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【安価でのわゆ】久遠陽乃は勇者である【5頁目】
- 2 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/09/04(土) 16:28:05.87 ID:0JgQDisSo
-
陽乃「勇者が女の子かどうかなんて、今更気にしてられるものでもないし」
そんなことを気にしているなら、
筋肉がついてしまうとか、体が傷ついてしまうとか、顔に傷が出来てしまうとか、
そう言ったことを気にして、戦いに対しての積極性に欠けているのではないかと、陽乃は思う。
だからこそ、そんなことを気にも留めないような人が選ばれた。とか。
「じゃぁ、今この場で勇者装束に着替えてって言われても出来ちゃうの?」
陽乃「必要なら、できるけど……」
「えぇっ!? 男の人もいるのに!?」
陽乃「別に関係ないわ」
男性が居ようが居まいが、
陽乃の装束への着替えは、歌野が行っていたような着替えそのものとは形がまるで異なる。
その中身を見ることもできずに終わるので
人がいても関係ないし、
それが外であろうと関係もない。
陽乃「着替えを見ることは出来ないもの。大丈夫」
- 3 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/09/04(土) 16:35:33.64 ID:0JgQDisSo
-
「見れないって、どういう……こう、一瞬でぱって着替えれるってこと?」
陽乃「そうね」
「……神様技術?」
陽乃「まぁ……そう。でしょうね」
杏達はそうだろうけれど、
陽乃はそうと言ってもいいのかどうか迷う。
本来の四国の勇者たちは、大社が用意した端末を行使しない限り、
勇者装束を身に纏うことが出来ない。
だけれど、陽乃は違う。
その端末がなくても装束に着替えることができるし、
そもそも、その助力をしているのは神様ではなく、大妖怪ともされている九尾だ。
陽乃「だから平気」
「そうなんだ……あ、ですね」
- 4 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/09/04(土) 16:36:48.36 ID:Xs9hJNA3O
- 遅れたけど立て乙
- 5 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/09/04(土) 16:54:06.46 ID:0JgQDisSo
-
些細な会話をとても楽し気にする女子高生
少しだけ怒った様子を見せたり、笑ったり、
心配そうな顔をしたり、驚いた顔を見せたり。
あと少しで表情を全部見ることが出来るのではないかと思うくらいに、感情が豊かだ
このバスが、ただの観光バスだと見紛うほどのそれに、
陽乃は目を細めて、顔を背ける。
陽乃「それで? どうして中に戻った方が良いだなんて言ったの? 何かあった?」
「勇者様、休憩の時も見回りに行ってて全然休んでなさそうだったから……」
陽乃「勇者が休んでいたら、いざというときに対処が遅れるわ」
「それはそうだと思うけど……でも、まだ、私達だって起きてるし」
陽乃「だから?」
「……」
少女は、結んだ唇を少しだけきつくする。
「力は、無いし……戦うことなんてできないけど。でも、見張りくらいは、できると思う……」
1、私が信じられない?
2、見ても平気なの? あの怪物を
3、無理をする必要はないわ
4、結構よ。力を借りる気はないわ
↓2
- 6 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/09/04(土) 17:08:18.15 ID:1mdYxscRO
- 1
- 7 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/09/04(土) 17:10:12.79 ID:nqcSZWHpO
- 3
- 8 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/09/04(土) 17:31:46.33 ID:0JgQDisSo
-
陽乃「無理をする必要はないわ」
「無理してるのは勇者様の方だよ」
陽乃「見ることが出来る? あの日の光景を」
「……」
陽乃「そのうえで、冷静でいることが出来る? 叫ばず、騒がず、それを見て勇者を呼ぶことが出来る?」
普通の人に、それは無理だと陽乃は思っている。
抗う術のない人々が、
あの日の絶望を思い起こさせるようなものを見て、正常でいられるなんて、そうあることではないと。
でなければ、天恐なんてものを発症することはない。
もちろん、人によって強弱はある。
少なからず発症してしまう人もいるだろうけれど、その割合は決して低くはなかった。
だから、難しい。
陽乃「嫌いなものは嫌い。それと同じように、無理なものは無理で構わないし、それを押し退けてまですることを信用できるほど、私は優しくはないのよ」
- 9 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/09/04(土) 17:49:29.39 ID:0JgQDisSo
-
無理をしてまで頑張ることを認める人もいることだろう。
それを信じて、託す人だって。
多分、歌野であれば信じたはずだ。
無理をすることを案じるだろうけれど、
その意志があるならと、頷いてくれたかもしれない。
けれど、陽乃は違う。
無理を案じることはあっても
その意志を信じることはない。
結局無理かもしれないと、疑ってしまう。
陽乃「その誰でもできるようなことが、最も命取りになるのよ」
「それは、分かってる」
陽乃「だったら、無理してまでやるべきことではないことも分かってると思うのだけど」
- 10 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/09/04(土) 18:22:02.83 ID:0JgQDisSo
-
見張りが正しく機能してくれなかった場合、対処が遅れる。
その場合、被害は大きくなってしまうのだ。
最悪の場合、被害が出てから対応が始まることになる可能性だってある。
そうなって、責任は取れるのか。
陽乃は、顔を顰めて息をつく。
責任を取らせる気はない。
被害が出るまで気を緩ませた勇者が悪いのだ。
陽乃「一番大事なことよ。一瞬だって気を抜いてはいけないの。その目が見えればできる。そんな簡単な話ではないのよ」
「でも、だって、そうしたら勇者様はずっと気を張ってるってことで、休む暇なんてないってことで、それは……」
陽乃「私は勇者だもの。その程度でくたびれるほど弱くはないわ」
「でも、勇者様……何度か倒れてるって」
陽乃「それは」
「理由があるとしても、勇者様だって倒れることがある。違いますか?」
陽乃「それは誰だって――」
「そう。誰だって。誰だってそう……だったら、勇者様だって同じじゃないですか」
- 11 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/09/04(土) 18:50:45.23 ID:0JgQDisSo
-
少女は、隣に座る陽乃に詰め寄っていく。
観光用の大型バスとして作られているこのバスは、
座席は比較的広く大きく作られているけれど、
それでも、隣り合った座席だ。
窓際なら逃げ場もないに等しいので、陽乃は追い詰められるばかり。
陽乃「だとしても――」
