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【安価でのわゆ】久遠陽乃は勇者である【2頁目】

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853 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/03/06(土) 21:08:56.02 ID:we9r2hPfo
では少しだけ
854 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/03/06(土) 21:09:24.76 ID:we9r2hPfo

陽乃「貴女達は……けほっ……どう、したいの?」

水都「無理に声を出したら駄目ですよ」

声を発するたびに、咳き込み血を吐くと思われている過保護感

陽乃は苦しさが勝るのか、不満そうには見えないけれど、

その目は水都に向けられている

歌野「私は、ここで生きていきたい人がいるなら、残るわ」

水都「私は、うたのん……ううん、勇者がここに残るのなら残ります」

歌野「……!」

歌野は思わず声を上げそうになったのを控えて、水都を見る

昨日、眠っている陽乃の傍で話した時、水都は言い淀んだ挙句に話を逸らした

なのに、1日足らずで水都は堂々と言い切るようになった

何かがあったのだ

何かは分からないけれど

水都の意識を変える何かが。

歌野「そっか……」

水都「?」

歌野「ふふっ、何でもない」

歌野は水都の視線を感じて首を振り、小さく笑う

歌野「そう言うことだから……もしあれなら、避難したい人達を連れて四国の勇者達で戻って欲しいって思ってる」
855 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/03/06(土) 21:12:28.19 ID:PcZfl0JKO
今度はこっちの説得か
856 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/03/06(土) 22:16:15.74 ID:we9r2hPfo

陽乃「みんな……置いていけって?」

歌野「みんなじゃないわ。一部は――」

陽乃「かわらない……っ……ごほっげほっ……」

水都「っ」

水都は咳き込む陽乃の体を支えて寝返りを打たせて背中をさすり、

席が泊まったのを確認すると、

枕を腰と背中に当てながらベッドをリモコンで動かして、体を起こさせる

そして、すぐそばの水を手に取って陽乃の口元に宛がう

水都「ゆっくり、飲んでください」

陽乃「ん……」

水都は静かに、ゆっくりとペットボトルを傾けて陽乃の口の中に流す

手つきはとても慎重だが、それでも陽乃の喉が動く速さよりも流れる水の量が多く、

すぐに唇の端から溢れていく

陽乃「っ……ぅ」

歌野「みーちゃん、ストップ……ステイよ。一旦止めた方が良いわ」

水都がペットボトルを引くと、歌野が陽乃の口元をハンカチで拭う

まるでただの介護だと……陽乃は自己嫌悪してしまうが、

2人はまるで気にすることなく、陽乃を気遣う
857 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/03/06(土) 23:13:16.28 ID:we9r2hPfo

歌野「あんまり、考えさせる話はしない方が良さそうね」

水都「うたのんが変な子守歌口ずさむからだよ」

歌野「ソーリー、真面目過ぎたわ」

注意されたのに、なぜか嬉しそうな反応を見せた歌野

すぐに申し訳なさそうに眉を顰めて、陽乃の額に張り付く前髪を払い除ける

歌野「ここで生きていきたい人は私達が助ける。だから、ここを出て生きていきたい人たちを助けて欲しい」

みんなを置いていくわけじゃない。

れっきとした協力

適材適所

誰も見捨てるわけではないと歌野は言う

歌野「今日はもう、眠った方が良いわ」

歌野はそう言って、水都へと目を向けた

歌野「みーちゃん、頼める?」

水都「うん、大丈夫。何かあったらナースコールもあるし」

歌野「……そっか」

驚かず、嬉しそうな声

優しい笑顔を浮かべて……また、陽乃を見る

歌野「ゆっくり休んで」
858 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/03/06(土) 23:40:51.27 ID:we9r2hPfo

陽乃「っ……ごほっ……」

歌野「ほら、無理に話さなくていいから」

陽乃「ま……」

まだ話すべきことがある。

総攻撃が行われるよりも前に避難させるつもりなのか

それとも、総攻撃を受けた後に避難をするつもりなのか。

前者である場合、

諏訪がそれを耐えきる可能性は0と言っていいかもしれない

だが、

総攻撃を受けた後では……耐えられる可能性はあるが、

犠牲者は少なからず出ることになるだろう

どちらが良いか。と言うのは中々に判断しにくいことだけれど、

元のさやに納まる選択は、間違いなく前者だろう。

しかし、それは諏訪を囮として見捨てるということだ

歌野「少しでも多く助かる人がいるなら、その方が良いと思うわ」

歌野と水都に助けられながら、またベッドに横になる。

歌野はもう、それ以上話を長引かせる気はないようで

水都に任せて、病室を出ていく。

陽乃に声を出させたくないという気遣いだろうが、

聊か狡いと、陽乃は顔をしかめて……重い瞼を閉じた
859 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/03/06(土) 23:46:29.66 ID:we9r2hPfo
√ 2018年 8月10日目 夜:諏訪


05〜14 球子
41〜50 九尾
52〜61 杏

↓1のコンマ

※それ以外は通常 (水都)
860 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/03/06(土) 23:52:47.48 ID:Xd/rnQnfO
861 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/03/06(土) 23:54:13.06 ID:we9r2hPfo

では短いですがここまでとさせていただきます
明日は可能であればお昼ごろから
862 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/03/06(土) 23:58:36.32 ID:Xd/rnQnfO

全員生存させて四国に避難が理想だけど住人たちの意向を考えると難しい判断を迫られそうだな
863 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/03/07(日) 00:04:22.68 ID:TpsG6BK0O

うたのんや水都は結局救えそうにないの辛いな
864 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2021/03/07(日) 00:16:04.16 ID:M/sMOw9k0
陽乃のテーマは「頼まれなくても生きる」系だと思っていたが、
死に場所を諏訪に決めた場合どう話を転がすんだこれ
865 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/03/07(日) 18:48:11.46 ID:jeG9ohHno
では少しだけ
866 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/03/07(日) 18:49:29.29 ID:jeG9ohHno
√ 2018年 8月10日目 夜:諏訪


声が聞こえる。

聞き覚えがあるのに、無いようにも感じる不思議な声

とても優しく、穏やかな……女性の声

陽乃が目を開けると、もう見ることが出来ないはずのものが見えて――目を見開く。

九尾「主様、気が付いたかや?」

陽乃「なんで……どうなって……」

傍らにいる九尾を一瞥して、体を起こす

眠る前までの気怠さはなく、喉の調子も悪くない。

身体の内側から響く痛みもなくて、むしろ……良いくらいの状態だ

しかし、陽乃が驚いたのは病室ではなく、かつて住んでいた自分の部屋にいることだ

丸亀城の寄宿舎ではなく、両親と住んでいた家

その、自室

荒らされ、焼け落ちたはずなのに。

九尾「夢のようなものじゃ。主様、現ではまともに話も出来なかろう」

陽乃「なるほど……明晰夢みたいな?」

九尾「うむ」

これも九尾の力だろうか
867 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/03/07(日) 18:56:22.47 ID:jeG9ohHno

