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【安価でのわゆ】久遠陽乃は勇者である【5頁目】
- 107 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/09/10(金) 22:32:09.91 ID:o3ZWFcr4o
-
本人が実際にそういう意図で使っているかは別として、
陽乃からしてみれば、陽乃 " さん " というのは、まだ敬意があってのものと言えなくもない。
けれど、陽乃ちゃんというのはまるでそれが感じられない。
親しい友人に対してのような呼びかけ。
陽乃は、それが嫌なのだ。
「そう、なんだ」
勇者様だから? と、彼女は聞こうとしたのかもしれない。
しかし、それを実際に問うことはなく飲み込んで、頷く。
「わかった。じゃぁ……勇者様」
彼女は素直に諦める。
「今は、勇者様で我慢しておきます」
いや、素直ではない。
陽乃「今はって何よ」
「だって、いつかは、呼べるかもしれないし……」
- 108 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/09/10(金) 22:56:13.01 ID:o3ZWFcr4o
-
陽乃「無理よ」
陽乃は、その楽観的な言葉をバッサリと切り捨てる。
今のところそれを許すつもりは毛頭ないし、
そもそも、四国と諏訪では勇者の扱いが違う。
陽乃が勇者というよりも化け物……バーテックスに近い敵対勢力のような扱いを受けていることは差し引いても
常に身近に感じることが出来ていた諏訪と違い、
四国での勇者は崇敬の対象となっていて、丸亀城のところで共同生活をすることになっている。
陽乃がそうなるとは限らないけれど
いずれにせよ、
陽乃と彼女達が近くで過ごしたり、簡単に会うことが出来るような場所ではない。
陽乃「勇者はその重要性から、大社が管理している場所で共同生活を送るんだもの。貴女が立ち入れるような場所じゃないから」
「……巫女様は?」
陽乃「藤森さんは、どうかしら。でも、巫女ならだれでもというわけではないのは間違いないわね」
- 109 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/09/10(金) 23:14:44.89 ID:o3ZWFcr4o
-
今は、誰が担当しているのだろうか。
それさえ分からないけれど、水都は恐らく歌野のそばにいさせて貰えるのではないかと陽乃は目を細める。
たどり着ければの話だが、
歌野は諏訪から来たばかりの勇者。
まだなじみの薄い環境下で、
巫女とさえ切り離されるというのは精神的に辛いだろうと考慮してくれれば。
陽乃「だから無理よ。諦めて頂戴」
「そっかぁ……」
彼女は、残念そうに言いつつも、
その瞳はまだあきらめてはいないようだった。
「なら、この移動中が期限ってことだね……案外、吊り橋効果とか――」
陽乃「寝るわ」
「え、ちょっと――」
解放して貰えないならと、陽乃は会話を一方的に切り上げて目を瞑る。
眠気はないが、目を瞑っていればいつか、眠れるだろう。
- 110 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/09/10(金) 23:16:27.19 ID:o3ZWFcr4o
-
√ 2018年 9月9日目 朝:移動@
↓1コンマ判定 一桁
0 戦闘痕
6 バーテックス 発見
9 バーテックス 襲撃
66 進化型
99 完成型
※それ以外のぞろ目は特殊
- 111 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/09/10(金) 23:18:34.14 ID:LixaHTW3O
- あ
- 112 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/09/10(金) 23:23:59.64 ID:o3ZWFcr4o
-
では本日はここまでとさせていただきます
明日も可能であれば少し早い時間から
1日のまとめは明日の再開時
- 113 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/09/10(金) 23:31:49.29 ID:LixaHTW3O
- 乙
もし無事にたどり着けても陽乃さんの扱いはどうなるか分からないのも気がかりだなぁ…
- 114 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/09/11(土) 02:54:28.03 ID:v5m/gIVWO
- 乙
ここまでは順調過ぎるくらいだな
- 115 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/09/11(土) 21:16:14.33 ID:NbqnR38vo
- では少しだけ
- 116 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/09/11(土) 21:24:12.87 ID:NbqnR38vo
-
1日のまとめ(諏訪組)
・ 白鳥歌野 : 交流有(出発、杏達、名案、独断専行、何もない)
・ 藤森水都 : 交流有(出発、独断専行、嫌い、陽乃ちゃん)
・ 九尾 : 交流無(力を借りる)
√ 2018/09/08 まとめ
白鳥歌野との絆 81→82(良好) ※特殊交流4
藤森水都との絆 88→89(良好) ※特殊交流8
九尾との絆 75→76(良好)
鬱積 0%
- 117 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/09/11(土) 21:51:59.75 ID:NbqnR38vo
-
√ 2018年 9月9日目 朝:移動@
昨日も夜もまた、大した問題が起きることもなかったようで、
帰路としてはとても順調に四国へと向かうことが出来ている。
バーテックスの軍勢を発見したことはあっても、
襲撃を受けたわけではないこと。
まだ初日だったこともあってか、
連れ出した住民たちの様子にはそんな大きな変化は感じられない。
陽乃「……」
「……あ、勇者様起きてる」
陽乃「まだ寝てても問題はないわよ」
時間としては、まだ早朝
運転手が頑張ってくれているものの、
それ以外の住民たちはぐっすりと眠っている。
- 118 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/09/11(土) 22:01:49.46 ID:NbqnR38vo
-
陽乃も、いつの間にか休むことが出来ていたようで、
昨日の疲れはあんまり残っていない。
体から少しずつ力が抜けていくような感覚は、諏訪を守る結界のものだ。
今はまだいいが、
離れれば離れるほど、その消耗は激しくなっていく。
神樹様が神々の集合体であるように
陽乃も、その体を依り代として、諏訪の神々を宿している。
その陽乃が諏訪から離れた今、
陽乃が結界の維持を放棄すれば、諏訪はあっという間に結界が消失することだろう。
「勇者様は、もう起きるの?」
陽乃「無駄に寝ても疲れるだけだから」
もう1つ隣の水都はまだ、眠っている。
1、外に出る。
2、九尾と話す。
3、歌野に声を送ってみる
4、貴女は、四国でどうするの?
