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【安価でのわゆ】久遠陽乃は勇者である【2頁目】

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102 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/01/03(日) 21:58:06.94 ID:sO+2PzI9o

ひなた「連れていくんですか?」

陽乃「戦えるようになっていれば、いても問題ないでしょう?」

ひなた「なるほど、それで郡さんを置き去りにするんですね」

陽乃「しないわよ」

九尾に細工して貰わない限り

全員を連れていくなんていうのは不可能だ

その場合

まず間違いなく千景を連れていくわけにはいかない

当然、そうなれば友奈もつれていけないので

最大でも

若葉、杏、球子の三人になってくる。

陽乃「郡さんは悪くないわ。だれだって……あんな風に思うもの」

ひなた「そうは思いませんけど」

陽乃「でも、私はそう思ってる」

それでいいでしょう? と、陽乃は笑った
103 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/01/03(日) 21:59:57.09 ID:sO+2PzI9o

√ 2018年 8月4日目 夜:伊予島家

03〜12 杏
37〜46 若葉
51〜60 友奈
89〜97 大社

↓1のコンマ

※それ以外は通常
※大社の場合、一桁奇数で訪問
※ぞろ目で付近の住民 奇数悪
104 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/01/03(日) 22:00:30.32 ID:cH8cI+yaO
105 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/01/03(日) 22:07:55.50 ID:sO+2PzI9o
では、少し早いですが本日はここまでとさせていただきます
明日も可能であれば通常時間から
106 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/01/03(日) 22:19:06.45 ID:cH8cI+yaO

道筋はできてきたのかな?
107 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/01/03(日) 22:31:28.81 ID:T5tZJ8ODO

偽神託ってまだ使わないのだろうか
なんやかんや九尾が細かく手配してくれそうだけど
108 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/01/05(火) 23:12:27.86 ID:yleqLdHMO
早く長野に行きたいなぁ…
109 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/01/07(木) 08:15:10.46 ID:tu1TUWOsO
昨日もお休みだったか…
数日とはいえ休載が長く感じるな
110 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/01/07(木) 20:25:33.98 ID:OIILG4JVo

連日お休みを頂いてしまいましたが
少しだけ
111 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/01/07(木) 20:28:20.30 ID:ZVscdyYTO
よっしゃー!
112 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/01/07(木) 20:36:23.95 ID:OIILG4JVo
√ 2018年 8月4日目 夜:伊予島家


陽乃はこの四国から出て

長野の勇者達のもとへと遠征することを決めた

しかし、単独での走破は不可能ではないが可能とも言い難い

そのうえ、杏達は付いて来ると言っているし、大社からの許可は無い

この際、大社からの許可は無くても問題はないが

確実に長野にたどり着き、極力死人を出さないようにしなければならない。

特に、勇者のうちの誰かが死ぬというのは致命的だろう

一番は、戦力になる勇者を連れていくことだけれど

今の勇者達は生身に近く

とてもではないが遠征に耐えられるとは思えない

出ていくか

装束が完成するように協力して……連れていくか。

陽乃の力ならば、

それを促進させられるという話ではあるけれど

最悪殺すというのが、怖い
113 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/01/07(木) 21:15:10.14 ID:OIILG4JVo

陽乃単独でも体の負荷という部分に目を瞑ってさえしまえば、

どうにかして……長野にたどり着くことはできる

そうするなら杏たちには知られないように出ていく必要があるし

連れていくなら、

協力してあげなければならない

その場合は杏たちに声をかけた方が良いだろう

陽乃「………」

話をするなら、今日だろう

出ていくのなら、今

あるいは明日の早朝

大社がまだ答えを渋り

若葉からの動きがない今のうちが適切だ



1、出ていく
2、杏たちに話す


↓2
114 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/01/07(木) 21:21:52.41 ID:iavYUUaZ0
1
115 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/01/07(木) 21:24:29.22 ID:ZVscdyYTO
2
116 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/01/07(木) 22:07:16.24 ID:OIILG4JVo

陽乃「……というわけ」

球子「なぁにがと言うわけ。だ!」

杏「た、タマっち先輩! しーっ!」

もう夜だから大声出さないでと諫めようとする杏

球子は悩まし気に頭を抱えて

枕へと頭を打ち付ける

球子「正気か!?」

陽乃「正気で言ってるのよ」

これ以上こんな場所にいたところで

改善されていくとは思えない

もちろん、杏の家は居心地がいいけれど

でも、それに甘んじているだけではいけないと思う
117 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/01/07(木) 22:45:48.96 ID:OIILG4JVo

陽乃「私、向こうに戻りたくないし」

かといって

ひなたを大社預かりのままにしておきたくはない

それになにより、長野のことが気になる

九尾は長野にいる勇者は、

ここにいる勇者の誰よりもバーテックスとの闘いに慣れているから

役に立つだなんて言っているけれど。

杏「なら、私たちを連れていってください」

球子「そうは言ったってなぁ……装束が機能しないだろ?」

杏「でもっ!」

球子「でももすもももあんずも無しだ!」

杏を止めた球子は、

しかし、杏の気持ちを酌んでか少し考えて陽乃へと目を向ける

球子「杏を守れるか?」

陽乃「約束は出来ないわ」

球子「だろうと思ったよ……」
118 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/01/07(木) 22:53:01.41 ID:OIILG4JVo