陽乃「まさか、この部屋をもう一度見ることになるとは思わなかったわ」

九尾「望めば、模倣することくらい可能じゃろう」

陽乃「しても、意味はないわ」

机の引き出しを開くと、シャーペンの予備やノート

その日は使わない教科書などが入っている。

箪笥の中も、いつかは分からないがしっかりと洋服が入っていて

手に取ることもできた。

陽乃「それで?」

九尾「主様はどうするつもりかと思うてのう」

陽乃「残るか、帰るか?」

九尾「死ぬか生きるかじゃな」

残れば、死ぬ可能性が高いが

帰れば、辿り着きさえすれば暫く死ぬことはないだろう

陽乃「………」

諏訪の四国移住希望者を連れていくとなると

それなりの日数と、犠牲を覚悟する必要がある。

しかし、

そもそも勇者である歌野を連れ帰ることができないなら、ここに来た本来の意味は果たせない
868 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/03/07(日) 19:22:50.65 ID:jeG9ohHno

陽乃「諏訪はもう、本当に駄目なの?」

九尾「じゃろうな。残りの御柱を一つに束ねようとも、じきに崩壊する」

陽乃「私の力は?」

他の勇者達と違い、

陽乃は神々の力を扱うことができる。

もちろん、使える分の代償はほかの勇者の比ではないため、

使えるが、使うべきではない

しかし

九尾「主様が "死ぬ" ならば可能性もあるじゃろうが、望むことではあるまい?」

陽乃「出来るのね」

九尾「人柱……人身御供となり、主様が結界の要足る御柱の一つとなればよい」

九尾は淡々と答えると、

浅く息を吐いて、陽乃に目を向ける

九尾「それも長くはもつまい。平時ならばともかく、今はのう」

陽乃「そっか」

諏訪はいずれにしても、尽きる運命にあるということだ

陽乃のような人身御供を用意し続ければ保つこともできるかもしれないが、

それは現実的ではない
869 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/03/07(日) 19:37:05.79 ID:jeG9ohHno

つまり、ここに残る歌野や水都はこのままでは死ぬことになる。

2人もそれは理解しているだろう

けれど、ここに残るつもりの人々がいる以上、2人はここを出ていかない

ここを死に場所としている一般人を説得するのは簡単ではないはずだ

陽乃「白鳥さん達を連れ戻さなきゃ、意味がないわ」

九尾「人間を皆殺しにしてしまえばよいではないか」

陽乃「馬鹿なこと言わないでよ」

一人殺してしまった以上、

もう、後戻りできるような状況にはない

けれど、だからと言って何もしていない人々を殺すほど壊れてもいない

九尾「ならばどうする」

ここに残って、守り、死ぬか

ここから出て、守り、生きるか

死にたくないという思いを維持し続けるなら――間違いなく出ていくべきだ

だが。

陽乃「どうするって、言われてもね……」


1、九尾はどうすべきだと思う?
2、2人を連れ出す方法、ないかしら
3、残るわ。手ぶらで帰ったって何も変わらないし
4、帰るわ。死にたい人は死ぬしかないもの


↓2
870 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/03/07(日) 19:37:19.35 ID:TpsG6BK0O
2
871 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/03/07(日) 19:39:09.45 ID:uP/LdZ8SO
2
872 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/03/07(日) 20:02:42.68 ID:jeG9ohHno

陽乃「2人を連れ出す方法、ないかしら」

九尾「人間を皆殺しにするのは駄目かや?」

陽乃「ダメに決まってるでしょ」

九尾なら陽乃の犯行だと気づかせることなく実行は可能かもしれないが、

それは愚策ですらない蛮行だ

九尾も一度否定されているからか、本気ではないらしい

目を細めると、ため息をつく

九尾「ならば、結界を壊させるしかあるまい」

陽乃「結界を壊させるって……守らないってこと?」

九尾「結界を完全に破壊させたうえで、2人を含めた人間共を守り総攻撃を凌げばよい」

陽乃「それは、えぇっと……」

確かに、

結界が完全になくなってしまえば、

流石に残ると言う人はいないかもしれない

歌野達だって、

そうなっては致し方ないと四国に移住することを推奨するだろうし、

加護が消えたなら……頷く人も少なくないはず。

だが……負担が尋常ではない
873 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/03/07(日) 20:20:09.43 ID:jeG9ohHno

結界が健在であるなら、

その中にいる人々の心配をする必要はない。

彼らが襲われることはないし、

いちいち警戒をし、守ってあげる必要だってない。

しかし、

結界が破壊されて武器らしい武器もない人々が野ざらしになった場合、

勇者達はそれを守らなければいけない。

気を使い、警戒し、盾になる必要だってあるかもしれない

そうしなければ、人々は簡単に奪われていく

陽乃「っ……」

かつて、陽乃が目の当たりにしたように

とても

とても簡単に

陽乃「ぅ……」

九尾「ふむ……恐れておるのかや?」

陽乃「違う……ただ、嫌なだけよ」
874 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/03/07(日) 20:40:26.21 ID:jeG9ohHno

あれから3年も経った

以前から力はあったが、今はより力をうまく扱えるようになっている。

今は満身創痍だけれど、

それは今まで使ったことのない伊邪那美命による影響が残っていたからだ。

無理に無理を重ねた結果だから、

普通の状態なら何も問題はない。

回復に専念して数日過ごせば、大丈夫なはずだと陽乃は思う。

なのに……恐れるわけがない。

滴る血も、

零れ落ちる人の腕も

転がる頭も

散らばる骨も

響き渡る断末魔も

なにも――

九尾「主様」

九尾のやや強い声色にハッとする。

陽乃「っ!」

九尾「妾に虚勢など意味もあるまい」
875 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/03/07(日) 21:10:59.70 ID:jeG9ohHno

陽乃「私は……別に」

九尾「無論。今の主様……いや、万全な主様ならば何も問題はなかろう」

確実に守ることができるはずだ

後々、

血反吐を吐き零して、血だまりに倒れ伏すかもしれないが

それでも、死にはしない。

九尾「それでも主様は恐れておるな」

陽乃「だからっ」

九尾「繰り返すことを、恐れておる」

頑張って、頑張って

守れなかった人々の残骸に心を痛め、

なのに、守れなかった人がいるのを責められて

バーテックスが攻めてきたのはお前のせいだと責められて

そして――

陽乃は首を振って、考えを払う

陽乃「知らないわよ……そんなこと。何人殺されようが、私は」

もう、信じない。

そうされるんだって思っておけば、痛くもない

九尾「ならば良いがのう。して、どうする?」


1、それしかないなら、するしかないわね
2、考えておくわ
3、そんなリスクは取れないわ


↓2
876 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/03/07(日) 21:20:52.83 ID:uP/LdZ8SO
1
877 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/03/07(日) 21:22:27.25 ID:IkvscxiS0
1
878 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/03/07(日) 22:01:08.26 ID:jeG9ohHno

