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【艦これ】提督「安価とコンマで学校生活」熊野「その11ですわ!」【安価・コンマ】

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433 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/06/24(木) 22:31:48.17 ID:0K4Rmor/o
おつおつ
天使の明石というクリティカルな二重の意味の誤字笑った
大鳳様…今ではすっかり満喫なされておる
434 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/06/24(木) 22:32:02.66 ID:AD9s5YrT0
乙でしたー
435 : ◆0I2Ir6M9cc [saga]:2021/06/28(月) 22:45:19.46 ID:zletPaov0
――


大鳳「………」

大鳳(あまり気が進まない提案だったけど、提督君の望みだとすれば……無碍にすることも出来ない)

大鳳(それに、女神様にも相談したら『あの子が望んでいることだし、無暗に干渉しないなら大丈夫』と言ってくれた)

大鳳(その日から、私は提督君や他の人々に影響を与えない範囲で……この世界での暮らしを満喫することにした)

大鳳(といっても、今まで通り提督君達以外の人々の前には姿を現すことはしない。これは本当に気をつけるようにした)

大鳳(うっかり姿を見せて大騒ぎになってしまえば、また女神様や創造神様に負担をかけることになっちゃうから……)


――早朝・自室


提督「……ん」パチッ…

提督(そろそろ起きないと……)ムクリ…

石垣「……おはよう、提督」フワフワ…

初春「よく眠れたか?」

提督「はい……おはようございます、初春様……お姉ちゃんも、おはよう……」グシグシ…

大鳳「ふわぁ……おはよう、提督君……今日も早起きね……」ムクリ…

提督「おはようございます、大鳳様……」

初春「貴様も律儀じゃな。睡眠を必要としないと言っておった割には……」

石垣「……提督の生活サイクルに合わせて、睡眠を取ってますもんね」

大鳳「私はあくまでも提督君を見守る存在。だからこそ、私の都合に合わせて貰う訳にはいかないもの」

初春「それで貴様が提督の過ごし方に合わせることにした、とな?」

大鳳「そういうこと」

提督「……ごめんなさい。僕の為に……」

大鳳「何度でも言うけど、提督君は気にしないで?私が好きでやってることだから」ニコッ

提督「大鳳様……」

大鳳「じゃあ、私は日課の運動に行って来ます!1時間くらいで戻るから!」ビュンッ!

提督「はい。お気をつけて……」

初春「……相も変わらず、目にも止まらぬ速さじゃ」

石垣「あの速さで1時間だと、一体どこまで飛んで行くつもりでしょうか……?」
436 : ◆0I2Ir6M9cc [saga]:2021/06/28(月) 22:47:21.10 ID:zletPaov0
――1時間後


提督「………」カキカキ…

提督(……今日の予習はこれくらいで良いかな。さて、そろそろ朝ご飯を……)

大鳳「ただいまー!」フワフワ…

提督「あ、お帰りなさい……」

初春「今日はどこまで飛んで行ったのじゃ?」

大鳳「軽くアンドロメダ銀河の中心部まで!」

提督「あ、アンドロメダ……!?」

初春「あんどろめだ?」キョトン

石垣「そんな気の遠くなるほどの距離を1時間で……!?」

大鳳「ふふっ」

大鳳(そもそも、天界から地球へ向かうまでの距離はもっと遠いもの。これくらいの移動は天使なら確実にこなせないと)


――15分後・リビング


提督「……本当に、良いんですか?」

提督(天使様は、この世界にいる間はご飯を食べなくても平気らしいけど……やっぱり、僕だけ食べるのは……)

大鳳「えぇ、私のことは気にしないで。食費をかさませる訳にはいかないもの」

初春「同感じゃな」

石垣「………」コクリ

提督「……分かりました。いただきます……」モグモグ

大鳳「………」

初春「………」

石垣「………」

大鳳(……提督君のお母さんは、今日も仕事で家にいない)

初春(……こればかりは仕方ないことじゃ)

石垣(提督の為、そして、自分達の生活の為だから……)

大鳳(だからこそ、こうして私達が傍にいることで……)チラッ

石垣(……提督に、寂しい思いをさせないようにする)チラッ

初春(親代わりにはなれずとも、話し相手にはなれるはずじゃ)チラッ

提督「………」モグモグ

提督(……やっぱり、お姉ちゃん達がいてくれると安心する。"あの時"は、寂しかったから……)
437 : ◆0I2Ir6M9cc [saga]:2021/06/28(月) 22:49:45.44 ID:zletPaov0
今回はここまでです。

>>433
Oh……何度もすみません。『明石→証』です(白目)。
438 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/06/29(火) 00:01:10.71 ID:BeeWSXsc0
乙でしたー
439 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/06/30(水) 15:42:19.52 ID:aa5yoqA80
>>437
オイシイから大丈夫だよ
440 : ◆0I2Ir6M9cc [saga]:2021/06/30(水) 22:47:53.24 ID:AKpueRVC0
――学校・教室


先生「この時代は、まだ科学が未発達だったこともあって……」

提督「………」

大鳳『………』ジー

大鳳(家はもちろん、学校でも遠足でも……私は常に、提督君を見守る義務がある)

大鳳(だからこうして、提督君のプライベートを侵害しない範囲で……この子の傍についていないといけない)

大鳳『……ふふっ』

大鳳(でもそれは、私にとって充実した時間と言える。こうして、提督君が少しずつ成長していく様子を間近で眺められるもの♪)

大鳳(自分が救った子が生きている。本来ならなかったはずの歴史を刻んでいる。そのことが、凄く嬉しくて……)

先生「今では当たり前とされることでも、当時は神様や妖怪の仕業だと考える人もいたんだ」

提督「………」チラッ

初春『……当たらずとも遠からず、じゃな。単なる自然現象もあれば、怪異が引き起こした超常現象も存在する』フワフワ…

石垣『そもそも、私達が存在している時点で……今の科学でも解明出来ない現象は、沢山あると思う』フワフワ…

大鳳『まぁ、そのどれもが創造神様がこの世界をお作りになった時に"設定"したものなんですけどね』フワフワ…

提督(そうなんだ……もっと、知りたいかも……)

先生「……提督」

提督「……え?」

大鳳達『……!』

先生「ここはテストで出題するところだぞ?余所見せず、しっかり聞いておくように」

提督「あっ、ごめんなさい……」

初春『……すまぬ』

石垣『ごめんね?気を散らせちゃって……』

大鳳『その、ごめんなさい……』

提督(う、ううん!全然気にしてないよ!先生の授業と合わせて、凄くためになるお話を聞けたから……!)アセアセ

提督「……神様に妖怪、か」

提督(もっと、色々なお話を聞きたい……もっともっと、知りたい……!)
441 : ◆0I2Ir6M9cc [saga]:2021/06/30(水) 22:49:21.56 ID:AKpueRVC0
――


大鳳「………」

大鳳(こんなことを言うのは不謹慎かもしれないけど……提督君と過ごした日々は、凄く楽しかった)

大鳳(罰を受けたお陰で、私は提督君と一緒の時間を過ごすことが出来た)

大鳳(私達の話を興味深そうに聞く提督君。私達に笑顔を向けてくれる提督君……これまで、沢山の提督君を見せて貰った)

大鳳(そのまま数年の時が流れて……提督君は、自分の進路について真剣に考え始めた)

大鳳「……まさか、今の道に進むことになるとは思わなかったけどね」クスッ


――約数年後・リビング


提督(中学生)「………」カキカキ

大鳳「………」

大鳳(オカルトや神話の研究職に就きたい、か……やっぱり、私達が傍にいる影響かしら)

提督「……よし、数学はこれくらいで良いか。次は歴史に取り掛からないと……」カキカキ

初春「……いくら受験とやらが迫っているからといって、無理は禁物じゃぞ?」

提督「はい、分かっています」カキカキ

石垣「提督はいつもしっかり勉強してるから、いつも通りにやれば大丈夫だと思う」

提督「ありがとう、姉さん。でも、油断して不合格になるのは避けないと……」カキカキ

大鳳「………」

大鳳(……女神様。これって、他の人間の人生に多大な影響を与えてしまったりしませんよね?)

大鳳(私としては、提督君が自分で決めた道を……この子の選択を、尊重してあげたいんです)

女神『う〜ん……本当はやめておくべきと言うところなんだけど、12周目提督の幸せは正しく研究者になることだものね……』

女神『……黙々と研究するだけなら、下手に目立つ職種になるより影響力は小さいか』

大鳳(それじゃあ……!)パァッ

女神『ただし!貴女の能力を駆使して、この子自身や他人への影響が良くも悪くも最小限になるよう努めること。良いわね?』

大鳳(はい、分かりました!ありがとうございます、女神様!やったわ!これで……!)

