることができ、

勇者やバーテックスに対しての決定打を持っている

陽乃のそんな力は魅力的なものだ。

しかし、陽乃が本当に勇者足る理由とされるのは……これだけ恨まれ憎まれていても命を救ってしまうところにある。

それは、もしかしたらいいことではないのかもしれないが……勇者としては重要な芯の部分。

若葉『伊予島達は……大丈夫だったか?』

陽乃「ええ、伊予島さん達も、ご両親もとてもよくしてくれたわ」

若葉『それは良かった』

安心したように言う若葉は、もう分かっているかもしれないが。と、続けて

若葉『申し訳ないが……今はまだ寄宿舎に戻ることは出来ないから、伊予島に伝えて貰えるだろうか?』

宿泊は延長できるか

延長できないならば、どこか宿に泊めて貰うことは出来るか。

その話が両親へと伝わると――二つ返事で宿泊延長が決まった。
888 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/11/30(月) 23:55:55.24 ID:ASGCEm9Io

√ 2018年 8月3日目 夕:伊予島家

03〜12 杏
37〜46 球子
51〜60 両親
89〜97 九尾

↓1のコンマ

※それ以外は通常
889 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/11/30(月) 23:57:47.81 ID:Kxdc7uNlO
890 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/12/01(火) 00:02:27.66 ID:lrILdukio

では短いですがここまでとさせていただきます。
明日もできれば通常時間から
891 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/12/01(火) 00:05:59.16 ID:iRf81friO

とりあえず今は杏の家に居候しながら大社の返事待ちでいいのかな
892 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/12/01(火) 00:12:17.98 ID:56jD/K2dO

伊予島家でもう一泊か、杏とご両親には頭上がらないな
あと今回の若葉は色々な案件抱えてて原作以上にストレス溜めてそう
893 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/12/01(火) 01:58:43.30 ID:B/rvIHZ30

九尾の変身能力でなんとかごまかしつつ誰か長野に連れて行けないかな?
894 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/12/02(水) 22:03:44.20 ID:37blT9qio

昨日は出来なかったので、今日は少しだけ
895 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/12/02(水) 22:08:28.68 ID:wMtY3ADWO
やったぜ
896 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/12/02(水) 22:11:02.55 ID:37blT9qio
√ 2018年 8月3日目 夕:伊予島家


陽乃「すみません、昨日だけでなく今日も……」

「あらあら、良いのよ……いつもは夫と二人だけだから、にぎやかで楽しいわ」

陽乃「賑やかなのは、土居さんのおかげですよ」

陽乃、杏、球子

陽乃は本来、アウトドア派でもあるのだが、

今ではすっかりインドアな人間となっており、

どちらかと言えば静かな方だ

それは元からインドア派になるしかなかった杏も同じで、

その二人を引っ張るようにして明るいのが、球子だった。

「それにしても、陽乃ちゃんって、お料理が上手なのねぇ」

陽乃「小学校の頃は手伝いで良く作っていたので……和食、ばっかりですけど」

こんな世界になってからは、食堂を利用するのも気まずく、

自炊が基本の生活になっているため、洋食や中華もそれなりに作れるようにはなっている。

「でも、無理せず休んでいて良いのよ?」

陽乃「こんなに良くして頂いているのに、何もしないのは……なんだか、居心地が悪いので」
897 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/12/02(水) 22:28:27.01 ID:37blT9qio

「ふふっ……本当、立派なのねぇ」

陽乃「私の友人は、損な性格だって言いますけど……」

友人以上の繋がりである九尾のことだが、

精霊だというわけにもいかないので、友人として扱う

陽乃にしか聞こえない九尾の声は『誰が友人なのかや?』と、

嘲笑するように笑っているが、無視する

陽乃「あ、これ……揚げますか?」

「待って待って、揚げ物は私がやるから大丈夫よ。万が一のこともあるから、ね」

陽乃「そうですね……なら、洗い物やっておきます」

「ありがとう」

陽乃「……いえ、こちらこそ。ありがとうございます」

こんな関係を、彼女にも期待していたのだろうか。

期待してしまっていたから……拒絶されたのがあんなにも辛かったのだろうか。
898 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/12/02(水) 23:01:43.53 ID:37blT9qio