もはや分かり切っていたことのように零す球子

呆れる素振りもなく

ただ確認のために聞いただけのような笑いを零して……

球子「だったら、杏は行かせられないな」

杏「ううん、私も行く」

球子「駄目だ……駄目に決まってるだろ」

私、死にに行ってきます

なんて笑顔で言っているようなものだという球子は

杏が行くのを絶対に止めるつもりのようだが、

逆に、杏は絶対に行くつもりのようで。

陽乃「そこで一つ、提案があるのだけど」

球子「ろくでもなさそうだなぁ……」

陽乃「否定はしないわ」

でも、聞いておいて損はないと思う。と

陽乃は自信なさげに、苦笑する

球子「それで?」
119 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/01/07(木) 23:04:38.84 ID:OIILG4JVo

陽乃「貴女達の装束を完成させる手助けが出来るかもしれないの」

杏「それって……模擬戦をするっていうことですか?」

陽乃「端的に言ってしまえばそうなるわね」

球子「ふぅん……それで?」

ただそれだけじゃないと見抜いている球子は

それがどれだけユニークな話なのかと

むしろ楽しんでやろうとでもいうかのように笑っていて。

陽乃「別に面白い話じゃないのだけど……」

杏「何かデメリットがあるんですよね?」

陽乃「ええ。まぁ、もうみんな知ってることだけど」

陽乃は小さく答えて一息

隠す必要もなく、はっきりと告げる

陽乃「私と戦うと最悪死ぬわ……手を抜いても長く戦うと体を蝕まれて死に至る」

杏「そんな……」

球子「脅しじゃなくて、本当にか?」

陽乃「こんな脅しが必要だと思う?」

球子「そりゃそうか……」

千景なら殺しに来そうな挑発文句

けれど、今の球子と杏には意味がない
120 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/01/07(木) 23:17:26.50 ID:OIILG4JVo

球子「なるほど……で?」

陽乃「で? って」

球子「久遠さんと戦えば死ぬ可能性があるなんて、タマはずっと考えてたことだぞ」

杏の言葉を信じているならば

陽乃の力が絶大なのはまず間違いがない

だから、死ぬことなんて前提だった

少なくとも球子はそれもあり得ると考えながら話していたのだ

死ぬ可能性があるなど、今更だ

球子「データを取るのは一人で十分だろ?」

杏「タマっち先輩まさか……」

球子「杏はどうしてもついて行きたい。タマは久遠さんの実力が知りたい」

それって利害の一致ってやつだろ? なんて球子は笑みを浮かべる

少し違う気もするけれど

陽乃は何も言わずに、小さく首を振る

本気かどうかなんて聞くだけ無駄そうだ

球子「やろうじゃんか……いいだろ?」


1、相手は郡さんが良いかな……
2、ええ。良いわよ

↓2
121 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/01/07(木) 23:19:57.79 ID:ZVscdyYTO
2
122 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/01/07(木) 23:21:20.06 ID:iavYUUaZ0
2
123 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/01/07(木) 23:38:09.83 ID:OIILG4JVo

ではここまでとさせていただきます
明日も可能な限り通常時間から
124 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/01/07(木) 23:57:01.88 ID:ZVscdyYTO

杏が優しさ故に結構前のめりな分タマが良い感じなストッパーになってくれてるな
そしてようやくタマの希望してた決闘回来たか
125 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/01/08(金) 00:25:33.71 ID:ArtNBEA00

ここにきてちょっと心配になってきたぞ
126 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2021/01/09(土) 11:30:15.09 ID:QLL9S4yU0
長野まで何日かかるんだろ
ライフラインとか残ってんの?
127 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/01/09(土) 21:18:18.33 ID:H7u4cG/hO
じっくり描写すると片道だけでも相当時間かかりそうだし判定でもいいかもね

今日は更新あるといいなぁ
128 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/01/09(土) 22:54:45.06 ID:anLKq5RWo

遅くなりましたが、少しだけ
129 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/01/09(土) 22:58:47.26 ID:TKfcg570O
よしきた
130 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/01/09(土) 23:21:26.33 ID:anLKq5RWo

陽乃「……ええ。良いわよ」

球子か杏か

どちらが最も安全かと考えたら、必然的に答えはそれになる

そう思いつつも

陽乃は球子の戦い方次第では、

球子と自分の相性は最悪だと思っているのだが。

陽乃「大丈夫、殺さないように気を付けるわ」

球子「それ、タマじゃなかったらキレてるからな〜?」

陽乃「なら……手加減はさせて貰うわ。の方が良い?」

球子「郡さんが聞いたら大鎌振りかぶって迫ってくるやつだな」

陽乃「そう……」

困り顔の球子は杏を一瞥して眉を顰め、

また陽乃へと向き直る

球子「それで? どこでやるんだ?」

子供の小競り合いならともかく

勇者としての力を振るうのであれば、

家の前の私道だの、ちょっと広い公道だの

人通りが比較的多いような公園等ではさすがに無理だ

陽乃「私の神社で良いじゃない」
131 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/01/09(土) 23:47:22.09 ID:anLKq5RWo

