【安価】クロエ「リリウム魔法学校へ! これで最後!」【百合】

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205 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/05/10(月) 17:41:29.43 ID:Oamlo6ajO
イオモミってどっちも引っ込み思案のわがままボディだから痴漢(と言う名の痴女)に遭うこととか多そう
206 : ◆ZOSRNJGVq. [saga]:2021/05/10(月) 21:33:51.34 ID:WwwJwgXKo
すみません、今日も投下なしです!

>>204
ヒカリローラ、晶嵐は興奮した時に相手の胸を触ったりキスしたりはしてる気がします
性器への愛撫はほとんどしないイメージですね
アイリスリーケ間はゼーレがいなくてもラブラブなので、ゼーレがいない時でもキスしたりHしたり…?

ぼんやりですがそんなイメージです
207 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/05/11(火) 00:56:48.96 ID:9BV0r5r6O
なんとなくだけどウィン&嵐の師弟組は作中トップクラスの受け適性持ってそうな気がする
特にナナ以外じゃ感じられないように調きょ……特訓されたウィン
208 : ◆ZOSRNJGVq. [saga]:2021/05/13(木) 20:59:46.72 ID:0ZniwTaco
すみません、中々筆が進まず投下できません…
もう少しお待ちください
209 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/05/15(土) 20:27:09.82 ID:a3jzlb4tO
私松輪
210 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/05/16(日) 17:47:06.57 ID:qDlMitQOO
ヴァンプとイアの見てて思ったけど、後の代で
ハンターとか対魔師みたいな存在が吸血鬼の噂を聞きつけor周辺住民から依頼されて狩りに赴く

無害な存在と知りいちゃラブちゅっちゅで子供も産まれる

そこから転じて『吸血鬼は相手を魅了する力がある』『吸血鬼に血を吸われると眷属にされる』という間違った噂が広がり一層恐れられる
って勘違いが起きてそう
あとなんとなくだけど楓のマホリオの強さ考えると雨宮家の御先祖様(吸血鬼じゃない方)って案外そういう家系だったりかも
211 : ◆ZOSRNJGVq. [saga]:2021/05/19(水) 21:15:58.37 ID:7u5y9lyyo
エピソードアフター
  ゼレス・ケルキオンの一日


朝、窓から入る朝日に反応してまぶたが開きます。
ゆっくりと目を開けばそこには世にも薄くしい眠り姫……いえ、ステラさんがいました。
毎日同衾し抱き合うようにしながら寝ているので、毎朝幸せな寝覚めです。

「んん……ステラさん、朝ですよ」

あくびを噛み殺しながらステラさんの肩を揺すると、もぞもぞと布団の中で身じろぎしながらゆっくりとまぶたを開けました。

「んー……おはようございます、ぜれすさん……」

早起きの特権。寝起きのステラさんに、舌足らずに名前を呼んでもらえること。
ぽかぽかと胸の内が暖かくなって、ついついステラさんの頭を撫でてしまいます。
さらさらと流れるように髪が通り抜けて、撫でているこちらまで気持ちよくなってしまいます。

「んふふ……きもちいいです……」

うとうとと夢見心地の中、ステラさんが私の手を取り頬に擦り寄せてきました。
すべすべぷにぷに。こんな気持ちのいいものがこの世にあるとは。

「お、起きてください。二度寝しちゃいますよ」

永遠に触っていたいくらいでしたが、学校をお休みする訳にもいかないので気を強く持って喋りかけます。

「うぅ……はい……」

ぐっと体を起こして背を伸ばすステラさん。
入学から二年経ち、ステラさんは健康的に成長しています。
モコモコ生地のパジャマはしっかりと育った双丘に押され、その下の存在感を際立たせました。

「……ぜレスさん? 起きないんですか?」

ぽーっと眺めていると、ベッドから出ない私に問いかけが飛んできました。
のそのそと起き上がり、備え付けのシャワールームの洗面台で顔を洗います。
ぱっちりと目が覚め、そのまま歯磨きも。
そこまで済ませてからお部屋に戻ると、ステラさんはすでにパジャマを脱ぎ始めていました。
白地にピンクのレースがほどこされた可愛い下着が目に入り、反射的に目を逸らしてしまいます。
できる限りそちらを見ないよう制服に袖を通し、髪を整えてから一緒にお部屋を出ました。
212 : ◆ZOSRNJGVq. [saga]:2021/05/19(水) 21:17:10.22 ID:7u5y9lyyo
ぎゅっと手を握ると、暖かな手でしっかりと握り返してくれます。
食堂までそのまま手を繋いでいくと、トレーの置いてある台の前で少し問題が。

「……手、離したくないです」

それでもそのままでいる訳にはいかず。
パッと手を離すと、言いしれぬ寂しさを感じてしまいます。
急いでご飯を用意し、隣同士に座ります。

「いただきます」

声を合わせて挨拶。
私の朝食はトーストとココアだけの簡単なもの。朝はあまりお腹が空かないので、大抵はこんな感じになるのです。
隣を見ると、ステラさんはフルーツ入りのシリアルを食べていました。
牛乳に髪が付かないよう、耳に髪をかけて……。

「あむっ……」

その仕草がなんだかとても色っぽくて、ついドキドキしてしまいます。
気取られないようパクパクと食べ進め、やがてお皿は空になりました。
お部屋で授業の準備をして、校舎へ。
そして授業中。
このときばかりは私も惚気けてはいられません。
しっかりと先生の話を聞き、ノートにメモをとっていきます。
ペンの音が響く教室。
周りに合わせて集中していれば時間はあっという間に過ぎ、放課後となりました。

「ゼレス・ケルキオン先輩ですね」

廊下を歩いていると、後ろから知らない生徒に話しかけられました。

「そうですけど……何か用ですか?」

「私と……マホリオで戦ってください!」

聞けば、その子は気鋭の新一年生らしい。
私達のチームと戦うことで、進学した先でも実力が通じるか試したいといったところでしょうか。
もちろん断る理由などありません。

「いいですよ。私達なら今日すぐにでも戦えますが」

「ではすぐに戦いましょう。私達も準備はできてます」

さて、久しぶりのマホリオです。
最近はマホリオではなく悪魔との実戦をしたばかりだから、事前に連携の確認をした方がいいでしょうか。
……すぐにそんな思考に切り替わる辺り、やはり私もマホリオ馬鹿のようです。
ママの顔が脳裏に一瞬浮かんで、ふっと自嘲気味に笑います。
さて、教室を覗いてチームメイトの二人にも声をかけると、やる気のある返事が返ってきました。
中庭に向かいながら、これからの戦いについて軽く打ち合わせをします。

「戦術は今まで通り、ラクリマさんが大将をお願いします。指示は私が出しますから、ゼレスさん、ラクリマさん、よろしくお願いしますね」

ステラさんのそのまとめを聞き終わると、ちょうど中庭にたどり着きました。
213 : ◆ZOSRNJGVq. [saga]:2021/05/19(水) 21:18:54.84 ID:7u5y9lyyo
先程の一年生の他に、こちらを見ている子が二人。彼女達がチームメイトなのでしょう。

「お待たせしました」

「いえ、準備もできましたから。この子が私達のチームの大将です」

背中を押されて一歩前に出てきたのは、一際小さな栗色の髪の女の子。おどおどとして気弱そうです。
握手しようと前に出ると、さらにその前にステラさんが身を乗り出します。

「よろしくお願いします。こちらが私達のチームの大将です」

なるほど、リーダーであるステラさんが大将の説明をするのは当然です。

「では始めましょうか」

その言葉と同時に空に浮きます。
ある程度の高さになったところで静止。

「試合開始です!」

「聖弾【ホーリーボール】!」

「炎盾魔法【フレイムシールド】!」

ステラさんの掛け声と同時に私が魔法を撃ち機先を制したが、盾役の反応が早く、盾に防がれてしまいます。
次に動いたのは私に声をかけてきた一年生。
杖の先端がこちらに向きました。

「麻痺魔法【パラライシス】!」

聞こえたのと右手の感覚がなくなったのは同時でした。
即座に杖を持ち替え、聖なる力で浄化します。
しかしその隙を見逃す相手ではありませんでした。

「炎弾【ファイアボール】!」

「ラクリマさん!」

「うん! 転板【チェンジボード】!」

咄嗟にラクリマさんが軌道をずらします。
そしてステラさんが間髪をいれずに魔法を放ちました。

「隕石魔法【メテオ】!」

上空から巨大な岩石を降らせる魔法。
宇宙にある魔力を持った岩石を引き寄せるこの魔法はとてつもなく強力で、半端な魔法では防げません。
それに対処するべく動いたのは、相手の大将でした。

「浮遊岩石【フロートロック】!」

学校の外の森から巨大な岩石が持ち上がります。
そしてそれは勢いを増しながら隕石に真正面からぶつかり、両者を粉々に打ち砕きました。

「岩石魔法【ロック】!」

砕けた岩の欠片が、意思を持ったようにこちらに向かってきます。
メテオを防御しつつ、さらに次の攻撃をすることまで考えられた良い魔法です。
ですが。
214 : ◆ZOSRNJGVq. [saga]:2021/05/19(水) 21:20:48.54 ID:7u5y9lyyo
「ラクリマさん、ゼレスさんの近くに!」

「う、うん!」

二人が寄ってきたのを確認してすぐ杖をかざします。

「神聖魔法【ホーリー】!」

私を包むように光が発せられ、それは周囲を見境なく攻撃していきます。
どれだけ多量の岩石でも一つ一つは小さな欠片。
私の光にぶつかったそばから力を失い、地面へと落ちていきます。
そしてさらに光が消えきらない内にもう一つ。

