他の閲覧方法【
専用ブラウザ
ガラケー版リーダー
スマホ版リーダー
BBS2ch
DAT
】
↓
VIP Service
SS速報R
更新
検索
全部
最新50
【安価でのわゆ】久遠陽乃は勇者である【7頁目】
Check
Tweet
118 :
◆QhFDI08WfRWv
[saga]:2022/04/03(日) 21:47:11.45 ID:Z6kqpt/co
陽乃「かなり苦しいわよ」
水都「覚悟はできてるので、お願いします」
大切な人が死んでしまうかもしれない恐怖も、
目の前で人の体が吹き飛ばされて、喰われて、傷ついて、
辛い思いも、苦しい思いも、散々してきた。
それに、神的な影響の経験も水都にはある。
水都「陽乃さんのそばには、もうかれこれ2ヶ月はいるんですから。経験は十分です」
ひなた「ふふっ、藤森さんの方が私よりもずっと、勇者のそばにいるだけの力があるようですね」
水都「そんなっ」
口癖のごとく謙遜を口走りかけた水都は、それをぐっと飲みこむと、頷いて笑う。
その目は、陽乃へと向けられていた。
水都「もちろん、陽乃さんのそばで経験を積みましたから」
ひなた「そうですか……そうですね。ほんとう、久遠さんのそばにいると嫌でも、経験を積まされますから」
陽乃「私は悪くないわ。ついてこようとする貴女達がいけないのよ」
119 :
◆QhFDI08WfRWv
[saga]:2022/04/03(日) 22:06:52.73 ID:Z6kqpt/co
歌野「言い訳?」
陽乃「うるさいわよ。病人は黙って寝てなさい」
歌野「私に関係があることなのに、黙って寝ているなんて出来るわけがないわ」
陽乃「知ってるわよそんなこと」
それに。と、陽乃は歌野を一瞥して体を起こす。
もちろん、普通なら動けない為、九尾の力を借りている状態だ。
簡素なスリッパを履いて、皴だらけの患者衣の裾を軽く伸ばす。
久しぶりの自力……かは微妙だけれど自分の足での感覚はやや微妙で、
ちょっとだけふらついてしまうと水都に支えられる。
水都「大丈夫ですか?」
陽乃「大丈夫……白鳥さんのところに行くわよ」
水都「あ、はい」
ほんの数歩程度の距離だが、
ふらついたことを心配してか、水都に支えられたまま歌野のベッドのところに向かう。
歌野「……何をしたらいいの?」
陽乃「状態を変えるのよ。私から藤森さんと白鳥さんってなっている繋がりを、私と藤森さんから白鳥さんにする」
120 :
◆QhFDI08WfRWv
[saga]:2022/04/03(日) 23:11:33.51 ID:Z6kqpt/co
陽乃「神託を授けた時と同じように、強い反動があるはずよ。備えておいて」
水都「……はい」
陽乃「上里さんも……たぶん、貴女は平気だろうけど一応」
ひなた「九尾さんとつながりがあるから、ですか?」
陽乃「ええ」
ひなたにまで影響が出ないはずだが、
万が一のことがないとも言い切れない。
陽乃のベッドの上で正座しているひなたは不安そうに頷きながら、ぐっと胸に手を当てる。
若葉のための覚悟であって、
それ以外のことで失う覚悟ではないはずだ。
陽乃はそれを一瞥して、ため息をつく。
陽乃「私は責任を取らないって、言ったはずよ」
ひなた「久遠さん……」
陽乃「自分の命には自分で責任を持ちなさい。それが出来ないのなら、今すぐここから出て行くことね」
ひなた「それは、無理な話では――」
陽乃「貴女にあるのは命であって、消息不明の責任ではないはずよ」
121 :
◆QhFDI08WfRWv
[saga]:2022/04/03(日) 23:35:35.55 ID:Z6kqpt/co
ここから逃げ出したら病院関係者に保護され、
そうして、大社に保護されることになるだろう。
けれど、それは捕縛ではなく保護なのだ。
ひなたが逃げ出せるような状況ではなかったし、逃げ出したと思われる状況でもない。
疑うまでもなく、外部の犯行によって連れ去られた現場だったのだから。
怪我はないかと、心は無事かと、
とても心配されるだけで済むはずだ。
ひなた「……いえ」
ひなたは、首を振る。
確かに恐ろしく、逃げ出すこともできるかもしれない。
けれど、出来るはずのないことが出来るかもしれないと
奇跡的にも目の前に差し出されたのだ……引く通りがない。
ひなた「どうせなら、2人で白鳥さんを補うのも間違いではないかと。白鳥さんの回復力は、それだけ重要な力なんですから」
水都「確かに……」
陽乃「出来もしないことは言わない方が良いわ。上里さんはただ余剰分がぶつかるだけで本来の形ではないんだから」
水都「それで……何をしたら」
陽乃「とりあえず、血を貰って良いかしら」
水都「はい――えっ!? 痛っ!」
言うが早く、水都の手を奪うようにとって、どこからともなく取り出した鋭利な刃で水都の指を切る。
陽乃「略式ではあるけれど、正式なものだから心配は要らないわ」
歌野「……私も?」
陽乃「痛いくらい平気でしょう。我慢しなさい」
歌野「大丈――っ、痛ったい!」
普通の刃物ではなく、神聖な力が宿った刃物だから、
水都はさほど痛くなくても歌野にとっては激痛なのだ。
歌野「バーテックスの攻撃より痛いわ!」
ぶつっ……と、指に刺さった傍から悲鳴を上げた歌野を無視して、血を貰う。
122 :
◆QhFDI08WfRWv
[saga]:2022/04/03(日) 23:42:14.51 ID:Z6kqpt/co
反動判定 ↓1コンマ
01〜00
※低〜高
※奇数で+ひなた
※ぞろ目特殊
123 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2022/04/03(日) 23:44:39.15 ID:Otl8yI+/O
あ
124 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2022/04/03(日) 23:49:06.36 ID:Vz2Flj5pO
これはいけるか…?
125 :
◆QhFDI08WfRWv
[saga]:2022/04/03(日) 23:51:55.60 ID:Z6kqpt/co
では本日はここまでとさせていただきます
明日も可能であれば通常時間から
126 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2022/04/03(日) 23:59:00.58 ID:Vz2Flj5pO
乙
この試練を低リスクで乗り越えれば相当大きいな
陽乃さんも少しはみーちゃんたちを見直してくれればなおいいけど
127 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2022/04/04(月) 06:16:37.69 ID:ATG2wIlrO
乙
反動少なくてなんとかなりそうかな?
