【安価とコンマ】剣と魔法の世界で生き延びる その16

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202 : ◆gEU9La026k [saga]:2021/02/20(土) 18:56:02.04 ID:8fl/iWPk0
――

……

【帝国王城・執務室】


カイン「メイドから伝令?」

エメリナ「はい。どうやら無謀にもフィーア様を狙った一団を捕えたそうです」

カイン「はは、これは久々に大馬鹿が釣れたんだね」

カイン「変わっていく帝国を受け入れず、自分の世界に閉じ籠もるからそんなことになるんだよ」

カイン「前にフィーアの護衛隊が暴れ回った件ぐらい把握しておけばいいのに」ククク…

エメリナ「フィーア様、この数年でご立派になられましたものね。色々と……」

エメリナ「それに引きかえ、私ときたら……」ペタン…

カイン「何を言うんだエメリナ。君は日増しに立派になっているじゃないか」

カイン「最初は皇妃の作法、あれだけ酷かったのにな……!」プクク…!

エメリナ「カ、カイン様の奥さんとして恥ずかしい姿は見せられないじゃないですか!?」

エメリナ「その、昔は夜のお勉強を重点的にしちゃいましたけど、他のことだって頑張れるんですから……///」

カイン「ああ、わかっているよ」


コンコン


アーシャ「カイン義兄様、失礼致します」

カイン「……アーシャ、いつも言うがからかうのはやめてくれ。普通でいいんだよ普通で!///」

アーシャ「ふふ、これは失礼カイン様。どうにも照れるあなたが可笑しくて」クスクス

エメリナ「前から思っていたのですがカイン様、何故義兄と呼ばれると恥ずかしがるのですか?」

カイン「だって、こうして歳をとると益々昔の言動が、僕の恥が、鮮明かつ強烈に思い返されるんだよ///」

アーシャ「アベルは今も自信家なお兄さんを尊敬しているようですよ?」

カイン「あー、あー、聞こえないな。ったく、なんで僕はあの程度でアベル達を見下して知的な兄ぶっていたんだよ……」ハァ…

エメリナ「カイン様は、今も昔も凄く知的な方です!」グッ!

アーシャ「ええ、そうですよ? 今や帝国の結界の要ではありませんか」

アーシャ「それに転移魔法や魔道具の作成まで。高度な知識がなければできないことばかりですよ」

カイン「まあ、確かにそれは多少の自信はあるけどさぁ……」

カイン「それは多分、母さんの魔法の才の影響が大きい。皇族全員で見れば、僕が一番下だよ」

カイン「原因もわかっている。長年道化だった僕と努力を続けていたきょうだい。差がつくのは当たり前だよ」

エメリナ「……でも、カイン様は変わられたのです! 毎日頑張っているカイン様なら、きっといつか一番になれます!」

カイン「ああ。見ていてくれよエメリナ。この僕の勇姿をね!」バッ!

アーシャ「ふふ、やっぱりそちらの方がお似合いですよ?」クスクス


203 : ◆gEU9La026k [saga]:2021/02/20(土) 18:56:28.73 ID:8fl/iWPk0
カイン「それは、いい意味でだよな? 道化がお似合いってわけじゃないよな?」

アーシャ「もう、いい意味に決まっているじゃないですか」

エメリナ「カイン様、もっと自信を持ってくださいよー……」

カイン「いや、ことアーシャを相手にするとなぁ……」

アーシャ「あら? それはどういう意味ですか?」

カイン「……この前の、キアラ監修の試験を忘れたとは言わせないぞ」

エメリナ「あれ、凄く難しかったですねぇ……それでもカイン様、かなりいい点数でしたよね?」

カイン「数年前の悪夢を繰り返す気はないよ。我ながら結構頑張ったつもりだったんだけど……」

カイン「なーんで君は平然とまた満点を取れるかなぁ……?」

アーシャ「ふふ、アベルが褒めてくれるところですもの。何歳になっても手は抜けないでしょう?」ニコニコ

カイン「そのアベルも凹んでたじゃないか。そろそろ君に勝ちたいって……」

エメリナ「アベル様も十分凄かったですよね? あの旧帝国歴史問題、敵陣営を味方損害無しで壊滅させた戦法の解答なんて無理だもの……」

カイン「約一名が正解してるけどね。あの問題をキアラが作ったっていうのはもっと驚きだけど」

アーシャ「キアラちゃんは最近、特に守りの戦術の研究に拘っていますからね。軍縮した帝国でも従来以上に機能する守り……」

アーシャ「平和な世だからこそいざという時の守りは強固かつ迅速に。あの問題は、旧時代のものでも再利用ができると報せる意味もあるの」

カイン「なるほどねぇ……今度はそっちの勉強もちゃんとしておくかな」

エメリナ「はい! あとで書庫で探しておきますね!」

アーシャ「ふふ、本当に勤勉家になられましたね。私ももっと頑張らなくちゃ!」

カイン「くそ、アベルじゃないけど、いつか君の成績に土をつけてやりたい……!」グヌヌ…

カイン「――これじゃあ、いつまでもジェイドに父の威厳を見せられないじゃないか……」ボソリ…

アーシャ「あらあら、努力を欠かさない一番の理由はやっぱりそこなのかしら?」クスクス

カイン「……悪いか! せめて、せめて息子の前では頼れる父さんでいたいんだよぉ!」

カイン「そっちはいいよなぁ! 馬鹿みたいに子供作ったかと思えばアベルの奴、娘全員から慕われてるもんなぁ!」

アーシャ「……だからこそ、私もこう見えて毎日色々悩んでいるんですよ?」ハァ…

エメリナ「え? アーシャさんが!?」ビックリ

アーシャ「ええ。確かにソフィアに限らず、みんなお父さんのことは大好き。それは問題ないんです」

アーシャ「――だからこそいつ、娘がお母さんに振り向いてくれなくなるのかと思うと怖くて怖くて!」ガタガタ!

アーシャ「私って昔からこれって突出したものはないし、正直に言うと勉強を続けているのも娘の為でもあるんですっ!」

カイン「わかる! わかるぞその気持ちっ!」ガタ!

エメリナ「もう……お二人とも、心配し過ぎですよ?」

エメリナ「ソフィアちゃんはもちろん、ジェイドだってそんな――」


コンコン


エメリナ「あ、噂をすれば丁度ジェイド達のお勉強会も終わったみたいですよ?」

カイン「!!」ビクン!

204 : ◆gEU9La026k [saga]:2021/02/20(土) 18:57:03.64 ID:8fl/iWPk0
――

『自信家なカインの息子ジェイド。どれくらい似てしまったのか……』

11ジェイド:21(父の真似はするが、自分の力はわかっている。これにはお父さんも一安心)


『秀才だけど隠れた嗜好を持つアーシャの娘ソフィア。妙なお勉強は……』

12ソフィア:24(妙なことは学ばない。堅実に知識を蓄えていく将来有望株)

――


ジェイド「ちちうえちちうえ! やっぱりソフィアはすごいです!」キラキラ!

ソフィア「おかあさま、ジェイドすごいの! わたしのよめないまどうしょを、すぐによめるのです!」キラキラ!


カイン「んんっ……! ジェイド、もう少しだけ待っていなさい。父は国の大切な書類を書いているところだからね」カキカキ

アーシャ「ソフィアももう少し待っていてね。お母さんもそのお手伝いをしているから」カキカキ


ジェイド&ソフィア「「はーい!」」

エメリナ(あの一瞬で二人同時に書類の前の椅子に座るなんて、早業すぎます……)

エメリナ(う〜ん……あんなこと言っていた直後だから、ちょっと落ち着きたいのかな?)

エメリナ「ジェイドもソフィアちゃんもお勉強頑張って偉いね」ナデナデ

エメリナ「ご褒美に甘いバナナをあげようね?」サッ!

ジェイド「ははうえ、ありがとうございます!」モキュ!

ソフィア「ありがとうございます!」モキュ!