陽乃「それしかないなら、するしかないわね」

九尾「ふむ。そうか」

陽乃「でも、まだ時間はあるんでしょう?」

外の状態からして、総攻撃が行われるのはまず間違いない。

だが、少なくとも今月中は問題ないように思える

それまでにも、何度か襲撃が来るかもしれないが、3人の勇者で対応しきれるはず。

それだけあれば、陽乃も万全になれる。

総攻撃が行われ、結界が完全に破壊されても、

陽乃が後を考えずに力を使えば人々を守り切れるだろう。

陽乃「時間があるなら、別の手を取れるかもしれないし……一先ずの予定ね」

九尾「結界が割れる前に参戦することになるはずじゃ。手を抜くのじゃぞ」

陽乃「守っちゃいけない。のね」

九尾「うむ」

陽乃は九尾が頷くのを見て目を背けると

溜息をついて自分の唇に触れる

陽乃「守らなくても良いって、気が楽ね」

九尾「出来ればよいがのう」

陽乃「出来るわよ。大丈夫」
879 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/03/07(日) 22:21:58.75 ID:jeG9ohHno

バーテックスの侵攻は結界が防いでくれる。

結界が壊れるまでは、人々に直接的な被害は出ないはずだ

人が死ぬわけではないし、断末魔が轟くわけでもない。

結界が壊れたら、ちゃんと戦って守ってあげれば良い

大丈夫。

陽乃「………」

九尾「結界を守り切れぬことを糾弾されるやもしれぬが」

陽乃「……大丈夫。責められるのは、慣れてるわ」

陽乃は笑って、答える

覚えのあること、無いこと

頑張ったことを無視されて、ただただ、悪いことだけを引き出されて

守った意味が分からなくなるくらい

色々と責められてきたから。

結界を守れなかったことを責められるくらい、何でもない。

だって、守れないのではなく守らなかったのだから。

自分の意思での被害なら、責任があるのは当たり前だ

陽乃「明日には、普通に話せるかしら?」

九尾「興奮しなければ良い。声を張るでないぞ」

陽乃「ん……分かったわ」
880 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/03/07(日) 22:59:33.64 ID:jeG9ohHno

陽乃「私、何にもできないわね……」

九尾「あの小娘を利用してやればよい」

陽乃「藤森さん?」

陽乃の問いに九尾は頷く

藤森水都、諏訪で生き残っていた巫女

水都はなぜだか陽乃に親近感を抱き、

その悩み、苦しみをひっくるめて寄り添おうとしている。

今も、病室で横になっている陽乃の傍にいる

陽乃「私を諦めないって、言ってたわね」

九尾「娘が望んでいるのならば、好きに使い捨ててもよかろう?」

陽乃「まぁ、そう……なんだけど」

それで離れてくれるとは思えない

人を殺したことを話しても、

それでも……と、寄せてきたのだから。

陽乃「……はぁ」

発端は食べるのを手伝って貰ったことだろうか。

あれは軽率だったかもしれないと……陽乃はベッドに身体を倒して目を瞑る

懐かしい、自分の部屋

布団も枕も、あの頃と同じ感触で

けれど

陽乃「ベッドは……ちょっと狭く感じる」

あの日で時間が止まってしまったのを感じながら、落ちていく
881 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/03/07(日) 23:00:30.60 ID:jeG9ohHno

√ 2018年 8月11日目 朝:諏訪

01〜10 歌野
21〜30 球子
41〜50 杏
81〜90 襲撃

↓1のコンマ

※それ以外は通常(水都)
882 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/03/07(日) 23:08:06.78 ID:uP/LdZ8SO
883 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/03/07(日) 23:09:45.96 ID:jeG9ohHno

ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から


再開時にまとめ
884 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/03/07(日) 23:15:35.99 ID:uP/LdZ8SO

決してリターンが小さい訳ではないけど最悪諏訪の人々にまで恨みを買ったり陽乃さんが死亡したりするかもで大分綱渡りだな
885 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/03/08(月) 06:50:40.10 ID:UEph28OEO

結界壊すとか結構スパルタ気味な方法だけど致し方ないか
886 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/03/08(月) 08:03:57.24 ID:xu5V3FmnO

つっても諏訪に残るのも悲劇でしかないからなあ
887 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/03/08(月) 21:48:27.29 ID:kuR+76Z/o
では少しだけ
888 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/03/08(月) 21:48:56.78 ID:kuR+76Z/o

1日のまとめ(諏訪組)

・ 白鳥歌野 : 交流有(現状説明、意思確認)
・ 藤森水都 : 交流有(守れなかったもの、勝手なことを、人殺し、意思確認)
・ 土居球子 : 交流無()
・ 伊予島杏 : 交流無()
・   九尾 : 交流有(歌野を呼ぶ、2人を連れ出す方法、結界破壊)

√ 2018/08/10 まとめ

 白鳥歌野との絆 44→45(普通) 
 藤森水都との絆 52→58(普通) ※特殊交流 
 土居球子との絆 55→55(普通) 
 伊予島杏との絆 62→62(普通) 
   九尾との絆 63→64(普通)
889 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/03/08(月) 21:49:32.89 ID:kuR+76Z/o

√ 2018年 8月11日目 朝:諏訪


まだ、瞼が重い

意識が覚醒するにつれて、

身体の節々の痛みまで戻ってくる

腕を上げるだけで、骨が軋む

震えてしまって握り拳もまともに作れない

昨日大声を出してしまったのが相当、負担になっているらしい

正しく言えば、大声を出したというより興奮してしまった事だろうか。

陽乃「ん……けほっ……けほっ」

喉の異様な渇きに咳き込む。

潤いを失っているせいか、ピリピリとした痛みを感じる

陽乃「誰……か……」

身体がまともに動かせなくて、起こすことすら難しい陽乃は

ナースコールを押そうと手を動かす

けれど、頭の横の方にあるそれに手を伸ばす事すらできない

水は冷水だと刺激が強いということもあって、

常温保存のために近くのテーブルの上に新しいペットボトルが置かれているけれど、取れない

陽乃「けほっ……げほっ……っ……ごほっ……」

水都「久遠さんっ」

陽乃「ぅ……」

水都「待ってください。今用意しますから」

陽乃の目が向けられている方向とは逆側から水都の声がしたかと思えば、

ばたばたと慌ただしい音を立てて、視界の端に水都が入り込み右から左へと駆け抜ける
890 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/03/08(月) 22:02:08.91 ID:kuR+76Z/o

