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アスカ「暇だから遊んでみる」

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426 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/03/25(木) 20:23:52.17 ID:uRbqNquE0
3
427 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/03/25(木) 20:24:04.44 ID:2FpWuGRCo
4
428 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2021/03/25(木) 20:51:19.67 ID:EddH7TIi0

おばさんC「あっちの丘の方に良い紅茶の茶葉があるんだってね」

おばさんB「聞いた聞いた名前はみんな忘れたらしいけど、むかしこの辺で収穫できて輸出で高く儲けてたらしいじゃないの」

おばさんA「最近は気候の変動とかで数が減ってたんだってね」

おばさんD「それがね、L結界の境目でだけ、それが自生出来てるんだってよ。
      そこに偶然残ってた茶樹があって……無菌状態に近いから? 気候変動とか病原菌に侵されずに自制できるようになったんだと

     だけどね、あたしゃ知ってるよ……

     L結界の境目ってだけじゃない、そこには暴れ牛がいるって噂さね」

黒アヤナミ「……紅茶の茶葉に、暴れ牛……?」

おばさんA「あーぁ、だから、近づいちゃダメって言われてんのね?」

おばさんD「そうそう。偶然L結界に飲まれなかった牧場があって、そこから脱走した牛が野生化したんだって。
      奇跡的にもL結界には近づいてないそうだけど……野生化したせいですっかりでっかく強ーくなったらしくて。
      銃が効かないんだそうよ。すくなくとも、この村にあるような簡素な猟銃じゃちっともね」

おばさんC「あー、最近、起動兵隊がやきもきしてるのそれなんだぁ。
      親戚の誰かが、牛を駆除すんのに使うって言ってた」

おばさんD「暴れ牛が何とか出来てから茶葉の方も……って言われてるけど、
      あたしらとしてはその辺の畑が荒らされないか心配だ―わね」

おばさんC「田んぼも遠くないし、早く何とかしてほしいんだけどね
      とはいえ、起動兵器の方は訓練が足りないから、今んところぶっつけ本番で牛にぶつけるのは控えたいってね。
      ったく、何のための兵器なんだか」


黒アヤナミ「……起動兵器で、牛を……
          茶葉は、L結界に?」


おばちゃん「だれかなんとかしてくれないかねぇ〜」




イベントフラグ 『ウシ 襲来』『取れない茶葉』が解放されました。






四日目 水曜日 午後

行動指定キャラ

1 シンジ 休暇
2 アスカ 仕事
3 マリ  仕事
4 黒綾波 仕事(帰り道

5 小イベント『ウシ 襲来』 (黒アヤナミが頑張る話
6 小イベント『取れない茶葉』(黒アヤナミがシンジと頑張る話

9 小イベント『ヴィレ 警戒開始+』

10 その他


※ 『ウシ 襲来』と『取れない茶葉』は、ほとんど同じ内容のイベントで、
   プレゼントアイテムはマリとアスカ両方手に入ります。
  今週中はいつでも選択できます。


429 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/03/25(木) 20:55:10.87 ID:9p6x1sXDO
6
430 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/03/25(木) 20:56:53.17 ID:iz6jbYkFO
コンマ
1、4、7→2
2、5、8、0→6
3、6、9→9
431 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2021/03/25(木) 21:36:31.45 ID:EddH7TIi0


丘の近くの狭い平野

トウジ「……と言うわけで、キミら二人に頼む事になったちゅうわけや」

シンジ「暴れ牛の相手ぇ? どうして起動兵器まで使うんだよ。
    こう、猟銃とかでできないの?」

ケンスケ「……うーん。シンジ、お前の後ろ、木があるだろ?」

シンジ「うん、それが、どうかした?」

ケンスケ「お前の考えるウシって、どのくらいの大きさだ? ちょっと指差してみ」

シンジ「……頭の位置が、まぁ、僕より少し低いくらい?」

ケンスケ「……今回野生化した牛ってな、
     L結界の近くで良い物食ってたらしくて、ヘラジカよりもでかいんだ」

トウジ「せや、その木よりもでかいんや」

シンジ「でっか!!!?」

黒アヤナミ「しかもそれが、三頭いる」

ケンスケ「いやーんな感じだろ?」ニヤニヤ



トウジ「そこでぇ! 第三村代表の一人として、いや、我々二人からの頼みだ。
    こちらに用意した機動兵器二機……お察しの通り搭乗式の戦闘兵器なんだが……

    エヴァパイロットの経験もあるお二方に、コレであの牛の鎮圧をお任せしたい!!」




シンジ「……なんとなく、事情は察したよ。
    でも僕たちでいいの? 寧ろヴィレの管轄のアスカやマリに頼んだ方が……」

トウジ「既にその辺の話はついとる。
    ヴィレからの通達、めんどくさかったら斜め読みしてや」




端末「ヴォン」

『暴れ牛討伐の為の機動兵器使用に関して。
 直ちに現場に被害が出ない場合は機動兵器の使用を許可する事は出来ないが、
 搭乗者が第三村人員で対応可能なのであれば限定的に使用を許可できるものとする。
 ヴィレの管轄のエヴァパイロットを登場させる場合は、緊急性を要する場合のみとする。
 尚、防衛規定に基づいた指定パイロットが登場しない場合、ヴィレの関係者(少尉以上)に確認すること』





ケンスケ「要するに、アスカと、マリ?だっけ? あの子たちは貸せないけど、
     民間人なら良いわけだ」

トウジ「どえらい民間人もいたって話やなぁ……な、センセ」ニンマリ

シンジ「やめてよ、そんなんじゃ……
    んっ、まぁ、でも、出来る仕事はやりたいし、良いんだけど」チラ

黒アヤナミ「……どうかした?」

432 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2021/03/25(木) 21:39:08.69 ID:EddH7TIi0

ケンスケ「……落ち着いて聞いてくれ、シンジ。
     ソックリサン、アヤナミを機動兵器に搭乗させるにあたって、
     ヴィレ側から条件がつけられたんだ

     それがこれ、DSSチョーカーだ」

黒アヤナミ「私も、コレをつけることを承諾したわ」

シンジ「……っ」



アスカ「偽物、だけどね」




シンジ「アスカ? いつの間に……」

アスカ「無骨な流用品よ。昨日のバスケの時に渡されたチョーカーあるでしょ?」

シンジ「ああ、あれ……」

アスカ「マリが、DSSチョーカーの内部の信号部分だけそれに取り付けて、今アヤナミにつけてるのよ」

黒アヤナミ「……そう」

アスカ「あいつもヴィレに監視されてる身だからね。
    こうすることでしかアンタの搭乗を許す方法がなかった。
    もう一つあいつには思惑があるみたいだけど、それはまた今度話すわ」

シンジ「じゃ、じゃあ、なにがあってもこれは爆発したりは……」

アスカ「しない
    絶対に、しない。
    それだけ伝えに来たのよ。
    手伝えないのはホントの事、こればっかりは、ミサトに行っても仕方のない事なのよ」

ケンスケ「アスカ達には、最終決戦において心身を健常に保つ必要がある。
     インフィニティからの防衛ならまだしも、暴れ牛の討伐なんかで危険な思いをさせるわけにはいかない」

トウジ「暴れ牛『なんか』てなんやねん。
    こちとらその牛一頭におびえながら暮らしとんのやで?

    襲って来んインフィニティよりずっと恐ろしいわ!!」

アスカ「うっさいわね。バカシンジとアヤナミが頑張るから今はそれでいいでしょ?

    ついでに、ケンケンは司令の真似事でもしてれば?
    防衛線の予行練習とでも思ってさ」

ケンスケ「あの話な……ホント。胃が痛いよ」

トウジ「ほな、頼んます! ケンスケ司令っ!」

ケンスケ「わかったよ。指示はなるべく俺から出す。
     無線は俺の車から出すぞ」
433 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2021/03/26(金) 00:34:14.34 ID:h2SO3JIt0


起動兵器搭乗前



シンジ「武装は、バルカンとグレネード、あと」

黒アヤナミ「小型のプログレッシブナイフ……確認完了」

シンジ「……うん、操作系統もエヴァに似てるんだね。これなら動かせそうだ」

黒アヤナミ「こっちも大丈夫」



シンジ「……アヤナミ」

黒アヤナミ「どうかした?」

シンジ「うん、えっと。よく、それつける気になったね。
    アヤナミは偽物だって知ってたの?」

黒アヤナミ「ええ」

シンジ「あ、そう、なんだ」

黒アヤナミ「でも本物でもつけてたわ」

シンジ「……」

黒アヤナミ「別に、死にたがりでもない、貴方にいやな思いもさせたくない。
      ……でも、私が機動兵器に乗って、第三村の平和が守れるなら、それでいい。

      だから、つけた」


シンジ「うん…………でも、無茶はしないでね」

黒アヤナミ「……大丈夫 私は死なないわ」

シンジ「っ……」

黒アヤナミ「あなたが居るもの」






後方待機車

アスカ「……ケンケン、今から私乗るって言ったら止めてくれる?」

ケンスケ「友としては止めなたくないけど、
     司令としてはちゃんと止めるぞ」

アスカ「私の前でイチャイチャしやがって、覚えてなさいよ」



434 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2021/03/26(金) 00:35:26.31 ID:h2SO3JIt0

トウジ「さてー、当の暴れ牛は……普段の話やと、川辺でたむろしている事が多い」

ケンスケ「シンジ、聞こえてるな?
     ……実は、そこには少し前畑があったんだけどね。今はもう荒らされつくしてるから、周りは気にせず戦っていいぞ」



シンジ「うん。わかったよ」

黒アヤナミ「畑の跡地……」




トウジ「どや、司令。
    なんか策はありそうか?」

ケンスケ「そんなこと言われてもね。
     少し近寄ってみないと分からないよ。運転手さん、よろしく」

トウジ「おしきた!」ブロロン

アスカ「アンタ馬鹿ぁ?
     司令ってのはもっと後ろで堂々としてるもんよ」

ケンスケ「……そうかな」

アスカ「……違うっての?」

ケンスケ「作戦の指示を出す人間てのは、もっと現場を理解しないといけないと思うんだ。
     それこそ、生の現場を見るのと見ないのとじゃ、出せる指示も変わってくる」

ブロロロ……

トウジ「ちゅうても接近できるのはここまでや。
    流石にこっからは、機動兵器からの中継やで」

ケンスケ「構わないよ。畑と川辺は確認できた。
     それだけでも十分だ」

アスカ「……ふーん」




ヴィーーーーーィィン

シンジ「機動兵器 一番 準備完了  モニター映すよ」

ヴィーーーーーィィン

黒アヤナミ「機動兵器 二番 準備完了  モニター映します」



ヴン

ケンスケ「居そうな気配はないな、生体反応はどうだ?」

シンジ「……うん、やっぱりこの向こうに居るみたいだ。10時の方向」

黒アヤナミ「距離はそう遠くない。密集してる」



アスカ「……でも、その辺一帯、草木が荒らされてんじゃないの、その辺に居るんじゃないの?」

ケンスケ「あいつらの寝床周辺はもう全部あんな感じだよ。
     それによく見てみろ」

トウジ「……おお、草が頭伸び始めとるな。てことは、喰ったのは何日か前か」

ケンスケ「そう言う事だ。折れた木の断面も乾燥してるしね。
     ただ、草が伸びてると言う事は、こちらに移動しててるかもしれない。
     接敵は、近いぞ」



シンジ「うん、気をつける」ウィーン ウィーン
435 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2021/03/26(金) 00:36:16.22 ID:h2SO3JIt0

黒アヤナミ「……本当、生体反応が、こっちに来てる……」ウィーン ウィーン

シンジ「向こうは、森……? だね」

ケンスケ「森を超えた向こうにまた平野がある。そっちの方に居たんだろう」



トウジ「武者震いしてきたで……ワシが戦うわけでもないのにな」

ケンスケ「おっと、手を震わすのはもうちょっと待ってくれ。
     少し移動してくれないか?

     昔の納屋があっただろ? あそこからあっちの小さい丘に上がれるんだ。
     高台から現場を見たい」

トウジ「了解、っと」ブロロン

アスカ「随分落ち着きのない司令部ね」

トウジ「どっしり構え取るのは性にあわんのやろ。
    ケンスケの奴、毎日走りまわる仕事しとるもんな」



シンジ「っ! 目標の速度、速くなった!」

黒アヤナミ「向こうが走ってきてる、気付かれてる?」




ケンスケ「気付いたのは確かみたいだな」

トウジ「ぉん? 不意打ちしよ思とんのか? 昨今のウシは血の気が多いのう」

ケンスケ「……いや、相手は野生生物だ。
     気性の荒い野生生物が自分のえさ場の付近にナニか居ると察知して、
     相手を追い出そうと突進してきている。
     知性のない突進だ。 おそらくね」

トウジ「まるでイノシシやな」

ケンスケ「そうかもね。
     なら、回避や目くらましはかなり有効だろう。
     うん……ならば……シンジ! 今水辺を歩いてるのはお前だな?」



シンジ「うん。川に近いけど」

ケンスケ「その川の中に立って、畑の跡地をグレネードで爆破するんだ。
     アヤナミと目標のウシとの間にな」

シンジ「……どうするの?」

ケンスケ「その辺の土は元畑だったから柔らかいんだ
     だから爆撃で良い土煙ができるはずだ。

     それにまぎれて、アヤナミはレーダーで敵の位置を確認し、
     回避を優先してバルカンによる射撃を行う」

黒アヤナミ「了解」

436 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2021/03/26(金) 00:37:07.65 ID:h2SO3JIt0

シンジ「そっか、川の中に居るから僕の足音とか機動音は相手に聞こえなくなるんだ……っ 
    じゃあ、そのあとは僕も射撃援護すればいいのかな?」

ケンスケ「援護……そうだな。
     本当は、後ろから追撃して、ナイフで止めを刺して欲しいが……

     射撃の方がよさそうか?」

シンジ「うん。少し川の石が大きくて足場が悪いのと、
    ……ごめん、少し、まだ動きに慣れないんだ」

ケンスケ「わかった、援護射撃で対応してくれ。
     土煙を利用した十字砲火だ。

     接敵まで待機してくれ」



トウジ「っと、丘ってこの辺でええんか?」

ケンスケ「うん。思った通りだ。シンジたちもウシもよく見える」

アスカ「……バカシンジは見えるわよ? でもあとは森しか見えないけど」

メキメキ バキバキ……ザザザザザ……

ケンスケ「あの辺。鳥が逃げてるだろ? あのでかい暴れ牛が突進してるから、周りの動物も逃げ出してるのさ」

アスカ「……なるほどねぇ」



ケンスケ「シンジ アヤナミ  もうそろそろ接敵するぞ」

トウジ「……あと五秒やな」

メキメキメキ ドドドドドド……

ケンスケ「4 3 2 1……爆撃っ!」



シンジ「いくよ、アヤナミ」

黒アヤナミ「ええ」

ボヒュ……




ドガァァァァァァン!!!


………………モクモクモク………………


ドドドドド!!

シンジ「来た!」



黒アヤナミ「射撃開始……っ」ガチ



バララララララララララララララララララララララ!!!!!!!






………………モクモクモク………………
437 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2021/03/26(金) 00:37:54.21 ID:h2SO3JIt0



ケンスケ「……煙幕作戦は成功か」

トウジ「こっちからもやっこさん見えへんけどな」

アスカ「機動兵器二機でバルカン射撃でしょ?
    いくら巨大牛って言っても、それで何とかなっちゃうんじゃない?」

ケンスケ「猟銃でかすり傷しかつかない相手だ。
     爆撃するか、弱らせてプログレッシブナイフで斬るかじゃないと、
     確実とは言えない」



黒アヤナミ「……っ 回避する。三時の方向」

シンジ「援護射撃行くよ!」

バララララララララララララララララララララララ!!!!!!!