料理で手伝えることが減って来た陽乃は、

一旦、キッチンから離れてリビングの方へと向かう

平日の今日、杏の父は仕事でいないので

今の家にいるのは杏の母親と、陽乃と杏と球子の4人だけだ

九尾も含めれば、5人だろうか。

杏「久遠さん、お料理も好きだったんですか?」

陽乃「ん〜ん。出来たってだけ」

球子「ほらっ、だから言ったろ〜? タマの方が絶対に好きだって」

杏「タマっち先輩が好きなのはキャンプ料理でしょ。普通の料理じゃないよね」

球子「キャンプで作るのも普通の料理だぞ〜……」

ムッとする球子と、楽しげに笑っている杏

二人を一瞥して、陽乃は二人から少し離れた場所で、溜息をつく

これからどうなるのか……まだ、先のことは分からない
899 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/12/02(水) 23:29:25.06 ID:37blT9qio

陽乃は、若葉と話した内容のほとんどを二人に伝えている

千景が大社に陽乃のことを話した件については避けたが、

それ以外のことは二人にも共有したのだ。

特に、陽乃が長野に行くことを打診したうえで、

許可が単独だったら諦めるが、単独でなければ長野に行くということも。

話を聞いていた杏が、

単独ならば諦めてくれることに安堵していたが、

球子は、単独だろうとそうでなかろうと、

無謀だと……乗り気ではない様子だった。

もちろん、長野にいる勇者を救出するということに関しては、球子もすべきだと思ってはいるけれど

しかし、だとしても危険が過ぎる

陽乃「………」

若葉や杏たちの考えている通り、

やはり、ほかの勇者を引き連れての許可は難しいだろう。



1、九尾と話す
2、土居さん、伊予島さん……鍛練、する?
3、もしダメだったら……どうしようかしらね
4、ねぇ、スマホ借りられる?
5、イベント判定


↓2
900 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/12/02(水) 23:32:17.01 ID:wMtY3ADWO
5
901 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/12/02(水) 23:34:54.72 ID:y60T4eJy0
3
902 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/12/02(水) 23:45:34.81 ID:37blT9qio

ではここまでとさせていただきます
明日も可能な限り、通常時間から
903 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/12/02(水) 23:56:51.65 ID:wMtY3ADWO

今回のタマは杏が陽乃さんを凄く気にかけてる分冷静というかブレーキ役みたいな感じだな
904 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/12/03(木) 04:17:11.64 ID:fmqywzAV0

でも長野の二人救出出来たらリターンもデカいよなあ
こっから先まあまあジリ貧なだけに
905 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/12/03(木) 21:48:55.63 ID:pi9HN7gIo

では少しだけ
906 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/12/03(木) 22:03:12.79 ID:b1ollLGsO
来てたか
907 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/12/03(木) 22:40:00.11 ID:pi9HN7gIo

陽乃「もしダメだったら……どうしようかしらね」

球子「病院には戻りたくないんだろ?」

陽乃「可能な限りね」

球子「だったら……」

球子は神妙な面持ちで呟くと、

深く考え込むように俯いて……杏へと目を向ける

球子「……どうするんだ?」

杏「タマっち先輩……」

今それを考えようって話なんだよ。と

少しばかり呆れたような笑みを浮かべた杏は小さく息をつく

病院には戻さない

そのうえで、ひなたを大社から取り戻す

杏「もしあれなら……ずっとこの家にいても良いのでは?」

球子「杏っ!」

杏「だって、それが出来たら一番いいって思わない?」
908 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/12/03(木) 23:11:12.58 ID:pi9HN7gIo

