【安価】クロエ「リリウム魔法学校へ! これで最後!」【百合】

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38 : ◆ZOSRNJGVq. [saga]:2021/04/15(木) 20:39:51.75 ID:vDuTv4Nbo
【名前】エミール・ストライア
【容姿】ボサボサの黒の長髪にメガネ。ジト目と目の下の隈が目立つ。背は低くやせ形。
【性格】ややコミュ障気味で暗い性格。ボソボソした喋り方
【得意魔法】唱えるまで本人にも何が起こるか分からないランダム魔法。一言で言えばパル○ンテ
【備考】黒魔術部の部長。自身の魔法の制御の度に日々怪しげな実験をしているらしい。
実は本人も自覚していないが身なりを整えれば相当可愛く化ける。
39 : ◆ZOSRNJGVq. [saga]:2021/04/15(木) 20:41:08.15 ID:vDuTv4Nbo
中庭ーー


晶「魔王はクロエ達に任せるとは決めてたけど……」


嵐「この量はやばそうだな……」


楓「あたし達ならやれるって! いくぞー!」


楓晶嵐「三神一体【トリムールティ】!!!」


ゴギャアアアアアアアアアアッ!!!


鬼「グゴガアアアアア!!!」ボジュウッ!


ヘビ「ギシャアアアアアアッッ!!」ジュオオオ!


楓「ほら! 余裕よゆー!」


ヘビ「キシャアアアッ!」ガバアッ!


晶「楓!」


ゴオッ!


晶「ぐ……!」ミキッ…

晶「炎弾【ファイアボール】ッ!」ゴオッ!


嵐「ヘビは攻撃しても一回じゃ消えない! 油断するな!」


楓「そ、そんな……晶! 晶!」
40 : ◆ZOSRNJGVq. [saga]:2021/04/15(木) 20:41:35.11 ID:vDuTv4Nbo
嵐「楓、後ろ!」


クモ「ゥゥヴヴウウゥゥゥウウヴヴウゥゥウウヴ」ガサガサッ!


ガブウッ!


嵐「つっ……! だらあっ!」バチイッ!

嵐「楓、集中しろ! 気抜いてたら死ぬぞ!」


楓「ら、嵐……晶……あたしのせいで……」


嵐「楓!? おい、ボーッとするな……」


ゴオアッ!!!


楓「ーーごめん、もう気は抜かない」フオッ


嵐(消え……)


ゴッ! グシャアッ!


ヘビ「キイ……キシャア……!」ビクッ…


クモ「ウ……ヴ……」ガサ…


楓「風ノ頂・東風【コチ】」ヒュオ…


ゴオオオオオオオオオオオオオオオッッッッ!!!


楓「嵐と晶は学校にいて。全部倒してくる」フオンッ


嵐「……」ポカーン


晶「は、ははは……とんでもねえな……」
41 : ◆ZOSRNJGVq. [saga]:2021/04/15(木) 20:42:01.68 ID:vDuTv4Nbo
楓「風ノ頂・西風【ナライ】」ブオン


ミチミチミチイッ!


鬼「イ……ギ……!」ガクンッ!


楓「風ノ頂・南風【ハエ】」ギュワッ!


ズリュオオオオオッ!!


鬼「ゴギャアアアアアアアアアァァァァァッッ!!!」ドオオオオッ!


楓「風ノ頂・北風【アナジ】」フワ…


ギュオオオオオオオオオオッ!!


クモ「ウゥゥヴヴゥゥゥウゥゥヴヴヴ!!」ズバズバズバッ!


晶「東が突風、西が吹き付ける風、南がかまいたち、北が台風……か?」


嵐「いてて……見てないで治療してもらおう。少しでも早く応援に参加しないと」


晶「ああ、そうだな……っつつ」ズキン


ーーーーー

ーーー

42 : ◆ZOSRNJGVq. [saga]:2021/04/15(木) 20:42:57.61 ID:vDuTv4Nbo
ノワール「楓さん絶好調だね!」


イリス「ですね!」


悪魔「ジュルア!」ズオッ!


イリス「魔弾【シュート】!」ズゴオオオッ!


悪魔「ギャアアアアッ!」


イリス「ふん、ノワールさんを狙うからですよ!」


ノワール「イリス、伏せて!」バッ!


イリス「!」サッ


悪魔「ヒギャ!?」


ノワール「おらあああ!」ゴッ!!


悪魔「ンギャアアアアアアッ!!」ドオオオッ!


ノワール「へへ、大丈夫だった?」


イリス「はい。ありがとうございます!」


ガラ……ッ


ノワールイリス「!」サッ


「ア……おまエ……!」


ノワール「いつもの悪魔!」


「ナ、なんか気づいたらここにいテ……! こんナ、こんな怖いことするなんて知らなかったんダ……!」


ノワール「……」
43 : ◆ZOSRNJGVq. [saga]:2021/04/15(木) 20:43:27.69 ID:vDuTv4Nbo
ギュッ


「エ……」


ノワール「イリス、この子守ろう」


イリス「はい。ノワールさんがそういうなら」


「オ、おイ! ワタシは敵だゾ!?」


ノワール「ううん、私の友達だよ」


「うグ……!」


ノワール「君が悪い奴とは思えないしね。ほら、背中に掴まって」


「……分かっタ……」


ノワール「……今から私達は君の仲間をたくさん攻撃する。それが嫌なら逃げてもいい」


「……こうなったら一連託生ダ! ワタシはお前についていク!」


ノワール「オッケー。いくよ!」


ーーーーー

ーーー

44 : ◆ZOSRNJGVq. [saga]:2021/04/15(木) 20:44:26.73 ID:vDuTv4Nbo
スキア「……チッ。押されてるじゃんか」


クロエ「早いとこあなたを倒して終わらせないとね」


スキア「だからあ……お前達程度の魔法じゃ無駄だって! 神弾【ネオ】!」カッ!


デン「……」


レナ「要塞魔法【シタデル】!」ガキィン!


スキア「避ける素振りも見せなかったね。さらに信頼度アップした感じー?」


デン「信頼が深まっただけじゃない。私もレナも強くなってる!」

デン「剛腕魔法【リジッドアーム】!」ゴウッ!


ガキイッ!


デン「く……固い……!」


スキア「凝縮魔法【ビーム】、頂点【アルティマ】」

スキア「貫ノ頂・魔槍【グングニル】」ゴギュウウウウ!!


レナ「ヒカリさん。魔力借りるわね」


ヒカリ「うん。魔送【ライン】」


レナ「防ノ頂・不退転【インヴィンシブル】!!」


ゴゴオオン!!!


スキア「な……!! 盾ノ頂じゃない……!?」

スキア(あの接近戦の魔法使いは後だ! この中のリーダーを……)

スキア「神弾【ネオ】!!」カッ!


クロエ「!」


レナ「クロエ!」

レナ(間に合わない……!)
45 : ◆ZOSRNJGVq. [saga]:2021/04/15(木) 20:44:54.67 ID:vDuTv4Nbo
エリクシール、クロナ「防御魔法【シールド】!!」


ギィン!!


スキア「次から次に……!」


エリクシール「大丈夫?」


クロナ「手伝いに来たよ!」


クロエ「お母さん、ママ……!」


ティア「……アルシェ、いけますか?」


アルシェ「ん、イライラして魔力がブレてる。これなら……」キイイ…

アルシェ「穿ノ頂・神槍【ゲイボルグ】!!!」


ゴギュオオオオオオオオオッッッ!!


スキア「クソッ!」バッ!


クロナ「避けられた!」


ティア「まだです! 浮遊魔法【フロート】!」


グイイ……!!


スキア「く……くそおおおおおおおおおお!!!」


バキイイイィィィィンッッ!!
46 : ◆ZOSRNJGVq. [saga]:2021/04/15(木) 20:45:59.06 ID:vDuTv4Nbo
樹「や……やった!!」


クロエ「いけるわ! ヒカリ、ローラ!」


ヒカリローラ「うん!」


ローラ「私の融合【シンクロ】の力と……」キンッ


ヒカリ「ボクの魅了魔法の力……」ポワ…


ヒカリローラ「受け取って!」


ゴオッ!!


クロエ「ありがとう、二人とも」ゴオオオ…


スキア「なんだ、その姿……」


クロエ「三人分の魔力を集めた……ハイパークロエよ!」


ゼーレ「アイリス、リーケ。私達もあれを!」


アイリス「う、うん!」コオ…


リーケ「やってみる……!」キイイ…


ゴオッ!!


ゼーレ「これは……!」チリ…ッ


スキア「どんなに魔力を集めようが、所詮は人間レベル! 私が本気で固めた盾は壊せない!」


ゼーレ「神弾【ネオ】!」ゴギャアアアッ!!


バキバキバキイイッ!!


スキア「な……!?」


クロエ「闇弾【ダークボール】!」ズオッ!


スキア「だ、闇弾【ダークボール】!」ゴオッ!


ドプン……ッ!


スキア「わ、私の闇が飲まれた……!?」


クロエ「人間を舐めすぎたのよ、あなたは」


スキア(い、いつの間に後ろに……!)


クロエ「テネリタス……この状態ならあなたとも心を通わせられるわね」キンッ


テネリタス『ああ、すごくいい気分だよ!』


クロエ「悪食【アクジキ】!!」


バクウッ!!
47 : ◆ZOSRNJGVq. [saga]:2021/04/15(木) 20:46:47.45 ID:vDuTv4Nbo
◆◆◆◆◆


スキア「あ……」


消える


スキア「あああ……!」


私の中の「闇」が


スキア「あああああ……!!」


消える!!


スキア「ああああああああああああああああ!!!!!」


◆◆◆◆◆
48 : ◆ZOSRNJGVq. [saga]:2021/04/15(木) 20:47:27.41 ID:vDuTv4Nbo
ゼーレ「……キア……スキア……」ユサユサ


スキア「う……」


ゼーレ「スキア!」


スキア「はっ!?」ビクウッ!

スキア「あ、あれ、お姉ちゃん!? ここは……」


クロエ「起きたわね。……ふう」


ぎゅっ!