カイン「……」チラ

アーシャ「……」チラ


カイン(くっそ、相変わらず君のソフィアは賢いようだな! 見たかジェイドのあの輝く瞳! 僕に向けて欲しいのに!)ヒソヒソ…

アーシャ(それを言うならジェイド君の方でしょう? 魔導書はずるいですよ! ソフィアの感心全部持ってかれています!)ヒソヒソ…

カイン(だいたいなんだいソフィアは? 君の知性とアベルの瞳が遺伝したせいなのか、まるで小さな義母さんじゃないか!)ヒソヒソ…

カイン(もうその段階で半ば勝っているよね! きっと将来は僕よりも優しくて賢い子になるんだろうよ……!)ヒソヒソ…

アーシャ(ジェイド君だって、あの歳であの見た目はずるいです!? カイン様譲りの綺麗な金髪にエメリナさん譲りの優しい眼差し!)ヒソヒソ…

アーシャ(我が家は女の子ばかりですし、ただでさえ同年代の男の子の免疫ないのに! 来年には私よりもジェイド君に懐くかも……!)ヒソヒソ…


エメリナ(やっぱりカイン様達の小声でお喋りしつつも手は休めない技術はすごいなぁ……)


ジェイド「ちちうえたち、しんけんだね」ジー…

ソフィア「うん……」ジー…

205 : ◆gEU9La026k [saga]:2021/02/20(土) 18:57:43.29 ID:8fl/iWPk0
エメリナ「……ねえ、二人とも?」

エメリナ「将来、そうだな……大きくなったら、どうなりたい?」


カイン「!?」ガタ!

アーシャ「!?」ガタ!


ジェイド「――ふふ、ぼくをだれだとおもっているんだい?」

ジェイド「――にいさんなんかいなくても、このぼくがいればていこくはまわる!」


カイン「」ドサドサドサ!

アーシャ「おっと!?」キャッチ!


ジェイド「……ってちちうえみたいにかっこよくいってみたいけど、ぼくはまだまだなんだ」

カイン(……え?)

ジェイド「ソフィアはいろいろしっているし、きょうだいもみんなすごいから」

ジェイド「だからずっとがんばる。おおきくなってもみんなとがんばりつづけて、ちちうえとははうえをたすける!」キラキラ!

ソフィア「わたしもだよ? しらないことはたくさんあるから、いつもおかあさまにきいちゃうの」

ソフィア「おかあさますごいの。おとうさまもいつもすごいすごいってほめてて、わたしおおきくなったらおかあさまみたいになる!」キラキラ!

ソフィア「……でもおかあさまはまどうしょはよんでくれないから、よんでくれるジェイドはすごいのです!」

ジェイド「そ、そうかな……///」テレテレ

エメリナ「そうなんだ。二人とも頑張り屋さんだから、きっと大丈夫だよ?」ナデナデ

ジェイド&ソフィア「「……///」」ホクホク

エメリナ「……だそうですよ、お二人とも?」ニコニコ


カイン(うおおおぉぉぉぉぉ……! なんだこれは、夢なのか!?)ヒソヒソ…

カイン(我が子とは思えない! 僕の愚かな道化成分を、エメリナの純真さが洗い流してくれたとしか思えないっ!)ヒソヒソ…

カイン(でもジェイド、多分お前の前ではあんな恥ずかしいことは言ってない筈なんだけどなぁー……!)ガクリ…

アーシャ(……実は帝都でも、近年のカイン様は優しくなったけど何か物足りない。あの頃こんなこと言ってたのにって話題に……)ヒソヒソ…

カイン(………………それって、今後もずぅっと言われ続ける可能性あるよね?)ヒソヒソ…

アーシャ(ええ。でもよかったじゃないですか。今は帝都の人からもジェイド君からも慕われている何よりの証拠ですよ?)ヒソヒソ…

カイン(前向きに考えるしかないかぁ……。君もよかったじゃないか、愛しのアベルからもソフィアからも評価されていて)ニヤリ

アーシャ(……ええ、嬉しかったです。でも、だからこそより気を引き締めないと!)ヒソヒソ…

アーシャ(あんな真っ直ぐに育ってくれたソフィアに、私と同じ道は歩ませるわけには……///)

カイン(君が何を危惧しているか知らないけど、ジェイドが僕の二の舞になる方が遥かに地獄だよ。僕も気を引き締めよう……!)



エメリナ(頑張り屋なお二人の姿を、この子達が見ていないわけがないのに)ニコニコ

エメリナ(私ももっともっと頑張る。家族みんなで頑張って、もっと幸せになろうね……!)グッ!


206 : ◆gEU9La026k [saga]:2021/02/20(土) 18:58:09.40 ID:8fl/iWPk0
――

……

【帝国王城・中庭】


フローレン「……なんであなたがここにいるのかしらぁ?」

ノワール「孫の一人の付き添いですよ。こんなおばあちゃんでも頼ってくれるなんて、嬉しいわ」ニコニコ

フローレン「私だってそうよぉ! 全く、どうしてこうあなたと行く先々で遭遇するのかしらぁ……」ハァ…

フローレン「まぁ? この私とあなたの圧倒的な差を目の当たりにしたら……」

フローレン「あなたのとこの孫も、全員あたしに縋るようになっちゃうかもしれないけどねぇー?」アーハッハッハッ!

ノワール「まあ怖い。そうならないよう、私も頑張りますよ」ニコニコ

フローレン「……」

ノワール「フローレン?」

フローレン「……なんというか、あなたも随分と変わったわよねぇノワールゥ?」

ノワール「そうでしょうか?」

フローレン「そうよぉ! 昔のあなたは口数少なかったし、大人になってからも鉄面皮で面白くない子で……」

フローレン「そんなあなたが、ここ最近はずっと笑顔って……ちょっと怖いくらいよぉ?」

ノワール「……子供達、そして孫達と暮らせる平和な時間。それが、ようやく手に入ったからかもしれませんね」

ノワール「でも変わったといえばフローレン、あなたもじゃないですか?」

フローレン「……そうねぇ。認めたくないけれど、あなたの言う通りかもねぇ……」

フローレン「昔だったら、とっくに飽きてそうなことを今も続けている。子供達は玩具にしたけど……孫には、そういう気持ちがないしぃ……」

ノワール「あなたなりの、贖罪なのでしょうか? カインとキアラの相談にも乗っているのでしょう?」

フローレン「知らないわよぉ。多少変われど、私は私。死ぬまで私が興味を持ったか否かで世界は決まるのよぉ?」

ノワール「だとすれば、孫の成長に凄い興味があるのでは? カイン達にもね?」クスクス

フローレン「あーもう、相も変わらず嫌らしいわねノワールゥ! ええ、そうよぉ? 文句あるぅ!?」クワッ!

ノワール「いいえ?」ニコニコ

フローレン「……嬉しい誤算だけど、私の孫はみーんな優秀よぉ?」

フローレン「セッカは病弱じゃないアドルランみたいだし、プラチナムは落ち着きがあって冷静」

フローレン「ジェイドはもう魔導書が読めるのよぉ? 同時代のアドルランやカインよりも立派だわぁ」

ノワール「あの子達は私にとっても大切な孫ですし、それは知っていますよ?」

フローレン「血の繋がりあるんだから、わ・た・し・の孫よぉ!」

フローレン「で、そっちはどうなのよノワールゥ? この布陣を破れるかしらぁ!?」

ノワール「やれやれ、大切な孫まで争いの火種にしないでください……」

ノワール「ですが、そうですね……あなたの言う優秀の基準で言うと――」

207 : ◆gEU9La026k [saga]:2021/02/20(土) 18:59:50.18 ID:8fl/iWPk0
――

『真っ直ぐな真の貴族の子に育ってほしいと願うパトラ。娘アトラの欲は……』

13アトラ:16(も、もうちょっと我儘言ってもいいんだよ? 歳不相応な愚直な真面目さ)

――


パトラ「――ノワール様! お待たせしてしまい申し訳ありません!」ハァハァ!

パトラ「道に迷われているご老人がいたので、つい案内を……」

ノワール「気にしないで。私もついさっき着いたところですから」

ノワール「困っている人は助ける。アトラに模範を見せることができてよかったではないですか」ニコニコ


アトラ「そぼうえ、こんにちは!」ペコリ

アトラ「フローレンさま、こんにちは!」ペコリ


ノワール「ええ、こんにちはアトラ」ニコニコ

フローレン「……こんにちは」

パトラ「フローレン様もいらしたのですね。もしかして……」

フローレン「残念だけど私は私の用事がちゃんとあるわぁ。あなたの孫の面倒を見るのはノワールだけよぉ?」

ノワール「あらあら。折角だから、私が至らないところを補って貰おうかとも思ったのですが……」

フローレン「……偶々居あわせた天才を頼る気持ちはわかるわよぉ? でも……」

アトラ「……」ピシィ!

