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【安価でのわゆ】久遠陽乃は勇者である【7頁目】
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302 :
◆QhFDI08WfRWv
[saga]:2022/05/08(日) 18:05:56.39 ID:x8kzl1ISo
九尾「主様」
千景の実家がある高知の村に広がる田園地帯
合間を縫って歩いていた陽乃のすぐそばに、大きな狐が姿を現した。
金色の毛並みと赤い瞳を持つ、陽乃の精霊、九尾
ずっと大人しくしていた九尾が姿を現したことに陽乃は少し警戒して目を細める
陽乃「……何かあった?」
九尾「主様、戦闘に介入する気はあるかや?」
陽乃「苦戦でもしてるの?」
ひなた「若葉ちゃんに何かあったんですか?」
九尾「乃木若葉に限らぬぞ」
九尾は陽乃ではなくひなたに目を向けながら口を開く。
九尾「郡千景の視野が狭い。死人は出ぬとは思うが、無意味な怪我人が出るやもしれぬ」
ひなた「友奈さんは……」
九尾「その高嶋友奈がまっさきに重傷を負うぞ」
死人は出ないとは思う。
九尾はそう言ったが、それはあくまで今は。というだけだろう。
重症を負えば死ぬ可能性が高くなる。
なにより、友奈は病み上がりで本調子に比べて衰えているだろうから、千景をカバーしきれるとは思えない。
303 :
◆QhFDI08WfRWv
[saga]:2022/05/08(日) 19:02:11.52 ID:x8kzl1ISo
陽乃「だから私に出て行けと? 死ぬわよ私」
九尾「ちょうどよいではないか。その娘を使えばよい」
ひなた「私に出来ることがあるなら――」
陽乃「貴女は黙ってて」
ひなた「っ」
ひなたの口を塞いで、九尾に目を向ける。
九尾の使えは道具としてだ。
人として協力し合うのではなく、使い捨ててしまえばいいと言う程度の認識。
それはお気に入り登録されているひなたと言え例外ではない。
陽乃「上里さんを無駄に使い潰すの? 郡さんのために?」
九尾「主様が日頃から望んでいることではないか。勇者を生かせば主様の労が減ると。であれば巫女を使うことに躊躇いは不要であろう」
陽乃「上里さんは乃木さんのために使う予定でしょ」
九尾「乃木若葉の負担を減らすより、主様が死なぬようにする方が有益であろう」
ひなた「むぅ……むぐっ……」
戦闘に手を貸さない場合、
最悪友奈が死ぬか重傷を負うことになるが、戦闘自体は終わるはず。
かといって戦闘に出て行ったら本当に死にかける。
歌野のおかげで多少は改善されたため、使いしすぎなければ死にはしないはずだが。
1、上里さんは使わないわ
2、高嶋さんが傷つく方が、あの子にはいい薬になりそうね
3、行くだけ行くわ。死なれたら困るもの
4、上里さんはどうするのよ。巻き込まれるわ
↓2
304 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2022/05/08(日) 19:05:36.20 ID:XwgMsvWhO
4
305 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2022/05/08(日) 19:05:58.10 ID:qabCvtJx0
2
306 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2022/05/08(日) 19:06:50.89 ID:5p0/MIZtO
1
307 :
◆QhFDI08WfRWv
[saga]:2022/05/08(日) 19:55:19.30 ID:x8kzl1ISo
陽乃「高嶋さんが傷つく方が、あの子にはいい薬になりそうね」
九尾「ふむ……」
千景にとって、友奈はかけがえのない存在だ。
それが自分のせいで深手を負ったとなれば、千景も多少は大人しくなるかもしれない。
ひなた「っ……むっ!」
陽乃の腕の中でもがいたひなたは、塞げた口を解放させて、陽乃を見つめる
ひなた「それで友奈さんが死んでしまったら大変なことになってしまいます」
陽乃「だから?」
ひなた「……気遣って、あげてください」
陽乃「はぁ」
ひなた「久遠さんっ」
友奈が死ねば、千景の暴走はもう止められなくなるだろう。
自分の命だなんてなげうって、何か、とんでもないことをしでかす可能性もある。
友奈が多少の手傷を負う程度なら薬になるかもしれないと言うのは理解できる話だ。
自分の行動を改めることにだって繋がってくれればいい。
もちろん、そんな手段を取らずに済むのが一番ではあるけれど。
ひなた「千景さんは友奈さんを失ってはいけません……きっと、久遠さんだって」
308 :
◆QhFDI08WfRWv
[saga]:2022/05/08(日) 20:22:06.62 ID:x8kzl1ISo
すぐ近くで、くつくつと馬鹿にするような笑い声が聞こえる。
大方、きっぱりと断っておかないからだと思っているのだろう。
陽乃はひなたの死の責任を取らないと言い、