慣れた手つきで陽乃の身体を支えてベッドを操作しつつ体を起こさせると

ペットボトルを手に取り、キャップを開けて薬飲み器に注ぐ

陽乃「それ……」

水都「昨日、ペットボトルだと大変そうだったので用意して貰ったんです。飲みやすいはずですよ」

陽乃「……っ」

薬飲み器を受け取ろうとしたものの、自分の口にまで持ち上げられそうにない

陽乃の表情を酌んで、水都はそうっと陽乃の口元に吸い口を宛がう

陽乃はストローなどで吸い上げることも難しいため、

水都にゆっくりと流し込んでもらう

陽乃「んっ……んっ……っ……」

5秒程度流し、一旦離してまた数秒流す

それを数回繰り返して、陽乃の喉を潤していく

陽乃「っは……はっ……んっ……」

水都「大丈夫ですか?」

陽乃「大丈夫……」

体を起こして貰い、水を与えて貰い、口を拭って貰う

それだけして貰わなければいけない状態が大丈夫と言えるのならだけれど。
891 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/03/08(月) 22:18:28.05 ID:kuR+76Z/o

水都「昨日の夜、凄く魘されていて……心配しました」

陽乃「魘されてた……?」

水都「はい」

声をかけても、体を揺すっても目を覚まさない

ナースコールを押して医者を呼んだが、

通常の手段はどうすることもできないとなって……見守っているしかなかったのだという。

幸いにも数時間経って治まったが

再発する可能性も考えて、水都はずっと隣に控えていたらしい

陽乃「そう……ずっと起きてたわけではないのね」

水都「すみません、寝ちゃいました」

陽乃は水都へと目を向ける

昨日と同じ巫女装束は皺だらけで

髪は元々ふわふわしていたが、今はぼさぼさで

頬には装束の袖の痕がくっきりと残っている

昨日から着替えてすらいないらしい

陽乃「別に責めてはいないわ」

昨夜……だろうか。

九尾の何らかの力によって陽乃はかつての自室にいた

そこで二人きりで今後のことを話し、

あえて守らずに結界を壊させることにした

それを知ったら、今度こそ藤森水都は離れてくれるだろうか?
892 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/03/08(月) 22:39:57.94 ID:kuR+76Z/o

水都「食事はできそうですか?」

陽乃「……噛まないものなら」

水都「そう伝えておきます。入浴と、あの……えぇっと」

陽乃「そうね。色々と頼みたいわ」

もちろん、それらの世話はさすがに水都ではない

ちゃんと看護師を呼んで、対応して貰う。

水都はその間に身なりを整えてくるだろう

陽乃「私、外出できると思う?」

水都「許可を戴けると思ってます?」

手足がまともに動かせないし、声を張れば血を吐くし悪化する

そんな病弱極まっている状態の陽乃を外に出すなんて不可能だ

水都「どこか行きたいところでも?」

陽乃「諏訪に来てからずっと、病院にいるのもつまらないから」

水都「ならまず、体を休ませてください」

まさにその通りだし、それしか無理だ

陽乃はため息もつけずに小さく息を吐く

水都「私も一旦帰ります。久遠さんの準備が終わったころにまた来ますね」


1、もう来なくていいわ
2、どうして?
3、白鳥さんは良いの?
4、伊予島さんと土居さんを呼んできて


↓2
893 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/03/08(月) 22:40:48.43 ID:I7dDBD61O
3
894 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/03/08(月) 22:42:43.24 ID:JAhn8ZwWO
4
895 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/03/08(月) 23:15:14.32 ID:kuR+76Z/o

陽乃「だったら、伊予島さんと土居さんを呼んできて」

水都「え……」

水都は思わず驚きを露わにしてしまう。

陽乃からのお願い

水都から問い、陽乃がそれに答えたものではなく、

陽乃からこうして欲しいと言ったのだ

驚きは瞬く間に喜びへと変わっていく

水都「は、はいっ!」

陽乃「あまり……大声出さないで」

水都「すみません……つい」

一旦帰る

だったらもう、来なくていいと言われる可能性さえあった

もちろん、それでもまた来るというつもりではあったが、

陽乃はそれなら……と、頼みごとをしてくれた

水都「分かりました。絶対に連れてきますね」

水都は安堵したように、息をついて答える

その二人は勇者だ

四国移住についての話などもあって忙しいかもしれない

でも、絶対に連れてこようと頷く

水都「任せてください」
896 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/03/08(月) 23:16:29.66 ID:kuR+76Z/o
では途中ですがここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から
897 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/03/08(月) 23:26:21.80 ID:JAhn8ZwWO

みーちゃんの絆値が既にタマを超えてるとは陽乃さんも妹分に好かれやすい傾向があるな
あと陽乃さんのヨボヨボぶりを見るとこれからの戦いを乗り切れるのか心配だ…
898 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/03/08(月) 23:47:05.46 ID:5AqfBPTAO

みーちゃん嬉しそう
久遠さんはとりあえずお休みだな
899 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/03/09(火) 00:31:40.06 ID:3Jcdz4D0O
乙 ほんとに長野来てよかったなあ
900 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/03/09(火) 20:17:28.23 ID:QYG8xpm4o

では少しだけ
901 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/03/09(火) 20:18:14.93 ID:QYG8xpm4o

水都「それにしても、静かに話すなら問題なさそうで何よりです」

陽乃「貴女のせいで悪化したのよ」

水都「すみません……嫌なことを言ってしまって」

陽乃が感情的になったのは、

水都が諦めてくれなかったからだ。

人を殺したことを話しても、

水都はそれを信じないのではなく、

信じた上で、それでも……と寄せてきたのだから。

水都も、そこまでしてしまったのは申し訳なかったと思っている

しかし、そこまでしたからこそ本心を感じられたと思う

水都「でも、久遠さんの話が聞けて良かったです」

陽乃「……悪化させたいの?」

水都「すみません」

すみません。と、謝罪するのは口だけ。

興奮出来ないから、穏やかなだけだと分かっているのに

水都は嬉しさを隠しきれていない

水都「あと1日……最低でも2日は入院した方が良さそうですね」

陽乃「最低3日くらいじゃない? こんなだもの」

水都に見えるように左手を上げて見せる

ベッドに放っていた左腕が臍の上にまで上がったところで、酷く震える

ベッドに落として握り拳を作るけれど、棒の一本すら握っていられそうにない

陽乃「足なんて、こんな掛布団を払い除ける力さえないのよ」
902 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/03/09(火) 20:22:43.31 ID:G74wZ8R+O
来てたか
903 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/03/09(火) 20:39:20.29 ID:QYG8xpm4o