提督「……大鳳様?」

大鳳「……え?」

初春「急に笑みを浮かべ出して、一体どうしたんじゃ?」

大鳳「いえ、何でもないわ。何でも……ふふっ♪」

提督達「……?」

大鳳(提督君には、純粋な気持ちで夢を目指して欲しい。下手に他人への影響力を意識して、受験に落ちちゃったら大変だもの)

大鳳(大丈夫。貴方の夢を邪魔する人は、私が上手く退ける。だから安心して、夢に向かって努力して下さいね……?)
442 : ◆0I2Ir6M9cc [saga]:2021/06/30(水) 22:49:51.60 ID:AKpueRVC0
今回はここまでです。
443 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/06/30(水) 23:40:07.96 ID:z2wQdZCQ0
乙でしたー
444 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/07/01(木) 00:04:05.96 ID:NY7ZCH+Mo
おつー
445 : ◆0I2Ir6M9cc [saga]:2021/07/03(土) 18:23:18.86 ID:CvBj8F/R0
――


大鳳「………」

大鳳(普段から真面目に勉強していることもあって、提督君は受験も難なくこなしていった)

大鳳(とはいえ、私もただあの子のことをただボヤ〜っと眺めていた訳じゃない)

大鳳(細心の注意を払いながら、『不具合』を増やさない範囲で……提督君に降りかかる不運を、可能な限り払い除けた)

大鳳(といっても、僅かに干渉した程度だけどね。試験前日に体調を崩さないようにするとか、自転車に乗っている時に事故に遭う可能性を0にするとか……)

大鳳「……同じ失敗は許されないもの」ポツリ…

大鳳(本来なら、私がこうして力を行使すること自体……極力避けるべきなのは分かってる)

大鳳(でも、そもそも提督君が元気に暮らしていることがイレギュラーである以上……既に元の歴史からズレが生じている)

大鳳(だからこそ、女神様と相談しながら……提督君の人生に悪影響を与えないようにしつつ、『不具合』を最小限に抑えられるよう努めた)

大鳳「……私、いえ、私達のしたことは、きっと無駄じゃなかった」

大鳳(そう思えるのは、提督君が……夢を叶えたから。あの子の努力に比べれば、私の力なんて……微々たるものだから)


――12周目提督実家・自室


提督(高校生)「………」つPC カタカタ

大鳳「あれ?提督君、またパソコン作業?課題はもう終わったはずじゃ……」

提督「いえ、これは課題ではなくて……今まで大鳳様達から教わったことを、自分なりにまとめているんです」カタカタ

大鳳「それって、天界や天使についてのこと?それとも、この世界の成り立ちとか?」

提督「基本的には全てです。もちろん、この内容を他の人々に見せることはしません」カタカタ

提督「大鳳様達から教わったことをしっかり記憶に残す為、そして、後でいつでも確認出来るようにする為ですね」カタカタ

初春「相変わらずまめじゃの……」

提督「いえ、そんな……」カタカタ

石垣「……そこが提督の良い所」ニコッ

提督「姉さんまで……」カタカタ

大鳳「石垣ちゃんの言う通りね。私達は、提督君の真っ直ぐな所……好きだもの」ニコッ

提督「……///」カタ…

初春「おや?手が止まっておるぞ?」ニヤニヤ

石垣「もしかしなくても、照れてる……?」ニコニコ

大鳳「そういうところも、可愛くて好きですよ?」クスクス

提督「も、もうやめて下さい……///」

大鳳「ふふっ♪」

大鳳(本当に、可愛い……♪)
446 : ◆0I2Ir6M9cc [saga]:2021/07/03(土) 18:24:55.95 ID:CvBj8F/R0
――約10年後・12周目大学


提督(20代後半)「………」つPC カタカタ

大鳳「今日も資料作り?それとも論文?」

提督「両方ですね。ゼミを任されたからには、これまで以上にしっかりしたものを作らないといけませんから」カタカタ

大鳳「ふふっ……高校、大学、そして大学院を卒業して准教授になっても……提督君の真面目な所は変わらないわね」クスッ

提督「その、大鳳様……僕ももういい年なので、君付けで呼ぶのは……///」

大鳳「そう言われても、私にとってはずっと見守ってる年下の男の子だから」

提督「うぅ……///」

初春「どうせ他人には聞こえない会話ではないか」

石垣「そんなに気にすること、ないと思う……」

提督「確かに、そうなんですけど……///」

大鳳「そうやって赤くなっちゃうところも、やっぱり変わってませんね♪」ギュッ

提督「……///」

大鳳「……♪」

大鳳(……ほんの少し前までは小さな体だったのに、今じゃ私の身長を追い抜くくらいになっちゃった)

大鳳(でも、それだけ提督君が成長したということよね。自分が救った男の子が、こんなに立派になってくれるなんて……)

提督「た、大鳳様……あの、そろそろ……///」

大鳳「……え?」

初春「……いつまで提督を抱き締めているつもりじゃ」ジトー

石垣(大鳳様、ずるい……)ジー

大鳳「……もう少しだけ♪」ギュッ

提督「……///」

初春「駄目じゃ!いい加減離れぬか!」グイグイ

石垣「提督が、作業に集中出来ませんから……!」

大鳳「お断りします〜!」ギュッ

提督「うぅ……///」
447 : ◆0I2Ir6M9cc [saga]:2021/07/03(土) 18:26:01.94 ID:CvBj8F/R0
――


大鳳「………」

大鳳(この時には、私はもう……提督君と、本当の意味で家族になれていたと思う)

大鳳(石垣ちゃんや初春ちゃんのことも、一緒に提督君のことを見守る家族兼仲間のような関係を築けたと思っている)

大鳳(いつも4人で一緒にいることが当たり前になって、時には自分が天界からやって来た天使だということも忘れるほどに……)

大鳳「……いや、今は『5人』ね」クスッ

大鳳(今から少し前だったっけ。提督君が、山風ちゃんを連れて帰って来たのは……)


――12周目提督家・リビング


提督「………」つPC カタカタ

山風「………」スリスリ

大鳳「山風ちゃん……そろそろ交代してくれませんか?」

初春「提督の膝上は、わらわのみに許された特等席だというのに……」

大鳳「いや初春ちゃんだけの席じゃないから」

山風「……もう少しだけ、ダメ?」

提督「僕は構わないけど……」カタカタ

山風「……ありがと」スリスリ

石垣「……初春様、大鳳様。後10分だけ待ってあげてくれませんか?」フワフワ…

大鳳「………」

初春「………」

初春(……石垣がそう言うなら、我慢するしかないのじゃ)

大鳳(話を聞いた限りでは、山風ちゃんはずっと寂しい思いをしてきたみたいだし……)

山風「……義兄さん、あったかい」スリスリ

提督「………」ナデナデ…

石垣「………」ニコ…

大鳳「む……」

初春「………」

大鳳(頭では、山風ちゃんの事情を理解してる……理解はしてるんだけど……)

初春(提督の膝上を独占されると、やはり『次はわらわが良い』という気持ちが湧いて来るのう……)
448 : ◆0I2Ir6M9cc [saga]:2021/07/03(土) 18:27:25.37 ID:CvBj8F/R0
――現在・12周目提督家


大鳳「………」

大鳳(えっと、まぁ色々なことがあったけど……私は山風ちゃんを、家族兼仲間として歓迎している)

大鳳(山風ちゃんも含めた5人での日々は、本当に……天界にいた頃よりも、ずっと充実した時間だったもの)

大鳳「………」チラッ

提督「………」

石垣「………」フワフワ…

初春「………」

大鳳「……ずっと、提督君達と過ごす時間が続いて欲しい」ポツリ…

提督達「……!」

大鳳(それが私の、紛れもない本心……この考えは、きっと変わることはないと思う)

大鳳(提督君がいて、石垣ちゃんがいて、初春ちゃんに山風ちゃん……そして、その中に私もいて……)

大鳳(この5人で過ごす日々は、私にとって……かけがえのない宝物だから)

大鳳(もちろん、いずれは死別という別れが待ち受けている。ただ、提督君のことだから……)

大鳳「………」

大鳳(いや、そんな先のことを考える必要はまだない。今、この時間を大事にしないとね)

提督「………」

提督(大鳳様は、そこまで僕達のことを……僕達との日々を、大切に思ってくれているんだ……)

提督(今の言葉は、凄く……嬉しかった。大鳳様にとって、僕が重荷になっていないだけでもありがたいのに……)

提督「……僕も同じです」

大鳳「……!」

提督「大鳳様達と過ごせる時間が、ずっと続いて欲しいと思っています……ずっと、ずぅっと……」

提督(それは叶わない願いなのは分かってるけど……せめて、僕がこのまま年を重ねて、いつか亡くなるその時までは……)ギュッ…

大鳳「………」

大鳳(……安心して、提督君。貴方の、その願い……全力で叶えてみせます。貴方の幸せは、私が……私達が、守りますから……!)