「だから、困るんです。休めるときに休んでもらわなきゃ。手伝えることは手伝えって言ってくれなきゃ、嫌なんです」
陽乃が倒れても歌野がいる。
けれど、ここは結界の中ではない。
一般の人々を守ってくれるのは歌野だけになったら、ただでさえ難しことがより難しくなって、
守りきることは出来なくなってしまうことだろう。
「出来ることはしたい。それで、少しでも……安全になるなら。それで、力になれるなら」
外に出てまで、何もできないままでいるのは嫌だと彼女は言う。
1、勝手にしなさい
2、それが出来ることならね。
3、結構よ
4、なるほど、自分の身のためにってことね
↓2
- 12 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/09/04(土) 18:59:06.60 ID:Qd0I7x90O
- 2
- 13 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/09/04(土) 19:02:36.68 ID:TIPTNNu60
- 2
- 14 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/09/04(土) 20:13:27.56 ID:0JgQDisSo
-
陽乃「それが出来ることならね」
「ぅ……」
陽乃「出来ることなら何も問題ないとは思うけれど、出来るとは思えないもの」
「そんなことないよっ」
陽乃「口だけなら何とでも言えるわ」
出来ないことをできると言えるし、
信じていなくても信じていると言えるし、
嫌いでも好きだと言える。
なんとだって言うことは出来てしまうのだ。
そこに結果が伴う保証なんてないのに。
陽乃「実際に惨状を目の当たりにしたのなら……それに、何か嫌なことがあったのなら平常心でいることは出来ないわ」
今平気なのは、バーテックスが表れていないからだ。
歌野が散々頑張ってきたことは見ていただろうけれど、
傷ついて帰ってくる歌野を見ただけで、結界の外でどのようなものが集まり、何が起きていたのか
その目撃をしたわけではない。
陽乃「無理をしてもいいことは何もないわ」
- 15 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/09/04(土) 20:21:48.33 ID:0JgQDisSo
-
今は平気だからと言って、バーテックスが来るかどうかの見張りをする。
その心意気が悪いとは陽乃も思わない。
けれど、彼女が自分で言っていたように、
それは酷く、気を使う役割だ。
常に緊張感をもって、精神をすり減らしながら対応しなければならない。
バーテックスによる被害を受けたトラウマを持ち、
そして、抗う力のない人々がその役目を担えるとは思えない。
陽乃「病むわよ」
「……でも」
陽乃「他人の為だなんて、高尚な理念は捨ててしまった方が良いわ。世界はもう、変わったのだから」
「だけど、勇者様はみんなのことを守ってくれているじゃないですか」
陽乃「それは白鳥さんであって私ではないわ」
「今だって、私たちのことを考えて……」
陽乃「ないわ」
- 16 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/09/04(土) 20:22:21.23 ID:0JgQDisSo
- 少し中断いたします
再開は21時半ころから
- 17 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/09/04(土) 20:29:09.90 ID:fbNRB8NoO
- 一旦乙
女子高生の人のヒロイン感すごいな
- 18 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/09/04(土) 22:53:55.52 ID:0JgQDisSo
-
陽乃「悪いけれど、考えてないわ」
「ううん……勇者様は考えてくれてる。だって、そうじゃなかったら、おばあちゃん達を置いていくのを癒そうな顔しなかったはずだよ」
陽乃「余計な隙を与えることになったからよ。それ以上でも以下でもない」
勇者を責める口実
いや、陽乃個人を責める口実とでもいうべきか
それを与えることになってしまったからだと陽乃は言うが、少女は首を振る
「私達が見てきたようなことを、勇者様だって見てきたはずだよ」
陽乃「だから?」
「私達よりもずっと、立ち向かう怖さを知ってると思う」
あの化け物が降り注いだあの日のできごと
良いことなんて、生きているくらいしかなくて、
何もかもが悪いことでしかなかったあの日
そこからの3年間は、生きながらえたことを喜べるのなんてほんの一握りで、不安ばかりだったことだろう。
そして勇者はそれを、最前線で見てきたのだろう。
なまじ抗う力を得られてしまったばっかりに、
辛い役目を押し付けられて、責任を負わされて、
怖くても不安でも何があっても自分だけが助かればいいと、逃げ出せるようなものではなかったはずだ。
「勇者様には戦う力があるけど、でも、それだけ。だよね? それ以外は、私達と同じはずだよ」
- 19 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/09/04(土) 23:32:42.66 ID:0JgQDisSo
-
「私は怖い、不安でもある。諏訪にいた時も、今も。ずっと不安で、怖いよ」
彼女は、小さく笑う。
それを恥じるでもなく、堂々としているように感じる表情だ。
「だって、仕方がないじゃない、あんな化け物が襲ってくるんだから」
陽乃「……そうね」
「でも、私達はただ逃げればいい。怖いって言って、助けてって叫んで、一心不乱にそこから逃げ出せばいい。そうしたら、勇者様が助けてくれるから」
彼女は不快そうな表情を浮かべる。
彼女達には、誰かを助ける力はないし、
自分自身の身さえ守れるほどの力がない
けれど、勇者は違う。
そして、そのたった一つの違いから、全てを委ねられる。
「けど、勇者様は違うと思う。怖いって言えないし、一目散に逃げだせるわけでもない。それどころか、立ち向かわなきゃいけない」
その怖さは分からないと、彼女は首を振る
不安も恐怖も緊張も、何一つ……きっと、分かると言ってはいけないと思うとさえ、言う。
「そんなの、あんまりだと思わない? 理不尽だって思わない? 私だったら思っちゃう」
- 20 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/09/05(日) 00:18:15.43 ID:NJeaNZcOo
-
私だったらね。と、繰り返すように言う彼女は、
申し訳なさそうな笑みを零しながら、陽乃を見つめる。
「勇者様……久遠さんは違うかもしれない。そうじゃないかもしれない。でも、だとしたらそれは、誰かを助けたいから勇者になったってことでしょ?」
むしろ、そうなりたくて自ら望んだのであれば、
勇者にされたのではなく勇者になったということだし、
そしてきっと、それは誰かを助けるためだろう。
「自分だけを助けようって人が勇者になんてなれないって私は思う」
3年間で、心変わりをした可能性もあるだろう。
でもだとしたらそれこそ、理不尽な何かがあったからで、
本来は自分ではなく誰かを助けようとしていた勇者という名に偽りのないものだったはずで。
陽乃「そうとは限らないでしょうに」
「そうだけど、でも、私の知ってる勇者様はそうだった」
彼女の知っている勇者というのは、歌野のことだろう。