ゼーレ「よかった……あなたの中の闇が消えてる……」


スキア「闇……」


ゼーレ「もうあなたは魔王じゃない。……私の大切な妹。スキア・レジェンダリア・アートルムよ」


スキア「お姉ちゃん……」ジワッ

スキア「おねえちゃあああああん……!!」ボロボロ


クロエ「これで戦いは……」


『緊急連絡! 暗黒樹の進行が止まりません!!』


ゼーレ「な……!」


樹「なんで!? 魔王の力はもう……」


スキア「あ、あれは魔界のものじゃない……。人間の怒りとか憎しみとか……そういうもので成長した化け物だから……私には止められないよ」


クロエ「ふーん」ヒョイッ


ゼーレ「く、クロエさん……ホウキにまたがって何を……」


クロエ「止めに行くわ」フワ…


ローラ「言うと思った」クスッ


ヒカリ「もちろんボクらも付いてくよ」


ゼーレ「……そうですよね。暗黒樹を止めないと戦いは終わらない……」フワ…


クロエ「その通り。さあ皆、行くわよ!」ゴオッ!


ーーーーー

ーーー

49 : ◆ZOSRNJGVq. [saga]:2021/04/15(木) 20:47:59.62 ID:vDuTv4Nbo
暗黒樹ーー


ズウン…… ズウン……!


暗黒樹「オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!」


スキア「ほ、本当に動いてる……」


クロエ「あいつの戦力ってどんなものなの?」


スキア「全人類から少しずつ感情を貰ってるから多分……魔法使い1億人分くらいの魔力はあると思う」


ゼーレ「いちおく……」


クロエ「私達に付いてきたのは……多く見積もっても1万人くらいかしら」


ウィン「1万倍の戦力か〜」


ヴィーネ「さすがに厳しいかしら」


ゼレス「神聖魔法なら効果的にダメージを与えられたり……」


デン「どうだろう。どっちにしても1人が1万人分の魔力を出すのは厳しい気が……」


シエラ「またポメの力を借りる?」


ポメ「いいよー、頑張るよー!」


クロエ「とにかく全員の全魔力をぶつけるしかないわ!」

クロエ「全員、攻撃!!!」
50 : ◆ZOSRNJGVq. [saga]:2021/04/15(木) 20:48:32.81 ID:vDuTv4Nbo
クロエ「始原にして終焉なる魔法【フィナーレ】!!」

凜華「極氷魔法【ヨトゥン】!」

デン「神弾【ネオ】!!」

レナ「要塞砲【フォートレスカノン】!!」

アルシェ「穿ノ頂・神槍【ゲイボルグ】」

ナミネ「極水魔法【クラミツハ】!」

楓「風ノ頂・山颪【ヤマオロシ】」

ゼレス「極聖魔法【アフロディーテ】!」

ステラ「連隕石魔法【メテオガトリング】!!」

イオ「極新星爆発【ハイパーノヴァ】!!」

シエラ「閃光砲弾【フラッシュシェル】!」

エルク「獄闇魔法【ヘル】!」

樹「模倣・天聖魔法【アマテラス】!!」

ウィン「時ノ頂・玉響【タマユラ】」

時雨「剣戟・不死之鳥!!」

ミリア「闇神魔法【ハデス】!!」

ヴィーネ「神々聖霊魔法【セレスティアルサークレット】!!!」

スキア「貫ノ頂・魔槍【グングニル】!」

ゼーレ「原初にして終末なる魔法【オリジン】!!」
51 : ◆ZOSRNJGVq. [saga]:2021/04/15(木) 20:49:21.18 ID:vDuTv4Nbo
暗黒樹「オオ……オアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」


ごっ……くん!


暗黒樹「ゲフウ……ッ」


樹「無傷……!?」


アルシェ「ま、魔力、からっぽ……」


ウィン「く……」


スキア「飲み込む力が強すぎる……!」


ヴィーネ「止められない……!」


デン「みんな魔力もなくなって……あいつが暴れるのを見てることしかできないの……!?」
52 : ◆ZOSRNJGVq. [saga]:2021/04/15(木) 20:50:16.30 ID:vDuTv4Nbo



クロエ「絶望しちゃだめ!!!」


53 : ◆ZOSRNJGVq. [saga]:2021/04/15(木) 20:50:54.52 ID:vDuTv4Nbo
クロエ「絶望したらあいつはさらに強くなるわ! それだけはだめよ!!」


時雨「だが……あいつにはなんの攻撃も効かない……」


ゼレス「みんな魔力もないですよ……」


クロエ「闇よ!」ズオッ!

クロエ「私の体に流れる、魔力より先にずっとあった力……!」

クロエ「お母さんとママの力……!!」

クロエ「食らいなさい!!!」


ぽしゅっ


クロエ「まだよ!」


ぺしっ


クロエ「まだまだあ!!」


とすっ


暗黒樹「…………」ポリポリ


テネリタス『ご主人、もういいよ……。諦めよう』


クロエ「諦めるもんですか!!!」

クロエ「私は! この世界が!! 大好きなのよーーーーーーーっ!!!」


クロエの攻撃力 コンマ↓
クロエ 0/100000000 暗黒樹

クロエの攻撃力が暗黒樹の体力を超えると勝利
54 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/04/15(木) 20:53:32.39 ID:KF5kmUMW0
まさかのコンマ
55 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/04/15(木) 20:53:57.52 ID:4t0GEBhHO
没キャラ含めての総集合からのこの絶望感よ
56 : ◆ZOSRNJGVq. [saga]:2021/04/15(木) 21:01:17.23 ID:vDuTv4Nbo
クロエ 39/100000000 暗黒樹


クロエ「いけえええええ!」ズオッ!


暗黒樹「!」バッ


ぺちっ


樹「防いだ……?」


ポメ「むむむ……!」

ポメ「あっ!」


やよい「どうしたの?」


ポメ「防いだところ、へっこんでるよ!」


スキア「そんな……暗黒樹に攻撃が効いたの……!?」


クロエ「私一人でも……絶対に止めてみせる……!!」


ヒカリ「クロエ。クロエは一人じゃないよ」キイイ…


クロエ「ヒカリ……」


ローラ「私達の残った魔力……全部使って……!」


クロエ「ローラ……!」

クロエ「……」グッ


暗黒樹「オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォ!!!!!」


クロエ「まだよ! 暗黒樹、くらいなさい!!」


クロエの攻撃力 コンマ↓×3
57 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/04/15(木) 21:01:51.67 ID:QaGtpDEfO
熱い
58 : ◆ZOSRNJGVq. [saga]:2021/04/15(木) 21:05:10.43 ID:vDuTv4Nbo
クロエ 240/100000000 暗黒樹


ズオッ!


暗黒樹「!!」バシイ!


ナミネ「明確に攻撃を防ぎ初めてます!」


凜華「……ハイパークロエって、みんなの魔力も貰えるんだよね。クロエさん!」


モミジ「私達の魔力も使って!」


クロエ「凜華、モミジ! ありがとう!」


クロエの攻撃力 コンマ↓×5
59 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/04/15(木) 21:05:40.87 ID:4t0GEBhHO
そぉい
60 : ◆ZOSRNJGVq. [saga]:2021/04/15(木) 21:14:15.10 ID:vDuTv4Nbo
クロエ 675/100000000 暗黒樹


暗黒樹「ゴオオ!!!」


ズルルルッ!!


クロエ「反重力魔法【アンチグラビティ】!」グンッ!!


ベシャアアアアア!


暗黒樹「ゴ……オ……!」


クロエ「氷ノ頂・永久凍土【スカジ】!!」


ピキイ……ン!


楓「クロエ、あたしの魔力も使って!」


ティア「アルシェ!」


アルシェ「ん! アルシェ達のも!」


ナミネ「あなたを追ってここまで来た友達の魔力……」


レナ「全部使いなさい!!」


クロエ「ええ!」


クロエの攻撃力 コンマ↓×50
61 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/04/15(木) 21:15:17.24 ID:33MkEaJe0
62 : ◆ZOSRNJGVq. [saga]:2021/04/15(木) 21:31:00.71 ID:vDuTv4Nbo
クロエ 1875/100000000 暗黒樹


暗黒樹「ゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォ!!!!」


ズオオオオオオオッ!!!


クロエ「風ノ頂・山颪【ヤマオロシ】!!」スパッ!

クロエ「んで……防ノ頂・不退転【インヴィンシブル】!!」ガキィィィン!


暗黒樹「ギオオオオオオオオッ!!!」ギュワ!


クロエ「一点に枝を集めて来たわね……!」

クロエ「穿ノ頂・神槍【ゲイボルグ】!!」


ズリュオオオオオオオッ!!


暗黒樹「ガアアアアアアアアアアア!!!」


樹「リリウムのみんな! 先頭で戦ってるのはクロエ・アートルムです! 彼女にありったけの魔力を!」


おおおおおおおお!


クロエ「どんどん魔力が溢れてくる……! それに、みんなの気持ちも……!」


クロエの攻撃力 コンマ↓×500
63 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/04/15(木) 21:32:05.58 ID:Sa39P1jvo
がんばえー!
64 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/04/15(木) 21:32:55.55 ID:BViRJb+LO
MOTHER2のギーグ戦思い出すな
65 : ◆ZOSRNJGVq. [saga]:2021/04/15(木) 21:50:34.97 ID:vDuTv4Nbo
クロエ 30875/100000000 暗黒樹


クロエ「夢想結集魔法【リリウム】!!!」


暗黒樹「ギオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォ!!!!!」


ズゴオオオオオオッ!!!


スキア「なんで……あんなに強く……」


ゼーレ「……ハイパークロエというあの状態、私にはできませんでした」


スキア「え?」


ゼーレ「私がしたのは、アイリスとリーケの魔力を借りて一度だけ強力なネオを撃っただけ」


スキア「今のあの子は違うの?」


ゼーレ「闇の力です」


スキア「闇……飲み込む力?」


ゼーレ「私もついさっきまではそう思っていました。でも違った」

ゼーレ「……あの力の根源は「受け入れる力」だったんです」


スキア「それがハイパー状態となんの関係が……」


ゼーレ「そもそも一人の人間が三人分の魔力を蓄えるなんてことはできません。二人分の魔力だって、すぐに放出しなければ逆に体に疲労が溜まります」


ウィン「ボクもナナから借りた魔力はすぐに撃ってるよ」


ゼーレ「そう、ウィンさんでさえそうなんです。ですが、クロエさんは闇とずっと向き合ってきた。その結果が「とてつもない魔力でさえも受け入れる力」として発現しているのです」


ヴィーネ「なら……」

ヴィーネ「ここにいる魔法使いの皆!! 先頭のクロエ・アートルムって魔法使に魔力をあげて!!」


ウィン「ボクからもお願い! 皆さん、お願いします!」


時雨「戦闘モードのウィンがあんなに必死に……。これは断れないな」


茜「みんな、いくよ!!!」


おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!!!