水都「せめて、自分で飲み物を飲めるくらいにはなると良いですね」

陽乃「この手でペットボトルを持ったらお漏らしするって約束できるわ」

水都「何言ってるんですか」

とはいえ、

今の陽乃は、ペットボトルを持つこともできない。

500mlでさえ、その手から滑り落ちてベッドにぶちまける事になる

吸い飲み器でさえ、傾いて同じ結果になるかもしれない

水都「遠慮なく頼ってください」

陽乃「だったら、二人を連れてきて貰える?」

水都「看護師さんたちの準備が整うまではお傍にいます」

お手洗いとか、入浴とか、食事とか。

水都では難しい、いくつかの介助を行うための準備がある。

それが終わるまで、陽乃が一人にならないようにしたいらしい

水都「目を離した時に悪化されたら……って、不安で」

陽乃「貴女がいなければ悪化しないから」

水都「だ、大丈夫です。大人しくしておくので」

水都はそう言って、看護師が来るまで本当に静かだった。

飲み物は必要か、体は辛くないか

時々、そういう確認はしていたけれど、

陽乃のことを根掘り葉掘り聞こうとはしなかった。

水都「久遠さん……その、出来たら名前で呼んで貰えませんか?」

陽乃「名前って、藤森さんではなく?」

水都「はい……水都。藤森水都なので、水都で」


1、意味が分からないわ。お断りよ
2、考えておくわ
3、で、貴女は私を名前で呼びたいのね
4、さん? ちゃん? 呼び捨て?


↓2
904 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/03/09(火) 20:40:33.03 ID:G74wZ8R+O
3
905 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/03/09(火) 20:42:46.73 ID:Yj4tfjV10
2
906 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/03/09(火) 21:37:15.70 ID:QYG8xpm4o

陽乃「……分かったわ。考えておく」

水都「あ、ありがとう……」

陽乃「なんでそうなるのよ」

照れくさそうに礼を呟く水都を一瞥した陽乃は、

ゆっくり瞬きをして、小さく息を吐く

陽乃「断られると思った?」

水都「う、うん……断られると思ってた」

ならなんで言い出したのか……なんて、

陽乃は聞かずに目を背ける

首を横に振るのすら今は辛い

陽乃「考えておくとしか言ってないんだけど」

水都「それでも良いです」

すぐに断るのではなく、考えてくれる

たとえ後々嫌だと言われても

考えてくれたというだけで十分だと、水都は嬉しそうに笑みを見せる

だから、ありがとう。なのだ
907 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/03/09(火) 22:10:15.26 ID:QYG8xpm4o

水都「そう言えば、久遠さんって今何歳なんですか?」

陽乃「15よ。今年で」

水都「じゃぁ、私よりも一つ上ですね」

正直、たった一つ上には思えないのだが、

かといってそこで嘘をつく意味もないだろうと思う

冗談……も、今の体調からしてそんな無駄話をする気にはならないはずだ

水都「うたのんも同じで久遠さんより一つ下なんですけど……でも、なんだかそうは思えない感じで」

陽乃「それはそう……でしょうね。普通じゃないもの」

普通に生きていれば絶対に経験しないであろう経験をした

目に見て、手に取って、鼻を通って、肌に感じた

そんなことがあってもまだ、普通の中学生でいられたのだとしたら

それはどこか壊れてしまっているとさえ思う。

もちろん、陽乃がした経験はもっと性格が歪むものだったし、

それを参考には出来ないけれど。

陽乃「普通でいられたら、良かったけど」

水都「……そうですね」

陽乃「でも、そうじゃ、ないのよ」

水都「わかってます」
908 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/03/09(火) 22:57:30.48 ID:QYG8xpm4o

もう普通ではいられない。

みんなが失って、もう二度と取り戻せないかもしれないもの

けれど、歌野はその中でも日常を作り上げようとしている

凄いと思う。

立派だと思う。

自分にはそんなこと、絶対に出来ない

陽乃「もう帰ったら?」

水都「ぁっ……」

陽乃「貴女が何を悩んで、いても……私は知らないし、聞く気もないわ」

水都「すみません」

水都は反射的に謝って、首を振る

きっと今の自分は分かってしまう表情だろうから。

陽乃が何があったのかなんて聞いてくれるだなんて思っていないし、そうして欲しかったわけでもない。

ただ、考えてしまっただけ。

水都「もう大丈夫です。私は私の出来ることをするって、決めたので」

陽乃「そう……羨ましいわね。私は出来ること、なにもないから」

水都「しばらく休めば、大丈夫ですよ」

嫌味っぽい返し

歌野だったら絶対しないそれは少し、特別な感じがした
909 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/03/09(火) 23:01:17.59 ID:QYG8xpm4o

√ 2018年 8月11日目 昼:諏訪

01〜10 歌野
34〜43 襲撃

↓1のコンマ

※それ以外は杏・球子交流
910 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/03/09(火) 23:02:14.31 ID:lUi51s83O
911 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/03/09(火) 23:08:47.29 ID:QYG8xpm4o

ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から
912 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/03/09(火) 23:13:20.24 ID:DrSN0yFgO

陽乃さんに共感してるのもあってかグイグイ引っ張っていくみーちゃんってなんだか新鮮だなぁ
913 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/03/10(水) 00:49:10.47 ID:QZ40bTIRO

みーちゃんグイグイ来てくれるの助かる
914 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/03/10(水) 21:14:09.03 ID:5E/bhfpKo

では少しだけ
915 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/03/10(水) 21:14:35.66 ID:5E/bhfpKo

√ 2018年 8月11日目 昼:諏訪


杏「思っていたより、大丈夫そうですね」

陽乃「まぁ……そう、ね」

球子「会いたかったのに、中々会えなくて悪かったな」

陽乃「別に」

何もできなかったうえにまともに話すこともできなかったし、

杏と球子とはそこまで親しいわけでもない。

諏訪にいる人々の中では、距離が近いとは思うけれど

その程度。

病床に伏せっているときに会いたくなるかと言われれば、特別、そうでもない

陽乃「諏訪はどう?」

杏「向こうに比べると、色々と不足しているように感じます。食料とか……みんなで畑を耕して頑張っているからこそ、って感じで」

球子「でも、活気はあるな……もしかしたら、これに関しては四国よりも良いかもしれないぞ」

人口が関係しているかもしれないが、

諏訪は四国に比べて、バーテックスに対しての恐れが重くない

天空恐怖症候群と言われているあの精神的な病気の発症が見られないのだ

久遠家に関する噂などもないので、

妙な緊迫感と言うか、後ろ暗い雰囲気が感じられない

球子「歌野のお陰だろうな。たぶん」
916 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/03/10(水) 21:37:16.51 ID:5E/bhfpKo