128 :
◆QhFDI08WfRWv
[saga]:2022/04/04(月) 23:23:44.88 ID:+axjlgYIo
すみませんが、本日はお休みとさせていただきます
明日は可能であれば通常時間から
129 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2022/04/04(月) 23:30:51.29 ID:wUDRy17RO
乙ですー
130 :
◆QhFDI08WfRWv
[saga]:2022/04/05(火) 22:30:12.19 ID:4R+TacT7o
では少しだけ
131 :
◆QhFDI08WfRWv
[saga]:2022/04/05(火) 22:37:36.58 ID:4R+TacT7o
儀式はとても簡潔なものだ。
2人の血を混ぜて紅として唇に塗り、口づけをする。
本来のやり方では、紅を塗った巫女が、
神に供えられ、その神霊が宿っている神酒を頂くことでその御力をお借りし、
神託を授かったりとするわけだが、
今回は歌野が力を宿している為、そう言った特例的な措置が行われた。
……のだが。
ひなた「……っ」
陽乃「……やっぱり」
ふらつきながら額を抑えたひなたがそのままベッドに倒れ込む。
幸いにも、広めのベッドだったのが功を奏して、落下は免れたようだ。
ひなたにまで影響が出る可能性は限りなく低かったはずだけど……と、
陽乃は眉を顰める。
その一方で、水都はひなたを心配そうに見ているだけで大きな影響が出ているようには見えない。
陽乃「貴女は、平気そうね」
水都「はい……あっ」
歌野「みーちゃんっ」
ぽたぽたと、水都の鼻から血が滴る。
132 :
◆QhFDI08WfRWv
[saga]:2022/04/05(火) 23:24:23.22 ID:4R+TacT7o
水都「ん……大丈夫だよ。うたのん。大丈夫」
歌野「そう? 眩暈がしたりしない?」
水都「うん。大丈夫」
頭痛はしていないし、めまいもしていない。
熱が出ているわけでもなく、気怠さも何もないという。
水都は、鼻血が出た程度で大きな影響はないようだ。
陽乃「貴女……」
水都「ほ、本当ですよ? 本当にこれくらいで……」
陽乃の視線を感じて、
嘘をついたと疑われているとでも思ったのか、
水都は取り繕ったように手をパタパタとする。
嘘をついていないことは分かっている。
神々の力は表面に現れていなくても陽乃にはよくよく感じ取ることが出来るもので、
それが、水都からも確かに感じられる。
歌野が持っているものと、同質の力が。
陽乃「別に疑っているわけではないわ。ただ、妙ね……貴女、融和性が高すぎる」
水都「悪いこと、なんですか?」
陽乃「反動が軽くなるという点では、何も問題はないと思うけど」
133 :
◆QhFDI08WfRWv
[saga]:2022/04/06(水) 00:08:23.40 ID:n7btJhKao
歌野と同等の資質があると言われても信じられるほどに、
水都は安定している。
力を与えている宇迦之御魂大神さまが非常に協力的だと言っても、
水都は安定しすぎているように感じられる。
歌野「悪いことじゃないならいいでしょ?」
陽乃「それはまぁ……藤森さんの変化が上里さん達にも起こり得るものなら起こしておきたいと思ったのよ」
歌野「そうね」
影響が最小限に抑えられるなら、やっておいて損はないことだと思う。
けれど、絶対に悪影響がないとは言い切れない。
原因を知っておきたいところだが……
陽乃「貴女の場合、色々重なってるから考えるのが面倒になるわ」
水都「褒められて……は、無いですよね」
陽乃「当たり前でしょう」
水都「……すみません」
陽乃「別に怒ってるわけでもないわ」
水都は、かなり強めの神託を陽乃から受けた影響があるため、
やはり、それが起因となっている可能性は高いと見える。
だが、確実なことは九尾に確認するべきだろうか。
134 :
◆QhFDI08WfRWv
[saga]:2022/04/06(水) 00:11:38.41 ID:n7btJhKao
短いですが、時間なのでここまでとさせていただきます
明日も可能であれば通常時間から
135 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2022/04/06(水) 00:16:35.02 ID:Ni2fZB8tO
乙
もしかしてうたのんと同じくみーちゃんも人間を辞められる可能性があるってことなのだろうか…
136 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2022/04/06(水) 06:08:58.00 ID:KT+byTUrO
乙
何事もなければいいけどな
137 :
◆QhFDI08WfRWv
[saga]:2022/04/07(木) 00:08:53.43 ID:A+Iazfg6o
すみませんが本日はおやすみとさせていただきます
明日は可能であれば通常時間から
しばらく隔日になるかもしれません
138 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2022/04/07(木) 06:04:25.83 ID:ZnajLW/iO
乙
最近忙しそうだけど応援してます
139 :
◆QhFDI08WfRWv
[saga]:2022/04/07(木) 22:25:59.62 ID:FsuWQm0nO
では少しだけ
140 :
◆QhFDI08WfRWv
[saga]:2022/04/07(木) 22:30:50.11 ID:FsuWQm0nO
陽乃「しばらくは安静にしてなさい。問題はないと思うけど何があるか分からないから」
水都「分かりました」
水都はそう言って、
きょろきょろと辺りを見渡して、肩を落とす。
陽乃「何?」
水都「あ、いえ……ただその、私も一緒の部屋になれないかなと思って」
陽乃「無理言わないで頂戴」
歌野「私の隣なら空いてるけど……」
陽乃「馬鹿言わないで頂戴。健康そのものの藤森さんをどうやってこっちに入れるつもりなのよ。上里さんとは話が違うのよ」
歌野「む……」
水都「ですよねっ」
残念ですけど。と言いつつも納得しているような表情で。
水都「あ、でも……記憶は、大丈夫です」
陽乃「!」
歌野「記憶?」
水都「何でもないよ。うたのん」
神々の力を受け止められるようになったことで、効き目がなくなったのかもしれない。
だとしたら、全部、思い出したはず。
陽乃「調子に乗らないで」
水都「……ごめんなさい」
141 :
◆QhFDI08WfRWv
[saga]:2022/04/07(木) 22:56:19.32 ID:FsuWQm0nO
水都は、自分では騙しきる自信がないからと、陽乃に記憶を消してくれるように求めた。
けれど今回は陽乃には記憶を消さなくても問題ないという。
求められても求められていなくても、
歌野がいる場で、それをする気はなかった陽乃ではあるが、
しかしあえて向こうからその必要はないと言われてしまうと、気に喰わない。
神々の力を受け止められるようになったからと言って、
水都自身の嘘が上手くなったわけではないのだから。
陽乃「上里さんがここにいることは最高機密よ。ひとたび知られれば、目も当てられないことになる」
歌野「間違いなく上里さんが回収されちゃうだろうし、久遠さんだって」
陽乃「みんな殺されるのよ」
水都「殺……っ」
歌野「あぁ……九尾さんね」
一歩後退りした水都とは対照的に、落ち着いた様子で歌野は顔を顰める。
九尾ならやるだろう。間違いなく。
上里ひなたは、陽乃の命に比べれば取るに足らないものと見られているものの、
その特例を除けば、最低でも歌野と同等の価値としてみているだろうから、
それに手を出すような存在は殺されかねない。
142 :
◆QhFDI08WfRWv
[saga]:2022/04/07(木) 23:24:05.07 ID:FsuWQm0nO
だからこそだ。
だからこそ、水都にはひなたについて黙秘して貰わなければならない。
バーテックスとの戦いにおいて死人が出るのは致し方ないことだが、
力のない人間が九尾に取り殺されるのはあってはならない。