クロエの攻撃力 コンマ↓×10000
66 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/04/15(木) 21:51:56.86 ID:v63jBBPdO
はい
67 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2021/04/15(木) 21:53:14.65 ID:F+Jhiu3oO
王道だけどこういう展開好きよ
68 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/04/15(木) 21:54:08.77 ID:F+Jhiu3oO
sage忘れ失礼
69 : ◆ZOSRNJGVq. [saga]:2021/04/15(木) 22:19:22.90 ID:vDuTv4Nbo
クロエ 890875/100000000 暗黒樹


クロエ「おおおおおおおおお!!!」


暗黒樹「オオオオオオオオオ!!!」


バシュウウウウウウッ!!


ヴィーネ「ここにいる1万人の力を合わせてもやっぱり届かないか……」


樹「でもクロエさんは諦めてない」


ゼーレ「ですね。……拡声魔法【スピーカー】」


スキア「頂点【アルティマ】」


ゼーレスキア「放映魔法【ストリーム】!」


リリウム魔法学校ーー


テレビ『ーーー』ザザッ


ざわざわ


晶「テレビが急に……。あ、あれ……クロエか?」


嵐「あいつ暗黒樹のとこまで……」


ゼーレ『皆さん、世界は今かつてない危機です』


スキア『クロエ・アートルムという魔法使いの手によって、私の中の闇は消えました。ですが……』


ヴィーネ『暗黒樹と呼ばれる巨大な魔獣が進撃を続けています』


樹『今対抗できるのは、クロエ・アートルムという魔法使い一人だけです。ですが、彼女は一人じゃありません』


暗黒樹『ゴオッ!!!』


クロエ『私の後ろの皆に攻撃なんかさせるわけないでしょ!! 防ノ頂・不退転【インヴィンシブル】! 穿ノ頂・神槍【ゲイボルグ】!!』


暗黒樹『ガアアアアアアアア!!!』


ゼーレ『彼女は今、みんなの力を借りて戦ってます。……だから、お願いします! これを見ているみんな! 彼女に力を……!』


ざわざわ……


晶「ハイパー状態か。言葉で言うよりやって見せたほうが早いよな?」


嵐「そうだな。……クロエ、俺と晶の力……」


晶嵐「受け取ってくれ!」


きいいいいい……!!
70 : ◆ZOSRNJGVq. [saga]:2021/04/15(木) 22:19:49.65 ID:vDuTv4Nbo
暗黒樹ーー


クロエ「! この魔力……晶と嵐ね」

クロエ「楓、あなたの魔力も使わせてもらうわ!」


暗黒樹「オオオオオオオオオオオオオオッ!!!」


クロエ「三神ノ頂・破壊創造【ザ・クリエイション】!!!」


クロエの攻撃力 コンマ↓×100000
71 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/04/15(木) 22:20:46.83 ID:CGa/1UVDO
はい
72 : ◆ZOSRNJGVq. [saga]:2021/04/15(木) 22:43:12.51 ID:vDuTv4Nbo
クロエ 1720875/100000000 暗黒樹


暗黒樹「ガ……!!!」ガパア…ッ!!


ヴィーネ「うわ、なんかやばそう……」


暗黒樹「ゴオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!」


ジュオオオオオオオオオオ!!!!


クロエ「みんな、動かないでね」

クロエ「……防御魔法【シールド】」


バチイイイイイッ!!!


暗黒樹「ゴ……!!」


ヒカリ「す……すごい……」


ローラ「すごいよクロエちゃん!」


クロエ「この状態だと、どれだけの魔力があるのかしっかり分かるの」

クロエ「暗黒樹の魔力はそうね……スキアさんの見立てどおりほぼ1億人分」

クロエ「でも今の私は……」チリッ
73 : ◆ZOSRNJGVq. [saga]:2021/04/15(木) 22:43:42.92 ID:vDuTv4Nbo
リリウム魔法学校ーー


くるくま「クロエくん……!」


アルト「クロエさん……!」


百合江「クロエさん……」


橘花「クロエ……」


エミール「クロエさん……っ!」


魔獣島ーー


リズ「クロエー!」


ルク「やっちゃってください……!」


スフィア「いきなさい、クロエ……!」


ラピス「クロエさん……!」


クリア「クロエー……!」


レイア「私達の力も……!」


フェリス「うん……!」


暗黒樹ーー


リーケ「魔獣も……みんなクロエさんの勝利を祈ってる……」


アイリス「あたしも感じてるよ! 魔法使いみんなの心が一つになってる!」


ローラ「クロエちゃん……!」


ヒカリ「クロエ……! 」
74 : ◆ZOSRNJGVq. [saga]:2021/04/15(木) 22:44:09.83 ID:vDuTv4Nbo
クロエ「100億人分の魔力がみなぎってる」ゴオッ!!!!


暗黒樹「オ……ア……!!!」


クロエ「残念だけどここまでよ、暗黒樹」

クロエ「ヒカリの魔力の形を変える力、ローラの他者と同一化する力、そして私の闇の受け入れる力……」

クロエ「食らいなさい!! 闇ノ頂・永遠ノ常闇【エターナルダークフォース】!!!!」


ズオオオオオオオオオオオオオオオッッッッ!!!!!!!


クロエの攻撃力 コンマ↓×10000000000
75 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/04/15(木) 22:44:25.70 ID:KF5kmUMW0
おわりだー
76 : ◆ZOSRNJGVq. [saga]:2021/04/15(木) 22:57:26.60 ID:vDuTv4Nbo
クロエ 70001720875/100000000 暗黒樹


暗黒樹「ガアアアアアアアアアアアアアアアアアッッッッ!!!!」


ゴジュウウウウウウウウウウウウウッ!!!


暗黒樹「ガ……」ボロ…ッ


スキア「暗黒樹の体が崩れてく……」


ボロボロボロ……


ゼーレ「クロエさんの闇の力に飲まれて、あれ以上の成長ができなくなったんでしょう」


暗黒樹「オオオオオオオオオォォォォォォ……!!!」


サアアアアアア……


ローラ「消えた……」


ヒカリ「勝った……!」


クロエ「これで……全部、終わったのね……」フラッ


ヒカリ「クロエ!」ガシッ


ローラ「クロエちゃん! しっかりして!」


クロエ「むにゃ……」


樹「……疲れて眠ってるだけみたい」


ウィン「あれだけ魔法撃てば仕方ないよ〜」


ヴィーネ「頑張ったわね、クロエさん」


ゼーレ「クロエさん、お疲れ様」


パチパチパチパチパチパチ!


「クロエさん、かっこよかったよ!」


「クロエちゃんなでなでしたーい♡」


「よっ! 最高の魔法使い!」


わあああああああああああああああっ!!


クロエ「んへへ……」ヘニャ


ーーーーー

ーーー

77 : ◆ZOSRNJGVq. [saga]:2021/04/15(木) 23:26:32.59 ID:vDuTv4Nbo
4月1日ーー


クロエ「ん……」モゾ…

クロエ「いてて……無茶しすぎたわね……」

クロエ(ここはどこかしら……)キョロキョロ


ヒカリ「んー……」ギュー


ローラ「ん……」ギュー


クロエ(リリウムの寮ね……。もうここの生徒じゃないけど、泊めさせてくれたのかしら)ナデナデ

クロエ「ありがとう、二人とも。二人がいなかったらあんなことはできなかったわ」

クロエ「……二人が私の恋人で本当によかった。私、すごく幸せよ」


ちゅっ ちゅっ


クロエ「ふふっ……」コロン

クロエ「もう少し寝ましょうか。おやすみなさい……」


ーーーーー

ーーー

78 : ◆ZOSRNJGVq. [saga]:2021/04/15(木) 23:27:19.75 ID:vDuTv4Nbo
その後、いろいろなことがあった。

まずスキアさん。様々な検査がなされたけど、闇のかけらも見つからなかったということで執行猶予つきで釈放された。

結局魔法使い側に人的被害がゼロだったこともあったし、伝説であるゼーレさんから直接面倒を見ると言われたこともあってそういう結論に落ち着いたみたい。

そしてそのゼーレさんはなんとリリウムの先生になった。

今年の新入生は大喜びだそう。しかもすでに来年の願書が届き始めていて、校長先生も嬉しい悲鳴をあげていた。

そして私達卒業生。

私とヒカリは同じ学校に進学。ローラは魔獣のことを調べつつ、専門の家庭教師から経営学や会社運営についてのノウハウを勉強するらしい。

凜華とモミジ、レナ、舞さんは私達とは別の演劇系の学校に進学した。それぞれ自分にあった学校を選んだみたい。

ナミネとラミーさんは教育科のある大学へ。二人ともきっといい教師になると思う。

イオは看護学校に。人の役に立てるよう頑張ると意気込んでいた。

イリスとノワールは、それぞれ体育科の大学と音楽科の大学へと進学。それぞれプロになるために専門的に学びつつ、クラブチームや歌唱団に入ると言っていた。

ティアはバックアップチーム入りを目指して、マホリオ系の学校へ。もちろんアルシェと同じチームに入るつもりらしい。

アルシェ、デン。そして楓、嵐、晶はマホリオのプロとしてチームに合流した。どんな活躍を見せてくれるか私も楽しみだ。

ーーーーー

ーーー

79 : ◆ZOSRNJGVq. [saga]:2021/04/15(木) 23:27:47.90 ID:vDuTv4Nbo
リリウム魔法学校ーー


生徒(♀)「ね、寝癖とかついてないよね? 制服もしっかり着たし……」アセアセ


クロエ(今日は入学式かしら。初々しいわね)キョロキョロ

クロエ(うーん……校長先生にあいさつしたいんだけど、今会いに行って大丈夫かしら……)


どんっ!