「極聖魔法【アフロディーテ】!!」

強力な光の塊が女神のような形をとり相手チームを襲います。

「麻痺膜【パラライシスフィルム】!」

「炎障壁【フレイムカーテン】!」

「巨岩兵【ゴーレム】!!」

膜に包まれ痺れて動きが遅くなり、炎の障壁を通った全身が燃え盛り、さらには巨大な岩石の兵士がぶつかってくる。
それでも私の魔法は消えることなく相手チームの元へとたどり着きました。

「きゃああああああ!」

相手の三人共が光に包まれ、悲鳴をあげます。
これで体内魔力が体を守るために消費され、相手は打つ手がなくなる。これがマホリオの決着です。

ーーーーー

「あ、ありがとうございました……!」

相手チームの大将の子が私にお礼を言います。
こちらも楽しかったし、バランスの良いチームだったと思う。

「あなた達、バランスの取れたいいチームですね。サポーターの麻痺魔法の子が全体を見て……炎魔法と岩石魔法の子が攻撃も防御もでき……る……」

私は少しずつ気圧されていました。
私が言葉を告げるたびに、大将の子が瞳をキラキラと輝かせていくからです。

「あ……あの……!」

気弱そうだと思った第一印象は私の勘違いだったようです。
ぐいぐいと身を乗り出し、私に迫ってきました。

「私、ゼレス先輩のファンなんです……! た、戦えて嬉しかったです……!!」

いつの間にか手を取られ、ぶんぶんと振られます。
なされるがままにされていると、ステラさんが横からそっとその動きを止めました。

「……ゼレスさんは私のです」

ステラさんはムッとした顔でそう言いました。
その言葉に胸がキュンとしてしまいます。

「す、ステラ先輩……」

たじっと一歩後ずさる一年生。
ステラさんとの関係はだいぶ周知されてしまっているので、この子もステラさんが私の彼女だとは知っているのでしょう。
しかしこうして直接目の前で怒られてしまい動揺しているようです。
215 : ◆ZOSRNJGVq. [saga]:2021/05/19(水) 21:21:15.12 ID:7u5y9lyyo
「わ、私……!」

ふるふると震えていた一年生の子が、ぱっと顔を上げました。
その顔は先程よりもキラキラしているような……。

「ゼレステが大好きなんです! 目の前でこんなイチャイチャを見られるなんて……! もう……!」

自分の両肩を抱くようにし、くねくねと揺れる一年生。
そこに笑い声が聞こえてきました。この声はラクリマさんの声です。

「あははっ! ゼレスさんが取られるかと思ったらゼレステのファンって……!」

ひいひいと笑いながら、一年生の子へ向き直ります。

「面白いねー、君。これからもゼレスさんとステラさんのこと引っ掻き回していいよー」

「ダメですよ!」

私とステラさんのツッコミが被ります。
そのハモリにも「やーん♡」とくねる一年生。

「しかしさあ」

ラクリマさんが今度は私達の方へ向き直りました。

「ステラさん、最初の握手の時もゼレスさんの前に出て自分が握手してたよね」

「あ、あれは……視線からしてゼレスさんのファンなのかなと思って、なんだか握手してほしくなくて……」

「ほー」

ニヤニヤと口角を上げながら返事をするラクリマさん。
試合をする前からこの子が私のファンだと見抜いていたとは……ステラさん、すごい観察眼です。

「握手に嫉妬しちゃうなんて……ゼレステ……尊い……」

神聖魔法も撃ってないのに、なんだか一年生の子が光に包まれているような。
ちょっとした困惑を味わいつつも、一年生の子と別れ解散しました。
寮に戻る途中、ステラさんが口を開きました。

「ゼレスさんは有名人なんですから……あんまり誰にでもいい顔をしちゃ嫌ですよ」

「うーん……でもママもプロとしてファンサービスは大事だっていつも言ってますし……」

「うう……! な、なら! ファンサービスをした日は私のことをそれ以上に愛してください!」

……。
少しの間があってから、ステラさんの顔がみるみるうちに赤くなっていきます。

「い、いいい今のは言葉のあやです! ファンの人よりもちょっとだけでも特別扱いしてほしいだけで、愛してほしいって言うのはその……!」

慌てて弁明をするステラさんを見ていると、くすりと笑いが漏れてしまいます。
そっと腕を組んで、ない胸をぎゅっと押し当てます。

「たっぷり愛してあげますよ。ステラ」

なんて、呼び捨てしてみたりして。
さらに真っ赤になったステラさんのことを横目で見ながら、幸せな気分で寮へと戻りました。
216 : ◆ZOSRNJGVq. [saga]:2021/05/19(水) 21:21:52.35 ID:7u5y9lyyo
ベッドに一緒に横になり、ぎゅうっとくっつきます。
何度もキスをして、何度も愛を囁きます。
ファンサービスの対価ではありますが、そんなことがなくても私のステラさんへの愛は溢れて止まらないのです。

「ゼ、ゼレスさん、もういいですから……!」

気の抜けた声で弱弱しく反論をするステラさん。
これ以上辱めるのも可愛そうなので、改めて優しく抱きしめます。
といっても身長は私の方が遥かに低いので、抱きしめられているような形になりますが。

「おやすみなさい……」

「はい、ゼレスさん。おやすみなさいです」

そのままステラさんの甘い匂いを嗅ぎながら、ゆっくりと幸せな眠りに落ちていきました。

ーーーーー

その日、夢を見ました。
ステラさんと結婚し、幸せな家庭を築く夢です。
フリフリのハートマーク付きエプロンで晩御飯を作るステラさん。
その後ろ姿を眺めていると、腰に衝撃が。
下を見れば私とステラさんにそっくりな子供が二人。
直感で私達の娘だと分かり、ぎゅうっと抱きしめました。
暖かくて、柔らかで……そんな、幸せな夢でした。

ーーーーー

毎日ステラさんと愛を確かめ合い、幸せな日々を過ごしています。
こんな日常を送るようになるなんて、入学以前の私では信じられなかったでしょう。
同室が彼女でよかった。
本当にそう思います。

「ステラさん、朝ですよ」

「んんぅ……ぜれすさん、おはようございます……」

そんな彼女に、今日もまた恋をするのです。
毎日愛らしさが膨らみ、たまらないのです。
217 : ◆ZOSRNJGVq. [saga]:2021/05/19(水) 21:22:29.36 ID:7u5y9lyyo
お待たせして申し訳ありませんでした

ゼレスのとある一日のお話でした
218 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/05/20(木) 02:21:54.56 ID:7iHijL8d0
乙っつ
相変わらずの甘々空間に砂糖を吐きそう、よいぞ
219 : ◆ZOSRNJGVq. [saga]:2021/05/21(金) 22:54:57.98 ID:/QfwetMxo
エピソードアフター
  ティア・ソレルの一日


朝、自室で目が覚める。
ラクリマとの相部屋だが、彼女は今リリウムの寮にいる。
のそりと起き上がり、あくびを一つ。

「おはようございます……」

リビングに行けば、ママがお母さんの身だしなみを整えていた。

「おはよう、ティア。……はい、お母さんできたわよ」

「ん、ありがとう」

そして自然にちゅっと口づけを一つ。
あまりの熱々ぶりに、見ているこちらが照れてしまう。

「今日は3限目からだっけ?」

「はい。大学の図書館に用があるので、少し早めに行こうと思います」

すでに用意してあったフレンチトーストをミルクで流し込みながら会話をする。

「そう。私達はもう行くから、戸締まりだけよろしくね」

そう言い残し、ママとお母さんは手を繋ぎながら外へと出ていった。
……昔から仲良しで、いつまでたっても愛し合っている。素敵な嫁妻(ふさい)だ。
いつか私もアルシェとあんなふうに……。
ぽっと頬が熱くなる感覚に、手でパタパタと顔を扇ぐ。
さて、朝ごはんを食べたあとは大学の準備だ。
必要なものをカバンに詰め、外に出る。
大学は電車で一本でいけるところにあるので、時間さえ間違わなければ乗り継ぎに失敗したりという心配はない。
目的の時間のものに乗って、空いている座席に座る。
カタンカタンと揺られていれば、ス魔ホにメッセージが入ってくる。

『図書館でお待ちしてます』

内容はそれだけ。
スタンプで返信をし、ス魔ホをカバンにしまう。
しばらくして降りる駅のアナウンスが流れ、無事に大学へとたどり着くことができた。
220 : ◆ZOSRNJGVq. [saga]:2021/05/21(金) 22:55:38.46 ID:/QfwetMxo
迷うことなく図書館にたどり着き、目的の人物を探す。
キョロキョロと見回していれば、後ろから肩をとんと叩かれた。

「こんにちは、ティアさん」

「こんにちはです、ナナ先輩」

声の主は私の探していた人物、ナナ・ヴァーミリオン先輩だった。
ウィンさんのためにバックアップチームに入る勉強をしているナナ先輩は、私より一年早くこの学校に入学していたのだ。
入学当初声を出せなくて困っていた私を助けてくれ、それからよく会うようになったのである。

「それでは早速ですが、おすすめの参考書を紹介しますね」

今日はナナ先輩おすすめの本を紹介してもらう約束だった。
ナナ先輩の彼女であるウィンさんはマホリオに夢中になりすぎてよく無茶をするので、いろいろな知識を身に着けてそれに追いつこうと様々な本を読んでいるらしい。
結果として良い成績を残し実技にも役立っているとのことなので、ぜひ参考にしたいと話をしたら喜んで協力を買って出てくれた。
まずはテーピングや、杖やホウキの応急処置的な補強など、簡単だが大事なことは早い内から学ぶ方が良いとのことで、今日教えてもらう運びになったのだ。