「私達は、ただ助けてもらうばかりじゃいけないと思う。戦う以外の、努力でどうにかできることはするべきだって思う。トラウマを乗り越えるのだって、その1つなんだよ」
彼女はそう言って、自分があまりにも恥ずかしいことを言っているとでも思ったのか、
熱くなりすぎちゃったけど。と、照れくさそうに笑って。
「戦えないけど、頑張れることは頑張りたいから……だから、手伝ってって一言言ってくれたら私は何だってするよ」
- 21 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/09/05(日) 00:31:33.51 ID:NJeaNZcOo
-
√ 2018年 9月8日目 夕:移動A
↓1コンマ判定 一桁
2 7 8 バーテックス
22 88 進化型@
77 進化型A
- 22 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/09/05(日) 00:32:10.19 ID:BMRe69x1O
- あ
- 23 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/09/05(日) 00:49:20.05 ID:NJeaNZcOo
-
では本日はここまでとさせていただきます
明日も可能であればお昼ごろから
- 24 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/09/05(日) 01:14:18.07 ID:ntIVbYIUO
- 乙
不意にくる判定でドキドキする
どれくらいでつくのかな
- 25 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/09/05(日) 03:59:54.50 ID:4jxM10o2O
- 乙
一般人である女子高生の言葉が暖かくて精神的に助かるなぁ
- 26 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/09/05(日) 13:49:34.06 ID:NJeaNZcOo
- では少しずつ
- 27 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/09/05(日) 13:51:25.87 ID:NJeaNZcOo
-
√ 2018年 9月8日目 夕:移動A
陽乃「やっぱり……」
まだ出発してから半日程度。
休憩もはさんでいるし、バスをゆっくりと走らせているというのもあって、
まだ、長野を出てさえいない。
そんな中でも、休憩は取らなければならない。
歌野「今、どの辺りかしら」
陽乃「運転手が言うに、岐阜との県境まで約半分……ほら、木曽町って書いてあるでしょ」
近くの、半ばでへし折れた電柱に付けられていた、どこかのお店の案内表示
そこに書かれている町名だ。
陽乃「岐阜までは……」
陽乃達に取ってはなじみの薄い、紙媒体での地図
検索欄に文字を打ち込むだけで検索してくれるわけではなく、
索引などを使ってようやく見つけた木曽町の付近を指さす。
歌野「まだまだ先は長いわね」
陽乃「そうね。ただ、バーテックスがまるで出てこないのが少し気がかりだわ」
- 28 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/09/05(日) 14:19:18.74 ID:NJeaNZcOo
-
歌野「四国の襲撃に向かったのかしら」
陽乃「その可能性が高いけど、伊予島さん達を追いかけた可能性もあるし、集結して進化型に変わってるのかもしれない」
どちらにせよ、
良い話とは言えないことだろう。
一般人を連れている陽乃達が襲撃を受けるのも良くないことではあるけれど、
それが一切ないことも、勇者としては良いとは言えないのだ
歌野「進化型……」
陽乃「白鳥さんも、丸いバーテックス以外の形も見たことはあるのよね?」
歌野「え、ええ。まぁ……1度だけだけど」
陽乃「それのもう一つ上の段階、場合によっては完成型のバーテックスが出てくる可能性もあるわ」
歌野「……私一人では対応できそうにないわね」
陽乃「心配しなくても、私でもできるとは思ってないわ」
- 29 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/09/05(日) 15:03:34.72 ID:NJeaNZcOo
-
進化型ならともかく、完成されたバーテックスに自分の力が今まで通りに通用するとは思ってない。
多少であれば、効果はあるだろうけど、
一撃で屠れるかと言われれば、無理だと言っておきたいところだ。
陽乃「正直、未知数なのよ」
歌野「そうね……」
陽乃「邪魔がなければ一度くらい戦っておきたいところだけど」
歌野「その時は、私もちゃんと呼んでね」
陽乃「少なくとも、四国に着くまでは縁のない話でありたいわ」
物量で押しつぶされるのも困るけれど、
完成型に遭遇するというのも、嫌な話だ。
その場合、下手に逃げ惑って、広範囲攻撃で丸ごと消し炭にされる可能性もある。
いや、そんなものがあったとしたら、逃げても逃げなくても同じだろうか。
歌野「なんか、嫌な予感がしたのは私だけかしら」
陽乃「そうでしょうね」
1、杏達について
2、2号車の状況
3、見回りに行く
4、人々のところへ
5、水都のところへ
↓2
- 30 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/09/05(日) 15:06:55.62 ID:wa2LdAoT0
- 1
- 31 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/09/05(日) 15:07:20.01 ID:sRF9UJ4xO
- 1
- 32 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/09/05(日) 15:46:28.62 ID:NJeaNZcOo
-
陽乃「伊予島さん達、どこまで進んでいると思う?」
歌野「そう、言われても」
歌野は難しい顔をして、地図を見つめる。
小さく描かれている日本地図。
それで見れば、四国までの道のりはあっという間に見えるが、見えるだけだ。
歌野「正直、伊予島さん達だけならついていてもおかしくないのよね」
陽乃「そうね」
けれど、昨日の時点でまだ到着していなかった。
約1週間、それはあまりにも長い時間だ。
一般人を率いている陽乃達だって、
バスで移動しているのなら、四国に辿り着くことは可能かもしれない時間だ。
歌野「勇者の足なら、1日でどこまで行けるかしら」
陽乃「私なら半日で着くけど」
歌野「でも、普通なら2日3日……でしょ? 警戒してゆっくり移動したり、何かがあって時間が余計にかかっても、1週間もかからないと思う」
- 33 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/09/05(日) 16:20:15.49 ID:NJeaNZcOo
-
そこには陽乃も同意する。
かかっても、5日程度だったはずだ。
なのに、それを超過している上に、四国への襲撃の開始。
気にしすぎだとは思うけれど、
何かがあって四国にたどり着けない状況にあるというのが陽乃達の考えだ。
歌野「とはいえ、ここに立ち寄った様子はなさそうだわ」
陽乃「あの子たちなら、私達みたいに何もない状態なら、岐阜……愛知にまで入ってる可能性はある」