↓2
- 119 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/09/11(土) 22:04:01.25 ID:WSbbyVGt0
- 1
- 120 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/09/11(土) 22:04:25.13 ID:2jLlaiVEO
- 2
- 121 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/09/11(土) 22:38:42.95 ID:NbqnR38vo
-
寝てても良いって言うくせに。と、
何か聞こえた気がしたが、無視して目を瞑る。
九尾は車内にはおらず、
昨日と同じように屋根の上にいるようだ。
『何用じゃ』
陽乃『どう?』
『ふむ……見通しは悪くない。この様子ならまたしばらくバーテックスとやらはまた現れぬやもしれぬな』
陽乃『そう……』
九尾が言うなら、
本当にこの周辺にバーテックスの気配がないのだろう。
ということは、四国の方に向かったのだろうか。
『小娘共が争ったとも思えぬからのう。主様の力の余波を警戒しておるとも言えよう』
陽乃『私の……?』
- 122 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/09/11(土) 23:02:48.29 ID:NbqnR38vo
-
いくら陽乃とて、
諏訪からこの辺りまで力の影響を広げることは出来ない。
なのにこの辺りのバーテックスまで逃げるのは違和感がある。
陽乃はそう思ったが、
九尾は喉を鳴らすような笑い声を零して。
『主様の力を感じることは出来たじゃろう』
それに、
陽乃は力を使った際にかなりの数のバーテックスを一緒に消滅させた。
その情報がバーテックス側で共有されている可能性もある。
であれば、これ以降のバーテックスも何らかの理由がない限りすでに四国側に向かっている可能性は高い。
『じゃが、おらぬとは限らぬ』
陽乃『そうね……』
昨日もいたのだ。
今日もいるかもしれない。
そして、
その塊の1つに、杏達がいる可能性もある。
- 123 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/09/11(土) 23:22:01.97 ID:NbqnR38vo
-
昨日は歌野達にいろいろと言われてしまったが、
やはり、放置することは出来ないだろう。
出来る限りその数が少ないことを願うばかりだ。
陽乃『伊予島さん達が居そうだったりする?』
『知らぬな』
今のところはその様子は全くないらしい。
諏訪を出て1日
ほんの少し通る愛知までも、まだ距離がある。
今日1日で名古屋の辺りにまで行ければ、だいぶ良い方だろうか。
恐らく、行けてその半分だろう。
1、今日も様子を見ててくれるの?
2、ねぇ、四国はどうなってると思う?
3、上里さんを感じることは出来ないの?
4、そろそろ、諏訪の結界を解くべきかしら
5、四国に着いたら、逃げないとね
↓2
- 124 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/09/11(土) 23:26:52.59 ID:U6UEADWSO
- 2
- 125 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/09/11(土) 23:26:55.48 ID:v5m/gIVWO
- 3
- 126 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/09/11(土) 23:41:50.57 ID:NbqnR38vo
-
では本日はここまでとさせていただきます
明日は可能であればお昼ごろから
- 127 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/09/11(土) 23:54:01.83 ID:U6UEADWSO
- 乙
ここまでずっと行方不明の杏たちは本当に何処にいるのだろうか…
あとまとめに新しい要素が追加されてるけどやはり周りと仲良くしないとこの先厳しそうだな
- 128 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/09/12(日) 03:42:17.69 ID:XbzSIUlQO
- 乙
なんだかんだで心配してる陽乃さん
- 129 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/09/12(日) 15:59:48.93 ID:5EU/mS9Uo
- では少しずつ
- 130 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/09/12(日) 16:04:32.22 ID:5EU/mS9Uo
-
陽乃『上里さんを感じることは出来ないの?』
『出来るわけがなかろう』
諏訪は通信機というつながりがあったが、
今は完全にそう言ったものが喪失している状態だ
四国内部にいるならともかく、
そうではない今は、いくら、力を貸し与えていようとひなたのことを感じ取ることは出来ないようだ。
『じゃが、あの娘が害されることはなかろうて』
ひなたは若葉を見出した巫女として、一般の巫女とは扱いが違っているし、
それだけでなく、元から素質が高かったとされている。
切り離されているため
力が常に供給されているようなことにはなっていないが、
そこに九尾の力が加わっているのだから、巫女としての力は飛躍的に上がっていることだろう。
それなら、きっと、下手な扱いは受けないだろう。
『主様は、身を案じておるのかや?』
陽乃『まさか……私と白鳥さんみたいに状況を知ることが出来ないかと思っただけ』
- 131 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/09/12(日) 16:32:15.27 ID:5EU/mS9Uo
-
ひなたから状況が伝わるようになれば、
四国の被害や、杏達が運良くたどり着いているのかどうか
それらの情報を得ることが出来る。
前者は知らされても、バスの速度をあげたりするくらいしかできることはないが、
後者は、余計なことを気にする必要がなくなる
そのメリットは陽乃達にとっては大きい。
だが、やはり、難しいのだ。
陽乃『でも、そうよね。いくら貴女でもそこまでは難しいのよね』
『無論じゃ。妾とて神ではない』
陽乃『そうね。できないことだってあるのよね』
陽乃は笑い交じりに零す。
それはそうだ。
出来たらいいなという程度の話。
元々の計画からは何も変わらない。
陽乃『仕方がないわ。それなら、予定通りあの二人を探しながら進むしかない』