クロエ「ご、ごめんなさい! ちょっとボーッとしてて……」


生徒(♀)「い、いえ! こちらこそしゅみません!」


クロエ「ケガはしてない?」


生徒(♀)「あ……!」


クロエ「どうしたの? どこか痛む?」


生徒(♀)「く、クロエ……さん……!!」キラキラ


クロエ「……どこかで会ったことあったかしら?」


生徒(♀)「いえ! でもこの間のあの戦い……かっこよくて、もう……!」


クロエ「あら、ありがとう」ニコッ


生徒(♀)「ほわあああ……///」


クロエ「見たところ新入生よね? それじゃあ元リリウム生として……」コホン

クロエ「ようこそ――」
80 : ◆ZOSRNJGVq. [saga]:2021/04/15(木) 23:28:19.67 ID:vDuTv4Nbo
クロエ「リリウム魔法学校へ!」
81 : ◆ZOSRNJGVq. [saga]:2021/04/15(木) 23:29:11.05 ID:vDuTv4Nbo
以上、これにて本編完結となります!
ここまでお付き合いいただきありがとうございました!
82 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/04/15(木) 23:31:24.57 ID:KF5kmUMW0
お疲れ様です。2年間楽しませてもらいました
83 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/04/15(木) 23:35:14.36 ID:BViRJb+LO
おつおつ
完結おめでとうと言いたいがやはり同時に寂しさを感じてしまうなぁ
84 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/04/15(木) 23:42:51.44 ID:F+Jhiu3oO
完結乙
スレタイがクロエだったから、類似スレに2スレ目が表示されて少し寂しくなった
85 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2021/04/15(木) 23:47:50.84 ID:2tTRR48GO
おつおつ
最後にタイトル回収するの、ベタだけど感動して涙出ちゃった
本当にお疲れ様でした!
86 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/04/15(木) 23:54:07.52 ID:F+Jhiu3oO
今後どんな感じでやってくのか気になる
87 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/04/15(木) 23:54:10.64 ID:C3mKM8pY0
完結おめでとうございます!
後日談もあるとの事ですが、まずはお疲れさまでした!
88 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/04/15(木) 23:58:05.32 ID:Sa39P1jvo
乙!
最後の一撃に最初の技名を持ってくるの、凄くエモーショナルでした。面白かったです。完結おめでとうございました!
89 : ◆ZOSRNJGVq. [saga]:2021/04/16(金) 00:05:17.49 ID:VaYgwhoGo
そしてお知らせになるのですが、このリリウム魔法学校スレを持ちまして、SS活動は無期限休止となります(このスレで小ネタやアフター話は書いていきます)
SSを楽しみにしてくださっている方、本当に申し訳ございません
SS速報Rに初めてスレ立てをしてから丸4年、長く書かない時期もありましたが、ここまでやってこれたのは本当に皆様のおかげです
心から感謝です!

これからはイラストの練習をして、イラストや漫画で百合を描いていきたいと思っています
前スレでも書きましたが、お絵かきが上手くなりたいとずっと思っておりました
ただ数年前は移動時間が多く、できるのがスマホで文章を打つことくらいで、まとめサイトで百合SSを見るのにハマっていたことから自分でも書き始めるようになりました
最近は家で時間が取れるようになり、改めてお絵かきの練習をしたいと思うようになったというのが大きな要因です

ttps://mobile.twitter.com/chiko_uraku
こちらがツイッターアカウントになります
ほとんど呟かないですが、今後の活動はこちらがメインになるかと思います

匿名掲示板で言うことではないかもですが、応援していただけると嬉しいです

これからもどうかよろしくお願いいたします!
90 :以下、VIPにかわりましてVIP警察がお送りします [sage]:2021/04/16(金) 07:03:24.59 ID:Mx/MRXvF0
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
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91 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/04/16(金) 09:15:49.04 ID:fQxNBUEZO
おつです
小ネタやアフターだと気になるのは
・ソフィアとリーリア(闇が浄化されたリーリアとソフィアの後日談的な感じ)
・役者として活躍する凜華と舞(このカップルだけHシーン無かったのもある)
・幼少期に死にかけた楓とその看病をする嵐
・時雨と黒騎士(消滅したと思われていたが実は人間として転生していて再会……のような)
とかかな

あとウィンの過去エピソードみたいな『実は忘れてたけど幼少期に会ってた』って展開すごい好き
92 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/04/16(金) 11:33:23.48 ID:mz4OFzthO
見たい話は結構あるけど、想像の余地として残しておいた方が綺麗なのかもなぁとも思う
93 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/04/16(金) 13:22:43.41 ID:mvGKniN/0
スフィアとルクの関係性は扱いに困ってたんかな
94 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/04/16(金) 20:14:19.61 ID:mrJLL7fAO
SS目当てでここ覗いてるのにいきなり「もうSS書きません!これからは絵を描くので応援よろしく!」とツイ垢ペタリされても反応に困るな・・・
95 : ◆ZOSRNJGVq. [saga]:2021/04/16(金) 21:20:25.06 ID:VaYgwhoGo
そうですね…出過ぎた真似をしてしまいました
せめて最後まで楽しんでもらえるよう残りのレスは書いていきたいと思います

>>93
スフィアとルクはリズも交えて親子っぽく描写したかったのですが、書いてるとどうしてもルクからスフィアに対しての距離感が出てしまった感じですね
たしかに少々難しかったです
96 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/04/17(土) 12:41:48.18 ID:k3Nm8pEY0
とりあえす小ネタ期待
97 : ◆ZOSRNJGVq. [saga]:2021/04/17(土) 19:34:06.00 ID:PycECa7Bo
エピソードゼロ
  クロエとステラの出会い


わたしは今、マクベス・エクスルードハウスという施設に二人だけで住んでいる。
わたしと、カーラ先生の二人きり。
少し前まではもっといたけど、わたしから離れるように皆出ていってしまった。

「クロエ、ご飯にしましょうか」

「はーい!」

でも寂しくはない。
カーラ先生と、友達のローラ。二人がいつも遊んでくれるから。

「今日は野菜のスープですよ。ふかしたお芋もありますからね」

もぐもぐとご飯を食べて、その後はお風呂に入る。
薄いシーツと固いベッドに入ると、カーラ先生が一緒に横になってくれる。

「おやすみなさい、クロエ」

「おやすみ……せんせい……」

今まで先生は自室で寝ていたから、こうやって一緒に寝てくれることなんてなかった。
でも今は「私も一人だと寒いので」と言って、一緒に寝てくれる。そういう心遣いがとっても嬉しかった。

ある朝、畑の様子を見に行った先生が血相を変えて戻ってきた。
その腕の中には小さな女の子が抱きかかえられている。

「ど、どうしたの?」

「クロエ、新しいお友達のために昨日のスープを温めてきてください」

緊急事態なのはひと目で分かる。
でも先生は焦ることもなく、優しい口調で指示を出してくれた。
その声音でわたしも落ち着いて行動することができた。

キッチンに行き、炎の魔力がこもった石をコンロにセットする。そしてその上に鍋を置き、スイッチを入れた。
ものの数分もせずに沸騰し、美味しい匂いが辺りに広がる。
それをお皿によそい、こぼさないように先生の元へと向かった。

「ありがとうございます、クロエ」

改めて女の子の姿を見る。
年はわたしとそう変わらないように見える。小学校入学前後といったところか。
青黒い色の髪はきらきらと美しく光を反射していて、まるで夜空のようだ。
そうしてまじまじ見ていると、パチリと目を開いた女の子と視線が交わった。

「おはようございます」

「あ……」

「ご飯は食べられそうですか? 野菜スープを用意してみたのですが、どうでしょうか」

先生に撫でられながら女の子は視線をさまよわせている。
そして机の上に用意されたスープを見止めて、くぅ、とお腹を鳴らす。
98 : ◆ZOSRNJGVq. [saga]:2021/04/17(土) 19:34:42.02 ID:PycECa7Bo
「ふふっ。怖いものではありませんからね。食べさせてあげます」

膝に女の子を座らせ直し、片手で器用にスプーンを操る。
琥珀色の液体を一掬い、ふーふーと冷ましてから女の子の口元へ。

「……あむっ」

ごくんと嚥下すると、今度は自分から口を開けて待っている。
写真で見た小鳥の雛のようで可愛いなと思いつつ、二人の食事を眺め続けた。

「おいしかった?」

「……ん」

小さくうなずく。
そして今度はポロポロと涙を流し始めてしまった。

「ぅっ……ぅぁあ……っ」

「よしよし……大丈夫ですよ。ここには怖い人はいませんからね」

わたしもそっと近づいて、背中を撫でてあげる。
大丈夫だよ、安心していいよと、心を込めて。

しばらく泣いていた女の子が落ち着くと、先生は怖がらせないよう注意を払いながら話を聞き始めた。
要約するとこうである。

「珍しい魔法が発現し、親に金儲けの道具として扱われたのが怖くて逃げてきた」

とのことだ。
わたしもつい先日発現したが、彼女のものは隕石魔法というものだという。
魔法によって降ってきた隕石は使用者の所有物とみなすらしいが、まだ小さい彼女は所有権が発生せず親のものになるらしい。
そこに目をつけた両親は彼女に毎日のように魔法を撃たせ、そこから財産を得ようとしたのだ。

「なんてことですか……」

先生は……怒っていた。
年端も行かぬ子を、それも自分の娘をお金稼ぎの道具として扱う。非人道的行いに憤っていた。

「昨日の夜逃げ出して……町の外れまで出てきて……助けてもらおうと思ったの。でもこのお家の前で力が抜けて……」

「おそらく、お腹が空いて倒れてしまったんですね。かわいそうに……」

そろそろわたしも女の子と喋りたかったので、一番気になっていたことを聞いてみる。

「ねえ、あなたお名前は?」

「……ステラ。……名字は……家を思い出すから言いたくない」

「ふーん。綺麗な名前ね!」

パチクリと驚いた目をする女の子……もとい、ステラ。

「名字がいらないならその素敵な名前を名字にしちゃえばいいのよ! ね、ステラ・ステラ!」

「ステラ・ステラ……」

噛みしめるように呟く。次第にその顔に笑みが浮かぶ。

「素敵な名前……」

「ね!」

にっこりと笑って見せれば、ステラもにこりと笑みを返してくれる。
素敵な笑顔だった。
99 : ◆ZOSRNJGVq. [saga]:2021/04/17(土) 19:35:18.82 ID:PycECa7Bo
「では……ステラ・ステラ」