初春(……わらわも同感じゃ。提督はもちろん、他の3人との時間も……今となっては、当たり前の日常になったからの)

石垣(提督や、大鳳様達と一緒にいられるのは……私にとって、凄く幸運なことだから……)
449 : ◆0I2Ir6M9cc [saga]:2021/07/03(土) 18:30:59.40 ID:CvBj8F/R0
今回はここまでです。これで大鳳の回想パートが全て終了しました。
次回から本編に戻ります。
450 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/07/03(土) 18:42:54.84 ID:iHI2MLO/o
おつおつ
尊い……ああ尊い……女神様お願いですから今周は失恋なしでどうか……
451 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/07/03(土) 19:56:02.39 ID:9Al6p5uq0

尊い…
452 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/07/05(月) 08:09:59.49 ID:PMxxgQLIO
このまま失恋者出なかったら1週目よりあったかくて家族愛に溢れた聖域になりそう
その分失恋者出たらすっげードロドロしたりしそうなのが怖いけど
453 : ◆0I2Ir6M9cc [saga]:2021/07/05(月) 19:25:48.60 ID:cyfV+YV20
22:30〜23:30頃開始予定です。
454 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/07/05(月) 19:47:27.31 ID:7vR3QPA9O
山風に、出番を……
455 : ◆0I2Ir6M9cc [saga]:2021/07/05(月) 23:03:42.68 ID:cyfV+YV20
始めます。
456 : ◆0I2Ir6M9cc [saga]:2021/07/05(月) 23:06:02.84 ID:cyfV+YV20
〜 6月2週 〜

――12周目大学・キャンパス内


モブ学生1「なぁ、来年のゼミ選びはどうする?」スタスタ…

モブ学生2「12周目提督教授の所にするつもり」スタスタ…

モブ学生1「お前もか。先輩からおすすめの講義だと聞いて取ってみたけど、あの教授の話は実感がこもってて頭にどんどん入って来るんだよな」

モブ学生2「そうそう。他の講義も悪くはないんだけど、12周目提督教授の講義は頭1つ抜けてるというか……」

提督「………」スタスタ…

モブ学生1「あっ、12周目提督教授!」

提督「……君達は確か、最前列で話を聞いてくれていた学生さんだね」

モブ学生2「覚えてくれていたんですか?」

提督「もちろん。講義に参加してくれる学生さんの顔や名前は、出来る限り頭に入れるようにしてるから」ニコッ

モブ学生2(マジで?結構な人数がいたと思うんだけど……)

モブ学生1「あの、教授のゼミではどんなことをやってるんですか?」

提督「講義の内容を更に深く追求した感じかな。学生さん達が特に興味を持った分野を、各自で研究して貰ってるんだ」

モブ学生2「なるほど……」

モブ学生1「その、教授のゼミは毎年倍率が高いと聞きました。なので、入れるか分かりませんけど……」

モブ学生2「もし合格出来たら、僕達の研究も見てくれますか?」

提督「もちろんだよ。でも、僕の講義に興味を持ってくれるのは嬉しいけど、他の勉強も疎かにならないようにね?」

モブ学生1・2「はい!」

初春『……この流れも、毎年お決まりになったのう』ニヤニヤ

大鳳『提督君が准教授になって以来、講義もゼミもずっと人気だものね』クスッ

石垣『弟が立派になってくれて、私も嬉しい……』ニコ…

提督「……///」

提督(やっぱり、面と向かって褒められるのは……まだ恥ずかしいかも……///)


↓1初春のコンマ  親愛度:87/100
↓2山風のコンマ  親愛度:50/100
↓3大鳳のコンマ  親愛度:85/100
↓4石垣のコンマ  親愛度:64.5/100

反転コンマが最大のヒロインと交流します
457 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2021/07/05(月) 23:06:20.02 ID:yj5j/ISc0
レッツ背徳
458 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/07/05(月) 23:07:07.62 ID:j2EggxHr0
459 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/07/05(月) 23:07:25.55 ID:M15iIpV40
460 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/07/05(月) 23:07:41.48 ID:YjFTtTiDO
461 : ◆0I2Ir6M9cc [saga]:2021/07/05(月) 23:09:44.28 ID:cyfV+YV20
石垣は何をしている?もしくは提督と石垣は何をしている?

23:13以降から先着3つまでで反転コンマが最大の安価を採用
ただし23:17までに3つまで埋まらなかった場合、それまでで反転コンマが最大の安価を採用させていただきます

※石垣の姿や声は提督・他のヒロイン以外の人物には認識出来ないことを前提として頂けると幸いです。
※それだけでなく、憑依やポルターガイスト等、幽霊特有の能力は使えないことを前提として頂けると幸いです。

※その他、プロットに矛盾が出てしまいかねない場合は内容をアレンジさせて頂く場合があります。申し訳ありません。
462 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2021/07/05(月) 23:13:01.29 ID:yj5j/ISc0
他所の学部とはいえ学内で如何わしい事をしている学生を発見しちゃうお姉ちゃん
463 : ◆0I2Ir6M9cc [saga]:2021/07/05(月) 23:38:37.70 ID:cyfV+YV20
――12周目大学・ゼミ室


提督「………」つ弁当 モグモグ

石垣『……美味しい?』

提督「うん、凄く。やっぱり、山風が作ってくれるお弁当は格別だよ」ニコッ

大鳳『ふふっ、愛情が詰まってますもんね』フワフワ…

初春『いつの時代も、真心を込めた料理に勝るものはないからのう』フワフワ…

提督「同感です。身をもって実感しましたから」

石垣『帰ったら、山風にお礼を……』

ガタッ… ガタッ…

石垣『……?』チラッ

提督「今、何か物音が……」チラッ

初春『向こうから聞こえたが……』チラッ

大鳳『部屋の窓は閉まってるから、風ではなさそうだけど……』チラッ

ガタッ… ガタッ…

石垣『……私、ちょっと隣の部屋を見て来るね』スーッ…

石垣(万が一、不審者がいたとしたら……一刻も早く、提督を安全な場所に誘導しないといけないから……)


石垣『………』スゥッ…

石垣(幽霊だから誰にも気付かれないし、壁もこうやってすり抜けてしまえば……)

「ちょっ、声、漏れ……っ!///」

石垣『……え?』

モブ学生1「お、お前が悪いんだぞ!誘って来るから……!///」

モブ学生2「だ、だって、最近シてなかったから……んうっ!///」

石垣『………』

モブ学生1「くっ!も、もう出る……!///」

モブ学生2「だ、出してっ!今日は大丈夫な日だからっ!そのまま出してぇっ!///」

石垣『………』スーッ…


石垣『………』スゥッ…

大鳳「あっ、戻って来ましたよ」

初春『どうじゃ?物音の正体は掴めたか?』

石垣『………』

提督「姉さん、どうし……ハッ!?」

提督(まさか、本当に怪しい人が隣室に……)

石垣『………』


親愛度上昇率判定:この後どうなる?