歌野「途中で休憩を挟んでも?」
陽乃「立ち止まって休憩というより、速度を落として休みながら移動すると思うわ」
正直に言えば、立ち止まっての休憩はリスクが生じる
今回はバス移動であり、
ずっと座ったままというのも逆に酷なために、外に出て休憩する必要があるが、勇者にはその必要はない。
とすれば
陽乃「1日でここまで来ているかもね」
愛知県の、やや北部
その部分を指さした陽乃は、目を細める
この速度差を考えると、追いつくことはまず不可能だ
- 34 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/09/05(日) 16:52:24.21 ID:NJeaNZcOo
-
歌野「今日、着いてると思う?」
陽乃「さぁ? そうだと良いけど」
残念ながら通信手段がないため、
杏達が向こうについていても分からない
襲撃を受けていても分からない。
たどり着いていればいいが、
1週間で到着していなかったのだから、
今日もまだ、到着できていないことを前提としておいた方が良いだろう。
下手に楽観視していると、
そうではなかった時、傷つきやすいからだ。
陽乃「ひとまず、現状ではこのルートを通る予定だから……道中で戦闘の形跡があるかを確認しましょ」
歌野「そうね……あと、休憩場所は」
陽乃「そこは何か確証がない限り時間通りで良いと思うわ。じゃないと、都度止めることになるから」
何時間走ったら休憩する、基本はそれで変わらない。
何か異常が有ったり、杏達がいると確証があったときくらいしか、特例は必要ない。
歌野「2人に会えるかしら」
- 35 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/09/05(日) 17:16:56.82 ID:NJeaNZcOo
-
陽乃「この調子では、難しそうね」
正直に言ってしまうと、無理だ。
諏訪から四国まで向かうルートはいくつかある。
一応、このルートで行くと事前に決めていたものはあるし、
陽乃達は杏達の決めたそのルートを可能な限り負うようにしているが、それだけ。
バーテックスから襲撃を受けたりして、ルート変更するのはあることだ
それがどこで行われたのか
その手掛かりになるのが、戦闘痕やバーテックスの存在だ。
その地点から、ルートが変わっている可能性がある……けれど、
それがまるで見られない。
だから、情報がない
だから、会える可能性も皆無。
陽乃「主要な大きい施設か、病院があったら立ち寄ってみましょ」
今も薬などが使えるとは思えないが、
贅沢は言っていられないと、清潔そうな包帯などを取りに行っているかもしれない。
歌野「そう、ね。そうしましょ」
- 36 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/09/05(日) 17:17:50.38 ID:NJeaNZcOo
-
↓1コンマ判定 一桁
1,4,9 追加イベント
※それ以外は終了
- 37 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/09/05(日) 17:20:37.56 ID:Ajjo6uYtO
- あ
- 38 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/09/05(日) 17:42:40.77 ID:NJeaNZcOo
-
√ 2018年 9月8日目 夜:移動@
↓1コンマ判定 一桁
1 5 0 バーテックス
2 戦闘痕
11 55 進化型@
00 完成型
- 39 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/09/05(日) 17:43:33.71 ID:wa2LdAoT0
- あ
- 40 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/09/05(日) 17:49:04.83 ID:NJeaNZcOo
-
規模判定
↓1コンマ
01〜00 ※低〜高
※進化型はなし
- 41 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/09/05(日) 17:51:40.96 ID:Ajjo6uYtO
- あ
- 42 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/09/05(日) 18:02:04.64 ID:NJeaNZcOo
- √ 2018年 9月8日目 夜:移動@
『主様!』
陽乃「っ」
夜になってからも、屋根上に留まっていた九尾の大きな声が響く。
急いで窓側から身を乗り出し屋根に上がっていくと、
人の形をしている九尾が進行方向を指さして、目を細める。
九尾「このままいけば、あの群れに囲まれることになるぞ」
陽乃「……良く見えるわね」
あの群れと言われても、
陽乃には点々とした、それこそ星のようにしか見えない
だが、目を凝らせばそれがうようよと漂い、生き物のように動いているのが分かる。
それは間違いなく、バーテックスだ。
九尾「主様と白鳥歌野ならば、あの程度なら蹴散らすこともできるやもしれぬが、避けるのが得策じゃろうて」
陽乃「そう……」
- 43 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/09/05(日) 18:09:27.94 ID:NJeaNZcOo
-
勇者しかいないなら気にすることはないし、
四国襲撃の知らせも来ているから、
あれらを掃討して少しでも数を減らしていくというのは間違いではない
けれど、今は一般の人々がいる。
仮に、彼らをどこかに隠れさせ、勇者だけで行くとしても、
護衛の一人も置かずに行くわけにはいかないため、
歌野か陽乃のどちらかだけで戦うことになる。
陽乃「あそこに伊予島さん達がいる可能性は?」
九尾「ふむ……ないとはいえぬが、可能性は低かろう」
見れば、完成型どころか進化型もいないと見える。
であれば、留まっていては摩耗するだけだろうし、
杏達なら突破は可能なはずだからだ。
陽乃「なら……」
九尾「生存者はいるかもしれぬぞ。結界はなくとも、上手く息を潜めていたやも知れぬ」
陽乃「っ」
陽乃はゆっくりとバスを止めるように指示を出して停車させると、
2号車の方から降りてきた歌野を手招きする。
- 44 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/09/05(日) 18:15:59.68 ID:NJeaNZcOo
-
歌野「……なるほど」
他の人々には聞かれないように、バーテックスの群れがいることを歌野に伝え、
それが進行方向であること、そこに杏達がいる可能性は低いが、
生存者がいてもおかしくはないことを話す。
ここからルートを逸れていけば、
あの群れに害されることはないかもしれないが、
大きく逸れることになるだろう。
歌野「生存者がいるなら、救ってあげたい……けど、ここにいるみんなを危険には晒せない」
陽乃「でしょうね。ルートを変えるのが得策だわ」
歌野「けれど、それで良いと言えるかしら。あそこに誰かがいる可能性があって、それを無視したとしたら、私達は、胸を張って勇者と言えるかしら」
陽乃「私は言う気ないけど」
自分が勇者だなんて、胸を張って言えないのは百も承知
そもそも、そんな肩書なんて捨てられるなら捨ててしまいたほどだ。
1、助けたいの? 助けたくないの?