こほんと先生が改めてステラに向き合う。

「?」

「ここ、マクベス・エクスルードハウスはあなたを迎え入れる準備はできています。あなたさえよければ今すぐにでも」

優しく包み込むような声。
それを聞いてステラは力強く頷いた。

「……ここに、住みたい」

「はい!」

嬉しそうに先生が笑う。

「じゃあわたしはお姉さんね! よろしくね、ステラ!」

「お姉さん……名前は?」

「クロエ! クロエ・アートルム!」

こうして、マクベス・エクスルードハウスに一人住人が増えた。
聞けば1歳違いということで、それが分かってからはさらに仲良くなった。
一緒に食べて、一緒に寝て、一緒に成長して……。
少しずつマクベスに住む家族も増えてきて、10年程して私がリリウムに入学するとなったとき、ステラはとっても泣いていた。
それくらい仲良くなったし、ステラが入学するとなったときは私もとても嬉しかった。

「ふふっ」

「クロエ、誰かからメール?」

「ああヒカリ。ステラからよ。『お元気ですか?』って。まだ卒業して一ヶ月なのに心配性ね」

私がリリウムを卒業し大学の寮に移ったあとも、もちろんステラとの交流は続いている。
こんなに可愛らしい後輩……いや、妹を持てて私は幸せだ。

「でもクロエもステラさんの体調とか心配でしょ」

「もちろんよ! 最近暖かかったり寒かったりで風邪ひきやすいんだから……。ちゃんと気をつけるようメールしとかないと」

「……くすっ」

突然、ヒカリが小さく吹き出して笑った。

「なによ」

「似た者同士だなあって思って」

「ふふん、当然でしょ。私達はカーラ先生の子なんだから」

心から尊敬できる、大好きな先生。
あの先生の元で一緒に成長してきたのだ。互いに気遣いあえるよう、清く正しく大きくなったと自信を持って言える。

「さ、今日も先生とステラにも胸を張れるよう頑張りますか!」
100 : ◆ZOSRNJGVq. [saga]:2021/04/17(土) 19:35:47.26 ID:PycECa7Bo
以上、短いですがクロエとステラの出会いでした
101 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2021/04/17(土) 22:34:24.51 ID:lbopEn0WO
>>1の地の文すき
SS描かなくなってもpixivとかで何か書いてくれるなら読むよ
102 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/04/17(土) 23:46:29.73 ID:hdW9B8FIO
ステラの元両親はこのシリーズの親世代では初の屑キャラか
103 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/04/18(日) 01:08:05.29 ID:zB+guq2r0
そういや魔法の訓練中に希少鉱石が落ちてきて大金手に入れてたな
104 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/04/18(日) 09:02:56.34 ID:IvIrCcA3O
アフターのリクエストしたいけどSSのモチベが落ちてるなら無理はしないで欲しい
105 : ◆ZOSRNJGVq. [saga]:2021/04/18(日) 10:03:14.77 ID:zhUKqJNSo
>>104
このスレはしっかり書ききるつもりです!
モチベもまだまだありますし、まだ900レス近く残ってますので、どんどんリクエストいただければ嬉しいです

今はソフィアとリーリアのアフターを書いているところです
106 : ◆ZOSRNJGVq. [saga]:2021/04/18(日) 22:16:16.41 ID:zhUKqJNSo
エピソードアフター
  ソフィアとリーリア


魔王との戦いが終わって数日。
私は検査の結果異常なしということで病院から退院を言い渡された。
この後は魔法庁の人から魔法を受けた際の状況について聞き取りがあるらしく、しばらくは休まらない日々が続くそうだ。

「仕方ないこととは言え憂鬱ですね……」

小人に淹れてもらった温かいコーヒーを飲みつつ、少し愚痴をこぼす。
そうして束の間の休息を取っていると、玄関から無機質なノックの音が響いてきた。

「……来ましたか」

立ち上がり、迎え入れるために玄関へ向かう。
ぎいと扉を開けたそこにはスーツを着た役人が……。

「やっほ♡」

「……」

いなかった。
代わりに、私を悪魔へと墜とした一番の原因がそこにいた。

「リーリア……さん」

なぜここに、と言おうとした私の言葉を遮ってリーリアさんが言う。

「魔界に送り返された後、闇が魔界の空気に霧散したおかげで脱出できてね。あなたがどう過ごしてるか興味あったから向こうからゲート開いて来ちゃったの」

「……とりあえず上がってください」

正直非常に困惑はしていた。だが突っぱねるのも違う気がして、私は屋敷へと彼女を上げることにした。

「ふーん、ここがあなたのお家なのねえ」

きょろきょろと遠慮なく見回すリーリアさん。
応接間にたどり着いても、興味深そうな視線は留まらない。

「どうやってここを知ったのですか?」

「あの病院から出てくのが見えたから尾けてきたの」

「ああ……」

たしかにあの病院には一緒に入院していた。
といってもほんの数時間、悪魔の軍団が撤退するまでだが。
とにもかくにも、そこに当たりをつけて張っていた上で尾行してきたというわけだ。

「せっかく来たのですし、コーヒーでも飲みますか?」

小人を呼び出し、コーヒーの用意を告げる。
たたたっと走り去った小人を見届けて、リーリアさんに向き直る。
107 : ◆ZOSRNJGVq. [saga]:2021/04/18(日) 22:16:48.53 ID:zhUKqJNSo
「コーヒーはいいわ」

いつ立ち上がったのか、眼前にリーリアさんが私を見下ろすように立っている。

「では紅茶を……」

言い終える前に唇を塞がれる。
暖かくて、ぷるりとした唇。

「ん……」

それだけでなく、ぬるりとしたものが入り込んでくる。
それが舌だと気づくのに時間はかからなかったが、反撃の力はその時にはもうなくなっていた。
少し力を込められただけで、力の抜けた腰では体を支えられずにソファーに倒れ込んでしまう。

「れろぉ、ちゅぷ……」

「ん、く、はぁ……っ。……な、何をするんですか……!」

私には珍しく声が震える。
ソファーに押し倒され、サキュバスに馬乗りになられる。
まさかまた悪魔化をされてしまうのか。

「何って、また気持ちよくしてあげようと思って」

その言葉と同時に腰を撫でられる。
それだけで下腹部に熱がこもるのが分かった。

「な、なんで……」

「え? 感じてるあなた可愛かったし、あれだけではいサヨナラは寂しいじゃない」

……恐らく彼女は本心から言っているのだろう。
利害も損益も関係なく性に忠実。それがサキュバスという種族だ。

「だから……ね?♡」

するりと服の下から手が潜り込んでくる。
すでに小さな胸の突起は期待に膨らみ、痛いほど固くなっていた。

「んうぅっ!!」

下着の下まで潜り込んだ手が先端を摘みあげる。
びくびくと反応してしまい、きゅんとお腹がうずく感触があった。

「ほんといい反応。たくさん触ったもんね」

彼女の言うとおり、体が指の動きを覚えているのだろう。
悪魔化される前、そして悪魔化されてからの「ご褒美」……。心当たりは大いにある。
108 : ◆ZOSRNJGVq. [saga]:2021/04/18(日) 22:17:36.68 ID:zhUKqJNSo
ころんとうつ伏せに寝かされ、背中をまくりあげられる。

「れろぉお……っ」

「〜〜〜っ!!?」

舌で背骨の上をなぞられ、得も言われぬ感覚に背筋を反らす。

「あはっ♡ かーわいい♡」

次は腰を指でなぞられ、腰が震えてしまう。

「お、凄いことになってるよ」

持ち上がったお尻を押さえつけ、後ろからリーリアさんが喋る。

「もうとろっとろ。パンツまでぐっしょり♡」

「ひっ、ぁあっ!♡」

指が秘裂をショーツの上からなぞりあげ、ぐじゅりとした感触とともに大きな快感が弾ける。
太ももに液体が流れる感覚。
ショーツは布の役目をなさず、溢れる液体を送り出すだけになっている。

「はいご開帳ー。んー、ピンクできれいねえ。ちゅっ」

「ひゃあっ!」

つんのめるようにうつぶせで寝そべっているため、リーリアさんの姿が見えず触られるタイミングが分からない。

「ぐちゅっ、れろぉ、れろ、ちゅぱっ、れろれろれろ……」

「ひゃっ、あっ、んうっ! あっあっあっ……!」

快感が溜まっていく。
爆ぜようと体が必死に訴えている。
ソファーに置いてあるクッションを掴む手まで震えている。

「いっひゃえ♡」

ずぷんと舌がねじ込まれてーー。

「あっ……! ああぁぁあああああああああっっっ!!!♡♡♡」

視界が真っ白に染まった。

ーーーーー

ーーー

109 : ◆ZOSRNJGVq. [saga]:2021/04/18(日) 22:18:04.56 ID:zhUKqJNSo
「ぁっ、んぅ……♡」

「あはっ、いいよ、もっと動いて……♡」

私達はあれからも交わっていた。
互いの足を交差させ、秘核同士を擦り合わせる。
くちゅ、にちゅと粘ついた水音が響く。

「あっ、ああっ……!」

きゅううとお腹が震える。
小さな絶頂が何度も何度も体を襲い、もはやほんの少しの快感でさえ全身が震えるほどになってしまった。

「ん、あたしも……もう……っ♡」

リーリアさんもぶるりと体を震わせる。
互いに絶頂に達しても行為は終わらない。

まだ動く元気があるらしいリーリアさんが、私の頭をまたいで四つん這いになる。
互いの秘所を眺める格好だ。

「ソフィアのここ、もう開きっぱなしね」

秘裂を割り開き、白い本気汁を指で掬って見せつけるように舐めとる。
それだけでぞくりとした快感が走り抜けてしまう。

「あは、今ひくってしたわよ。興奮しちゃった?」

「……はい」

「ほんと正直者ねえ。そういうところ大好きよ」

赤い舌が伸びて、秘裂にたどり着く。
負けじと私も顔を寄せ、リーリアさんのそこに吸い付いた。

「んっ、そう、じゅる……もっと舐めて……っ」

「れろ、んんぅ……! れろ、ちゅぷ、れろぉ……!」

私は下から顔を持ち上げているが、少しでも顔を近づけたくリーリアさんの腰を掴んで引き下ろそうとする。
しかし掴んだそこはむちりとしたお尻で、やわやわと手が勝手に動いてしまう。