01〜49:石垣「他学部生がヤってた」
親愛度上昇:小 ×1.0
50〜98:石垣「……カップルがイチャついてた」
親愛度上昇:中 ×1.5
ゾロ目:石垣「……ずるい」
親愛度上昇:大 ×2.0

直下

親愛度上昇数値判定 コンマ一の位×上昇率分上昇

↓2
464 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/07/05(月) 23:40:29.01 ID:2/oN2cxK0
465 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/07/05(月) 23:43:41.31 ID:M15iIpV40
ほい
466 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/07/05(月) 23:56:17.65 ID:gqOZdDkcO
最低値ェ
467 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/07/05(月) 23:57:50.17 ID:3MUsuv7Oo
お姉ちゃんおこですわ……
468 : ◆0I2Ir6M9cc [saga]:2021/07/06(火) 00:10:02.42 ID:1LXtTIGH0
01→10:ニア ストレートに伝える 1×1.0=1 1+64.5=65.5/100


石垣『他学部生の人達が、その……部屋の中で、いかがわしいことしてて……///』

提督「………」

初春『ほう』

大鳳『えっ……!?///』

提督「………」

石垣『と、とりあえず不審者ではなかった……いや、ある意味不審者かも……?///』

提督「……この話題はやめよう。僕達は何も見聞きしなかったことに……」

初春『激しかったか?』

提督「は、初春様……!?」

石垣『……///』コクリ

初春『やはりな。こちらの部屋まで音が響くほどじゃ』

大鳳『ほ、掘り下げなくて良いでしょう!?///』

提督「あ、あの……」

初春『貴様も山風と同じく初心じゃな。たかがそやつらが交尾しとったところで何を恥じらう必要が……』

大鳳『貴方が冷静過ぎるだけよ!///』

提督「初春様、大鳳様!お願いですから、その話はもうやめて下さい!これ以上は姉さんが……」チラッ

石垣『うぅっ……///』

初春『……おぉ、すまぬな。わらわとしたことが、つい……』

大鳳『あっ……ご、ごめんね?石垣ちゃん。そこのえっちな狐さんのせいで……』

初春『誰がえっちな狐さんじゃ……ところでえっちとはどういう意味じゃ?』

石垣『……///』

石垣(さ、流石に壁を覗いていきなりハッスルしてるのは予想出来なかった……ご近所さんなら、今更驚かないけど……///)

石垣(やっぱり、遠回しな言い方にした方が良かったかな……でも、提督に嘘はつきたくなかったし……///)

石垣(……大鳳様はともかく、初春様はそういうことに耐性あり過ぎだと思う。どうして、あんな話を平気な顔で聞けるの……?///)

提督「………」

提督(正直、僕もこういう話を聞くと……多少なりとも、興味を持ってしまう。だけど、姉さん達の前でそんな姿は見せられない……!)
469 : ◆0I2Ir6M9cc [saga]:2021/07/06(火) 00:11:20.79 ID:1LXtTIGH0
短くて申し訳ございませんが、今回はここまでです。
お付き合い頂きありがとうございました!それではまた次回の更新でお会いしましょう。
470 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/07/06(火) 00:15:11.94 ID:qmFc+l6g0
471 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/07/06(火) 00:19:55.58 ID:NC3l7BXb0
472 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/07/06(火) 00:22:13.66 ID:2TXId9Joo
おつでした
473 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/07/06(火) 05:38:44.11 ID:Zm9Mt+/z0
大学内でイケナイ葉っぱを育てる学生や他人のレポート盗む学生はいなかったんだね乙
474 : ◆0I2Ir6M9cc [saga]:2021/07/07(水) 19:59:07.76 ID:djkKj5xB0
22:00〜23:00頃開始予定です。
475 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/07/07(水) 22:32:03.27 ID:KdkCJVH8O
山k
476 : ◆0I2Ir6M9cc [saga]:2021/07/07(水) 22:34:04.07 ID:djkKj5xB0
始めます。
477 : ◆0I2Ir6M9cc [saga]:2021/07/07(水) 22:39:04.07 ID:djkKj5xB0
〜 6月3週 〜

――12周目提督家までの道


提督「………」スタスタ…

山風「………」スタスタ…

提督(流石に暑くなってきたかも……)つタオル フキフキ

山風「……義兄さん、大丈夫?」

提督「え?」

山風「さっきから、沢山汗かいてるけど……」

提督「あぁ、ちょっと暑くてさ……」

山風「……やっぱり」

山風(私はもう妖怪だから、どんな暑さや寒さも平気だけど……義兄さんは違う)

提督「これくらいなら、タオルで拭けば何とかなるからさ」フキフキ

山風「……うん」

山風(だから、熱中症になったり……風邪をひいてしまわないか不安で……)

大鳳『油断は禁物ですよ!』ズイッ

提督「……!」

初春『そうじゃ。まだ6月だからと舐めていたら痛い目を見ることになる』フワフワ…

石垣『こまめな水分補給は必須。そろそろエアコン……ううん、せめて扇風機は出すべきだと思う』フワフワ…

山風「……私も同感。今日の夜ご飯、何か冷たいものを作るね」

提督「皆……ありがとう」

提督(姉さんも、山風も、初春様も、大鳳様も、こうして僕のことを気にかけてくれる……その優しさが、心に染み渡って……)


↓1初春のコンマ  親愛度:87/100
↓2山風のコンマ  親愛度:50/100
↓3大鳳のコンマ  親愛度:85/100
↓4石垣のコンマ  親愛度:65.5/100

反転コンマが最大のヒロインと交流します
478 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/07/07(水) 22:39:16.28 ID:hcF0WLmg0
にゃー
479 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/07/07(水) 22:40:14.01 ID:KdkCJVH8O
あい
480 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/07/07(水) 22:40:24.80 ID:YV8sDo1Z0
481 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/07/07(水) 22:40:30.25 ID:EP/mxsU8O
でや
482 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/07/07(水) 22:40:42.88 ID:lEC9vtQf0
山風…
483 : ◆0I2Ir6M9cc [saga]:2021/07/07(水) 22:41:41.88 ID:djkKj5xB0
初春は何をしている?もしくは提督と初春は何をしている?

22:45以降から先着3つまでで反転コンマが最大の安価を採用
ただし22:49までに3つまで埋まらなかった場合、それまでで反転コンマが最大の安価を採用させていただきます

※初春の姿や声は提督・他のヒロイン以外の人物には認識出来ないことを前提として頂けると幸いです。

※その他、プロットに矛盾が出てしまいかねない場合は内容をアレンジさせて頂く場合があります。申し訳ありません。
484 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/07/07(水) 22:43:13.83 ID:EP/mxsU8O
山風はもう……
485 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/07/07(水) 22:45:08.34 ID:+crk185/o
提督のフィールドワークについていく
486 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/07/07(水) 22:45:42.68 ID:EP/mxsU8O
明日世界が滅ぶなら何をするかトーク
487 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/07/07(水) 22:46:48.42 ID:YOX/Z/meo
湿気で毛がぶわっと広がった初春様の髪を梳かすのを手伝う
488 : ◆0I2Ir6M9cc [saga]:2021/07/07(水) 23:07:46.26 ID:djkKj5xB0
――12周目提督家・リビング


テレビ『専門家によると、地球に隕石が衝突する確率は――%だな』

テレビ『そうなのね。私の予想より高い確率だわ』

提督「………」つPC カタカタ

大鳳「この機械音声……最初は違和感があったけど、聞いている内に癖になってくるような」

石垣「……分からなくもない、ですね」

山風「……こんな大きな隕石が落ちて来たらと思うと、ゾッとする」

初春「確率というのはよく分からぬが、そんなことはまずあり得んのじゃろう?」チラッ

大鳳「当たり前じゃない!そんな簡単に創造神様がお作りになった世界が滅んでたまるものですか!」

提督「………」カタカタ

初春「しかし、地球最後の日という話そのものは中々興味深いの」

山風「あまり、考えたくないことだけど……」

石垣(私はもう死んでるから、考えるとすれば提督の安全だけ……)

初春「……時に提督よ」

提督「はい、何でしょうか?」

初春「貴様はもし、地球が明日滅びるとすれば……何をしようと思う?」

提督「……難しい質問ですね」

初春「ただの雑談じゃから、気を楽にして考えると良い」

大鳳「初春ちゃんならどうするつもり?」

初春「決まっておる。己の力を全て行使して、提督が生き残れる方法を探すじゃろうな」

大鳳「そうよね!私も因果律を操って……いや、それより天界に戻って女神様と相談する!それで、何とか提督だけでも生き残れるようにして貰って……」

石垣「……私には、祈ることしか出来ないかな。提督だけでも何とか助かることを」

石垣(もしくは、出来るだけ苦しまずに命を落として……私と同じ、幽霊になってくれることを……)

山風「……義兄さんを抱き締めて、地球の崩壊から守るくらいしか出来ない。私、初春や大鳳と違って……凄い力は使えないから……」

提督(皆……)

初春「っと、わらわ達ばかり話し込んですまなかった。話を戻して、提督なら何をするつもりじゃ?」

提督「………」


親愛度上昇率判定:提督の答えは?