この家なら、陽乃を悪く扱い人はいない。

陽乃を悪く言うこともなく、

人様の家という点で陽乃は居心地悪く感じてしまうかもしれないが、

監視され続けるような、嫌な思いをすることはきっとなくて

だから……と、杏は思う

杏「お父さんもお母さんも、久遠さんのこと大切にしてくれますよ」

陽乃「それは分かってるけれど……」

それはさすがに迷惑も過ぎる話だ

陽乃としては、この家の居心地は良い

かつてのようにはいかないし、

他人の家なので居住まいをどうしても正してしまう

杏「お母さんたちなら、喜んで――」

陽乃「……だとしてもよ。伊予島さん」

それでも十分にありがたい話だが、

しかし、陽乃は抱えている問題が大きすぎる

ほんの数日間ならともかく、

これから先、長く陽乃を家に置いておくというのは、伊予島家には荷が重い。

それが大社からの命令であるならば従うほかないが、

そうではないなら避けるべきであろう

陽乃「私のいた場所が……どうなったかは、貴女も見て来たでしょう?」
909 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/12/03(木) 23:56:47.85 ID:pi9HN7gIo

あれがもう遠い過去の話であるならば、

陽乃も、もうきっと大丈夫だろう。なんて、

一応は警戒しながらも、伊予島家が問題なく、

大社を黙らせられるのであればお世話になっていたかもしれない。

しかし……その火はまだ燻っている。

それが、この家にまで降りかからないとは限らない

球子「久遠さんは、ここがあの神社みたいになるって思ってるのか?」

杏「タマっち先輩?」

陽乃「ならないとは限らない」

球子「なるとも限らないだろ」

陽乃「なる可能性がある……そのリスクが――」

球子「だったら護ればいいだろ……」

球子は素っ気なく、口を挟む

向ける目は睨んでいるようで、怒っているようで。

球子「それくらい、あんたなら護れるだろ?」

杏「タマっち先輩……そんな言い方……」

杏の宥めるような声にも、

球子は少しばかりむくれた様子で、そっぽを向いた
910 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/12/03(木) 23:58:05.46 ID:pi9HN7gIo

では短いですがここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から
911 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/12/04(金) 00:11:31.56 ID:GFMD8LDhO

伊予島夫妻は陽乃さんの第二の両親になるかもだし絶対に護らないとだな
912 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/12/04(金) 01:40:56.58 ID:OWjrOFce0

タマっちご機嫌斜めじゃん
913 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/12/05(土) 00:30:44.56 ID:o9AnNan0o

遅くなりましたが、本日はおやすみとさせていただきます。
その分、明日は可能であればお昼ごろから
914 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/12/05(土) 00:32:17.41 ID:pImESYcDO
乙です
お昼再開に期待
915 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/12/05(土) 16:27:38.95 ID:o9AnNan0o

遅くなりましたが、少しずつ
916 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/12/05(土) 16:30:17.76 ID:oWn0LDNoO
よっしゃ
917 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/12/05(土) 17:03:35.74 ID:o9AnNan0o

陽乃「良いのよ、伊予島さん」

杏「ですが……」

目を合わせてくれない球子は、

ソファに浅く腰掛けていて、ふんぞり返っているようにさえ見える

球子は、千景ほどに嫌っているわけではないけれど

陽乃のことを良く思っているわけでもなく、どちらかと言えば嫌ってさえいる

ただ、杏が協力をするというから、敵意をむき出しにしたりはしないだけで。

陽乃「土居さんは、私が気に入らないのね」

球子「……気に入らないに決まってるだろ」

陽乃「やっぱり、例の噂があるから?」

球子「………」

球子は答えない

答えることなく陽乃を人睨みして、テーブルの上のお菓子を摘まむ

抓まれたお菓子は、小さく軋んで……砕け散る

球子「噂なんて、タマはどうだっていい」

陽乃「なら、どうして?」

球子「護れるくせに、護れないっていうところが嫌いなんだ」
918 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/12/05(土) 18:08:35.47 ID:o9AnNan0o

