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【艦これ】提督「安価とコンマで学校生活」清霜「その9!」【安価・コンマ】

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979 : ◆0I2Ir6M9cc [saga]:2021/02/21(日) 22:51:12.94 ID:mhnk73Hw0
提督「……それより、問題は大井だ」

不知火「……!」

提督「不知火も知っている通り、あいつには……既に、別れを切り出している」

不知火「……この前、私が電話をかけた時ですよね」

提督「あぁ。ただ、大井はまだ……納得していない」

不知火「え……」

提督「あれ以来、俺は大井と学校以外で顔を合わせていないが……何度も連絡が入って来るんだよ」

提督「『捨てないで』、『元の関係に戻るなんて嫌』……そんなLINEばかりが、毎日な」

不知火「………」

不知火(大井さんは、提督君のことを……諦めていないのね。でも、当然か……私だって、逆の立場なら……)

不知火(それに、提督君と大井さんの関係が拗れてしまったのは……紛れもなく、私のせい。それなのに、私は彼女から提督君を奪い返して……)

不知火「……っ」ギリッ…

不知火(だとしても、今更……提督君を、大井さんに渡したくない。彼女に対してだけは、罪悪感より……嫉妬心が勝る)

不知火(私の目の前で、提督君と手を繋いだり……スイーツを食べさせたり……それを見て、自分でも抑えられないほどの怒りが……)

提督「その度に、俺も返信してるんだが……あいつ、こっちの話を全然……」

不知火「……私も説得します」

提督「……え?」

不知火「私も一緒に、大井さんを説得します。これは提督君だけでなく、私の問題でもありますから」

提督「いや、それは……」

不知火「お願いします」

提督(……やっぱり、責任を感じているのか。これは、俺が犯した罪なのに……)

不知火(……嘘だ。本当は、自分がしたことの始末ではなく……恋敵を、少しでも提督君から遠ざける為)

不知火(無論、人として恥じるべき行いであることは重々承知している。それでも、私は……)
980 : ◆0I2Ir6M9cc [saga]:2021/02/21(日) 22:52:18.64 ID:mhnk73Hw0
ピンポーン…

提督「……!」

不知火「……!」

提督「……誰か、来たみたいだな」

不知火「……はい。よりによって、家族が私達に気を利かせて出かけてくれた時に……」

不知火(……嫌な予感がする。この、狙いすましたかのような訪問……これは、もしかして……)

不知火「………」スクッ

提督「不知火?」

不知火「私が応対します。提督君は、ここで待っていて下さい。すぐ戻りますから」スタスタ…

提督「……分かった」

提督(まぁ、それが妥当か。ここは不知火の家だからな……俺が出るより、不知火が出た方が良いだろう)

不知火「………」ガチャ

バタン…

不知火「………」スタスタ…

ピンポーン…

不知火(……急かさなくとも、居留守なんて使わない。むしろ、好都合だもの……)

不知火「……やはり、貴女なのね」

不知火(インターホンに映し出されていた相手は、私の予想通りだった)

不知火(私が最も憎い相手。私から提督君を奪い取っていった相手……そして……)

不知火「今もなお、提督君に縋りつく……厄介な女……」グッ…

不知火(目が虚ろで、顔に生気が感じられない。"かつて"の私のように、生きながらにして死んでいる……)
981 : ◆0I2Ir6M9cc [saga]:2021/02/21(日) 22:53:14.61 ID:mhnk73Hw0






























大井『………』ハイライトオフ


不知火(……大井、さん)





























982 : ◆0I2Ir6M9cc [saga]:2021/02/21(日) 22:53:51.17 ID:mhnk73Hw0
――不知火家・玄関前


不知火「………」スタスタ…

不知火(大方、私から提督君を取り返しに来たのだと思う。むしろ、そうとしか考えられない)

不知火「………」スッ…

不知火(でも、そのお陰で……こちらから、大井さんの元へ出向く手間が省けたわ)

不知火「………」ガチャッ…

不知火(提督君……貴方だけに、辛い思いはさせません……!)