ンモ゙ォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!





アスカ「ひぃぃっ!?  な、何の音?」

ケンスケ「ウシの声だ。
     どうやら一頭、致命傷を受けたらしい」

トウジ「……機動兵器のバルカンで、一頭だけ。
    やっぱりバケモンやな……」





シンジ(土煙が晴れた!)

シンジ「アヤナミ、大丈夫?」

黒アヤナミ「ええ。
      損傷はない。
      ……目標は、生存」

シンジ「レーダーではそうだ、けど、一頭はもう起き上がれなさそうだよ」

黒アヤナミ「……そうね。あと一頭は……!」

バララララララララララララララララララララララ!!!!!!!

ンモ゙ォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!

438 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2021/03/26(金) 00:38:52.33 ID:h2SO3JIt0


シンジ「……うん、コレで、大丈夫かな」

黒アヤナミ「……でもちょっとかわいそう」

ケンスケ「酷な事をさせたと思うよ。でもありがとう。
     そいつで三頭、全部かい?」

































































シンジ「……あれ? 二頭しかいない……?」










439 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2021/03/26(金) 00:39:47.38 ID:h2SO3JIt0

ケンスケ「……っ! 後ろだ! シンジ!
     一頭遅れて来てる!!」

シンジ「っ! そんな、レーダーで、見落としてたの!?」

トウジ「おかしいで!?
    そんな筈……いや、待てよ……!!
    バケモンはバケモンでも……ホントに、『化け』たんとちゃうか?」

ケンスケ「……先二頭の暴れ牛の大きさは!?」

黒アヤナミ「目測で、体高3.5m 大きいけれど、あの木より大きくない」

メキメキ……バキバキ ドドドドドド……





ケンスケ「シンジ! 離れろ!
     その機動兵器でも踏みつぶされかねん!!」






シンジ「う、うん。今距離を取ってるけど、どうしたの?」ザッザッザッ

ケンスケ「もう一頭が一番ヤバイ。
     大分前の目撃情報だけでも体高5m……それが、生命反応なしに動いているとすると……!」

トウジ「『なりそこなった』んや!
    碇ぃ! でかいのが来るぞぉ!!」



メギメギメギ ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ………………


ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ  !!!!!


バゴァァァアアアアンン!!!




シンジ「……なんだ、この、大きい……え? 牛……? なの?」

ザッザッザッ……

黒アヤナミ「頭部は牛……でも身体はところどころ赤い……っ!」

ザッザッザッ……





ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ  !!!!!

ンモ゙ォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!




ケンスケ「それがインフィニティ化した三頭目のウシだ!!」

トウジ「嘘やろ……野生動物が『なりそこなう』可能性は指摘されてたが、
    今まで動物のインフィニティ化は発見されていなかったはずや……」

トウジ「野生化と、巨大化……もしかして、牛としての枠を超えた進化を、
    L決壊の影響で促された!?」

440 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2021/03/26(金) 00:40:48.52 ID:h2SO3JIt0

アスカ「っ、どっちにしてもあの暴れん坊を放っておいていいわけないでしょ!!
    バカシンジ!! 何とかしなさい!!

    何とかできないなら、今すぐ私達がヴンダーに行ってエヴァで援護する!!」



ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ  !!!!!



ケンスケ「……シンジ! コアはあるか?」

アスカ「ケンスケ!?」

シンジ「コアは……アヤナミからは見える!?」

黒アヤナミ「……っ! 尻尾の付け根……!!」

ケンスケ「いいぞ。コアがあるなら、プログレッシブナイフで対応できる!!

      だがその機動兵器のプログレッシブナイフは小型だ!
      確実に仕留めるには一本では数秒かかってしまう。

     だから、最終的に二人で攻撃する必要があるんだ」


シンジ「同時攻撃!? こんな、速く暴れ回ってる奴に、どうやって……!」

黒アヤナミ「っ何か、固定する方法……」




トウジ「……相手は突っ込むだけや、穴だけでも開けたら簡単に落ちる……けど、
    あんなでかい奴ぶちこめる穴なんて……
    せや! どっかの丘におびき寄せて、土砂崩れなんてどうや!?」

ケンスケ「………………いや、この現場は、元畑だ。
     それを利用する!」

アスカ「今更土煙なんて意味あるの!?」

ケンスケ「違う! 暗渠だ!!」

シンジ「あんきょ? 何それ」



ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ  !!!!!






ケンスケ「説明している暇はない!!
     シンジ! 


      井戸は見えるか!?」


441 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2021/03/26(金) 00:41:49.96 ID:h2SO3JIt0

シンジ「!! ある、けど、遠いよ」

ケンスケ「よし! 井戸と川の最短距離の導線を超えたら、ありったけのグレネードで地面を打て!!
     アヤナミはプログレッシブナイフを装備して、シンジの背後で待機!」

シンジ「っ……アヤナミ」

アヤナミ「今は、ケンスケが司令……! 碇君」


ザッザッザッ……



シンジ「わかった!」


ザッザッザッ……




ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ  !!!!!

ンモ゙ォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!





アスカ「どういう事?」

トウジ「穴掘るにはグレネードの爆発程度じゃたらんで!?」




シンジ「グレネード、行くよ!!」ジャキ

黒アヤナミ「準備、完了」ジャギ ギィィィィィン!!!


ボヒュ

ドガァァァァァァン!!!

ドガァァァァァァン!!!

ドガァァァァァァン!!!








ケンスケ「井戸からは暗渠が伸びている!!
     しかもそこと川をつなぐ辺りは初期の段階で作った畑で、
     暗渠の作りがど素人だ!

     その辺を爆発すると、雑な暗渠に繋がって……」







ンモ゙ォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオォォォォ↓↓↓↓↓↓







シンジ「っ……5mのウシが入るくらいの穴になった!
    頭からつっこんで動けなくなってる!!」




442 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2021/03/26(金) 00:42:58.22 ID:h2SO3JIt0

トウジ「いうても化け物や!すぐ動き始めるぞ!」

黒アヤナミ「二番機、行くわ」シュザッ



ギィィイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイン!!!!!!!!!



アスカ「っ、あのウシ、もう半分身体でてる!」

ケンスケ「シンジ! 追撃だ!」

シンジ「わかってる……! いくよ、アヤナミ!!」シュザッ

黒アヤナミ「っ!」




ギィィイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイン!!!!!!!!!


ンモ゙ォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオォォォォ↓↓↓↓




ビキィィ!!!!!





アスカ「……! この音は……」

バガァァァァン!!!!!




ンモ゙ォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオォォォォ……………………







シンジ「……やった…………?」






























黒アヤナミ「……目標、沈黙」

443 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2021/03/26(金) 00:44:26.68 ID:h2SO3JIt0



ケンスケ「……ほんとに?」

黒アヤナミ「……多分」




アスカ「……コアが壊れる音がした。
    ってことは、もう大丈夫、でしょ? バカシンジ」







シンジ「ああ、うん。もう、大丈夫だよ。

    なんとか、倒せた。
    コアを、破壊したよ…………!!」














トウジ「い」




トウジ「いぃぃぃゃっほおおおおおおおおおおおおおおおおおぅぅぅぉおおおおおおおおおおおおおお!!」

ホオオオオオゥゥゥォオオオ……

ホオゥゥォオ……

ホオゥオ……





アスカ「うるっさ!! ウシよりうるさっ!!」



ケンスケ「は、ははは、緊張しっぱなし、で 吐くかと思った」グテ

トウジ「アホか! 叫べ、喜べ! ワシらは! 勝ったんやぞぉぉおおおおおおおお!!!!
    あのにっくき暴れ牛の最後の大暴れ、止めたったでぇぇぇぇ!!!!」

アスカ「はぁぁぁ、うるさいから早く運転して!
    バカシンジとアヤナミの回収に行くわよ」


444 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2021/03/26(金) 00:45:50.79 ID:h2SO3JIt0

回収場所


シンジ「アヤナミ! お疲れ様」

黒アヤナミ「碇君 ありがとう」

シンジ「え?」

黒アヤナミ「……碇君、助けてくれた」

シンジ「助けてくれたって……作戦、だったし、それに危険な役目をやったのは、アヤナミの方じゃないか」

黒アヤナミ「でも、無事でいられたのは碇君のお陰。
      ……貴方が守ってくれたから」

シンジ「……っ…………あ」

黒アヤナミ「……貴方は、強いわ。一緒に戦う人を守れた。
      貴方と一緒に戦えて、良かった……」

シンジ「アヤナミ……」



黒アヤナミ「きっと、『アヤナミレイ』も、助けられてる」

シンジ「!!」

黒アヤナミ「貴方は強いから、きっと、助けられてる。
      今はまだ、見つかってないだけ……」

シンジ「……っ うん。そうだと、良いな……いや

    ううん、信じる。
    キミがそう言うなら僕、信じるよ」

黒アヤナミ「……」ニコ





ブロロロロロ……

ケンスケ「シンジ! 良くやってくれたな」

シンジ「ケンスケ! どこにいたの?」

トウジ「あっちの丘やで! センセのご活躍、しかと見さしていただきました!」ペコォ

シンジ「丘、って、結構近くない!? 司令の役目なのに、そんな接近していいの?」

ケンスケ「見えてないと、あの作戦も具体的に出せないだろ?
     それだけの覚悟は背負ってるつもりさ」

アスカ「良く言うわよ。ついさっきまで震えが止まらなかったくせに」

ケンスケ「ははは、それは違うよ、アスカ。

     震えは、まだ止まってない」プルプル

シンジ「あはは、大丈夫? ケンスケ」

トウジ「司令が一番心配されとるな!!」


445 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2021/03/26(金) 00:58:56.23 ID:h2SO3JIt0




黒アヤナミ「……」

アスカ「良くやったわね。
    バカシンジも頑張ったけど、MVPはあんたよ」

黒アヤナミ「ありがとう」

アスカ「……それにしてもどうしてこの件、あんたから引き受けたワケ?
    自らDSSチョーカーの条件を飲んでまで搭乗した意味って……?」

黒アヤナミ「……第三村が、好きだから」

アスカ「……ふーん、あっそ。……立派な理由ね」

黒アヤナミ「……嫌味っぽい」

アスカ「半分……いや、四分の一くらいはね。
    後の四分の三は……本当に、立派だと思ってる。
    
    ほんと、良くやったわよ」

黒アヤナミ「ありがとう。アスカにそう言ってもらえて、嬉しい」

アスカ「さて、私はこの件を、コネ眼鏡に報告しなくちゃね。
    あいつ、偽物とはいえあんたにそのチョーカーつけたの気にしてたし」

黒アヤナミ「……マリが……………………………………あっ!」

アスカ「なに?」



……………………
446 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2021/03/26(金) 00:59:50.51 ID:h2SO3JIt0

数時間後

自宅

加持二世「ピンポーン! 加持で―ぇぇす」

黒アヤナミ「いらっしゃい」

加持二世「頼まれてた物、持ってきたぜ」

黒アヤナミ「ありがとう」

加持二世「ちゃんと、件の『牛』の方から採取した、食える肉だ。
     当たり前だが、人工肉じゃないぜ?」




アスカ「うわ、人……アヤナミ、最後まで相手して」

加持二世「うぉう、そっか、あんたもいるんだったな。
     美女ぞろいの家に用事が出来て俺も嬉しいぜ」

黒アヤナミ「……葉っぱは?」

アスカ(葉っぱ……!?!?!?!?)

加持二世「茶葉って言え! 茶葉って!!
     ほらよ。 ちょっと古いが、それでもまだ使える立派な茶葉だぜ」

黒アヤナミ「ありがとう」

加持二世「なぁ、せっかくだからそいつを淹れて、俺も少しだけご休憩……なんて」

黒アヤナミ「ありがとう さよなら」



バタン





加持二世「……………………おかしいなぁ。親父はモテたって聞いたんだけど……」





447 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2021/03/26(金) 01:39:09.41 ID:h2SO3JIt0


四日目 水曜日 夜

強制小イベント 『アヤナミのプレゼント』




シンジ「アスカ、ご飯出来たよ」

アスカ「……ふーぅぅぅん?」

黒アヤナミ「……」ソワソワ






四人分のハンバーグ「オッス」






シンジ「……アヤナミが、どうしてもハンバーグがいいって」

アスカ「……まさかとは思うけど、あんた、この為に……?」

黒アヤナミ「……一番最初の動機は、そう。
      アスカが、ハンバーグ好きだって聞いたから」モジ

アスカ「……………………」

シンジ「アスカ、何か言ってあげてよ」




アスカ「……ば」
















アスカ「ありがとう…………っ」






黒アヤナミ「……どういたしまして」パァッ

448 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2021/03/26(金) 01:39:50.76 ID:h2SO3JIt0

マリ「ん、っはぁぁぁぁん、良い匂いぃぃ!!
   ねぇこのハンバーグ、ガチ肉なんでしょ!?」

シンジ「そうだよ。ちゃんと食べられるものだってリョウジ達の保証付き」

マリ「たまらないねぇ、早く食べようよぉ」

アスカ「はいはい、がっつくながっつくな……
    とはいえ、私も久々に、『食べたい』って思ってるわ。
    本当に、久々……」

黒アヤナミ「碇君のハンバーグなら、食べてくれるかな、って」

アスカ「……っ バカシンジのじゃなくても、アンタが命張ってまで手に入れた肉よ。
    ありがたく食べなけりゃそれこそバチが当たるってもんだわ。

    いただきます」

黒アヤナミ「ん、どうぞ、召し上がれ」



シンジ「……」ニコニコ

マリ「んふ、わんこ君も嬉しそうだね」

シンジ「そりゃそうだよ。
    食べなくても良いからって、ずっと食べてこなかったアスカと、
    こうして一緒に食卓につけてる。
    それでもう、結構嬉しい…………」

マリ「ふふ、好きなんだねぇ。妬けるにゃぁ」

シンジ「……ご、ごめん、なんか……マリさんの事……」

マリ「ね、食後はちゃんと、この紅茶、淹れてくれるんだよねぇ?」

シンジ「うん、それも、アヤナミがリョウジ達にかけ合ってもらったものなんだって。
    半年前に調査で入手したモノを加工した奴が余ってて、未開封のがあったから貰ったんだ」

449 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2021/03/26(金) 01:42:16.44 ID:h2SO3JIt0

マリ「……単刀直入に、凄く、嬉しい。
   子猫ちゃんが、私達の事を思って、その為に行動したってこと。
   第三村の為に、動いたってこと」

シンジ「……うん」

マリ「でもさ。ちょっと、命張り過ぎ、かなって思って、
   ……実はさっき、少し叱った」

シンジ「え?……あ、でもそっか、危険な事してたし、その理由がコレっていうのも」

マリ「うん、『自分の身を危険にさらしてまでこういうことをするのは、違うよ』って、
   でも、そしたらあの子なんて言ったと思う?」

シンジ「……私は、大丈夫、とか?」





マリ「そう。『私は大丈夫…………碇君が居るから』だってよ」





シンジ「あ、はは……そっか」

マリ「叱るつっても、窘める、見たいな感じだったけど、
   それ聞いてもー、なんていうか……

   妬いた」

シンジ「……どういうこと?」




マリ「そこまで、人を信じたいと思うって、凄い事だなって。
   確かにあの子にとっては、善意のある最初の他人、ってわんこ君だったもんね。
   そこまで、信頼できるっていう関係性に、妬けた」

シンジ「……」

マリ「私、わんこ君の事が好き。
   いざとなったら背中を預けても良いとは思ってる。けど、『助けてあげなきゃ』みたいな感じな所はあるんだ。
   だから、信頼しきってる、とは言えない」

シンジ「……うん」

マリ「……私もそのくらい、キミと良い関係になれるかな?」

シンジ「……」ゴクリ





アスカ「なーにいちゃついてんのよ。
    今日は何? 私の周りでいちゃつくのはやってんの?」

黒アヤナミ「ハンバーグ、冷める」

450 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2021/03/26(金) 01:42:56.35 ID:h2SO3JIt0