陽乃「そう……諏訪は良い場所なのね」

杏「みんな優しくて、温かくて、凄くいい場所ですよ。久遠さんのことも凄く気にかけていました」

陽乃「私? どうして……」

歌野がむやみやたらと広めるとは思えない

水都も、同じように余計なことを言うようには思えない

では――と、陽乃が球子を見ると、

球子は不思議そうに目をしばたたかせて、はっとする

球子「た、タマは何にもしてないぞ!」

陽乃「何も言ってないのだけど……」

球子「こっち見たじゃないかっ!」

杏「タマっち先輩、しーっ」

球子を宥めた杏は、大丈夫だよ。と笑って

杏「久遠さん、いきなり血を吐いて倒れたから……見てた人が凄く驚いちゃって」

それが広まっていったのだと、杏は言う。

外から来ただけでもあり得ないことなのに、

それで血を吐いて気絶した挙句、それが歌野が紹介した四国からの使者……勇者だっていうのだから、

陽乃のことがあっという間に広まるのも無理はなかった。

目は覚ましたのか、体は大丈夫なのか

色々と気にかけてくれているらしい。

陽乃「向こうじゃあり得ない、わね……」
917 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/03/10(水) 21:49:58.39 ID:5E/bhfpKo

杏「久遠さんは、諏訪に残りたいですか?」

陽乃「残ったって……」

杏「そうですね。厳しいと思います」

諏訪の結界は長く持たない

陽乃達が防衛に参加したとしても

多少の延命が出来るだけで、最終的には無くなってしまう

だから、出ていかなければならない

またあの場所に戻らなければならない

その時、陽乃の評判はどうなっているのだろうか。

本当に人を殺めてしまった久遠家の娘は、果たして……どう扱われるのか。

球子「でもまぁ、出来る限り守った方が良いんじゃないか?」

杏「でも、白鳥さんは安全なうちに希望者を連れて行って欲しいって言ってたよね」

球子「そうは言ったって、総攻撃があるか分からないけどそれの後じゃないと危険だろ」

杏「うん……」


1、貴女達はどうしたいの?
2、私、総攻撃でここの結界を壊させようと思ってるの
3、総攻撃の後、私は荷物になると思うわ
4、気を付ければ大丈夫でしょ。どうにかなるわ


↓2
918 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/03/10(水) 21:59:26.69 ID:SE+y8YCcO
2
919 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/03/10(水) 22:00:51.51 ID:Zm/l+IhX0
3
920 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/03/10(水) 22:30:11.61 ID:5E/bhfpKo

陽乃「総攻撃の後、私は荷物になると思うわ」

球子「あぁ……確かに」

杏「確かにって、タマっち先輩言葉を選ぼうよ」

球子「事実だから仕方がないだろ」

総攻撃では、流石に陽乃も参戦する

結界を破壊させる予定ではあるが、

そうではなかったとしても、全力で力を使うのであれば、今みたいな状況に陥るのは確定と言ってもいい

そうなった場合、

陽乃は置き去りにされたら、確実に死ぬ。

恐らく、そうなったなら九尾が出てくるだろうけれど。

球子「その時はタマが運んでやるから安心して良いぞ」

陽乃「貴女だって戦いで傷ついているはずよ」

球子「腕が取れてたら難しいけど、そうじゃなきゃ大丈夫だ」

杏「も〜変な事言わないで」

球子「なる可能性もある……だろ?」

もちろん、なる気はないが

万が一なってしまう可能性も考えて、球子は言う

自分が勇者だから。なんて、慢心はない

球子「その時は杏が頼む」
921 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/03/10(水) 23:19:44.38 ID:5E/bhfpKo

杏「私、久遠さんをおんぶして歩く自信がないよ」

少しなら歩けるかもしれない

勇者の力があるから、それなりに支えることは出来るだろうけれど

杏だって、勇者として戦う立場にある。

球子のように腕を奪われずにいたとしても

そうなってしまった球子の分、頑張らなければならない

球子「台車に乗せるしかないな……」

陽乃「……置いていくって選択肢はないの?」

杏「ありえません」

球子「ないな」

陽乃「そう……」

向こうにいる人々や、千景、大社からしてみれば、

陽乃は遠征から帰ってくることなく死亡し

代わりに歌野が新たに加わってくれる方が良いと思うはずだ。

陽乃「連れ帰らない方が良いんじゃない?」

球子「そりゃ、向こうじゃそうかもしれないけどな……それとタマ達は別だろ」

杏「久遠さんを置いていくなんてありえません。諏訪が安全なら、それも考えますけど……そうじゃないなら、絶対に」
922 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/03/10(水) 23:24:32.70 ID:5E/bhfpKo

では途中ですがここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から
923 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/03/10(水) 23:44:24.16 ID:SE+y8YCcO

陽乃さんにとっては四国に戻るメリットがないのがな…
諏訪に残る選択をしてたらどうなってたんだろうか
924 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/03/11(木) 00:08:17.69 ID:Ap3yDi3OO

なんにせよ総攻撃を退けないと
925 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/03/11(木) 20:37:48.34 ID:TfbGYnvMo
では少しだけ
926 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/03/11(木) 20:38:30.76 ID:TfbGYnvMo

杏「四国への移住に関しても、なんにしても。私たちの予定としては総攻撃の後になります」

球子「絶対にあるとは限らないからな、適度に外の状況を確認して総攻撃起きないくらいにバーテックスが減っていれば……ってのも考えてるけどな」

陽乃「期間、は?」

杏「持てば半年くらいは考えています」

総攻撃が起こらず、

諏訪の周辺からバーテックスが一掃できるまで、少しずつ襲撃があることも考えて、

そのくらいの期間があれば、周辺も少しは落ち着くはずだと考える。

それが、半年くらいだという想定だ

もちろん、結界が持つ前提の話になる。

持たなければ早々に出ていかなければならないし、

そうなってしまったら最悪、歌野達は諦めなければならない

杏「でも、おそらく総攻撃があるのは確定だと思います……昨日、時間を見て結界の外を覗いたんですけど、バーテックスは増えているように感じたので……」

球子「通信の回線も繋がりにくくなってるみたいだからな。バーテックスのせいか力が弱ってるせいかは分からないけど」

陽乃「通信……四国、と、だったっけ……」

四国……若葉との定時連絡

向こうでは、若葉とひなたと共にその場にいたこともあるので、

少しくらいは状況を分かってはいる。

陽乃が向こうで聞いたときは、通信には何の問題もなかったが、

それに影響が出始めているというのは聊か不穏だ
927 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/03/11(木) 20:55:06.38 ID:WLXA3S+1O
来てたか
928 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/03/11(木) 21:36:54.17 ID:TfbGYnvMo

杏「一応、向こうはまだ襲撃とかは起きていないみたいです」

陽乃「そう……」

手薄になったことにバーテックスが気付き、

四国にも攻撃を始める可能性も少なくはないと思う。

陽乃達がいなくなってまだ1日だ

昨日今日は平気でも、

明日は襲撃されるかもしれない

そうなったとき、向こうは耐えられるのだろうか

若葉は戦闘経験があると聞いているけれど

2人はどうだったか……

陽乃に対して武器を手に取れるのなら、千景は大丈夫かもしれない

陽乃「動けないって不便ね……」

諏訪を見て回ることもできないから

全部、話を聞かなければならない


1、乃木さん達はどんな感じだった?
2、それで? 私のことも聞いたんでしょう?
3、向こうが心配じゃないの?
4、総攻撃以外は任せて良いのよね?