大井「………」

不知火「……何の用ですか?」

大井「………」

不知火「わざわざここへ来たということは、私に言いたいことがあるのでしょう?」

大井「………」

不知火「それとも、提督君に会う為に……」

大井「………」スタスタ

不知火「……え?」

大井「………」グイッ!

不知火「うっ……!?」

不知火(む、胸元を掴まれて……!)

大井「……お前のせいで」

不知火「……!」

大井「お前のせいで、私と提督は……ずっと、苦しんで……!」ググッ…!

不知火「っ、ぐ……!」
983 : ◆0I2Ir6M9cc [saga]:2021/02/21(日) 22:54:48.38 ID:mhnk73Hw0
大井「お前が提督を振ったせいで……お前のせいで、提督は……歪んで……!」

大井「それだけじゃない……!人としての道を踏み外して、私のことも完全には信用してくれなくなって……!」

不知火「お、大井……さ……」

不知火(苦しくて、上手く……言葉が、出ない……!)

大井「その癖、私が提督と一緒にいる時は……お前、見苦しく嫉妬してたわよね?一体どういうつもりよ……!」

大井「自分で提督を傷付けておいて、提督が私と過ごしていたら嫉妬……?ふざけんじゃないわよ……!」

不知火「……っ!」ズキッ

大井「誰のせいで提督が苦しんだと思ってるの!?誰が提督をずっと支えてきたと思ってるの!?」

大井「それなのに、今更私から提督を奪うなんて……そんなの、許さない……絶対に、許さないから……!」

大井「返しなさいよ……提督、返してよ……前みたいに、提督に別れを告げて……私に返しなさいよぉッ!!」ググッ!

不知火「あっ、が……うっ……!」

不知火(大井さんの言葉が、私の胸に突き刺さる……彼女の言っていることは、全て事実で……)

不知火(先程まで抱いていた嫉妬心が、罪悪感で押し潰されそうになって……)

不知火「……っ」ググッ…

大井「なっ……!?」

不知火「……それ、でも」

不知火(……私だって、分かっている。自分が何をしてしまったかを、提督君をどれほど傷付けてしまったかを……)

不知火「提督君、は……私を、選んで……くれました……!」

大井「……ッ!!」ズキッ

不知火「貴女と、同じように……私、だって……提督君を、渡したく……ない……!」

不知火(だとしても、大井さんには……大井さんだけには、渡すものか……提督君が選んでくれたのは、私なのだから……!)

大井「ぐ、うぅっ……!」ギリィ…ッ!
984 : ◆0I2Ir6M9cc [saga]:2021/02/21(日) 22:55:48.06 ID:mhnk73Hw0
大井「ふざけるなッ!!」バキィッ!

不知火「がふっ……!?」バタッ

大井「お前のせいで……お前のせいで、私は……私はぁッ!!」ガスッ!

不知火「あがっ……!」

大井「殺す!殺してやる!お前だけは絶対に許さない!殺してやるッ!!」ドガッ!

不知火「うぐっ……!」

大井「どうしてお前のようなクズ女が提督に選ばれるのよ!?お前なんて、一生孤独がお似合いなのに!」

不知火「……っ」

大井「こんな我儘で自分勝手で最低な奴より、私の方が提督のことを理解してるのに!提督のことを支えてあげられるのに!」

大井「何でよりによって、こんな女なんかを選んだのよ……!提督はこいつのどこに、そんな魅力を……!」

不知火「……ない」

大井「はぁ!?何よ!?この期に及んでみっともない言い訳でも……」

不知火「お前にだけは……言われたくないッ!!」バキィッ!

不知火「あがっ!?」バタッ

不知火「黙って聞いていれば、良い気になって……!お前に私の何が分かる!?」

不知火「私がどれほどの間、苦しみ続けたか……何も知らない癖に、勝手なことばかり言うな……!」

不知火(一方的に殴られ、蹴り飛ばされ、暴言を吐かれた私は……思考が怒りで染まり切ってしまった)

不知火(先程まで感じていた、こいつへの罪悪感など……完全に消え失せた。もう、自分でも感情を制御出来ない……!)