2、いない可能性もあるんだから、気にすることはないわ
3、1人ここに残って、1人戦いに行く。そんな名案もあるのだけど
4、良いじゃないそれでも。勇者だって、救えないものくらいあるでしょう
↓2
- 45 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/09/05(日) 18:35:33.90 ID:wa2LdAoT0
- 3
- 46 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/09/05(日) 18:36:42.86 ID:2VQaoovdO
- 3
- 47 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/09/05(日) 19:28:53.70 ID:NJeaNZcOo
-
陽乃「1人ここに残って、1人戦いに行く。そんな名案もあるのだけど」
歌野「そんな!」
陽乃「普通なら思いつかないいい案だと思わない?」
歌野「普通なら考えないわ!」
茶化すような笑い声を零す陽乃に、歌野は少し強い語気で否定する。
ほんの数匹程度なら考えることもあるだろうが、
群れ……大群と言われるほどの数を相手にそれはただの自殺行為でしかない
普通であれば考えもしないことだろう。
歌野「久遠さんは人を救う気なんてないんでしょう? 自分が大事なんでしょう? なのにどうして」
陽乃「そんな考えがあるのかって?」
陽乃は見透かして答え、また笑みをこぼす。
陽乃「物語に登場する勇者は、得てしてそういうものだからよ。身を粉にして、誰かを助けようとしてくれる」
自分はそうなる気はないと陽乃は首を振って。
陽乃「貴女はどうなの? 白鳥さん」
歌野「私は……」
陽乃「私に、彼らを守って欲しいとお願いをして一人で戦いに行く? それとも、私に行って欲しいってお願いをする?」
- 48 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/09/05(日) 19:41:48.11 ID:NJeaNZcOo
-
歌野「……行って欲しいなんてお願いは、したくない」
陽乃「なら、行く?」
自分も勇者なのに、
陽乃を死地へと送るなんて、あまりにもあんまりだ。
もちろん、陽乃なら何とかしてくれるという信頼はある。
けれど陽乃の力は自分自身をも傷つけてしまう諸刃の剣
使い過ぎれば、倒れてしまう。
歌野「……あそこに生存者がいるかもしれない」
陽乃「ええ」
歌野「だったら」
歌野はゆっくりと目を閉じて、そして、息をつく。
歌野「私が行くわ」
陽乃「無事では済まないわよ」
歌野「だとしても、みんなを置いていけないし、それに、久遠さんの力は温存しておきたいわ」
- 49 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/09/05(日) 19:59:40.62 ID:NJeaNZcOo
-
生存者がいる可能性がある以上は放置できない。
かといって、一般人を連れていくことは出来ないし、
だからと言って、2人しかいない勇者が2人ともバーテックスの群れに突っ込むわけにもいかないだろう。
そして、陽乃は完成型や進化型にも有効な力を持っている。
それを大群だからと言って通常のバーテックス相手に消費してしまうのは勿体ない
――と、考えているのだろう。
歌野「生存者がいるなら助けたい。いなかったとしても、あの大群は放置できない」
だから、私が行く。と、
歌野は覚悟を決めている。
2人で行くのは無理だ。それは絶対である。
今この周囲にバーテックスの気配は感じられないが、
だからと言って絶対に安全とは限らないからだ。
2人が居ない間に襲われでもしたら、ひとたまりもない。
1、良いわ。行ってらっしゃい
2、だったら藤森さんを説得することね
3、でも残念ね。あそこに一番早くたどり着けるのは、私なのよ
4、貴女は、勇者なのね
↓2
- 50 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/09/05(日) 20:02:51.67 ID:edM7AYJSO
- 4
- 51 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/09/05(日) 20:03:16.60 ID:wa2LdAoT0
- 3
- 52 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/09/05(日) 20:34:25.31 ID:NJeaNZcOo
-
陽乃「でも残念ね。あそこに一番早くたどり着けるのは、私なのよ」
歌野「久遠さん?」
陽乃「貴女が、私を温存したいとしても。貴女があの場所にいるとも限らない生存者を救いたいのだとしても」
困惑する歌野の隣で、陽乃は素知らぬ顔で続ける。
陽乃「貴女は、ここに置いて行かれてしまうのよ」
歌野「何を言って……」
陽乃「悔しかったら力をつけることね。その理想を貫き通したいのなら、文句を言わせないほどに強くね」
陽乃は困ったように言って、歌野の体をぐっと押し退ける。
陽乃「九尾!」
九尾「阿呆め!」
どこからともなく、現れる九つの尾を持つ大きな狐。
陽乃に寄り添うように現れたそれを見てしまった人々は悲鳴をあげたり、腰を抜かしたりとやや阿鼻叫喚となって
陽乃はため息をつき、顔を顰めて歌野に微笑む。
陽乃「私は狐だから、跡を濁していくわ。フォローしておいてね」
歌野「待っ――」
歌野をその場に残し、
九尾の力を借りて陽乃は全速力で大群の方へと向かう。
生存者を救いたいのなら、少しでも早くたどり着ける手段を講じるべきである。
ならば最も最良なのは、陽乃が向かうことに他ならない
- 53 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/09/05(日) 20:57:08.98 ID:NJeaNZcOo
-
九尾「主様は救いようのない人間じゃのう」
陽乃「最も確実な手段を取るだけ」
九尾「それが主様が無駄に力を使うことだと?」
陽乃「私は、白鳥さんの力を信用していない。無事で済むとは思えない」
だから。と、陽乃は九尾の首元にしがみついて振り落とされないようにする。
陽乃「私はこんな無駄なことに勇者の1人を使う気はないのよ」
陽乃なら、確実に屠ることが出来る
例え、大群が集結して進化型になったりしてもだ。
陽乃「貴女だって、力を貸してくれるもの」
九尾「……どうなっても知らぬぞ」
陽乃「結果なんて、出てからでしかわからないものだわ」
屁理屈だ。
九尾はやや不満げに鼻を鳴らしたものの、
それ以上は何も言わずに、バーテックスの大群へと向かう。
- 54 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/09/05(日) 21:23:10.20 ID:NJeaNZcOo
-
バーテックスの群れがいるのは、比較的都市部に近い住宅街
多くの建物が無残に崩れ落ちているが、
まだどうにか残っているものも多いといった状態。
人が手を入れているような様子は見られない。
生存者はやはり、いないのかもしれない。
九尾「主様!」
陽乃「分かってる――わよっ!」
九尾の声に引きはがされるような形で飛び降りた陽乃は、
その勢いを残したまま、道路を転がって、
半分崩れた外壁を足場として跳び上がり、向かい来る一匹のバーテックスを殴り飛ばす。
陽乃「来たからにはやるわよ」
九尾「主様……」
怪訝な声を漏らす九尾を横目に、陽乃は息を吐く。
多勢に無勢。
バーテックスは目視できる限りを埋め尽くしかねないほどだ
1、九尾の力
2、イザナミの力
↓2
- 55 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/09/05(日) 21:26:40.59 ID:edM7AYJSO
- 1
- 56 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/09/05(日) 21:28:32.89 ID:oeJuKuLuO
- 1
- 57 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/09/05(日) 21:51:54.83 ID:NJeaNZcOo
-
陽乃「貴女の力を貸して頂戴」
九尾「妾では力不足やも知れぬが」
陽乃「問題ないわ。貴女が戦うんじゃない。貴女の力で私が戦うんだもの。力は十分よ」
九尾「くふふっ、口先だけではないと見せて欲しいものじゃ」
イザナミ様の力を使えば一瞬だけれど、
あれはハイリスクだ。