「『処置大全』、『魔具修理の歴史』。この二冊がいいですかね」

ポンポンと本を渡される。
しかし処置大全はいいとして、修理の歴史の本は違うのではないだろうか。
そんな疑問が顔に出ていたのか、ナナ先輩が口を開いた。

「この本歴史書みたいな名前ですけど、修理の手順が詳しく書いてあるんです。序盤の方こそ他の木を用意してツギハギするという古風なものですが、近現代のページでは魔法や魔力を用いた簡素なものがまとめてありますから」

ぺらりと本をめくれば、なるほど確かに図解も載っていて分かりやすそうな本だった。

「ありがとうございます、参考にします」

ぺこりと頭を下げてお礼を言う。

「この本があった棚にはいろいろ参考になる本が多いので、もしそれで物足りなくなったり他のことを知りたくなったらここを見てみるといいと思います」

重ね重ねありがたい情報だ。
本当に頭が上がらない。
221 : ◆ZOSRNJGVq. [saga]:2021/05/21(金) 22:56:26.01 ID:/QfwetMxo
講義の時間が近づいていたので揃って図書館から出ると、外で何やら騒ぎが起こっていた。
なんでも子猫が木に登って降りられなくなり、ホウキで浮いて近づこうとしたらさらに逃げるように高いところへ行ってしまったとのことだ。
さらに追いかけて木から落ちては大変だし、今はとりあえず落ちたときに備えて何かクッションになるものを探しているらしい。

「ティアさん」

ナナ先輩がこちらを見る。
そうだ、私の魔法はこういう時に役に立つ。
コクリと頷くと、ナナ先輩が人混みに向かって声をかけた。

「こちらのティア・ソレルさんが浮遊魔法を使えます。ゆっくり降ろすので、どなたかキャッチをお願いします」

そう言うと、数人の学生を残し人混みがさっと数歩下がった。
魔法を使ったわけでもないのにキレイに人が動いて、不謹慎だけれど少し笑ってしまいそうになる。

「浮遊魔法【フロート】」

子猫を視界に捉えてそう呟けば、子猫がふわりと宙に浮く。

「にゃあっ!?」

ぱたぱたと小さな手足を必死に動かすが、空を切るばかりでなんの意味もなさない。
こんな時、リリウムで同室だったあの子なら上手く落ち着かせてしまうのだろう。

「……大丈夫ですよ、ちゃんとゆっくり降ろしますから」

魔獣への優しさが素敵な、ローラさん。
彼女のことを脳裏に思い浮かべながら優しく呟いてみる。
魔力が変質したのか、言葉が届いたのか、それは分からない。
だけど子猫は大人しくなり、下で待機していた学生の一人にしっかりとキャッチされた。

パチパチパチと、称賛の拍手がまばらに贈られる。
少し照れてしまうが、ぺこりと一つお辞儀を。

「ティアさん、よかったですね」

ナナ先輩が笑顔で私の隣を見る。
子猫をキャッチした生徒が、子猫を腕に抱えたままそこに立っていた。

「にゃぁ……」

撫でようと手を伸ばせば、それをぺろりと舐められる。くすぐったいが、それ以上に嬉しくなってしまう。
222 : ◆ZOSRNJGVq. [saga]:2021/05/21(金) 22:57:03.62 ID:/QfwetMxo
地面に降ろされた子猫は、逃げることなく足元にすり寄って来た。
どうやら懐かれてしまったらしく、数歩歩いてみても離れる様子が見られない。

「あらら、どうしましょうか」

元から人懐っこい子だったのか、ナナ先輩が撫でても嫌がることはない。

「にゃあぁ」

そこに、少し大きな猫がやってくる。
どうやらこの子猫の親らしい。
最後に背中を撫でてあげると、名残惜しそうにこちらを振り返りながらも親猫の元へと歩いていった。

「ばいばい」

手をふると、猫の親子は振り返って駆け出した。
もう木に登って怖い思いをしちゃだめだよ、と心の中で呟く。

「あ、ティアさん、時間!」

気づけば講義の時間が差し迫っている。
慌てて駆け出し、講義の行われる教室へと駆け込んだ。

ーーーーー

ーーー

223 : ◆ZOSRNJGVq. [saga]:2021/05/21(金) 22:57:52.98 ID:/QfwetMxo
その夜、自室のテレビでマホリオの試合を観戦する。
見るのはもちろんアルシェの試合だ。

アルシェチームの岩の魔法を使う防御役が落とされピンチに。
好機と見た相手チームが一斉に攻撃を畳み掛ける。

『殲滅魔法【デストロイ】!』

だが焦って一直線上に並んだのがマズかった。
アルシェの貫通力と破壊力のある魔法が放たれ、相手の攻撃魔法をかき消していく。
相手は焦っているのか、攻撃の後すぐに防御魔法を展開することができてない。
そのまま大将までをも飲み込み、決着がついた。

『試合終了!』

ほっと一息。
勝ってくれて嬉しいが、それ以上にあの活躍には眼を見張るものがあった。
アルシェが人数の差による劣勢に焦り、しっかりと魔力を練れていなければ結果は逆だっただろう。
しかし冷静に処理し勝ちを掴んだのだ。

感傷に浸っていると、ス魔ホがブブブと震える。
ディスプレイに映った文字を見て、慌てて電話に出た。

『ティア』

「アルシェ、お疲れ様です! かっこよかったです!」

『……ん、嬉しい』

電話越しでも少しニヤけているのが分かる。
愛しさが膨れ上がり、胸がきゅうと締め付けられる感覚。

「……好きです」

『アルシェも、ティアのこと好き』

会いたい。会って抱きしめて、キスもしたい。
大好きすぎてどうにかなってしまいそうだ。

『……そろそろ電話切らなきゃ。明日も練習だから……』

「……はい。じゃあ、また」

名残惜しくも電話を切る。
先程の試合で見せたかっこいい姿。そして、たった今聞いた甘い声。

「……ふぅ……」

吐く息に切なさが混じる。
次に会えるのはいつだったか。カレンダーを見ても、時計を見ても、まだまだ先のことなのは変わりない。

「早く会いたいです……」

そう呟けばス魔ホがメッセージの着信を知らせる。
通知を押してみれば、先程のメッセージアプリにアルシェからのボイスメッセージが届いていた。
再生のボタンを押して耳に近づけてみる。

『おやすみ、ティア。……大好きだよ』

優しい声と、囁き声。
二つの声に背中が震えてしまう。
あの人はどれだけ私に好きをくれるのだろう。
たまらずベッドに潜り込む。

「……好き、大好きです……っ」

きゅんきゅんと心臓がうるさい。
それでもまぶたを閉じれば眠気がやってきて、やがて眠りに落ちていった。
224 : ◆ZOSRNJGVq. [saga]:2021/05/21(金) 22:58:31.86 ID:/QfwetMxo
朝、気持ちのいい朝日を眺めながら起床する。
すごく深く眠れた。それもこれも昨夜聞いたボイスメッセージのおかげだろう。

「アルシェのために、お勉強頑張らないと……!」

ふんすと気合をいれる。
あんなに可愛い子、放っておいたらチームメイトやファンに迫られてしまう。
一刻も早くバックアップチームに入らなければと思わせる子だ。

もちろん気が緩んでいた訳ではないが、改めて気が引き締まる思い。
次に合う日までに、もっともっと勉強しよう。
そしてアルシェと思い切りいちゃつくのだ。
さて、今日は一限目から。

「いってきますっ」

私にしては大きな声を出して外に出る。
晴れやかな未来を信じて、一歩を踏み出した。
225 : ◆ZOSRNJGVq. [saga]:2021/05/21(金) 22:59:05.78 ID:/QfwetMxo
以上、ティア・ソレルのとある一日でした
226 : ◆ZOSRNJGVq. [saga]:2021/05/22(土) 08:47:06.53 ID:EVuOxonjo
すみません、ティアの浮遊魔法は生物は浮かせられないんでした…致命的なミスをしてしまいました
木の枝を魔法を使って折って、それに浮遊魔法をかけたと読みかえてください

本当にすみませんでした
227 : ◆ZOSRNJGVq. [saga]:2021/05/23(日) 00:07:49.40 ID:okT5C2TXo
エピソードアフター
  クロエ・アートルムの生まれた日


私は休日を利用し、両親の元へと出かけていた。
街のハズレにひっそりと佇むアパート。その一室が両親の住む家だ。

「お邪魔するわ」

「クロエ! いらっしゃい」

玄関を開けると、まずはクロナママが出迎えてくれた。
部屋の奥ではエリクシールお母さんが眼鏡をかけて本を読んでいたが、私が来たことに気づくと眼鏡を外して笑顔で駆け寄ってきてくれた。

「今日はお母さん達と過ごそうと思って。いいところのケーキも買ってきたのよ」

しっかりと冷却魔法の効いた箱をそっと置き、中を見せる。
私の両親ならばきっと……。

「おおー! 私達の好きなケーキばっかり!」

「ほんと。チョコケーキに、コーヒーゼリー。これは……チョコプリンのアラモードかしら?」

黒いものが好きだという読みは当たっていた。
私が心くすぐられるものを選んだが、やはりママもお母さんも似た嗜好らしい。

「さ、食べましょ。いろいろ聞きたいこともあるの」

それから甘いケーキに舌鼓を打ちつつ、私の昔のお話しをしてもらった。
生まれも育ちもこの近くで、カーラ先生のところに預けられた日と誕生日が一緒らしい。
カーラ先生は施設に預けられた日を誕生日としてみんなのことをお祝いするが、私の場合は本当に誕生日だった訳だ。
そしてその日はもう間もなくやってくる。

「ありがたいことに、リリウムの同級生がたくさん集まってお祝いしてくれるみたいなの。ふふ、今から楽しみ」

そう言う私の隣にママが寄ってきて肩をくっつけた。

「クロエ、どんどん幸せになってね。私達はあなたが元気でいてくれたらそれだけで幸せだし……そんな素敵な笑顔をたくさん見せてくれたらもっと幸せだから」

お母さんもそっと頭を撫でながら言う。

「クロエには生まれや闇魔法のことでたくさん悩ませてしまった。……そう思っていたけど、それ以上に強く育ってくれたわ。クロエ、良い子に育ってくれてありがとう」

むずむずとした嬉しさが、ついつい口角をニヤつかせる。
恥ずかしさのあまり二人にぎゅっと抱きつくと、部屋の中に笑い声が響いた。

ーーーーー

ーーー

228 : ◆ZOSRNJGVq. [saga]:2021/05/23(日) 00:08:29.62 ID:okT5C2TXo
リリウム魔法学校ーー


樹「えー……こほん。クロエさん、ステージへ」


クロエ「え、ええ」


ざわざわ ざわざわ


樹「本日は元在校生であるクロエ・アートルムの誕生日パーティーに来ていただき、ありがとうございます」


クロエ「…………」


わらわら わらわら


クロエ(……多すぎない?)