杏「良いんですか?」

陽乃「良いも何も、もう壊れちゃってるし……」

まだ現存している。と言って良いのかは微妙なところではあるが

今ある廃墟を丸ごと吹き飛ばすほどの戦いをするつもりはないし

それなりに更地となっている上に

悪い噂ばかりで中々に人が来ることがなさそうだから、うってつけの場所だ

最悪、吹き飛んでしまってもいいし

なんて、陽乃は苦笑する

陽乃「あそこなら、気兼ねなく戦えるでしょう?」

球子「久遠さんが良いなら良いけどな」

杏「タマっち先輩の武器的にも屋外が良いし、それでいいなら良いと思う」

陽乃「言っておくけど私の力を真正面から受けるだけなら……死ぬからね?」

球子「やってみなきゃわからないだろ」

陽乃「あっそう」

やって欲しくない

やれば死ぬ可能性があるから

などとは言わずに

陽乃は握り拳を作っては開いてを繰り返して、ため息をついた

陽乃「なら、早速明日の朝に行きましょ。予定、どうせないでしょ?」
132 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/01/10(日) 00:17:45.21 ID:fa7u1rV7o

球子「……久遠さん、小学生の時からそうなのか?」

陽乃「そうって、なに?」

球子「いや、なんていうか」

今この状況下で個別に用事などあるわけもなく

それは当然ではあるのだが

杏と球子がここにいなければならず、予定がないのはある意味陽乃のせいである

その点を責めるつもりはないけれど

それなのに「どうせないでしょ?」と言うのは聊か引っ掛かりがある。

球子「……友達いた?」

陽乃「それなりにはいたし、今ほど嫌われてなかった」

球子「そっか」

もちろん、以前の陽乃はそんなことはなかった。

あれから今まで色んなことがあったせいで

突き放すことを大前提としたひねくれた考え方になったため、

少しばかり、キツい。

それが余計に敵を作ることになるが、味方を作りたくないのだからそれは必然だと言ってもいい
133 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/01/10(日) 00:39:18.56 ID:fa7u1rV7o

球子「もう少しさ……柔らかい感じになれないのか?」

陽乃「私に何を求めてるのよ」

杏「でも、もう少し……その、優しくしたら印象変わると思います」

陽乃は球子たちに対して当たりがきついのに対して

杏の両親に対してはとても礼儀正しい

何かあれば率先して手伝いに行くし、

それがまた、丁寧で……二人からの評価は良く、信頼も厚い

初めからその態度だったなら

千景ともここまでこじれることはなかったのではないかと杏は思う

陽乃「……無理ね」

杏「でも」

陽乃「優しくしてあげてた結果が、コレなのよ。残念だけど」

そう言った陽乃は笑っていたけれど

杏と球子は笑えずに目を合わせて……首を振る

陽乃「明日は模擬戦とはいえ、戦うんだからもう寝なさい」

球子「………」

スレてない陽乃が気になるけれど

それを知る由もなく、球子はため息をつくだけだった
134 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/01/10(日) 00:41:32.20 ID:fa7u1rV7o

では短いですがここまでとさせていただきます。
明日もできれば少し早い時間から
135 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/01/10(日) 00:51:36.59 ID:YL7htGFHO

陽乃さん、間違いなく優しさは残されてるけど心は既にボロボロだな…
二人がどれだけ陽乃さんの心を癒せるかが重要になりそう
136 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/01/10(日) 01:15:33.94 ID:VkF3ActwO

ドキドキするなあ
137 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/01/11(月) 22:19:21.28 ID:4jWb+DGro

遅くなりましたが少しだけ
138 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/01/11(月) 22:28:14.04 ID:MhzhfUajO
きてたか
139 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/01/11(月) 22:28:55.11 ID:4jWb+DGro

1日のまとめ

・ 乃木若葉 : 交流無()
・上里ひなた : 交流無()
・ 高嶋友奈 : 交流無()
・ 土居球子 : 交流有(戦わない、脱出相談、良いわよ)
・ 伊予島杏 : 交流有(戦わない、脱出相談)
・  郡千景 : 交流無()
・   九尾 : 交流有(遠征、勇者との協力)

√ 2018/08/04 まとめ

 乃木若葉との絆 62→62(普通)
上里ひなたとの絆 56→56(普通)
 高嶋友奈との絆 52→52(普通)
 土居球子との絆 43→46(普通)
 伊予島杏との絆 50→53(普通)
  郡千景との絆 21→21(険悪)
   九尾との絆 63→63(普通)
140 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/01/11(月) 22:31:12.36 ID:4jWb+DGro

√ 2018年 8月5日目 朝:伊予島家

03〜12 若葉
37〜46 大社
51〜60 友奈

↓1のコンマ

※それ以外は通常
※一桁奇数で訪問
※ぞろ目で付近の住民 奇数悪
141 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/01/11(月) 22:42:12.72 ID:/OAD9NIo0
142 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/01/11(月) 23:05:08.39 ID:4jWb+DGro

√ 2018年 8月5日目 朝:神社


約束の朝

誰かに邪魔されることもなくすんなりと神社に辿り着いた陽乃達

やっぱり、人気のない神社

呪われるだとか祟られるだとかで周囲の家屋にもまばらで

これなら、多少暴れても問題はないだろう

陽乃「一撃先に入れたほうが勝ちで良いかしら?」

球子「そしたらタマが有利過ぎじゃないか?」

楯のある球子と、ない陽乃

どちらが有利かで言えば

当たり判定を隠せる球子の方が有利と考えられる

陽乃「なら、相手が気絶するまでやる?」

杏「三回攻撃を当てる……でも、タマっち先輩が有利になっちゃうかな?」

球子「攻撃の当たり判定って言うのがそもそもたまに有利だな」

陽乃「じゃぁ、ハンデで良いんじゃない?」

球子「へぇ?」
143 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/01/11(月) 23:39:30.73 ID:4jWb+DGro