- 132 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/09/12(日) 16:58:19.17 ID:5EU/mS9Uo
-
『ふむ……じゃが、この様子じゃと見つけることは叶わぬやもしれぬぞ』
陽乃『そう?』
『あまりにも、何もないのが問題じゃな』
バーテックスがいないから気にせず直進した可能性もあるが、
杏達の時もここまでもぬけの殻だったとは考えにくいのだ
少しはバーテックスもいたはずで、
それであれば、少しくらい何かしらの痕跡があってもいいのに、
それが一切感じられない。
となれば……
陽乃『ルートがすでに変わってる可能性もあるのよね』
『うむ』
2人が別ルートで進んだ場合、
その先のどこかに滞在していても、
陽乃達はそれに気づくことなく素通りしてしまう。
その場合は、やはり、諦めるしかない。
- 133 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/09/12(日) 17:01:38.64 ID:5EU/mS9Uo
-
√ 2018年 9月9日目 朝:移動A
↓1コンマ判定 一桁
9 戦闘痕
2 バーテックス 発見
7 バーテックス 襲撃
22 進化型
77 完成型
※それ以外のぞろ目は特殊
- 134 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/09/12(日) 17:03:15.63 ID:byfzZh/YO
- あ
- 135 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/09/12(日) 17:55:09.34 ID:5EU/mS9Uo
- √ 2018年 9月9日目 朝:移動A
道中、道や建物の倒壊によって数回のルート変更は必要になったが、
やはり、バーテックスが姿を見せることはなく、
戦闘痕のような形跡も全く見られないまま、
暫くバスを走らせて、次の休憩予定地点に到着する。
歌野は徹夜もあって、まだバスの中で眠っているようだ。
水都「うたのんの方に行ってきますね」
陽乃「好きにしていいわ」
休憩時間だし、
そもそも、唯一の巫女である水都はそのあたり自由だ。
何も問題はない。
「勇者様は任せて!」
陽乃「……」
「へへっ」
陽乃に睨まれても、彼女は笑って誤魔化そうとする。
水都「陽乃さんに無理について言ったりはしないでください。危ないので……ただ、陽乃さん」
陽乃「なによ」
水都「せめて、何をするか。どこに行くのかくらいは伝えてください」
- 136 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/09/12(日) 18:27:44.05 ID:5EU/mS9Uo
-
陽乃が彼女に従うとは思っていないようで、
なら重要な連絡は怠らないようにと水都は願っているようだ。
だが、陽乃とてそこまで無鉄砲ではない。
陽乃「ちゃんと伝えるわよ」
水都「約束ですよ」
水都はそう言って、2号車の中に入っていく。
1号車の人々や、
2号車の中で外に出たいと求めた人たちは外に出て、各々休憩している。
窓を開けてはいても、
バスの中にずっといるのと、
外に出てくるのでは、そのストレスも大きく変わってくるだろう。
- 137 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/09/12(日) 18:45:38.46 ID:5EU/mS9Uo
-
「勇者様、どこか行きますか?」
陽乃「ついて来る気?」
「出来る限りは」
遠くへの見回りとかならさすがについていけないけど。と、
彼女は窺うように言う。
出来たらそれはなしでお願いしたいといった様子だけれど
しかし、近くならついてくる気のようだ。
陽乃「貴女も暇ね」
「それはそうだよ……まぁ、こんな状況だからね」
休憩するくらいしかやることがない。
だったら、着いていきたいところについていく
それは何らおかしくはない。
1、見回り(近く)
2、見回り(遠く)
3、邪険にされて、良くも離れないわね
4、私の力にあてられて早死にするわよ
5、イベント判定
↓2
- 138 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/09/12(日) 18:56:02.43 ID:Vo86pQ9Q0
- 2
- 139 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/09/12(日) 18:56:09.36 ID:XbzSIUlQO
- 5
- 140 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/09/12(日) 19:50:04.88 ID:5EU/mS9Uo
-
↓1のコンマ
01〜10 女子高生@
11〜20 バーテックス
21〜30 痕跡
31〜40 九尾
41〜50 少年
51〜60 子供(良)
61〜70 九尾
71〜80 女子高生A
81〜90 子供(悪)
91〜00 痕跡
- 141 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/09/12(日) 19:50:58.31 ID:XbzSIUlQO
- はい
- 142 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/09/12(日) 19:51:48.27 ID:byfzZh/YO
- あ
- 143 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/09/12(日) 20:17:25.48 ID:5EU/mS9Uo
-
「あら、2人で逢瀬でもするのかしら」
立ち止まっている2人のもとを訪れる、長身の女性。
いつものように透き通るような金色の長髪、
妖艶さを漂わせる赤い瞳……九尾だ
陽乃「何しに来たの?」
「逢瀬……?」
九尾「勇者様がいたので、これからどうなさるのかと思って」
くすくすと、やや上品さを感じさせるような素振りで笑い声を零す九尾は、
その目を細めて、陽乃の傍らにいる少女を見下ろす。
「……?」
女子高生は不思議そうに首を傾げる
九尾が化けている女性をまじまじと見つめて、
陽乃へと振り返る
「こんな人、いたっけ……」
九尾「何を言っているの――ずっと、いたでしょ」
- 144 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/09/12(日) 20:41:41.14 ID:5EU/mS9Uo
-
九尾の赤い瞳が光ったようにも見えた一瞬
はっとした少女は雰囲気をがらりと変えて、照れくさそうに微笑む。
「そうだった! 思い出した……ごめんなさい、勇者様のことばっかり考えてたから……」