アスカ「せっかく上手い肉で作った最高の料理があるのよ!
    心して食べなさいよね、特にコネメガネ!!」



シンジ「っ お、美味しい? ならよかったぁ!」

アスカ「バカ言ってんじゃないわよ。
    ここまで、お膳立てされたものに、ケチつけられるわけないじゃない。

    美味しい、滅茶苦茶美味しいわ」

黒アヤナミ「良かった」




マリ「……んふふぅ」ニヤニヤ

黒アヤナミ「……マリも、食べて」

マリ「ありがとね。 アヤナミっ」

黒アヤナミ「……」キョトン






黒アヤナミ「……どういたしまして」ニコ







………………

451 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2021/03/26(金) 01:43:49.16 ID:h2SO3JIt0

四日目 深夜パート



1 シンジ     睡眠・
2 アスカ 
3 マリ
4 黒アヤナミ

5 小イベント 『第三村会議』
6 小イベント 『ヴンダーからの来客』
7 小イベント 『ネルフでの出来事』

8 その他




>>直下
452 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/03/26(金) 01:44:56.12 ID:DKST205ro
2
453 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2021/03/26(金) 01:53:30.79 ID:h2SO3JIt0



アスカ「……」ポー…………

アスカ(……なんだろ、この気持ち)



アスカ(寝たふりするくらいなら、コネメガネんとこ行くって、
    思ってたのに……

    ううん、これ、寝たふり、じゃないわ。
    横になってるけど、なんか、凄く、心が……)ポカポカ




アスカ「アヤナミか!!?」パシィッ

アスカ(どうしちゃったの? アスカ。
    さっきから、素直な言葉が出過ぎ……

    いや、でもそれは、アヤナミが悪いのよ。
    あんなストレートな好意向けられたら、そりゃ、素直になるしかないでしょ……っ

    あー、自分が、恥ずかしい……ナニ、普通にありがとうとか……
    そりゃ嬉しかったけどさ、しかもバカシンジもそれを手伝ってたとか、
    嬉しいに決まってるわよ。なんだ、幸せか!?)ブンブン



1 サクラ「お取り込み中すみません。ちょっと問診なんですけど」コンコン!(ホンモノ
2 サクラ『お取り込み中すみません。ちょっと問診なんですけど』(端末から
3 アスカ「……なんか、アヤナミと、話したい気分……」
4 アスカ「もやもやする……バカシンジを起こして話を聞いてもらおう……」
5 アスカ「もやもやする……コネメガネんとこ行こう」
6 アスカ「ちょっと、夜風に……あたろ」
7 その他

>>直下
454 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2021/03/26(金) 02:23:41.13 ID:h2SO3JIt0
作業しながら寝ます。

安価↓
455 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/03/26(金) 02:31:20.99 ID:/tONnMSZo
1
456 :以下、VIPにかわりましてVIP警察がお送りします [sage]:2021/03/26(金) 03:46:23.65 ID:DsopwsC60
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
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457 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2021/03/26(金) 11:57:17.97 ID:h2SO3JIt0


サクラ「お取り込み中すみません。ちょっと問診なんですけど」コンコン!(ホンモノ

アスカ「……ああ、サクラ?
    ごめん、今マジでむり。通話なら明日……今カメラも見ないで」ポー

サクラ「コンコン言うてはりますやろ、モノホンここに来とりますがな」

ガチャ

アスカ「……え? なんで、ここにサクラが?」

サクラ「一から説明しますんで、とりあえず服脱いでください。
    聴診器当てて簡易身体検査します」

アスカ「……ん ぬ、脱ぐの?」テレ

サクラ「問診やー言うてますがな。どうかしましたか?」

アスカ「あ、いや、なんでもない」



サクラ「……お疲れ様です。
    インフィニティアニマルの討伐」スッ……ス……

アスカ「何それ。ああ、ウシ?」

サクラ「そうです。会議で、名称が必要だってことで
    動物がインフィニティ化した場合の存在を
    インフィニティアニマルて名付けられました」ス……ス

アスカ「長い」

サクラ「変な造語作るよりはましでしょうEVFAていう名称になりかけた話でも聞きます?
    一応略称はIA言いますけど、ややこしいんで今んところ皆さんインフィニティアニマル言うてます」ピ……

アスカ「あっそ」

サクラ「で、まぁ、そう言う得体の知れないモノと接触した人間のL結界影響度を、
    こちらで調査することになりましてん。
    とりあえず、状況の説明がてらケンスケさんとこはもう行ってきました」ピピ

アスカ「あんた、兄貴はいいの?」

サクラ「ケンスケさんが無事なので、おそらくお兄ちゃんも大丈夫です。
    それに今日私そっちに泊まる予定なのでお兄ちゃんは後回しです」

アスカ「……ていうか、調査するなら先に、最も接敵したアヤナミなんじゃないの?」

サクラ「ごもっともです。アヤナミさんには簡易検査でも、ちゃんとしたのを受けて貰うので、
    持ってきたキットで数値色々測ります。
    ただし、必要なので今裸になってもらってますし、全部脱がなくてもええアスカさんから先に検査しとります」

アスカ「全部、脱ぐんだ? ふーん」ソワ

サクラ「碇さんは寝てるんで、後で誰か手伝ってもらいたいんですけど……
    お願いできます?」

アスカ「……私は……」


1 手伝う (シンジへの感情度変化
2 アヤナミの様子が気になる…… (イベントフラグ入手
3 どうせ検査するなら自分も詳しくやってもらう (アイテム入手
4 その他 

>>直下

458 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/03/26(金) 12:16:24.57 ID:EZA4JQnPO
2
459 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2021/03/26(金) 12:58:10.18 ID:h2SO3JIt0



アスカ「……バカシンジはマリに任せる・
    それよりも、アヤナミの様子が気になる……」

サクラ(……意外……やな
    話やと、マリさんか碇さんにくっついていくイメージやったけど。
    そう言えば、最近アヤナミさんともえらく仲ええて言うてたような)

アスカ「あいつ、大丈夫?」

サクラ「理屈から行くとL結界の影響受けひん筈ですので大丈夫かと。
    とはいえ相手さんは初めて知覚する存在ですからね。
    ちゃんと、検査する必要があったってわけです」

アスカ「それも、なんだけど、
    ……検査するならちょうどいいわ。
    サクラ、あんたは知ってる?

    アヤナミの生命維持装置は、メンテナンスが必要。
    もう、いつあいつのATフィールドが決壊してもおかしくない。
    不安定な状態よ」



サクラ「……」



サクラ「……知ってます」













アスカ「……っ 
    あんたを責めるのは違うって、わかってる。
    でも、知ってて、ヴィレはアヤナミの存在を、なかった事にしようとしてるのね」

サクラ「ネルフのパイロットに、ヴィレが手を施すわけにはいきませんから……」

アスカ「………………どこまでならできるの?」

サクラ「できません」

アスカ「……お願い」

サクラ「アスカさん……っ この会話も、その」

アスカ「監視してるなら、聞こえてるなら聞いてよ。
    ミサトなの? リツコなの?
    何とかなる方法、あるんでしょ?」

サクラ「あきませんて、これ以上は……」



460 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2021/03/26(金) 12:59:35.89 ID:h2SO3JIt0

黒アヤナミ「アスカ、落ち着いて」

サクラ「ちょ、アヤナミさん、裸でうろつかんでもらえます?」

黒アヤナミ「ごめんなさい。でも、私からも話をさせて」




サクラ「……はぁ、まぁ、当人たち同士の会話でしたら?
     問題ないと思います……私は何も、言ってませんから。
    んじゃ、せっかくですしこちらで検査しましょ。

    ベッド借りますね、アスカさん」スッ

アスカ「……で、アヤナミ、どうしたの?」

黒アヤナミ「私の生命維持装置のメンテナンスはネルフで出来る。
      それは確か。

      でも、ヴィレでそれができるかどうかは、とても難しいとおもう」

アスカ「……それだけ、ネルフの方が優れてるってワケ?」

黒アヤナミ「情報量が違う。私の過去のデータ。

      1〜8人目までのデータが無ければ、
      維持装置の完全な復旧、及び今後の恒久的な処置は不可能」

アスカ「それをもぎ取ってくればいいワケ?」

サクラ「けったいなこと言わんといてください。
    ほんま……もう……」ピッピ……ピ

黒アヤナミ「……それが可能なら。それでもいいけれど。
      碇指令は、碇ゲンドウは、戦力的な解決でどうにかできる相手ではない」

アスカ「……ちっ」

アスカ(それができるなら、もうしてるってことよね)

黒アヤナミ「……可能性がないとも、言いきれない。

      初号機の中には、必ず彼女がいる」

サクラ「……っ」ピク




黒アヤナミ「……私の感覚で言うと、そう。もう一人の私、と、そして……
      更にそのもととなった、オリジナルの存在」




アスカ「オリジナルの存在……碇ユイね」



461 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2021/03/26(金) 13:01:41.90 ID:h2SO3JIt0

黒アヤナミ「でも碇ユイのサルベージは不可能。
      コアの中で、彼女は心を閉ざしている……出てくる事はない。
      そう聞いた」

アスカ「……だれから?」

黒アヤナミ「ごめんなさい。わからないの。
      私が産まれる前に、ガラスの向こうから聞こえた話だから」

アスカ「……」

黒アヤナミ「……でも、初号機の中にもう一人の私がいる」

サクラ「居ませんでしたよ」

黒アヤナミ「居る」

サクラ「いませんでしたて……LCLにも、コアにも、アヤナミレイの姿も数値も……」

黒アヤナミ「……絶対、居る。
      碇君に助けられた。だから、居る」

サクラ「………………」

アスカ「………………それが、見つかればいいのね?
    それって、私でもでk」

サクラ「アスカさん。これ以上は、ダメです」プルプル……

アスカ「……なによ?」

サクラ「……危険行為の疑いがある場合、拘束しなくちゃならんのです」

アスカ「アヤナミにそんな事出来るわけないでしょ。
    それに、こいつは第三村に貢献してる立派な村人よ。

    危険行為なんて」

チャキ

アスカ「!?」







サクラ「……貴方を、拘束せなあかんのです」








アスカ「っ……」

サクラ「……」

黒アヤナミ「……」

462 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2021/03/26(金) 13:04:44.49 ID:h2SO3JIt0

サクラ「アスカさん。

    警告です。 アヤナミレイとの接触は、軍規違反に繋がります。


    お願いします。 絶対に、やらないって、言ってください」プルプル……



アスカ「……サクラ、あんた……」

黒アヤナミ「………………」












一時間後

アスカ(……サクラは、私の沈黙を肯定と受け取った。
    恐怖なのか、それとも緊張が解けたからなのか、去り際のサクラの目には涙がたまっていた)

アスカ(考えてみればそうだ。
    アヤナミレイを、もしサルベージできたとして、彼女がネルフにつかないと言う事を絶対に証明する方法はない。

    エヴァパイロットであるアヤナミレイの出現は、
    ヴィレに有益になるとは限らないから……)

アスカ(それに、黒アヤナミを助けるメリットも、ヴィレにはない。
    第三村には、あるのにな……)




アスカ「……ふぅ」

アスカ(朝日が昇りかけている。
    そう言えば、コネメガネは何してるんだろう……?)

アスカ(……でも、今の顔を見られたくはない。そんな感じがする)






アスカ「……はぁ……」

アスカ(アヤナミの検査結果のデータ。
    備考に書きしるされた『現状 以前と変わらず、問題無し』という文字に、
    
    溜息が出る)









……………………
463 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2021/03/26(金) 14:19:56.66 ID:h2SO3JIt0

次回予告



1 イベント
   師は偉大である。しかし、それを超える事が、師に学ぶ者たちの使命。
   暗躍するマリもその一人だった。
   目の前の問題が一つだけ解決するが、
   緩やかに進みゆく日常に限りがある事を突き付けられ、少年たちは戸惑う。

   次回『甘き師よ、来たれ』

   ※白綾波の存在は先延ばし、取り合えず黒アヤナミの寿命だけが解決する。
    主要人物;マリ 冬月
    備考;多分文字数少なめ ほとんど現状維持の為のイベント


2 イベント
   突如として機能停止するヴンダー。
   予備電源の限りで艦内の異常を見つけ出すべく奔走するミサト。
   しかしそこで、予想だにしない人物と遭遇する

   次回『一人目の適格者』

   ※黒アヤナミリタイア、白綾波が現れる。
    主要人物:ミサトとヴンダーの面々 白綾波 
    備考:白綾波が登場するも暗い展開が多い。


3 イベント
   その存在を疎んじられたヴィレの役員の思惑で、ヴィレの管理下に置かれてしまう黒アヤナミ。
   だがその存在自体に意味があると知るや、彼らは黒アヤナミと白綾波の接触をもくろんだ。
   果たして、彼女の行く末は

   次回『心のかたち アヤナミのかたち』

   ※白黒アヤナミ融合、特別措置がされ、最終的に解放
    主要人物:ヴンダーの面々 シンジ
    備考;比較的明るい


4 イベント
   何もかもが暗転した。少年は、孤独になった。世界が、閉ざされた。
   一筋の光も見出せない状況に絶望する碇シンジ。
   ただ照らされた足元だけを見つめているうちに、彼はある人物と邂逅する手段を得る。

   次回『最後の渚』

   ※アスカ拘束 マリ拘束 黒アヤナミ拘束 シンジだけが第三村に。
    主要人物:渚カヲル 
    備考:行き先不明


>>安価なし どれにするか未定



多分二日以上更新止まるので、次回予告おいておきます。
今作ってる絵が完成したら戻るつもりです。

次回予告に関しては劇場版の予告同様ぶっちぎりにするかもしれないし、
まぜこぜにするかもしれないし、書いておいてなんですが何とも言えません。

SSの続きを書かないだけでスレ自体はしばらく確認するつもりなので、もし分かりにくい所の質問などあればお寄せ下さい。
出来る範囲でお答えします。

464 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/03/26(金) 21:04:46.52 ID:6a3p/X5no
すいません失礼します。あなたのssを楽しみにしているものです。書かれている絵に興味があるのですが、私も見ることはできますか?
465 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga sage]:2021/03/26(金) 22:44:15.09 ID:h2SO3JIt0
>>464 ※R18 乳首注意 ジャンル違いなのでキャラ名は伏せます。
http://up-img.net/img.php?mode=png&id=18483&auth=ddf4a04e121344a6e7ee2acf71145a99
466 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga sage]:2021/03/29(月) 23:53:57.48 ID:DQcsleRq0
黒アヤナミ「おはよう」

アスカ「ん、おはよ」

シンジ「あれ? アスカ、マリさんは?」

アスカ「知らないわよ」



……………………


第三村 外れ




マリ「念入り過ぎる……
   まさか、こんなところに……
   まるで当時の研究室みたいですね」

マリ「ね? 冬月先生」

冬月「まるでもなにも、ほとんど置いてあるものは同じだよ。
   歳を食うと新しいものが煩わしくてね。

   機を見て移動していた。
   もちろん、こうなった時のために、ね」


マリ「こうなった時、て。
   私と連絡を取りたかったんですか?