球子「余裕じゃないか……負けても知らないぞ?」

陽乃「負けても良いわよ別に」

陽乃は勝たなければならないわけじゃない

負けたっていい

球子達勇者の装束のデータ収集の手伝いになればそれでいいからだ

球子「張り合いがないなぁ」

陽乃「負けても良いけど、負けるつもりはないわ」

球子「どっちなのかはっきりしろよな〜」

そう言いつつも嬉しそうな球子

杏はそれを一瞥して

崩壊してしまっている神社へと目を向ける

かつては人の願いを祈られた場所が

今では、人の憎悪によって変わり果てている

ここで奉られていた神々が人類を滅ぼそうとしても止められる気がしない

陽乃「伊予島さんは審判をお願いね?」

杏「あ、はい……役者不足かもしれないですけど」

球子「心配するな。タマが勝つ」
144 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/01/12(火) 00:06:58.09 ID:7pquXyOWo

『主様、手を抜いても良いが……』

陽乃「大丈夫、分かってるわ」

手を抜きすぎてもダメだし

本気を出し過ぎてもダメ

それは球子の実力に関わらず、装束が耐え切れないからである

長引かせないためにも、

一撃あるいは、三回攻撃を与えたら終了が望ましい

陽乃「一回が良い? 三回が良い?」

球子「どっちの方がデータがとれるのかだろ?」

陽乃「一番データがとれるのは、土居さんが死ぬまで殴ることだけど……」

杏「久遠さん……」

さすがにそれはあり得ない

かといって

超短期決戦になりかねない一撃決着は控えるべきかもしれない

しかし、それが一番安全だ

陽乃「そうねぇ」

安全性を取るか、データを取るか

相手が折れるまでというのは危険ゆえに、一撃決着か三撃決着


1、一撃決着
2、三撃決着


↓1
145 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/01/12(火) 00:10:46.26 ID:REAxeky+O
1
146 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/01/12(火) 00:34:12.88 ID:7pquXyOWo
ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から
147 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/01/12(火) 00:42:52.49 ID:REAxeky+O

千景の時も一撃当たるのに意外と時間かかってたし一回で十分だと思う
なにより長引いて万が一のことがあると困るからな

148 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/01/12(火) 02:20:12.62 ID:6mrF0VrIO

緊張してきた……
149 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/01/13(水) 23:31:44.17 ID:X/cQNO5mO
平日は厳しい感じ?
150 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2021/01/13(水) 23:34:55.02 ID:QklJrBRo0
もしかして戦闘が長引くと暴走する?
151 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/01/14(木) 21:08:20.52 ID:E21gN6KWo

遅くなりましたが、少しだけ
152 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/01/14(木) 21:11:01.72 ID:VFx1hKfnO
やったぜ
153 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/01/14(木) 22:33:21.99 ID:E21gN6KWo

陽乃「じゃぁ、一撃決着で決めましょうか」

球子「おう、やってやる」

意気込む球子は陽乃から距離を取って、

ポケットから取り出した端末を操作する

陽乃「……あら」

端末からあふれ出していく神々の力

それが球子の体を包み込んでいき、

身に纏っていた衣服をどこかへと消滅させて……戦装束へと変えていく

陽乃「なるほど」

球子「どうだ、凄いだろ」

杏「作ったのはタマっち先輩じゃないのに」

大社の中でも

そう言った力を研究する部署が作り上げた技術

それは確かに神々の力に満ちている

満ちてはいるが。

陽乃「力の纏まりがないわね……分散してるように見える」

まとまりがないから

その真価を発揮できていない

これでは、大して力を防げない
154 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/01/14(木) 23:21:31.74 ID:E21gN6KWo

杏「久遠さん、力が見えているんですか?」

陽乃「見えるというか、感じるというか……でも、見えてると思って貰って良いわ」

神の力

小さい頃からそれに触れてきた陽乃は

九尾の力を借りずにそれが察知できるようにまでなってきている

九尾の力を借りれば

それがさらに……鮮明になっていく

陽乃「九尾、できるかしら」

『無論』

端末の操作をすることなく

ただ力を貸してくれる九尾に声をかけただけで

陽乃の装いを戦用の装束へと一変させる

黒を基調とした、暗晦な雰囲気を感じるそれは

陽乃が巫女として勤めていた頃の装束をモチーフとしたものでできていて

一見すると、酷く動きにくいように見えるが

陽乃「懐かしいわね……もう二度と着ることなんてないと思ってたんだけど」

球子「黒いな……」

杏「赤と白じゃなくて、黒と白……独特だね」
155 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/01/14(木) 23:42:09.68 ID:E21gN6KWo

球子「本当にそれで戦えるのか?」

陽乃「ええ、何の問題もない」

巫女装束は、演舞の際にも身に纏っていたものだ

戦闘と比べると動きに派手さはないかもしれないけれど

それなりの運動量を、通常の巫女服で行っていた陽乃としては

それように調整されたものであれば、何も問題にはならなかった

陽乃「準備は良いかしら?」

球子「あぁ、どんとこいだ!」

陽乃「ふぅ……」

普通の模擬戦なら

戦力的に優位な陽乃が後攻で、球子が先攻となるべきだ

しかし、

陽乃の攻撃を受けてこそだから――今回ばかりは譲ることが出来ない

陽乃「手加減するからちゃんと避けてね」

球子「避けたら意味ないだろ」

陽乃「まぁ、それもそうなのだけど……」

楯を、狙うべきだ
156 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/01/14(木) 23:47:13.42 ID:E21gN6KWo