ついつい度忘れしちゃった。と、彼女は言う。
陽乃「はぁ……」
九尾「良いのよ。気にしないで」
九尾の力による、改変
いたかもしれないと思わせる程度なら、たやすいことらしい。
陽乃「それで?」
九尾「そうそう。少しお話がしたいの。お時間を頂けないかしら」
陽乃「……それは、彼女がいたらだめな話?」
- 145 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/09/12(日) 21:03:09.66 ID:5EU/mS9Uo
-
陽乃はすぐ隣の女子高生を一瞥する。
彼女がいないと内緒話になって
どうせ後で聞き出そうとしてくるだろう。
あとであしらえばいいだけではあるのだが、それは少し、煩わしい。
九尾「ふむ……」
九尾は少し考えるようにして、
少女を見下ろす。
彼女は一般人で、
陽乃の事情も、今話しているのが昨日姿を見せた化け物のような生物ということも知らない。
その阿鼻叫喚が、九尾によってなかったことにされているのも。
九尾「いない方が良いと思うけど」
陽乃「そう……ということだから」
陽乃はそう言って、
女子高生に離れるように言う。
「……分かった」
- 146 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/09/12(日) 21:12:48.10 ID:5EU/mS9Uo
-
彼女は離れてくれたが、
陽乃達のことを心配そうに見つめている。
そこからさらに2人で距離を取って、陽乃は九尾へと振り返る。
陽乃「それで?」
九尾「単刀直入に言うけれど、諏訪はもう諦めた方が良いわ」
陽乃「その話なら――」
九尾「今は良いけれど、進めば進むほど力を消耗することになる。今日だって、完全に疲れを取れていなかったでしょう」
昨日、九尾の力を借りて戦闘したのが影響しているが、
だとしても、疲れが残っているのは、勇者としては少し厳しいものがある。
九尾「これからもっと、結界の維持に力を必要とするようになる」
陽乃「だから、絶てって?」
九尾「四国まで持たせるつもり? また、倒れるわ」
1、ええ。やって見せるわ
2、明日までは、続けるわ
3、辛くなるまではつづけるわ
4、そうね。そろそろ、諦めるべきかもしれないわね
↓2
- 147 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/09/12(日) 21:16:29.74 ID:Vo86pQ9Q0
- 1
- 148 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/09/12(日) 21:16:41.90 ID:byfzZh/YO
- 1
- 149 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/09/12(日) 21:55:55.74 ID:5EU/mS9Uo
-
陽乃「ええ。やって見せるわ」
九尾「……本気?」
陽乃「私はいつだって、そうだったじゃない」
陽乃は少しも悩まず
そして、九尾へと笑みを浮かべる。
陽乃「諦めるのが嫌いなのよ。出来ることがあるならやり通す。それが、私」
九尾「死ぬとしても?」
陽乃「死ぬ気はないわ。それも、いつも言っていることだと思うけど」
陽乃はそういうと、近くの石ころを踏みつぶす。
陽乃「……私はたぶん。この世界で一番、諦めの悪い女だわ」
九尾「馬鹿め」
陽乃「そんな私を選んだ貴女が悪いのよ」
女性の姿に似つかわしくない言葉を吐いた九尾
陽乃はいつも九尾がする喉を鳴らすような笑い声を聞かせて
陽乃「貴女が諦める必要のない力をくれたんだから」
九尾「妾には限りがある」
陽乃「ええ。でも、あの瞬間の私には諦めるしかなかった」
- 150 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/09/12(日) 22:15:44.54 ID:5EU/mS9Uo
-
3年前のあの日、陽乃には抗う力がなかった。
諦めない力がなかった。
けれど、そこに九尾が力を与えてしまった。
諦めなければ、どうにかなるかもしれない力を与えた。
だから、諦めずにここまで来た。
死んでいたはずの母を守りぬいて、
周囲にどれだけ煙たがられようと、貫き通してきた。
諦める気はないと。
陽乃「諏訪に置いてきた。諦めるしかなかった。でも、こうして結界の維持が出来るのなら、私はまだ諦めなくて済む」
その力を与えてくれたのは九尾ではないけれど、
でも、最初は九尾だったのだ。
陽乃「諦めなくたって、失ってしまうものはあるんだもの。努力でどうにかなるものだけは、どうにかしたいじゃない?」
九尾「そうか」
- 151 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/09/12(日) 23:04:05.00 ID:5EU/mS9Uo
-
陽乃「なによ……珍しく、私が本心を教えてあげたって言うのに」
素っ気ないじゃない。と、
陽乃は本気で思っていないような声色で言う。
九尾「それを小娘ども……あの子達にしてあげる気はないの?」
陽乃「ないわ」
歌野にはもう、ほとんど隠し事が出来ない状態になってしまっているため、
その中では特別な立ち位置になるが、
だとしてもそこまで言う気はない。
九尾「信じられない?」
陽乃「信じたくない。特に、勇者でもない人はね」
九尾「そう。なら、白鳥さんは良いの?」
陽乃「ある程度はね」
筒抜けである以上、そこを無理に閉ざす気はない。
その分、力の譲渡が出来て強化が出来ている。
なら、それはそれでいい。
歌野が強くなれば、生存率が高まるからだ
- 152 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/09/12(日) 23:09:14.72 ID:5EU/mS9Uo
-
九尾「主様がそれでいいならばいいが……主様と似たような人間もいることを忘れるでないぞ」
陽乃がそうであるように、
陽乃との関係を諦めないような人がいることだってある。
水都も、歌野も、杏達だって
どちらかと言えば完全に陽乃側の人間だ
そしておそらく、
陽乃のそばにいた彼女も。
陽乃「分かってるわよ」
九尾「ならば良い」
九尾は息を吐いて、長い髪を払う。
九尾「そろそろ戻りましょうか。あの子に、変に勘繰られても面倒だもの」
陽乃「ええ」
もう遅いだろうけど。と、陽乃は眉を潜める。
バスでは根掘り葉掘り聞かれそうだ。
- 153 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/09/12(日) 23:11:13.90 ID:5EU/mS9Uo
-
√ 2018年 9月9日目 昼:移動@
↓1コンマ判定 一桁
1 戦闘痕
3 バーテックス 発見