クロエ(あの戦いをテレビで見た人もどうぞリリウムへって触れ込みだったけど、体育館がいっぱいじゃないの)アセアセ


樹「皆さん、ぜひ、クロエさんのことをお祝いしてあげてください。では……誕生日おめでとう! かんぱーい!」


誕生日おめでとー!!


クロエ「あ、ありがとう……」


樹「それじゃあステージを降りて。好きなだけいてくれていいからね」


クロエ「ええ。ありがとう、校長先生」タタッ


ーーーーー


楓「こっちこっちー!」


クロエ「楓! それにデンも!」


デン「クロエさんの誕生日を祝うって伝えたら練習取りやめになってね。英雄のお祝いなら行ってこいって」


クロエ「えいゆう……」


レナ「『百億人の魔力を束ね、恐るべき世界の破滅を防いだ英雄』……どこの誰が言い出したか知らないけど的確じゃない?」


晶「アートルムの名を継ぐ伝説って呼ばれてるのも聞くな」


クロエ「アートルム……それは嬉しいわね」


嵐「そんなことより、はいこれ! 俺達チームからお祝いだ!」


クロエ「マホリオ名鑑? 持ってるけど……」ペラペラ

クロエ「こ……これは!」


嵐「ウィンさんとか、ヴィーネさんとか……クロエにサイン書いてもいい人を募ったらこんなんになっちゃったんだ」


クロエ「いろんな選手の欄にサインが……! すごいわ! プレミアなんてもんじゃないわよ!」


デン「プロでも話題なんだよ。クロエちゃん可愛いとか、一度戦いたいとか」


楓「って訳で誕生日おめでとう! これからもいい友達でいてくれよな」ニッ


クロエ「ええ、もちろんよ!」ニコッ
229 : ◆ZOSRNJGVq. [saga]:2021/05/23(日) 00:09:01.44 ID:okT5C2TXo
ーーーーー


凜華「久しぶり、クロエさん」


クロエ「凜華! なんかさらに美人になったわねえ……」マジマジ


舞「むー……」ギュッ


クロエ「おっと、とったりしないわよ。演劇界最高のカップルの邪魔はしないわ」


モミジ「クロエさん、私達からはこれをあげるね」ジャラッ


イオ「よいしょ……。これもどうぞ」ガチャガチャ


クロエ「箱? それも2つも……」


舞「中には創作のネタに使えそうな道具を入れておきました。脚本家の方の本も入ってるので、よかったら参考にしてみてください」


くるくま「私達も選んだから、ちょっと量が多くなっちゃったんだ」


アルト「ご、ごめんね……でもどれもいい物だから……」


クロエ「せ、先輩まで……! 嬉しいわ、ありがとう!」


凜華「脚本の勉強もしてるんだもんね。いつか大きな舞台で、クロエさんの書いた台本を演じてみたいな」


クロエ「そのためにはちゃんと勉強しないとね。待ってなさい、凜華」


凜華「うん、楽しみにしてるよ」


百合江(その中には私の入れた百合小説の書き方読本も……。しっかり読み込んでくださいませ)ニッコリ


ーーーーー


ティア【クロエさん、これをどうぞ】


アルシェ「たくさん選んだ」フンス


ティア【アルシェおすすめのお菓子詰め合わせです】


クロエ「アルシェのお墨付きなら間違いないわね」


ナミネ「私達からは文具の詰め合わせです」


ラミー「いろいろ入れたから使ってみてね」


クロエ「ナミネとラミーさんまで……! ありがとう!」


ーーーーー
230 : ◆ZOSRNJGVq. [saga]:2021/05/23(日) 00:09:33.37 ID:okT5C2TXo
ノワール「クロエ、久しぶり!」


イリス「お久しぶりです」


クロエ「二人とも変わりないみたいで安心したわ」


イリス「私からはまず喉飴です」


ノワール「で、私からは栄養ドリンクと湿布薬」


イリス「舞台では体も喉も使うでしょうし、ぜひ使ってください」


クロエ「これ……高い喉飴じゃない。ありがたく使わせてもらうわ」


ノワール「うーん……世界を救っちゃってからあんまり会ってなかったから、もしかしたらすごい調子乗った嫌な奴になってるかと思ってたけど……」


イリス「そんなことありませんでしたね。クロエさんはどこまでいってもクロエさんです」


クロエ「二人は私をなんだと思ってるのよ……。イリスの時だって恩着せがましくなったりしなかったでしょ」


イリス「ふふっ、知ってますよ。でもさすがに世界を救ったんですから、何か変わってるかもとは思ってたんです」


ノワール「でもクロエのまんまで安心した。……お誕生日おめでとう、クロエ」


クロエ「ありがとう。二人とも、仲良くやるのよ」


イリス「はいっ」


ーーーーー
231 : ◆ZOSRNJGVq. [saga]:2021/05/23(日) 00:10:12.92 ID:okT5C2TXo
ステラ「クロエお姉ちゃん」


クロエ「ステラ。久しぶり」


ステラ「はい、お久しぶりですっ」


ぜレス「私達から……というより、リリウム在校生からのプレゼントです」ガサッ


ラクリマ「みんな思い思いのもの詰め込んだらめちゃくちゃになっちゃいました」


ぜレス「新入生の中にクロエ先輩のファンという人が何人もいて……その子達からはぬいぐるみとかケーキとか……かなり凝ったものを預けられてます」


クロエ「嬉しいわ。ちゃんと一つ一つ確認させてもらうわね」


きゃーっ!


クロエ「……今遠くから歓声をあげたのがファンの子?」


ぜレス「……ですね」


クロエ「もしかして盗聴魔法とかかかってる……?」


ラクリマ「その可能性は大いにあります! なんたってファンですから、行き過ぎた情熱は……!」


ノルン「怖がらせちゃダメだよ〜」


クロエ「あら、ノルン」


ノルン「お久しぶりです〜。ちょっと寝過ごして今までお部屋に〜……」

ノルン「ま、ノルンのことはともかく、盗聴や盗撮に関しては心配いらないと思いますよ〜。校長先生が預かる段階でチェックしてるので、危険なものは弾かれてるはずです〜」


クロエ「じゃああの子はめちゃくちゃ耳がいいのね……」


そうでーす!


クロエ「……くすっ」フフッ

クロエ「ありがとねー! 大事にするわー!」


きゃーーーーっ!!!


クロエ「おおう、すごい歓声……」


ーーーーー
232 : ◆ZOSRNJGVq. [saga]:2021/05/23(日) 00:10:59.61 ID:okT5C2TXo
寮、元クロエとヒカリの部屋ーー


クロエ「あの後も山程貰っちゃったわ……運送会社さんに任せたけど、確認するのは大変そう」


ヒカリ「クロエ、すっかり皆のヒーローだね」


ローラ「確かに暗黒樹と戦うクロエちゃんはかっこよかったけど、急に人気者になっちゃって少し寂しいな……」


クロエ「私の一番の特別は二人だけよ。たくさんの人から好かれても、絶対にそこは変わらない」


ローラ「うん」


ヒカリ「クロエのそうやってきっぱり言い切るところ、かっこよくて好きだなあ……」スリ…


クロエ「んふふ、くすぐったいわよ」ナデナデ


ローラ「クロエちゃん……」ギュー


クロエ「……ローラ」チュッ


ローラ「ん……っ」


ーーーーー

ーーー

233 : ◆ZOSRNJGVq. [saga]:2021/05/23(日) 00:11:26.85 ID:okT5C2TXo
ローラの小さくて可愛らしい唇を何度も啄むようにする。
寄りかかってきていた腕からはだんだんと力が抜けて、私にされるがままだ。

「ん、ふぅ、ん……!」

顔を離せば、真っ赤な顔で荒く息を吐くローラの姿が。
そのまま襲いかかりそうになったが、後ろから柔らかな感触に包まれる。
私にはない大きな塊が二つ、背中に遠慮なく乗っかってくる。

「クロエ……ボクも……」

「もちろんよ、ヒカリ」

前に回された腕をそっとほどき、振り返る。
待ちかねたように唇を重ね合わせ、それだけではなく舌までも絡ませてくる。

「れろ、ぢゅう……」

負けじと舌を動かせば、不意にかくんとヒカリの力が抜ける。
舌の根元をぐりぐりとこすれば、さらに腰まで震えさせ始めた。

「ぷは、はあ、はあ……」

口を離すと、私達の間に透明な糸が引く。
それをぷつりと途切れさせるように、今度はローラが唇を重ねてきた。

「あぅ……ローラさんばっかり……」

ローラとキスをする私を見て、ヒカリが少し恨めしそうにしている。
そんなヒカリに向かい手招き。
なんの疑問も持たずに寄ってきたヒカリの胸を服の上から撫でた。

「ひゃっ……!」

ふにふに。
口も、手も、二人の彼女に包まれている。
こんな幸せなこと、他の人は味わえないだろう。

「んじゅ、れろぉ……」

ローラの歯はヒカリのものに比べると小さくて、つるつるとなぞっているだけですぐに頬までたどり着いてしまう。
その感触を楽しむ傍ら、ヒカリの胸を触ることも忘れない。
下着越しとはいえ、あまりの柔らかさに指が沈みこむかのようだ。