「ひゃっ! もう、お尻好きなの?」

丸い大きな桃尻が顔面に押し付けられる。
ゼロ距離で雌臭を浴び、トロンと脳がとろけてしまいそうだ。

「りーりあさん、れろ、れろぉ……!」

「あっ、すごい、奥まで……! ちゅむっ、れろれろっ、ぢゅううっ!♡」

ぎゅぷぎゅぷと舌がねじ切られそうなほどの膣圧と、むちりとした尻肉の感触。
そして際限なく積もっていく秘部への快感が混ざり合い、まるで稲妻魔法が背骨を貫通したかのような衝撃となって私を襲った。

「んぶぅ、ん、ひううぅぅゔゔううううっっっ!!!♡♡♡」

「あっ、ん……っ! ぁ、ひぁぁぁあああああああっっ!!!♡♡♡」

びぐんびぐんと体が痙攣する。
浮いているのか、沈んでいるのかも分からない浮遊感。
そんな快感の奔流に飲まれて、そのまま私は意識を失った。

ーーーーー

ーーー

110 : ◆ZOSRNJGVq. [saga]:2021/04/18(日) 22:18:31.65 ID:zhUKqJNSo
起きると、どこから持ってきたのか私の上に毛布がかけられていた。
リーリアさんは部屋の隅で闇の小人にちょっかいを出して遊んでいる。

「……リーリアさん」

「あ、起きた?」

声をかけるとパッとこちらを振り返り、すぐに寄ってきてくれた。

「悪魔化もしてないのに無理させちゃったかな。人間相手はほんと久しぶりでね」

「今度はもう少し手加減してくれると助かります」

私がそう言うと、にーっと広角をあげるリーリアさん。

「『今度』……ねえ?」

「……!!」

ニマニマと顔を寄せるリーリアさん。
それに私は顔を赤くして背けることしかできない。

「そっかそっかー。ソフィアから今度のお話をされちゃったからにはまた来ないとねー?」

「……うるさいです」

「あ、照れてる。かわいー♡」

ぷいと背中を向け、すっかり冷めたコーヒーをすする。
こんなにからかわれても、次に会いに来てくれるのはいつだろうかと気になってしまうのはなぜなのか。
それを知るにはまだまだ私達はお互いのことを知らなさすぎる。

「……リーリアさん」

「ん?」

「人間に手を出さないなら……私と友達になりませんか」

少し間があって。
背中に柔らかい膨らみを二つ感じる。

「もちろんだよ! よろしくね、ソフィア!」

悪魔化をした側とされた側というあまりにも奇妙な出会い。
それは新しい友人という形を取ることになった。
この関係が今後どうなるかは全く分からないが、少しでもいい関係を築けたら良いなと思わずにいられなかった。
111 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/04/18(日) 22:41:10.21 ID:6Jl7V6xmO
スキアのその後とか?ゼーレみたいにリリウムに1年通うのかな
112 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/04/19(月) 20:20:34.20 ID:Ex3cLvjW0
助かったソフィアが悪魔(リーリア)と仲良くなっていた、ということに対するメルトル親子の反応が気になります
113 : ◆ZOSRNJGVq. [saga]:2021/04/20(火) 20:43:19.08 ID:SRy4N5Peo
ソフィアが住む城ーー


ミリア「やっほー!」


エルク「お久しぶりです、ソフィアさん」


ソフィア「お久しぶりです、ミリア・メルトル、エルク・メルトル」


ミリア「このやりとりも久しぶりだなー。ミリア、エルクって呼び捨てでお願いするよ」


ソフィア「了解です、ミリア、エルク」


リーリア「おーいソフィアー。この子コーヒー淹れてくれないんだけどー」ヒョコッ


ミリアエルク「  」


ソフィア「その子はコーヒーを淹れる子ではありません。その子は本を取ってきてくれる子です」


リーリア「見分けつかないよー……。お、お客さん?」


ミリア「お前……! ソフィアを連れてった奴じゃないか!」バッ!


エルク「ソフィアさん、こちらに。……魔界に送還します」ゴオッ


リーリア「ちょ、ちょっと待ってよー!」


ソフィア「お待ちください。この方は敵ではありません」


ミリア「敵だよ! 樹を植えて、ソフィアを悪魔化させて……!」


ソフィア「私はゼーレさんの魔法に貫かれ、こうして人間に戻ることができました。病院や魔法庁での検査もすべて問題なし。完璧に元通りです」

ソフィア「そして、この方は私が魔界にいる時にお世話(意味深)をしてくださった方です。敵意もありませんし、数日前からここにいますが何か危険な行動を取ることもありませんでした。よって友人として接しています」
114 : ◆ZOSRNJGVq. [saga]:2021/04/20(火) 20:43:46.42 ID:SRy4N5Peo
ミリア「……本当なの?」ズオ…


ミリアの闇『確かに悪意の闇は感じないよ。少なくとも今すぐ何かしようとはしてないみたい』


ミリア「……分かった」


エルク「ママ……お母さん……」


リーリア「さ、さすがソフィア……冷静に解決したわね」


ソフィア「私はリーリアさんとも、ミリアやエルクとも今後とも仲良くしたいです。……ダメですか?」


ミリア「……分かったってば、もう」

ミリア「ただし! 今後は私達が率先して監視するから! もし何かしたら私の闇の中に放り込むからね!」ズオッ!


リーリア「ひっ……! や、闇の中はもういや! それだけはやめて!」


エルク「……すごくうろたえてますね」


ソフィア「闇の中に閉じ込められたことがあって、その時はもう出られないかと思ってたそうです。悪魔ではありますが、闇が若干トラウマみたいですね」


エルク「トラウマ……ですか。私の魔法も相性がいいですね?」ニコリ


リーリア「あ、あなたの魔法って……?」


ソフィア「人のトラウマを強制的に呼び起こす闇魔法です」


リーリア「!!」ガタガタブルブル


ミリア「ソフィアに何かしたら……」


エルク「分かってますね……?」ニッコリ


リーリア「は、はいっ!!」ビシッ!


ソフィア(……一件落着、でしょうか)ホッ
115 : ◆ZOSRNJGVq. [saga]:2021/04/20(火) 20:44:30.14 ID:SRy4N5Peo
すごく短いですが、リーリアとメルトル親子の再会編でした
116 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/04/20(火) 20:53:18.86 ID:wlAWI+XaO
ゼーレのところはヴィーネに脳内変換かな
117 : ◆ZOSRNJGVq. [saga]:2021/04/20(火) 20:59:31.24 ID:SRy4N5Peo
>>116
その通りです
ミスしてすみません!
118 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/04/20(火) 21:17:17.15 ID:HhbAmwxm0
ますますチート化したヴィーネや茜の洗礼を受けるプロ入り組お願いします
119 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2021/04/20(火) 21:51:02.63 ID:pLoP9uC2o
私は御桜が見たいですね
シチュエーションが思い付かないですが
どうか彼女主役のエピソードを……!
120 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/04/20(火) 22:15:54.70 ID:uDTNXcnHO
ローラの魔獣四匹がベースのエピソードとか見たいなぁ
シチュは魔獣と会社経営の勉強の毎日で疲れているご主人(ローラ)を思いっきり癒すためにエアロ・きゅーちゃん・ユーニ・ミトラの四匹が協力するとかで、四匹間の会話だけ翻訳が入るみたいな
121 : ◆ZOSRNJGVq. [saga]:2021/04/21(水) 23:05:57.85 ID:Bx4ex96Eo
今日は更新なしです、すみません!
122 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/04/21(水) 23:17:00.57 ID:XQ4N4lCwo
(´・ω・`)
123 : ◆ZOSRNJGVq. [saga]:2021/04/22(木) 19:42:23.15 ID:iMDmV1W2o
エピソードゼロ
  デン・ハザードは繰り返す

私は生まれたときから魔力量がずば抜けていた。
ママは昔から「お母さんの強さが遺伝したのかも」と言って笑っていた。
幼稚園児の頃から周りの大人たちにチヤホヤされ、けれど天狗になることはなく。
中学三年生にしてマホリオの中学生大会を制覇した私は、リリウムでも良い仲間と出会い、良い成績を残せるだろうという予想に疑問を持つことはなかった。

「はじめまして、デン・ハザードです!」

「あなたがあの天才デン・ハザードね。私がここの校長、樹・ユグドラシル・リリウムよ」

マホリオの期待株として入学を祝われた以上、半端な成績は残せない。
私は率先して同級生の情報を集め、一緒に戦ってくれる人を探した。
そして組むことになったのは雨宮楓さんと七峯嵐さんの二人だ。
幼い頃からの幼馴染とのことでコンビネーションは抜群。
しかも実技の成績もトップクラスで、この二人とならマホリオの大会もかなり上を目指せるという自信があった。

事実、私達は勝ち上がり続けた。
一年生だけで全国大会に行き、その名前を轟かせたのだ。

そして3月31日。
私にとっての運命の日がやってきたことを、その時の私は知らなかった。

夜、眠れずに本を読んでいると不意に寒気を感じたのだ。
恐る恐る窓から外を見て驚いた。
巨大な鬼がそこにはいた。
慌てて杖とホウキを持ち外に飛び出す。
何が起こっているか分からないが、とにかく他の生徒を守らないといけないと思った。

「魔弾【シュート】!」

鬼の肩口で魔法が爆ぜる。
こちらを見た鬼が口を開き、叫ぼうとする。

「魔弾【シュート】!」

そこにシュートをねじ込み、強烈な攻撃を加えることに成功した。
口から煙を吐き出した鬼は全身を震わせ、体中に力を込める。
筋肉が固まり、見るからに凶暴性が上がっているようだ。

「魔弾【シュート】」

鬼が駆け出そうとしたところに、地面をえぐるようにシュートを放つ。
綺麗に体制を崩した鬼を眺めて、さらに追撃。

「神弾【ネオ】!」

「ゴオオオオオオオオォォォォォ!!!!」

鬼が黒い影となって消えていく。
よく分からないままに戦ったが、無事に倒せたようだ。
校長先生に報告できるよう今の状態を写真に残そうとス魔ホを取り出す。
その画面がやけに暗く感じ、私は空を見上げた。

「な……!!」

そこにあったのは、星一つない暗黒。
気づいたときには遅く、空から降ってきた黒い触手に私はお腹を貫かれていた。

「ごぼ……っ」

口から血が溢れる。
お腹が熱い。指先から急激に熱が消えていく。体に力が入らない。
視界が黒く染まってーー。
124 : ◆ZOSRNJGVq. [saga]:2021/04/22(木) 19:42:54.70 ID:iMDmV1W2o
目が覚めるとそこは寮の自室だった。
お腹に手を当てると、そこには穴どころか傷一つない。