8 バーテックス 襲撃
33 進化型
88 完成型
※それ以外のぞろ目は特殊
- 154 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/09/12(日) 23:11:41.20 ID:Vo86pQ9Q0
- あ
- 155 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/09/12(日) 23:44:07.37 ID:5EU/mS9Uo
-
では本日はここまでとさせていただきます
明日も可能であれば通常時間から
- 156 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/09/12(日) 23:52:02.24 ID:byfzZh/YO
- 乙
諏訪の結界を維持しつつ杏たちを見つけて四国まで犠牲なく守りきるか…
どんどん陽乃さんの負担が多くなっていくなぁ
- 157 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/09/13(月) 06:11:50.56 ID:HkpxWAwGO
- 乙
- 158 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/09/13(月) 23:34:39.97 ID:WJSVkGkpo
- すみませんが、本日はお休みとさせていただきます
明日は可能であれば通常時間から
- 159 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/09/13(月) 23:35:13.07 ID:HoFdcVyBO
- 乙ですー
- 160 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/09/14(火) 21:50:26.62 ID:bDst9yMxo
- では少しだけ
- 161 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/09/14(火) 22:03:26.50 ID:bDst9yMxo
- √ 2018年 9月9日目 昼:移動@
九尾は比較的若い女性の姿に化けていたため、
理由がない限り1号車に乗ることになっている立場にあったのだけれど、
いつものようにバスの上にいたこともあって、
女子高生は例の女性がいないことを気にしていたが、
陽乃に深く聞いてくるようなことはなかった。
陽乃「……」
陽乃は、車内から外を眺めて息をつく。
本当に何もない。
九尾が言うようにバーテックスが居なければ、杏達も別のルートなのかもしれない。
もちろん、バーテックスに襲撃されないのは助かる。
が、戦闘の痕跡も何もないというのは、困ってしまう。
- 162 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/09/14(火) 22:23:29.37 ID:bDst9yMxo
-
この調子だと、本当にルートから逸れているということになる。
戦闘痕がないということは、
襲撃を受けて殺されたりしたわけではないはずなので、自分からルートを変えたということになる。
2人が大幅にルートを変えなければならなかったほどの理由があったということだ。
そうなってくると、嫌な予感しかしない
「……何か、心配事?」
陽乃「別に」
「ずっと、外を見てて疲れない?」
陽乃「そんなに弱くはないから」
彼女からの言葉には、素っ気なく返して目を細める。
外は、元々は市街地だったであろう場所に入っていて、
バスは、荒れた車道を走っている。
- 163 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/09/14(火) 22:33:38.52 ID:bDst9yMxo
-
場所的に、休憩するには悪くないタイミングだろうか
路上にある案内をいくつか目で追ってみると、
近くには小学校や、病院などもあるようだ。
2人がいるとは思えないが、
休憩するニは良い場所ということは、
2人が休憩に選んだ可能性もあるということ。
予定よりは少し早いけれど、休憩を入れてしまう方が良いだろうか。
「勇者様?」
陽乃「……」
陽乃は少し考える。
毎回予定を変えるのは得策ではないが
少しくらいなら、別に、問題はないはずだ。
1、休憩を入れる
2、車内の様子を確認する
3、彼女と話す
4、九尾と話す
↓2
- 164 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/09/14(火) 22:37:45.88 ID:R0I3E3VC0
- 1
- 165 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/09/14(火) 22:38:08.59 ID:vfXlanI2O
- 1
- 166 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/09/14(火) 23:10:31.77 ID:bDst9yMxo
-
陽乃「この辺りで休憩にしましょ」
「えっ?」
予定よりは早いことを気にする彼女だが、駄目とは思っていないようだ。
「勇者様、疲れてる?」
陽乃「違うわ。場所がちょうど良さそうだからよ」
市街地というのは、
バーテックスが隠れ潜みやすい場所も散見されるけれど、
人が隠れるのにもちょうどいい
……というのは、建前で。
陽乃「大丈夫よ。何か異常があったわけではないわ」
むしろ怖いくらいに順調だ。
陽乃は、運転手と住民に順調に進めていることを話したうえで、
場所も良さそうなので休憩にすることを伝える。
まだ、みんなのストレスは大きくないようで、
すんなりと、受け入れてもらうことが出来た
- 167 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/09/14(火) 23:49:02.32 ID:bDst9yMxo
-
歌野「そう……大丈夫だったならよかった」
陽乃「本当に何もないわ」
バーテックスの出現も、襲撃も、
杏達の痕跡も、住民たちの不和も。
歌野が眠ってからのことを簡潔に話した陽乃は、
休憩が予定よりも早かったことについて、
歌野は問題ないといった様子だった。
歌野「久遠さんが必要だと思ったならそれでいいと思うし……それに、理由があるんでしょ?」
陽乃「まぁね」
学校や病院など
今でも十分に雨風を凌げるような建物があり、
もしかしたら、太陽光発電などで、電力がわずかにでも残っていたりする可能性だってある。
2人がそう言った場所を休憩地点に選ばないとも限らないのだ。
「勇者様、見回りに行くの?」
陽乃「……」
1、そうよ。ついてこないで
2、……来る?