01〜49:提督「何も考えられないかも」
親愛度上昇:小 ×1.0
50〜98:提督「せめて、皆といつも通り過ごすことを考える」
親愛度上昇:中 ×1.5
ゾロ目:提督「……嫌だ」
親愛度上昇:大 ×2.0

直下

親愛度上昇数値判定 コンマ一の位×上昇率分上昇

↓2
489 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/07/07(水) 23:08:48.03 ID:EGmHxm+f0
どう?
490 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/07/07(水) 23:08:56.96 ID:sQ3A11TzO
491 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/07/07(水) 23:10:11.13 ID:+crk185/o
リーチきたー
492 : ◆0I2Ir6M9cc [saga]:2021/07/07(水) 23:12:50.81 ID:djkKj5xB0
初春「このままわらわが一番乗りじゃ!」

大鳳「私だって負けないわよ!」

石垣「私も、まだ可能性は……!」















山風「………………………………………………………………」


短くて申し訳ございませんが、今回はここまでです。
お付き合い頂きありがとうございました!ここからまたしばらく初春の回想パートが続きます。
少しずつでも書き進めていきますので、それまでお待ち頂けると幸いです。
それではまた次回の更新でお会いしましょう。
493 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/07/07(水) 23:16:54.01 ID:+crk185/o
おつおつでした
山風、コミュ0はそれはそれで名を残せるから……(精一杯のフォロー)
494 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/07/07(水) 23:44:11.63 ID:ey/xmrIO0
乙でしたー
495 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/07/08(木) 00:59:44.26 ID:g3OFlWiwO

他の子のコミュで山風ちょくちょく出てるから影薄い感じはしないな
496 : ◆0I2Ir6M9cc [saga]:2021/07/14(水) 22:10:38.49 ID:yYgHz0Ch0
03→30:この幸せを失いたくない(※リーチ到達の為、ゾロ目と同じ展開にしました) 6×1.0=6 6+87=93/100 <リーチ!>


提督「………」

提督(地球が滅びてしまえば……きっと、僕だけが死んでしまうことになる)

提督(いや、姉さん達が死なずに済むのは、凄く嬉しい。僕だって、"もう"大切な人を失いたくない……)

提督(でも、僕が命を落とせば……姉さん達と離れ離れになるかもしれない。僕だけ、消えてなくなってしまうかもしれない……)

提督「……嫌だ」

石垣「え……?」

提督「それだけは、嫌だ……」

山風「義兄さん……?」

提督「地球が滅亡すれば、姉さん達と……一緒にいられなくなる……」

提督「そんなの、耐えられない……僕だけ、死んでしまうなんて……絶対に、嫌だ……!」

初春達「……!」

提督「………」

初春(軽い雑談のつもり、だったのじゃが……)

大鳳(そこまで、重く受け止めるなんて……)

初春「……提督」スッ…

初春(じゃが、それは――)

初春「………」ダキッ…

提督「……!」

初春「……すまなかった。仮定の話とはいえ、貴様を……否、"そなた"の心を締め付けることになってしまって……」ナデナデ…

提督「初春、様……」

提督(温かい……初春様の温もりが、伝わって来る……安心感と安らぎで、包まれていく……)

初春「安心せい。わらわは……わらわ達は、何があってもそなたから離れることはしない」

初春(――それだけ、わらわ達のことを真剣に考えてくれている証じゃ)

初春「………」ギュッ…

初春(ここまでわらわ達のことを……わらわのことを、心から慕ってくれた者は……今まで、誰1人としておらんかった)

初春(だからこそ、わらわも人間に強く思い入れを抱くことはなかったのじゃが……)

初春「……まさか、わらわがのう」ポツリ…

提督「……?」

初春(人の子に、恋心を抱いてしまうとは……提督のことを、家族としてではなく……愛する者として……)
497 : ◆0I2Ir6M9cc [saga]:2021/07/14(水) 22:11:31.72 ID:yYgHz0Ch0
初春「………」

初春(今でこそ、こうしてわらわ達は提督と共に平穏な日々を送れているが……)

初春(その平穏が、一時的に……壊れてしまったことがある)

初春(10年……いや、もっと前か。忘れもしない、"あの日"……)


――15年以上前・公共バス内


ワイワイ ガヤガヤ

提督(※小学生)「〜♪」

石垣(※小学生)「提督、楽しかった……?」

提督「うん……♪」ニコッ

山風「私も……」ニコ…

初春『幼い頃の経験というものは、後に大切な思い出となる。今の気持ちを、忘れないようにすることじゃ』フワフワ…

提督「はい……!」

初春『ふふ……』

初春(提督も石垣も、山風も……全員、今日の遠足とやらを楽しめたみたいで何よりじゃ)ニコッ

キキィーッ!

初春『!?』

提督「わぁっ!?な、何!?」グラッ

石垣「うっ……!?」グラッ

山風「ば、バスが急にブレーキを……!?」グラッ

初春(提督達が姿勢を崩したぞ!?一体何が――)









――ドガシャアアアアアアァァァァァァンッ!!
498 : ◆0I2Ir6M9cc [saga]:2021/07/14(水) 22:12:40.36 ID:yYgHz0Ch0
――数分後


初春『………』

初春(て、提督達の乗っていたばすが……潰れて……)

通行人1「うわぁっ!?バスとトラックが衝突したぞ!?」

通行人2「救急車!いや先に警察か!?いや両方に電話しないと!」

ザワザワ… ザワザワ…

初春『……はっ!?』

初春(し、しまった!唖然としている場合ではない!提督達は!?提督達は無事か!?)キョロキョロ

提督「……うぅ」

初春『……!』

提督「痛た……一体、何が起こったの……?」ムクリ…

初春『提督っ!』

提督「……!」

提督(初春様……)

初春『良かった、無事じゃったか!提督の身に何かあれば、どうしようかと……』

提督「いや、それより……お姉ちゃんと山風は……!?」

初春『この近くにいるはずじゃ!一刻も早く見つけんと……!』

初春(山風は化け猫じゃから、普通の人間より丈夫なはず……しかし、石垣は……!)

提督「お姉ちゃん!山風!どこ!?どこにいるの!?」キョロキョロ

山風「………」

提督「山風!良かった、無事だったんだね……!」

初春(やはり生きておったか。ひとまずは安心じゃが、石垣の姿が見当たらぬ……一体、どこに……)

山風「………」

提督「……山風?」

初春『……どうしたんじゃ?』

山風「………」スッ…

提督「……ッ!?」

初春『なっ……!?』
499 : ◆0I2Ir6M9cc [saga]:2021/07/14(水) 22:13:23.89 ID:yYgHz0Ch0
石垣「」

提督「……う、そ」

初春『石……垣……』

提督「お、お姉ちゃん……ねぇ、お姉ちゃんってば……」ユサユサ

石垣「」

初春『………』

石垣(魂)『………』フワフワ…

初春(石垣の魂が浮かんでいる……つまり、石垣は……もう……)

提督「………」チラッ

初春『………』フルフル…

山風「………」フルフル…

提督「そん、な……」

山風「……っ」ジワッ…

初春『……っ』ギリッ…

石垣『………』フワフワ…

初春(わらわは、妖狐失格じゃ……あれほど慕ってくれた人間を、守ることさえ出来なかった……)

初春(それどころか、提督を悲しませてしまった……わらわが傍についていながら、こんなことに……!)