一通り楽しんでから体を離すと、二人ともとろんとした顔で息を荒くしていた。
ローラの洋服に手をかけ脱がせていくと、気合の入ったピンクの下着が現れる。

「こんなにフリフリで……しかもここなんかちょっと透けてるじゃないの。……勝負下着?」

わざとらしくそう聞けば、耳まで赤くしてコクリと頷く。
ヒカリにも手を伸ばし服をまくり上げれば、今度は黒くて大きな下着が現れた。
こちらもまたレースの凝った素敵な勝負下着だ。
234 : ◆ZOSRNJGVq. [saga]:2021/05/23(日) 00:11:55.84 ID:okT5C2TXo
じっくりと鑑賞しようと二人から距離を離せば、逆に両サイドから捕まってしまう。
そしてピッタリと息の合った連携で、私もすぐさま下着姿にされてしまった。

「クロエちゃんも可愛い下着だね……」

「黒いフリフリ付きの下着……クロエらしいね」

……私もこうなることを期待していなかった訳ではない。
こうして三人が揃って泊まる約束をするなど、なかなかないことだ。
だからこそ、三人共が気合の入った下着を用意し、今こうしてそれを晒し合っている。

「んっ……」

ふにゅりと下着の上から胸を触られる。
結局リリウム在学中は育つことのなかった平坦な胸。それでも二人は愛おしそうに片側ずつ触ってくる。

「こんなっ、無い胸触って……っ、楽しいの……?」

「「もちろんっ」」

二人の声が重なる。

「触って声を我慢してるクロエちゃんも」

「耐えきれなくて体が震えてるクロエも」

二人の顔が両耳に近づく。

「「大好き……♡」」

「ーーー〜〜〜っ!!?」

ぼそりと囁かれただけで、背中が大きく跳ねた。
体の芯が震えて熱くなる。

「な、なんなのよ、そのコンビネーションはぁ……」

体に力が入らずなされるがままにされていれば、残った下着すらも抜き去られてしまう。
上半身を後ろに倒すようにヒカリに後ろから支えられ、下半身はだらしくなく開かれたままローラに顔を近づけられる。
ヒカリがゆっくりと手を伸ばし、私の胸に触れる。

「ひゃっ……!」

ぴんぴん、と指で乳首を弾かれる。
ぴりぴりとした快感が断続的に与えられて、目元がチカチカしはじめる。

「あ……とろとろし始めた」

ふーっと秘所に息を吹きかけられて、足を閉じてしまいそうになる。
だがそれを押さえられ、ローラの口が近づく。

「……ちゅっ」

「んっ!」

びくんと腰が跳ねる。

「ぺろ、ちゅうぅ……」

じわじわと熱が高まる。
腰の奥から生まれた快感が全身を巡り、気を抜けば爆ぜてしまいそうだ。

「は、あ、だめ、だめだめだめ……っ」

ふるふると頭を振るが、二人の動きは止まらない。
ヒカリが優しく胸を触りながら、首元にキスを落としてくる。
ローラは舌の動きを止めることはない。

「ひっ、あっ……! う、んぅ〜〜〜っ……!♡♡」

足がピンと伸び、視界がパチパチと明滅する。
少しの間その浮遊感に体を任せ、くたりと力を抜けば笑顔の二人に見つめられていた。
235 : ◆ZOSRNJGVq. [saga]:2021/05/23(日) 00:12:23.82 ID:okT5C2TXo
「かわいいよ、クロエ」

ちゅっと右頬に。

「クロエちゃん、かわいい」

今度は左頬。

未だに荒い息を吐きながら、なんとか体を起こす。

「とりゃー!」

二人に襲いかかると、きゃーっと可愛らしい声を出して二人ともベッドに寝転んだ。
ぐいぐいと二人の下着をずりあげると、それぞれの膨らみがぽよんぷるんと柔らかにまろびでてきた。

「ちゅうっ」

ローラのに吸い付き、ヒカリのは手で楽しむ。
我ながら器用に体を動かせているものである。
時々顔と手を入れ替え、二人に均等に触れていく。

「んんぅ……クロエちゃん……」

もそもぞとローラが体を動かし、下に残った布を足から抜く。
くぱあと開かれたそこは物欲しそうにひくついている。

「クロエちゃんの舐めてた時からこうなってて……もう触ってほしいよ……」

つう、と垂れた愛液がシーツに小さくシミを作る。
ヒカリに視線をやれば、ヒカリのショーツにもシミができていた。

「ヒカリも脱ぎなさい。二人とも一緒に気持ちよくしてあげる」

そう言うとヒカリもするりとショーツを脱ぎ、恥ずかしそうにしながらも足を開いてくれる。
肉厚なヒカリと、肉の薄いローラ。どちらもいやらしく秘所をぬめらせ、今か今かと私のことを待っている。

中指をそれぞれにあてがい、ゆっくりと挿れていく。

「んっ、ふぅ……!」

「あっ、クロエちゃ……っ!」

左手がふわふわと、右手がきゅうきゅうと締め付けられる。
ちゅこちゅこと前後させれば、二人とも気持ちよさそうに反応を返してくれる。
それが可愛くて、またさらに指を動かしてしまう。

「あ、指……っ!」

にゅぷっともう一つ指を挿れてみる。
すんなりと受け入れてくれて、とろとろと絡みついてくる。

「あっあっあっ……!」

「ひう、あっ、うぅ……!」

熱に浮かされた二人の視線が交わる。
そしてどちらからともなく顔を寄せ、そのまま舌を絡ませ合う。

「ちゅう、んれぉ、ちゅうう……!」

「んぅ、しゅき、はう、んんぅ……!」

最愛の二人が目の前で舌を絡ませあっている。
ゾクゾクと背中を走るものがある。

「いやらしすぎるわよ、二人とも……! イっちゃいなさい!」

指を激しく動かし、壁をこする。
親指でクリトリスを刺激することも忘れない。

「ひゃ、あっ、ちゅ、ちゅう……! イくっ、イッ……! ん〜〜〜〜っ!!♡♡」

「クロエひゃ、ちゅ、んんぅ……! もう、あっ、ふぁぁあああっ!!♡♡」
236 : ◆ZOSRNJGVq. [saga]:2021/05/23(日) 00:12:53.34 ID:okT5C2TXo
ぎゅうううと指が締め付けられる。

「あ、ぅっ……♡」

体をひくひくと震わせる二人。
強い刺激を与えないよう、ゆっくりと指を引き抜く。
ぬぽんっと指が抜けると、二人とも最後に体を大きく震わせた。

「はあ、はあ……っ」

未だにぽーっとしている二人の真ん中に寝転がる。
行為で上がった体温が心地よく、かいた汗が冷えないようシーツを被る。

「……幸せねえ……」

二人にキスを落とせば、気がついた二人も笑顔を返してくれる。

「ずっと幸せでいようね、クロエ」

「これからもよろしくね、クロエちゃん」

そして二人からも両頬にキスが。

まぶたを閉じれば、体を動かした疲労からかすぐに睡魔がやってくる。

この学校に入学してから、いろいろなことがあった。
闇を制御するために闇の試練に挑み、力を付けてしまった悪魔と戦い、魔王と戦い、そして暗黒樹の暴走を止めた。
そのどれもが一筋縄ではいかないことばかりで、だけれどそのどれも無事に解決してきた。
こうして生まれた日を様々な人に祝ってもらい、愛する彼女二人と肌を重ね合わせる。

充実した人生だ。

これからもうまくいかないことはあるだろう。だけど、どうにかなる気がする。
この二人がいてくれて、たくさんの友達がいてくれて。
これからも自分の人生を歩いていく。
いろいろな人と関わりながら、ぶつかりながら。

「おやすみ。ローラ、ヒカリ」

温もりに抱かれ、眠りに落ちていく。
明日からもまた一日が始まる。だけれど今この時だけは、二人のことだけを感じていよう。

「おやすみなさい、クロエちゃん」

「おやすみ、クロエ」

これはクロエ・アートルムのとある一日。
クロエ・アートルムが生まれた日のお話。
237 : ◆ZOSRNJGVq. [saga]:2021/05/23(日) 00:13:57.93 ID:okT5C2TXo
以上、クロエ・アートルムの誕生日でした
238 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/05/23(日) 01:29:14.15 ID:ZmDhfQc60
とてもよき.....
239 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/05/23(日) 08:06:52.74 ID:NCTTLC+iO
よいぞ……よいぞ……

あとティア投稿した者の意見だけど、魔法が成長した+修学旅行の時の強化の影響で生物もある程度浮かせられるようになったと考えれば大丈夫だと思う
240 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/05/24(月) 10:31:22.58 ID:cD+p/+rJO
この3人がなんだかんだですき
241 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/05/24(月) 11:04:43.49 ID:6V8t8HoDO
とても良い番外編ありがとう
242 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/05/26(水) 10:43:28.31 ID:xM4cbAqRO
橘花とエミールの一週間パルプンテ実験(という名のいちゃラブデート)とかどうかな
本編では何が起こるかも安価指定だったけど、>>1ならパルプンテでどんなハプニングを起こして百合に繋げるのかを見たい
243 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/05/29(土) 12:52:32.76 ID:FqIiFjh8O
エピソードゼロで不死鳥関連の話とか
244 : ◆ZOSRNJGVq. [saga]:2021/05/30(日) 15:58:18.67 ID:5wsibl0go
>>242,243
すみません、いろいろと展開を考えたのですがお話が思いつかず…
書こうと思っていた小ネタはクロエとローラヒカリの3Pで書ききったのもあり、これ以上は続けないかと思います
スレの本編終了から一月以上経ち、今なお読んでいただいて大変嬉しいです
小ネタの提供をしてくれる方や、投下後に感想をくれた方がいたのでここまで書くことができました
感謝の気持ちでいっぱいです!