大井「ぐっ……逆ギレしてんじゃないわよ!誰のせいで提督が……!」

不知火「それくらい分かってるッ!!」

大井「……っ!」

不知火「自分が提督君に、何をしてしまったかなんて……痛いほど理解してるに決まってるでしょう!?」

不知火「お前には、好きな人に忘れられる辛さが……思い出をなかったことにされる辛さが分かるというの!?」

大井「な、何を言って……」

不知火「どう足掻いても、好きな人と新しい明日を迎えられない辛さなんて……分かるはずがない!」

不知火「そもそも、お前は所詮ただの肉体関係!これまで告白さえ出来なかった意気地なしが、今更提督君に縋りつこうとするなッ!!」

大井「っ、お、お前……!言わせておけば……!」
985 : ◆0I2Ir6M9cc [saga]:2021/02/21(日) 22:58:02.93 ID:mhnk73Hw0
提督「お、おい!一体何の騒ぎだ!?」ドタドタ

不知火「……!」

大井「あっ……」

提督「二階まで聞こえてきたぞ!まさか不審者が……えっ、お、大井……?」

大井「……っ」ズキッ…

提督「……何があったんだ。二人共、玄関で倒れ込むだなんて……」

提督(いや、それだけじゃない。よく見ると、二人の頬が腫れて……まさか、お前達……)

不知火「そ、それは……その……」

大井「……っ!」ダキッ

提督「……!?」

不知火「あっ……!」

大井「……捨てないで」

提督「……っ」ズキッ

大井「お願い……私を、捨てないで……!貴方がいないと、私……」ギュウッ…!

提督「……大井」

不知火「……提督君から離れ」

大井「お前は黙ってなさい!」

不知火「ぐっ……」

大井「こんな、貴方を一度捨てた女より……私を……」

提督「………」チラッ

不知火「………」

提督(不知火が、苦虫を噛み潰したかのような顔を……まさか、さっきの騒ぎは……)

大井「提督……」

提督「………」
986 : ◆0I2Ir6M9cc [saga]:2021/02/21(日) 23:00:59.43 ID:mhnk73Hw0
提督「……ごめん、大井」

大井「え……」

提督「前にも言ったが、お前とは……もう、そういう関係には戻れない」

大井「……あの女が、いるから?」チラッ

不知火「………」

提督「………」コクリ

大井「どうして……あいつは、提督のことを……」

提督「……それでも、愛してるから」

大井「ッ!!」ズキッ

提督「やっぱり、俺は……不知火じゃないと、ダメなんだ」

不知火「……!」

不知火(提督、君……)

大井「………」

提督「………」スッ…

大井「ぁ……」

提督「……ごめん」

大井「………」ジワッ…

提督「……っ」ズキッ

提督(ここで流されてはダメだ……俺は、大井やビスマルクとの関係をやめて……不知火を選ぶと、決めたんだ……!)

大井「そん、な……」ポロポロ…

提督「……本当に、ごめん」

大井「………」ポロポロ…

不知火「……これで、分かったでしょう?」

大井「………」チラッ

不知火「提督君は、私を選んでくれました。貴女には、もう……出る幕はありません」

大井「……ッ!!」ギロッ

不知火「……っ」ゾクッ

大井「うぅっ……!」ダッ…!

提督(大井……)
987 : ◆0I2Ir6M9cc [saga]:2021/02/21(日) 23:01:52.66 ID:mhnk73Hw0
提督「………」

不知火「……ようやく、帰ったみたいですね」

提督「………」

提督(こんなことを、自分で考えるのも気持ち悪いとは思うが……不知火と大井は、恐らく……俺のことで、言い争っていたんだろう)

提督(それこそ、お互いを殴り合ったり……大声で罵倒し合うほどに……)

提督(そうでもなければ、二人が倒れ込んでいたことや、頬の傷の説明がつかない……)

提督「……糞ッ!!」ダンッ!