「……夢?」

それにしては意識はハッキリしていたし、何より夢にしては長過ぎる。
そして壁のカレンダーを見て、違和感はさらに大きくなる。

「これ……去年のだ」

新年を迎えて買い替えたはずのカレンダーが元通りになっている。
恐る恐るス魔ホをチェックすると、そこに書かれていた日付も当然のように去年だった。

「なに……これ……」

震える体をなんとか動かし、様々な方法で日付やこの一年の情報を集める。
しかし判明したのは、時が巻き戻ったという事実だけだった。

「皆さんはこれからリリウムの一員として互いに切磋琢磨し、良い学校生活を送れるよう頑張ってください」

去年も聞いた校長先生の話を聞き流す。
クラスメイトの顔ぶれも記憶と合致している。

「……」

もう受け入れるしかなかった。
理由は分からないが、私は過去に戻っているらしい。
恐らくきっかけはあの暗闇からの一撃だ。
頭を切り替える。

「あの魔物を倒したあと、空からの攻撃がくる……」

あの時何があったか忘れない内にメモに残す。
大丈夫、私は強い。
何が来るか分かっていれば対処もできる。

そして3月31日。

魔物を倒し、暗闇と相対する。

今度は油断しない。
暗闇からの攻撃を凌ぐ。

「神弾【ネオ】!」

空の一部にぽっかりと穴が空く。
攻撃は無駄ではないようだ。

「神弾【ネオ】、神弾【ネオ】! 神弾【ネオ】ォ!!」

穴が大きくなっていくにつれ、私の魔力は減っていく。

「くっ!」

防御には魔法は使わず、避けに徹する。
攻撃だけに魔力を集中しなければ、この暗闇を晴らすことはできなさそうだった。

「神弾【ネオ】!」

しかし、およそ7割の暗闇が晴れたところで力が抜けてしまう。
魔力切れによる肉体疲労だ。

「しまっ……!」

暗闇はそれを見逃さなかった。
勢い良く伸びてきた触手が腹を貫く。

「ぢぐしょお……っ」

腹が痛い。
だが痛みはすぐに消え、次に冷たさがやってくる。
視界が黒く染まってーー。
125 : ◆ZOSRNJGVq. [saga]:2021/04/22(木) 19:43:59.09 ID:iMDmV1W2o
目が覚めるとそこは寮の自室だった。
お腹に手を当てると、そこには穴どころか傷一つない。

「…………」

見覚えのある現象だった。
まずはカレンダーを、次にス魔ホを確認する。

「……また戻ってる……」

そう、また一年前に戻っているのだ。
いろいろと考えてみるが、やはり原因や理由が分からない。

「……あの暗闇を完全に晴らさないとダメ、なのかな……」

前回は自分の力不足で死んでしまった。
ならばこの一年は修行を重ねよう。
きっと今度は勝てるはずだ。

しかしその前にとある問題が発生した。
11月の末日、あの寒気を感じ外に出てみると、そこには真っ黒な骸骨がいたのだ。

「こ、こいつも暗闇の仲間か……!?」

「そ、そこの人……逃げて……!」

遠くから綺麗な金髪を両サイドで結んだ女の子が駆けてくる。

「いや、あなたこそ逃げて。フラフラじゃない」

女の子に背を向け、骸骨と向き合う。
大きいがあの鬼ほどの気迫じゃない。大丈夫、私なら倒せる。

「迥ャ豢セ縲∫賢豢セ?」

「神弾【ネオ】!」

骸骨の頭部で魔力が弾ける。
大きく揺らいだ骸骨は体制を立て直すと、迷わずこちらに向かってきた。

「身体硬化魔法【ヘビィボディ】」

女の子を守るため、体を硬くして骸骨の前に立ちふさがる。
容赦なく突進してきた骸骨の骨は逆に欠け、怯んだ隙にパンチを見舞った。

「鬪ィ謚倥j謳阪?縺上◆縺ウ繧悟┫縺……!!」

骸骨は震える体を持ち上げ、ずるずるとこちらに迫ってくる。
だが恐怖は感じなかった。

「神弾【ネオ】」

とどめの一撃を食らわせると、骸骨はさらさらと空気中に消えていってしまった。
空一面が暗闇に覆われることもなく、無事に解決したようだ。

「あ、ありがとう……あなた強いのね」

「まあ、頑張って修行してるからね。というよりこんな時間に起きてちゃ危ないよ。今日は私がいたからなんとかなったけど、ああいう魔物がときどき来るみたいだから気をつけてね」

女の子と別れ、その後は何事もなく過ごしていた。
だが3月31日。やはりあの寒気を感じ外に出てみると、そこには当然のように鬼のような魔物がいた。

「あの骸骨を倒したら終わりな訳はないと思ってたけど……」

だが今年はいつもよりかなり修行した。
前回以上の強さで以って暗闇を制し、今度こそ生き残ってみせる。

「神弾【ネオ】!」

「ガアア!」

バチンと魔法が弾かれる。

「……え?」

今までの鬼はこんなに強くなかったはず。
修行をした私のネオが弾かれた?
あんなに簡単に?
何か今までと違う?
疑問が次々と頭に浮かび、理解が追いつかない。

「ゴオオオオオオッ!!!」

鬼の振りかぶった拳が私を襲う。
痛みを感じる前に景色が反転し、超高速で後方へと流れていく。
殴られ吹き飛ばされたと気づいた瞬間背中に強い衝撃を感じ、私は意識を手放した。
126 : ◆ZOSRNJGVq. [saga]:2021/04/22(木) 19:44:27.07 ID:iMDmV1W2o
目が覚めるとそこは寮の自室だった。
体に手を当てると、そこには骨が折れた形跡どころか傷一つない。

「また……」

また死んでしまった。
体が震える。腹を貫かれた感覚と、思い切り殴られ体が潰れた感覚。
実際に感じたあの感覚が不意に蘇り、ベッドの上に戻してしまう。

「ゔ……ゔえ゛ぇ……っ」

寒気が止まらない。
修行をしてもダメだった。
むしろ修行をしたことで、より死のタイミングが早まってしまった。

「どうしよう……どうしよう……っ」

悩んだ末、校長先生に相談することにした。
もちろん信じてもらえるとは思っていなかったが、せめて共闘してほしかった。

「……そう、分かったわ。確かに信じがたいけど、3月31日の夜中に一緒に戦ってあげる」

「あ、ありがとうございます……っ」

すごく必死な顔をしていたらしく、校長先生は共闘を受け入れてくれた。
きっと今度こそーー。

だがさらに問題が発生した。
今度は9月の末日。ヘビが現れたのだ。
攻撃する度に小さくなり、やがては消えていったが……。

「あなた強いのね……」

「……うん」

またあの女の子がいた。
まさか彼女が召喚した魔物なのか?
いや、そんな危険な生徒が入学できるはずはない。
浮かんだ疑問を打ち消し、気にせずに日常生活を送ることにした。
そして3月31日。

「あれが鬼……。久しぶりに見たわね……」

校長先生と共に鬼に立ち向かう。
先生は強く、鬼をあっという間に倒してしまった。

「……ラミー、あなたの仇は討ったわよ」

「先生! まだです!」

「!」

空一面を覆う暗闇に、先生と共に魔法を撃ち続けていく。
しかしあまりにも闇が多すぎる。今まではこんな量ではなかった。

「デンさん! 後ろ!」

また疲労が溜まったところを狙いすまされたかのように貫かれる。
為す術もなく体が崩折れる。
……もはや抵抗する気力もなく、私はあっさりと意識を手放した。
127 : ◆ZOSRNJGVq. [saga]:2021/04/22(木) 19:45:00.32 ID:iMDmV1W2o
目が覚めるとそこは寮の自室だった。
お腹に手を当てると、そこには穴どころか傷一つない。

「……なんで」

修行をしても、強い人と戦ってもダメだった。

「……私、弱いのかなあ」

心が擦り切れていく。

「……そうだよ、私なんかダメダメなんだ……だから何をしても死んじゃうんだ」

感情がマイナスに振り切れていく。

「あ、あはは……もう、それなら……」

声が、震える。

「……もう、死にたいよ……」

ーーーーー

それから何をしてもやはり解決することはなかった。
学校の外に逃げてみたり、とにかく防御してみたり。
だけれど、全ては徒労に終わった。

「デンさん、その……掲示板で友達を募集してみない? きっと気の合う人に出会えると思うわ」

「は、はい……」

もう何度目かも分からないループ。
ついに閉じこもってばかりの私に先生から声がかけられた。
ループするから何をしてもいいわけではないし、迷惑をかけるのは違うなと思い、先生の言うとおり掲示板に友達募集のためマホリオの練習試合申し込みの張り紙をしてみる。
数日も経たずに受諾された報せが届き、私は相手が待つ場所へと向かった。

(せめて見た目はスポーツマンっぽく……)

最近は鬼の攻撃を防ごうと最後まで肉体変化の魔法をかけていたせいで、ループした直後も魔法を解こうとしたりした関係で顔が暗くなっているようだ。
鏡で久しぶりに自分の顔を見たときに前の顔も思い出せなかったのでそのままにしているが、せっかく私なんかに会いに来てくれた人にガッカリしてほしくはない。
先生が声をかけてくれた生徒二人と待ち合わせ場所に向かう。
こんな奴と一時的にでもチームを組むこの二人にもとても申し訳ない気持ちで死にたくなってしまう。

「あ、デンさん。多分あの三人が依頼を受けてくれた人だよ」

チームの一人が声をかけてくれる。

「あ、来たみたいだよ」

向こうのチームの一人、すごい巨乳の子がこちらを見てチームメイトに声をかける。

「君たちが練習相手? よろしくね!」

精一杯の明るさで、スポーツマンを装う。
こんな演技をしても結局無駄になるのに、私は未だに人からどう見られるのかを気にしてしまう。

「あたしはデン・ハザード。マホリオランキングが最下位で……」

そこまで言って気がつく。
真ん中に立っている金髪の女の子。
真っ黒な魔物と戦っているとなぜか現れる女の子。
その子が目の前にいる。
とりあえず、言葉を止めずに会話する。