   秘密の場所にJK連れ込んで何する気ですかぁ?」

冬月「ふぅ……君と話すと疲れる。
   ……思えば、研究や物事の概念をより理解していたのも君だったが、
   意見の相違が発生しやすいのも君だったな」

マリ「意見の相違も何も、あの研究室誰も同じ考えの人いなかったじゃないですか
   今更ですよ。今更。
   でも、合わないなりにうまくやってたじゃないですか、私達」


冬月「……広くは人類の存続を意識して、自らの行く末を決めたユイ君
   そのユイ君とともに生きることだけを選んだ碇、
   イギリスへ行き、あらたな研究を始めた君」

マリ「そして……先生。あなたも別だった」

冬月「……」

467 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga sage]:2021/03/29(月) 23:55:05.66 ID:DQcsleRq0

マリ「みんな、あの子に、シンジ君に自分を見てる気がしてきました。

   姫も、寂しいと思う気持ちを埋めるために彼を見て、
   その彼に映る瞳に映る自らを癒していた。
   少しずつ歩み始めた彼に惹かれてはいるけれど、まだ幼い。

   黒いアヤナミもそう。彼女もシンジ君を見て、
   自分の気持ちと向き合っている」

冬月「そうか」

マリ「本当は、冬月先生も彼を見て、自らと向き合ってたんじゃないんですか?

   何も選択しなかった自分、と」

冬月「……」



マリ「ユイさんを止めなかったのも、先生。
   ゲンドウ君を止めなかったのも先生。
   私の裏切りを許容したのも先生」



冬月「ふむ、見透かされたような気持ちだ。
   この歳になって、君のような小娘にこんな気持ちを馳走になるとはな」

マリ「でも私をイスカリオテと例えたということは、
    ついに決断していただけたってこと、ですかね?」

冬月「勘違いしてもらっては困る。
   私は最初から一つのことしか決断していない。
   しないと決めた。

   運命にあらがうのはおいぼれの仕事ではないからな」

マリ「……」



冬月「私が選択したのは、最後まで君たちの『師』であろうとすることだ」





マリ「……さいですか」

冬月「愛しい教え子らの、研究の成果を見届けることが何より優先される。
   私の気持ちなど、二の次だ。

   私は、たとえ君たちが神になろうと、
   たとえ君たちが世界を滅ぼそうと、
   たとえ君たちが、世界を根底から作り替えようと……

   ただそれを祝福しよう」

マリ「……いい先生ですよ、あんた」
468 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2021/03/29(月) 23:56:07.01 ID:DQcsleRq0

冬月「……だから、君が必要だというのならこのデータも進呈しよう」

マリ「ふふん、イイんですか? ゲンドウ君の敵が増えるかもしれないんですよ?」

冬月「私はヤツを贔屓しているわけではない。
   等しく教え子たちの味方だ。

   ただ、私を必要としているのは碇だけだった。それだけのことだよ」

ポン

マリ「……私情がほとんどだってのに、ほんとにくれるんですね。
   しかも手渡し。

   そんなに、私のこと信頼していいんですか?」

冬月「おや、信頼してはいけないかね?
   同じ人を思う同志への祝福だ」

マリ「残念。あんたと同志なのは、ユイさんの意思に沿っていることだけ。
   私が今考えているのは、ユイさんじゃない。

   かわいい、犬猫たちのこと、だよ」

冬月「神を思うのも、神の子を思うのも変わらんよ。
   どちらかを思えばどちらも思うことになる。
   やはり、同志と言わざるを得ない」

マリ「……ふーん。じゃ、受け取ります」

冬月「そうしてくれ……やり方は気に入らないが、君なりの答えを見守っているよ」

マリ「あ、やっぱり気にいりません?」

冬月「相容れぬよ。研究についてもそうだが、
   こと色恋に限っては、私は君と反対の位置にいる」

マリ「……楽しそうでいーでしょ?」


469 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2021/03/29(月) 23:56:48.33 ID:DQcsleRq0



冬月「これにて失礼するよ。
   観測せねばならぬことがもう一つできた」

マリ「っ、あは、ちょっと安心しました」

冬月「まだ何か?」

マリ「今度は、消えませんでしたね。先生」

冬月「……」



冬月「……そうか、まさか……」

マリ「じゃーね、冬月先生。
   まだ先は長いけど最後まで生き残ってねー」

冬月「待て 君は何のために動いている……?
    目的はなんだ?」

マリ「あなたの嫌いなことが目的です」

冬月「それだけのためにゴルゴダの丘を降りたというのか……!?」

マリ「それだけ? って言いますけどね。
   話が大きすぎるんですよ。
   先生も、ゲンドウ君も、ユイさんも……
   
   でも私が見てるのはあなたたちの世界じゃない。

   私はイスカリオテのマリアの前に、
   マグダラのリリートゥになる」

冬月「……リリートゥ」



冬月「君は愛すべき教え子だ。だが、やはり私は君という人を好きではないよ」ゲンナリ

マリ「正反対ッてことで、性格も、行先も」

冬月「こちらこそ、お暇させていただくとしよう。
   もう疲れたよ」

マリ「お体お気をつけてー!」

冬月「どの口が言うかっ」




………………
470 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2021/03/29(月) 23:58:28.37 ID:DQcsleRq0
…………

自宅

黒アヤナミ「碇君」

シンジ「あれ、アヤナミ今日は仕事じゃ……?」

サクラ「おはようございます。碇さん」

シンジ「……キミは……っ」





サクラ「……すみません、碇さん」

シンジ「……どうか、したんですか?」



サクラ「アヤナミレイを、ヴンダーに移送します。
    アスカさん。ご同行ください」

アスカ「…………………………」

サクラ「………………ヴンダーの命令じゃありません。

    これは、ヴィレの総意です」





………………
471 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2021/03/29(月) 23:59:39.61 ID:DQcsleRq0
ヴンダー

種子保管庫



ミサト「………………」

リツコ「ヴィレの総意、とはよく言ったものね。
    役員会議、もうちょっと粘ってもよかったんじゃないの?」

ミサト「これ以上は立場を悪くするだけだわ。
    背中を預けるには、彼らの言葉を聞くことも必要よ。
    それに、アヤナミシリーズによる
    ヴンダーの機能のインターセプトを懸念するのは最も……」

リツコ「とはいえ、そのアヤナミをヴィレで拘束するなんて
    ……透けて見えるわね。悪意が」

ミサト「悪意じゃないわ。恐怖よ。

    仕方のないことだわ」

リツコ「移送をアスカに任せたのは?」

ミサト「あのままアスカを第三村において、アヤナミだけ移送したら……
    今のアスカなら、何か行動に出てもおかしくない」

リツコ「……そうね。
    あの子、ちょっと若返ったんじゃない?」

ミサト「大人ぶってただけ、
    あの子はまだ幼いままなのよ。よくも、悪くも……でも、気づき始めてる。
    自分がさみしがっていること。
    自分が、本当に求めた人ってのが、今近くに結構いること」

リツコ「……」

ミサト「方法はどうあれ、いい傾向……だったのにね」

リツコ「さすがに、全部諦めたわけではないんでしょう?」

ミサト「もちろん。拘束位置は指定させてもらったわ。
    手も下してある」



………………

472 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2021/03/30(火) 00:00:52.04 ID:D8RHMjZZ0

ヴンダー
ドック



ダムダムダム

ヒデキ「俺だけバスケ誘う回数多くないすか?」

スミレ「お前もゴリラにしてやろうと思ってな」

ヒデキ「……もしかして俺がスミレさんの容姿ディスったこと気にしてんすか?
    あれは好みじゃないって意味なだけでスミレさんは美人スよ」

スミレ「……ああ、あの発言か、それも一理あるなぁ。
    考えてみればお前への私情も五ミリくらいはある」

ヒデキ「え。私情百パーじゃないんすか?」

スミレ「……そろそろ教えてやりたいが、
    その前にテストだ」

ヒデキ「筆記なら得意スけど」

スミレ「実技ぃ!」

ヒデキ「すみませんパスします」

スミレ「マヤ、ちょっとお願いできる?」

マヤ「はい。いいですけど」

スミレ「ヒデキ、お前、私とジャンプボールで対決しろ」

ヒデキ「せめて人間と戦って死にたかった」

マヤ「戦う前からあきらめるな。
   確かにスミレさんは体力ゴリラだけど顔は美しいゴリラよ!
   戦えることを光栄に思いなさい」

スミレ「褒めるかけなすかどっちかにしろウホ。
    さておき、お前にはこれまでみっちりと指導してきた。
    これで私に勝てたら、お前が嫌がってきた強制バスケの理由を教えてやろう」

ヒデキ「……まぁ、百パー嫌がってたわけじゃないすけど?
    でも、理由があるってんなら、聞いてみたい気はします」

マヤ「じゃ、行くわよ」

ヒデキ「はや! ちょ!」スタッ

スミレ「ふっ……!」スタッ

473 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2021/03/30(火) 00:02:27.54 ID:D8RHMjZZ0

ヒデキ「っ!」(腕、ながっ!! 身体能力も絶対俺より上だし、
        こんなん、無理ゲーだろ!!)

スミレ「飛んだあとが勝負だって、教えただろう?」

ヒデキ(そうだ。相手がデカくても、自分より上でも……)

グッ

スミレ「っ」

ヒデキ(接触しながら、圧をかける。
    空中で押し負けないようにして、ボールの下に移動する……!
    体幹で勝…………)


スミレ「っだぁぁぁあっ!」ドン!!


ヒデキ「え」グラ

スミレ「っし  勝った!」パシッ




ヒデキ(まだだ! 着地を狙って、相手の腕が降りきる前に……)

バシ!

スミレ「! っ」

ヒデキ「っらぁっ!」バシィィィ!

スミレ(下から手が!?
    ボール、弾かれ……!!)


テン テン テン



ヒデキ「確保ぉ!!」

スミレ「させるかぁ!!」

マヤ「スミレさん!!」

スミレ「あ」ピタ



ガシッ

ヒデキ「っしゃあ! 初めて、勝った…………っ」ゼェ ハァ



474 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2021/03/30(火) 00:03:14.10 ID:D8RHMjZZ0
スミレ「……ふぅぅぅ」

マヤ「すごいじゃないですか、スミレさんにジャンプボール勝つなんて」

ヒデキ「……合格、できましたかね」

スミレ「………………」

ヒデキ「スミレさん?」

スミレ「最後に、こぼれ球を……本気で追いかけたら、勝てたかもしれなかったのに」ギギギ

マヤ「ほ、ほら、スミレさん。
   そこで乱戦になったら元も子も……」

スミレ「まさか本当に負けるなんて思ってなかったんだ。くそぅ」

ヒデキ「えと、合格……?」

マヤ「合格よ、合格、スミレさん負けず嫌いなだけだから」



スミレ「ヒデキ、これで試験は合格だ。
    ただし、本番はこれからだぞ」

ヒデキ「……はぁ」




………………


475 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2021/03/30(火) 00:03:45.75 ID:D8RHMjZZ0

ヴィレ
壱番艦内部 通路

アスカ「……アヤナミを拘束する理由は分かったし、
    私が移送を担う理由も、何となく察したわ」

サクラ「はい。すみません」

アスカ「で、実際のところできるの?」

黒アヤナミ「……できる」

サクラ「……ですよねぇ……」

黒アヤナミ「でも、そんなことはしない。大丈夫……
      だから、アスカは第三村に戻っていい」

アスカ「馬鹿言ってんじゃないわよ。連れて帰るにきまってるでしょ。
    拘束する必要が、ないってわかれば……」

サクラ「……」



サクラ「……ごめんなさい。
    それは、不可能です」

アスカ「っ……はぁ?」



サクラ「間もなく黒ナミさんは……ヴンダーの機能をインターセプトしようとしたという容疑で消されます。
    それがヴィレの役員が秘密裏に推し進めている、A0計画です」



アスカ「……A0計画……?」

サクラ「アヤナミシリーズの掃討です。
    ヴンダーに危機を及ぼしかねない彼女を、役員たちは煙たがっています。
    勿論、黒ナミさんが無害やと知っている人も、少しは、居ます。

    せやから正当な理由をつけて消してしまいたい。それが、A0計画の最後の作戦です」

アスカ「……」
476 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2021/03/30(火) 00:04:55.09 ID:D8RHMjZZ0

黒アヤナミ「……そう」

アスカ「そう、じゃないわよ。
    あんた、なんも悪くないのに殺されるのよ?
    それを黙って見過ごすっていうの!?」

黒アヤナミ「……悪くない事は、ない。
      私はネルフの一員だった。
      ヴィレに対して、一度は牙をむいた。

      その報い」

アスカ「それはあいつのバカオヤジがしたことでしょ!?
    あんたに全責任があるわけじゃないし! あんたが死ぬ必要ないし!
    ここでだまってそれを見過ごす事も出来ない」

サクラ「アスカさん!!」

チャキ

サクラ「……っ」プルプル

アスカ「この距離で私に銃向けるってことが、どういう事かわかってんの?」

サクラ「……はよ、してやぁ…………」プルプルプルプル

アスカ「……サクラ?」












サクラ「………………」

アスカ「………………」

黒アヤナミ「………………」












バン!!! ブツゥーン………………
477 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2021/03/30(火) 00:07:29.52 ID:D8RHMjZZ0

アスカ(!? 停電!? しめた!!)


ヴーーン!!ヴーーン!!ヴーーン!!ヴーーン!!ヴーーン!!ヴーーン!!ヴーーン!!ヴーーン!!ヴーーン!!ヴーーン!!ヴーーン!!

アスカ(なんの警報か知らんけど……!!
    非常灯がつく前に、終わらせる!)

アスカ「てりゃぁぁっ!」ブン

スカッ

サクラ「アスカさん ストップ! ストップ!!」ベタァッ!

アスカ「!? 消えた!?」

サクラ「消えたんちゃいます。下見てください、見てこの綺麗な土下座!!」

アスカ「……っ ……何のつもりよ」

サクラ「A0計画の最後の作戦は、もう既に始まってるんです!
    詳しい手順はわかりませんが、この停電は『黒アヤナミが最後の攻撃に出ている』と言う体になっています」

黒アヤナミ「……拘束されたことで苦し紛れに、ってこと?」

サクラ「そうです。ですが、勿論こんなのでっちあげです。
    ヴィレ役員の一人が壱番艦の照明を消して、非常灯に切り替えたまでに過ぎません。
    
    フェイズ3です」

黒アヤナミ「……状況は、原因不明」

サクラ「ってことになっとるでしょうね。
    しかし、勿論事は既に動いています。

    A0計画フェイズ4は、もはや黒ナミさんを消しにかかってきます」

アスカ「原因不明のうちに消してしまうってどう言う事よ!?」

サクラ「この後に理由づけとして、ヴンダーの一時的な機能停止が引き起こされます。
    順番が後でも先でも、壱番館の中で事が起こってしまえば全てモミ消されます!」

アスカ「……っ
    サクラ、あんたは……」

サクラ「時間はまだちょっとあります。移動しながら話に付き合ってください。
    私はA0計画の作戦に組み込まれました。

    役割は、アスカさんと黒ナミさんの拘束……ですが、
    私の本意は貴方がたの救出にこそああります!」

アスカ「じゃあ連れてこなければよかったじゃないのよ!!」

サクラ「第三村におったら『事故』で消されるか『形象崩壊』かで黒ナミさん死んでまうやないですか。
    それを艦長は許さんかったのです」

アスカ「ミサトが?」




サクラ「そーです。いわば、この作戦は、
    ヴィレの役員とミサトさんの争いなんです!」




黒アヤナミ「……内紛」
478 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2021/03/30(火) 00:08:07.33 ID:D8RHMjZZ0

アスカ「程度の低い事やってんじゃないわよ……っっとに」

サクラ「艦長は、まずこの作戦の第一段階である貴方がたの拘束を私に命令しました。
    表向きA0計画への協力を見せて、作戦に渋々納得している体を装いました。

    ですが、こんなん役員は信用してません。
    おそらく、このままやと私も消されるでしょう。
    黒ナミさんに殺されてた、ってね」

黒アヤナミ「……っ」

サクラ「ですが、こちとら何にも無策ではありません。
    ……布石は、打ってあります。
    まずはこの『原因不明の停電』に乗じて通信障害も起こします。
    なので、さっきまでA0作戦を遂行しようとしていた私も、
        今は私もこうしてちゃんと『アスカさんたちの味方や』と言えてるわけです」

アスカ「……味方ねぇ。
    どこまで信用していいわけ?」

サクラ「少なくともヴンダーのブリッジに居た人らは大丈夫です。
    今、情報操作してるのもマコトさんですし、
    後に重要になる、黒ナミのインターセプトを不可能にする作業もシゲルさんが、

    そして………………」





………………

壱番艦 ドック


スミレ「おい、どうした?
    こっちの作戦はさっき教えたはずだ。動け」

ヒデキ「………………」



ヒデキ(俺のバスケの特訓は、全てこの作戦の為だった。

    心身ともに鍛え、何より空中で姿勢を制御したり臨機応変な動きができるようにすることで……
    ヴンダーから壱番艦への飛行ユニットによる最速移動を実現させたんだ!)