提督「お姉ちゃん……お姉ちゃん……うぅっ、あぁっ……!」ポロポロ

石垣「」

提督「うぐっ、ひっく……お姉ちゃん……やだぁ……死なないでぇ……えぐっ……!」ポロポロ

山風「………」ポロポロ

初春『……っ!』フルフル

初春(い、いや、ここで自分を責め続けるだけでは、更なる愚か者じゃ……まずは、石垣に謝罪せねば……)チラッ

石垣『………』フワフワ…
500 : ◆0I2Ir6M9cc [saga]:2021/07/14(水) 22:14:12.47 ID:yYgHz0Ch0
今回はここまでです。更新が滞ってしまい申し訳ございません。
501 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/07/14(水) 22:21:52.38 ID:qlP5JH2K0
乙乙

自分のペースで無理しない方向で良いかと
502 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/07/14(水) 22:52:11.53 ID:CqYq1USso

上に同じ
お姉ちゃんが霊体かするシーンか…
503 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/07/15(木) 08:17:32.71 ID:khk4F/VyO
504 : ◆0I2Ir6M9cc [saga]:2021/07/15(木) 22:18:25.60 ID:LFoqycyh0
改めてプロットと文章を読み直したのですが、>>497->>499の範囲で矛盾点がありました。
提督と初春が会話していますが、本来ならこの時点では初春は提督に姿を見せていません。
その為、まずは矛盾している箇所を修正した文章を投下します。
505 : ◆0I2Ir6M9cc [saga]:2021/07/15(木) 22:19:27.51 ID:LFoqycyh0
初春「………」

初春(今でこそ、こうしてわらわ達は提督と共に平穏な日々を送れているが……)

初春(その平穏が、一時的に……壊れてしまったことがある)

初春(10年……いや、もっと前か。忘れもしない、"あの日"……)


――15年以上前・公共バス内


ワイワイ ガヤガヤ

提督(※小学生)「〜♪」

石垣(※小学生)「提督、楽しかった……?」

提督「うん……♪」ニコッ

山風「私も……」ニコ…

初春『………』フワフワ…

初春(提督も石垣も、山風も……全員、今日の遠足とやらを楽しめたみたいで何よりじゃ)ニコッ

提督「……また、来たいな」

石垣「それなら、お父さんとお母さんに連れて行って貰おっか……?」

山風「……良いと思う」

初春『よほど気に入ったみたいじゃな……』

初春(提督は特にはしゃいでおったからのう。これは近い内に、また同じ土地を訪れることに……)

キキィーッ!

初春『っ!?』

提督「わぁっ!?な、何!?」グラッ

石垣「うっ……!?」グラッ

山風「ば、バスが急にブレーキを……!?」グラッ

初春(提督達が姿勢を崩したぞ!?一体何が――)









――ドガシャアアアアアアァァァァァァンッ!!
506 : ◆0I2Ir6M9cc [saga]:2021/07/15(木) 22:20:22.63 ID:LFoqycyh0
――数分後


初春『………』

初春(て、提督達の乗っていたばすが……潰れて……)

通行人1「うわぁっ!?バスとトラックが衝突したぞ!?」

通行人2「救急車!いや先に警察か!?いや両方に電話しないと!」

ザワザワ… ザワザワ…

初春『……はっ!?』

初春(し、しまった!唖然としている場合ではない!提督達は!?提督達は無事か!?)キョロキョロ

提督「……うぅ」

初春『……!』

提督「痛た……一体、何が起こったの……?」ムクリ…

初春『提督っ!良かった、無事じゃったか……!提督の身に何かあれば、どうしようかと……』

提督「いや、それより……お姉ちゃんと山風は……!?」

初春『……そうじゃ、一息ついとる暇はない。2人を探さんと……!』

初春(山風は化け猫じゃから、普通の人間より丈夫なはず……しかし、石垣は……!)

提督「お姉ちゃん!山風!どこ!?どこにいるの!?」キョロキョロ

山風「………」

提督「山風!良かった、無事だったんだね……!」

初春(やはり生きておったか。ひとまずは安心じゃが、石垣の姿が見当たらぬ……一体、どこに……)

山風「………」

提督「……山風?」

初春(……どうしたんじゃ?)

山風「………」スッ…

提督「……ッ!?」

初春『なっ……!?』
507 : ◆0I2Ir6M9cc [saga]:2021/07/15(木) 22:22:15.39 ID:LFoqycyh0
石垣「」

提督「……う、そ」

初春『石……垣……』

提督「お、お姉ちゃん……ねぇ、お姉ちゃんってば……」ユサユサ

石垣「」

初春『………』

石垣(魂)『………』フワフワ…

初春(石垣の魂が浮かんでいる……つまり、石垣は……もう……)

提督「………」チラッ

山風「………」フルフル…

初春『………』

提督「そん、な……」

山風「……っ」ジワッ…

初春『……っ』ギリッ…

石垣『………』フワフワ…

初春(わらわは、妖狐失格じゃ……あれほど慕ってくれた人間を、守ることさえ出来なかった……)

初春(それどころか、提督を悲しませてしまった……わらわが傍についていながら、こんなことに……!)

提督「お姉ちゃん……お姉ちゃん……うぅっ、あぁっ……!」ポロポロ

石垣「」

提督「うぐっ、ひっく……お姉ちゃん……やだぁ……死なないでぇ……えぐっ……!」ポロポロ

山風「………」ポロポロ

初春『……っ!』フルフル

初春(い、いや、ここで自分を責め続けるだけでは、更なる愚か者じゃ……とにかく、まずは石垣に話しかけて……謝罪、せねば……!)チラッ

石垣『………』フワフワ…
508 : ◆0I2Ir6M9cc [saga]:2021/07/15(木) 22:23:42.75 ID:LFoqycyh0
※ここからが新規の文章となります。混乱させてしまい申し訳ございません。
509 : ◆0I2Ir6M9cc [saga]:2021/07/15(木) 22:24:26.49 ID:LFoqycyh0
初春『……石垣』

石垣『………』フワフワ…

初春『聞こえておるか?石垣……』

石垣『………』フワフワ…

初春『……返事がない、か』

初春(己の死に絶望したか、あるいは未だ意識を失っているのか……)

初春(せめて、一言でも謝罪したいと思っていても……意思疎通が出来ぬ……)

救急隊員達「君達!大丈夫かい!?」

初春『……!』

提督「うぅっ……」ポロポロ

山風「………」ポロポロ

救急隊員達「……!」

石垣「」

救急隊員達(この子は、もう……だが、幸い傍にいる2人は生きている。一刻も早く保護しなければ……!)

救急隊員達「……辛いかもしれないが、僕達と一緒に来てくれるかい?」

提督「お姉ちゃん……うあぁっ……」ポロポロ

山風「……っ」ポロポロ

救急隊員達(強引に連れて行くことも出来るが、相手はまだ幼い子供だ。可能な限り、そういうやり方は……)

山風「……義兄さん、行かなきゃ」ポロポロ

提督「……!」ポロポロ

山風「ここに、ずっといる訳にはいかない……から……」ポロポロ

提督「………」コクリ…

初春『………』

初春(石垣のことも気になるが……提督と山風、特に提督から目を離すことは出来ない……)

初春(すまない、石垣……また様子を見に来る。だからそれまで、ここで待っていて欲しい……)

石垣『………』フワフワ…

救急隊員達「見たところ、怪我はなさそうだが……念の為に病院へ来てもらう。ご両親にも、連絡を入れておく」

提督「………」ポロポロ

山風「……はい」ポロポロ

スタスタ…

初春『………』フワフワ…
510 : ◆0I2Ir6M9cc [saga]:2021/07/15(木) 22:25:26.29 ID:LFoqycyh0
――


初春「……っ」ギリッ…

初春(わらわは、提督達との心地良い日々を過ごしたせいで……完全に油断しておった)

初春(そのせいで、石垣の命を……これから長い人生を歩むはずだった、幼い命を……散らしてしまった)

初春(たとえ、石垣が"あのように言ってくれた"としても……絶対に、忘れてはいけないことじゃ……)

初春「………」

初春(それだけではない。あの事故が起こった後も……悲劇は、続いて……)


――数日後・12周目提督実家(旧)


初春『………』

提督「………」

山風「………」

父「石垣……どうして……」ブツブツ…

母「……いつまで塞ぎ込んでるつもり?」

父「石垣……石垣……」ブツブツ…

母「私だって、辛いけど……ずっと、部屋に籠っている訳にはいかないでしょう……?」

父「あぁっ……石垣……」ブツブツ…

母「ちょっと、聞いてるの……?ねぇってば!」

父「石垣……」ブツブツ…

母「いい加減に現実を見なさいッ!」

提督「……っ」ビクッ

山風「……っ」ビクッ

初春『………』

母「どれだけ悲しんでも、石垣は帰って来ないでしょ!?」ジワッ…

母「まさか、このまま仕事を休み続ける気なの!?私だって、悲しみを堪えて……皆の為に、家事してるのに……」ポロポロ

父「石垣……石垣……」ブツブツ…

母「……っ!もう知らない!」バタンッ!

提督「うっ……うぅっ……」ポロポロ

山風「……っ」ポロポロ

初春『……っ』ギリッ…!