フローレン「……アトラ、あなたちょーっと真面目すぎない? そんなぴっちりして疲れるでしょぉ?」

アトラ「いえ! アリスねえさまとおなじくちちうえとははうえのなをいただいたからには、さらなるしょうじんを!」ピシィ!

フローレン「かたいかたいかたいわぁ!? セッカ達すらもうすこし緩いわよぉ!? なにがあったのよこの子!?」

パトラ「わ、私ももう少し我儘を言う子に育ってもよかったと思いはするんですよ?」アセアセ

パトラ「ただ正しい貴族はどうあるべきかなどといったことを赤ん坊の頃から説き続けた結果といいますか……」アセアセ

フローレン「私が言うのも変だけど、力抜くべきところは抜いた方がいいわよぉ……?」

フローレン「……ほら、アトラ。もう少し子供らしく笑ってみなさいな?」っアメ

アトラ「もうしわけありません。じかんがいいんしょくはきしどうにはんします!」ピシィ!

フローレン「パトラァ!? おやつくらい許してあげなさいよぉ!? あと騎士道は絶対関係ないし、真面目に何かが混同されてなぁい!?」

パトラ「その、まだアトラも小さいですし」アセアセ

フローレン「そこだけ子供扱いしなぁい!」

ノワール「……どうです? 優秀な子だと思いませんかフローレン?」

フローレン「優秀が過ぎるというか、英才教育も行き過ぎると毒になるって学べたわぁ……」ハアァ…

フローレン「そういえば、パトラの両親もかなり突き抜けた貴族らしいし、そういう血なのかしらねぇ……」

パトラ「誇りは持っていますが、返す言葉はございません……」

208 : ◆gEU9La026k [saga]:2021/02/20(土) 19:00:22.71 ID:8fl/iWPk0
フローレン「まったく……」スッ…

フローレン「アトラ、よぉく覚えておきなさぁい?」

アトラ「?」

フローレン「人からの厚意は、時に素直に受け取ることも大事。ましてやこの天才からなんて滅多にない幸運よぉ?」

パトラ「そうですね。アトラ、ここはフローレン様のご厚意に感謝して頂きましょう」

アトラ「……はい!」

アトラ「フローレンさま、ありがとうございます!」ニパ!

フローレン「……っ!?///」

フローレン「そ、そう。それでいいのよぉ?」サッ

アトラ「あまぁい……♪」コロコロ…

パトラ「ありがとうございます、フローレン様」ペコリ

フローレン「別にいいわよぉ飴玉の一つくらい。それより、ノワールの方の用事をさっさと済ませなさいな」

ノワール「おっとそうでしたね。今日はどのお勉強にしようかしら……」

フローレン「なによぉ、本当に教育熱心ねぇ……飴玉一個で報われる労力じゃないわよ多分?」

ノワール「ああ、大丈夫ですよフローレン。そうお堅い勉強ではありませんから」

パトラ「一般的な勉強は、私以外にもアーシャさん達が手伝ってくれるんです。最近はカインさんにも」

フローレン「ふふ、カインもどんどん成長しているから、当然よねぇ? でもそれじゃあノワールは何を?」


ノワール「――昔アベルにも教えた、食べられる草のお勉強です」

パトラ「――万が一家が没落した時も、アトラには折れず逞しく育って欲しいんです……!」グッ…!


フローレン「もう逞しいと思うんだけどぉ!? もしかしなくてもこの庭の草を食べるつもりだったのぉ!?」ガーン!

フローレン(……セッカ達も、もう少し甘やかしてあげた方がいいかもしれないわぁ……)



タタタタタタ!



パトラ「あら?」

フローレン「はっ!? 色々振り回されて私の本来の目的を見失うところだったわぁ!?」

ノワール「なるほど、フローレンは――」

209 : ◆gEU9La026k [saga]:2021/02/20(土) 19:00:50.30 ID:8fl/iWPk0
――

『お母さんも初恋の人も最愛の人もみんな巨乳。そんなマックスの息子アルへの遺伝具合は……』

14アル:92(がっつり遺伝というか父親越え。大きなおっぱいに吸い寄せられちゃう!)

――


タタタタ!


アル「おばあちゃーん!」モニュン!

ノワール「おっと。今日も元気ですねアル」ナデナデ

アル「えへへー///」スリスリ


タタタ!


マックス「はぁ、はぁ! すみませんノワール様ぁぁぁ!?」ズザー!

キアラ「こら、アル。いけませんよ、いきなり走り出すこともですが人様に飛び込むこともですね……」

フローレン「相変わらずねぇ、あなた達もアルも……」ヒキヒキ…

マックス「ひへああぁぁぁ!? お義母様も申し訳ありませんでしたぁぁぁぁ!?」ガバ!

フローレン「おばあちゃんは、私だって教えたでしょうアルゥゥゥゥゥ!?」

アル「もう一人のおばあちゃんおっぱい小さい」

フローレン「」ゴボァ!


パトラ「………………」ゴゴゴゴゴゴ!

マックス「ぎゃああああぁぁぁぁぁ!? 痛い痛い、ゆっくり脇腹を抓り上げないでくださいパトラ義姉様ぁぁぁ!?」

パトラ「マックス、あなたねぇ……」ミチミチ…

キアラ「パトラさん、マックスさんは悪くないんです。私がちゃんとアルを叱れないから……」


アル「あっ! パトラお姉ちゃんもいる! わーい!」ピョーン!

パトラ「なっ!?///」モニュン!

アル「……! おばあちゃんより、もっとおおきい///」スリスリ…

アル「おばあちゃんより上で、お母さんやシアお姉ちゃんより下かなぁ……///」スリスリ…


マックス「」

キアラ「」


ゴイン!


アル「いたぁっ!?」バッ!

アトラ「またですかアル! ははうえやおばさまたちをこまらせてはいけません!」ピシィ!

アル「な、なんだよぅ! ぼくの方がおにーさんなんだぞぉ……!?」プルプル

アトラ「きりつあるきぞくにねんれーはかんけいありません!」

アトラ「あとでアリスねえさまにもいいます! そこにせいざ!」

アル「」ガタガタ…

フローレン「……アトラが堅い理由の一端を担っていそうで頭痛いわぁ……」

マックス「本当に申し訳ありません……」フカブカ…


210 : ◆gEU9La026k [saga]:2021/02/20(土) 19:01:19.19 ID:8fl/iWPk0
……


フローレン「今日は予定よりも厳しくお勉強するわよぉ!? まず胸は脂肪の塊! 萎むのぉ!」クワッ!

ノワール「いけませんよフローレン。小さい子には、もっと丁寧に優しく教えないと」

アル「やっぱりこっちのおばあちゃんのほうがいいー///」モニュン!

フローレン「この子に関しては厳しさが正解よぉ! この前なんて大人しいプラチナムからすら怒られてたのよこの子!?」


……


パトラ「……子育ては大変。それは私もわかっているつもりです」

パトラ「ですが、今の内にしっかり教えないと駄目なこともありますからね?」

マックス「俺もキアラちゃんも、注意しているんですけど……」

キアラ「アルはマックスさんに似て、随分と活発な子に育ってしまって……」

マックス「一応はアルも、大人しい時はちゃんとしているんですよ」

パトラ「ええ、それは知っています。アルは他の子よりもお兄さんだし、本人もそれを理解している」

キアラ「皇族の一人として、そして兄として……お勉強も嫌がらずに真面目にしているんです」

マックス「アリスちゃんの真似して、鍛錬も始めたり……ほんと、妙なところは真面目なんだよなぁ」

パトラ「……それは、二人の子供だという証とも言えるわ」

マックス「え?」

パトラ「キアラさんの真面目さや優秀さは今更説明不要でしょう。そしてマックス、あなたも根っこではそうだったでしょう?」

パトラ「……まあ、あなたの唯一の欠点でもあった欲望に正直過ぎる面が色濃いのが悲しいですけど」ヤレヤレ

マックス「父さんに見せた瞬間、我が孫に間違いないって叫ばれましたからね……嫌な遺伝ですよほんと」トオイメ

キアラ「お母様もこうして偶にアルの面倒を見てくれるんだけど……」チラ…


フローレン「父親のせいにしちゃ駄目よぉ!? 遺伝は嘘! でなければなんでキアラだけじゃなくてフィーアまでぇええああえぁぁぁ!」グルグル…

ノワール「フローレン、脱線していますよ……?」

アル「フィーアっぱい!」キラキラ!