ひなたはそれでも構わないと言った。
それは受けると言ったと取られても仕方がない。
ひなたは陽乃の性格から見て、気遣ってくれると考えている。
たとえそれで、ひなた自身が死ぬことになったとしても。
陽乃「まぁ、死ぬ覚悟があるのなら」
ひなた「あります」
陽乃「あのね――」
ひなた「お願いします」
陽乃「……」
出来ることが些細なことでしかなかったから、
大きく貢献できるであろう巫女としての責務を二つ返事で受け入れた上里ひなた
自分の命さえも、利用できるなら利用しようとする。
なるほど、九尾が笑うわけだ。と、陽乃は目を細める。
九尾「それで?」
陽乃「行くしかないでしょう。高嶋さんが死んで困るのは事実だもの」
309 :
◆QhFDI08WfRWv
[saga]:2022/05/08(日) 20:50:37.50 ID:x8kzl1ISo
怪我なら友奈があとで慰めてくれるし、
そこから暴走してしまう可能性も格段に下がる。
けれど、友奈が死んでしまったら千景に手を差し伸べる者がいなくなる。
若葉では力不足。
球子と杏でも、無理だ。
歌野と陽乃はもはや論外である。
陽乃「上里さん、貴女を連れていくことは出来ないわ」
ひなた「はい。言われなくても」
九尾「連れて行かぬとこやつだけでは戻れぬぞ。後々主様が回収しなければならぬ」
陽乃「はぁ?」
九尾「当然であろう。妾の加護であれ万能ではない。主様が戦うのであれば、こやつの自由は保証できぬ。なにより、人目につく」
陽乃「……そう」
ひなたに徒歩で帰ってね。とは言えるが、
絶対に病院にはたどり着かないし、どこかで樹海化が解けてひなたが衆目に晒される。
大社に見つかればまた連れていかれることになるはずだ。
かといって、戦場に連れていくわけには。と、陽乃は拳を握る。
ひなた「もし、これで久遠さんとお別れすることになっても――本望です」
それが、戦場で死ぬことであろうと、大社に連れられることであろうと。
選択の結果であると。
1、ひなたを送ってからにする
2、隠れていてもらう ※後程回収
3、ひなたを連れていく
4、ひなたに任せる
5、帰らせる
↓2
310 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2022/05/08(日) 20:56:32.44 ID:9WNdMi/l0
1
311 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2022/05/08(日) 20:57:04.23 ID:XwgMsvWhO
1
312 :
◆QhFDI08WfRWv
[saga]:2022/05/08(日) 21:19:32.58 ID:x8kzl1ISo
陽乃「良いわ。送っていく」
ひなた「そんな悠長な――」
陽乃「私は貴女を信用してるわけじゃないの。一人で帰して面倒ごとに巻き込まれたり、ましてや大社に使って情報漏洩なんて言語道断」
今すぐに友奈が死ぬわけではないと九尾は見ているようだし、
どちらもリスクはあるが、
大社に監禁されたり、勇者に対し鬱憤が溜まっている人々に捕えられるよりは良い。
前者は施設を壊せば済むが、
後者は最悪命に関わる上に、若葉のメンタルまで傷が付く。
ひなた「久遠さ――っ」
陽乃「良いから黙ってなさい。舌を噛むわよ」
九尾の背中に飛び乗って、ひなたの頭を胸に押し付ける。
千景に加えて若葉は無理だ。
今の死に体で心神喪失した勇者2人は相手に出来ない。
陽乃「貴女が死ぬのはどうでも良い。でも、私の足を引くような死に様は晒さないで頂戴」
ひなた「久遠さん……」
身を屈め、今すぐにでも駆け出しそうな九尾の背中を撫でて。
陽乃「九尾、全力で」
そう、指示を出した。
313 :
◆QhFDI08WfRWv
[saga]:2022/05/08(日) 22:33:02.91 ID:x8kzl1ISo
√ 2018年 10月08日目 朝:病院
九尾は陽乃達が誘引している病院の出入り口前で止まる。
陽乃はひなたを抱えて背中から飛び降り、
病院の方へとひなたを歩かせる。
陽乃「病室までは自分で行けるでしょう」
ひなた「……白鳥さんは連れて行かないのですか?」
陽乃「私より死ぬ可能性が高いから」
歌野は、傷つけば傷つくほど回復する
つまり、それだけ力を消耗しやすい
にもかかわらず、
他人までも癒そうとするから、より多くの力を消費することになる。
今はそれをしていい身体ではない。
陽乃「私に協力したくてたまらない貴女に役目をあげる」
歩いていくひなたにため息をついて声をかけると、
ひなたはぴたりと足を止め、振り返る。
ひなた「白鳥さんを行かせないこと。ですね」
分かってます。と、ひなたは言う。
本当なら連れて行って欲しい。
いいや、連れていくべきだ。
そうしなければ、勇者達が死なずとも陽乃が死ぬかもしれない。
けれど、代わりに歌野が命を落とす。
それは、陽乃が絶対に望まない結果だ。
314 :
◆QhFDI08WfRWv
[saga]:2022/05/08(日) 22:53:58.89 ID:x8kzl1ISo