ヒデキ「って、納得できるかぁ!?!?!?」
479 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2021/03/30(火) 00:09:04.21 ID:D8RHMjZZ0

スミレ「仕方ないだろ。表立って行動することができなかった。
    最初から喋っていればお前も私も危なかったんだ。
    サクラには今リスクを背負ってもらっている。はやいとこ全て終わらせるぞ」

ヒデキ「早くしろってんならコウジさんに頼むこってすよ。
    俺はスミレさんのおかげでもう十分動けますからねぇ?」

スミレ「ああ、じゃあ階段一気に駆け上がれ。
    そんで甲板に出る準備をしろ」

ヒデキ「ああ、そう言えばこれもやらされたっけ、階段ダッシュ……!!」

ンダダダダ……




スミレ「いいか、確認するぞ。
    私達はここで、『緊急事態が起こり、通信障害が発生したので壱番艦に連絡を取りに来た人』だ」

ヒデキ「まだなんも起こってないスけどねぇ」

スミレ「順番が後でも先でも、壱番館でサクラ達と合流するまでは私達は無実だ。
    そのうちに、一つ仕事をする」

ヒデキ「壱番艦が管理してるネットワークのデータ」

スミレ「そうだ。そこに、役員たちのやり取りの記録があるはずだ。
    それを洗えば、今回の首謀者を晒しあげる事が出来る。
    さらに共謀者達の名簿を入手すれば、そいつらの動きも牽制できる。

    黒いアヤナミの疑いが晴れるわけじゃないが、
    少なくとも『強硬策で殺そうとした』事を表沙汰にすれば時間は稼げるだろう」

ヒデキ「……」

スミレ「その証拠を押さえたら、アスカとサクラと黒アヤナミを確保。
    そうしたら、我々の最優先事項を理由に壱番艦を離脱、ヴィレを離れる」

ヒデキ「パイロットの安全確保。スね」

スミレ「そうだ」

ヒデキ「……それで我々はお役御免と、
    で、そのネットワークに介入するために必要なのが、甲板での一作業」

スミレ「ネットワークから諸々の情報を抜きとるには必要な物が多数あるが……
    所詮そのネットワークも巨大なサーバーに繋がってる。
    サーバーの機械そのものに物理的に接触すれば、その全てをパス出来る方法がある」

ヒデキ「甲板から無理矢理その部屋に忍び込んで……っ接触、と」

ダダダ……ダ

ヒデキ「着いた……!」ゼェ、ハぁ

スミレ「急ぐぞ。そろそろA0作戦の方で大詰めだ。
    その前に事を終わらす」


…………………………

480 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2021/03/30(火) 00:09:35.24 ID:D8RHMjZZ0


ヴンダー 
ブリッジ



ミドリ「なんか、壱番艦で動きがあったみたいなんですけど……?」




マコト「それにしても……こんな状況でも内紛って起こるものなんだねぇ」

シゲル「仕方ないだろ。アヤナミシリーズは確かに不安要素だ。
    それを消したがってる連中の気持ちはわかる」

コウジ「滅多な事を言うな。お前を信用する要素が一つずつ減っていくぞ」

シゲル「だがそれは、『アヤナミシリーズ』という存在しか見ていない連中の言い分だ。
    俺は違うぜ? アヤナミレイって子は良い奴だって知ってる。
    だから、ちゃんとやってるぞ」

マコト「もうすぐ予定されたシステムダウンだ。
    その前に『無骨な流用品』のデータを打ち込むんだ」

シゲル「はなからありえなかった事にする……

    黒いアヤナミレイの生体情報をヴンダーのブラックリストに載せることで、
    インターセプト出来なくする、と」



ミドリ「あのぉ?もしもーし? 聞いてます?」



シゲル「わりぃ。ちょっと、通常業務しててくんない?」

ミドリ「は、はぁ?」

コウジ「すまないな。今急ぎの仕事がある。
    お前は通常業務に専念してくれ。

    ただ……」

ミドリ「ただ?」

コウジ「匿名で何か連絡が来たら、それをすかさず艦長に伝えに行ってくれ、いいな?」

ミドリ「は、はぁ……わかりましたけど」







………………
481 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2021/03/30(火) 00:11:00.56 ID:D8RHMjZZ0


館長室

ミサト「誘導するサクラが二人を助け、
    暗躍するスミレ達が裁き、
    そしてコウジ達がアヤナミの無実を証明する。
    
    三者三様の動きで、ヴィレ内部の不和を調整する一大事。

    作戦名『フローラ』」

リツコ「……現実問題、一番キツそうなのはサクラちゃんよね。
    こと白兵技能では彼女に期待できない。
    接敵したら、アスカが二人分守らなくてはいけない」

ミサト「……そう、だけど、アスカが守るから大丈夫なのよ」



リツコ「そうね。エヴァのパイロットを誰もどうにかしようとは思っていない。
    大事な戦力ですもの。
    あちらさんとしては、アスカがアヤナミと居るだけで手出しができないも同義」

ミサト「情報攪乱が成功している今、壱番艦内は混乱している。
    状況はこちらが上。問題はない筈」



ミサト(なのに、なにか……いやな予感がする。
    ……見落とし? いや、大きな作戦の穴は大方ふさいでいる)


ドゥゥゥゥン………………ンン…………↓↓




リツコ「始まったわね。
    悪い連絡がないまま、システムダウンが発生するなんて、
    良い傾向じゃなくて?」

ミサト「……そう、なんだけど」

リツコ「……え?」

ミサト「なんだか胸騒ぎがするって言うか……
    ちょっち、艦内見てくる」

リツコ「……目星をつけている人物、離反の可能性がある人物は全て監視をつけてある。
    非常用ネットワークからの連絡もない。
    まだ、なにか不安要素が?」

ミサト「わからないから見てくるのよ。
    上手くいきすぎるってのも、不気味だからね」

リツコ「仕方ないわ。役員の連中も苦肉の策、って感じだったでしょ。
    貴方を納得させる為の内紛、というより、
    できるだけ不安要素を消したい臆病な抵抗、だったのよ」

ミサト「……そうね。でもま、一応ね」

スタスタスタ……







ヒタ……





………………



482 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2021/03/30(火) 00:11:58.89 ID:D8RHMjZZ0




壱番艦

ドック手前



アスカ「どーすんのよ?
    なんでドックに人がこんなにいるの?」

サクラ「や、これはホンマに予想外です……っ」

黒アヤナミ「……飛行ポッドの周辺にも人がいる」



ヒデキ「緊急事態です。
    緊急事態なんで、エヴァパイロットの回収にきましたぁ」

スミレ「艦内の非戦闘員、及びブリッジの関係者以外はドックにて待機してください。
    ヴンダーのシステムが復旧し次第通達を出すので、それまで待機してください」




サクラ「あれ?……お二人が集めてたんや」

黒アヤナミ「どさくさに紛れて脱出?」

アスカ「そんなに綱渡りな作戦なワケ?」



ヒデキ「お、サクラ、こっちこっち」

サクラ「どういう事やの?」

ヒデキ「うん。実は……」








………………


ヴンダー

ミサト「システムダウンによる異常は致命的ではない。
    離反者もなし……」

リツコ「離反者、無し……?」

ミサト「そう。システムダウンを人為的に引き起こすか
    もしくは、システムダウンを偽装する工作をした者がいないってこと」

リツコ「じゃあ、これは本当にシステムダウンしているってこと?」



ヒタ…………




ミサト「……ブリッジへ」

リツコ「アスカ達は?」

ミサト「状況がよかったら保護したかったところだけど、この感じだとこっちに招き入れるのも問題ね……
    第三村へ移送したほうがよさそう」




………………

483 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2021/03/30(火) 00:13:56.97 ID:D8RHMjZZ0

一方

要点観察中のシンジとケンスケ



ケンスケ「……ネルフの基地跡地の探索はこれまで何度となくしてきた。
     けど、ここまでしっかりと設備が整ってる施設は初めてだな」

シンジ「……そう、だね」

ケンスケ「そもそもロックされてたドアが勝手に開くのも不思議だった。
     非常電源モードでロックが解除されてるのか?」

シンジ「……そういう事もあるのかな」

ケンスケ「……おいおい、碇。
     しっかりしてくれよ? 同居人がみんな留守だからって、そんな落ち込むなって」

シンジ「ご、ごめん。でも、なんか色々大変そうでさ」

ケンスケ「……詳しくは知らないけど、きっと何とかなるさ。
     サクラちゃんも、何か事情があるんだろ」

シンジ「……うん」





ケンスケ「それより、目の前のこの装置だ。
     ネットワークが生きてる。こんな小規模な施設の非常電源だけでそんな事可能なのか?」ピッピッピ……

シンジ「……電気の供給が無くなった14年前から、ずっとってこと?」





ケンスケ「そうだ。
     それでも自然発電だけでこれを維持するなんて……

     ん? いや、これは……GPS、違う。
     衛星とだけ、繋がってる?
     限定的な回線だ。

     んん?」



ヴォン


???『こちらからお呼び立てして大変申し訳ないが、リリンの手であまりその辺を掻き乱さないでほしい。
    それでも精密機械なのでね』

ケンスケ「どわっ!?
     な、何事だ!?」

シンジ「っ……!? モニターも動いてる?」

???『ああ、動いているさ。しかし、コレを使う時が来るなんてね。

    今回は本当に憂慮すべきイレギュラーがあるので、まぁ仕方ない』

484 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2021/03/30(火) 00:15:14.39 ID:D8RHMjZZ0



シンジ『……その声は……?』

???「やぁ、数日ぶりだね。
    碇シンジ君……」







シンジ「カヲル君?」



ケンスケ「な……おいおい、嘘だろ」

カヲル『そう。渚カヲルだ。
    ここに居るのは正真正銘キミの知っている、渚カヲルの意識だよ』

シンジ「でも、なんでカヲル君がここに……
    ……死んだ、筈じゃ……?」

カヲル『ああ、勿論肉体はもう使い物にならなかった。
    今回の渚カヲルは死亡した。キミの落胆はもっともで、
    生き返ったと思うその気持ちは幻想だ。すまない』

シンジ「……そ、そう、なんだ。
    でもなんで話せるの……? 死んで、ないってことじゃ」

カヲル『そうだね。僕自身の世界はまだ終わってない。
    終わる予定だったのに、キミが、終わらせてくれるはずだったのにね』

シンジ「……え?」

カヲル『全て話しても良いが、役者が足りない。
    今は目的を遂行させてもらうよ。
    そっちのキミ、ケンスケ君だよね?』

ケンスケ「え、えっと、はい。そうですけど」

カヲル『ヴンダーにつないでくれるかい?
    つながったら碇君に代わってくれ。
    その間にどうすればいいかだけ教えてあげるよ』

ケンスケ「碇……大丈夫なのか?」

シンジ「うん。大丈夫、だと思う。
    カヲル君の言うことなら」

カヲル『ふふ、こんな状況で素直に従ってくれるんなら、あの肉体の命も無駄ではなかったってところか』

485 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2021/03/30(火) 00:16:18.12 ID:D8RHMjZZ0

シンジ「……どうすればいい?」

カヲル『まずは、キミの為に進言する。
    今ヴィレで起こってる内紛には方が着こうとしている。
    だから、第三村に帰還しようとしているアヤナミレイをヴンダーで保護してもらい、適切な処置を受けて貰った方がいい。

    彼女にはもう時間がない筈だ』

シンジ「……っ 時間がないって?」

カヲル『生命維持装置だよ。
    キミは知らないだろうが、アヤナミレイは生命維持装置の処置を施さないと
    間もなく形象崩壊……うん、わかりやすく言おう、




    消えてしまうんだ』




シンジ「なんで……っ って、聞いてる場合じゃない、よね?」

カヲル『そうだ。良くわかってくれたね』

ケンスケ「ミサトさんと繋がりましたけどぉ!?」

シンジ「ミサトさん……」

カヲル『安心して。
    誰もキミの事を嫌いなんかじゃない。
    キミの言葉で呼びかけてごらん』





………………


ヴンダー



ミサト「……ええ。何かが起こってるわ」

ケンスケ『こちらも事情はよくわからないんですけど、碇シンジから伝えなくちゃならない事があるとかで……』

ミサト「……碇、シンジ君から?」

リツコ「動いているわね。状況が……」




486 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2021/03/30(火) 00:17:25.17 ID:D8RHMjZZ0

シンジ『ミサトさん、あの』

ミサト「……なにかしら」

シンジ『……アヤナミを、助けてください』

ミサト「……彼女はもう移送中よ。第三村にもうすぐ」

シンジ『それじゃ、ダメなんです。
    アヤナミが、消えてしまう……っ』

ミサト「………………時間切れ、か」

シンジ『まだ間に合うかもしれません!
    今からでもヴンダーに連れて行って、何とか……』

ミサト「……善処するわ。
    でもこれだけは聞いて。私達の施設で、
    ネルフのパイロットであるアヤナミレイの生命維持装置に関与することができるのか、それはわからないわ」

シンジ『……はい』

ミサト「……リツコ」

リツコ「ええ。やってみる価値はあると思う」




タタタタ……

マリ「へいお待ち!!」ズザァ!!