マックス「正直、我が子ながらに俺以上にやばいってのはわかりますよ……」

マックス「今はまだかろうじて身内の胸にしか飛びこまないですけど、悪化して街中の人にまで飛びこんだら……」ブル…

キアラ「お部屋に籠ってお勉強しても、私の胸に飛び込んできちゃって、あまり効果が無かったし……///」

パトラ「……マックスの血が濃いなら、きっと最後には真面目な子になってくれる筈よ」

パトラ「あ、そうだ。今度、アベルさんも交えて子育て悩みを言いあうとかどうかしら? 何か共感できたり参考になることがあるかも」

マックス「いいですねそれ! というか、本当にアベル義兄さまは兄様って崇め慕いたいですよ……」

マックス「色々な人に迷惑かけて、協力して貰って、それでいて子供一人育てるのってこんな大変なんですよ?」

マックス「それをあの人、奥さん達も子供達もしっかり面倒みながら公務もこなしてるって、同じ人間とは思えませんよ」

パトラ「ふふ、アベルさんは私達の自慢の旦那様ですもの♪」

キアラ「でも本当にアベル義兄様、いつも大変なのにアルのこと相談しても大丈夫でしょうか?」

パトラ「アベルさんなら大丈夫ですよ。あ、でも今日は難しいですね。この時間だと――」


211 : ◆gEU9La026k [saga]:2021/02/20(土) 19:01:49.02 ID:8fl/iWPk0
フローレン「――から、あなたにもこの世で最も優れた男の血も流れているのよぉ?」

フローレン「あの人の血を引いてるからには、動じず待ち構える姿勢は大切なの。わかるかしらぁ?」

アル「おじいちゃんの、ち……」

アトラ「わたしにも、ながれている?」

ノワール「ええ、そうですよ。勿論、お父さんとお母さんの方が色濃いとは思いますけど……」

フローレン「しかもこの天才の血も流れている最強の遺伝子……」

フローレン「……」

フローレン「……あなたのお母さん、キアラも……かなり遅咲きだったけど、それを証明してみせたわぁ」

フローレン「だから、アル。あなただってその気になればセッカにプラチナム、それにジェイドにだって負けない――」





アル「お母さん、このまえお父さんに負けてたよ? ベッドの上でもうだめーって」

アル「お父さんのほうがつよいなら、お父さんのまねをしなきゃ!」エヘン!





フローレン「………………」バチバチバチィ!

ノワール「………………」ヒュオオォォォォォ!

アトラ「!?」ビクゥ!



マックス「」

パトラ「…………」チラ…

キアラ「あぅ、あぅぅ……っ!?///ち、違うんです!? あ、あれは……///」カアァァァァ!

マックス「いや、俺が悪いんだ……! 俺が、俺が我慢できなくてぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」ドゲザ

パトラ「…………仲がいいことは良いのですけどね」アタマオサエ

パトラ「とりあえずマックス、この後は久々に私と一緒に汗を流しましょうね?」ポン

マックス「お願いします……」ガクリ…



……


――

212 : ◆gEU9La026k [saga]:2021/02/20(土) 19:02:24.38 ID:8fl/iWPk0
――

【帝都・商店街】


ザワザワ…


アベル「っと……流石に混んでいるな」

アベル「今日はあまり遠出ができず、この辺りが限度だが構わないか?」

シア「勿論ですよ〜」ポヤポヤ

ロウル「アベルさんとのおでかけは、どこでも楽しいですからねぇ」パタパタ!

シア「今日はこのあとおやつを買って〜」ワクワク

ロウル「子供達の新しい服を作る為にも、布も補充したですねぇ」ワクワク

アベル「ああ、わかった」



ザワザワ…



帝都民1「アベル様だ……今日は、あのお二人とご一緒なのか」

帝都民2「あの人、毎日あちこち動いてないか?」

帝都民3「公務に警邏に家族との時間ってわけているって話だが……お休みになられているのか?」

帝都民1「前は一夫多妻羨ましいって思ったけど、アベル様見ていると無理だって思うよ」

帝都民2「ああ……俺だったら仕事か家庭のどっちかがすぐに崩壊する自信あるよ」

帝都民3「でも、やっぱ羨ましいよなぁ……///」


シア「ふんふん〜〜♪」

ロウル「ふふ〜ん♪」


ザワザワ…


帝都民3「奥様方はみんな超絶美人で、それにあの幸せそうな雰囲気!」

帝都民2「見た目も性格もみんな違うし、本当によりどりみどりだよなぁ」

帝都民1「しかもあのキアラ様とフィーア様が妹だからな。隙が無いぜ……」

帝都民3「ああ。だけどそれ以上に……」チラ

213 : ◆gEU9La026k [saga]:2021/02/20(土) 19:02:55.70 ID:8fl/iWPk0
――

『魔法で補助していたけど、元はのんびり鈍足な運動音痴シア。娘オリヴィエは大丈夫なのか……』

15オリヴィエ:69(のんびり屋だけれど、動く時はお母さんよりも少し活発に動けます)

『なかなか素直になれなかったロウル。娘フェリは素直に育ってくれるといいけど……』

16フェリ:90(素直を通り越してもの凄い甘えん坊。娘達の中でも一番べったりな子に)

――


オリヴィエ「おとうさ〜ん、まって〜」テテテテ!

アベル「ははは、落ち着けオリヴィエ。置いてなんかいかないから安心しろ」ヨシヨシ

シア「迷子は怖いですし、お父さんと手を繋ぐといいと思いますよ〜?」

オリヴィエ「は〜い」ギュッ…

フェリ「あっ! ずるい〜、わたしもパパとおててつなぐの〜!」パタパタ!

アベル「わかってるわかってる。ほらフェリ、離すんじゃないぞ?」スッ…

フェリ「ん、パパのてだいすき〜……///」パタパタ

ロウル「おうおう、両手に華ですねぇアベルさん。可愛いお嫁さん達に可愛い娘達……」

ロウル「男としてこれ以上の幸せはないんじゃないですか〜?」ウリウリ

アベル「あぁ。まさか俺が、こんな時間を過ごせるとは思ってもみなかったよ」

ロウル「む、むぅ……/// そう素直に返されると、こっちまで恥ずかしくなるじゃないですか!///」

シア「ロウルさんもフェリちゃんみたいに、もっと甘えればいいのに〜」ポヤポヤ



帝都民3「いいよなぁ……子供って///」ホッコリ

帝都民2「俺も娘からあんな風に甘えてほしいよ……」

帝都民1「本当にアベル様になついているんだな。尻尾があんなに揺れているよ。毛並みいいなぁ」


ロウル「!」ピクン!


ロウル「そうでしょう!?」ズザザザ!

帝都民達「「うおっ!?」」ビク!

ロウル「そう、フェリは凄いんですよ! 見てくださいよまだこの小ささでこの毛の艶と輝き、そして柔らかさ!」

ロウル「この数年で私以外の獣人とも結構会いましたけど、フェリのは圧倒的! ここまでの毛並みは見たことがありません!」

ロウル「それに私に似て感覚も鋭いですから、もう将来の副官の座も決まったようなものですし!」

ロウル「しかもお父さんから腕っぷしのよさと氷の魔力まで継いでいるんですから、もうお母さん超えは確定ですね!」

ロウル「将来は周りの目を気にしなくてもいいくらい立派な子になって欲しいって、願いを込めて名付けましたけど……」

ロウル「あ、キアラ様の本に載っていた想像上の狼なんですけどね? 凄く強い氷の狼の名前から取ったんですよ!」

ロウル「それがどうですか!? 将来を待つ前からこんな凄くて可愛いだなんて、我が子ながら恐ろしい子ですよまったくぅ♪」クネクネ!