球子「本当は護れるんだろ? この家も、杏の両親も、杏も……みんな」

鍛練で手合せをしている球子は、

友奈や千景が決して弱い勇者ではないことを知っている。

だから、その二人をうち倒した陽乃なら、

簡単に守り通して見せるだろうと球子は思っている。

球子「護れるなら護れるって言えばいいじゃないか……」

なのに、本人はそんな自信がないようにふるまっているし、

あくまで、陽乃は自分以外の人を護る気がないようなそぶりを見せている

それは、杏がついて行くと言ってもだ

球子「それで、協力して貰えばいいじゃんか」

陽乃「………」

球子「噂がなんだよ……それでも協力するって杏が言ってるんだぞっ」

球子は苛立たしそうに、お菓子で汚れた手で拳を固く作り出すと

何かを言いたそうに唇を歪ませて、杏を一瞥する

球子「だったら……ちょっとくらい、信じたって良いんじゃないのかっ?」
919 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/12/05(土) 19:27:09.41 ID:o9AnNan0o

球子「タマを信じなくても良いから、杏くらいは」

杏「何言ってるのっ?」

球子「……護れるんだろ? 久遠さんなら」

陽乃「保障はできない」

大社がどれだけ警戒していようが

民衆から忌み嫌われていようが、

球子や若葉達に信頼されていようが、

陽乃は、その力を絶対だとは考えない

陽乃「……護れるだなんて、思えないのよ」

杏「でも、久遠さんは護ってくれたじゃないですか」

陽乃「護れただけよ。護れるわけじゃないわ」

それは球子に睨まれたとしても、譲れない。

自分の力を過信するには――陽乃は多くのものを失い過ぎたのだ



1、悪いけれど、伊予島さんは貴女が護って頂戴
2、私だけじゃないわ。貴方の力でだって、護れるとは限らないの。己惚れるべきではないわ
3、別に、信じたって良いけど……
4、信じられない私に任せて平気なのかしら


↓2
920 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/12/05(土) 19:30:25.50 ID:5eFvKd/2O
3
921 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/12/05(土) 19:31:45.23 ID:VyPt+dEl0
3
922 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/12/05(土) 21:30:42.22 ID:FHDRTidBO
923 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/12/05(土) 21:32:12.04 ID:o9AnNan0o

陽乃「別に信じたって良いけど……」

杏「ほ、本当ですかっ?」

陽乃「けれど信じるのと護るのとでは、話は別よ」

陽乃の今の噂や状況を踏まえてなお、

協力的な杏たちのことを信じることはやぶさかでもない

もちろん、全幅の信頼を置くことまでは出来ないけれど

ただ、護ることは約束できない

それだけは、約束したくはない

陽乃「貴女達が私に協力的だってことは信じてもいいわ。でもね、護るだなんて約束はしない」

球子「そんなに自信がないのか?」

陽乃「ええ、そうよ」

護ってあげられる自信はない

みっともない自衛だと嘲笑されても良い

陽乃は笑われようとも、

絶対に助けてあげるなんて約束をする気は、微塵もなかった
924 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/12/05(土) 22:20:23.56 ID:o9AnNan0o

陽乃「もちろん、私の力が及ぶ範囲でなら護ってあげることもあるけれど、絶対だなんて言わないわ」

バーテックスと戦う勇者の一人として、

他の勇者と協力することはあるし、

ないとは思うけれど、一般人が巻き込まれていたならば、

陽乃はどうしようもなく助けてしまうことだろう

けれど、護り切るだなんて約束は出来ない。

陽乃「自分の身は自分で守って頂戴」

球子「……護れなかったら責められるってことか?」

陽乃「護れたって責められるけどね」

杏「タマっち先輩いい加減落ち着いてよっ」

球子「っ……」

杏「久遠さんは護りたくても護れなかったことを心配してるの……どれだけ力があっても、無理なことはあるって」

杏は、自分の力にだけは自信を持つべきだと思う

いや、陽乃には信じていて欲しい。

しかし、杏自身がその自分の力が絶対であることを信じられてはいない

だから、それを押し付けることはできなかった

杏「……でも、久遠さん。久遠さんは勇者の中でおそらく一番強力な力を持っていることだけは、忘れないでください」

その陽乃が、倒せないバーテックスがいたとしたら、

それはもう、人類の敗北を意味すると、杏は考えていた。
925 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/12/05(土) 22:42:57.18 ID:o9AnNan0o