陽乃「分かっているならいいわ。さっさと戻りなさい」
ひなたが1人で帰れば、
歌野は間違いなく異変に気付くだろう。
こうしてここにいるだけでも、歌野は勘付くかもしれない。
それだけの繋がりがある。
可能な限り早くと九尾の背中に飛び乗った陽乃に、
ひなたは名残惜し気に目を向ける。
ひなた「どうか、ご無事で」
陽乃「私を誰だと思ってるのよ。貴女達」
ひなた「そうですね。とんでもない、命知らずです」
それも、自分の命を。
それは勇者とはとても呼びたくない代物だ。
だけれど、大社も世界もそんな勇者を求めている。
ひなた「戻ってきたら、私が全身全霊を持って看病いたします。私の耳かきは若葉ちゃんのお墨付きなんですよ」
陽乃「そう。じゃぁ、乃木さんにでもしてあげなさい」
ひなた「……」
言い捨てて九尾と共に駆けていく陽乃を見送って、ひなたは踵を返す。
急がなければ、歌野が飛び出していく可能性もあるからだ
315 :
◆QhFDI08WfRWv
[saga]:2022/05/08(日) 22:59:11.21 ID:x8kzl1ISo
状況判定
↓1コンマ
01〜00 ※良〜悪
※+20
316 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2022/05/08(日) 23:01:07.25 ID:8dl1lDFKO
あ
317 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2022/05/08(日) 23:01:14.87 ID:XZpxTrHpO
あ
318 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2022/05/08(日) 23:03:11.74 ID:uFmriM7kO
危なかった
319 :
◆QhFDI08WfRWv
[saga]:2022/05/08(日) 23:05:28.15 ID:x8kzl1ISo
では本日はここまでとさせていただきます
明日も可能であれば通常時間から
状況判定:45
320 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2022/05/08(日) 23:22:42.65 ID:/rLCmKjgO
乙
状況的には可もなく不可もなくって感じか
みんなを守りながら戦うとなると今の状態の陽乃さんはどこまで持つのだろう?
321 :
◆QhFDI08WfRWv
[saga]:2022/05/10(火) 22:41:51.45 ID:k2b6G5HEo
では少しだけ
322 :
◆QhFDI08WfRWv
[saga]:2022/05/10(火) 22:51:31.37 ID:k2b6G5HEo
全てが静止してしまっている世界から、
樹木へと変換された世界へと移り変わって――爆音が鼓膜を震わせた。
陽乃「あら……」
九尾が呼びつけてきた割には、
意外に、状況は悪くはないと見える。
全員がいるときに比べると押されているし時間がかかっているけれど、
暴走気味の郡千景、病み上がりの高嶋友奈
連戦続きの乃木若葉と土居球子
そう考えれば、十分に善戦していると言えるだろう。
陽乃「完成型……では、無いのね。1体いるけど10体くらいいたのかしら」
九尾「そんなわけがなかろう。元々は3体いたが乃木若葉と郡千景がそれぞれ討ち果たした」
陽乃「なら私来なくたって」
九尾「時間をかけてよいならば問題は――」
ふと、影が出てきたかと思えば急激に大きくなっていく。
鳥が飛んでいるわけではなく、
敵の攻撃でもないそれはあまり聞き覚えのない声を漏らしながら、落ちてくる。
九尾「跳ね返すかや?」
陽乃「やめなさいよ。絶対」
距離を見計らって、僅かに後ろに下がった陽乃はその落下物をしっかりと受け止めた
323 :
◆QhFDI08WfRWv
[saga]:2022/05/11(水) 00:06:06.16 ID:G9AneUnPo
友奈「うっ……」
陽乃「落ちるなら私のいないところにしてくれない? 危ないから」
友奈「久遠……さん……?」
友奈の血だらけの手が陽乃の頬に触れる。
神樹様の力を借りている装束はところどころ破け、
白を基調としていた色合いは友奈の血で赤黒くなっており、
右手の手甲は砕け散ってしまっている。
陽乃「残念だけど、今のわたしには治癒能力はないわ」
友奈「……どうして」
陽乃「貴女達が体たらくだからよ。いつまで経っても戦いが終わらない。戦いが終わらなきゃお昼ご飯も食べられない。分かる? お腹が空いたの」
友奈「そんな、理由で……」
ボロボロになっていても、まだ勇者の力がある友奈は陽乃の胸を押して、
どうにか、足元の樹木に降り立つ。
友奈「グンちゃんは、私が、どうにかするから……」
陽乃「ふぅん……出来るの?」
324 :
◆QhFDI08WfRWv
[saga]:2022/05/11(水) 00:29:31.00 ID:G9AneUnPo
友奈「久遠さんよりは、どうにかできます……」
友奈はお人よしだ