不知火「っ!?」ビクッ

提督「俺は、最低だ……クズだ。糞野郎だ……!今まで、散々……大井に世話になっておいて……!」

提督「なのに、その恩を……こんな、仇で返すようなことをして……!」

不知火「………」

提督「だが、俺が愛しているのは……不知火、ただ一人だ」

不知火「……!」

提督「俺には、こうするしか……」

不知火「………」

不知火(……私にとっては恋敵でも、提督君にとっては……私がいない穴を、埋めてくれていた存在)

不知火(それなのに、提督君は……苦しみながら、胸を痛めながら……大井さんを拒絶してくれた)

不知火(私を、選んでくれた……大井さんを傷付けてまで、私のことを……)

提督「畜生……」

不知火「………」ギュッ…

提督「ぁ……」

不知火「……自分を責めないで下さい。全て、私の責任ですから」

不知火(事実、大井さんは提督君に憎しみを抱いているようには思えなかった。私と言い争っている時だけでなく……)

不知火(走り去る直前にも、私に殺気が籠った顔を向けながらも……提督君には、最後までそれを見せなかったほどだから……)
988 : ◆0I2Ir6M9cc [saga]:2021/02/21(日) 23:03:06.59 ID:mhnk73Hw0
提督「……違う。不知火のせいじゃない……俺が悪いんだ……」

不知火「いえ、私のせいです。提督君は、何も悪くありません……」

提督「そんなことない!俺のせいで、こんなことに……」

不知火「ですから、それは私の心が弱かったことが原因で……」

提督「………」

不知火「………」

提督「……あくまでも、自分が悪いという主張を曲げないつもりか?」

不知火「……提督君こそ」

提督「………」

不知火「………」

提督「……なら、二人で罪を背負うしかない」

不知火「……!」

提督「俺は、大井やビスマルクを傷付けてしまった罪……」

不知火「……私は、提督君を傷付けてしまった罪ですね」

提督(そして、大井を犠牲にしてでも……)

不知火(私達が共に過ごすことを選んだ、罪を……)

不知火「辛いことや、苦しいことは……お互い、分け合いましょう。そうしないと、自分の罪の重さで……潰れてしまいますから」

提督「………」コクリ

不知火「……っ」ズキッ

不知火(私は、また……提督君の優しさに、甘えてしまった。本当なら、全ての罪を……私が背負わなければならないのに……)

不知火(けれど、二人で同じ罪を背負えることに……嬉しさを感じている私がいる。こんなことを考えてしまう自分が、嫌になって……)

不知火「………」フルフル

不知火(……いえ、そんなことでは、また大井さんに提督君を奪われてしまいます。これからは、提督君に選ばれたことに……自信を持たなければ)

不知火(それでいて、自分の犯した罪を忘れず……提督君と背負いながら、生きていく。彼も、それを望んでいるはず……)

提督「……不知火」

不知火「……はい」
989 : ◆0I2Ir6M9cc [saga]:2021/02/21(日) 23:03:54.33 ID:mhnk73Hw0






























「俺にはもう、お前しかいないんだ。どうか、最後まで……俺の傍にいてくれ。俺を、愛してくれ……」


「……もちろんです。私にも、提督君しかいませんから……どうか、私の傍にいて下さい。そして、愛して下さい……」





























990 : ◆0I2Ir6M9cc [saga]:2021/02/21(日) 23:04:41.46 ID:mhnk73Hw0
――同時刻・10周目提督家


大井「はぁっ、はぁっ……!」タタタッ…!