帝都民達「「」」

アベル「……ロウル、気持ちはわかるが落ち着け」

シア「皆さんロウルさんの勢いに押されてかたまっちゃっていますよ〜?」

ロウル「だってぇ……実際にフェリはすごくてこんなに可愛いんですよ?」ナデクリナデクリ

フェリ「えへへ、ママのてもだいすき〜///」パタパタ!

ロウル「ああっ、もう/// 悩んでいた私本当に馬鹿みたいです! 産まれてきてくれてありがとうフェリッ!」ムギュー!

シア「ロウルさん、本当に嬉しそうです〜」

214 : ◆gEU9La026k [saga]:2021/02/20(土) 19:03:27.43 ID:8fl/iWPk0
シア「でも、私も気持ちはわかりますよ〜? オリヴィエも私の願い通り、のんびり優しい子になってくれましたもの〜」ホクホク

アベル「そうだな。俺の娘達はみんな妻に似たのかみんなにそっくりないい子ばかりだ」

オリヴィエ「いいこ〜?」

シア「ええ、とってもですよ〜♪」ナデナデ

アベル「……フェリだけは、ロウルに似ず随分と甘えん坊だがな」

ロウル「それだけフェリが凄いってことですよぉ♪」パタパタ!

アベル(やれやれ……気がついているか、ロウル?)

シア(その嬉しそうな姿はそっくりそのままフェリちゃんですよ〜?)

ロウル「まあでも、私の拗れた部分を継がなかったのは本当によかったですよ」

ロウル「その点オリヴィエちゃんはシアさんの血が濃いですよねぇ」

アベル「というより、娘全員俺の部分はあまり出ていない気もするんだが……」

シア「そんなことないですよ〜? いい子ばかりなのはアベルさんの血と教育のおかげですよ〜」

シア「それにこの綺麗な紫の瞳もアベルさん譲りで大好きです〜♪」

オリヴィエ「ん〜?」トローン…

ロウル「あはは。まあ鋭さは無く、シアさんよりもとろんとしてますけどねぇ」

シア「……でも、おやつを出すと〜?」サッ!

オリヴィエ「!!」シュバッ!

ロウル「あっ! 一瞬だけ眼光がアベルさんそっくりになりましたよ!?」

フェリ「オリヴィエ、おやつとるのいつもわたしよりはやいの!」

ロウル「なっ……フェリの反応速度以上だなんて、甘い物に対する執念もアベルさん譲りですか!?」

アベル「待て待て、何故俺由来のものになる! 甘味への欲の強さはシアの方だろう!?」

シア「その言い方にはちょっと疑問がありますよ〜!?」


パキン!


オリヴィエ「はい。フェリにもはんぶんこ〜♪」

フェリ「わーい! オリヴィエありがとうー!」パタパタ!

ロウル「……子供達の方が、私達よりもある意味大人かもしれませんね///」

アベル「だな……///」

シア「本当に優しい子に育ってくれて、嬉しいです〜……///」

フェリ「……!」ピョコン!

フェリ「パパたちも、おやつたべる?」

ロウル「ん゛うぅぅぅぅ!///」パタパタパタ!

シア「フェリちゃんの優しさにロウルさんが痙攣しています〜!?」ガーン!

アベル「だからロウル落ち着け! 嬉しいのはわかるんだが……」



帝都民達「「」」



アベル「……このままでは俺達の威厳が地の底だ///」

ロウル「」

シア「」


……

――
215 : ◆gEU9La026k [saga]:2021/02/20(土) 19:03:56.89 ID:8fl/iWPk0
――

……


ロウル「うぅ、恥ずかしいです……///」

アベル「だから落ち着けと言ったんだ」

アベル「まあ、俺達の威厳なんてとっくに無くなっているだろうし、今更ではあるか」

ロウル「ど、どういう意味ですかそれぇ!?」

アベル「ロウルはついさっき、フェリの可愛さを興奮しながら語っていたじゃないか」

アベル「内容が事実であれ、あの勢いで詰めよれば親馬鹿と呼ばれても仕方がないだろう?」

シア「わ、私は〜!?」ワタワタ

アベル「……王国協賛、帝国甘味大会」ボソリ

シア「!?」ビクン

シア「な、なんのお話でしょうか〜?」アセアセ

アベル「……オリヴィエ、お母さんがこっそりもってきたお菓子は美味しかったか?」

オリヴィエ「おいしかった〜♪」

ロウル「シアさん、またこっそり大会出てたんですね……」

アベル「以前とは立場も変わっている。俺のところにも報せが来るのは当然だろう?」

シア「あ、穴があったら入りたいです〜……」プルプル…

アベル「……それも含めて、あまり気にするな」

ロウル&シア「「え?」」

アベル「下手に威厳を振りまくよりも、ありのままの姿を見せた方が……きっと子供達にも慕ってもらえるだろうしな」

アベル「さ、少し表通りを外れるが買い物の続きにいこう」

ロウル「そ、そうですね!」

シア「この道なら、みんなで手を繋いで横になっても大丈夫でしょうか〜?」

アベル「そうだな。ここならそれもできるか。よし、フェリ、オリヴィエ」サッ

フェリ「こんどはこっちのおててにぎるー!」ギュッ…

オリヴィエ「わたしはこっち〜」ギュッ…

シア「それじゃあ、私は空いた手を〜」ギュ

ロウル「あはは、流石にこれは帝都じゃ難しいですねー///」ギュ

シア「お買いものはどこから行きます〜? あ、折角だから皆さんにもお土産買っておかないと〜」ポン

ロウル「そうですねぇ。特に今日はアリスちゃんとエリスさんくたくたでしょうし……」

アベル「ああ、念の為にティアも同行を買って出てくれたんだが……」

シア「だ、大丈夫でしょうか〜……?」


……

――
216 : ◆gEU9La026k [saga]:2021/02/20(土) 19:04:23.90 ID:8fl/iWPk0
――

【帝都・鍛錬場】



帝国兵1「おらぁっ!」ブオン!

帝国兵2「うおっと!?」ギィン!

帝国兵1「へへっ、勝負ありだな」チャキン!

帝国兵2「ってー……また強くなったんじゃないかお前?」

帝国兵1「まぁな。むしろお前こそ、今の一撃は防いできそうなもんだが……」

帝国兵2「その前の無理に防いでから、ちょっと腕痛めてんだよ」

帝国兵2「なさけねえが……いいこともあるな///」ニヤニヤ…


ティア「だ、大丈夫ですか?」パタパタ!


帝国兵2「おぉ、ティアちゃん悪いな! ちょっとこっちの腕が……///」デレデレ

ティア「ここですね。ちょっと待っててくださいね」パアァ!

帝国兵2「あぁー……ティアちゃんの癒しの力が染み渡るわぁ……///」デレデレ

帝国兵1「お前なぁ……」ハァ…

ティア「はい、これで大丈夫ですよ。無茶はしないでくださいね……?」

帝国兵2「おう!///」デレデレ

帝国兵1「なぁに気の抜けた顔してんだ。アベル様にどやされても知らねえからな?」

ティア「だ、大丈夫ですよ。アベル様はとてもお優しい方ですもの」

帝国兵1「……確かに、本来ならアベル様の妃であるティアちゃんにも相応の敬意を払うべきところだ」

帝国兵2「それを昔どおりに接することも許してくれたのは、俺らからすると本当ありがたいんだよな〜」

帝国兵2「アベル様と結婚して、ティアちゃんが一気に遠い存在になった感じしたしさぁ……」

ティア「いえ、私は何も変わっていません。アベル様に救われた、ただの衛生兵の一人ですよ?」

帝国兵達((ますます美人になってるし、回復速度も上がってるのになぁ……))

ティア「相変わらず体力も無くて……鍛錬に私まで混ざって、お邪魔ではないでしょうか?」

帝国兵2「全然全然! ティアちゃんと一緒に走り込みできるなら、俺は帝都何週でもできるね!」

帝国兵1「アベル様やアドルラン様流の鍛錬やったら、ぶったおれかねないもんなぁ……」

ティア「小さなことからこつこつと。はやく、皆さんに並べるだけの体力がつくといいなぁ……」

帝国兵2「まあ、俺らでよければいつでも鍛錬に付き合うから、遠慮なく声をかけてくれよな!」

帝国兵1「それは俺らが言う言葉ではないだろうに。さっきみたいに回復の世話にもなりっぱなしなんだから」

帝国兵2「そ、それはそうなんだけどな。ところでティアちゃん?」

ティア「なんでしょう?」

帝国兵2「今日は、アリアンナちゃんは?」

ティア「アリアンナは――」


217 : ◆gEU9La026k [saga]:2021/02/20(土) 19:04:50.88 ID:8fl/iWPk0
――

『時々想いが暴走しちゃうティア。彼女のそれは母譲りだったが、娘アリアンナは……』

17アリアンナ:18(ティアの本来の心優しさのみ継承。でもお母さん以上に人見知りかも?)