3、藤森さんと行くから問題ないわ
4、確認に行くだけよ
5、白鳥さんに任せるわ
↓2
- 168 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/09/14(火) 23:52:58.82 ID:vfXlanI2O
- 4
- 169 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/09/14(火) 23:53:12.52 ID:R0I3E3VC0
- 1
- 170 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/09/15(水) 00:01:59.89 ID:eGjh7hFio
-
では本日はここまでとさせていただきます
明日も可能であれば通常時間から
- 171 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/09/15(水) 00:07:58.16 ID:G2X7eKkdO
- 乙
とりあえず探せる余裕があるなら早めに杏たちの痕跡の一つくらい見つけたいところだけどなぁ
- 172 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/09/15(水) 02:14:56.90 ID:wxjRT4wXO
- 乙
ここまで何もないと心配になるな
- 173 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/09/15(水) 22:37:45.14 ID:eGjh7hFio
- では少しだけ
- 174 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/09/15(水) 22:39:55.65 ID:eGjh7hFio
-
陽乃「そうよ。ついてこないで」
「ぅ……」
歌野「えっと……何があるか分からないか仕方がないわ」
陽乃の突き放す言葉にしゅんっとした女子高生に歌野のフォローが入る。
どこに行くにしても、
バーテックスが突然現れないとも限らないし、
そうでないにしても、
安全を確認していない建物を確認する場合は、倒壊などの危険性もある。
陽乃や歌野なら、足場が崩れて落下したとしても
対応することは可能だけれど、そんな力のない彼女達はそれだけで命にかかわってくる。
陽乃「私、バーテックスは倒すけれど、それ以外は知らないわよ」
「そうだよね……足手まといになっちゃうよね」
彼女はそう言って、
少し、尾を引いたまま笑みを浮かべる。
「分かってる。ちゃんと帰ってきてね」
陽乃「私が戻らないとバスが出られないし、時間までには戻るわ」
- 175 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/09/15(水) 22:58:51.36 ID:eGjh7hFio
-
歌野「そういうことじゃないような……」
多分だけどと呟く歌野に、陽乃は目を細める。
ちゃんと帰ってきてねと言った彼女の表情を見れば、
それがバスの出発を心配してではないことくらい、陽乃は気づいている。
けれど、だからどうだというのか
ええ。分かってるわ。と、笑顔で返してあげればいいのか
大丈夫よ。心配しないで。とでも言ってあげればいいのか。
そうだろうけれど、陽乃がそう返してあげる理由がない。
むしろ、積極的に避けるべき言葉だ。
親しさや気遣いを感じさせるような言葉なんて、不要なのだ。
陽乃「病院の方に行ってくるわ。時間までに戻ってくるけど……来なかったら察して頂戴」
歌野「駄目よ。必ず戻ってきて」
はっとした歌野は目力を強めて陽乃を見る。
歌野「私には……私達には久遠さんが必要よ」
陽乃「そうね」
陽乃が命を落とした場合、
歌野が勇者として戦えなくなってしまう可能性がある。
それはつまり、全滅を意味するようなものだ。
歌野「そういう意味じゃ、ないわ」
渋い顔をする歌野の突っ込みを聞き逃したふりをして、陽乃は病院の方に向かった。
- 176 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/09/15(水) 23:14:48.84 ID:eGjh7hFio
-
01〜10 痕跡A
23〜32 生存者
45〜54 痕跡B ※杏達以外
56〜65 野犬
67〜76 痕跡A
89〜98 遺骨
↓1のコンマ
※ぞろ目特殊
※それ以外はなし
- 177 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/09/15(水) 23:19:44.12 ID:vqVkuj6jO
- あ
- 178 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/09/15(水) 23:40:43.69 ID:eGjh7hFio
-
飛び散ったガラス片
風で運ばれてきただろう砂粒や枯葉などが降り積もっている足場
建物自体はまだ崩れそうにはないが、
どう見ても、人が立ち入った形跡は感じられない。
陽乃「……こういう場所になら、来てると思ったんだけど」
この近辺ではとても目立つ建物だ。
屋上からなら、周囲一帯を見渡すことだってできる。
しかし、1階はもちろん、
九尾の力を借りて上がった屋上にも痕跡はない。
陽乃「素通りしたのかしら」
九尾「ふむ……あ奴らは勇者として行動しておるのじゃろう? ならば、必ずしも都市部で休息を取ったとは限るまい」
陽乃「でも、これまでもまるで何もなかったじゃない」
九尾「主様ではなく、白鳥歌野が移動する場合どこまで進めるのかを確認した方が良いのやもしれぬな」
- 179 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/09/15(水) 23:48:26.05 ID:eGjh7hFio
-
陽乃であれば、九尾の力を使えば半日で到着できてしまう。
九尾に乗らないままでも、
力が飽和状態にあるとあまり眠れない体質に陥っている陽乃であれば、
みんなよりも大幅に距離を稼げてしまうだろう。
だから、陽乃基準ではなく歌野基準で考えてみるといいと九尾は言う。
陽乃「……一理あるわね」
大きな狐の姿を曝け出している九尾
九つの尾がパタパタと動くたびに、背中を押す強い風が生まれる。
陽乃「とはいえ、問題はその勇者の足でたどり着いていないことなのよ。どこかで足を止めていると思うんだけど」