陽乃「貴女が出来るかできないかじゃない。できなければならないのよ。貴女の言葉一つで、人が死ぬことになるのだから」
水都「っ」
それはあまりにも理不尽ではあるけれど、
しかし、事実だ。
携わるものの責務として、上里ひなたについてのことを他言してはならない。
陽乃「幸い、巫女としてのお役目には適してるようだから、貴女は九尾に殺されたりはしないけど」
完全に脅しだった。
自分が死ぬことよりも、
自分のせいで他人が死ぬことになるという方が、善人には辛いものだろう。
水都は不安そうな表情を見せはしたが、
覚悟を決めたようで、陽乃に向かって大きく頷く。
水都「大丈夫です。探りを入れるような様子はありますけど……私、結構甘く見られているみたいなので」
ひなたに比べて水都は腹芸が苦手と言うべきか、
簡単に言えば分かりやすい性格をしている為、疑いつくされることがないらしい。
自信をもって否定することさえできればと言うところか。
水都「だからこそ、陽乃さんのお母さんの居場所も聞けそうにはないんですけどね……あははっ」
そこは努力します。と、
水都は言ってから「そこも! 努力します」と言い直した。
143 :
◆QhFDI08WfRWv
[saga]:2022/04/07(木) 23:31:23.16 ID:FsuWQm0nO
√ 2018年 10月07日目 昼:病院
↓1コンマ判定 一桁
1 侵攻
3 若葉
5 ひなた
7 友奈
9 球子
ぞろ目 侵攻
144 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2022/04/07(木) 23:31:51.04 ID:iMW86uELO
あ
145 :
◆QhFDI08WfRWv
[saga]:2022/04/07(木) 23:34:30.64 ID:FsuWQm0nO
では本日はここまでとさせていただきます
明日も可能であれば通常時間から
146 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2022/04/07(木) 23:44:47.94 ID:iMW86uELO
乙
みーちゃんの記憶が復活したか
責任重大な立ち位置になってきたけど今のみーちゃんならなんとかしてくれそうな気がする
147 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2022/04/08(金) 06:14:17.85 ID:NwuBvpqDO
乙
148 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2022/04/09(土) 23:59:45.41 ID:qEEw+FFDO
明日はあるかな
149 :
◆QhFDI08WfRWv
[saga]:2022/04/10(日) 00:08:08.97 ID:1ifcHOslo
すみませんが本日もお休みとさせていただきます
明日はその分、お昼ごろを予定しています
150 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2022/04/10(日) 00:11:01.76 ID:r9Hro2SeO
連絡乙ですー
お昼楽しみに待ってます
151 :
◆QhFDI08WfRWv
[saga]:2022/04/10(日) 16:21:38.25 ID:1ifcHOslo
遅くなりましたが、少しずつ
152 :
◆QhFDI08WfRWv
[saga]:2022/04/10(日) 16:31:16.36 ID:1ifcHOslo
√ 2018年 10月07日目 昼:病院
本来のお見舞いなどであれば、暫くとどまっていても何にも問題はないけれど、
その病室には陽乃がいること
水都の大社内での立場がそれなりに重要なものであること
陽乃と歌野だけでなく、全ての勇者の担当ということもあって、
ずっと部屋に入れておくわけにもいかず、帰らせることになったのだが、
それから暫くして、歌野がおもむろに感嘆の声を漏らした。
歌野「みーちゃんの居場所が分かるわっ」
陽乃「それはそうでしょう。力の繋がりがあるんだもの。普通よりもずっと強く」
ひなた「便利……なんですね」
嬉しそうな声とは対照的に
今にでも死にそうな声色で、ひなたが呟く。
水都と歌野の儀式の際、
陽乃の持つ九尾の力とのつながりのせいか、当てられてしまったため、
あまり気分が良くなさそうだ。
陽乃「貴女、大丈夫?」
ひなた「……少し、吐きそうです」
陽乃「それは見ていれば分かるわ」
153 :
◆QhFDI08WfRWv
[saga]:2022/04/10(日) 17:29:27.15 ID:1ifcHOslo
ひなたは巫女としての適性に優れていると評価されていた少女だが、
だからこそ、気分が悪くなっているのかもしれないと陽乃は感じる。
相反する力の流入は、微量であれ猛毒になる。
それが、相殺し合うようなものであればなおのこと。
とはいえ、暫く休んでいれば回復する程度だろうから、心配は要らないはずだ。
陽乃「貴女は休んでいなさい」
ひなた「……久遠さんの手、冷たいです」
額に触れる手の感触に、ひなたは満足げに呟いて目を瞑る。
歌野「久遠さんってば……やっぱり優しいわよね」
陽乃「そういうつもりはないわ」
歌野「そう……」
歌野はちょっぴり残念そうに言いつつ、
気付いたように顔を上げて、そう言えば。と切り出す。
歌野「みーちゃんの心が伝わってこないわ」
陽乃「当たり前でしょう。私達とは違うんだから」
154 :
◆QhFDI08WfRWv
[saga]:2022/04/10(日) 17:58:34.11 ID:1ifcHOslo
陽乃「貴女と藤森さんにはしっかりと制限がかかってるから、余計なものが伝わることはないのよ」
その制限は外すことは出来ないが、壊すことは出来る。
それも、とても簡単に。
陽乃と歌野はそれを壊してしまったため、
無駄なものまで共有することになってしまっていると言うだけで、
残念ながら、恩恵などと呼べる代物ではない。
何しろ、最悪の場合死に至ることもあるのだから。
陽乃「私達は運よく無事なだけだし、こんなものは普通じゃないし望むものでもないわ」
歌野「望んでいるわけじゃないわ。ただ、そう……やっぱり、これは特別なものなのね」
考えていることが分かるのは、
気味の悪いことでもあるのだが、役に立つことも少なくはない。
特に、一瞬が命取りになってしまう戦場においては、
手間なく考えを伝えられるような繋がりと言うのは、あった方が良いのかもしれない。
だが、水都は巫女だ。
本来は戦場に共にいることなんてない。
だから、無くたって何も問題はないし、あるメリットもないはず。
歌野は小さく笑って。
歌野「私とみーちゃんは、フィーリングが最高にマッチしているから大丈夫。分からなくても、通っているわ」
155 :
◆QhFDI08WfRWv
[saga]:2022/04/10(日) 18:38:18.60 ID:1ifcHOslo
心がね。と、付け加えた歌野に陽乃は素っ気ない反応を返す。
3年間も死地を共にした相方だ。
生半可な繋がりではないだろう。
もしかしたら、水都が歌野の力を肩代わりしても最小限の影響で済んだのは
そう言った面もあるのかもしれない。
だとしたら、ひなたと若葉
千景と美佳はまず間違いなく上手くいくことだろう。
では、他の3人はどうか。
ひなたでもある程度は分かるだろうけれど、
そこは、水都に調べて貰う方が良いだろうか。
歌野「ねぇ、久遠さん」
陽乃「力を試すのは止めておいた方が良いわ」
歌野「じゃぁ、私と本当に心を通わせてみない?」
陽乃「はぁ?」
歌野「そんなハダニの大群を見たような顔しないで」
陽乃がどんな顔かと顔を顰めると、歌野はしょんぼりと首を振る。
歌野「私とみーちゃんがもしも、その信頼関係によって負荷を軽くすることが出来ているのなら、私と久遠さんの繋がりも深まればより改善に向かうかもしれないって思ったのに」
陽乃「随分と、方便が上手くなったものね」
歌野「久遠さんが命懸けは嫌だっていうから、それを避ける方法を模索してるのよ。野菜だって、試行錯誤の積み重ねが現代の美味しさを生んだんだもの」
1、心はもう通じているじゃない
2、で? 具体的には?