ミサト「……マリ、貴方今までどこへ……」

リツコ「で、手に持ってるそれはなに?」




……………………


シンジ「え、マリさんもそこにいるの?」



















カヲル『真希波 マリ?』ビキビキ
















487 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2021/03/30(火) 00:18:48.35 ID:D8RHMjZZ0

ケンスケ「……ああ。確かにそうらしい」



カヲル『……ふふ、うん。 だろうね、居るだろうね。
    あの忌々しい女……』

ケンスケ「……あのぉ? ほんと、俺、置いてけぼりなんだけど、
     ホントにあんた信用していいんだろうな?」

カヲル『キミが碇シンジ君の幸せを邪魔しないなら信用しても良いよ。
    僕が許せないのは、邪魔をしたあの女だけだから』

ケンスケ「怖い」




……………………


マリ「まずは、アヤナミをここに連れて来て!
   必要なデータはあるから……!」

リツコ「……確かなのよね?」

マリ「事情は今から説明する。
   今は信じてほしいとしか言えないよ、ごめん」




ミドリ「はぁ、はぁ、艦長、ここに居たぁ!
    ちょっと、わけわかんないんですけど、システムダウンのタイミングで、
    私の個人アドレスに変な名簿が送られて来て……
    
    それを教えたら、艦長にすぐ見せろ、て」



ミサト「ありがと。コレで環境は整うわ」



488 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2021/03/30(火) 00:19:58.95 ID:D8RHMjZZ0

ミサト『緊急状態解除。各員、配置について、通常業務を続行して。
    ブリッジに居る者のみ、その場で待機』



リツコ「まずは、収束ね?」

マリ「う、うん、内紛の方は、オッケーなんだけど……」




マリ「ごめん、もう一つ厄介事、あるかも……しれないにゃーなんて」ドギマギ

ミドリ「あん?」





ヒタ…… ヒタ…… ヒタ……





ミドリ「!? んひぃ!? 青いお化け!?!?!?」

ミサト「……嫌な予感は、これか」

リツコ「どういうこと? なぜ、この子がここに」




















白アヤナミ「…………」



















…………………………

489 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2021/03/30(火) 00:28:05.96 ID:D8RHMjZZ0
…………………………



この後の展開

1 白綾波のみ残存
2 黒アヤナミのみ残存
3 白黒アヤナミ両立
4 その他

直下
490 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/03/30(火) 00:30:33.05 ID:AnMrNqeT0
1番明るいやつで…
こういうのなしなら安価下
491 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/03/30(火) 00:54:09.48 ID:8c8sKUNMO
3
492 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2021/03/30(火) 20:33:56.38 ID:lcw9aMLd0
どうなるかわからないけど、より幸福な結果になると信じて3
493 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/03/30(火) 20:45:09.39 ID:1pK7AKQAO
3で大丈夫かしら
ひっかけとか
494 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/03/30(火) 20:48:16.15 ID:UbDPxWCUo
予告全部と違うを匂わせておいて全部まぜを出してくれた>>1なら善きに計らってくれる……!
495 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2021/03/31(水) 11:29:12.59 ID:ZztAjCwS0

翌日

昼 強制イベント 

ネルフ基地跡地

カヲルの部屋




カヲル「さて、最初にヴンダーの艦長からのあいさつだ」

ミサト『……ええ』



ヴンダー
館長室

ミサト「今この会議には、
    ヴィレと共に闘ってくれている重要な人員がそろっていると言っていい。
    無線の向こうの諸兄には、ご参加いただきありがたく思う」

リツコ「……一応、各々でメモは取ってもらいたいけれど、
    書記は私が勤めるわ。
    私からの挨拶は、不要よね」


ミサト「これより、『ヴィレ総合会議』を行います。
    ……まずは状況の説明を、ヴンダーブリッジの『作戦部長』から」


………………

ヴンダーブリッジ

スミレ「作戦課長のスミレです。
    今回フローラ作戦の事前準備、及び実動部隊指揮をしていました。

    現状を説明します。

    まずは現在のヴンダーから。
    ヴンダーは制御を回復しています。
    ……とはいっても、徐々に、ですが……

    実は初号機を主動力にしているヴンダーの制御には、
    綾波レイ……便宜上、白綾波とします。白綾波の魂の存在が大きくかかわっていたのです。
    
    しかし先のフローラ作戦によって、ヴンダーのブラックリストにアヤナミの情報を登録する、と言う手順が発生しました。
    これによりヴンダーの制御に関与できなくなった白綾波は異変を察知し、
    緊急事態を悟って外部へと発現した。

    ……初号機内部の、何者かの助力もあって、ね」

リツコ『……』

496 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2021/03/31(水) 11:32:28.26 ID:ZztAjCwS0


スミレ「一時ヴンダーの機能はダウンしましたが。
    現在外部からの信号で十分制御できるように改造されています。
    ……決戦準備に支障をきたしているのは事実ですが」

マヤ『そうですね。決戦準備の工程は少々……
   ですが、主艦であるヴンダーの制御に当たるのが先決です』



………………

ヴンダー ドック

ミドリ「すみません、ところで気になってるの私だけじゃないと思うんで聞くんですが、
    結局ヴィレの役員とかって どーなったんですか?」

マヤ「こ、こらミドリちゃん」

ミドリ「いや、マジで巻き込まれただけの私とか、
    周囲のマジ関係ない職員とか、わけわかんなくて困惑チューですよ。
    
    出来ればここで説明してもらえれば、記録にも残るし一度の説明で済むし、
    良いと思うんですけど、ねぇ? コウジさん?」

コウジ「……それもそうだがな。
    いいのか? 艦長」

ミサト『ええ、私から……
    A0作戦の関係者、及び首謀者について、
    我々は今回の作戦行動を『不問』にする事にしたわ』



………………

第三村 ケンスケの家

サクラ「んなアホな!?」

ケンスケ「……素人でも分かりますよ。
     内紛を起こした奴らに対する処罰として、それは甘すぎる」

トウジ「せやで、うちの可愛い妹とアヤナミを手にかけようとしたんや!
    いてコマしたるで!!」



ミサト『黒アヤナミによるヴンダーのインターセプトは、理屈では可能だった。
    そして、彼らはその事態を危惧して、今回の行動に出た。

    内紛に発展させたのは、寧ろ私の責任です』




ケンスケ「……しかし、今回のケースは……」

ミサト『……役員連中とは和解したわ。
    目指している物は同じなんだもの。これ以上人員を減らせない。
    それに、今はヴンダーのコントロールに『アヤナミ』は関与できない。
    彼らと和解するのに、これ以上の理由はない』




サクラ「……不問、ですかぁ……
    ま、まぁ、ええけど……私実際、撃つことも撃たれることも無かったし」

サクラ(あー、でも役員側の人ら、私の子と見る度白い目で見るんやろなぁ……気まずいわぁ)




………………
497 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2021/03/31(水) 11:36:29.22 ID:ZztAjCwS0

………………


ブリッジ

ヒデキ「和解で済むように事を収めたのは、まぁ、俺達実動部隊の功労スよね」

スミレ「……まぁ、そうだと思って良いけど、自ら言うあたりお前も図々しいな」

ヒデキ「いや、ほんと、事が上手く運んだんで、リストを入手したついでに壱番艦の艦長と話し合って、
    早めにA0計画の最終作戦を停止してもらったんですわ」

サクラ『え、ほんなら、あの時私達が、慎重に壱番艦を進んだのは……』

ヒデキ「取り越し苦労……お疲れ様です」ビシッ

サクラ『はへぇ……』










ミサト『……で、マリ。
    今度は貴方にかけられた嫌疑について話がしたいのだけど……?』


……………………



ヴンダー

拘束用個室



マリ「へーいへい。
   なんでも話しますよ」

カヲル『そうだ、あらましを全て話してくれるかな?
    何をたくらんでるかも全て。
    そしてこの裁判で裁かれるんだ』

マリ「あははは、キミって怒ることあるんだね?」

カヲル『当たり前だ。僕の原動力となる、最終目的を、君がかっさらっていったんだ。
    しかも僕がそれを待っていたのは君の人生の時間をゆうに超える、わかっているんだろう?』

マリ「そうカリカリすんなって。
   ちゃぁんと、話すからさぁ」


498 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2021/03/31(水) 11:37:55.04 ID:ZztAjCwS0

ミサト『貴方は、冬月の教え子だった。
    そして碇ゲンドウや碇ユイの同門だった……
    それは確かね?』

マリ「イエス」

ミサト『……その冬月と、今も関係が?』

マリ「……イエス」



ミサト『……そうよね。貴方が持ってきたアヤナミレイのデータ。
    それは、全てネルフにしか存在しないはずの物。

    コレを持ってきたという事は……』

マリ「そう、それは冬月先生からもらった。
   ……アヤナミを助けるために、ね」




ミサト『……ネルフと接触していたの?』

マリ「そうだけど、一言だけ言わせて」

ミサト『ええ』




マリ「冬月先生はネルフの顧問。そこを偽るつもりはないし、何か処罰があるなら従うけどさ。
   だけど、私が会ったのは、ただの寂しい老人だったよ」




ミサト『……敵性勢力とのみだりな接触は忌避するべき。
    処罰は下るものと思って頂戴』

マリ「……はーぁい。なんでも受けますよ」






リツコ『聞きたい事はまだあるの、良いかしら?』

ミサト『ええ、どうぞ』

リツコ『……マリ、貴方は……
    どこまで、知っているの?』

マリ「……」
499 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2021/03/31(水) 11:49:10.61 ID:ZztAjCwS0

リツコ『アスカに発信器を事前につけておいた件もそうだし、
    今回、フィフス……渚カヲルとの確執も明らかになった。
    貴方の底しれない情報量や、謎の行動力……
    彼と関係がある時点で更に怪しいわ。
    貴方も、まさかとは思うんだけど……生命の書、とやらに名を連ねているのかしら?』


マリ「せーめーのしょって、あれでしょ?
   カヲルきゅんが言ってた奴……?」


カヲル『その話はいい。君の話をしてくれ』

マリ「求めらたら答えちゃうのがイイ女、ってね。
   
   知らざあ言って聞かせやしょう。
   何を隠そうこの私……

   


   一度、ネオンジェネシスをキャンセルするという、暴挙に及びました」






ミサト『……っ』

リツコ『キャンセル……いえ、その前に、ネオンジェネシス……一応、何の事か聞いておこうかしら』

500 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2021/03/31(水) 11:50:36.84 ID:ZztAjCwS0

マリ「アディショナルインパクト。碇ゲンドウの思想の事なんだけど、
   それを起こそうとしたのを碇シンジが止めた。

   その後、碇ユイの魂と碇ゲンドウの意思をもってネオンジェネシスは完成する。
   ネオンジェネシス、は、形骸的に神の子となった碇シンジが作ろうとした、新しい世界のことね。

   ありていに言えば、エヴァのない平和な世界。それを夢見たんだ。
   そしてそれを夢じゃなくしようとした。

   ……いや、しそうになったんだけどさ、



   碇シンジは世界を作りかえる前に、気づいてしまったのさ。

   世界を作りかえると言う事は、
   この世界を否定すると言う事。
   

   碇シンジが好きだったシキナミのことも、

   助けたはずだった、ケド助けられなかった、かと思ったらちゃんと助けてた!
   ……短い間だけど、苦楽を共にしたアヤナミも、

   実はずっと見てくれていた、渚カヲルも

   ………………それらを否定するってこと。


   
   虚構の世界、マイナス宇宙の中で彼は、『存在した過去』までも見てしまった。
   そう、彼は気付いたんだよ。

   『ああ、僕はこの世界が好きだったんだ』って」






ミサト『………………碇シンジが、この世界を好きだと』


マリ「そう、彼はそう思った。
   ……いや、そう思った事がある。
   私はね。彼が世界をつくりかえようとしたところに迎えに行く役目だった。


   イスカリオテのマリア。
   その役目は冬月先生の元を離れ、碇ゲンドウや碇ユイの意思に背くように見せつつも、
   碇ユイの意思を遂行すること……

   碇ユイの意思は、わが子が最後まで生き残る事、それが全てだった。
   碇ゲンドウにどう利用されようと、碇シンジがどう判断して行動しようと、
   自ら、子の盾となり鎧となり……そして最後に、代わりに命を投げ出すことで、子を守ろうとした。

   そしてその後消えゆく世界から助け出すのが私の仕事だった。


    
   そこで見たんだ。
   消えゆく世界、色が抜けて行くような世界で最後に彼は泣いていた。
   
   そして私も見た。
   つくりかえた世界には、アスカも綾波レイも渚カヲルもいる……



   けど、そこには第三村はないんだ」






ミサト『……続けて』
501 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2021/03/31(水) 11:51:37.27 ID:ZztAjCwS0
マリ「無くなってしまうのを惜しんで、泣いていたの。
   式波アスカ 黒アヤナミ 幾つもの屍を積み上げた渚カヲル そして、あのあったかい第三村をね。

   ………………どう思う?」



リツコ『……その、新しい世界、ネオンジェネシスとやらには……
    平和があるの?
    
    こんな、死と隣り合わせの未来はないと言えるの?』

マリ「それはわからない。
   リリンが愚かなままなら、滅びはずっととなりあわせなんじゃない?

   まぁ、でも……

   セカンドインパクトも、サードもフォースもない……その点では、まぁ、平和かな」



ミドリ『ふっざけないでよ!!

    じゃ、じゃあなに!?
    あんた、その平和な世界、出来る前に……アンタその手でそれを…………!?』










マリ「うん。ブッ壊した。
   いや、出来上がる前だから……なかったことにした」

カヲル『………………っ』ヴヴ……

















ミドリ『サードインパクトがない世界なら……っ 人間は、こんなに、苦しんでねぇっての!!
    そんな平和な世界を、なんであんた!!』

マリ「……姫たちが、可哀そうだから」

ミドリ『はぁぁぁぁぁあああああああああ!?!?!?』

マヤ『ミドリちゃん、落ち着いて……』

ミドリ『落ち着いていられますかっての!?
    勝ったんでしょ!? ネルフに、碇ゲンドウに!!
    だのにこの女、その勝ちを全部ドブに捨てたんですよ!!』

コウジ『……おちつけ、ミドリ』

ミドリ「ハゲオヤジは黙ってろ!!」

コウジ『落ち着けと言っている!!!!』




ダンッ!!!!!





502 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2021/03/31(水) 11:53:35.88 ID:ZztAjCwS0





シーン







ミサト『もう一人、いろいろ事情を知ってそうな人に聞くわ。
    ……渚カヲル……貴方は、コレが事実だと……?』

カヲル『ああ、そうだね。僕は全部見てきた、事実だ。
    でもね、今回ほど起きて月と地球を見た瞬間に怒りを覚えた事はないよ。

    シンジ君は、あのまま新しい世界を生きることを望んだ。
    エヴァのない世界に、平和な世界にこそ彼の幸せはあったんだ』

マリ「……かもね」

カヲル『だったら何故、キミはシンジ君を肯定しなかった?
    泣いている彼を抱きよせ、『大丈夫だ』と言ってやらなかった?
    キミにはそれができたはずだ。それでハッピーエンドでよかったじゃないか』

マリ「……みんなが救われる世界。
   だろうね。よっぽどこの世界に比べて、良い世界かもしれない。
   そりゃこんな世界なんて要らないって言うかもしれない。

   けど、ここにあんた達生きてるんじゃん。
   第三村も日々良くなって行ってんじゃん……


   ……もうちょっとさ、この世界を、見てても良いんじゃないの?」


ミドリ『……っ 気分悪いんで、抜けます』

スタタタタ………………








ヒデキ『……あんたの言葉に、滅茶苦茶寄って考えれば、
    確かに第三村の未来は見てみたい。

    俺がこの世界でどれだけやれるか、ってのは、ちょっと気になる……けど』

ミサト『この世界で生きるよりは、もっと綺麗な世界で生きたい。
    そう思う人が、ほとんどでしょうね。

    事実確認が取れない以上。私からは何も言えない。

    ……救いの手を差し伸べる事は出来ないわ』


503 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2021/03/31(水) 11:55:01.40 ID:ZztAjCwS0






















マリ「……そっか」









































加持リョウジ「まぁ、今度の世界の事情は少し変わってるんだ。
       もう少しだけ話を聞いてやってくれないか?
       なぁ、葛城」







ガタッ



カヲル『リョウちゃん……?』
504 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2021/03/31(水) 12:04:10.12 ID:ZztAjCwS0

マリ「……うっわ……嘘でしょ、どうやってここまで来たの」

加持リョウジ「やりようならいくらでもあるのは知ってるだろう?
       さて、それじゃどっちの話を聞きたい?
       マリから 話させても良いが……
       せっかくなら俺から話をさせて貰おうか」

リツコ『……ええ、聞かせて頂戴』





加持リョウジ「とかく、俺は生きている。それも全てマリの画策だった。

       サードインパクトを止める為にヘリに乗ったまではいいが、そこでマリの組んだ自動運転プログラムが作動した……
       槍を積んだヘリが無人でも確実に任務を遂行する、っていう寸法だ。日本に潜入する際にオレが乗る予定のヘリに事前に仕込んだらしい、
       全く、あのバカ密スケジュールでよくやったもんだよ」

マリ「余剰な時間をちゃんと仕組んだからね。
   二週目のプレイだかららくしょーよ?」

カヲル『それは僕へのイヤミと取っても良いのかな』

加持リョウジ「さて、マリの目的だが、実は俺もちゃんと話してもらってはいないんだ。
       ただ、助けるから信用しろ。協力しろってね。
       目的も知らされずにあれやこれややらされたよ。
       まるで誰かさんの指示で動いてた時位働かされたな」