大井(どうして……どうしてぇっ……!)ポロポロ

大井「うっ……うぅっ……!」タタタ…

大井(私は、あんな女なんかより……ずっと、ずっと……提督のことを、愛してるのに……!)ポロポロ

大井「………」ポロポロ

大井(……それこそ、無意識の内に……提督の家の前まで、走って来てしまうほどに……)ポロポロ

大井「………」ハイライトオフ

大井(どうせ、家に戻ったところで……誰一人、いないもの……)ポロポロ

大井(それどころか、唯一の心の拠り所だった提督さえ……私から、離れて行って……)ポロポロ

大井(ねぇ、提督……貴方は『幼馴染の関係に戻るだけ』と言ってくれたけど……)ポロポロ

大井「……あはっ」ポロポロ

大井(そんな関係で、今更……私が納得出来ると思う?身も心も、貴方で染まってしまったのに……)ポロポロ

大井「くふっ……あはははっ……」ポロポロ

大井(自分でも驚くほど、掠れ果てた笑い声が……涙と共に漏れてくる。おかしくもないのに、どうして……)ポロポロ

大井「あはははははっ……」ポロポロ

大井(いや、違う……もう、笑うしかないほどに……絶望しているから)ポロポロ

大井(誰も、私のことを救ってくれやしない……この世界に、私の絶望と孤独を癒してくれる存在はいない……)ポロポロ

大井「………」ポロポロ

大井(その、救ってくれる存在は……あの女が、私から奪い取って行った)ポロポロ

大井(一度は提督を傷つけておいて、性懲りも無く……また、提督に近付いて……)ポロポロ
991 : ◆0I2Ir6M9cc [saga]:2021/02/21(日) 23:05:17.35 ID:mhnk73Hw0
大井「……殺してやりたい」ポロポロ

大井(提督を傷付けた罪を、身をもって味わわせた後に……ぶっ殺してやりたい……)ポロポロ

大井(でも、そんなことをしても……提督の心は、あの女から離れることはない……)ポロポロ

大井(私がどれだけ尽くしても、提督は……結局、あの女のことばかり考えて……)ポロポロ

大井「………」ポロポロ

大井(いや、それ以上に……もう、提督の悲しむ顔を見たくない。あの女を殺せば……また、提督が傷付くから)ポロポロ

大井(あの女と同レベルのクズに落ちぶれるなんて……絶対に、嫌だもの……)ポロポロ

大井「ぐすっ……うぅっ……」ポロポロ

大井(提督がいない世界に、生きる意味なんて……でも、自殺するのも……怖くて……)ポロポロ

大井(そんなことをして、提督が存在すらしない世界に落とされでもしたら……絶対に、耐えられないから……)ポロポロ

大井「提督……えぐっ、提督……」ポロポロ

大井(結局、私は中途半端だったのね……最初から、依存させることなんて考えず……もっと、提督に尽くすべきだった……)ポロポロ

大井(体で癒すなんて、歪んだ手段じゃなく……常に傍にいて、献身的に支えるべきだったのよ……)ポロポロ

大井(今更、後悔しても遅い……提督はもう、私の元へ……返って来てくれないのだから……)ポロポロ

大井「………」ポロポロ

大井(……でも、無理よ。提督がいない、この地獄のような世界を……どうやって生きていけば良いの……?)ポロポロ

大井(提督から離れられない。それなのに、恋人になることは許されないなんて……そんな、ことって……!)ポロポロ

大井「……提督」ポロポロ

大井(提督……提督……)ポロポロ

大井(提督提督提督提督提督……提督、提督……提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督――――)
992 : ◆0I2Ir6M9cc [!red_res saga]:2021/02/21(日) 23:07:46.57 ID:mhnk73Hw0
――――提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督――――
993 : ◆0I2Ir6M9cc [saga]:2021/02/21(日) 23:09:06.75 ID:mhnk73Hw0
――現在・草原


提督「………」

不知火「………」

提督「……また、ここに来てしまったな、俺達」

不知火「……はい」

提督(静かで、それでいて心地良い風が優しく吹き渡る……)

不知火(ここに、提督君と座っているだけで……心が、安らいで……)

提督「………」ギュッ

不知火「……!」

不知火(提督君が、手を……)

提督「……俺は、大井を犠牲にしたことを背負うと決めた。それを撤回するつもりはない」

不知火「………」

提督「自分で、そう決めておいて……大井の想いを、踏みにじっておいて……」

提督(それだけじゃない。ビスマルクのことだって……あんな、強引な方法で……)