初春(あの時、わらわが油断していなければ……せめて、わらわの加護で石垣の命を守れたかもしれぬのに……!)
511 : ◆0I2Ir6M9cc [saga]:2021/07/15(木) 22:26:29.77 ID:LFoqycyh0
――


初春「………」

初春(父は石垣を失った絶望で心ここにあらずとなり、母はそんな父に苛立ちを募らせていく……)

初春(そして、両親の絶望や負の感情を見せられて……提督と山風は、一層追い込まれていく……)

初春(このような光景は、何度も見てきたが……それはあくまでも、見守る立場としてじゃ)

初春(故に、人間達が嘆き、苦しみ、絶望しても……それほど感情を揺さぶられることはなかった)

初春(じゃが、今回は……これまでとは、訳が違う。強く思い入れを抱いた者が、わらわの目の前で……)

初春(その事実は、わらわの心を締めつけた。人間のように、感情に身を任せることが出来たとしたら……)

初春「………」

初春(その時は、きっと……叫びながら大粒の涙を零していたかもしれん)

初春(そう思っていた矢先に、更なる悲劇が訪れてしまった。そのせいで提督とわらわ、山風が……)


――12周目提督実家(新)・自室


初春『………』

母「……今日からここが、私と提督の家よ」

提督「………」

母「……ごめんね。私達の都合に、巻き込んじゃって……」

提督「………」

母「………」

母(提督……でも、私もあんな人と一緒にいるのは……もう、限界だったの……)

提督「………」

母「……買い物に行って来るわ。部屋で待っててね」バタン…

提督「………」

初春『………』

初春(父に愛想を尽かし、そのまま離婚に至ってしまっただけでなく……それに、山風はあやつの所へ置き去りにされて……)

初春(……わらわには、こやつらを責める資格はない。じゃが、せめて……提督と山風の気持ちを、もう少しだけ考えることは出来なかったのか?)

初春(山風はまだしも、提督はまだ子供じゃ。親の、それも両親の愛が必要な時期……ただでさえ、姉と死別した悲しみは大きい)

初春(それなのに、立て続けに両親が離婚し……義妹と生き別れになってしまえば……提督の心の負担は、計り知れないものに……)

提督「……どうして」ジワッ…

初春『……!』

提督「どうして、こんなことに……なっちゃったの……?」ポロポロ

提督「お姉ちゃんが死んじゃって……お父さんと、お母さんが……離婚、しちゃって……」ポロポロ

提督「しかも、山風とも離れ離れになっちゃって……こんな、ことって……!」ポロポロ

初春『提督……』

提督「うぅっ……あぁっ……!」ポロポロ

初春『……っ』ズキッ…
512 : ◆0I2Ir6M9cc [saga]:2021/07/15(木) 22:27:24.47 ID:LFoqycyh0
今回はここまでです。
513 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/07/15(木) 23:07:32.61 ID:RFBGcohV0
乙でしたー
514 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/07/17(土) 00:44:46.19 ID:U2VuY6ZL0
515 : ◆0I2Ir6M9cc [saga]:2021/07/20(火) 21:36:46.56 ID:Om9MiExf0
――


初春「………」

初春(わらわは提督と山風を天平にかけ、提督について行くことに決めた)

初春(決して山風を嫌っていた訳ではない。単にわらわにとって、山風よりも提督の方が大事だったというだけじゃ)

初春「……じゃが」

初春(残された山風は、恐らくかなり苦労したはず……石垣を失った直後の父は、晩年の祖父とほぼ同じ状態で……)

初春(……わらわがもっと提督達を注意深く見ておけば、こんなことにはならぬはずじゃった)

初春(後悔ばかりが募っていった。それでも、わらわまで塞ぎ込む訳にはいかぬと思ったのじゃ……時間は待ってはくれぬからな)


――12周目提督実家・廊下


初春『………』フワッ…

初春(毎日、事故現場へ向かい……石垣の魂へ語り掛けたが、一向に反応を示さぬ……)

初春(成仏もせず、それでいて意識もない……やはり、死の衝撃が大き過ぎるせいで、まだ意識が飛んだままなのか……?)

初春『………』フルフル…

初春(いや、石垣のことばかり考え続ける訳にもいかぬ。家に戻って来たからには、提督の様子も見ておかなければ……)

提督「………」

初春『……提督?』

初春(どうしたんじゃ……?いつもなら、この時間帯は部屋で静かに泣いて……)

『……なさい』

初春『……!』

提督「………」

母『提督……石垣……ごめんなさい……こんな、弱い母親で……』ポロポロ…

母『本当なら、私がもっとしっかりしないといけないのに……娘を失った辛さから、立ち直れずに……』ポロポロ…

母『それどころか、提督とあの人を引き離すようなことをして……提督だって、凄く辛いはずなのに……』ポロポロ…

母『うっ……うぅっ……ごめんなさい……ごめんなさいっ……』ポロポロ…

提督「……お母さん」

初春『………』
516 : ◆0I2Ir6M9cc [saga]:2021/07/20(火) 21:39:08.56 ID:Om9MiExf0
――数分後・自室


提督「………」ガチャ バタン…

初春『………』

初春(……母は、あやつは、この家に来た日から……ずっと、人知れず部屋で後悔と悲しみに潰されておった)

初春(娘を失った絶望。夫の絶望に嫌気が差したことによる己への嫌悪感。そして……自分の都合で、息子に辛い思いをさせた罪悪感)

初春(それでも、息子の前で……これ以上、情けない姿を晒すことは出来ない。そう考えていたようじゃが……)

提督「……そう、だよね。辛いのは、僕だけじゃ……ない……」

初春(同じ家に住んでいるのじゃ。提督に気づかれぬはずが……)

提督「………」

提督(悲しんでばかりじゃ、ダメ……お母さんだって、辛いんだ……でも、それ以上に……)

提督(きっと、1番辛かったのは……お姉ちゃんだから。傷付いて、苦しんで、死んでしまった……お姉ちゃんだと、思うから……)

提督「……っ」グッ…

提督(だったら、僕に出来ることは……)

初春『………』

初春(わらわに出来ることは、せめて……提督が道を踏み外さぬように、見守ることだけじゃ……)

初春(いや、目の前で石垣が命を落とす瞬間を見届けることしか出来なかったわらわが、そんなことを考える資格はないのかもしれぬが……)

初春(それでも、これ以上……わらわを信じてくれた者を失いたくない。残された提督だけは、何としても……)

提督「……お願いします、初春様」

初春『……?』

初春(提督、今……わらわの名を……)

提督「どうか、お姉ちゃんを……天国へ、連れて行ってあげて下さい……!」

初春『……!』

提督「家が遠くなって、神社には通えなくなっちゃって……僕にはもう、こうして祈ることしか出来ませんけど……」

提督「お願いです。もし、お姉ちゃんが今も苦しんでいるとしたら……成仏、させてあげて下さい……!」

提督「生き返らせて、なんて無茶なことは頼みません……どうか、お姉ちゃんを……苦しみから、解放してあげて欲しいんです……!」

初春『………』

初春(提督……)
517 : ◆0I2Ir6M9cc [saga]:2021/07/20(火) 21:39:46.16 ID:Om9MiExf0
今回はここまでです。
518 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/07/20(火) 21:43:17.66 ID:Sk5xekQ80
御狐様……
519 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/07/20(火) 21:53:47.90 ID:hfUOArU2o
おつ
提督…
520 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/07/20(火) 22:51:24.80 ID:N/JCfov60
521 : ◆0I2Ir6M9cc [saga]:2021/07/24(土) 18:56:33.04 ID:MvvADPAD0
――


初春「………」

初春(提督は……どこまでも家族想いだった。自分の悲しさよりも、石垣の……姉の成仏を願った)

初春(わらわへ逆恨みするどころか、家族を失ってもなお……わらわのことを信じ、祈ってくれた)

初春(純粋で、歪みのない、温かい気持ち……この時、わらわは心の奥底から提督に感銘を受けた)

初春「………」ギュッ…

初春(そして、わらわは決意した。これほどまでにわらわを信じてくれる、提督の想いに応える為……死力を尽くしてみせる、と)


――事故現場


初春『………』フワッ…

初春(出来ることなら、石垣を蘇らせてやりたいものじゃが……死者蘇生など、出来るはずがない)

初春(自然の摂理に逆らうことは、禁句なのじゃ……それが例え、わらわのような怪異に属する存在だとしても)

初春『……成仏、か』

初春(しかし、今の石垣を……この世に留まる魂を、無理に成仏させるのは……そもそも、どうして石垣の魂は未だに……)

初春(せめて、石垣と意思疎通を図り……成仏についてを告げることが出来れば良いのじゃが……)

初春『……む?』

石垣(霊体)『………』フワフワ…

初春『……!』

初春(今まで、霊魂だったはずじゃが……ようやく、人の姿に……この状態ならば、会話が成立するか……?)