カヲル『それは僕へのイヤミと取っても良いのかな』

加持リョウジ「だが先日絞り込めたよ。
       彼女は今回イスカリオテのマリアとしてのポジションを捨て、
       マグダラのリリートゥを名乗っている。

       冬月に名乗る現場を俺も目撃した。

       その言葉や、彼女の思いを鑑みた上での、俺の考察を聞いてほしい」

リツコ『ええ続けて』

加持リョウジ「彼女は、碇シンジが最後にネオンジェネシスを納得して生み出せるようにするために、この世界のやり直しを望んだんだ。

       その方法は、まぁ、なんだ、滅茶苦茶うらやましい話ではあるんだが……
       しかし……そう、
       碇ユイの意思を全てくみ取り、イスカリオテたろうとする事も、
       碇シンジを愛し、理解し、全てを肯定するマグダラたろうとする事も……
       どちらも行きつくところは同じなんだ。

       だから結末自体は変える必要はない。その為に、
       彼女は既に、ネオンジェネシスへの切符を手にしている」






リツコ『……勝算を、既に得ていると?』






マリ「……言って聞く?
   無理だと思うから、私はここで拘束されてても良いよ……
   どうせ時が来たら全部ちゃんと元通り……

   ネオンジェネシスは既に、完了しているも同義だし?」

505 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2021/03/31(水) 12:05:57.47 ID:ZztAjCwS0

加持リョウジ「……だとさ。
       マリはな、誰も救いたくないわけじゃない。
       式波アスカ 黒アヤナミ 渚司令の数々の屍へ報いるために、全ての人をこの世界につなぎとめたいんじゃない。

       ……もう少しだけ、この世界を愛して見てほしい。って言ってるんだ。
       今ここに生きているお前たち全員が、この世界をもう一度ちゃんと見てほしい……そう思ってるんだ。

       その末に訪れる救済、的な物をちゃんと用意してな」



マリ「………………」




リツコ『……こんな世界の未来に希望なんてあるのかしら?』

加持リョウジ「悪いが、俺に聞いても良い言葉しか返ってこんぞ?
       俺の息子は優秀だ……モテないのが玉にきずだが、それ以外はもう将来有望すぎてたまらんよ。
       一人でスイカ作ってる俺に比べりゃ出来た息子さ。
       みんなに内緒でたまに会ってるんだが、こんな隠居親父をちゃんと認めてくれてるイイ奴だよ」








スミレ『……私は、実感がわかないんで……この世界で生きることに異論はありません。
    マリの行動を肯定する、とまでは言えませんが……
    考えようによっては、『いずれ救いがある』と思えば、この世界を生きる苦痛が一つは癒えると思います』

コウジ『ううむ、それが問題だ。
    実感がない。

    平和な世界のビジョンもないから、俺達はマリの言っている事をどう受け止めればいいのかわからん』



ケンスケ『……』

トウジ『……』



サクラ『……私は、ちょっと、どうかと、思いますね。
    ……だって、この世界……生き辛い……』



ケンスケ『……でも、俺達は生きてる』

トウジ『せ、やな……辛いし、
    サードインパクトもセカンドインパクトも無い方がエエはずやけど……

    でもここまで頑張ってきたのはワシらやねんで?

    それを、『作り変えましたー!』なんちゅうても、
    そのつくりかえた世界に鈴原トウジがおるとしても、
    ……そこに居るのは、ワシではないんや……』



506 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2021/03/31(水) 12:07:04.78 ID:ZztAjCwS0

カヲル『僕は碇君が見つけた答えを否定したマリを許したくないね』

加持リョウジ「司令の気持ちは分からなくもないのですが、俺は、マリの気持ちも理解できるな」







ヒデキ『……流れで、俺の気持ちも言いたいんですけど、
    正直平和な世界がいいです。
    けど、今この世界を生きてる俺にとって、俺の世界はここしかないんで、

    良くわかんないすケド、勝てる見込みがあるだけでも励みになりました』



リツコ『ミドリちゃんは……聞くまでもないわよね。
    私は……ええ、この世界で生きることを否定できる立場ではないから……

    ………………ああ、そう。なるほど、この気持ちね?』

マヤ『先輩……?』

リツコ『いいえ、私も、思い当たる節があるわ。
    この世界と共に生きる事は肯定する。
    もう少しだけこの世界に責任を取ってから、って言うのは、同意できる』

マリ「……あは、貴方にそう言ってもらえると、ちょっと嬉しい、かも。
   今度会えたら、仲良くしよーね」





マヤ『……私は、大丈夫です。先輩がいるなら……』




マコト『……僕は、新しい世界っていう救いは欲しかったですね。正直現状はしんどい。
    でも、一度結果を出したっていう情報があるだけこの世界の僕はマシ、なんじゃないですかね?』





シゲル『おい、流れで言うぞ?
    
    全然わかんなかった。
    わかったのは、なんか、『勝てるらしい』ってことだ』



507 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2021/03/31(水) 12:08:23.24 ID:ZztAjCwS0





リツコ『混迷しているわね。
    どちらかに片寄れば処遇の決め甲斐もあったけど……

    現状でマリを拘束するのはただのリスクでしかないわ。
    
    勝ち筋の見えている貴方に、協力してもらうのが一番得策かしらね』















ミサト『判決を言い渡す。

    真希波・マリ・イラストリアス

    貴方はヴンダーに一時拘束します』





リツコ『あら、もういいの?』

ミサト『……』

リツコ『……ふふ』

マリ「……ま、それが妥当だろうねー」

ミサト『情報の精査と確認が終了し次第解放することを条件に、しかるべき尋問を行うこととする。
    情報を、共有しなさい。
    これは、命令です』



508 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2021/03/31(水) 12:09:07.62 ID:ZztAjCwS0

マリ「いいよ。信じてくれるなら何でも話す」

加持リョウジ「どうかな? まだ信じられないような顔してるぜ?」




ミサト『加持リョウジは………………っぅんぐ、
    っ、一旦帰って、頂戴……………………』





加持リョウジ「…………はは、嫌われちまったかな?」

リツコ『どうかしらね。ただ、今は顔を見せられる状況じゃない事は察してくれるわよね?
    そのうち使者を出すから、場所だけでも教えてくれる?』

加持リョウジ「だそうだが、マリ?
       もう俺の存在は表に出しても良いのか?

       俺の存在が表に出ると、『この』状況は作れなかったんだろ?
       勝算にも影響出そうか?」

マリ「いーやいやいやぁ! 勝手に出てきたのそっちでしょ!?
   何さ一人でベラベラ喋ってぇ!!
   勝手に人の事考察して推測しておいて、『良いのか?』じゃないっての!

   もう勝手にしていいよ。今まで隠居してくれていてありがと。
   ……まぁ、おかげ様でみんなに二週目だって信じて貰えそうだしね」

加持リョウジ「んじゃ、座標は後で渚司令に打ち込んでおきますから。
       司令、後はよろしくぅ」

カヲル『いや、リョウちゃんそこで渡せばいいじゃないか。
    なんでそんな二度手間するんだい?』

加持リョウジ「葛城と久々に会えるんだ。
       もっとちゃんとしたところで会いたいだろ?
       だから、誰も知らない場所を教えてやるのさ。
       二人っきりになれる場所、とかね」

リツコ『大変よ。リョウちゃん。
    ミサトってば耳まで真っ赤』

ミサト『会議! 終了!!

    マリは待機! そこのバカは早く帰れ!!
    
    全員、解散!!』

ブツゥーーーン……………………




509 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2021/03/31(水) 12:13:59.29 ID:ZztAjCwS0



マヤ『………………』

コウジ『……ダメだこりゃ』ピ

ブンガドン


ブツゥゥゥン………………





マコト『……ズルイですよ、加持さん』

加持リョウジ『おう、久しぶり。
       悪いな、俺だけ楽させて貰ってるよ。
       スイカ、食ったか?』

マコト『はは、ええ。美味しかったですよ。
    なんにしても会えてよかった。
    安心しましたよ、色々』

シゲル『さて、じゃ俺達もこれで……また』

加持リョウジ『ああ。またな』


ブツゥゥゥゥン……………




スミレ『……ヒデキ、バスケ行くぞ』

ヒデキ『あぁ!? ちょっと待って下さいよ。
    もう訓練は終わりなんじゃ……』

スミレ『頭スッキリしないから身体動かす。付き合ってくれ。
    あと、負けた方がミドリのフォローな』

ヒデキ『……わかりましたけど、そういうの通信切ってから言ってくださいよ』


ブツゥゥゥゥン……………






加持リョウジ「さて、じゃあ俺も行くよ。
       今日からは第三村に普通に顔出せるな」

トウジ『ホンマですか?
    こりゃなんの仕事してもらうか早急に練らないとアカンな!』

加持リョウジ「言っておくが俺もなかなかジジイだぜ?
       畑仕事くらいしか取り柄がないと思ってもらいたいね」

ケンスケ『冗談言わないでください。
     加持さんっていえば諜報技術に関しちゃトップクラス!
     要点観察で各地のネルフ跡地の解放をお願いします!!』

サクラ『あ、いや、それよりもその天然の人たらしを生かしてヴンダーの医療部門をですね……っ!』

トウジ『あかんで! 加持さんは第三村の人員になるんや!』

サクラ『いや第三村よりも戦線大事やろ!! ヴンダーかて人手不足やねんてば!!』

トウジ『大丈夫や、ワシの妹ならそれを補って余りある活躍をすればやな……』

サクラ『根性論でどうにかなる話ちゃうでバカアニキ!!』



ケンスケ『あ、ちょ、すみません。き、切りますね?』


ブツゥゥゥゥン……………

510 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2021/03/31(水) 12:16:59.90 ID:ZztAjCwS0

加持リョウジ「ははは、楽しそうだな。
       そんで、俺も……ようやく、人間臭い生活ができそうだ」

カヲル『……それは、おめでたいことだね。
    素直に祝福しよう。
    キミが生きていた事も』

加持リョウジ「光栄です渚司令」

カヲル『それ止めてくれる?
    単に僕は、繰り返した世界の知識でヴィレという組織の前身を作っただけ。

    そして君はその組織のもう一人の創始者で、種の保管を僕の指示で押し進めていただけ……
    友人と思いこそすれ、キミの上に立った覚えはないよ』

加持リョウジ「でも、貴方がこれまでやってきた事を思えば、頭が下がる……
       何度となく俺に種の保存の指示を出してきたわけでしょう?
       立派な上司です。

       ……まぁ、とはいえ、友と呼ばれることに対して悪い気はしない。
       今度、ちゃんと会いに行きますよ」

カヲル『ああ、楽しみにしてるよ。リョウちゃん』

加持リョウジ「じゃあな、マリ。 シンジ君によろしくな」

マリ「うん、そうだね。伝えとく。
   それと、ありがとね。色々と」

加持リョウジ「命を助けて貰ったのは俺の方さ。だからコレでその件に関する貸し借りは無しだ」

マリ「そーだね。もう隠居の必要はないし私に恩義を感じる必要はないよ。
   またいつか、第三村でね」

加持リョウジ「ああ。次に会うときは葛城も居たりしてな」

スタスタスタ………………





マリ「……」

カヲル『……』





511 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2021/03/31(水) 12:19:16.30 ID:ZztAjCwS0

マリ「……隙を見て月まで迎えに行くつもりだったんだけどね?」

カヲル『来たとしても目覚めないよ。
    次の時が来るまで次の僕は棺の中さ。
    何か策でもあるのかい?』

マリ「そっかぁ、それじゃ、そこにキミがいてくれてよかったよ」

カヲル『意思はあるけど、この機体はただのバックアップさ。
    地球各地と宇宙に置いてある、絶対的な記録装置……
    『生命の書』』

マリ「……なにそれ。んじゃ、生命の書ってとどのつまり、
   カヲルきゅん自身の事?」

カヲル『そう取ってもらって構わないよ。
    ここに記録されている限り、僕は月から全ての記憶を背負ってやってくる。

    だけど僕は、肉体があってこそ僕と言う存在な気がするけどね』

マリ「ごめん、でも、ここまでの流れを作る為にはカヲルきゅんがああなるのは、止められなかった」

カヲル『良いよ。僕は……それよりも、
    シンジ君がちゃんと幸せになれるんだろうね?』

マリ「わかんない」

カヲル『……キミ、さ。 
    そこはさ、責任もって、さ?』ヴヴヴヴヴ……



マリ「こっちの世界で幸せになれるかもわからないし、
   ネオンジェネシスの中で幸せになれるかもわからんし……」



カヲル『………………』





マリ「んでも、こちとらいろんなもん背負ってるし、
   後ろめたいこともいっぱいある。
   
   だから、私はわんこ君だけじゃなくて、姫にもアヤナミにも、この世界でもうちょっとだけ幸せに生きてほしい。
   ネオンジェネシスに書きかえられる前に、彼女たちの居場所を愛せるようになって欲しい」

カヲル『それが君の目指す終着点、か』

マリ「……まぁね。でも人生てさ? そう簡単に答えが出るもんでもないじゃん?
   だから、みんなでナカヨクしているうちに、なんか見えてこないかなーっても思うワケ。
   勿論私はぁ? ハーレム希望なんだけどぉ」

カヲル『良く言うよ、リリートゥと名乗っておいて……』
512 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2021/03/31(水) 12:20:06.96 ID:ZztAjCwS0

マリ「てなワケでさ、みんなはここでの出来事は公言できない事になってるから良いけど、
   カヲルきゅんもわんこ君たちにこのこと教えないであげてほしいんだ。

   て言うか、まだ教えてないよね?」

カヲル『ああ。僕はキミに対してネオンジェネシスのキャンセルを問いただす必要があった。
    だから、前回と全く同じ行動をしたよ。

    だけど、このバックアップから情報を収集しているうちに、もはや前回とは違う世界線に来ている事がわかった。
    だからシンジ君との接触を図ることにした。
    ケンスケ君があの施設を観察しに来たのは、こちらが仕組んだ事だったんだよ。

    だけど、こうなった以上、僕が彼に対して黙っている必要もないね』

マリ「え、ちょっと、頼むよー。
   なんか、やりづらくなるんだって―」

カヲル『……それがシンジ君の為になるかどうか考える時間が欲しい。
    僕が考えていたシンジ君の幸せは、少し間違っていた。
    ……だから、今は何とも言えないね』

マリ「そっかぁー……」

カヲル『一応、僕の口からは何も伝えないでおこう。
    だけど、もし伝える事があるのであればキミの口から言って欲しいね。
    一度救いをポイした責任もあるだろう?』

マリ「……うん、そうだね」





サクラ『あのぉ……すみません。ちょっと良いですか?』

マリ「と、まだいたの? 通話切ったのかと思ってた」


サクラ『あ、いや、個人回線でつなぎ直したんですけど、
    ……カヲルさんも居てはります?』

カヲル『ああ、どうかしたのかい?』


サクラ『今回の、マリさんの話……なんですけど、
    碇さんやアスカさん、アヤナミさん達に伝えときましょうか?』


マリ「あ、ごめん。それナシでいいかな?
   伝えられるとちょっとやりづらい、というか……
   一度やり直してるって言うとさ、なんか責任感じそうなのもあるし」






サクラ『………………あのぉ、こんなこと、言うのもあれなんですけど、
    こっちだけ色々知ってて、なんも教えんと本人たちの様子を見る、って……

    今までと変わらん、と思うんです』






マリ「……」

カヲル『……』
513 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2021/03/31(水) 12:20:48.35 ID:ZztAjCwS0