けれど、その友奈をもってしても、
今の陽乃と千景は希望的観測ですら語れない領域にあると考えているようだった。
その考えは正しい。
陽乃と千景が近づけば、バーテックスそっちのけだ
だとは言え、友奈も満身創痍だ
あの千景のそばにいては、死ぬかもしれない。
その前に千景が死ぬかもしれないけれど。
陽乃「……」
考えている間にも友奈は戻るために歩みを進めていく。
ふらつきながら、血を流しながら、倒れそうになりながら。
千景は初期型をやたらめったらに倒し続けている。
進化型までの距離はわずかに遠く、そこにも段々と集まってきている。
陽乃「バーテックスを、叩くべきか……」
1、バーテックスを叩く
2、千景のもとへ
3、若葉のもとへ
4、球子のもとへ
↓1
325 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2022/05/11(水) 00:33:52.21 ID:mHaRwj5cO
1
326 :
◆QhFDI08WfRWv
[saga]:2022/05/11(水) 00:35:14.01 ID:G9AneUnPo
では本日はここまでとさせていただきます
明日も可能であれば通常時間から
327 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2022/05/11(水) 00:42:37.90 ID:mHaRwj5cO
乙
高嶋さんも入院期間が延びそうだなぁ
千景のこともあるし何とか回復させてやりたいけど…
328 :
以下、VIPにかわりましてVIP警察がお送りします
[sage]:2022/05/13(金) 03:49:00.50 ID:cyfAcyI00
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
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329 :
◆QhFDI08WfRWv
[saga]:2022/05/13(金) 22:51:07.52 ID:oxF74IG/O
すみませんが本日もおやすみとさせていただきます
明日はその分お昼頃からを予定しています
330 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2022/05/13(金) 23:00:18.07 ID:qJKgs0UdO
乙です
331 :
◆QhFDI08WfRWv
[saga]:2022/05/14(土) 17:33:56.68 ID:5ubqe3wMo
遅くなりましたが少しずつ
332 :
◆QhFDI08WfRWv
[saga]:2022/05/14(土) 17:42:08.81 ID:5ubqe3wMo
陽乃「……向こうより先にバーテックスを叩くわ。九尾」
九尾「よかろう。乗れ」
ひなたがいないからと、屈みもしない九尾の背中に飛び乗って、
陽乃は向かう方向を指示する。
友奈が飛んできた方向、向かった方向。
それと逆の方でも戦闘が行われていると思われる動きが見えるため、
友奈と千景、球子と若葉
それぞれで分かれて戦っているということだろう。
戦略的にそうなったのか、
それ以外の要因でそうなったのかは分からないけれど、後者であれば非常に脆い。
かといって千景の方の救援に行くわけにはいかないし、
若葉達の方に行けば時間を取られる。
何より――陽乃はバーテックスを引き付けやすい。
なら、行く先はその中心だ。
左右の敵戦力を惹きつけて負担を減らしつつ、進化型を叩く。
333 :
◆QhFDI08WfRWv
[saga]:2022/05/14(土) 18:22:08.36 ID:5ubqe3wMo
樹海を全速力で駆け抜けていく九尾の背中に跨りながら、
陽乃は、友奈の向かった方角へと目を向ける。
友奈は病み上がりとはいえそれなりの力を持っている勇者だ。
それがあそこまでボロボロになっているのを見ると、
千景が相当、無茶な戦いをしているということになる。
自分の体のことを一切考えずに猪突猛進
その援護で友奈までかなり無理しているはず。
陽乃「……少しは、痛い目見ると思ったけど」
九尾「感知できておらぬのであろう」
陽乃「だからって……」
九尾「視野が狭いと言っておろう。今のあ奴はただの獣じゃ」
完全に暴走状態なのだろう。
高嶋さんにさえ気づかないなんて――と、陽乃は呆れたようにため息をついて拳を握る。
今はバーテックスに集中する他ない。
334 :
◆QhFDI08WfRWv
[saga]:2022/05/14(土) 18:46:31.45 ID:5ubqe3wMo
最後に戦線に出てからどれだけの時間が経っただろう。
どれだけの間病床に伏せ、なにひとつ鍛練もできないままだっただろう。
左手だって、千景に切り開かれたままだ。
九尾の力で無理矢理に誤魔化しているが、
まだ抜糸さえできない状態で、簡単に傷が開くし、裂ける
九尾「主様、退くかや?」
陽乃「……ここまで来て?」