「……先生に言われるまま依頼を出したんだ」

「そうなの。ま、遠慮はしないわよ」

にこりと笑うその表情からは、私の知ってる悲壮感や絶望感は僅かにも感じ取れなかった。
この子が魔物を召喚しているのか、呼び寄せているのか、それは分からない。
ただ何事もなく終わればそれでいい。
そして、できるだけ痛くないように死んで、またループできれば……。
そう考えながら、私は杖を手に取る。
向こうの作戦会議が終わったのを見計らい、声をかけた。

「準備はいい? じゃあ、スタート!」

ゴールのない一年間を繰り返す私から、もっとも似合わない「スタート」の合図。
自嘲気味に笑って、私は戦いに繰り出した。
128 : ◆ZOSRNJGVq. [saga]:2021/04/22(木) 19:47:43.44 ID:iMDmV1W2o
ループに飲まれ摩耗していくデンのお話でした
ここから1スレ目、796レス目に続きます
129 : ◆ZOSRNJGVq. [saga]:2021/04/27(火) 21:57:38.22 ID:vh/CuTuWo
エピソードアフター
  プロ入り組、プロの洗礼を浴びる


楓「まさか同じチームになれるなんてなー」


嵐「たまにあるみたいだな。個の力よりも和の力を重視して、3人まとめてチームに引き入れるってのは」


晶「それって個の力はまだまだってことだよな。精進しないと」


???「いえ、そうではありません」


晶「あ、マネージャーさん。おはようございます」


マネージャー「はい、おはようございます。それで個の力がまだまだと仰っていましたが、それは違います」


嵐「?」


マネージャー「学生大会時より個の力が抜群なのは、各チームのスカウトが見れば一目瞭然でした」


楓「え、じゃあなんで3人とも同じところに?」


マネージャー「個の力もさることながら、お三方のすごいところはチームワークにもあります」

マネージャー「フレイムスロワー、風神雷神、そしてトリムールティ……。これをバラバラにするにはあまりに惜しいと考えたのです」


晶「へえ……」


マネージャー「ですから、現役のプロにも総合的な力量で劣っているわけではない。私はそう考えてます」


嵐「そう言われると嬉しいな。さすがマネージャー、メンタル管理もバッチリだ」


マネージャー「……これから行われるデビュー戦に、少しでも前向きに挑んでほしいので」


晶「そうだよなあ……。まさか初戦がトップ中のトップだなんて……」


楓「はいはい、悩んでも仕方ない! 個の力も和の力も見せつけてやろうよ!」


嵐「だな! よし、行こう!」


ーーーーー

ーーー

130 : ◆ZOSRNJGVq. [saga]:2021/04/27(火) 21:58:14.61 ID:vh/CuTuWo
スタジアムーー


ヴィーネ「お、来たねー」


サリア「今年の新人でもトップクラスの期待株です。油断しないように」


茜「そうですよー、油断しないようにー」


ヴィーネ「茜まで言わなくてよくない!?」


楓「うおぉ……緊張するなあ……」


審判「では……試合開始!」


晶「炎弾【ファイアボール】!」ゴオッ!


茜「フッ!」ボッ!


晶(マジで拳で魔法かき消すのかよ……!)


嵐「雷弾【サンダーボール】!」バチイッ!


サリア「……ここか」スッ


嵐(未来視相手に直接攻撃はやっぱ無理か……避けられる……!)


ヴィーネ「実力差を見せつけられても諦めないんだね。みんないい目をしてるよ」


楓「諦めの悪い友達が世界まで救っちゃったもんでね! 風神魔法【ルドラ】!!」ブワッ!


ヴィーネ「神聖・匣【ザ・キューブ】!」ガチンッ!


ゴオオオオオオオォォォォッッ!!


楓「時間稼ぎ完了……!」ニヤッ


ヴィーネ「な……何!?」


晶「盾魔法は外からの攻撃を防ぐと同時に、内側からも攻撃ができなくなる!」


嵐「身を守ることであなたはそこに留められた!」


サリア「あ、茜さん!」


楓晶嵐「三神一体【トリムールティ】!!!」


茜「真化魔法【ヒーロー】」


カッ!!!!
131 : ◆ZOSRNJGVq. [saga]:2021/04/27(火) 21:58:50.97 ID:vh/CuTuWo
ゴオオオオオオオオッッッ!!!


茜「つっ……!」フラ…


楓「茜さん魔力切れで落ちた! いけるよ!」


ヴィーネ「……大人気なくてごめんなさい。今から最強の魔法を撃つわ」


晶「!!」ゾクッ


サリア「ヴィーネさん、間に合いましたか」


嵐「茜さんが捨て身でサリアさんを守ってる間、キューブを解いて魔力を練り直すのに集中してた……」


楓「冷静すぎて怖いなあ……!」


晶「でももうアタシ達のトップギアをぶつけるしかない!」


楓晶嵐「三神一体【トリムールティ】!!!」


ヴィーネ「神々聖霊魔法【セレスティアルサークレット】!!!」


ゴオオオオオオオオオアアアアッッッッ!!!!!


晶「そんな……」


嵐「俺ら3人の神魔法と相殺……!?」


サリア「……さすがにもう動けませんか?」


楓「ですねえ……降参です」


審判「そこまで! 勝者ヴィーネチーム!」


ヴィーネ「あ……」

ヴィーネ「危なかったああぁぁ……」ヘナヘナ


晶「よく言いますよ。まだ元気に動けるくせに」クスッ


ヴィーネ「いやいや! 茜を仕留めた上に私の最強魔法まで引きずり出されるなんてそうそうないよ!」


楓「でもほんと、茜さんもヴィーネさんも強すぎます。もっと強くならないと」


嵐「なんにせよ、いい経験ができました」


審判「両チーム、礼!」


ありがとうございました!


ーーーーー

ーーー

132 : ◆ZOSRNJGVq. [saga]:2021/04/27(火) 21:59:39.51 ID:vh/CuTuWo
別の日、スタジアムーー


デン「茜さんだけなら私が……! 身体神化魔法【ネオボディ】!!」


茜「真化魔法【ヒーロー】」ブワッ!


ゴッ ガッ ドオォッ!!


ヴィーネ「ちょ、マホリオなんだから魔法で戦いなさいよー!」


サリア「肉体言語で語らってますね……」


デンチームアタッカー「ね、狙いが……」


デンチーム大将「それよりヴィーネさんの動きに注視して! 私もサポートするから二人で何とかするよ!」


デン(く……! 体内組織を造り変えて筋組織も伝達神経も超強化してるのに……!)


茜「遅い」ゴッ!!


デン(追いつけない!!)


メキイッ!!


デン「ぐああっ!!」


デンチームアタッカー「デン!!」


デンチーム大将「こ、降参! 降参します!」


審判「そこまで! 勝者、ヴィーネチーム!」


デン(あの固さの魔法で防いだのに、腕が折れてる……)ズキンッ

デン「……肉体変化【ボディメイク】」フオンッ


審判「両チーム、礼!」


ありがとうございました!


デンチーム大将「マネージャー、メディカルチームに連絡お願いします!」


マネージャー「は、はい!」


ーーーーー

ーーー

133 : ◆ZOSRNJGVq. [saga]:2021/04/27(火) 22:00:58.92 ID:vh/CuTuWo
また別の日、スタジアムーー


アルシェチームブロッカー「岩壁【ロックウォール】!」ゴオッ!


茜「!」


アルシェチーム大将「アルシェ!」


アルシェ「ん! 破壊魔砲【キャノン】!!」


ボゴオオオオオッ!!


サリア「岩ごと砕く、それも見えてましたよ」


ヴィーネ「神聖・匣【ザ・キューブ】!」ガチンッ!


アルシェ「その箱も砕く……! 神槍魔法・貫【ブリューナク】!」ゴオオッ!


ヴィーネ「うっそ……!」ギリィ…!


ズオオオオオオオッ!!


アルシェチームブロッカー「や、やった! 貫通した!」


審判「そこまで! 試合終了!」


アルシェ「え……」


サリア「かっこいい魔法だな。だが敵を倒すことに夢中になりすぎて視界が狭まっては意味がない」


アルシェチーム大将「う……」カクンッ


審判「勝者、ヴィーネチーム!」


アルシェ「んー……!」

アルシェ(後ろから大将だけ狙われた……!)


審判「両チーム、礼!」


ありがとうございました!


ーーーーー

ーーー

134 : ◆ZOSRNJGVq. [saga]:2021/04/27(火) 22:01:47.41 ID:vh/CuTuWo
街中ーー


楓「お」バッタリ


デン「あ」バッタリ


アルシェ「ん」バッタリ


カフェーー


デン「みんなヴィーネさんチームに負けちゃったんだね」


晶「やっぱ強いよ、あのチームは」


アルシェ「ん、近距離も遠距離も強いし、半端な作戦は未来視される」


嵐「茜さんは強いけど、まだ予測がつくよな。肉体系の魔法だから、動き自体は単純だ」


デン「私の肉体変化でも及ばなかったから、肉弾戦では難しいかも」


アルシェ「アルシェのチームの岩壁には突っ込んで来なかった。シールドじゃなくて、物質の壁なら防げると思う」


楓「ふむふむ。しかしヴィーネさんが問題だよ」


晶「トップ中のトップ。現役最強……。正々堂々ぶつかって勝ちたいよな」


デン「勝ちたいねえ……」


ーーーーー

ーーー

135 : ◆ZOSRNJGVq. [saga]:2021/04/27(火) 22:02:21.50 ID:vh/CuTuWo
チーム控室ーー


サリア「最近お二人共楽しそうですね」


茜「え、そうかなー」


ヴィーネ「あーでも、新人達の熱がすごいからかも」


茜「あー」


ヴィーネ「あの子達さ、負けてももう次の戦いを考えてるんだよ」


茜「そうそう。終わった後の目が「次はやるぞー」って感じなんだー」


サリア「それで、ですか?」


ヴィーネ「うんうん。やっぱそういう子とやるのは楽しいからね」


茜「諦めて向かってくる人より、頑張って向かってくる人の方がこっちもやる気になるからねー」


サリア「……そうですね」


「試合の準備をお願いします!」


茜「さ、いきますかー」


ヴィーネ「おし、今日も頑張ろー!」


サリア「はい!」
136 : ◆ZOSRNJGVq. [saga]:2021/04/27(火) 22:04:26.46 ID:vh/CuTuWo
以上、プロ入り組のその後でした
137 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/04/27(火) 23:53:58.86 ID:G6Megam70
おつつ
蛇足にならない範囲でリクエストしたくなるね
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