――


アリアンナ「……あ」ピクン!


ティア「……あそこの木陰ですね」

帝国兵1「あー、まだ心を許して貰えないか」

帝国兵2「いや、この前会った時より木一本分前に来てくれてるぞ!」グッ!

帝国兵1「なぁ、やっぱり俺らがティアちゃんになれなれしいのが原因なんじゃないか?」

帝国兵1「アベル様が認めてくれているとはいえ、傍からみたら俺ら命知らずの不敬者だし……」

帝国兵1「さらにアリアンナちゃんから見たら、お母さんが知らない男と話しているって不味い現場のような……」ダラダラ

ティア「い、いえアリアンナが人一倍人見知りというか、照れ屋さんなだけです……」

ティア「おうちでは、みんなとも仲良く遊んでいるんだけどなぁ……」

帝国兵2「そりゃあ家にはアベル様に美人な嫁さんと可愛い姉妹が沢山いるわけだろう?」

帝国兵1「いかつい俺らとじゃ、天と地程の差があるよなぁ……」


アリアンナ「うぅ……」ジリ…


帝国兵2「でも、ちょっとづつこっちに近寄ってきているような……?」

帝国兵1「俺達に慣れようって気持ちは持ってくれているんだよなぁ……ティアちゃんに似て、いい子だよ本当」ウンウン

ティア「私も、人前はあまり得意ではないから、そこが似てしまったのかもしれません」

ティア「でも流石にあそこまで臆病だと、今後に支障が出てしまうかもしれませんよね……」

ティア「ちゃんと優しい人達なんだって、教えてあげないと」スク…

帝国兵達「「……へへ///」

ティア「アリアンナ? この人達は大丈夫。だから、こっちへいらっしゃい?」ニコリ


アリアンナ「おかあさま……」オズオズ…

アリアンナ「…………」

アリアンナ「……」トコトコ…


帝国兵1「……やばい、可愛い/// ちっちゃいティアちゃんみたいだ///」

帝国兵2「……アリアンナちゃん大きくなったら、俺と結婚してくれないかなぁ///」


ゴス!


帝国兵2「いってぇ!?」バッ!

ネスト「はいはーい、馬鹿な発言は控えておこうなー?」ヒラヒラ

帝国兵2「てめ、ネスト! 何するんだよ! アリアンナちゃんが怖がったらどうすんだ!?」

ネスト「おっとそれは確かに。でもな?」

ネスト「――今の発言、アベル様に聞かれてたら命の保証できないから気をつけろ? あの人、娘全員溺愛してるからな……」ヒソヒソ…

帝国兵2「お、おぅ……」ゴクリ…

218 : ◆gEU9La026k [saga]:2021/02/20(土) 19:05:18.80 ID:8fl/iWPk0
ティア「ネストさん、お疲れ様です」

ネスト「お疲れ様でーす。いやぁ、六妃の一人がこんなむさ苦しいところにいるってのも凄い話だよほんと」

ティア「み、皆さんもあちこちに出払っていると思いますよ?///」

ネスト「はは、確かに。アベル様もみんなも、従来の皇族の柵とかは気にしてないってのは大きいよね」



アリアンナ「……こ、こんにち、は?」プルプル

帝国兵1「おぉ……っ///」フルフル

帝国兵1「こんにちはアリアンナちゃん。俺はね……」


帝国兵2「あぁー! てめ、俺がちょっと目を離した隙になに抜け駆けしてんだ!?」



ネスト「で、今日はどうしたのさ。アリアンナちゃんも連れて鍛錬は流石に無茶だと思うけど」

ティア「その、私はいざという時の備えです。大丈夫だと思うけど、エリスさんとアリスちゃんが怪我をした時のために……」

ネスト「……」

ティア「さ、流石にこの奥には踏み込めないので、待っている間にここで兵士の皆さんに混じったり回復したり……」

ネスト「はぁ……無茶はしていないようでよかったよ」

ティア「ネストさんはどうしてこちらに?」

ネスト「……アベル様からの指令。同行を申し出てくれたけど、やっぱりティアちゃんのこと心配なんだってさ」

ティア「アベル様……///」ジーン…

ネスト「いや、俺もその気持ちすごいわかるわー……だってあのティアちゃんがだよ?」

ネスト「帝国兵の集まる鍛錬所にいるってだけでも不安だけど、あの人の傍に自ら近寄りそうなことをするって……」

ネスト「本当、大丈夫? 俺以外の面子も来てるし、今からでも代わろうか?」

ティア「ありがとう、ネストさん。でも、大丈夫です……」

ティア「まだ直接相対したり、鍛錬の様子を眺めることはできないけど……いつかは必ず」

ネスト「……君も強くなったねぇ」

ティア「アベル様のお傍に、ずっといたいですから……///」

ネスト「おお熱い熱い。それじゃ、俺達もここで待機しておくかー。あ、アリアンナちゃんとも遊んでいいかな?」

ティア「は、はい! きっとあの子も喜ぶと思います!」

ネスト「よしきた! ――お前達!」


斥候部隊「「子守りは任せろ!」」シュバッ!


アリアンナ「ひぃっ!?」ガクブル!

帝国兵1「あ、馬鹿かお前達!?」

帝国兵2「そんな塊で一斉に来たらアリアンナちゃん怖がるに決まってんだろ!?」


斥候部隊「「」」

ネスト「……俺達が、任務を、しくじっただと……!?」

ティア「うーん、アリアンナの人見知り、アベル様にもご相談した方がいいかなぁ……?」


……

――
219 : ◆gEU9La026k [saga]:2021/02/20(土) 19:05:48.40 ID:8fl/iWPk0
――


【帝都・鍛錬場奥地】



キィィィン!


ガキン!


ドゴォ!



ギルバート「ぬうっ!」バッ!

エリス「くっ!」バッ!


ギルバート「やりおる。また腕を上げたようだなエリスよ」チャキン

エリス「いえ、まだギルバート様の足下にも及びません……」チャキン

ギルバート「ふっ、我は更に高みを目指す。そうそう抜かれるわけにはいかぬ」

ギルバート「しかし誇れエリスよ。お前は間違いなく、帝国が誇る最強の剣よ……」

エリス「お褒めの言葉、ありがとうございます。ですが私も、より高みを目指さなければならないのです」

エリス「私はアベルさんの剣であり、妻であり……」


アリス「……」ジー…


エリス「この子の、母親なのですから!」

ギルバート「ふははは! メイドに拘りがあったお前がどう変わるのか少し気になってはいたが……」

ギルバート「なるほど、子を得ることで母の強さを手に入れるか。フローレンが持ちえなかった強さでもあるな……」

エリス(……実はアベルさんの前では今もメイド服を着たりすることは黙っておきましょう)

ギルバート「あの日、お前達に敗れ……キアラの願いで、今日まで我は生き延びてきたが……」

ギルバート「……今であれば、言える。この時を過ごせているということに、感謝するぞ」

エリス「ふふ、それは是非キアラ様やフィーア様にお伝えください」ニコリ

ギルバート「……そうだな。キアラも魔法の才だけでなく教育の才まで開花させた」

ギルバート「息子のアルは未だ未熟ではあるが……光るものはある。いずれあやつとも鍛錬をしてみたいものよ」

ギルバート「それにフィーア……やはり我の見込んだ通り。つくづく、我が子や孫達は我を楽しませてくれるわ……!」ククク!