九尾「戦えぬのならば、いる意味がなかろうて」
陽乃「馬鹿言わないで」
全盛期に比べると、だいぶ衰えてきているのではないか――と、不安はある。
それでも、
九尾や、伊邪那美様の力でどうにかごり押ししていくしかない。
でなければ死ぬ。
陽乃が死ぬし、勇者が死ぬ。
たった6人しかいない勇者、陽乃を含んでも7人。
1人死ぬだけでも大きな痛手になる。
陽乃「口よりも足を動かすことに注力して頂戴」
九尾「くふっ……言いおる」
335 :
◆QhFDI08WfRWv
[saga]:2022/05/14(土) 19:36:11.65 ID:5ubqe3wMo
陽乃「九尾――突っ込んで!」
九尾「無論じゃ!」
陽乃が近づくにつれて、
無数の初期個体がその存在を察知したかのように方向転換し、陽乃の方へと群がり始める。
その中を、九尾はまっすぐに駆け抜けて置き去りにしていく。
相変わらず左右に向かう分と、進化体に群がる方とで数は多いが、
陽乃を襲撃してくる数も相当なもので、陽の1人では手が余る。
それを全部潰していたら時間が足りない。
陽乃「そのまま進化体に近づいて頂戴!」
九尾「よいのか?」
陽乃「時間がないの――ッ!」
初期個体は、群がり、食い合って進化型へと昇華する。
それは、完成型だってきっと変わらない。
初期個体から、進化型、そして、それ以上の数を持って完成型へと成る。
陽乃「じゃ――まッ!」
九尾の背にいる陽乃へと一直線に向かってきた個体を殴り飛ばして、進化型を見据える。
進化体から完成型になるのか、初期個体から完成型になるのか。
それは分からないけれど、群がっていくのを放置したら最低でも一段は上がってしまう。
それだけは、絶対に止めなければならない。
336 :
◆QhFDI08WfRWv
[saga]:2022/05/14(土) 19:58:06.70 ID:5ubqe3wMo
↓1コンマ判定 一桁
0 00 大失敗
1〜5 撃退
6〜9 失敗
ぞろ目 撃退
※陽乃→敵
337 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2022/05/14(土) 19:59:02.40 ID:RQ92tsEDO
あ
338 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2022/05/14(土) 19:59:05.03 ID:l3TXjkdLO
あ
339 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2022/05/14(土) 19:59:27.28 ID:TpOjupSjO
うっわ…
340 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2022/05/14(土) 20:02:23.29 ID:RQ92tsEDO
なんでや……
341 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2022/05/14(土) 20:03:22.84 ID:4ZSqsQUZo
そろそろ誰か死ぬかな?
342 :
◆QhFDI08WfRWv
[saga]:2022/05/14(土) 20:53:32.58 ID:5ubqe3wMo
九尾「往けッ!」
徐々に数が増え、
抜け道もなくなっていく中で九尾の尾が陽乃の体を巻き上げて、
力一杯に大空へと放り投げる。
陽乃「九尾ッ!」
九尾「妾では抜けられぬ!」
大柄な妖狐としての九尾は、その体で突撃すれば道を切り開くことは可能だが、
それも、壁のように増長したバーテックスの軍勢には通用しない。
せき止められ、足を止めさせられ、
取り囲まれるのが運の付きだ
だが、陽乃なら抜けられる。
九尾より圧倒的に小さく、小回りが利く。
陽乃「危ないじゃないッ!」
真下から迫ってきていた初期個体を足蹴にし、左方向から突進してきた個体を殴り飛ばす。
陽乃「ッ」
左手は、九尾の力でごまかしているだけのボロボロで、
たった一撃で――血が迸る。
痛みはないが、長引けば、本当に使い物にならなくなるかもしれない
343 :
◆QhFDI08WfRWv
[saga]:2022/05/14(土) 21:23:04.40 ID:5ubqe3wMo
陽乃「あぁもうッ!」
数が多く次から次へとバーテックスが降り注いでくる中、
陽乃は身近に迫ったものだけを殴り飛ばし、蹴飛ばして進化型へと迫っていく
進化型が全部の初期個体に指示を出しているという風にも見えないが、
あれを叩いてしまえば、あとは有象無象
比較的安全に処理しきることが出来るし、勇者も街も被害を最小限に抑えられる
だが、そこに近づくにはあまりにも数が多い。
陽乃「邪魔ッ!」
どれだけの数を葬り去っても次から次へと群がり、道を塞ぎ、視界を埋めてしまう。
邪魔をするなと初期個体を貫通するほどの勢いで殴り飛ばし――
陽乃「ッ!」
――次の瞬間、陽乃は左方へと一直線にはじけ飛ぶ。
高く伸びた樹木をへし折りかねないほどの勢いで衝突し、地面へと崩れ落ちる。