陽乃⇒球子
↓1コンマ判定 一桁

0、5 00  最悪
1、4、6、7、8 防ぐ
3     回避
9、2 楯以外命中
157 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/01/15(金) 00:00:07.18 ID:3g6k813aO
ふむ
158 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/01/15(金) 00:00:51.74 ID:WZQiFFk/o
ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から
159 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/01/15(金) 00:26:07.53 ID:pYae/x1PO

とりあえず成功なんかね?
160 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/01/15(金) 05:28:40.79 ID:kRkartdWO

何気に陽乃さんの戦装束的なものが出たのは初めてか
憑依と性能に違いがあるのか気になる
161 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/01/16(土) 23:46:43.31 ID:c56LLfC+O
休みか…年末辺りから更新が激減してて寂しい
162 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/01/16(土) 23:57:24.44 ID:lnuodNX7O
SSスレって何日に一回の更新がデフォみたいなもんだしまあ気長に待とうよ
163 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/01/17(日) 17:58:40.19 ID:TlnyH0rzo

遅くなりましたが、少しずつ
164 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/01/17(日) 18:45:01.52 ID:TlnyH0rzo

陽乃「土居さん、動かないでね」

球子「避けてやるからな!」

陽乃「もう……」

さっきと言ってることが違うわよ。と、

小さく笑いながら、力強く地面を踏み込む

陽乃の戦闘スタイルは友奈と同じく超近接戦闘

零距離にまで近づいて拳を打ち込むその戦い方は曰く、防御の突破においては若葉達を大きく上回る

踏み潰され、砕かれる小石がギャリギャリと音を立て

少しずつ滑るようにかかとが浮き上がって、体重が前へ前へと推移する

陽乃「すー……はぁ……」

強く、強く

陽乃「ふっ!」

静かに呼吸を整えて、一気に飛び込んでいく

球子「!」

球子との距離は百数メートル程度

地面を蹴り飛ばし、駆け抜け……距離を詰める

それは、球子から見ればほんの一瞬で――

陽乃「せぇぁぁぁああッ!」

球子「うおあぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」

――勢いづいた蹴りが、球子の構えた楯を撃ち貫く
165 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/01/17(日) 18:55:33.17 ID:TlnyH0rzo

球子「おわぁっ!」

蹴り抜かれ、球子の小さな体が吹き飛ぶ

球子は数回地面を跳ねるように転がって、

最奥の木にぶつかる前にどうにか立て直し――ふらりと膝をつく

球子「おっ……おぁ……痛ったぁぁぁぁぁぁ!?」

陽乃「……大丈夫?」

球子「あんず! 腕、腕くっついてるか!?」

杏「ちゃ、ちゃんとついてるから大丈夫だよ!」

球子「楯が砕けるかと思った……」

球子の腕につけられている楯は、まだヒビも入っていない

けれど、蹴り飛ばされた球子の体はあちこちに擦り傷が出来ていて、汚れていて

激戦の真っただ中にいるかのようにボロボロだった

球子「くっそー……タマじゃなかったら死んでたぞ」

陽乃「土居さんなら大丈夫だと思ったのだけど」

球子「ば、馬鹿にしやがってぇ!」

やってやるからな! と叫ぶように唸った球子は、

擦りむいた膝から流れる血を叩いて、大きく息を吐く

球子「やられたら――やりかえぇぇぇぇす!」
166 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/01/17(日) 19:07:01.15 ID:PKoDgcvYO
タマ頑張れー
167 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/01/17(日) 19:11:22.85 ID:TlnyH0rzo

球子⇒陽乃
↓1コンマ判定 一桁

1、4、6 防ぐ
3、2、5 回避
8、9  撃ち落とし
7、0  命中
168 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/01/17(日) 19:12:07.87 ID:PKoDgcvYO
169 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/01/17(日) 19:22:59.30 ID:TlnyH0rzo

球子「くっ……」

骨が軋む

噛みしめた歯の隙間から血がにじむような気がする

歯が抜けたかもしれない

足が痛い

腕が吹き飛びそうな感じがする

でも、だけど、それでも

球子「くらぇぇぇぇ!」

陽乃「っと……」

勢いよく踏み込む多摩湖から、飛びのいて距離を取る

球子の戦い方は、話で聞いた程度しかない

だが、それでも何をしてくるかは察しが付く

球子「ぬおぉぉぉりゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

陽乃「!」

振り抜く腕は、陽乃が想像したよりもずっと早い

足先から、腕

そうして楯へと神々の力が多く流れ込み――それは急激に巨大化して

球子「ぁぁぁぁぁああああああッ!?」

球子の腕をもぎ取るような力強さで投げ飛ばされ、陽乃へと直撃する
170 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/01/17(日) 19:35:05.96 ID:TlnyH0rzo

陽乃「っ!」

別に馬鹿にしているわけではなかった

けれど、それでも球子の攻撃が当たることはないだろうと思っていた

いや――その油断がなかったとしても

陽乃は球子の攻撃を躱しきることはできなかったかもしれない

陽乃「くっ……っ!」

巨大な楯は陽乃の腹部に直撃し、抉るような回転に弾き飛ばされ、

受身を取って転がった陽乃はすぐに体を起こして――戻ってくる巨大な楯を躱す

球子「おわぁ!?」

陽乃「………」

球子の腕に戻った楯は通常サイズに戻っている

球子が容易に受け止められる辺り、暴発と言うわけではなく

完全に、球子自身の力がそうさせたということだろう

陽乃「ん……私の負けね」

杏「あっ、そ、そうですね」

一撃入ったら終わりの模擬戦闘

陽乃の一撃は楯に当たり、球子の一撃は陽乃を直撃した

杏「タマっち先輩の勝利!」

球子「な、納得いかない……」
171 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/01/17(日) 19:47:27.00 ID:TlnyH0rzo