陽乃「私が一番だなんて……」

杏「友奈さん達を負かしたんです……そう思うべきですよ」

杏はその戦いを見ていないので、

実際にどのようなやり取りがあったのかは分からないが、

結果から見れば、

陽乃が友奈と千景を叩きのめすほどの力を持っており、

若葉は運が良かっただけだと否定していたが、

若葉はそれを切り伏せられるほどの力を持っている。

しかし、九尾の人を模倣出来る力が真価を発揮したら、勝ち目はないだろう。

若葉に……上里ひなたの姿で近づけばいいだけなのだから。

もちろん、

陽乃がそんなことをするなどとは、思っていないが。

バーテックス相手でも、

瀬戸大橋の前でたった一人で防衛していたということを加味するならば、

一番は陽乃だろう。

それに関しては、球子も認めるしかない。

陽乃「私よりも若葉の方が強いわよ。じゃなかったら、あなた達がここにいないもの」

杏「怖いこと言わないでください……」
926 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/12/06(日) 00:05:21.64 ID:bH8wkLY0o

事実、九尾が排除していた可能性もあるので、冗談だとは言えないが、

それを言っても仕方がないことだろうと、陽乃は飲み込む。

実際に若葉は九尾を止めてくれた。

たとえ、あの時の九尾がまだ本気ではなかったとしても

若葉だって、本気ではなかったはずだ

若葉にとって、あの時戦っていたのは久遠陽乃で、

きっと、殺すつもりで戦うことはできなかっただろうから。

陽乃「大丈夫よ、乃木さんがいるならね」

球子「なんだ、若葉のことは信頼してるんだな」

陽乃「一応、彼女はリーダーだもの」

球子「ならタマがリーダーだったら信じたのか?」

陽乃「私のことを、止めてくれたならだけど」

球子「一度くらい――」

杏「ダメだよタマっち先輩、危ないから」

球子「……分かってるよ」

杏に止められて、球子は戦うことを断念する

戦えたとしても、若葉が戦った時と同じような状況でないのなら、

判断基準には出来ない
927 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/12/06(日) 00:14:43.87 ID:bH8wkLY0o

√ 2018年 8月3日目 夜:伊予島家

03〜12 九尾
37〜46 大社
51〜60 両親
89〜97 杏

↓1のコンマ

※それ以外は通常
928 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/12/06(日) 00:16:02.03 ID:jxmPU7XrO
929 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/12/06(日) 00:19:23.06 ID:bH8wkLY0o

では短いですがここまでとさせていただきます
明日も可能であれば、お昼ごろから
930 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/12/06(日) 00:29:47.17 ID:jxmPU7XrO

タマが陽乃さんに対していまいち素っ気なかったのは千景とは違う理由とはいえ普通に嫌ってたからなのはちょっとショックだったなぁ
そしてこれを聞いて九尾は何を思うのだろうか…
931 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/12/06(日) 02:46:29.28 ID:5hb60hfQO

まあこれに関しては煮えきらない陽乃さんも悪い気がする
932 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/12/06(日) 23:00:48.86 ID:bhyPNQn8O
今日は休載かな?
933 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/12/07(月) 21:50:12.05 ID:bpJwDYqWo
昨日できなかったので、本日は少しだけ
934 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/12/07(月) 21:51:17.46 ID:SQJHh8CdO
おk
935 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/12/07(月) 22:38:45.04 ID:bpJwDYqWo
√ 2018年 8月3日目 夜:伊予島家