エリス「……」

ギルバート「……だが、それ以上に我を昂ぶらせるは――」

220 : ◆gEU9La026k [saga]:2021/02/20(土) 19:06:19.48 ID:8fl/iWPk0
――

『ギルバートも興奮する才の持ち主アリス。アベルとエリスの血を継ぐ彼女の戦闘スタイルは……』

18アリス:50(どちらにも偏らない完璧な『二刀流』。幼い身ながらに、戦況に合わせて戦い方を変えられます)

――

ヒュォッ!


エリス「っ!?」バッ!


アリス「……っ!」サッ!


ギルバート「ふふふ、良い反応だぞアリスよ……!」

アリス「おじい様、ありがとうございます」ペコリ

エリス「ギルバート様っ! いくら小石でも、あなたの腕力で投げつければ怪我ではすまないのですよ!?」ハラハラ

ギルバート「案ずるな。我も加減は心得ておるわ」

ギルバート「それよりもエリス。お前は気がついたか?」

エリス「え?」

ギルバート「我がアリスに石を投げた時、お前は剣を抜きそれを切り捨てようとした」

ギルバート「確かに、お前の反応速度であれば出来るであろう。だがアリスは、回避を選択した」

ギルバート「先程まで、間近で我とお前の模擬戦を熱心にみていたこやつが、だ」

ギルバート「子供であれば、親の真似事をすることも多い。だがアリスはそれをしなかったのだ」

ギルバート「己の今の力量を理解し、冷静に対処する……これはどちらかといえば、アベルの血か?」ククク…

ギルバート「良い、良いぞ……! まさかその歳で既にこの域とは、今後も成長が楽しみよ……!」

エリス「アリスを害するつもりなら、私もこの身を賭してお相手しますからねっ!?」プンプン!

エリス「アリス、大丈夫だった?」ドキドキ

アリス「だいじょうぶです、お母さま。お父さまは言いました。にげることははじではないと」

アリス「今はかてずとも、いつの日か。お母さまのように石もきれるようになってみせます」

アリス「わたしはお父さまとお母さまのむすめで、みんなのお姉さんなのですから!」

アリス「たんれんはうらぎらない、ですよねお母さま? いつかお母さまやお父さまをたすけられるくらい強くなります!」フンス!

エリス「あああぁぁ……! 嬉しいのに、今になって自分の発言を後悔しそうです///」

エリス「私はあなたに、もっと平和で穏やかな時間を過ごして欲しかったのに……」

アリス「お父さまとお母さまといっしょにいるときはすごくおだやかですよ?」キョトン

エリス「んうぅ……/// そうではなく……」

ギルバート「ふはははは! 血は争えぬか。野心を抱き我を下そうとしたアベルに、それに忠誠を誓い鍛錬を怠らなかったお前の子だ」

ギルバート「アリスは必ずや、我を満足させるに足る立派な強者になろうぞ!」クワッ!

エリス「うぅー……」ガクリ…

ギルバート「それに、エリスよ。お前自身もわかってはいるのだろう? わかっているからこそ、お前は今も強くなろうとしている」

ギルバート「そして、鍛錬の様子をアリスに見せている。現実から目を背けさせていない……」

エリス「……」

221 : ◆gEU9La026k [saga]:2021/02/20(土) 19:06:51.71 ID:8fl/iWPk0
――

19『おまけ・現在の帝国の『海』の攻略具合』

50>30(漁はできるが、まだ未知の大陸を求めての大航海は難しい)

――


ギルバート「……この世は、広い」

ギルバート「我はお前達に敗れたが……その後、海でも敗北を喫した。完敗と言っても相違ないだろう」

アリス「おじいさまが、まけた……?」

ギルバート「お前の母は、海すらも己が戦場として戦えそうだがな。問題はそこではない」

ギルバート「海は強く、そして王国領よりもさらに広大だ。我が海を完全に克服したとして……攻略は未だ難しかろう」

エリス「王国や聖国の協力もあり、今は造船業も発展してはいますけど……」

ギルバート「あの程度の船、嵐がくればすぐに崩れる。白帝の翼で飛ぼうとも、餌が無ければ奴の体力が先に無くなる」

ギルバート「海の先に何があるのか。何もないのか。それは誰にもわからぬ。だからこそ、この先何が起こるかもわからぬ」

アリス「……?」

ギルバート「よいか、アリス。これだけは覚えておくがいい」

ギルバート「――たとえこの世が実力主義でないとしても、自らを高めることだけは努々忘れるな」

ギルバート「もしかすると、海の先には我がまるで歯が立たぬ強者がいるかもしれぬ」

ギルバート「そうでなくとも、意思無き海の荒波は、どれだけ懇願しても慈悲の心を見せることはない」

エリス「……そうですね。それは、他の災害や魔物達にも言えることです」

エリス「確かに、私達は強くなりました。それでも、完璧ではないんです」

エリス「……大切なものを守りたい。そう思うことは、みんなできます」

ギルバート「だが、それを実現できるかは個々の力よ。野心を持ったにせよ、やはり力を伴わなければ実現はできぬ」

ギルバート「お前の父や母達は、それを怠らなかった。故に我を打ち倒し、こうしてお前や姉妹たちは今存在するのだ」

ギルバート「お前が平穏な時を望むにしても……家族を守りたければ、強くあれ」

ギルバート「日々自らを高め……そしていつの日か、我に挑むがよい」ニィ…

アリス「はいっ!」

ギルバート「くく、実に楽しみなことよ。では明日からは毎日我と――」

エリス「……」

エリス「確かに、何かを守るためにも成し遂げるためにも、力は必要。それは私もわかります」


エリス「――でも、その力は学力も含まれていますよね?」


ギルバート「!?」ピクン!

エリス「なんだか今のギルバート様を見ていると、これからどんどんとアリスを鍛錬漬けにしそうな雰囲気でしたけど……」ジト…

ギルバート「う、うむ。お前のその強さも日々の鍛練――」

エリス「私はアベルさんの為に、他のことも頑張っていました! お掃除にお料理は勿論ですが、お勉強もです」

エリス「まさか、はやくアリスと戦いたいからと本当に鍛錬ばかりなさるおつもりですか?」ジトー…

エリス「アリスはまだ小さいんです。この頃は、お勉強もとっても大切な筈ですよ!」

アリス「はい。ソフィアやアトラも、おべんきょうがんばっています」

エリス「ですよね? お聞きになった通りですのでギルバート様、鍛錬はまだ月に数回程度で大丈夫です」ニコリ

ギルバート「ぬ、ぬぅぅ……」ガクリ…


……

――
222 : ◆gEU9La026k [saga]:2021/02/20(土) 19:07:20.15 ID:8fl/iWPk0
――


【帝国・アベルの城塞】



アベル「ふぅ、今戻ったぞー」


アーシャ「あら、お帰りなさいアベル。もうすぐ夕飯の用意もできますよ」

パトラ「きょ、今日は私も少しだけ作ってみましたので、後ほど感想を頂けると……///」ドキドキ…

アベル「ああ、楽しみにしているよ。そっちはどうだった?」

アーシャ「ふふ、それはね……?」チラ

ソフィア「おとうさま、おとうさま! わたしもまどうしょがよんでみたいです!」ピョンピョン!

アトラ「ちちうえ! きょうはフローレンさまからあまいあめをいただけました! あ、あとアルがまた……!」

アベル「その様子だとジェイドに触発されたか? わかった考えておくよ」ナデナデ

アベル「そしてアルはまあマックスの子だし仕方がないとして……フローレンが?」ビックリ

パトラ「その、少しアトラが堅すぎるとご指摘を受けまして……///」

アベル「……なるほど、頑張ったご褒美みたいなものか。確かにアトラは物欲もないしなぁ……」

シア「はいは〜い♪ それなら大丈夫〜! 今日は甘いものを材料以外にも沢山買って来ましたよ〜」ドサ!