激痛に朦朧とする視界の中でゆらゆらと
長い、尾のような形状をしたものが揺れているのが見える。
陽乃「げほっ……っ……やってくれるじゃないの……ッ!」
あの一撃で、多くの初期個体も併せて消し飛んだはずだ。
仲間意識というものが存在していないのか、容赦なく振り抜けられたその言一撃は、
しかし、陽乃にとっては痛撃だった。
344 :
◆QhFDI08WfRWv
[saga]:2022/05/14(土) 21:38:22.55 ID:5ubqe3wMo
仲間であろう存在を巻き込もうが、
同一個体のいくらかが消し飛ぼうが、彼らにとっては何の意味もないことなのだろう。
ゆえに、動揺はしないし、反旗を翻すこともない。
与えられただろう目的の為だけに、ただただ邁進していくのみ。
だからこそ、
ダメージを受けた直後の陽乃を襲うまでに、余計な時間は一切かからなかった。
陽乃「っの……ッ!」
力の籠っていないただの拳では倒せない、
なのに、力を入れて殴り飛ばせば体がふらつく。
身体がふらつけば、隙を生んで――初期個体が食らいついてくる。
陽乃「っ……ぁっ……あぁぁぁぁぁッ!」
皮膚を食い破り、肉に食い込み、抉り取ろうとさえするその力を、
陽乃は九尾の力を纏った手で強引に引きはがす。
肉が裂け、血が辺りに飛び散って、滴り落ちる。
いつ、失血死してもおかしくないような状況で、陽乃はそこに立つ。
食い割かれた左腕は垂れ下がったまま、反応がない。
身体も限界が近いようで、足に震えが来てしまっているし、
視界の一部も、滲んだように曖昧なことになっている。
あぁ、死ぬ。
これは――殺される。と、陽乃は死を直感して
陽乃「ふっ……はっ……ははっ……あははははっ……」
そして、笑った。
345 :
◆QhFDI08WfRWv
[saga]:2022/05/14(土) 22:19:46.35 ID:5ubqe3wMo
陽乃「はぁ……」
どんなに頑張ったって、意味がない。
努力が報われるなんて、報われたことがある人だけの戯言で、
間違いなく報われない人もいる。
母は救えたが、それ以外の誰も救えなかった。
父親でさえ失った。
仲の良かった親戚も、みんな。
そんな中で、母親は大社に連れていかれ、友人が離れ、
人々には非難され、同じ勇者と呼ばれる者にさえ疎まれてきた。
今だってそれは変わらない。
何人か味方は出来たが、それだけで、世界は何も変わっていない。
陽乃の死は世界のためになってしまう。
彼らの念願が成就してしまうことになる。
それで、バーテックスが去ったとしたら、それは――
なんて、死者には知る由もない未来だろうけど。
陽乃「……死んであげるのは、癪ね……」
1、戦う
2、戦わない
3、逃げる
↓2
346 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2022/05/14(土) 22:20:53.28 ID:ing4Yz3b0
1
347 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2022/05/14(土) 22:21:04.86 ID:4ZSqsQUZ0
1
348 :
◆QhFDI08WfRWv
[saga]:2022/05/14(土) 23:26:39.31 ID:5ubqe3wMo
陽乃「良いわ。かかってきなさい……」
九尾の力で痛みを誤魔化すことが出来たとしても、
流れ出て行く血は止められない。
遅かれ早かれ、このままいけば確実に死が待っていることだろう。
けれど、だからって安く食われてやる気はない。
無抵抗で食い物にされる気はない。
陽乃「どいつもこいつも……私を殺したがって……ほんと……」
それで殺されたくないって抵抗したら、人殺し人殺しって。
前から言われていたことではあるけれど、事実となった今はもう、嬉しそうに叫ばれる。
陽乃「……目障りだわ」
九尾の力をもってしても、食い破られた左腕は動かせない。
だからと言って、降参は無しだ。
陽乃「最後まで、付き合ってくれるんでしょ?」
陽乃はそう言って、向かってきた個体を右手で殴り飛ばす。
間髪入れずに向かってきた左右の個体を、
地面を転がって躱した陽乃は、飛びのいた隙を狙ってきた別の個体を蹴り飛ばして、
真正面から迫ってくる個体の口のような器官のわずかに上を叩き伏せる。
陽乃「ッ――」
地面に降り立った瞬間、横からの猛突進を受けて、吹っ飛ばされる。
それでもまだ、陽乃はふらりと立ち上がって、拳を握る。
陽乃「まだ、生きてるわよ……私……ほら。こっちに来なさいよ」
349 :
◆QhFDI08WfRWv
[saga]:2022/05/14(土) 23:47:33.70 ID:5ubqe3wMo
↓1コンマ判定 一桁
0 00 大失敗
1〜5 失敗
6〜9 撃退
ぞろ目 特殊
350 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2022/05/14(土) 23:48:43.23 ID:InmmcgkYO
あ
351 :
◆QhFDI08WfRWv