球子「納得できるかぁーっ!」

陽乃「えぇ?」

球子「おかしいだろっ! 無傷じゃないか!」

陽乃「当たり前でしょう? あのくらいで怪我するようにはなっていないもの」

球子「ぐぬぬぬ……」

球子の予想外の力を喰らっても、

受身を取った土汚れこそついているものの、陽乃の装束は傷一つついていない

一方で、球子はボロボロだ

擦り傷、汚れ、打撲のような痕

装束だって所々破けてしまっている

陽乃「力の収束が甘いのよ……あの小さいのはともかく、集合体相手には通らないかもしれないわ」

杏「集合体……」

球子「つまり、久遠さんは集合体と同レベルってことか……?」

陽乃「それ以上かもしれないわよ?」

球子「くそっ……もっと集中しないとダメか」

杏「私たちの装束も、久遠さんくらいの頑丈さがないと簡単に食い破られちゃうってことですよね?」

陽乃「でしょうね。正直、土居さんの装束は私から見たら体操服の上からジャージを着てる程度だもの」

球子「マジか……」

陽乃「ええ」
172 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/01/17(日) 20:49:29.31 ID:TlnyH0rzo

陽乃「ちゃんとしていれば、私のさっきの攻撃でそんな風にはならないはずよ」

球子「でも本気だったら?」

陽乃「最悪、楯が砕け散るとおもうけど」

球子「だろうな……腕がまだ痺れてるし」

球子の体を守っていた神々の力が霧散して、装束はまた私服へと戻る

怪我はそのままではあるけれど

多少の擦り傷程度なら普通に手当てすれば問題はないだろう

陽乃「打撲の方は平気? 骨折れてない?」

球子「折れてない……っていうか、なんか。こう、あれだな……」

陽乃「なに?」

球子「優しくて怖い」

陽乃「……もう一戦、してあげても良いのよ?」

球子「わー! 無理無理!」

一度楯を蹴られた程度でボロボロなのだ

もう一度撃ち込まれたら今度こそ骨折まで行くかもしれない

杏「ふふっ、でも。私たちの装束や武器にはまだまだ理解が足りていないって分かりましたね」

陽乃「もう少し解析できれば大丈夫でしょうけど、時間がかかりそうね」

陽乃とのデータが活用されればその進捗も良くなるはずだが


1、伊予島さんも、やっておく?
2、土居さん。もう一回くらい頑張れない?
3、ねぇ九尾。私の力の余波だけを与えた場合って、どうなるのかしら
4、でも、危ないし止めておきましょうか。お疲れ様


↓2
173 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/01/17(日) 20:50:49.26 ID:PKoDgcvYO
1
174 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/01/17(日) 20:52:08.83 ID:9/AUbuf90
3
175 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/01/17(日) 21:39:59.11 ID:TlnyH0rzo

陽乃「ねぇ九尾、私の力の余波だけを与えた場合ってどうなるのかしら」

『ふむ……模擬戦を行わずに試したいのかや?』

陽乃「下手に怪我を負わせなくて済むなら、伊予島さんにも協力して貰えるでしょう?」

『そうじゃのう……』

九尾はしばらく考えるように黙り込むと、

影を揺らめかせて、小さく口を開くようなそぶりを見せた

『小娘共の今の状態では病に侵されるやもしれぬ』

陽乃「そんなに?」

『身体の内側を蝕むゆえ、大した加護なき衣服など障害にすらならぬぞ』

もちろん、

その状態だからこそ、侵蝕していく力をその身に受ける。という経験は有益かもしれない

九尾はあえてそう口にしたが、

しかし、それは当然ながら危険なことで……

最悪殺してしまうなんて生易しいものではない

戦いで命を落とすよりも苦しむことになる
176 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/01/17(日) 21:50:39.17 ID:TlnyH0rzo

杏「どうですか?」

陽乃「病気になっちゃうかもしれないって」

杏「っ……」

球子「でも、勇者なら治るんじゃないのか?」

普通の人間なら、そんな病気に侵されれば大変な事になる

だが、勇者ならそこまで重くならないのではないか

少し休む必要はあるかもしれないが

一生ダメになってしまうことはないのではないか

そう考える球子の問いに、

聞こえもしない声で、九尾は笑う

『穢れに蝕まれれば、早死にするが』

陽乃「え……」

『重くなければ良いが、重ければ死ぬ。それは主様にも話しておろう?』

蝕む陽乃の力は、耐性がない人間なら即死もあり得る。

それはただの余波であっても、同じ

球子「ん?」

陽乃「場合によっては、早死にするって言ってるわ」

球子「えぇ……」

杏「でも、加減して貰えれば……有益なデータが取れるんですよね?」
177 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/01/17(日) 21:59:44.51 ID:TlnyH0rzo