石垣『………』フワフワ…

初春『……石垣、聞こえるか?』

石垣『……貴女、は?』

初春『おぉ、やはりわらわの声が届いたか……わらわのことを話す前に、貴様は……どこまで"理解しておる"?』

石垣『……何も、分かりません。いえ、記憶喪失、という訳じゃなくて……』

石垣『気がついたら、ここに……体が透けて、しかも浮かんで……一体、何がどうなって……?』

初春『………』

初春(……己の死を自覚しておらぬ、か)

初春『……全て話す。貴様にとって、辛い話になるが……どうか、最後まで聞いて欲しい』

石垣『………』
522 : ◆0I2Ir6M9cc [saga]:2021/07/24(土) 18:59:46.01 ID:MvvADPAD0
――15分後


初春『……ということがあった』

石垣『……う、そ』

初春『……事実じゃ。その証拠に、貴様はまさに今、霊体になっておる』

石垣『………』

初春『……すまなかった。わらわが傍についていながら、こんなことに……』

石垣『………』

初春『……石垣?』

石垣『……っ』ジワッ…

初春『……!』

石垣『うっ……あぁっ……!』ポロポロ

初春『……っ』ズキッ…

初春(本当に、すまぬ……あの時、わらわが油断していなければ……)ギリッ…!

石垣『嫌……嫌ぁっ……えぐっ、うあぁっ……!』ポロポロ

初春『………』


――10分後


石垣『………』グスッ…

初春『………』

石垣『……すみません。もう、落ち着きましたから……』グシグシ…

初春『……気にすることはない。そもそも、悪いのはわらわじゃ』

石垣『いえ、初春様のせいでは……事故なんて、避けようがありませんから……』

初春『石垣……』

石垣『それに、いつまでも悲しんでいる訳にも……いかないですよね……?』

初春『……!』

石垣『私がこうして、ここに留まり続ければ……提督を、ずっと悲しませることになっちゃうから……』

石垣『辛くても、悲しくても、苦しくても……自分の死を受け入れて、成仏しないと……』

石垣『それが、提督の望み……私が成仏すれば、あの子も……安心してくれるはず、ですよね……?』ニコ…

初春『………』

初春(……提督の優しさは、姉譲りという訳か。本当に、姉弟揃って……どこまでも、家族想いで……)

初春(今でも己の死と、家族に会えない寂しさで心が締め付けられているはずなのに……涙を拭うどころか、笑みさえ浮かべるとは……)

初春『………』グッ…

初春(じゃが、石垣は……恐らく……)
523 : ◆0I2Ir6M9cc [saga]:2021/07/24(土) 19:00:46.21 ID:MvvADPAD0
石垣『……初春様、お願いします。どうか、私を……成仏、させて下さい……』

初春『………』

石垣『……初春様?』

初春『……出来ぬ』

石垣『え……?』

初春『成仏させることは、出来ぬのじゃ……』

石垣『ど、どうして……?』

初春『……本来ならば、死者は己の死を受け入れた時点で……独りでに成仏する』

初春『しかし、石垣は……既に死を受け入れているにもかかわらず、未だ魂がこの世から離脱しようとしない』

石垣『………』

初春『貴様にも、心当たり……否、"心残り"があるはずじゃ』

石垣『………』ギュッ…

初春『……口に出さずとも分かる。提督のことじゃな?』

石垣『………』コクリ…

初春(石垣は、提督のことが気になって……無意識の内に、成仏を拒んでいる)

初春(しかも、一時的なものではなく……それこそ、提督が天寿を全うしない限り……)

石垣『………』

初春『弟を置いて、自分だけあの世へ旅立つことは出来ない。その心残りが、貴様を……地縛霊として、現世に縛り付けておる』

石垣『……どうすれば、良いんですか?どうすれば、私は……』

初春『………』

初春(無理に成仏させることは出来ぬ以上、何らかの手立てが必要になってくる……さて、どうしたものか……)

初春(地縛霊となると、そう簡単に現世から引き離すことは……いや、地縛霊……それなら……)

石垣『……初春様?』

初春『……成仏は出来ずとも、貴様の心残りを出来る限り解消する方法はある』

石垣『本当ですか……?でも、どうやって……』
524 : ◆0I2Ir6M9cc [saga]:2021/07/24(土) 19:02:01.64 ID:MvvADPAD0
今回はここまでです。
525 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/07/24(土) 19:06:11.02 ID:fANMGyBio
おつおつ
これは石垣お姉ちゃんの悪霊ルートの伏線っ…小ネタで取らなきゃ
526 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/07/24(土) 20:00:08.05 ID:OGxIJvS+0
乙でしたー
527 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/07/24(土) 22:51:51.51 ID:0FReer54O
お姉ちゃんを悪霊化させるなんて

失恋させればいいだけの話では?
528 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/07/25(日) 01:21:00.25 ID:oCU5qBlwO
病んだら一番ヤバいのって誰だろう
全員人外だし失恋考えると怖くて夜しか眠れん
529 : ◆0I2Ir6M9cc [saga]:2021/07/29(木) 21:05:33.08 ID:O3UnYam50
初春『地縛霊というのは、要するにこの地に雁字搦めになっている状況じゃ』

初春『そこで、雁字搦めになる対象を変化させる。言い換えれば、地縛霊としての性質を変化させて……』

石垣『……?』

初春『……石垣を、提督に憑りつかせれば良い』

石垣『……!』

初春『提督の守護霊にしてしまえば、成仏するまでもなく……提督を見守ることが出来る』

石垣『お願いしますっ!』ズイッ

初春『……!』

石垣『私を、提督の……あの子の、守護霊にして下さい……!』

石垣『たとえ、ずっと成仏出来なかったとしても……やっぱり、私は……あの子の傍に……!』

初春『………』

石垣『……っ』ギュッ…

初春『……分かった』

石垣『……!』パァッ

初春『そうと決まれば、すぐにでも……!』カッ…!

石垣『ん、ぅ……』

初春『魂を直接弄る以上、多かれ少なかれ不快感が出るとは思うが……すぐに治まる』

石垣『は、い……んんっ……』

初春(石垣の魂の依り代を、この土地から提督に……くっ、やはり"そのまま"では無理か……だとすれば、更に性質を弄るしか……!)

石垣『はぁっ……!』パァァ…ッ
530 : ◆0I2Ir6M9cc [saga]:2021/07/29(木) 21:07:34.16 ID:O3UnYam50
初春『………』スッ…

石垣『はぁ……はぁ……』

初春『……よし、成功じゃ』

石垣『本当、ですか……?』

初春『これで貴様は晴れて、地縛霊から守護霊へと変化した』

石垣『……!ありがとう、ございます……!これで、ずっと……あの子の傍に……!』

初春『………』

石垣『……初春様?』

初春『……後から説明することになってすまぬが、守護霊にする為には魂の性質を大きく弄る必要があった』

初春『その影響で、貴様の幽霊としての性質が弱まってしまった』

石垣『幽霊としての、性質……?まさか、いずれ消えてしまうとか……』

初春『いや、そんなことはない。人間に分かるように言えば、他者への憑依や物理的干渉は一切出来ぬ。本当に、ただ提督の傍にいられるだけじゃ』

石垣『……なんだ、そんなことですか。全然、気になりません。私はあの子の隣にいられるだけで、十分ですから……』ニコ…

初春『………』

初春(……石垣なら、必ずそう言うと思っておったぞ)


――


初春「………」

初春(……わらわが石垣を見殺しにしてしまった罪は、決して消えることはない)

初春(それでも、石垣を提督の守護霊にしたことは……良かったと思っておる)

初春(石垣は、わらわを責めないどころか……礼を言ってきたほどじゃからな)

初春「……本当に、物好きじゃな」ポツリ…

初春(見守ると言っておきながら、何も出来なかったわらわを……あの時も、今も……)

初春「………」

初春(……わらわが、提督や石垣と真に心を通わせたのは……それから、すぐのことだった)

初春(守護霊となった石垣は、提督のもとへ引き寄せられていき……わらわも、あやつと共に……)
531 : ◆0I2Ir6M9cc [saga]:2021/07/29(木) 21:11:34.83 ID:O3UnYam50
今回はここまでです。
プロットの半分以上を投下出来ましたので、後数回ほどの更新で回想パートを終えられると思います。
532 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/07/29(木) 21:15:38.83 ID:+yLn36q8o
おつおつです
初春様気苦労絶えなかったんやな…
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