[saga]:2022/05/15(日) 00:13:59.38 ID:KaqAwNsVo
では本日はここまでとさせていただきます
明日も可能であればお昼ごろから
352 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2022/05/15(日) 00:24:52.28 ID:eI9ieI7QO
乙
諏訪脱出で陽乃さんが倒れた時以来の大ピンチだな…
果たして生きて帰れるのだろうか
353 :
◆QhFDI08WfRWv
[saga]:2022/05/15(日) 16:07:00.12 ID:KaqAwNsVo
では少しずつ
354 :
◆QhFDI08WfRWv
[saga]:2022/05/15(日) 16:11:46.40 ID:KaqAwNsVo
いくら、バーテックスや勇者に対しての特効を持っているとはいえ、
陽乃だって生身の人間であることに変わりはない。
身体が傷つけば血が流れるし、
傷つけば傷つくほどにその動きは鈍っていく。
九尾の力でその痛みを誤魔化したとしても、動かせなくなってしまう。
陽乃「はっ……っ――ッ!」
万全であれば完成型にも劣らない力があるけれど、
満身創痍の状態から、さらに深手を負い、片腕が使えなくなって、
足元もおぼつかなくなってきたとなれば、
進化型どころか圧倒的な数を誇る個体の猛突さえさばききれなくなる。
陽乃「ぐ……」
叩けば消滅する程度の個体にでさえ遅れを取り、
背中に突撃されて倒れ伏した陽乃は震える右腕で体を支えながら、どうにか体を起こす。
陽乃「ふ……ふふっ……ごほっ……」
最初の戦いでさえ、ここまでではなかった。
諏訪へ向かう時も、諏訪から帰る時も……
陽乃「死ぬ……死ねるわ……これは……」
九尾の力ではなく、純粋に痛みが薄れていく感覚。
確実に死が近づいていると、はっきりとわかる。
陽乃「……ふふっ」
355 :
◆QhFDI08WfRWv
[saga]:2022/05/15(日) 16:58:58.51 ID:KaqAwNsVo
バーテックスの数は確実に減っている。
減っているのに、まだ、終わりが見えない。
視界が赤く揺らいで半分ほど欠け、平衡感覚ももはやない。
普通なら、ここは逃げるべき場面だ。
命が大事なら、自分のことだけを考えているなら
わき目もふらずに、一心不乱に駆けだすべきだ。
助けを求めて、叫んで、死に物狂いに。
若葉や球子、友奈、それに千景もいる。
直接助けには来られなくても、バーテックスをせん滅してくれるかもしれない。
陽乃「――っざっけないでよッ!」
気配を感じ、
見えない右側の死角から迫ってきていたバーテックスをわしづかみにして、地面へと叩き付ける。
陽乃「逃げる? 私が? 嫌よ……そんなこと絶対にありえない……誰かに頼るだなんて、絶対ッ!」
それは、あってはならないのだ。
逃げたから、すべて失った。母親以外の全てを。
力を使い果たしていた。体が弱り切っていた。
だから何だったんだ――それで逃げたからたった一つ、手に握った命だけしか残らなかったのに。
父親まで、自分と母の代わりに命を落としたのに。
陽乃「私の命は私にしか守らせない……誰にだって守らせてやる気はないわ……守らせるくらいなら、私は死んだってかまわないッ!」
356 :
◆QhFDI08WfRWv
[saga]:2022/05/15(日) 17:10:06.27 ID:KaqAwNsVo
↓1コンマ判定 一桁
1 若葉
5 球子
7 千景
9 友奈
ぞろ目 特殊
357 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2022/05/15(日) 17:12:02.36 ID:z/lti1GPO
あ
358 :
◆QhFDI08WfRWv
[saga]:2022/05/15(日) 17:36:21.27 ID:KaqAwNsVo
状況判定
↓1コンマ判定 一桁
0 00 悪
1〜5 並
6〜9 良
ぞろ目 特殊
359 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2022/05/15(日) 17:38:46.22 ID:ZfH9qI4B0
あ
360 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2022/05/15(日) 17:40:25.44 ID:z/lti1GPO
やっと特殊判定きたか
361 :
◆QhFDI08WfRWv
[saga]:2022/05/15(日) 18:14:57.34 ID:KaqAwNsVo
陽乃「は……っ……」
どこかで誰かが戦っている音がする。
霞んだ目に見えるバーテックスは、数が減っている――ような気がする。
けれど、もう動けそうにない。
最後に残った力を振り絞って、どれだけのバーテックスを屠ったか。
弾き飛ばされ、身体を食い破られ、どれだけの血を流したか。
陽乃「ふ……ふふっ……」
ここで死ぬ。
でもそれで構わない。
生きているのが辛かった。