陽乃「ええ……まぁそうなのだけど」

球子「無理はさせたくないって顔してるなー……」

杏「………」

陽乃「別に殺したいわけじゃないもの」

球子の視線から逃れるように顔を背けた陽乃は、

小さく首を横に振って、息を吐くと

地面に広がる狐の形をした自分の影を見つめる

九尾は、陽乃がやると言えば手を貸してくれるだろう

杏たちも、

陽乃がやってみましょう。と言えば、やるかもしれない

けれど、これはさすがにハイリスクが過ぎる

杏「信じて貰えませんか?」

球子「あんず、無理したら死ぬぞ」

杏「でも、タマっち先輩よりは無茶じゃない」

球子「いいや、無茶だ。ただの攻撃ってわけじゃないんだろ?」

陽乃「ええ。言葉にするのが難しいのだけど……ただの物理攻撃ではないわ」

杏「……でも。それがあれば、私達がちゃんと戦えるようになるかもしれません」

陽乃「………」


1、やらない
2、やる


↓2
178 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/01/17(日) 22:02:27.89 ID:PKoDgcvYO
1
179 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/01/17(日) 22:06:49.99 ID:g3B8NQ8zO
1
180 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/01/17(日) 22:44:35.78 ID:TlnyH0rzo

陽乃「ダメよ。やらない」

杏「久遠さん!」

陽乃「無理しなければならないほどの状況ではないでしょう?」

有益な情報が得られるのだとしても、

無理する必要があるのなら、それは最終手段だと考えるべきだ

今すぐにデータをかき集めて、

装束を完成させて戦いに出なければならないならいざ知らず

まだまだ時間があるであろう状況下では必要ないだろう

陽乃「今はまだ、土居さんをタコ殴りにするだけで良いでしょう?」

球子「タコ殴りはやめてくれ」

陽乃「それでも平気なようになりなさいって言ってるのよ」

球子「あんなの何発も受けられるわけ――」

陽乃「受けられるようになるのよ。貴女が本当に人を護る楯なら……私の全力であっても受けられるだけの力をつけて欲しいの」

そうでなければならない

バーテックスは尋常ではない化け物だ

今の集合体が全てではなく、さらに上位になるのであれば、

陽乃の本気の一撃でさえ上回る力を持っている何かがいるかもしれない

陽乃「そうなれるように……毎日殴ってあげる」

球子「こっわ! 殺意しか感じないぞ!」

陽乃「貴女、さっき後ろに伊予島さんがいたらどうなっていたのかを考えた方が良いわ」

球子「それは……」

陽乃「絶対に護る。その言葉の重さ、分かってくれたかしら?」
181 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/01/17(日) 22:46:06.05 ID:TlnyH0rzo

では途中ですがここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から
182 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/01/17(日) 22:58:53.75 ID:dTsn1kXVO

短い戦闘だったけどそこそこ収穫あったみたいでやって良かったな
そういえば陽乃さん、タマだけでなく千景にも先手で一本取られてるけど今作の西暦勇者って中々強いのでは?
183 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/01/17(日) 23:46:20.23 ID:TclUbvRgO

2人が本当に強く思う気持ちが力に乗った感じかね
そして陽乃さんの優しさがもう隠しきれてない
184 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/01/18(月) 00:24:37.78 ID:CJUcZc5yO

前向きに話進んできてホッとしてる
185 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/01/18(月) 21:37:24.81 ID:SJx99iW9o
では少しだけ
186 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/01/18(月) 21:43:40.83 ID:sl4ADOXCO
よっしゃ
187 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/01/18(月) 21:53:02.38 ID:SJx99iW9o

球子「……そうか」

球子だって、軽はずみに守るだなんて言っていたわけではない

杏と出会ったあの日

自分の力が守るためにあるものだと悟ったあの瞬間から、

球子はそうあれるようにと、ずっと思い続けている

それは、球子の経験した戦いが決して簡単なものではなかったからこその自負でもある

けれど――自分は手を抜いた一振りで蹴り抜かれた

後ろに杏がいたら、その守るべき身体ごと吹き飛ばされて

自分の身体で圧殺していた可能性だってある

球子「タマは……弱いか?」

陽乃「弱いわ」

球子「見込みはあるか?」

陽乃「さぁ? 私の知ったことじゃない」

球子「……杏を、守れると思うか?」

陽乃「知らないわよそんなこと」

陽乃は素っ気なく返して、

普段と打って変わって俯いてしまっている球子を一瞥する

陽乃「貴女が守りたいなら、守れるようになるしかない。そうなれる保証なんて、私はしてあげられないわ」
188 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/01/18(月) 22:05:22.63 ID:SJx99iW9o

球子「でも、手伝ってくれるんだろ?」

陽乃「私が手伝うのはデータ収集であって貴女の特訓じゃないわ。勘違いしないで」

球子「くっ……ふ、あはははははっ」

陽乃「笑えるようなこと言った?」

傷の痛みに呻きながらも笑う球子に、陽乃は顔を顰める

球子の笑い二嘲笑じみたものが含まれているようには感じられないけれど

それでも、笑えるような場面で笑われると、少々気にもなるもので

首をかしげながら球子を指さす陽乃に問いかけられた杏は、小さく首を振る

笑えるようなことは言っていない

それは間違いない

けれど、球子が笑いたくなる気持ちもわかる

杏「久遠さん、さっきタマっち先輩のことをタコ殴りにするって言ってたじゃないですか」

陽乃「それが?」

杏「いえ、それだけです」

それを受けられるようになれと、陽乃は言った。

そのあとに全力でさえも受け止められるようになれと言った

最後まで付き合ってくれるかはともかくとして、

多少は、付き合ってくれると言っているようなものなのに。

陽乃「言っておくけれど、本当に付き合う気はないからね? 装束のデータさえ万全になってくれたらあとはどうでもいいんだから」
189 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/01/18(月) 22:44:13.94 ID:SJx99iW9o