神様の力を借りている今の陽乃でさえ、
気を失ってしまうほどに。
だから正直なところ、あれは使いたくない
白黒の巫女装束めいた衣装
それを一瞬にして身に纏った陽乃は深く、息を吐いて。
陽乃「さぁ、おいで」
陽乃はバーテックスへと挑発するように、手を向ける。
陽乃「憂さ晴らしさせて貰うわ」
- 58 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/09/05(日) 22:07:13.61 ID:NJeaNZcOo
-
↓1コンマ判定 一桁
01〜10 無傷 全滅
11〜20 軽傷 全滅
21〜30 軽傷
31〜40 無傷 全滅
41〜50 中傷 全滅 ※特殊
51〜60 無傷
61〜70 軽傷 全滅
71〜80 軽傷
81〜90 無傷 全滅
91〜00 無傷
※全滅ではない場合は、もう一度判定
- 59 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/09/05(日) 22:08:24.10 ID:wa2LdAoT0
- あ
- 60 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/09/05(日) 22:34:21.35 ID:NJeaNZcOo
-
『憂さ晴らしかや?』
陽乃「そうよっ!」
九尾の問いに答えながら、
また一体のバーテックスを蹴り飛ばす。
陽乃「バスで散々絡まれちゃったから」
バーテックスは、無数と呼べるほどの数がいる
これらがすべて集まれば進化型になるのか、完成型になれてしまうのか
いずれにしろ、脅威になる。
だから――
陽乃「八つ当たり」
陽乃を食い殺そうと集まってくるバーテックスを容赦なく殴り、蹴飛ばし、踏みつぶして、
地面へと叩き落していく。
陽乃の力はバーテックスに対して特効で、その体を一撃で粉砕させてしまう。
ただの白餅なら、本当に容易い敵だ。
- 61 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/09/05(日) 22:54:48.14 ID:NJeaNZcOo
-
陽乃「九尾! 力を少しだけ大きく使うわよ」
体の中に満ちる、九尾の力を体の外側へと広げていき、
それと合わせて、右手に流し込む。
目に見えない力をかき集めた握り拳
開けばすべてが抜けて行ってしまうのではと思っているかのように固く握り込んだ手は、
血が流れそうなほどで。
陽乃「ふぅ……」
息を吐く。
握り拳を解いて、力を抜く。
陽乃に襲い掛かろうとしていたバーテックス達が軒並み、動きを止めて引き返す。
目には見えないけれど、
その肌……と言っていいのかは分からないが、
その表面に感じるものがあるのだろう。
だけれど、離れたところで……だ
陽乃「来ないのなら、私から行くわよ」
- 62 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/09/05(日) 23:29:06.70 ID:NJeaNZcOo
-
力強く地面を踏みこむ。
ひび割れたアスファルトが砕け散り、陽乃は射出されたように跳びあがって、
拳が、バーテックスを射ち貫く。
その勢いは止まることなく複数のバーテックスを吹き飛ばし、
頂点に逃げていたバーテックスを足蹴にして、
今度は大地めがけて雷のように、落ちる。
勢いよく道路を転がり、
跳びあがって、もう一度。
その身を銃弾として――バーテックスの軍勢を屠る。
力の消耗は激しいが、
イザナミの力を借りるほどの疲労は感じない。
何より、ちまちまと殴る蹴るよりはずっと、楽だ。
『主様、加減を怠るでないぞ』
陽乃「問題ないわッ!」
息を吐く。
体が熱を帯びている。
けれど大丈夫だ。意識ははっきりとしている
陽乃「あと1回……ううん、2回。それで片が付く!」
- 63 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/09/05(日) 23:43:15.62 ID:NJeaNZcOo
-
周囲のバーテックスを殲滅した陽乃は、
バーテックス以上に陽乃が叩き割ったでこぼこのアスファルトの上で、膝をつく。
陽乃「はっ……はぁ……っ、けほっ、けほっ」
燃え尽きそうな体の熱がゆっくりと引いていく。
一時的に爆発するかもしれないとさえ思ったけれど、
どうやら、死なずには済みそうだ。
九尾「無茶をする」
陽乃「無茶ではないわ。使える力を使っただけよ」
ちょっと、見誤ったけど。と、
陽乃は苦笑して、肩の辺りを払って立ち上がる。
疲労感はあるが、体にダメージはないし、
血を吐いたり、意識を失いそうな感覚もない。
陽乃「バーテックスは?」
九尾「ここにはもうおらぬ」
陽乃「そう。よかった」
戦闘前に残っていた建物は傷つけないように戦った。
生存者がいたなら、きっと、無事なはずだけれど。
- 64 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/09/05(日) 23:49:50.44 ID:NJeaNZcOo
-
↓1コンマ判定 一桁
2、5、7 生存者あり
ぞろ目 特殊
- 65 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/09/05(日) 23:51:18.14 ID:oeJuKuLuO
- あ
- 66 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/09/06(月) 00:00:26.23 ID:nY+Yos2So
-
では本日はここまでとさせていただきます
明日も可能であれば通常時間から
- 67 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/09/06(月) 00:07:38.46 ID:wvQw7LlUO
- 乙
陽乃さんがここまで圧倒的な強さだと戦闘は陽乃さんに任せてうたのんは護衛に専念すればむしろ安全な気がしてきた
あとは杏たちと何処で合流できるかだな
- 68 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/09/06(月) 00:12:32.26 ID:QzdW+t1OO
- 乙
生存者はいなかったか……
- 69 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/09/06(月) 23:58:38.85 ID:nY+Yos2So
-
すみませんが本日はお休みとさせていただきます
明日は可能であれば通常時間から
- 70 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/09/07(火) 06:01:21.40 ID:ek79amnvO
- 乙
- 71 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/09/07(火) 21:39:25.88 ID:4iCFVrHUo
- では少しだけ
- 72 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/09/07(火) 21:44:09.51 ID:4iCFVrHUo
-
バーテックスが狙い定めているように見えた民家に、人はいなかった。
周辺の建物にも人の気配はなく、
バーテックスは殲滅済みだからと、人がいるかどうか少し大きな声をかけてみたが、
返事はなかった。
九尾「無駄足じゃな」
陽乃「アレが集まって完成型にでもなられたら厄介だったし、無駄ではないわよ」
あえて嫌味を言っただけで、
そのくらい分かっているだろう九尾には見向きもせず、陽乃は民家の一室の扉を開く
生存者は、いない。
けれど、いたのだ。生きていた人は。
部屋の中に " いる " それらに目を向けて、腰を下ろす。
陽乃「辛かった? 苦しかった? 悔しかった? それとも……最期は、幸せを感じられた?」
いくつか欠落し、床に散らばっている2人分の生きていた証。
陽乃はそれを1つ1つ、丁寧にまとめながら、声をかける。
九尾「主様、何をしておる」
陽乃「見つけちゃったし、せっかくだから埋葬してあげるのよ」
九尾「ふむ……そうか」
- 73 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/09/07(火) 22:19:58.80 ID:4iCFVrHUo
-
陽乃「何? 不満?」
九尾「いいや、主様がそうすべきと思うのならば構わぬ」
陽乃「……そうすべきと思う。わけではないけど」