3、九尾に聞いた方がマシよ
4、はいはい。気が向いたらね。で、貴女は平気なの?
↓2
156 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2022/04/10(日) 18:39:10.84 ID:q9kjIzG20
1
157 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2022/04/10(日) 18:39:41.08 ID:P8EFsunLO
2
158 :
◆QhFDI08WfRWv
[saga]:2022/04/10(日) 19:08:04.63 ID:1ifcHOslo
陽乃「で? 具体的には?」
歌野「えっ!?」
陽乃「……なんでなんにも考えてないのよ」
素っ頓狂な声をあげた歌野を、陽乃は睨む。
歌野は今回も陽乃が断固拒否すると思って居たようで
なんにも考えが見えてこない。
陽乃「ただの冗談だったわけ?」
歌野「そ、そんなこと無いわ! ちょ、ちょちょっと待って!」
陽乃「……」
歌野の心はぐちゃぐちゃだ
それだけ上手く考えが纏められないってことだろうし、
陽乃が受けることが想定外だったのだろう。
159 :
◆QhFDI08WfRWv
[saga]:2022/04/10(日) 19:30:55.72 ID:1ifcHOslo
歌野「そうね……まずはやっぱり……」
陽乃「嫌よ」
歌野「良いじゃない! このくらい」
心が分かるから、言われなくても分かる
だから言われる前に先手を打つが、
歌野は諦めてはいないようだった。
歌野「みーちゃん達だって呼んでるわけだし……」
陽乃「向こうが勝手にでしょう? 私は違うわ」
歌野「だからこそよ。いきなり物理的に距離積めるのは嫌だろうから、せめて名前で……って」
陽乃「名前で呼ぶことに意味を感じないわ」
歌野「ならむしろ、ね?」
陽乃「一人許可したら私も私もって来るじゃない」
160 :
◆QhFDI08WfRWv
[saga]:2022/04/10(日) 19:58:57.43 ID:1ifcHOslo
水都も、杏も、球子だって
もしかしたら若葉とひなた……友奈もかもしれない。
それは確実に面倒だ。
第一距離を詰めるなんて……
歌野「やっぱり嫌?」
歌野は伺って、少し考えを巡らせる
さっきまでの乱れはなくて、落ち着いていた。
歌野「みんなの前では呼ばなくていいわ。何なら心のなかでもいいし……どうかしら?」
1、普通に呼ぶ
2、2人の時だけ
3、心の中で
4、それ以外でお願い
↓2
161 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2022/04/10(日) 20:01:14.09 ID:d0bwdWpUO
3
162 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2022/04/10(日) 20:01:24.09 ID:q9kjIzG20
3
163 :
◆QhFDI08WfRWv
[saga]:2022/04/10(日) 20:52:18.55 ID:1ifcHOslo
陽乃「なら心の中だけね」
それなら呼ばずに済むしと思ったものの、
もちろん、それは歌野に筒抜けでむっとした不満顔が向けられる。
陽乃「分かってるわよ……分かってるってば」
歌野「本当に?」
陽乃「失礼ね。騙すのはあんまり好きじゃないのよ」
九尾が散々騙したりなんだりしているが、
それはあくまで、陽乃の命が脅かされるような状況にある場合など、
そうしなければならない状況だからこそのもので、
不必要な時にまで、そんなことをするつもりはない。
実のところ、陽乃は基本的に下の名前で呼ぶことがない。
それは、こんなことになる前からもそうで、
特別こだわっていたわけではなく、巫女として幼少から人前に出ていたからこそ染みついたものである。
陽乃「……気味が悪いわね」
歌野「そう?」
陽乃「貴女だって、違和感があるでしょう。普段は久遠さんなんだから」
歌野「そこは……まぁ、ノリと勢いだわ! 陽乃さん!」
陽乃「声が大きいわよ」
164 :
◆QhFDI08WfRWv
[saga]:2022/04/10(日) 21:04:34.39 ID:1ifcHOslo
歌野「どう? ね?」
勢いで何とかなるし、呼んでいれば慣れるはずだと歌野は言うが、
歌野自身、慣れているわけではなさそうでほんのり羞恥心が感じられる。
本音では、やはり「久遠さん」の方がまだ馴染むと思っているくらいだ。
ならやっぱりやめる? と言ったって歌野は拒むだろう。
それを考えただけで目を向けてくるし、首を振るくらいには。
だったら、と、陽乃は息を吐く。
陽乃「本当に面倒ね。う――」
歌野。と呼ぶか、歌野さんと呼ぶか
あるいは歌野ちゃんと呼ぶか。
3つ目はあり得ないが、1つ目2つ目もしっくりこない。
陽乃「面倒くさいわ」
歌野「誤魔化した……」
陽乃「うるさいわよ」
歌野「心の中でも呼ばなかったわっ」
陽乃「呼ぶ必要があるときで良いじゃない」
歌野「……照れなくていいのに」
陽乃「記憶を消し去るわよ」
それだけはやめてっ……と、願う歌野にそっぽを向く。
いつかなれる。
いつか、本当に……そうだろうか?