オリヴィエ「みんなでわけっこしましょ〜♪」

アトラ「……」ゴクリ…

フェリ「もー、アトラったらもっとよろこびなよー? パパやママにオリヴィエもえらんだんだよー?」

アトラ「う、うん……///」

ロウル「ふふ、アトラちゃんも今しっかり喉を鳴らしていましたし、やっぱり実は我慢してたんですかねぇ?」

ロウル「駄目ですよー我慢のし過ぎは。もっと自分に正直に生きないと!」パタパタ!

アーシャ「あら、いい尻尾の揺れ具合。ロウルちゃんも今日のおでかけで素直になれたのかしら?」クスクス

シア「ふふ、実はですね〜?」ニコニコ

ロウル「そ、そう! 実は帝都でもフェリの可愛さが圧倒的に帝都の人の注目の的で! アドルラン様の政策にも感謝ですよぉ!」アセアセ

アベル「ああ、そうだな」クスクス

ソフィア「わたしたちも、フェリはだいすきです!」

フェリ「……///」パタパタ!

アーシャ「ふふ、楽しい一日を過ごせたならなによりだわ」

223 : ◆gEU9La026k [saga]:2021/02/20(土) 19:07:48.90 ID:8fl/iWPk0
パトラ「ところで、エリスさんとティアさんは?」

シア「ん? まだ戻られていないんですか? ちょっと心配ですけど〜……」


ヒヒーン!


ロウル「今の鳴き声は、ファフニールですかね。となると……」


バタン!


エリス「お、遅くなってしまいもうしわけありません……!」ハァハァ…

ティア「ごめんなさい、これでもファフニールに頑張って貰ったんですけれど……!」ハァハァ

アベル「はは、落ち着け二人とも」

アーシャ「夕飯には間に合っていますから、ゆっくり……あら?」


アリアンナ「んにゅ……」スゥ…


ティア「ネストさんや兵士の方がアリアンナと遊んでくれたんです」

ティア「久々に家族以外と遊んで楽しめたのか、いつのまにかぐっすりです」ナデナデ

アベル「そうだったのか。アリアンナが俺達以外にも心を開いてくれるのはいい傾向だな」ナデナデ

シア「気持ち良さそうですね〜。もうちょっと寝かせてあげましょう〜」ポンポン

パトラ「では、アリスちゃんは……」


アリス「わたしは、だいじょうぶです! まだ、がんばれます……!」ウツラウツラ…


ロウル「あらら、やっぱり相当お疲れじゃないですか……」

エリス「お勉強もしなければと、ギルバート様との鍛錬を切り上げようとしたのですが……」

エリス「その、何かと理由をつけて鍛錬の時間を引き伸ばされて今に至ります……」ガクリ

アベル「父上にももう少し俺達から強く言った方がいいのだろうか……子供にさせる鍛錬量じゃないぞ?」ダラダラ

エリス「ティアさんとファフニールがいなかったら、もっと帰りが遅くなっていたかもしれません……」

オリヴィエ「アリスだいじょうぶ〜? これたべる〜?」スッ…

アリス「あ、ありがとうオリヴィエ。でも……」



カンカン!



アーシャ「それは食後に食べましょう? お夕飯が入らなくなってしまうわよ?」

アベル「そうだな。それじゃあみんな、ちゃんと綺麗にしてからご飯を食べような?」


娘達「「はーい!」」



……

――
224 : ◆gEU9La026k [saga]:2021/02/20(土) 19:09:11.00 ID:8fl/iWPk0
――――
―――
――
―


【城塞・アベルの私室】


アベル「……」カリカリ…

アベル「……」カリカリ…

アベル「ふぅ……」パサ…


コンコン…


アベル「ん、あいているぞ?」


ガチャ…


エリス「もう、やっぱりまだ起きていらしたんですねあなた?」

アベル「す、すまない。だがエリス、今日は父上の相手で疲れただろう?」

エリス「最近は少し慣れてしまいました……今日アリスに投石したのには、かなり驚きましたけど」

アベル「またそんな無茶を……だからか」チラ…

アリス「くぅ……くぅ……」

エリス「あら、やっぱりここにいたんですね」ナデナデ

アベル「ああ。俺の仕事の様子を勉強すると意気込んでいたが、やはり疲労や緊張は相当だったんだろう」ナデナデ

アベル「明日はエリスとアリスでどこか息抜きにでかけるとしようか?」

エリス「ふふ、嬉しいですけれどお仕事の溜めすぎもよくありませんよ? 眠気覚ましに紅茶はいかがですか?」カチャ…

アベル「いただこう。なに、仕事の方は急ぎのものは済ませてあるんだよ」コク…

アベル「これは、俺が個人的に書いている本の続きだ」スッ…

エリス「あっ、ふふ……子供達の成長記録でしたか。これは時間がかかってしまうのも仕方がありませんね」

アベル「ああ。みんなから聞いた出来事はその日の内に書いておきたいしな」カリカリ

エリス「……そういえば、以前から気になっていたのですが」


祝福の羽ペン「……」キラキラ…


アベル「ああ、これか。不思議とこの羽には惹かれるものがあってな。アリスが産まれてからペンにしたんだよ」カリカリ

アベル「なんだかこれで子供達の記録をつけていると、子供達の未来が穏やかなものになりそうな気もするんだ」カリカリ

エリス「確かに優しい光で落ち着きますね……」ホゥ…

アベル「だが、あの子達を本当に幸せにするには俺達が頑張るほかはない。その為にもエリス……」スッ…

エリス「ええ、勿論です。いつまでもどこまでも、私はあなたのお傍に……」ギュッ…

アベル「……ありがとう。俺のこの幸せが、みんなの幸せが、どこまでも続くといいな」カリ…





アベル「――この世界に生きる全ての者に、祝福を……」パタン…





※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※

    剣と魔法の世界で生き延びる   〜Fin〜

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※

225 : ◆gEU9La026k [saga]:2021/02/20(土) 19:09:55.73 ID:8fl/iWPk0
これにて、アベル達の物語は完結となります。
深く考えず初めてこのようなスレを立てて、しかも年単位で続けてここまで来れたのも、
更新不安定でもこのスレに参加してくださった皆様のおかげです

プロットは幾つも木端微塵になりましたが、荒ぶるコンマは悶えつつ私も非常に楽しかったです
前スレ1000のこともあり、別大陸の話も考えてはいますが、出来ても正直更新速度は不安定になるかと思いますが……
見切り発車で新しいスレを建てているかもしれませんが、コンマを大量に取って悶えていれば多分それが私です

最後に改めて、本当にありがとうございました!
226 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/02/20(土) 19:13:59.51 ID:6HG9Gn1eO
あぁ、ついに終わってしまった……二年余りに渡ってお疲れ様でした
アリスの資質から、最後の最後までエリスは正ヒロインの座を突き進んで行ったなぁ
次のシリーズも楽しみにしています
227 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/02/20(土) 19:22:46.01 ID:w0uQBI8z0
乙乙
本当にお疲れ様でした
この作品は途中から見始めたから、次のシリーズでは最初から安価などに参加して楽しみたい
228 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/02/20(土) 20:02:42.76 ID:DrZ1Z9ni0
本当にお疲れさまでした
最後まで楽しませてもらいましたわ
モブ王国兵ネームドに昇格させてはどうかなと提案したら
最後まで存在感見せつける主要キャラになったのマジで感慨深い
229 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/02/20(土) 21:09:15.58 ID:ymaJ3l6AO
全体的にほのぼの平和な中一人だけガチで危なそうなアルフとさりげにスキルで常人は問答無用で倒せるようになってるフィーアとか
まだまだ続き気になるけどとにかくお疲れ様でした!次のスレも楽しみにしています!
230 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/02/21(日) 00:34:39.93 ID:T+oSGjmjO
完結おめでとうの祝いたい気持ちと本当に終わってしまったんだという悲しみが入り混じる…
もう一回最初から読み直そうかな
231 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/02/21(日) 00:38:35.24 ID:VHJtbWZ60
乙です!
とうとう終わってしまったのか…
また今度新しいスレあったら楽しみにしてます!
本当にお疲れ様でした!!!
232 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2021/03/03(水) 22:42:36.56 ID:afFPPkCRO
おおっ乙です
新作の方も始まってて楽しみ
233 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/03/03(水) 22:43:39.60 ID:afFPPkCRO
上げちゃった……
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