不知火「……罪悪感で胸が痛い、と」

提督「………」

不知火「……私も、似たようなものです」ギュッ…

提督「……!」

不知火「大井さんのことや、"かつて"私が提督君を深く傷付けてしまったこと……そして……」

不知火「私のせいで、提督君や大井さん達を歪んだ関係にしてしまったことを……引きずっていますから」

不知火(ただ、大井さんについては……罪悪感より、提督君を取り返せたという嬉しい気持ちが勝ってしまうけれど……)

提督「………」
994 : ◆0I2Ir6M9cc [saga]:2021/02/21(日) 23:09:59.63 ID:mhnk73Hw0
不知火「……提督君の苦しみを理解出来るのは、私だけです」

提督「………」

不知火「そして、私の苦しみを理解してくれるのも……提督君だけです」

提督「………」

不知火「きっと、この罪悪感や胸の痛みは……一生続くと思います。それでも……後悔だけは、してはいけません」

提督「……あぁ、そうだ。その通りだ……後悔するということは、俺や不知火の気持ちを否定することになる」

提督「自分で決めた選択なんだから、どんなに苦しくても……それを背負わなければならない」

不知火「………」ダキッ…

提督「ぁ……」

不知火「何度でも言いますが、提督君には……私がいます。貴方の苦しみも、私が半分背負いますから」

提督「………」

提督(不知火……あぁ、やっぱり俺には……お前しか……)

提督「……っ!」ギュウッ

不知火「んっ……」

提督「俺の方こそ……不知火の苦しみを、背負わせて欲しい。俺に、不知火を……支えさせて欲しい」

不知火「……提督君」

不知火(この温もりがあるだけで、私は……どんな苦しみにも、耐えられる。例え、また時間が巻き戻ったとしても……)

不知火(もう、絶望なんてしない……貴方が私を愛してくれる限り、絶対に……!)
995 : ◆0I2Ir6M9cc [!red_res saga]:2021/02/21(日) 23:10:31.96 ID:mhnk73Hw0















<●><●>














996 : ◆0I2Ir6M9cc [saga]:2021/02/21(日) 23:11:24.28 ID:mhnk73Hw0
提督「……っ!」ゾクッ

不知火「……どうかしましたか?」

提督「いや、今……どこからか、視線を感じたような……」

提督(それも、ただの視線じゃない。突き刺さるような、それでいて全てを見透かされているような……)

不知火「……ここには、私と提督君しかいません。きっと、心が疲れていることによる錯覚です」

提督「……そう、だな。わざわざ、こんな場所へ来て……そんなことをする物好きは、流石にいないよな……」

提督(あの教師ならやりかねないが、俺が授業態度を直し始めた頃からは……あいつが付き纏うことはなくなったし……)

提督(ただ、最近……どこにいても、その視線を感じることがある。だが、そんなことあるか?四六時中、俺を見続けるだなんて……)

不知火「……不安な時や、辛い時は私を頼って下さい。どんなことがあっても、私だけは……貴方の味方ですから」

提督「……ありがとう。不知火の方こそ、辛い時は……俺を頼って欲しい。何があっても、お前を見捨てたりはしない」

提督(……余計なことを考えるのはやめよう。不知火が傍にいてくれれば、俺は……どんな苦しみも耐えられる。得体の知れない視線なんか、どうだって良い……)
997 : ◆0I2Ir6M9cc [!red_res saga]:2021/02/21(日) 23:12:35.86 ID:mhnk73Hw0
――同時刻・提督達からやや離れた場所


大井「………」ジー

提督が感じていた視線は、気のせいではなかった。

彼らの背後、およそ数m離れた場所からは……大井が、彼を凝視していたからだ。

大井(提督提督提督提督提督提督……)

彼女の心は、既に取り返しのつかないほどに壊れてしまっていた。

自殺することも出来なければ、恋敵を殺害することも出来ない。

そして、最愛の人から見放され……彼に依存した彼女は、孤独の世界へ置き去りにされてしまった。

大井(提督提督提督提督提督提督……)