話を1から考えるのが苦手な自分がSSを書けたのは、安価というシステムで皆さんから話のネタをもらっていたからです(橘花とエミールのパルプンテネタも結局自分ではネタが思いつきませんでした…)
本当に皆さんには頭があがりません
自分の作品や文体が好きだと言われることがこんなに嬉しいことだとは知りませんでした

突然の幕引きになってしまいましたが、本当にここまで読んでいただきありがとうございました!
245 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/05/30(日) 16:19:42.42 ID:5s2q+Y1y0
おつおつ
246 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/05/30(日) 22:23:35.57 ID:wN3T7Li5O

長編じゃなくてもいいから時々書きにきてもいいのよ?といっても今は皆渋行っちゃうんかなあ
247 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/05/31(月) 22:32:21.24 ID:GFFkVxtv0
afterもお疲れさまでした。楽しく読ませていただきました
248 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2021/06/15(火) 13:01:41.35 ID:Cw9L1YtqO
HTML依頼出してくださいなー
249 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/06/15(火) 13:17:29.24 ID:0/Q4jL4LO
板が分割されてから一度も処理されてないのにルールわざわざ守る必要ある……?
250 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/06/16(水) 23:28:14.82 ID:sLMCg8OWO
終わってたか

乙した
251 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/04/13(水) 19:14:48.74 ID:GiDz9jHgO
(ゼーレさん描いてみました)
https://i.imgur.com/a4SYMwN.jpg
252 : ◆ZOSRNJGVq. [saga]:2023/12/26(火) 20:13:26.80 ID:ExWUW4y1o
久しぶりにいちゃいちゃしたのを書きたくなったのでクリスマスネタで書きました
1日遅れてしまいましたが、よければお読みください
253 : ◆ZOSRNJGVq. [saga]:2023/12/26(火) 20:16:01.10 ID:ExWUW4y1o
♡クロエ、ローラ、ヒカリ、2年後のクリスマス♡

魔王の撃退と暗黒樹の鎮圧から2年。
それだけあれば世間は落ち着くようで、外出する度に囲まれるようなことはなくなっていた。

「慕われるのは嬉しいけど、出かける度に囲まれるのは困るものね」

それでも念の為にメガネと帽子で軽い変装をして街に繰り出す。
今日はローラとヒカリに会える、久しぶりのデートの日。
駅の広場のベンチに座り時計を確認する。
予定は11時集合だが、今はまだ10時半を過ぎたばかりだ。

(さすがに早くつきすぎたわね……)

そう考えていると、不意に視界が暗く染まる。

「だ〜れだ!」

「!」

この声、この手、私が間違えるはずもない!

「目を塞いでるのはヒカリ、声をかけたのはローラ。違う?」

ぱっと視界が光を取り戻し、2つの人影が私の後ろから現れる。

「正解! さすがクロエちゃん!」

「二人がかりでも分かっちゃうんだね」

胸がきゅううと甘く疼く。
久しぶりの二人の笑顔に口の端がニヤけてしまう。

「当たり前でしょ! 二人とも私の大切な人なんだから!」

もともと背が高くモデルのようだったヒカリは卒業後もさらに数センチ伸びたようで、美しさにさらに磨きがかかっている。
今日は背の中ほどまである綺麗な白髪のロングヘアを編み込み、ふんわりとした雰囲気に仕上げている。
太めのフチの伊達メガネと合わさってとても可愛らしい。
服装は緩めのロンTに下はパンツスタイルという極めて普通な格好なのに、脚が長すぎてスタイルの良さを隠しきれていないのが正直羨ましいところだ。
そのヒカリの綺麗な左手を取って握る。

ローラは身長的には大きな変わりはない。
綺麗な緑髪のポニーテールは今日は後頭部にシニョンでまとめられており、キャップも被ってパット見ではリーケ財閥のご令嬢とはバレなさそうだ。
ニットベストにロングスカートというガーリーな格好も、公式な場に出るときのゴージャスな雰囲気とはずいぶんと違う。私達だけが知っている柔らかな雰囲気のローラの可愛らしさが目に眩しい。
そのローラの可愛い右手を取って握る。

「……二人とも可愛すぎよ……幸せだわ」

「あははっ、大げさだよ」

「ボクはちょっと分かるかも。じわーって幸せな感じがする」

きゅうっと手に力を込めると、二人が優しく握り返してくれる。
だめだ、ニヤケが止まらない。

「と、とにかく行きましょう! ずっとここにいても迷惑だわ」

赤くなった顔を隠すように歩き出そうとしたが、二人の手がそれを許してくれなかった。
くんっと後ろに引っ張られ、両サイドから見つめられる。

「その前にボクらも言いたいことがあるんだけど」

「な、なに?」

真剣な二人の眼差しにたじろいでしまう。
どこを見ていればいいのか分からず視線を彷徨わせていると、二人がふっと笑った。

「クロエも可愛いよ。可愛すぎるくらい」

「下ろした髪アイロンでカールさせてて、ふわふわでお姫様みたい」

ずいずいと二人が顔を寄せてくる。

「ファーのついたジャケットもクロエらしくていいよね」

「ロゴTにデニムパンツでストリート系って感じなのに可愛すぎるよ!」

「す、ストップストップ!」

顔が熱い。ニヤニヤと見つめてくる二人の視線から逃げるように、二人の手を強く握り返す。

「も、もう! 二人とも行くわよ!」

「「はーい」」

今日はクリスマス。冷えた空気が頬の熱を奪ってくれるよう祈りながら、私は歩き出した。
254 : ◆ZOSRNJGVq. [saga]:2023/12/26(火) 20:16:42.00 ID:ExWUW4y1o
街のいたるところが赤と緑で彩られる日。
その浮ついた街から一度離れてマクベス・エスクルードハウスへと向かう。
道中の列車ではお互いにここ最近の近況を報告しあったりして。

「ヒカリはすごいわよね。毎月のようになんかの雑誌に出てるじゃない」

ヒカリは今や人気モデルの仲間だ。
なんでも、写真を通して見てもらったほうが、固有魔法関係なく評価してもらえるようで嬉しいらしい。

「ありがたいことにボクのファンって人も増えてきてるんだ。実力で評価してもらえるとやっぱり嬉しいね」

うむうむ。ヒカリは素敵な人なのだ。もっともっと世の中の人はヒカリの魅力に気がついた方がいい。
……ヒカリの一番大切な人のポジションは渡さないけど。

「ローラもすごいわよね。ふれあい型のアニマルカフェがちゃんと軌道に乗ったんでしょ?」

「うん! 不安だったけど上手くいってよかったよ」

リーケ財閥のご令嬢であるローラは、少しずつではあるが経営を学んでいるらしい。
ただそのまま事業を成長させるのではなく、新しいことにも挑戦しているとのことだ。

「ローラさんは学祭でも魔獣のふれあいコーナー企画したりしてたよね」

「実はあれが成功した時に、もしかしたら魔獣とのふれあいってみんなを癒せるのかもって気がついたんだ。だからその発想を元にしてみたの」

まさかそんな早くから事業を考えていたなんて。やはりローラはすごい。

「お母さんは魔獣保護の活動に力を入れてるけど、私は魔獣の魅力をみんなにもっと知ってもらいたいな。だからふれあいカフェとか、アニマルセラピーのハードル低下とかを頑張りたいのっ」

「すごいわローラ。頑張ってね」

ふんすと前のめりになるローラが可愛すぎて、ついつい頭を撫でてしまう。
えへへえと緩んだ声を上げるローラに二人でほっこりしていると、今度は私のことへと話題が飛んだ。

「でも一番すごいのはクロエだよ」

「私?」

ローラもこくこくと頷いている。

「クロエちゃん、毎日忙しいでしょ。大学のことだけじゃなくて、他にもいろいろ活動してるもん」

「闇魔法が怖がられたり、魔力欠乏症が悪いものって思われたりしないように、魔法について正しい知識をつけるための団体を立ち上げてたよね。すごいよ」

「ハイパー状態の研究のために、魔法庁とか出入りしてるらしいし……献身的でかっこいい」

「ファンのためにいろんなイベントにも出てるの、優しくて好きだな」

二人してペラペラと私を褒めてくる。
二人に見劣りしない人であろうと毎日一生懸命に動いていたが、逃げ場のない場所で褒め殺されるとは思っていなかった。
すごく嬉しい。嬉しいが、それ以上に照れてしまう。

「も、もういいから! 分かったから!」

二人が顔を赤くする私を見てニヤけている。
そんなこんなをしている内に段々と列車のスピードが落ちてきていた。
いつの間にやら目的の駅に到着したようだった。
255 : ◆ZOSRNJGVq. [saga]:2023/12/26(火) 20:18:03.27 ID:ExWUW4y1o
「クロエっ!」

「うぶぶ」

マクベスにつくと、カーラ先生に抱きすくめられる。
そして子どもたちがわらわらと寄ってくる。
これがここ最近のマクベスでの光景だった。
魔王との戦いで最前線にいた私が無事なのが嬉しいらしく、つい抱きついてしまうらしい。

「久しぶりです、カーラ先生」

「お久しぶりです」

二人が後ろでペコリとお辞儀をする。

「寒かったでしょう。どうぞ入ってください」

「はいってー!」

子どもたちもヒカリやローラに会えるのが嬉しいのか、にこにこと背中を押してくる。
食堂のドアを開けると、ひときわ暖かい空気が頬を撫でた。
暖炉の火を大きくしておいてくれたのかと優しさに思いを馳せたのもつかの間、色とりどりに飾り付けられたツリーが目に飛び込んできた。