霊感なんて常人には眉唾な感覚を多少持っていると自覚する程度には気配に敏感だが、
別に、ここで放置したからってこの人たちが化けて出るなんてことはないだろう。
むしろ、こうして2人の領域に足を踏み入れたことに対しての恨み言が囁かれてもおかしくない。
けれど、いくつかの骨が欠落していることから察するに、
息絶えた後、まだ残る血肉を荒らしに来た何かがいる。
それらがまた来ることはないと思うけれど、そんな場所に置き去りは、気分が悪い。
陽乃「神社の娘としては、どうにかしたいと思っちゃうのよ」
九尾「念仏でも唱えるかや?」
陽乃「冗談止めてよ」
適当なことを言う九尾を睨んで、
集め終えた骨を持ってゆっくりと立ち上がる
陽乃「庭に埋めるわ」
九尾「あまり時間かけると、より強く叱られるぞ」
陽乃「分かってる……それと、ここの家主に化けないで」
写真でも見たのだろう。
見知らぬ人の姿をしている九尾に一言言って、陽乃は埋葬するために庭へと向かった。
- 74 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/09/07(火) 22:34:26.58 ID:4iCFVrHUo
-
民家の庭先に、綺麗に包んだ遺骨を埋める。
様々なことが不本意だったとは思うけれど、
これで少しは、救われるだろうか。
陽乃「……はぁ」
九尾「くふふっ、滅入っておるのう」
陽乃「別に、白鳥さんが明らかに怒ってるとか、そういうのはどうでもいいのよ」
これだけの距離が離れていると、
さすがに、心の声が伝わってくることはないようだが、
その感情はひしひしと伝わってくる
だが、陽乃のため息の理由はそれではない。
陽乃「貴女とは言え、使えばやっぱり疲れたのよ。血の味はしないし、まだ意識があるし、大丈夫ではあるけど」
九尾「ふむ……体に異常がないならば問題はなかろう。じゃが、あの規模を連日続ければ」
陽乃「分かってるから」
イザナミ様の力を借りるよりはずっと燃費がいいけれど、
それでも力を使い過ぎれば、負荷が蓄積していくことになる。
九尾「言う必要はないと思うが、休んだ方が良かろう」
陽乃「言われなくても、休まされるでしょうね」
- 75 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/09/07(火) 23:10:36.17 ID:4iCFVrHUo
-
九尾の力をもう一度借りて戻ると、
バスは元の場所から動いてはおらず、エンジンもかかってはいなかった。
歌野「久遠さん!」
バスの屋根で周囲を警戒していた歌野が陽乃に気づき、叫ぶ。
陽乃「そんな怒鳴らなくたって、聞こえるから」
歌野「どうして、久遠さんはそうなの!? 助けに行ったりしないって様子だったのに、急に……」
陽乃「貴女に何かあったら私が恨まれるじゃない。嫌よ。私、逆恨みとかそういうの」
かなり心配していたといった様子の歌野に対して、
陽乃は飄々と答えて、小さく鼻で笑う
陽乃「適材適所だったと思うけど」
歌野「久遠さんってば、もう……」
彼らは元々諏訪の住民だ。
長年守ってくれていた歌野の方が、傍にいて心強く感じられるはずである。
歌野「だとしても、あんまりだわ……あんな、さも自分は行かないみたいな口ぶりだったのに……」
1、生存者はいなかったわ
2、何もなかったんだからいいじゃない
3、行かないとは言ってないし、貴女が遅いのよ
4、こっちは何もなかったの?
5、何も言わない
↓2
- 76 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/09/07(火) 23:13:47.50 ID:yLtU39W7O
- 1
- 77 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/09/07(火) 23:14:25.34 ID:2Qtpewtv0
- 2
- 78 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/09/07(火) 23:31:46.49 ID:4iCFVrHUo
-
陽乃「何もなかったんだからいいじゃない」
歌野「なにもって……」
陽乃「ほら、怪我もないし」
生存者もいなかったけれど、それはそもそも可能性の低い話だった
だからあれだけの大群を相手に無傷で帰ってきただけで十分ではないかと、陽乃は誤魔化す。
歌野だってそれなりに戦える。
もしかしたら同じように無傷で生還できた可能性もある。
けれど、そうではなかった可能性もあるのだ。
陽乃「良かったとは言いたくないのかもしれないけど、悪くはなかったでしょ」
歌野「だとしても……危ないことは止めて」
陽乃「貴女がしようとしていたことなのに?」
歌野「それは……でも、あれじゃ話し合う意味がなくなっちゃうわ」
陽乃「確かにね」
陽乃は頷いて、逡巡する。
陽乃「次からは善処するわ」
- 79 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/09/07(火) 23:32:44.05 ID:4iCFVrHUo
-
では本日はここまでとさせていただきます
明日も可能であれば通常時間から
- 80 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/09/07(火) 23:47:58.83 ID:hIjGEGxPO
- 乙
とはいえ行きの時よりは力の消費は少なくなってるみたいだな
まだ諏訪の神様の補正が残ってるのだろうか
- 81 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/09/08(水) 01:41:07.22 ID:X20CRiBKO
- 乙
まあまだ先は長いしな
うたのんに頼ることもあるよ
- 82 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/09/08(水) 22:31:22.82 ID:yepGYjRpo
- では少しだけ
- 83 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/09/08(水) 22:36:39.32 ID:yepGYjRpo
-
歌野「絶対よ? 本当、お願いね」
歌野は心配そうに言って、陽乃の手をぎゅっと握る。
バーテックスを殴り飛ばしたり、
朽ちた建物の一部に触れたりとして汚れてしまっているそれを、
歌野はごしごしと拭って。
歌野「向こうではともかく、ここでは久遠さんも大切に思われてるんだから」
1人で無理している姿を見て、
それが当たり前だなんて思われたりしないし、
そうする責任があるだなんて言われたりしない。
むしろ、そこまでしないでと……断られることもあるだろう。
水都「陽乃さん!」
陽乃「うっ……」
バスから降りてきた水都の、怒鳴るような声
後退りしようとした陽乃の手は歌野が掴んでいるので、逃げられない
水都「今度は、私も一緒に1号車に乗りますっ!」
- 84 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/09/08(水) 22:57:26.99 ID:yepGYjRpo
-
陽乃「別にその必要は――」
水都「陽乃さんがなんて言おうと、乗ります」
サポートが私の役目なのでと水都は陽乃を見つめる。
出てきたときと比べれば落ち着いて感じる声色だが、
表情には強い不服が表れているので、怒ってはいるのだろう。
歌野「目を離したら、また、勝手にどこかに行っちゃいそうだから」
苦笑いを浮かべる歌野
それとは対照的な表情で詰め寄ってくる、水都
陽乃は歌野に掴まれたままの手を振って、振りほどこうとするが、
存外に、歌野の力は強い。
歌野「農作業で鍛えたこの握力、久遠さんでも簡単には振り解かせないわ」
陽乃「そういうのは農作業にだけ使って頂戴……」
歌野だけでなく、水都にも捕まってしまった陽乃はため息をついて肩を落とす。
本気で振り解こうとすればどうにかなるだろうけれど
陽乃「やることはやったから、逃げないわよ」
諦めて、肩の力を抜く。
逃げ出したい気分ではあるが、それで状況が好転するわけではないのだ
- 85 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/09/08(水) 22:59:20.09 ID:yepGYjRpo
-
√ 2018年 9月8日目 夜:移動A
↓1コンマ判定 一桁
2 8 バーテックス
5 戦闘痕
22 進化型@
88 完成型
- 86 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/09/08(水) 23:01:09.41 ID:cjcauO++O