そのような仕打ちを受ければ、誰が正気を保つことが出来るだろうか。

提督という希望を失い、絶望に呑まれた彼女の心にあるのは……彼の傍にいたいという想いのみ。

それを、歪んだ形で……彼女は現実にした。その結果が、御覧の通りだ。

大井(提督提督提督提督提督提督……)

光を失い、濁り切った瞳に映るのは……最愛の人の姿だけ。

他のものは、彼女にとって……全てがどうでも良い存在なのだ。

それは、自分自身とて例外ではない。彼女は、常に彼をストーキングしている。

大井(提督提督提督提督提督提督……)

自分の時間の大半を、彼のストーキングに充てるほどだ。

生きる為に必要な、最低限の生活を除けば……それ以外の全ては、彼を視界に入れる時間に費やしている。

大井(提督提督提督提督提督提督……)

彼への未練を断ち切れず、自らが離れることも出来ないとなれば……

彼女には、いつまでも彼に縋るという選択しか残されていなかった。

大井(提督提督提督提督提督提督……)

彼女は孤独だ。この行動を咎める者も、彼の代わりに彼女を支える者もいない。

無論、こんなことを続けたとしても……彼と恋敵の仲睦まじい姿を見せられ、彼女の心はより疲弊するだけだ。

大井「……うぐっ、おえぇっ……!ゲホッ……!」

例え、最愛の人が恋敵と愛し合う様子を見せ付けられ、その苦痛に耐えられなかったとしても。

彼女は、こうすることでしか……生きる意味を見出せなかった。

否、"生きる"意味というのは、少し語弊があるかもしれない。
998 : ◆0I2Ir6M9cc [!red_res saga]:2021/02/21(日) 23:13:41.53 ID:mhnk73Hw0






























(提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督……)


彼女の心は、彼に別れを告げられた時点で……既に"死んでいた"のだから。





























――不知火 HAPPY END!
999 : ◆0I2Ir6M9cc [saga]:2021/02/21(日) 23:14:08.26 ID:mhnk73Hw0
本編で提督が既に大井に別れを告げていたこともあり、今回のエピローグは本当に苦戦しました。
悩みに悩んだ結果、最終的に『不知火と大井の修羅場』に焦点を置くことにしました。
大井が不知火を刺し殺そうとする等の展開も考えましたが、回想ならまだしもエピローグでそれはやり過ぎだと考え、没にしました。
また、今回は時系列が少し特殊で、不知火と大井の修羅場→(数日経過)→ビスマルクとの交渉→(数日経過・現在)→迅鯨との対話→提督と不知火が草原で語り合う〜失恋パートという順になっています。

プロット等につきましては次スレに投下します。こちらのスレは埋めて頂けると幸いです。
1000 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/02/21(日) 23:14:23.02 ID:goo6qWGGO
おつです
1001 :1001 :Over 1000 Thread
 | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | もうたらい回しは勘弁だぜ
 |_____ _____________
         ∨
    ⊂⊃
   .∧_∧          ,  ⌒ヽ
  .( ´Д`)_        (       ヽ⌒ヽ
  ( ̄ヽ   ヽ_ヽ   /⌒.\ ⌒ヽ    ⌒ヽ
  |. T |      ̄ ̄´ /\ \  /⌒)   ⌒ヽ
⌒ ヽ_ノ、    ` ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  /⌒ヽ   ⌒ヽ
 ⌒ヽ  ⌒⌒ヽ⌒, ⌒ヽ,  ⌒⌒,ヽ ノ⌒ヽ⌒    )
(   ⌒ヽ  ⌒    ,  ⌒ヽ   ⌒ヽ  ,    )              SS速報VIP(SS・ノベル・やる夫等々)
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   (   丶   (        )     ノ  丿

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高森藍子「加蓮ちゃんと」北条加蓮「ほどほどに賑やかなカフェで」 @ 2021/02/21(日) 19:15:18.61 ID:WHVKbw4N0
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地球儀にない山 @ 2021/02/21(日) 00:30:51.39 ID:+LEbqT020
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