球子「あぁ、分かった」

それでもいいよ。と、

球子はまた笑みを浮かべて、陽乃を見上げる

先日まであった敵意も

話し合いを重ねれば落ち着いていくもので、柔らかい

球子「好きなだけ殴ってくれ」

陽乃「嫌よ。名実ともに人殺しになる気はないわ」

球子「そうならないようにしてくれるって話だったはずだぞ」

陽乃は強い

間違いなく、球子よりもはるかに力を持っている勇者だ

今でもその考えに変わりはない

しかし、それでも守れると言いきらないだけの理由があるのだと納得した

自分が守れると言い切ってはいけない強さであると自覚させられた

球子はもう、躊躇いなく陽乃へと手を差し出す

陽乃「……なにしてるの?」

球子「タマも、仲間になってやる……いや、そんなこと言える立場じゃないな」

そうじゃないだろう。

そうである必要はないだろう。

球子「今は友達だ! それで我慢してくれ」

陽乃「は?」

球子「なっ? 宜しく頼むぞ!」

戸惑って動かない陽乃の手を球子は掴みに行く

今はその距離感

でもそれでいい、今はまだその程度の力しかないのだから

いつか言えればいい

お前も守ってやるからと。そう、いつか言って……引っ張ってやれればいい
190 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/01/18(月) 22:47:12.18 ID:SJx99iW9o

√ 2018年 8月5日目 昼:伊予島家

03〜12 若葉
37〜46 大社
51〜60 友奈

↓1のコンマ

※それ以外は通常
※一桁奇数で訪問
※ぞろ目で付近の住民 奇数悪
191 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/01/18(月) 22:47:56.14 ID:sl4ADOXCO
192 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/01/18(月) 23:01:03.80 ID:SJx99iW9o
√ 2018年 8月5日目 昼:伊予島家


陽乃「友達……? 友達って……」

球子は友達だと言った。

その言葉の意味が分からないほど馬鹿ではないが

だからこそ理解が出来ない

呆然と多摩湖に握られた手を見つめる陽乃の視界の奥、

ベッドの影と混じり合う陽乃の影が動き、

人もいないのに、人影が出来上がる

『主様が、友人などと言ってあやつらに関わったゆえのことであろう』

陽乃「でも、だからってこうなる?」

『押しに弱いから……だったかのう?』

くつくつと喉を鳴らして笑う九尾

陽乃は人影を踏むが、

実体のないその影は踏まれたことなどまるで気に止めてはいない

陽乃「バカなことをしたわ……友達なんて、私」

『守りたいなら、守れるようになるしかなかろう』

陽乃「それも、私が言ったわよ……分かってるってば……」

自分の発言には責任を持てと。

そう言いたいのだろうと悪態をつく陽乃は、ベッドに腰かけながら、頭を抱えた
193 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/01/18(月) 23:03:32.76 ID:SJx99iW9o

では短いですがここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から
194 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/01/18(月) 23:10:58.04 ID:sl4ADOXCO

殴りあいの末にタマと和解できて良かった良かった
あと陽乃さんのツンデレっぷりや思い悩む姿がシリーズの原点回帰感があるな
195 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/01/19(火) 00:49:16.64 ID:PB8vztjmO

殴り合って友情深まるとかベタやん?
素敵やん?
196 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2021/01/19(火) 23:50:37.88 ID:KnmDDQFr0
「納得できるかぁーっ!」は「こんな勝利いるかァッ!」を彷彿させるから好き
197 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/01/21(木) 20:35:26.64 ID:JG4oPmLUo

では少しだけ
198 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/01/21(木) 20:49:22.94 ID:xXa/LR6iO
やったぜ
199 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/01/21(木) 20:56:39.88 ID:JG4oPmLUo

陽乃「仲良くなるつもりなんてなかった」

『じゃろうな』

陽乃「友達だなんて……私、責任とれない……」

『しかし、主様が招いたことであろう?』

陽乃「ええそうよ……そう。そうよね……」

あの人は押しに弱い

そんな余計な一言のせいだろうか

それとも、その一言がなかったとしても

杏のせいで、球子は結局こうなっていただろうか

――今は友達

陽乃「取り消せないかしら」

『往生際が悪いぞ』

陽乃「だって……」

もう、失いたくない

目の前で奪われるのなんて……我慢できない

そう思っていたのに

それが一番あり得る勇者の友人なんて

陽乃には一番、辛いものだ
200 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/01/21(木) 21:28:44.59 ID:JG4oPmLUo

『諦めて友人になってしまえばよかろう』

陽乃「嫌よ」

『もうなってるつもりじゃろう。あの娘は』

陽乃「そうだけど……」

けれど、九尾は加えてそれを認めろという

無理な話だ

難しい話だ

それを認めてしまったら、

球子や杏を友人にしてしまったら

陽乃は、それを守らなければいけなくなる

そうできなかった時の苦しみを、

また、味わう恐怖に怯えなければならなくなる

陽乃「私はそんなに……強くないの」

自分の力が強いと、自負できない

強いのならば、誰一人失うことはなかったはずだから

自分の心が強いと、自負できない

強いのならば、今もなおこんなにも苦しんでいるはずがないから


1、あとは、貴女に神託を出して貰う必要があるわ
2、無理。友達にはなれないわ
3、杏と交流
4、球子と交流
5、イベント判定

↓2
201 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/01/21(木) 21:29:45.02 ID:xXa/LR6iO
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