『あの小娘は殺めても良いのではないかや?』

陽乃「誰のこと? まさか、土居さんとは言わないでしょうね」

『言うとも』

くつくつと喉を鳴らすように笑った九尾は、

不意に息を引き込むような音を立てて陽乃から伸びる影が揺らめく

九尾は冗談めかした声色だが、本気だろう

『あの娘は伊予島杏が主様について行くと言って聞かぬことに、不満を抱いている』

陽乃「……盗み聞きしたのね」

『無論、ただの嫉妬ではあるまいよ。それにて、主様が守護することを約束出来ぬことに……であろう』

陽乃「それは、だって……出来ない約束なんて……」

『であろうとも、主様に付き従おうという愚か者がおる。それが己が思う者であるならば、癪にも触る』

陽乃「………」

『己が救うと決めた娘よ。あやつも』

陽乃「貴女、いったいどこまで……」

九尾は、陽乃の影に潜んでいるように見せてはいるが、

別に離れることが出来ないわけではない

陽乃と会話をしていない時、

九尾はいつも、どこかへと足を運んでいるのかもしれない
936 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/12/07(月) 22:53:14.07 ID:bpJwDYqWo

『あやつが護ると誓おうとも、主様には恩が有ると返されるのはさぞ憎かろう』

九尾はネガティブな話をしているとは思えないほど明るい声でそれを語る

九尾が本当に見聞きした情報を話しているとは限らない

騙っているだけである可能性もないとは言えない

九尾は影となっていて、その表情は読めない

もっとも見せていたとして、察せられるかは微妙だが。

陽乃「土居さんは嫉妬しているようなものなのね……貴女の言葉が本当なら」

『くふふっ、であろうな』

陽乃「なら、私が伊予島さんを絶対に守るって約束したら、蟠りはどうにかなるのかしら」

『主様の力まで疑ってはおらぬじゃろう』

陽乃「……なら、私が単独でなら長野にいかないって言ったのは、良かったのね」

陽乃が単独であろうと行く気であったならば、杏は無謀な旅に付き合ってくれていただろう。

それは球子の望まない流れだろうし、

きっと……最悪の結果になっていたはずだ。
937 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/12/07(月) 23:21:38.39 ID:bpJwDYqWo

『なんじゃ主様、行かぬのかや?』

陽乃「行かない予定よ……流石に無謀だもの」

不可能ではないが、

可能と言えるかは微妙なところの一人旅

杏がついてきてくれたところで、

それが可能と言えるまでに引き上がるかと言われればそうでもないので、

単身ではしないのがベストと言える。

それはそれで、ここでどうするべきかという問題が生じるのだけれど。

1つ、一人で長野に行く

これは、今のところは断念する予定

1つ、このまま伊予島家に住まわせて貰う。

これは大社が確実に難色を示すだろうが……ごり押すことは可能だろうか。

杏の両親ということもあって、杏が取り入られるのを懸念して阻止される可能性はある。

1つ、四国内での逃走劇

これも……面倒なことにしかならないので、避けるべきだろう


1、ねぇ、あなたならどうする?
2、上里さん……大丈夫かしら
3、ねぇ、あなたってどこまで盗み聞きしてるの?
4、土居さんと仲良くなれるかしら?
5、貴女……この家と、伊予島さんのご両親を護り切れる自信はある?


↓2
938 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/12/07(月) 23:26:01.79 ID:xzY/63woO
1
939 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/12/07(月) 23:26:24.32 ID:wEWI4YYQ0
5
940 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/12/07(月) 23:28:28.63 ID:LubHFLw90
2
941 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/12/07(月) 23:33:31.63 ID:bpJwDYqWo

では本日はここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から
942 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/12/07(月) 23:49:00.98 ID:xzY/63woO

これ長野に単独で行ってたら本当にバッドエンドだったかもな…
しばらく伊予島家に居候となると杏も残ってくれると嬉しいけどどうなるんだろうか
943 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/12/07(月) 23:52:59.85 ID:XbZBEUTb0