↓2
929 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/03/11(木) 21:39:34.32 ID:WLXA3S+1O
1
930 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/03/11(木) 21:41:30.51 ID:PWAjTl4E0
2
931 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/03/11(木) 21:58:14.17 ID:TfbGYnvMo
↓1コンマ判定 一桁

1269 聞いてない
5378 聞いた
  40 聞いた(特殊)


※特殊 歌野達
※奇数 悪 ぞろ目 最悪
※偶数 普通 ぞろ目 良
932 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/03/11(木) 22:00:06.75 ID:PWAjTl4E0
933 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/03/11(木) 22:49:10.55 ID:TfbGYnvMo

陽乃「それで? 私のことも聞いたんでしょう?」

球子「あー……まぁ、その」

杏「……聞いてます」

露骨に揺らぐ言葉

陽乃からそれていく視線

話しは聞いたけれど、

少なくとも朗報ではなかったと分かる仕草

嘘が苦手なのだろう

杏「ただ、えぇと……なんと言えば良いか」

球子「聞いたって面白くないぞ」

陽乃「……私の、ことでしょ」

自分自身のことだから

つまらない話だから聞かなくていいとはならない

杏「大社は正式に久遠さんを拘束するようにって、要求しているみたいです」

球子「……勇者の力を使ってでもな。タマ達はスマホが圏外になってるから内容は見れないけどな」

陽乃「圏外?」

杏「あ、はい。四国を出てから途中までは電波が届いていたんですけど、今は圏外です」
934 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/03/11(木) 23:01:20.96 ID:TfbGYnvMo

杏「お陰で、大社からの通達を確認せずに済んでます」

そう言って笑った杏は、

またすぐに……表情を曇らせる

大社からの通達がそれほどまでに問題なのかもしれないと、

陽乃は小さく息を吐く

球子「話すのか?」

杏「うん……」

球子の不安そうな問い

それだけでも少し怖いが、杏の神妙な面持ちが余計に不安を煽る

杏「実は郡さんが私達を久遠さんが殺したのでは。と、大社に詰め寄ったらしいです
  事実無根ですが、この通り圏外で全く連絡がつかないせいか……証明が出来なくて」

陽乃「あの通信を……使えば良いんじゃ、ないの?」

球子「言ったろ? 繋がりにくいって。そのせいで本当にタマ達がいるって証明にはなってないんだ」

そもそもビデオ通話のような、顔見せが出来るわけではないので

声だけでは本人じゃないと言われたら困ってしまう。

流石に、杏や球子の両親を連れ出して通信に対応して貰うわけにもいかないだろうから。

陽乃「なるほど……ね。私、嫌われて……るから」

千景は嫌がらせでも、杏たちを心配してでもなく

本気で陽乃のことを嫌悪し、疑っているのだ

まして、本当に人を殺したとあっては疑わざるを得ないのだろう
935 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/03/11(木) 23:05:01.34 ID:TfbGYnvMo

では途中ですがここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から
936 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/03/11(木) 23:15:47.33 ID:WLXA3S+1O

ますます四国に戻りづらい状況だな…
千景に至ってはもう仲直り出来そうにないのも辛い
937 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/03/12(金) 00:22:46.60 ID:p3EG15nMO

でも千景の行く末考えたらお互いがお互いに本当の理解者になれるかもしれん
938 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/03/12(金) 20:52:23.00 ID:MXPySprAo
では少しだけ
939 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/03/12(金) 20:53:23.72 ID:MXPySprAo

陽乃「そこは、あなた達が無事に……帰れば解決するでしょ?」

球子「それはそうだけど」

杏「でも、だからって諏訪を放って帰るわけにはいきません」

諏訪から四国へと移住することを選んでくれた人々を連れて四国への帰還をすることが出来れば

外の状況、諏訪の現状

そして杏と球子の無事を伝えることが出来る。

諏訪への総攻撃の可能性を伝え、

若葉達を連れて諏訪の加勢に来ることだって敵うかもしれない

けれど。

そうはならないかもしれないのだ。

道中で襲撃を受け、多くの犠牲者が出るかもしれない。

大社が陽乃の力を知っているせいで、杏と球子が本人であると思われず、

一定期間拘束されることになるかもしれない

そうならなくとも、加勢に行くことは止められる可能性が高い

だから、総攻撃を退けた後の出発を考えている

そこで何かしらの被害が出るとしても、諏訪を諦めるのと諦めないのとでは話が変わってくる

杏「……そこで一つ問題があるんです」

杏は困り果てた顔で、切り出す

杏「総攻撃後に久遠さんが動けなくなって、諏訪の結界が破壊されてしまっていた場合……久遠さんが回復するのを待たずに四国に連れて帰ることになります」
940 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/03/12(金) 21:20:00.58 ID:MXPySprAo

今もこうして陽乃が療養できているのは、

諏訪に医療施設があり、結界で守られているからこそだ。

そうでなければ、いつバーテックスに襲われるかも分からないあの緊迫感の中で

身も心も中途半端な休息をとらなければいけなくなる

そんな状態では陽乃の体が元に戻るとは思えない。

四国に着いた後、大社に知られることなく安全に逃がすことは不可能だと言っていい

杏「でも、総攻撃で力を温存して欲しいとは言えません」

球子「総攻撃の規模にもよるけど、やばいだろうからなー。まぁ、そこはタマ達も死ぬ気で頑張るってことで」

気落ちした様子の杏の一方で、

球子は張り上げることなく、明るい声で笑う。

そうするしかないという諦めもあるのかもしれない

けれど――球子はお茶らけて見せているだけで、内心は本気のように感じられる

球子「絶対に諏訪を守る。結界の一つは壊されるかもしれないけどな……もう一つは絶対に守ってやる。だから安心して、ぶっ倒れてくれ」

杏「倒れないのが一番なのにっ」

球子「そ、そうなっても良いってはなっ――」

杏に詰め寄られて、椅子から転げ落ちる球子

鈍い音と、椅子が倒れる騒音が病室に響いたかと思えば、

すぐさま廊下をかけてくる音が聞こえて、看護師や水都達がなだれ込んできた

「お静かに願います。大きな音でも頭に響いたりすることもあるんですから。説明したように絶対安静ですし、そもそもここは病院なので……
 それが守れないのであれば、いくら勇者様と言えど出入り禁止にさせていただきますからね」