長期滞在したのか、
移動はしていたがゆっくりだったのか
どちらにしても、その痕跡がどこかに残されているはずなのだ
九尾「学校の方も行くのかや?」
陽乃「当たり前でしょ」
- 180 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/09/15(水) 23:49:32.32 ID:eGjh7hFio
-
23〜32 遺骨
56〜65 痕跡A
89〜98 痕跡B ※杏達以外
↓1のコンマ
※ぞろ目特殊
※それ以外はなし
- 181 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/09/15(水) 23:51:46.53 ID:7UYHMY+e0
- あ
- 182 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/09/15(水) 23:54:10.42 ID:eGjh7hFio
-
では本日はここまでとさせていただきます
明日も可能であれば通常時間から
- 183 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/09/15(水) 23:58:14.23 ID:vqVkuj6jO
- 乙
痕跡がちっとも見つからないなぁ
もう諏訪を出発した直後に到着してたのを祈るしかないか…?
- 184 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/09/16(木) 06:49:58.39 ID:LZ6utgYUO
- 乙
陽乃だけでなくみんなにも多少は探すのを手伝ってもらうのはありかな
- 185 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/09/16(木) 22:30:27.69 ID:R7lR9/Tbo
- では少しだけ
- 186 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/09/16(木) 22:37:53.48 ID:R7lR9/Tbo
-
陽乃は学校の方にも確認に出てみたが、
そこにも、杏達が来たような痕跡は見られなかった。
陽乃「……分かってはいたけど、全然ね」
杏達の痕跡、生存者の痕跡
何一つ残されていない。
九尾「致し方あるまい」
杏達の痕跡はどこかにあって貰いたいものだが、
生存者に関しては絶望的だ。
3年前のあの襲撃で多くの命が失われてしまったし、
こんな荒れた土地で、守ってくれる存在もないまま生きていくことは不可能に近いからだ
九尾「主様。あ奴らがおらぬならばここにはもう用はなかろう」
陽乃「そうね」
振り返れば自分の足跡が見える。
長く誰も来ていなかったであろう学校。
陽乃が、途中から通うことのできなかった学校。
陽乃「……」
九尾「主様?」
- 187 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/09/16(木) 23:20:45.34 ID:R7lR9/Tbo
-
九尾「何かあるのかや?」
陽乃「ううん。何にもないわ」
この場所にも、
陽乃の記憶にも。
小学校は途中までで、中学校はもう、中学と呼べるような状態ではなくて。
陽乃の学生時代は、嫌な思い出ばかりだ。
それもまだ、終わってはいないけれど
陽乃「ちょっと、感傷に浸りそうになっただけよ」
陽乃は嘲笑気味に言って、辺りを見回す。
倒れた下駄箱、朽ちた壁、黒板
そして、
きっと、一瞬は立てこもることも考えたのだろう。
バリケードになりかけの机や椅子がある。
陽乃「戻りましょ」
九尾「主様」
陽乃「なに?」
九尾「早死にするぞ」
陽乃「でも、少なくとも今日は死なないわ」
- 188 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/09/16(木) 23:45:36.95 ID:R7lR9/Tbo
-
陽乃が腑抜けているように感じたからなのか、
九尾は唐突に死の宣告をしてきたが、
陽乃はそれをさらりと受け流して、息をつく。
陽乃「なによ……白鳥さん達にでもあてられた?」
九尾「いいや、主様は主様じゃ。その身を失うことは好まぬ」
陽乃「そう……」
九尾の目が細められる。
何かを言いたげで……けれど、
九尾はそれを口にすることなく大きな鼻から勢いよく風を送って陽乃を躓かせる
陽乃「ちょっと!」
九尾「主様、あまり力は使うでないぞ」
陽乃「それは、イザナミ様の話?」
九尾「妾でもじゃ。結界の維持を継続するのであれば、負担は軽い方が良かろう」
陽乃「まぁ、そうだけど」
九尾「……うむ」
九尾の妙な雰囲気に、陽乃は怪訝な表情を浮かべながらも、
追及しても答えてはくれないだろうと、学校の外へと歩き出す。
- 189 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/09/16(木) 23:50:09.69 ID:R7lR9/Tbo
-
√ 2018年 9月9日目 昼:移動A
↓1コンマ判定 一桁
5 戦闘痕
7 バーテックス 発見
0 バーテックス 襲撃
77 進化型
00 完成型
※それ以外のぞろ目は特殊
- 190 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/09/16(木) 23:51:06.60 ID:l4KoCYYIO
- あ
- 191 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/09/16(木) 23:59:59.81 ID:R7lR9/Tbo
-
規模判定
↓1コンマ
01〜00 ※低〜高
※進化型はなし
- 192 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/09/17(金) 00:00:53.30 ID:pnHR3lV6O
- あ
- 193 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/09/17(金) 00:02:23.27 ID:tGJDZTbso
-
では本日はここまでとさせていただきます
明日も可能であれば通常時間から