マジでどうしたらいいんだろな
944 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2020/12/08(火) 23:04:18.66 ID:sIyCTTM1O
お休みかな…?
最近火曜の休載率が高めな気がする
945 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/12/09(水) 23:41:45.91 ID:Tvh2/btTo
遅くなりましたが、昨日できなかったので少しだけ
安価出す手前まで
946 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/12/09(水) 23:42:59.79 ID:gMpGj5zSO
やったぜ
947 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/12/10(木) 00:18:20.04 ID:684tF05Co

陽乃「ねぇ、一つ確認したいことがあるのだけど」

真剣な声色でそう切り出した陽乃を見つめるようにしていた影が、

ゆらりと揺らめいて瞳を閉じる動きを見せる

陽乃「貴女……この家と、伊予島さんのご両親を護り切れる自信はある?」

『ほう?』

陽乃「どうなの?」

『妾が守護する理由がなかろう』

陽乃「自信がないから?」

『くははははは! 妾にそれが有用だとでも思うとるのかや?』

陽乃の挑発めいた言葉は、九尾には意味をなさない

むしろ、笑えてさえ来てしまうのだろう

高笑いした九尾は特別怒った様子もない

『主様が守護すればよい』

陽乃「そうできない時もあるでしょう?」

『ふむ……なるほど』

多少の興味も湧いていないような声

考える素振りを装った呟きを残した九尾は、ふっと息を引く

『伊予島杏の肉親二人の守護など、妾の尾が例え一つであっても容易であろう』
948 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/12/10(木) 01:09:07.03 ID:684tF05Co

陽乃「絶対に?」

『無論じゃ。下賤な人間共の悪意なぞ、妾にとっては赤子のようなものよ』

陽乃「……本気で、言ってるのね」

『いかにも』

笑み交じりに答える九尾は、

影の尻尾を揺らして見せて、口を大きく開く

声のない笑みを浮かべているのだろう。

それは少しばかり、不気味に見えた

だが、九尾はそう言う存在なのだ。

人々の信仰を戴く神に近き獣であれば、

人に偽り、人を騙り、歪ませ崩壊させようと画策する悪意でもある。

ゆえに、人々の憎悪など、悪意など

九尾にとっては取るに足らない些細な現象に過ぎない。

それを阻むのも、叶えるのも、容易

『もっとも、妾に委ねるならば心するがよい』

陽乃「……ダメとは言わせてくれないのね」

『もちろんだとも』

九尾はそう言って、影を揺らす

『害をなすならば殺す。勇者ならば利用価値もあるが、単なる人間風情にそれはなかろう』
949 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/12/10(木) 02:05:24.83 ID:684tF05Co

九尾は千景たちでさえ、害になるなら殺してしまえと言うような存在である。

勇者である千景たちを殺そうとするにも拘らず、ただの害意ある人々を生かしておくわけがない

陽乃を憎悪する人間を生かしているのは、

あくまで、それ以上の害になっていないからだ

しかし、それが目の前に現れたのならばその命を見逃してやる道理はないし、

目の前に現れるだけでなく障害となるのであれば排除する。

それに、迷いはない

『主様が伊予島杏の肉親を妾に守護せよというのであれば、排斥のみならず排除することを許容すべきじゃ』

自分の力……と言っても、九尾の力を借りた状態も含めるのだろうが

それで守り切る自信がなく、

九尾自身にまで助力を願うのであれば、多少の死人は諦めるしかない

陽乃「私に頑張れって?」

『うむ』

陽乃「そう……」

守れるように頑張れと

諦められるように頑張れと

いずれにせよ、頑張れと……陽乃は眉を顰めて、首を振る

陽乃「……私がそんな約束できないって、知ってるくせに」

『それを知っていようが、妾には関係のないことであろう』

九尾は素っ気なく、答えた
950 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2020/12/10(木) 02:07:38.02 ID:684tF05Co
では短いですがここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から
951 :以下、VIPにかわりましてVIP警察がお送りします [sage]:2020/12/10(木) 03:04:49.30 ID:E1CyioeL0
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
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952 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/12/10(木) 06:14:50.38 ID:nQewVOYQO

護れるかどうかは陽乃さんの頑張り次第か…
どのみち穏便にはいかなさそうだけど
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