看護師は陽乃に何かがあったわけではないと安堵しつつも、

お尻を押さえて蹲る球子へと、注意を叩きつけた
941 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/03/12(金) 21:30:46.99 ID:MXPySprAo

√ 2018年 8月11日目 夕:諏訪

01〜10 歌野
21〜30 九尾
81〜90 襲撃

↓1のコンマ

※それ以外は通常(水都)
942 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/03/12(金) 21:31:51.78 ID:5h9B8SQLO
943 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/03/12(金) 22:19:32.50 ID:MXPySprAo
√ 2018年 8月11日目 夕:諏訪


騒がしさを運ぶ球子を杏が連れていき、また静かになった病室

けれど陽乃一人になったわけではない

陽乃「貴女は帰らないの?」

水都「久遠さんが眠るまでは、傍にいます」

球子や杏の使っていた椅子を片付けて、

新しいペットボトルを用意して

陽乃の腰下まで下がっていた布団を引き上げていく

水都「横になりますか?」

陽乃「……そうね」

腰を支えていた枕を外し、

ベッドの角度を整えて、陽乃の体を横向きに寝かせる

水都「少し、体ほぐしますね」

陽乃「そこまでしなくても大丈夫よ」

水都「そうですか?」

陽乃「そういうのは、看護師さん達がやってくれるから」
944 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/03/12(金) 23:37:29.25 ID:MXPySprAo

水都「声、ちゃんとしてきましたね」

陽乃「そう……?」

水都「水以外も飲めるかどうか、看護師さんに確認しますね」

陽乃の喉が非常に弱っていること

喉だけでなく、体の内側まで傷ついていたため、

炭酸飲料はもちろんのこと、

下手にジュースなどを飲ませるわけにもいかなかった

けれど、やはり勇者の身体

治りは早いらしい

大人しくしておけば……だが。

水都「……四国との通信ですが、乃木若葉さんも久遠さんのこと凄く気にしていましたよ
    絶対に無理するはずだって、言ってました」

陽乃「まだ何の役にも立ってないって、ちゃんと言った?」

水都「言ってませんよ」

そんなこと、絶対に言わないです。と

水都は首を横に振る

水都「ただちょっと、最近はノイズが入るようになってきたのが心配です」
945 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/03/13(土) 00:12:26.49 ID:xSHr3uk2o

前から、

数回に一度、ほんの数秒程度にノイズが入るのはあった。

けれど最近は一回の通信中に何度も途切れたり、ノイズが入ったり

確実に乱れていると感じる

いつ通信できなくなってもおかしくはない

水都「本当に近いうちに総攻撃が行われるかも、しれません」

陽乃「神託は?」

水都「まだ、ありません……」

陽乃「そう」

神託がどのくらいの精度で行われているのかを陽乃は知らない

数日前に来るのか、本当に直前に来るのか

水都の巫女としての素質は、九尾がもてはやさないのを見るに

そこまで高くはないのだろう

そして、諏訪の神々の力が弱まってきているのなら、

神託も遅れるのではないかと、陽乃は目を細める

水都「すみません……私、巫女としての素質はそこまでないので」

陽乃「一般人よりは、貴女の方が素質はあるでしょ……直前でも知れるなら、襲われてから気付くよりはマシだわ」
946 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/03/13(土) 00:14:34.38 ID:xSHr3uk2o

では途中ですがここまでとさせていただきます
明日も可能であればお昼ごろから
947 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/03/13(土) 00:35:05.45 ID:nM4LZMLmO

水都ちゃん本当に面倒いいな
ボロボロになって陽乃のメンタルケアには助かる
948 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/03/13(土) 07:21:08.00 ID:7sSax0rsO

うたのんやみーちゃんをこのまま死なせたくないなぁ
949 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/03/13(土) 18:20:01.88 ID:xSHr3uk2o
では少しだけ
950 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/03/13(土) 18:21:04.06 ID:xSHr3uk2o

水都「そうですね……何か神託があったらすぐにでも報告します」

陽乃「私に報告してどうするの?」

水都「もちろん、うたのん達に伝えるのが先にはなると思います
    でも、万が一総攻撃だと思われる神託があったなら、真っ先に久遠さんに伝える必要があるかなって」

陽乃「総攻撃なら、私に出る出ないは選べないと思うけど」

水都「そうかもしれないですけど……」

陽乃の素っ気ない対応にも、

水都は悲しそうというよりも、訳知り顔で小さく笑う

水都「久遠さんはほかの人よりもずっと、命懸けですから」

陽乃「命懸けなら、そこに差はないわ」

水都「じゃぁ、死んでしまう可能性が一番高いから。というのはどうですか?」

死ぬ可能性なんて、0か1かだ

バーテックスに殺される可能性があるのはみんな一緒だが、

陽乃には自分の力で死ぬ可能性がある

だとしても生きるか死ぬかでしかないと陽乃は息を吐く

陽乃「総攻撃で一番死にやすいのは、最も誰かを守ろうとする愚かな勇者よ」

水都「だとしたら、久遠さんかうたのん……かな?」

陽乃「私が誰かを守ろうとするわけ、ないでしょ」
951 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/03/13(土) 18:27:30.05 ID:wcBlFO34O
来てたか
952 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/03/13(土) 19:04:26.64 ID:xSHr3uk2o

水都「そうですか」

肯定するような口ぶりではあるけれど、

水都の表情は柔らかで、まるで信じていないように見える

陽乃が他人を守らないはずがないと、信じているのだろう

陽乃「勝手な事ばっかり」

水都「……だって、久遠さんの自己評価と伊予島さん達の話が全然違うから」

陽乃が自分を悪と言うとすれば、

杏たちは揃って、陽乃は善だと言う

だったら、陽乃は他人を救ってしまう人だ。

水都「そう言えば、久遠さんの体について少し調べてみました」

陽乃「私の身体?」

水都「そうです。勇者の力は神様から頂いた力なので、それに類する何かがあったんじゃないかなって」

陽乃「……で?」

水都「まだ古文書の翻訳中です。ただ、神様の力を借りるって言う点で憑依が怪しいのではと思ってます
    所謂、神降ろしですね。それによる代償として久遠さんは体を供物として捧げているのではないかと」

陽乃「へえ……」

水都「その供物として捧げられた体の一部を実際に神様が口にしているから、身体の内側が傷ついている。とか」

陽乃「たくましい想像力ね……枯渇したサブカルチャーを担えそう」

水都「それはちょっと難しいです」
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