サクラ『……目覚めたばかりの時の碇さん……自分だけ何も分からなくて、可哀そうでした。
    もしかしたら、あの時にもっと私達が、彼に歩み寄っていれば……』

マリ「……あー……」

カヲル『………………』

サクラ『……なんか、みんなで、足並みそろえた方が、
    いいんちゃうかな、て。
    思います』



マリ「………………うん、そう、かもね」

カヲル『……』




五日目木曜日終了
……………………

翌日

六日目金曜日

自宅



マリ「ていうことなんだわ」





白綾波「……この世界が、何回も繰り返されてて?」

黒アヤナミ「それも前回、終わろうとしていた世界を……?」

アスカ「……あんたが、ブッ壊した」

シンジ「……僕たちのために……?」



マリ「まぁ、……そう。
   ……今ここに居る姫とかアヤナミに、もう少し存在していて欲しかった」

514 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2021/03/31(水) 12:21:44.84 ID:ZztAjCwS0

シンジ「……そう、だったんだ」



白綾波「……この世界は、消えてしまうの?」

マリ「そうだねぇ……正直、やっぱりみんなこの世界よりは平和な世界に作りかえられるのを望んでると思う。
   だからいずれはね……?
   でも……なんか、ホントごめんね。

   結構、良かれと思ってやったんだけどさ。
   だんだん自信なくなってきた……」

黒アヤナミ「……どうしたの?」

マリ「……あのまま、何も考えずイスカリオテのマリアとしてわんこ君の思いを遂げさせてやればよかったんじゃないかって……
   この世界より、ずっといい世界を作ってくれるのはわかってたし……

   実はずっと悩んでた節はあったんだよね。だから誰にも話してこなかったし……
   で、やっぱりこれを話したときのみんなの反応を見て、
     あー、やっちまったなーって、思ってきた」

アスカ「そりゃそうよ。救われてたかもしれないのに、それを『私が取っちゃいましたー!』なんて」

マリ「うん、だから他の人たちには絶対喋らないようにしようと思ってたんだけどねー。
   喋らないとどうにもならない状況になっちったのよ。

   本当は、姫たちにも内緒で居ようと思ったんだけど…………」



シンジ「……僕が世界を作りかえる?」

アスカ「中二病めいた事いうのはやめなさい。
    仮にそうだったとしても、今のあんたはただの14歳の少年よ。
    戸籍上は28歳だけどね」

シンジ「う、うん。
    でも、そう言われても実感が全く無くて……」





白綾波「それで、貴方はどうしたいの?」

マリ「え?」

515 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2021/03/31(水) 12:22:25.89 ID:ZztAjCwS0

白綾波「……私は、何のはずみからかここに居る。それだけで、今少し嬉しい」チラ

シンジ「……」

白綾波「初号機の中に居なくちゃいけなかったけれど、
    こうして碇君に会えた事には、感謝している」

マリ「……そう、かぁ」ホッ

黒アヤナミ「私も貴方には感謝している」

マリ「……ん」

黒アヤナミ「理由は単純。私は貴方に助けられた。
      貴方は、私達クローンの存在を研究していたからそれに責任を感じていると言うけど、
      貴方の行動のお陰で、私は生きている。
      ……助かったと、思っている」

マリ「……そっか、処置してもらえたんだ。良かったね」



シンジ「あの、僕も綾波と会えて、あと、アヤナミが助かって、とても嬉しい。
    それに、僕がその土壇場で悩んでいた時に……ちゃんと寄り添って考えてくれたんだなって思うと
    なんだろ、今の僕の事じゃないけど、それでも嬉しい、って思うんだ」

マリ「……うん」

シンジ「……で、その、ネオンジェネシスを迎えられなかったのは、そこで悩んだ僕にも責任があると思うし、
    せっかく一度猶予を作ってくれたんだから、僕はちゃんとこの世界やアスカ達に対して、一つの答えを持ちたいと思う。
    それが、すぐにできるかは分からないけど……」

マリ「……」

シンジ「だから、もう一回。ネオンジェネシスまでたどり着くよう、やれる事は頑張りたい。
    マリさんと、一緒に」

マリ「うん……うん」



アスカ「はぁ、わけわかんない。
    よく納得できるわね。あんた達」

シンジ「いや、その、全部ちゃんとわかったわけじゃないけど」

黒アヤナミ「マリが私達の事、好きだってことはよくわかった」

白綾波「……好き?」

マリ「んふふ、それは本当」

白綾波「……好き」ポカ……



516 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2021/03/31(水) 12:24:21.15 ID:ZztAjCwS0

アスカ「だーから、あんたの『好き』はイチイチ重いのよ。
    バカシンジに対しても然り、私達に対しても然り……っ

    挙句それで平和な世界までブッ壊してちゃ世話ないっつーの」

シンジ「そんな言い方……」

マリ「あは、は……やっぱダメ、だったかなぁ」

アスカ「いや、ダメでしょ。
    他の人らはみんな言うわよ。何やってんだーってね」

マリ「まぁ、言われてきたしねぇ」

アスカ「……だけど、私らがそれ言うのも、間違ってる気はする……
    から、後はもう何も言わないわ。

    あんたはあんたなりに、私達の事を思ってそうした。
    ……だから、今回は作戦的にも世界的にもたくさんの余裕ができた。
    そう言う事よね?」

マリ「うん、そう。
   加持君にも手伝ってもらったおかげで、第三村の状況もかなり良くなったし、
   それこそ私だけ強くてニューゲームだった知識を、結局全部教えてきたから、
   もういつでも最終決戦いけそうだし、逆に相手を待てるくらいの猶予もできてる」



アスカ「……ならいいわ。余裕がある事はいい事だし、
    ……それを私達が良しとしないと、流石にアンタが可哀そうだしね」

マリ「ん、うん」



アスカ「それじゃ、アンタが作ったその猶予とやら、有効に使ってやるわよ」

シンジ「有効に……って どうするの?」

黒アヤナミ「……私も、なにかすればいい?」

白綾波「何かする事があるなら私も」






アスカ「決まってんじゃない。私たちなりに精いっぱい生きる。
    コネメガネの作った猶予で、私達は人生にちょっとした答えを見つけ出さないといけないってことよ。

    それがあんたの唱えるハーレム理論でかなうかどうかは別として……」

マリ「あ、ハーレム理論に限っては八割くらい私のエゴだけどね」

白綾波「はー、れむ……」チラチラリ

シンジ「あ、えっとその話はまだ今度……」







アスカ「……だから、あんた達も覚悟しなさいよ。
    仕事もちゃんとやって、余暇も楽しむ、
    この第三村で、遊ぶのよ。
    ……まぁ、作戦行動ほとんどないだろうから暇だろうけど?」



517 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2021/03/31(水) 12:25:04.01 ID:ZztAjCwS0

マリ「そうしてくれると嬉しいなぁ。
   ちょっとでもこの世界を楽しんで、少しでも、自分たちの居場所を愛してもらえれば……」

アスカ「難しい事はわからないからいい。
    私は、暇だから遊んでみる。それだけよ。

    んで、遊ぶってなったら問題が一つ」



グニ

マリ「んふぁ!? な、何?」

アスカ「なによそのしみったれた顔は!?
    こちとら余暇は遊ぶつってんのに、アンタがそんな顔じゃこっちだって楽しくないわよ!
    もっといつも通り、ニヤニヤヘラヘラニャーニャーポカポカしなさいよ!」

マリ「ポカポカは綾波でしょぉ?」

アスカ「とにかく、アンタがそんな調子だとこっちも調子狂うの。
    だからあんたは、その前の世界の事はもう気にしないで良いから……

    私達と一緒に精一杯生きなさい。
    あんたの理屈だと、あんただってこの世界に答えの一つくらい見出したいんでしょ?」

マリ「……いいのかにゃ?」

アスカ「……肯定してほしいってんならいくらでも肯定してやるわよ。
    バカシンジっ」

シンジ「僕は、良いと思うよ」



シンジ「ここまで頑張ったのはマリさんだし、
    僕はこの状況に救われてる、と思ってる。
    だから、マリさんだって自分の答えを求めて良いと思うよ」

黒アヤナミ「私はマリとは一緒に居たいと思う。
      せっかくなら、マリも一緒に答えを探してほしい」

白綾波「……正直なところ、私はその、真希波さんに対して今なにも分からない。
    けど、人の思って行動しているのなら、悪い人ではないと思うし。

    ……貴方の言うのと同じ。
    貴方も、何か報われる事があるべきだと思う」




アスカ「はいはい、可決可決。
    そういうわけであんたもいつも通り生活して精一杯行きなさい。
    
    アンタが用意したここは、アンタの遊び場でもあるってことよ」





マリ「………………う、ん。
   んひッ グス……」

518 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2021/03/31(水) 12:25:52.43 ID:ZztAjCwS0

アスカ「っ、 な、なに泣いてるのよ!?」

マリ「だ、だってぇぇ! こんなに、肯定してくれるの、初めてだしぃぃ!!
   凄く安心したんだもぉぉん」グスグス

アスカ「ヘラヘラしてなさいって言ったのにこれか。
    はぁ、まぁ、すぐ元気になれって言うのも無理か……」

マリ「姫ぇぇぇぇぇえ!!!!」ガバッ

アスカ「あーはいはい……いいけどね、アンタ涙と鼻水つけんじゃないわよ」

マリ「好きぃぃぃぃぃ!!!!」グリグリ

アスカ「……うっざ」











白綾波「……碇君」

シンジ「ん、うん。どうかした?」

白綾波「色々、大変な話になっていて、
    言い忘れていた事があるのだけれど」

シンジ「うん。 多分、マリさんはもう大丈夫だと思うから……」

白綾波「……私、一応監視対象らしいから、
    私もここに住む事になったわ」





アスカ「………………」

マリ「……んへへ」

アスカ「あ、そ」




黒アヤナミ「……っ」メラ

白綾波「よろしく。碇君」





………………………………


519 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2021/03/31(水) 12:28:58.07 ID:ZztAjCwS0

第三村要点観察 『小警戒中』

ヴンダーの様子 『最終決戦準備中 90%』

ヴィレの様子  『異常なし』

ネルフの様子  『最終決戦準備中 40%』



現在の主要キャラのステータス


**********

シンジ ステータス

服装 トウジのジャージ

所持品 主夫の魂(自然と主夫っぽい行動を取る様になりやすい
    全員分の運動服(洗濯済み
    『女装用カツラ(茶』
    『浴衣(白』
    

黒綾波への感情:親愛 淡恋 尊敬 欲情

アスカへの感情:友愛 淡恋 尊敬 従順:レベル1 欲情 

マリ への感情:親愛 尊敬 従順:レベル1 欲情 性的不利 

白綾波への感情:友愛 淡恋 大切


性癖  『百合好き』

アスカの性癖気付く

**********


アスカ ステータス

服装 パーカーのみ

   
所持品 麻酔銃
    コンドーム
    着替え(プラグスーツ
    ワンダースワン
    セガサターン
    奥の手(眼帯の中
    浴衣(赤

シンジへの感情:恋  ツン 下僕:レベル1 性的不利 欲情 

黒綾波への感情:親愛 大親友 欲情 性的不利 淡恋

マリ への感情:親愛 相棒 恋慕 依存 欲情

白綾波への感情:友愛 


性癖  『露出癖』

食事にたまに参加するようになった。


**********
520 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2021/03/31(水) 12:29:47.65 ID:ZztAjCwS0

マリ ステータス


服装 いつもの服


所持品 飛行ポッドの鍵
    着替え(プラグスーツ
    麻酔銃
    メガネ
    コンドーム
    睡眠薬
    秘密の入浴施設のカギ(使用済み
    浴衣(黄
    白衣
    名を忘れた茶葉


シンジへの感情:親愛 欲情 恋慕 性的有利

アスカへの感情:親愛 相棒 愛情 依存 欲情

黒綾波への感情:可愛 欲情 親愛 淡恋

白綾波への感情;心配 


**********

黒アヤナミ ステータス

服装 黒いプラグスーツ

所持品 コンドーム
    S-DAT
    農作業用装備(家に置いている
    浴衣(黒青
    偽DSSチョーカー

シンジへの感情:親愛 依存 欲情

アスカへの感情:親愛 親友 淡恋 欲情 性的有利

マリ への感情:可愛 親愛 恩義

白綾波への感情:親近 興味


スキル 『笑顔 レベル1』笑顔の頻度が上がる
    『性知識 レベル2』性行為への理解

性癖  『追い打ち好き』


**********

白アヤナミ ステータス

服装 白いプラグスーツ

所持品 無し


シンジへの感情:親愛 依存 恋慕 嫉妬

アスカへの感情:友愛 恩義 赤い 

マリ への感情:謎  恩義 

黒綾波への感情:嫉妬 羨望 興味


スキル 『笑顔 レベル1』笑顔の頻度が上がる

**********
521 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2021/03/31(水) 12:32:05.76 ID:ZztAjCwS0

六日目 金曜日

午前パート


1シンジ     要点観察
2アスカ     休暇
×マリ      始末書
4黒アヤナミ   休暇
5白綾波     ???

6白綾波の第三村案内 (アスカ 

7白綾波の第三村案内 (黒アヤナミ

8白綾波と要点観察  (シンジ

9加持リョウジ

10ヴンダーの様子

11渚カヲルについて

12その他




>>直下

522 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/03/31(水) 12:42:18.95 ID:Q2QUh5+oO
5
523 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2021/03/31(水) 12:47:00.31 ID:sgmlGr3m0
10ヴンダーの様子

この世界が2週目の世界だったとは思わなかったですね。
だけど、シンエヴァ映画のほうは正直リセットしてなかったことにする、というのが好きではなかったので、
続いていく世界を見ていきたいです。
524 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2021/03/31(水) 13:54:22.67 ID:ZztAjCwS0


白綾波「ここでは、どんな風に生活してるの?」

シンジ「僕はね、ケンスケと一緒に要点観察って仕事をしてるよ。
    いろんなところを回って異常がないか調査する。

    ……外の様子とかは、知ってるんだっけ?」

白綾波「ええ。ヴンダーの内部の様子ならわかるから、少しは」

アスカ「一応みんな仕事してるけどね。
    それ以外はなんもないところよ。
    せいぜい最近まともな運動場ができたってことと……
    あとは誰かさんは釣りにいそしんでるみたいだけど?」

シンジ「あはは……あんまりうまくないけどね」

白綾波「そうなんだ。碇君が、釣り……?」

黒アヤナミ「……本なら、結構ある」

白綾波「本……?」

黒アヤナミ「図書館があるし、仕事の後とかは読む時間、いっぱいある」

白綾波「そう。

    あなたは、えっと」

黒アヤナミ「私は九番目」




白綾波「……なんて、呼べばいい?」




シンジ「っ、そう、だよね。
    名前、このままじゃ、よくないよね」

アスカ「あだ名でもつけてやればいいのよ。
    九番ならほら、何かしらね……
    ああ、吸盤になぞらえてタコスケとかね」

シンジ「アスカのあだ名はもれなく罵倒系だから駄目だよ」

白綾波「エコヒイキって呼ばれてた」

アスカ「そうね。あんたはそれで……?
    ……今はなんもひいきされてるなんてことないし、間違ってるわね」

シンジ(一応、その辺も考えてはいるんだ。
    てことは、ずいぶん前から僕の評価って変わってない?)
525 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2021/03/31(水) 13:57:32.15 ID:ZztAjCwS0

アスカ「一号と九号でいいんじゃない?」

シンジ「そんな安直な……」

アスカ「……じゃああんたは何かいい案あるっての?」

黒アヤナミ「……っ」フンス

シンジ「え、と」

シンジ(しまった。途中から普通に黒いアヤナミのこともアヤナミって呼んでたから、
    呼び分けること全然考えてなかった)

シンジ「あの、ごめん。
    よく考えたら僕も全然、思いつかない」

アスカ「はん、まだ案だけでも出してる私のほうがマシよね?タコスケ」

黒アヤナミ「……モヤモヤする。
      ……これが、憤り……」

アスカ「エコヒイキ、どう?」

白綾波「モヤモヤするわ」

アスカ「……あそ」



シンジ「……名前、かぁ」



1 一号 九号
2 白 黒
3 誰かに委託する
4 その他



>>直下
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