- あ
- 87 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/09/08(水) 23:37:27.46 ID:yepGYjRpo
-
√ 2018年 9月8日目 夜:移動A
夜、人工的な光がすべて失われた真っ暗な世界を、バスのライトが照らす。
みんなが寝静まるような時間になっても運転手を交代しただけでバスは走り続ける。
そうしなければ、一向に四国にたどり着かないし、
同じ場所に長く留まれば留まるほど、襲撃を受ける可能性が高まってきてしまうからだ。
陽乃「ねぇ、ちょっと……席は余ってるんだから移動したら?」
時折、がたりと揺れる静まり返ったバスの中に、陽乃の小さな声が漏れる。
すぐ隣にいる水都
そして、最初から隣の席だった女子高生の二人からは、首を横に振られてしまう。
わざわざ、補助席まで引っ張り出しての3人席
何が妥協なのか
本来は窓際だったはずの陽乃が真ん中で、その両隣を2人が陣取っている形だ
水都「目を離したら、どこか行きそうなので」
陽乃「この状況でどこに行くって言うのよ……」
「バスの屋根上とか」
陽乃「……」
- 88 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/09/09(木) 00:02:24.27 ID:lzF7Z55Eo
-
窓から出て行こうとしたり、逆に乗り込もうとしたり。
何でもありだという女子高生に、
水都も「陽乃さんはあんまり自分を大切にしてくれないんです」と、知ったように言う。
その言い方はあんまりだ……なんて、陽乃は思わない。
残念でもなく、間違っていないのだ。
陽乃「窓から出た方が効率良いじゃない」
水都「……」
「……」
陽乃「2人して見つめてこないで」
あり得ない。と、
口にはせずにじっと見つめてくる2人
向こうでなら、忌避されるだけだった陽乃としては、
この距離感は、気味が悪くも感じてしまう。
2人が悪いわけじゃない。
陽乃が、その距離感に嫌悪感を覚えてしまっているだけだ。
水都「今日はうたのんが担当してくれるので、陽乃さんはゆっくり休んでください」
1、別に、疲れてないのだけど
2、私、こういう感じ嫌いなのよ
3、そうね
4、貴女は、補助席なんて使ってないで、普通に休みなさい
↓2
- 89 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/09/09(木) 00:13:35.69 ID:GbiKB8r4O
- 2
- 90 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/09/09(木) 00:16:07.08 ID:i9yCDehvO
- 2
- 91 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/09/09(木) 00:18:03.38 ID:lzF7Z55Eo
-
では本日はここまでとさせていただきます
明日も可能であれば通常時間から
- 92 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/09/09(木) 00:57:03.59 ID:21Hg5FdnO
- 乙
久々にみーちゃんのターンが来たな
陽乃さんはまだまだツンツン気味だけど
- 93 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/09/09(木) 06:48:03.83 ID:QsRaK9zOO
- 乙
みーちゃんたちがまるで保護者みたいだな
- 94 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/09/09(木) 08:04:23.93 ID:03JEHBr/O
- 乙
この距離感に居心地の良さを感じたくないのか
- 95 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/09/09(木) 21:59:29.16 ID:lzF7Z55Eo
- では少しだけ
- 96 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/09/09(木) 22:09:29.41 ID:lzF7Z55Eo
-
陽乃「私、こういう感じ嫌いなのよ」
水都「陽乃さんが、危ないことしたからです」
陽乃「危ないことって、あれは必要だからしたことだって言ったじゃない」
絶対に必要だったわけじゃないと言われてしまうと、そうではあるのだが、
生存者がいる可能性もあった以上、
陽乃が行かなくても歌野が行ったのは、その時の話からも伺える。
そして、
陽乃が行くにせよ、歌野が行くにせよ
どちらか一人しか行くことが出来なかったのも、避けられない。
その中で、
陽乃が行くことにしただけのことだ。
歌野の隙をついて専行したのは非があるかもしれないけれど、
危ないこと。と言われるような行動については、歌野ではなく陽乃が行ったと言うだけ。
陽乃「白鳥さんが行ってても、同じようにしてるわけ?」
- 97 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/09/09(木) 22:24:45.80 ID:lzF7Z55Eo
-
水都「うたのんは、大丈夫じゃないですか……」
力を使ったことによる反動
歌野は今まで、それによって入院が必要になったり、
その場で気絶したりとか、血を吐いたりだとか、
明らかに危険と言えるようなことが起きたことはなかった。
しかし、陽乃は違う。
毎回毎回、そんなことばかり。
歌野とは単純に比較することは出来ない。
水都「陽乃さんは力が強い分、何があるか分からないじゃないですか」
目を離したすきにまた無理を重ねる可能性もあるし、
そうではなく、
時間差でなにかしらの症状が出ないとも限らない。
水都「心配なんです」
- 98 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/09/09(木) 22:40:23.12 ID:lzF7Z55Eo
-
「勇者様がかなりの虚弱体質って噂は本当だった……?」
陽乃「嘘よ」
陽乃が弱いのではなく、力が強すぎるのだ。
しかも、
適性があるからその程度で済んでいるのであって、
歌野達が力を使ったとしたら、その程度では済まない。
水都「陽乃さんの力が強いだけですよ。陽乃さん自身は、凄く強いんですけど」
陽乃「そこまででもないわよ。強いなら、そうはならないもの」
「つまり、つよわいってことね」
良く分からないことを言う女子高生を無視して、
陽乃は小さく息を吐く。
今のところ体の調子はいいので、
水都が心配しているようなことにはならないはずだが……
陽乃「だから2人?」
水都「私はそうですけど」
「私は、ゆ……陽乃ちゃんがお疲れだから休むと思って」
休んでいる間に何かが起きたらすぐに知らせる係。と、彼女は笑う
- 99 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2021/09/09(木) 23:15:52.52 ID:lzF7Z55Eo
-
陽乃はわずかに顔を顰めて、彼女を一瞥する。
勇者様と呼ばれるのも好きではないが、
距離感が一気に縮められたかのような"陽乃ちゃん"というのは、少し不愉快だ
陽乃「勇者様はどうしたのよ」
「陽乃さんって呼ばれてるから、良いのかなと思って」
水都に好きにしていいと許したのが悪かったのか、
それが、ここにきて引っかかったようだ。
その時に想像できるわけがないので、仕方がないが。
水都は巫女としての責務を理由にはなれないだろうし、
隣の女子高生は、妹云々を理由に離れたがらないだろう。
なら、陽乃が離れるという手がまだ残されているが、
そこまで避けるべきだろうか。
1、陽乃ちゃんは止めて。嫌いなの
2、勝手にしていいわ。もう。
3、私が別の席に移るわ
4、疲れたから休むわ。邪魔しないでね
↓2
- 100 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/09/09(木) 23:18:51.46 ID:rfpR+9z5O
- 4
- 101 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/09/09(木) 23:21:00.67 ID:3LMQS2X30
- 1
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