165 :
◆QhFDI08WfRWv
[saga]:2022/04/10(日) 21:11:07.71 ID:1ifcHOslo
√ 2018年 10月07日目 夕:病院
↓1コンマ判定 一桁
0 ひなた
2 球子
4 杏
6 若葉
8 大社
ぞろ目 特殊
166 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2022/04/10(日) 21:12:17.84 ID:d0bwdWpUO
あ
167 :
◆QhFDI08WfRWv
[saga]:2022/04/10(日) 22:41:49.09 ID:1ifcHOslo
√ 2018年 10月07日目 夕:病院
杏は約1週間前の戦いで重傷を負い、暫く伏せっていたが、
昨日の時点で少しでも会話が出来るようには回復していると話だけは聞いていた。
それでもまだ動くのは難しいと思っていたのだが……
杏「久遠さん……無事で、何よりです」
一見、満身創痍にも思えるような状態で車椅子に乗って病室へと尋ねてきた。
満身創痍と言っても、包帯が見える部分が多いという程度で、
まだ出血が見られるだとか、歌野のように一部が変質しているということもないので、
そこまで、大騒ぎするほどでもない。
陽乃は、それでもわざわざ訪ねてきたことには不服と言った表情で迎える。
陽乃「何しに来たのよ。死にたいの?」
杏「いえ、その……院内で、かつ短時間なら外出も許される程度には回復したので」
歌野「回復したと言っても、まだ安静にしていた方が良いと思うわ」
陽乃「貴女が言えることではないでしょ」
杏「それに、久遠さんが千景さんにその……襲撃を受けたって聞いて」
球子だろう。
陽乃が千景に襲われたことや、歌野が命を懸けようとしていることも聞いているはずだ。
168 :
◆QhFDI08WfRWv
[saga]:2022/04/10(日) 23:13:07.87 ID:1ifcHOslo
陽乃「土居さんに聞かなかったの? 見ての通り何の問題もないわ」
杏「それは聞きました。でも、直接会いたくて」
陽乃「まともに動かない身体に鞭を打ってでも?」
皮肉のつもりだったけれど、杏は笑みを浮かべる。
またそんなこと言っちゃうんだから陽乃さんはと、歌野までも知ったようなことを思っていて。
杏「それでもです。私、最後に見たのが、久遠さんが敵に向かっていく姿だったから……心配で」
陽乃「土居さんから――」
杏「戦いで傷ついていないか心配だったんです」
千景に殺されるとまでは考えていなかったものの、
バーテックスとの戦闘でどれだけ怪我をしたのか分からなかったし、
左手を斬りつけられたと聞いて、それで。
杏「……ごめんなさい」
陽乃「謝られても困るのだけど、それは何に対しての謝罪なの? 貴女なんかを助けた程度でこんなことになるような脆弱さだとでも馬鹿にしたいの?」
杏「そんなこと、あるわけないじゃないですか」
杏は首を振ることが辛いのか、その分だけ声を強めて否定する。
そんなわけがない。
陽乃は確かに、戦闘後に倒れることが多いけれど、
それは力の反動によるものであって、決して陽乃は脆弱だからではない。
が、その貴重な力を使わせてしまった。と言う思いもあると杏は吐露する。
杏「久遠さんは、何が何でも私達を守ってくれてしまうから、頑張らないといけなかったのに」
169 :
◆QhFDI08WfRWv
[saga]:2022/04/10(日) 23:31:03.01 ID:1ifcHOslo
陽乃「それは勘違いも甚だしいわ」
杏「もう、いい加減無駄なんです。久遠さんが、絶対に他人を見捨てられないことはみんな分かっているんです」
千景はそれに納得していないし、
それに甘んじる気は毛頭ないように思えたが、
他のみんなは陽乃を最終手段だと考えているし、
それなのに、簡単に命を張ってくれる危ない存在だとも思っている。
杏「私は久遠さんの事情を全部は知らないから、あんまり勝手なことは言えませんけど……」
でも。と、
杏は固く瞼を閉じて、少しだけ、零れていく熱を手の甲で拭う。
杏「受け入れてください。自分の行いの見返りを」
何もかもが仇で返されるわけではないと
感謝をする人もいれば、それに返したい人だっているのだと。
杏「自分だけが傷つけばいいなんて、それは嫌です。それは駄目です。そう思わせたんです。久遠さんが」
陽乃「だから?」
杏「もう少し、身体を大切にしてください。長生きしてください。恩返しを、させてください」
1、してるわよ。してるから生きてるの
2、だったらもっと強くなりなさい
3、要らないわよ。そんなもの
4、それは私に頼むことではないわ。
↓2
170 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2022/04/10(日) 23:31:48.09 ID:dxmgg4WXo
1
171 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2022/04/10(日) 23:31:51.04 ID:HS1hR+uXO
2
172 :
◆QhFDI08WfRWv
[saga]:2022/04/10(日) 23:43:24.30 ID:1ifcHOslo
では本日はここまでとさせていただきます
明日も可能であれば通常時間から
173 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2022/04/10(日) 23:51:23.30 ID:YoWXdae5O
乙
久々に杏に会えたけど大怪我で寝込んでる間に色々あったからなぁ
この必死な説得が陽乃さんの心に少しでも響いてくれるといいのだが…
174 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2022/04/11(月) 06:48:41.17 ID:h+FupBfGO
乙
口調はキツめながら少しずつ妥協し始めてるような気がする
175 :
◆QhFDI08WfRWv
[saga]:2022/04/12(火) 23:46:26.77 ID:rpqpLtSmO
遅くなりましたが、少しだけ
176 :
◆QhFDI08WfRWv
[saga]:2022/04/12(火) 23:48:25.62 ID:rpqpLtSmO
陽乃「だったらもっと強くなりなさい」
歌野「でも命は懸けるなって言うんでしょ?」
口を挟んできた歌野をひと睨みで黙らせて、陽乃は杏へと目を向ける。
杏達は、歌野と違ってそれほど重くなることはないはず。
だが、歌野であれば軽いものも杏達には重いものになる。
つまり、通常の力の使い方でさえ命懸けと言わざるを得ない。
陽乃「賭ける必要のないことに懸けるべきではないと思っているだけよ。懸けなければならないのなら、それは仕方がないことだわ」
歌野「く……陽乃さんってば、伊予島さんに甘くない?」
陽乃「貴女よりは、話が通じるからよ」
歌野「む……」
杏「強くなりたいです。なるつもりです……つもり、だったんですが」
陽乃「そう言えば、精霊についての進展はあったの?」
杏「さっぱりです。可能なら久遠さんにご一緒して戴きたかったんですが、そうもいきませんでしたし……」
杏までもがリタイアしてしまうという最悪の状況にまで陥ったこともあって、
訪れた大社の関係者に直訴をしては見たものの、検討するくらいしかできないという。
その手のことには陽乃が詳しいとは言ったが、
しかし、陽乃に頼る気は全くない様子だったと、杏は零す。
177 :
◆QhFDI08WfRWv
[saga]:2022/04/13(水) 00:08:38.20 ID:4TLyMwTMO
杏は残念そうではあるが、陽乃としては当然だろうと思う。
ひなたを誘拐した疑惑があるし、それ以前に前科が多すぎる。
なにより、千景から伝わった九尾の情報もあるし、
騙すことに特化しているというのが大社の印象だろうから、
人類の切り札である勇者の命運を左右することに関わらせたくはないだろう。
ただでさえ、戦場においては深く関わっているのだし、
これ以上はと言う思いもあるのかもしれない。