「メリークリスマス! クロエお姉ちゃん! ローラお姉ちゃん! ヒカリお姉ちゃん!」

今度は私がみんなを抱きしめる番のようだ。
まずはぎゅっとカーラ先生にハグをする。

「ありがとう……。最高のクリスマスだわ」

「みんなで飾り付けをしたんです。お姉ちゃん達が来るなら頑張る! って」

いい子ばかりで涙が出そうになってしまう。
カーラ先生から体を離し、孤児院の皆を一人ずつ抱きしめていく。

「くるしーよー」
「ぎゅー!」
「クロエお姉ちゃん冷たいよ〜」

きゃっきゃと一通り盛り上がったあとはいよいよランチだ。
といっても、マクベスのクリスマスは夜が本番。
温かいシチューとパンを頂いて、それからしばらくは子どもたちと遊ぶことになった。

ーーーーー

ーーー



「もう行っちゃうのー?」

「ええ、ごめんね」

名残惜しそうな子どもたちの髪を撫でつけ、謝罪を口にする。あっ、カーラ先生が一番名残惜しそう。

「また近い内に来るからそんなしょんぼりしないの」

「はーい……」

荷物を持ち、玄関を出る。
名残惜しいのは私も一緒だが、いつまでもここにいるわけにもいかない。

「それじゃあ、またね」

マクベスに別れを告げて、私達は再び街へ足を運んだ。
256 : ◆ZOSRNJGVq. [saga]:2023/12/26(火) 20:18:31.76 ID:ExWUW4y1o
街につく頃にはすっかり日も暮れ、イルミネーションがそこかしこで光っていた。
しかし今日の目的はイルミネーションではない。
駅前のデパートで予約していたオードブルとケーキを受け取り、私の住むマンションへと真っ直ぐ向かった。
部屋に到着して真っ先にコタツの電源をオン。
荷物を置き、それぞれ変装用のメガネや帽子を外す。
一息つくためにコーヒーを淹れ、コタツに入ってからずずっと一口。

「ふう……」

「温まるねえ……」

「だねえ」

今日の目的は私の家でお泊りデートをすること。
忙しさを増す中、なんとかこぎ着けた3人一緒の休日。
観光や外食をするより、家でゆっくりしたいという意見で一致したのだ。
ゆったりした空気の中、テレビを点けてみる。
クリスマスのイルミネーション特集や生放送のバラエティ番組が流れていく。

「ふわ……」

あくびが出てしまった。
今日のために昨日までせわしなく動いていたからか、どうも眠たい。
しかしせっかく二人がいるのだ。
眠る……わけ……には……。

「……すぅ……すぅ……」

ーーーーー

ーーー



いい匂いがする。

「……おーい、クロエちゃーん……」

ささやき声とゆさゆさとした揺れ。
ゆっくりとまぶたを開けると、そこはリビングのコタツの中だった。

「あ……寝ちゃってたのね……」

「おはよう、クロエちゃん」

重たいまぶたをこすり、体を起こす。
コタツの上には温められたオードブルが用意されており、いつでも食べることができるようになっていた。

「疲れてたみたいだから少しでも寝かせてあげようってローラさんが。可愛い寝顔だったよ」

「うう……」

なんだか今日は恥ずかしいところを見られてばかりな気がする。
しかし今更恥ずかしがっても仕方がない。

「ほ、ほら食べましょ。せっかく温め直してくれたんだもの、冷めたらもったいないわ」

照れ隠しにチキンを口に運ぶ。美味しい。
その照れ隠しもバレているようで、微笑ましいものを見るような生暖かい視線に晒される。
気にすると余計に恥ずかしくなりそうなので、食事に集中することで視線を気にしないことにした。

ーーーーー

食事が終わり、デザートのケーキも美味しく頂いた。
その後から全員の口数が少しずつ減っている。
チラチラとお互いを牽制するように見つつ、でも口にはしない。

「お、お風呂入ってくるわね」

さて、このあとすることは決まっている。
臭わないよう念入りに体を洗い、あとの二人へとお風呂をパスする。
寝室で二人を待つ間にもどんどんと緊張が高まっていく。

そして。
257 : ◆ZOSRNJGVq. [saga]:2023/12/26(火) 20:19:12.49 ID:ExWUW4y1o
寝室のドアが開き、二人が姿を現した。
そわそわとして赤らんだ頬を見るに、ローラもヒカリも緊張しているようだ。

「二人とも、来て」

ポンポンとベッドを指し示すと、二人は無言で私を挟むように腰を下ろす。
まずはヒカリ。
そっと腰に手を回すとビクンと反応する。
ラフなシャツにショートパンツという格好だ。
裾から手を入れると、柔らかな腹筋に指がぶつかった。

「っ……ふ……っ」

お腹に触れているだけなのに口元に手をやって声を抑えようとするヒカリ。
あえて一度手を離し、ベッドから立ち上がってヒカリを正面に見据える。
そしてそのまま唇を奪った。

「んう……!」

柔らかい。甘い。脳が痺れる。

「ちゅ……れろ……」

このままいつまでもキスできそうだ。
しかしそうもいかない気配をすぐそばから感じる。

「むー……」

ローラがジト目でこちらを見ていた。
私もクロエちゃんとキスしたいのに〜、という心の声が聞こえてきそうだ。

「ぷぁ……。ローラ」

ちょいちょいと手招きすると、ぱあっと笑顔になって体を寄せてくる。

「ちゅー……んっ」

ぷるんとした唇。美少女は唇まで可愛いのか、なんて変なことを考えついてしまう。

「えへへ、久しぶりのクロエちゃんとのキス、幸せだなぁ」

真っ直ぐにそんなことを言われると少々照れくさい。
しかし私からしても二人との久しぶりの触れ合いは幸せの極みだ。

「私だって幸せよ。ローラ、ヒカリ、せっかく寝間着を着てくれたのに悪いけど……脱がすわね」

ヒカリのシャツをスポンと脱がし、ショートパンツもするりと脱がす。
ローラはワンピースタイプのパジャマだったので、肩紐を外してするりと脱がせた。

「……っ」

ヒカリが自分の胸を隠すように体をよじり、ローラも恥ずかしそうに胸の前で手を合わせる。
しかし両手で隠したところですべて隠せるわけもない。
ヒカリの大きな胸を包むのは、細かな刺繍の刻まれた深緑のフルカップブラだ。体をよじったせいで斜め向きになった胸はその大きさをこれでもかと見せつけている。
ローラの手の隙間からチラチラと覗いているのは、赤を基調にしつつ、ピンクのリボンが可愛らしいハーフカップブラだった。学生時代に比べてやや大きくなった膨らみを可愛らしく包んでいる。
258 : ◆ZOSRNJGVq. [saga]:2023/12/26(火) 20:20:02.10 ID:ExWUW4y1o
「二人とも、すごく綺麗よ」

ローラの胸の前で組まれた手をそっと解き、ブラジャーの下に手を滑り込ませる。

「んんっ!」

すでに期待で膨らんだ突起に指が引っかかり、ぶるりと体が震える。
追撃とばかりにキスを落とすと、さらに反応が大きくなった。

「ちゅう……っ、ん、ぅ……!」

「かわいい……ローラ……んぅ……」

ローラの息が浅くなったのを見計らい、きゅうっとつねる。

「んぅっ! ん、ふぅう……っ!!」

ビクン!と一瞬体を大きく強張らせ、ゆっくりとしなだれかかってくる。

「……も、もうイっちゃった……」

恥ずかしそうに小さな声で呟くローラ。
うっすらと汗をかいたその姿は、健康さと卑猥さを兼ね備えているように思えた。

「く、クロエ……ボクも……」

おずおずと体を近づけてくるヒカリ。
そして自らブラジャーを上に持ち上げ、ぶるんと大きな胸をさらけ出した。
ヒカリの桃色もまた起立しきっている。
あえて頂点には触れず、大きなお山を揉みしだいていく。

「あぅ……んっ……クロエぇ……」

もじもじと切なそうに内ももをこすり合わせるヒカリ。
ヒカリはなんというか、嗜虐心をそそられる。
いつもはしっかりもので優しいヒカリがベッドの上ではされるがままというギャップがそうさせるのだろうか。
あんまりいじめても可哀想なので、そっと頂点をつまんでみる。

「あっ……!」

ぎゅうっと背筋を反らせ、面白いほどの反応を見せる。
間髪入れずにもう片方を口にくわえて甘噛みしてみると、さらに高い声を上げ始めた。

「んくっ、はっ……ぁあっ……!」

ころころと舌でねぶると、ものすごい固さで主張してくるのが可愛らしい。
その感触を楽しみつつ責めていると、ベッドが軽く軋んだ。

「ぇ……ローラさ……んんぅっ! ちゅ、んぶ、ちゅうう……っ!」

おおっ。
上目遣いに見上げると、この世の楽園と見紛う光景がそこにはあった。
ローラがヒカリの両頬を抑え、キスをしていたのだ。

「れろ……ふふ、ヒカリさん可愛い」

「だめ、ローラさんっ、んんぅ、ちゅう……」

乳首をつまみ、もう片方は歯で軽く噛む。
ローラの動きに合わせて込める力を強くすると、大きな反応を見せてくれた。

「あ、んむ……! んぅ、ちゅ、んんんんんっ……!!」

体に力が入り、肩を強張らせる。
数秒たっぷりと体を震わせてから、ゆっくりと息を吐いた。

「はぅ……ふぅ、ふう……ボクもイっちゃった」

んぅっ、ともう一度軽く肩をビクつかせ、それから私を見つめてくる。
259 : ◆ZOSRNJGVq. [saga]:2023/12/26(火) 20:21:33.91 ID:ExWUW4y1o
「次はクロエの番だね」