- 194 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/09/17(金) 00:10:56.13 ID:VRf0mLF/O
- 乙
逆にこれが何か手掛かりになればいいが
- 195 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/09/17(金) 00:13:56.72 ID:pnHR3lV6O
- 乙
早速フラグ回収するかのようなタイミングの襲撃だな
ただやや小規模だし前回よりは消耗しなさそうなのが救いか
- 196 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/09/17(金) 22:59:05.86 ID:tGJDZTbso
- 遅くなりましたが少しだけ
- 197 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/09/17(金) 23:11:11.35 ID:tGJDZTbso
-
√ 2018年 9月9日目 昼:移動A
九尾『主様』
陽乃『……来たわね』
バスの上にいる九尾からの呼びかけに、陽乃は目を細める。
何かが近づいてきている気配を感じる
何か……とはいうが、それが何者なのかは、ちゃんとわかるくらいに今の陽乃の感覚は鋭敏だ。
陽乃『進化型はいないようね』
九尾『迎撃するのかや?』
陽乃『それ以外に出来ることがあるの?』
陽乃と歌野、あとは水都くらいだったなら
隠れてやり過ごすことも可能だったかもしれないが、
一般人を連れている以上、それは無理だ。
「ば、化け物が来るぞ!」
バスの右窓際の席にいた男性が叫ぶ
それを皮切りに、全員が声を上げ……ブレーキが力いっぱいに踏み込まれた感覚が乗客を大きく揺らがせる
- 198 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/09/17(金) 23:40:39.52 ID:tGJDZTbso
-
陽乃「落ち着きなさい!」
騒がしくなっていく人々に向かって、怒鳴る。
騒いだって、悲鳴を上げたって、怖がったって、
出来ることは変わらないし、何も変わらない。
その騒がしさが紛らわせてくれるわけではなく、それを聞いてヒーローが駆けつけてくれるわけでもない。
陽乃「貴方達に出来ることが、そうやって叫んで囮になることなら止めないわ。続けて」
静まった車内に陽乃の冷たい声が残る。
みんなが黙って陽乃を見る。
迫りくる化け物……バーテックスに唯一対抗できる勇者の一人
陽乃は、勇者とは認めていないが。
陽乃「生きたいなら、このバスからは一歩も出ないことね」
バーテックスの数は、昨日に比べて明らかに少ない。
数十程度だろうか。
これなら、たやすいことだ
- 199 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/09/18(土) 00:12:44.44 ID:PrMcSf8zo
-
陽乃がバスから出るのと同時に、
後ろに控えていた2号車からも歌野が降りてくる。
歌野「久遠さん!」
陽乃「見えてるわ」
バーテックスはもう寸前のところまで迫ってきているが、
歌野も、陽乃も
大きく慌てているような素振りも見せない。
陽乃「白鳥さん、頭は平気なの? 目は覚めてる?」
歌野「ええ。問題ないわ」
陽乃「そう……」
陽乃は小さく息をついて、歌野への力の供給を少しだけ強める
歌野「んっ……」
陽乃「貴女1人でも十分だろうけど、余計な荷物があるから私もやるわ。さっさと片付けるわよ」
- 200 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/09/18(土) 00:21:45.58 ID:PrMcSf8zo
-
↓1コンマ判定 一桁
1 歌野
3 九尾
5 水都
7 少女
0 少年
- 201 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/09/18(土) 00:23:28.55 ID:7FlfGSRyO
- あ
- 202 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/09/18(土) 00:33:11.85 ID:PrMcSf8zo
-
では本日はここまでとさせていただきます
明日も可能であれば少し早い時間から
※戦闘に関しては、陽乃と歌野2人のため無傷で勝利しています
- 203 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/09/18(土) 00:41:31.59 ID:7FlfGSRyO
- 乙
前回と違って迎撃のときはちゃんとうたのんと共闘してくれる陽乃さんにちょっと安心した
そしてみーちゃんのコンマ久々に出てきたな
- 204 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/09/18(土) 00:48:43.94 ID:1Z0on9o+O
- 乙
みーちゃんのターン楽しみ
- 205 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/09/18(土) 22:29:46.24 ID:PrMcSf8zo
- 遅くなりましたが少しだけ
- 206 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/09/18(土) 22:49:54.53 ID:PrMcSf8zo
-
戦力差が圧倒的な戦闘を終えた陽乃と歌野は、すぐにバスへと戻って、
場所を変えることにした。
殲滅したため、すぐに攻め直してくるとは限らないが、
結界もなしに襲撃を受けた場所に留まり続ける気にはなれない。
陽乃「……」
次から次へと流れていく景色
最初よりも少しだけスピードを上げたのは、早急に離れるためだ。
隣には当たり前のように、水都がいる。
水都「久遠さん……何か気になることでもあるんですか?」
陽乃「……」
戦闘を終えてからというもの
ずっと窓の外を見ていたからだろう。
水都が心配そうに声をかけてくる。
陽乃「別に、ただバーテックスに知能があるのか、少し疑問に思えただけよ」
水都「バーテックスにですか?」
陽乃「だって、こっちに攻めてきたんだもの。貴女なら攻める?」
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