陽乃「むしろ私がいなくて正解だったでしょうね」
歌野「気になるのは、伊予島さん自身が陽乃さんからの刺客だって思われて話を聞いてくれていないんじゃないかってところね」
杏「そう、ですね。それは少し不安ではあります」
杏は悩ましそうに言いながら、眉を潜める。
検討する。
検討するが、それ止まり……というのはよくあることだ。
178 :
◆QhFDI08WfRWv
[saga]:2022/04/13(水) 00:18:56.50 ID:4TLyMwTMO
杏「ただ、大社はそれでも考えざるを得ないと思います」
勇者のシステムに関しての改修
ただの機械ではなく、
神樹様という、超常的な力が関わっているものの為、
一筋縄ではいかないはず。
だからこそ勇者であり、巫女であり、精霊を従えている陽乃に助力を願うべきだと、杏は思う。
それを拒み、
無理して改修を行えば、より状況が悪化してしまうことも考えられる。
歌野「精霊については陽乃さんが一手打ってくれているから大丈夫よ」
杏「えっ?」
歌野「みーちゃん達、巫女さんにお手伝いを――」
陽乃「白鳥さん、余計なこと言わないで頂戴」
歌野「陽乃さ……あ……」
陽乃に咎められ、それでもと考えを言おうとした歌野だったが、
陽乃が内に留めているものを感じ取って、目を伏せる。
巫女ならだれでもいい。
けれど、その人選では無駄に命を奪うだけでしかないからだ
陽乃「伊予島さん、貴女、親しい巫女はいるかしら?」
179 :
◆QhFDI08WfRWv
[saga]:2022/04/13(水) 00:20:41.01 ID:4TLyMwTMO
途中ですが時間なのでここまでとさせていただきます。
明日も可能であれば通常時間から
再開時に安価
180 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2022/04/13(水) 00:26:20.55 ID:yghEBAQaO
乙
杏たちの巫女さんと言えば…ここに来て安芸先輩の出番だろうか
181 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2022/04/13(水) 06:01:25.84 ID:878fSGGzO
おつ
182 :
◆QhFDI08WfRWv
[saga]:2022/04/14(木) 23:46:19.72 ID:UhdZLx20o
すみませんが本日もお休みとさせていただきます
明日は可能であれば通常時間から
183 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2022/04/14(木) 23:49:14.40 ID:BoN3HRSxO
乙です
184 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2022/04/15(金) 23:58:07.39 ID:qSpSZY07O
ここのところ遅かったり休載が続くなぁ…
185 :
◆QhFDI08WfRWv
[saga]:2022/04/16(土) 23:26:21.04 ID:Cgnoppt8o
遅くなりましたが、少しだけ
186 :
◆QhFDI08WfRWv
[saga]:2022/04/16(土) 23:35:53.17 ID:Cgnoppt8o
杏は一瞬だけ驚いた顔をしたが、
すぐに、ほんの少しだけ寂しそうな笑顔を見せる。
杏「ひなたさんと水都さんを除けば、1人……ですね。美佳さんは親しいとは言えませんし」
陽乃程険悪な関係ではなかったものの、
杏もまた、美佳とは巫女と勇者の関係であってそれ以上でも以下にもなり得なかったようだ。
それゆえ、杏には一人だけ。としか言えない。
もちろん、陽乃を巫女としてカウントしていいのであれば、
もう一人増やすこともできるが。
杏「もう、暫く会うこともできていませんけど……大社に属している巫女の中に、安芸真鈴っていう子がいるんです。私と、タマっち先輩を導いてくれた子で……」
短い間ではあったけれど、
でも、あの極限状態とも言える生活の中で、とても、仲良くなれた。
杏「歌野さんと水都さん、若葉さんとひなたさん……ほどではないかもしれないですが」
陽乃「そう……」
水都に副作用はほとんど見られなかった。
それが、互いの信頼関係なのか、巫女としての素養か、陽乃との繋がりのおかげか
あるいはそのすべてなのか。
いずれにしても、その要素があった方が良いのは間違いない。
1、その子、呼べる?
2、どうにかして引っ張り出すか
3、その子を殺す覚悟はある?
4、その子から見た貴女はどうなのかしら
↓1
187 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2022/04/16(土) 23:36:45.56 ID:wZ3xfjWtO
1
188 :
◆QhFDI08WfRWv
[saga]:2022/04/17(日) 00:49:02.94 ID:GhY7Qcoxo
陽乃「その子、呼べる?」
杏「どう……でしょう?」
杏は悩ましそうに言ってから、久遠さんがどうとかではないですよ。と、取り繕う。
陽乃が怖くて、会いたがらない人もいる。
けれど、彼女は違うと。
普通の友人なら会いたいときには会える。
しかし、大社所属の巫女ともなれば、そうそう会えない。
少なくとも、こちら側からは難しい。
ただ、陽乃が関わっていることも影響しているのだろう。
杏「ひなたさんだったら、まだ可能性はあったと思いますが……」
歌野「みーちゃんじゃダメ?」
杏「大社が許可しないかと。少なくとも、正攻法では無理だと思います」
申請はまず通らない。
杏も、水都も陽乃と関わりすぎている。
何か裏があるのではないかと、思われてしまう。
歌野「そこまでではないと思うんだけど……」
杏「九尾さんの件が知られているのが大きいんです。あれもこれもまやかしではないかって、恐れられちゃって」
189 :
◆QhFDI08WfRWv
[saga]:2022/04/17(日) 02:38:54.25 ID:GhY7Qcoxo
歌野「そう言えば」
そんなこともあったんだっけ。と、
顔を顰める歌野を一瞥し、陽乃はため息をつく。
足を引っ張っているというより、足枷になっている。
以前から自分に関わるなと突っぱねてきて、
それでも突っかかってきた末のものだから、トラバサミに引っかかったようなものの方が正しいか。
歌野「なら、みーちゃんにお願いするのが一番かしら」
陽乃「門限までに戻ればって……貴女」
歌野「やっぱり、駄目?」
陽乃「駄目というか」
陽乃は素っ気なく歌野に釘をさすが、
やっぱり? と困った顔をする歌野の一方で、杏は眉を潜める。
杏「あの……」
歌野「みーちゃんにどうにかして貰おうと思ったけど、陽乃さんはダメって」
水都に安芸真鈴を説得して貰い、施設から出てきて貰う。
大社にバレる前に戻れれば、セーフなんて、歌野は思ったようだが。
陽乃「藤森さんが巫女代表は使い勝手が良いから、無駄なリスクを背負わせるのは感心しないわ」
歌野「とは言ったって、安芸さんを連れてくるのは難しいわ」
190 :
◆QhFDI08WfRWv
[saga]:2022/04/17(日) 02:46:20.85 ID:GhY7Qcoxo
では途中ですが、ここまでとさせていただきます
明日は可能であれば少し早い時間から
191 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2022/04/17(日) 06:07:55.34 ID:viKesYYWO
乙
みーちゃんでダメならひなたの時みたいに陽乃さんが強引に連れてくるしかなさそうだな
192 :
◆QhFDI08WfRWv
[saga]:2022/04/17(日) 22:30:42.21 ID:GhY7Qcoxo
遅くなりましたが、少しだけ
193 :
◆QhFDI08WfRWv
[saga]:2022/04/17(日) 22:33:27.49 ID:GhY7Qcoxo
陽乃「だからといって……」
陽乃は言葉を切ると、顔を顰める。
上里ひなたがそうであったように、藤森水都も大社に囚われることはあるだろうか。