「だね」

ヒカリに同調してローラもこちらに向きなおる。
無論触ってもらうつもりだったので、寝間着を脱ごうと手をかける。
私の寝間着はモコモコした、ボタン付きのスタンダードなパジャマだ。
しかし、一番上のボタンに手をかけた途端、ローラの手によってそれを阻止されてしまう。

「私達が脱がしたいな〜……いい?」

聞いてきてはいるが、すでにその手はボタンを外しにかかっている。
3つ4つと外されるうちに私の肌が外気にさらされていく。

「く……クロエちゃん!」

「な……!」

パジャマの下にはなにも付けておらず、ぴこんとした桃色が顔を出した。

「ぶ、ブラジャーは!?」

ヒカリがあわあわと焦っている。
身構える間もなく見せつけられるのは強烈だったらしい。

「結局大きくならなかったし、寝る時は邪魔だから付けてないのよ」

ふふんとパジャマの裾をひらひらさせてさらに見せつける。
こんな平らなものでも、二人とも興奮してくれているらしい。

「それにどうせ……そ、そういうことすると思ったし。ちょっとでも早く触ってほしかったから」

「クロエちゃんえっちすぎるよ!」

「きゃっ!」

ローラががばっと覆いかぶさってくる。
ちゅっちゅとキスの雨が降ってきて、徐々に体内の熱が高まってくる。

「んっんっ……ちゅ、ん……れろ……ぢゅるるっ」

そうこうしていると、仰向けに寝かされている私の下半身側にいつの間にかヒカリが移動していた。
するするとパジャマの下が脱がされていく。

「わ……濡れてるよ」

「んんぅっ!」

ふにふにと下着の上から秘裂を撫でられて、湿った感触が伝わってくる。

「ふふっ。クロエのことイかせてあげる」

しゅりしゅりとヒカリの手が上下する内に、耳に届く音が段々と変わってきた。
すりっすりっ。
しゅっしゅっ。
くにゅっくにゅっ。
くちゅっくちゅっ。
湿り気を帯び、粘性の高い音が耳を犯す。

「ふぅ……っ、ふう……っ! ん、ちゅ、ぢゅうう……れろれろ……っ」

その間もローラのキスは止むことはない。
いつの間にかローラの手が私の胸をふにふにといじり、それもさらに甘い痺れを私にもたらしてくる。
260 : ◆ZOSRNJGVq. [saga]:2023/12/26(火) 20:22:05.75 ID:ExWUW4y1o
「どんどん顔赤くなって可愛い……。んっ、ちゅうう……れろ、ぢゅる、くちゅ……」

「こっちもとろとろだよ。下着の意味がないくらい濡れちゃってる」

ぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅ。
ぢゅる、ぴちゃっ、ぢゅるるる。

「りゃめ、すごいの、すごいのきちゃ……っ!」

せめてもの抵抗の声は無視され、水音がひときわ激しさを増した。

「ちゅ、れろれろれろ……ぢゅ、ちゅううう……!!」

「えいっ」

ローラに思い切り舌を吸われ、突起をつねられる。
その瞬間にヒカリも下着の隙間から指を差し込み、淫核をつまみ上げた。

「ひっ、んっ!! ん、んんーーーーーーっっ!!!」

ビクン!
背中が跳ね、視界が激しく明滅する。
呼吸をしたいのに、ローラの甘い香りしか吸うことができない。
足は伸び切り、体の芯がきゅうきゅうと跳ねているのが分かる。
ぶる……っ、びくっ。
まだ快感が体を貫いている。
なにも制御できない。
腹筋がひくつき、なおも快感を欲しているかのようだ。
ひくっひくっ……。ふるる……。

「はあっ、はあっ……! あ、ぅう……! ん、くうぅ……っ!!」

快感の余韻がきゅううと体をもう一度震わせた。

「わ〜……」

「クロエ可愛すぎるよ……」

くてんとベッドに横たわる私を見て、二人が恍惚の表情を浮かべる。
だがまだここで終わるわけにはいかなかった。
261 : ◆ZOSRNJGVq. [saga]:2023/12/26(火) 20:22:47.92 ID:ExWUW4y1o
疲れた体を腕を支えに引き起こし、ヒカリにキス。
何度か口づけを繰り返すと、ヒカリの体から力が抜けていく。
そっと背中に手を当てつつ体重をかけると、いとも簡単にヒカリはベッドへと仰向けになってくれた。

「ローラ、こっちきて」

ちょいちょいと手招きすると、ローラが私の隣にやってくる。
その太ももに腕を差し入れ、軽い体を動かしていく。

「あ……」

「わ……っ」

ローラがヒカリに覆いかぶさるようにして、準備は完了だ。
さっと二人のパンツを脱がせ、腰同士がくっつくようにローラの背中を押す。

ぺちょっ。

濡れたもの同士がくっつく音をさせ、二人は腰を密着させた。

「これ、マズいよ……」

「く、クロエちゃん……」

「ふふっ」

ローラの可愛いお尻を掴み、ゆさゆさと揺さぶってみる。

「あっ! うぅっ……!」

「んうっ! は、ぁあ……!」

にちゅにちゅとお互いが擦れあい、やがて私の補助なしで二人は腰を揺すり始めた。

「んっんっんっ……! ローラさん、ちゅー……」

「んっ、ちゅっ……ヒカリさん……ヒカリさん……っ!」

どんどんと二人が盛り上がっていく。
私も四つん這いになり二人の股座へと顔を近づける。

「……ぺろっ」

二人の熱い割れ目が私の舌を受け入れる。
舌を上へ動かせばローラの小さな割れ目が。
下へ動かせばヒカリの肉厚な割れ目が私の舌を濡らしてくる。

「クロエちゃ……んん、ちゅ、れろ……!」

「はあっ、んくっ……! クロエ、クロエぇ……!」

ぐちゅぐちゅとした音が速さを増し、二人の体液まで飛んでくる。
そっと顔を離して、それぞれに片手ずつ、中指と薬指をあてがう。

「んんぅ、イく、イくイくイく……っ!」

「ちゅ、ヒカリさん、した、らしてぇ……! ちゅ、ぢゅうううっ……!」

そして最愛の恋人二人の官能が極限まで高まったのを見計らい、指を思い切り挿し込んだ。

「二人とも、イっちゃいなさい……!」

「ひぎゅっ……!? あ、んくっ! ふあ! あああああああああっっ!!」

「や、あ……! く、んんんんんんん〜〜〜っ!!」

ぎゅうううと指が締め付けられる。
二人は体をびくびくと震わせて、声にならない声を上げ続ける。

「あ、クロエちゃ……出ちゃうぅ……!」

ローラのその声と同時に手のひらに温かい液体が降り注いだ。
じょぱっという勢いで吹き出したそれは私の手のひらを濡らし、ヒカリの下腹部を濡らし、やがてシーツまでをもしっとりと濡らす。

「あぅ……! 止まんないぃ……!」

ヒカリの肩口におでこをくっつけ、器用に腰だけを上下にひくつかせて潮を吹き続けるローラ。
二人で頭や腰を撫でてあげると、それに反応するように潮を吹く。
結局やがて収まるまでしばしの時間を要することになったのだった。

ーーーーー

ーーー

262 : ◆ZOSRNJGVq. [saga]:2023/12/26(火) 20:24:08.98 ID:ExWUW4y1o
「……ごめんね、クロエちゃん。シーツびちゃびちゃにしちゃった」

「いいわよ、別に。私達も汗とかで湿らせたし、どうせ洗うのには変わりないわ」

汗を拭いた私達は、リビングに改めて布団を敷いて横になっていた。
ローラの潮吹きはシーツをこれでもかと濡らし、どうあがいてもベッドでは寝られなかった。

「ローラさんがあんなに吹いたの初めてじゃない?」

「うう……気持ちよすぎて……」

今はピロートークの時間だ。
日付はいつの間にか変わり、クリスマスは終わっていた。
両サイドから温もりに挟まれていると、先程の行為の疲れもありすぐにまぶたが重くなってくる。

「クロエちゃん、眠たい?」

「うん……」

「あれだけ動けばね。お昼寝もしてたし、日頃の疲れも溜まってそう」

さらさらと二人が頭を撫でてくれる。
あまりに優しい手つきで、気を抜けば一瞬で眠りに落ちてしまいそうだ。
というより、もはや半分寝かけている。

「おやすみ、クロエ」

「おやすみなさい、クロエちゃん」

「おやすみ……二人とも……」

両頬に柔らかい感触。
私は幸せに包まれてゆっくりと意識を手放した。

ーーーーー

夢を見た。
小さな子に囲まれる夢だ。
マクベスの子ではない。
私とローラ、ヒカリに似た小さな女の子たち。
直感で私達の子供だと分かった。

「ママ、ぎゅー!」

「わたしもー!」

「え、えっと……ぎゅー」

抱き返すときゃあきゃあと可愛い悲鳴をあげる。
じわじわと幸せが胸に広がる。

これはきっと未来の夢なのだ。

「いつか……本当に抱きしめさせてね」

一瞬きょとんとした顔を見せる娘。
だがすぐに可愛らしい丸い顔をにっこりとさせ、

「うん!」

そう笑うのだった。
263 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2023/12/26(火) 21:44:55.63 ID:mfb1zw/nO
おつおつ、久々のゆりゆりほんと助かる……
ところで最後の子供達、これもしかしてクロエ×ローラ・クロエ×ヒカリだけじゃなくてローラ×ヒカリの子も産まれてない?
264 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2024/01/16(火) 21:53:39.53 ID:cMHDvcEe0
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