仮に囚われても、上里ひなたのように連れ出すことは出来るだろうけれど、
それはそれで陽乃にもリスクが伴う。
それも、上里ひなた時以上に。
今度こそ、陽乃がやったと確信をもって近づいてくるだろう。
そうなったら面倒だ。
とはいえ、安芸真鈴を連れ出してもそれは同じはず。
陽乃「穏便に済ませられるのが、一番面倒がなくていいのだけど」
歌野「だからみーちゃんに任せてみようって言ってるのに」
陽乃「だとしても貴女のそれはあり得ないわ。その巫女に反発されたら終わりよ」
杏「安芸さんは大丈夫だと思います……むしろ乗ってくるかと」
陽乃「その根拠は?」
杏「3年前の久遠さんを知ってる1人です」
194 :
◆QhFDI08WfRWv
[saga]:2022/04/17(日) 23:11:41.11 ID:GhY7Qcoxo
3年前の陽乃を知っているからといって、それが根拠になるとは思えない。
しかし、杏は自信があるようだ。
であれば、知っているのは陽乃が3年前に贄を逃れたことではなく、
奮闘していたことだろう。
杏「直接戦っているのを見たわけではないらしいですけど、聞いた印象が久遠さんそのものだったので間違いないかと」
陽乃「なるほど」
歌野「あちこち飛び回ってたものね。知られていても不思議じゃないわ」
陽乃「でもだからって味方とは限らないわ」
杏「大丈夫だと思いますけど……念のため水都さんに接触して貰うのはどうですか?」
まずは水都が接触し、協力して貰えるかどうかを確認する。
その後、協力して貰えそうならどうにかして連れてきて貰う。
リスクがあるのは相変わらずだが、協力的なら、やりやすさはある。
歌野「慎重に行くなら、そうね。私は良いと思うわ。みーちゃんは絶対協力してくれるし」
陽乃「……」
一番楽で、一番確実な方法は陽乃が連れ出すことだ。
とはいえ、
千景に対する美佳のような巫女である可能性もあるし、水都に確認して貰う方が良いだろうか。
1、分かったわそれでいきましょう
2、私が連れてくるわ
3、どうなっても知らないわ
↓2
195 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2022/04/17(日) 23:12:50.70 ID:oDID2k0uo
1
196 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2022/04/17(日) 23:12:55.91 ID:OVZp8tErO
1
197 :
◆QhFDI08WfRWv
[saga]:2022/04/17(日) 23:40:12.17 ID:GhY7Qcoxo
陽乃「分かったわそれでいきましょう」
申請をしての正攻法は難しい。
でも、対象の巫女に協力して貰うという方面まで無理だとは限らない。
千景と美佳のこともあるが、
杏の相手なら、問題はないはずだ。
杏に危害は加えていないし、
危険な道筋に導いたことはあるが、それは杏の選んだことだ
九尾の力で惑わしているのでは。なんて難癖をつけられればそれまでだが、
そんなことを言われたら、もうどうにもならない。
それが可能なのは間違いないし、
違うという証明は不可能だ。
杏が否定したって、そう言わせていると思われたらそれまで――
歌野「大丈夫よ」
歌野は、相変わらずなんだから。と、
同情の視線を向けながら、小さく笑み浮かべる
歌野「人間、そこまで酷くはないわ」
198 :
◆QhFDI08WfRWv
[saga]:2022/04/17(日) 23:52:37.15 ID:GhY7Qcoxo
陽乃が疑いたくなる気持ちは十分理解しているつもりだが、
かといって、徹頭徹尾疑い続けていれば心が疲弊する。
信じろというのは無理だし、
安心してとも言い難いが、けれど、
少しくらいは気を緩めてくれた方が良い。
その分くらいは、任せて欲しいと歌野は思う。
もちろん、それだって信じて共安心して共。と、なってしまうのだけれど。
歌野「ひとまずは、みーちゃんにお願いするところからね」
杏「それなら、私が帰りに伝えておきます。久遠さんと歌野さんは……ここから動けそうにないですから」
歌野「助かるわ」
陽乃「それは良いけれど、余計な人に知られないようにして頂戴」
杏「はい。気を付けます」
ここは病院だが、大社の息がかかった病院だ
いつ、どこで、誰が聞いていて大社に情報を伝えるか分からない。
特に、今回の件は話が漏れれば陽乃がやるしかなくなる。
それはそれで仕方がないが、
やらなくていいなら、やらないに越したことはないし、今後が面倒になるため避けたい。
陽乃「気を付けるだけで済めばいいけれど」
杏「手段は考えているので、大丈夫です」
杏は笑顔で、答えた。
199 :
◆QhFDI08WfRWv
[saga]:2022/04/17(日) 23:54:22.94 ID:GhY7Qcoxo
√ 2018年 10月07日目 夜:病院
↓1コンマ判定 一桁
0 九尾
2 ひなた
4 歌野
9 水都
ぞろ目 特殊(悪)
200 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2022/04/17(日) 23:54:47.72 ID:mZsJDmo/O
あ
201 :
◆QhFDI08WfRWv
[saga]:2022/04/18(月) 00:02:57.10 ID:bNVfBrR+o
では本日はここまでとさせていただきます
明日も可能であれば通常時間から
202 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2022/04/18(月) 00:10:17.68 ID:ZsNSgh7gO
乙
安芸先輩も陽乃さんの理解者の一人であることがわかって安心したわ
あとは上手く合流できるといいなぁ
203 :
◆QhFDI08WfRWv
[saga]:2022/04/19(火) 23:21:56.99 ID:eps6gap4o
遅くなりましたが、少しだけ
204 :
◆QhFDI08WfRWv
[saga]:2022/04/19(火) 23:31:05.07 ID:eps6gap4o
√ 2018年 10月07日目 夜:病院
水都と歌野の儀式の影響を受けて、
昼過ぎからずっと目を覚まさなかったひなた
儀式の当事者の場合、最悪死に至る可能性まであったものだが、
偶然にも伝わってしまったという程度のひなたは、まだ、命に別状はなかったようだ。
皆が寝静まろうかという頃に、ひなたは玉粒の汗を額に浮かべながら目を覚ました。
ひなた「……久遠、さん?」
陽乃「意外に早いお目覚めね」
早くても明日の朝になるかと思っていた陽乃は、意地悪く言いながら額に手を当てる。
比較的冷たい陽乃の手
熱を帯びた体には心地良いようで、ひなたは弱弱しく笑みを浮かべる。
ひなた「まだ……」
陽乃「まだ一日も経ってないわ」
ひなた「そう、ですか」
顔を顰め、ぎゅっと目を瞑って。
ひなた「失望しましたか?」
205 :
◆QhFDI08WfRWv
[saga]:2022/04/20(水) 00:21:37.29 ID:scFNpZKto
巫女としての素質が高いと言われながら、
たったこれだけのことで半日近く眠ることになってしまったため、
自分に失望したのではないか。なんて悩んでいるのだろうかと、陽乃は眉を潜める。
陽乃「私は誰にも期待したりしないわ」
ひなた「……久遠さんらしいです」
失望なんてしないと慰めるとか、
失望したと肯定するとかいろいろあるけれど、
陽乃の場合は捻くれているから、慰めるにしても言い方が辛辣だ。
辛辣だけれど、陽乃の言葉遣いを知っていれば、問題はない。
ひなたも分かっている為、困りつつも表情は穏やかだった。
ひなた「私……出来そうですか?」
陽乃「死ぬか死なないかでしかないわ。運が良ければ出来るし、悪ければ出来ない。それだけ」
ひなた「そうですけど……」
陽乃「もちろん、やりたくなければそれでいいのよ。命を大事にでも構わないわ」
ひなた「いえ……大丈夫です」
陽乃「何が大丈夫なんだか」
1、とりあえず寝ておきなさい
2、まぁ、私がやらせないけれど
3、で? 気分は?
4、ならいいわ。頑張りなさい
↓1
206 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2022/04/20(水) 00:26:25.36 ID:JgI9HhwWO
4
207 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2022/04/20(水) 00:26:46.19 ID:92r+L4Rs0
1
208 :
◆QhFDI08WfRWv
[saga]:2022/04/20(水) 00:29:43.59 ID:scFNpZKto
では短いですが本日はここまでとさせていただきます
明日も可能であれば通常時間から
209 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2022/04/20(水) 00:38:05.51 ID:beGuqYFbO
乙
ひなたが倒れたのは不可抗力なところもあったからなぁ…
本番の時に寝込まないように祈るしかないか
210 :
以下、VIPにかわりましてVIP警察がお送りします
[sage]:2022/04/20(水) 02:30:07.07 ID:igbfVb5G0
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
211 :
◆QhFDI08WfRWv
[saga]:2022/04/21(木) 23:23:21.57 ID:eKOgcaVRO
すみませんが本日もお休みとさせていただきます
明日は可能であれば通常時間から
212 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2022/04/21(木) 23:31:38.32 ID:fy03JZmAO
いつも乙です
更新が従来のペースに戻るにはまだ時間かかりそう?
213 :
◆QhFDI08WfRWv
[saga]:2022/04/23(土) 22:14:49.73 ID:cLairzf/o
遅くなりましたが、少しだけ
214 :
◆QhFDI08WfRWv
[saga]:2022/04/23(土) 22:22:42.90 ID:cLairzf/o
陽乃「ならいいわ。頑張りなさい」
ひなた「……はい」
ひなたは薄く笑って咳込む。
まだ全快ではないようだ。
神樹様に見初められているひなたなら……とは思ったが、
流石に、神様そのものは負担が過ぎたのだろう。
それを受け止められている水都は何なのかと思うが、
宇迦之御魂大神様は協力的だし、
水都はその力の影響を一番受ける歌野との関係も良好で
なおかつ、すでに神々の領域に近い神託を受けた経験があったというのもあるから、比較対象とは不適切だろう。
ひなた「藤森さんは……無事に?」
陽乃「貴女と違ってね」
ひなた「……よかったです」
陽乃「まだ安心できるわけではないけど、大した影響はないと思うわ」
でも、だからって、ひなたまで同じとは限らない。
巫女としての適性が高い
だからこそ、余計に負荷を抱えてしまう可能性だって、あるわけで。
全てはやってみなければわからない。
215 :
◆QhFDI08WfRWv
[saga]:2022/04/24(日) 00:11:47.46 ID:WGATp9JRo
ひなた「……明日、やりますか?」
陽乃「貴女の状態的に難しいでしょ。私は別に、人を殺したいわけじゃないの。特に、関係者はね」
ひなた「久遠さんは元々……」
人を殺したい人じゃない、と、ひなたは心の中だけで思う。
言ったって否定される。
何より、陽乃やひなたがどう思っていても、人々がそうじゃない。
全てを奪ったバーテックスへの憎悪は消えないし、
誰が扇動したのか
陽乃もバーテックスの一部だなんて、眉唾なうわさが流れ、信じられてしまっている。
今を生きている人々には、余裕がないのだ。
食料も、住居も、心にだって。
だからこそ、希望である勇者が必要で……やっぱり、
その敵だなんて思われている陽乃へと矛先は向かう。
ひなた「……なら、明日はお休みですか?」
陽乃「いつもお休みよ」
どちらにせよ、入院中だ。
退院できるのはまだ先だろうし、
正式に退院できるとなったら、また大社が出てくるだろう。
ひなた「いつまで、入院するつもりですか?」
216 :
◆QhFDI08WfRWv
[saga]:2022/04/24(日) 00:40:16.37 ID:WGATp9JRo
陽乃は、退院しようと思えば出来る。
つまりは、逃げようと思えばいつだって逃げられるのだ。
今は、本来の体が非常に弱っている為、それが出来ないが、
もう少し回復したら、本来の退院予定日よりも数日早く逃げ出せるはず。
それに、そうしなければ大社に囚われる。
そう言う態度がいけないと言われればそうなのだが、
陽乃の場合、
そうしなければならない状況にある。
陽乃「さぁ? 身体が治るまででしょ」
ひなた「侵攻があればまた伸びるんですか?」
陽乃「他の勇者が役に立てば伸びないし、立たなければ伸びるわ」
いつものように、他の勇者を敵視しているような口ぶりで、
けれど、実際には、その勇者を護るように戦って自分が傷つく。
それを勇者が頼りないからだと、言っているだけだ。
どちらにせよ、前線へと出て行くのに。
陽乃「どうしてそんなこと聞くのよ」
ひなた「だって、私は久遠さんのそばを離れるわけにはいかないので」
217 :
◆QhFDI08WfRWv
[saga]:2022/04/24(日) 02:07:36.86 ID:WGATp9JRo
ひなたは大社の施設から誘拐された身で
大社に見つかった場合、陽乃と同じように連れ戻される。
とはいえ、
陽乃程酷い目には合わないだろうから、最悪の場合保護されても問題はない。
だが、若葉の助力になることもできなくなる。
それを考えると、やはり、陽乃が保護しておく方が良い。
ある意味、自作自演のような状況だが。
陽乃「まぁ、そうね」
ひなた「出来たら、若葉ちゃんも一緒にいて欲しいところですけど」
陽乃「無理よ。立場が違うもの」
陽乃はお尋ね者で、若葉は人々に認められている勇者だ。
陽乃とのかかわりのせいで、ひなたと同様に厄介なことになっているけれど、
それでもまるで違う。
陽乃「一緒にいられる時期はもう、当の昔に終わったのよ」
陽乃が逃亡した時、人を殺めてしまった時
もう、一緒にいられることは出来なくなった。
陽乃「この病院以外ではね」
407.92 KB
Speed:0.9
[ Aramaki★
クオリティの高いサービスを貴方に
VIPService!]
↑
VIP Service
SS速報R
更新
専用ブラウザ
検索
全部
前100
次100
最新50
続きを読む
名前:
E-mail
(省略可)
:
書き込み後にスレをトップに移動しません
特殊変換を無効
本文を赤くします
本文を蒼くします
本文をピンクにします
本文を緑にします
本文を紫にします
256ビットSSL暗号化送信っぽいです
最大6000バイト 最大85行
画像アップロードに対応中!
(http://fsmから始まる
ひらめアップローダ
からの画像URLがサムネイルで表示されるようになります)
スポンサードリンク
Check
Tweet
荒巻@中の人 ★
VIP(Powered By VIP Service)
read.cgi ver 2013/10/12 prev 2011/01/08 (Base By
http://www.toshinari.net/
@Thanks!)
respop.js ver 01.0.4.0 2010/02/10 (by fla@Thanks!)