生き続けるのが苦しかった。
守られて、失って、生き残って、疎まれて――
だったら生き残らせるために失われたすべては無駄だったのか。
いいや。
陽乃「馬鹿な人達……」
そんな疎ましい化け物が、諏訪から勇者を連れ帰ってきた。
362 :
◆QhFDI08WfRWv
[saga]:2022/05/15(日) 18:44:35.46 ID:KaqAwNsVo
陽乃「――死ぬまで、救われてしまえっ」
その勇者を手放しで喜び、崇め、救いを願って、救われていく
あの時殺していれば、今の自分の命がなかった可能性なんてちっとも考えず、
馬鹿みたいに、惨めに、寄生虫のように生かされてしまえ。
陽乃はそう思いながら
向かってくるバーテックスを気にも留めず――笑って。
右手を地面に下ろす。
もう、拳は握れない。
陽乃「お母さん……ごめんなさい……」
3年前に別れてから、一度も会えていない。
いつも死にかけているだなんて話を聞いてしまっていないだろうか。
悪評ばかり聞いて心を病んでいないだろうか。
あの時、守らないべきだっただろうか。
父と一緒に、眠らせてあげるべきだったのだろうか。
そうしておけば、先に娘を失うだなんて思いはさせずに済んだのに。
陽乃「私ってば……ほんっと……人を不幸にしてばっかり……っ」
悔しいから、全部ぶっ飛ばしてやる。なんて、
伊邪那美様の御力を解放しようとしたところで、
目の前にまで差し迫っていた個体が真っ二つに叩ききられて消し飛び――
歌野「だったら生きてッ!」
ここにはいないはずの声が聞こえた。
363 :
◆QhFDI08WfRWv
[saga]:2022/05/15(日) 19:13:29.91 ID:KaqAwNsVo
陽乃「……しら……」
歌野「これ以上、不幸にしたくないなら死なないで」
身体が急激に癒えていくのを感じる。
ぽかぽかと温かい、陽だまりのような生命力。
それは間違いなく、歌野が授かっている宇迦之御魂大神様の御力だ。
来てしまったのだ。
来ることがないようにとひなたを送り届けたのに。
なのに、ひなたは止めることが出来ず、歌野は来てしまった。
陽乃「どうして、来たの……」
歌野「陽乃さんが行くなら行くって、言ったじゃない」
陽乃「来られる身体じゃなかったはずよ。無理をすれば藤森さんに負担が行くと――」
歌野「分かってる。でも来たかった。私が、ここに来たかった」
陽乃「っ……」
歌野は後ろで樹木にもたれかかっている陽乃を一瞥して、
歌野「ッ――たぁぁぁぁぁぁッ!」
手にした根を束ねた強固な鞭を力一杯に振るって周囲のバーテックスを葬り去る。
歌野「たとえこの身体が朽ちるとしても、私は陽乃さんを守りたい」
陽乃「私はそういうのが一番嫌い……守られたくない」
歌野「良く分かった――けど、安心して頂戴。私は勇者よ。そう簡単に、死んでなんてやらないんだからッ!」
通常の勇者ではなく、
宇迦之御魂大神様の御力を使った歌野の一振りは、地を鳴らし、空を割き、バーテックスを撃ち滅ぼす。
歌野「だから良いの。背中を見せても……そこには必ず、私がいるから」
364 :
◆QhFDI08WfRWv
[saga]:2022/05/15(日) 19:53:49.73 ID:KaqAwNsVo
↓1コンマ判定 一桁
1、6 重軽傷
2、7 軽傷
3、5 中軽傷
4、9 死者あり
※そのほか 被害なし
※被害度合いはコンマ依存(二桁目 最小01最大00)
※60以上で勇者被害判定
365 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2022/05/15(日) 19:55:13.14 ID:z/lti1GPO
あ
366 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2022/05/15(日) 19:55:25.25 ID:fKV3dQuaO
あ
367 :
◆QhFDI08WfRWv
[saga]:2022/05/15(日) 20:22:38.90 ID:KaqAwNsVo
√ 2018年 10月08日目 昼:病院
陽乃の介入と歌野の参戦によって、
危機的状況は一気に好転してバーテックスを撃退することが出来た。
しかし、
元から病み上がりだった友奈は暴走する千景の補佐に入って重傷を負い、
知られずに介入した陽乃と歌野もまた症状が悪化することとなってしまった。
不幸はそれでは終わらず――
若葉「……そうか」
地鳴りによる民家の倒壊、
それによる住民には死傷者が出て、勇者達に対する風当たりは余計に強くなっていく。
歌野の巫女として反動を請け負うことを選んだ水都は原因不明の高熱を出して倒れ、
入院を余儀なくされている。
バーテックスは撃退出来たが、
それはただ、撃退出来ただけだった。
368 :
◆QhFDI08WfRWv
[saga]:2022/05/15(日) 22:34:14.17 ID:KaqAwNsVo
若葉「くそっ!」
球子「落ち着けよ」
若葉「これが落ち着いていられるものか!」
球子「熱くなったってどうにもならないだろ」
若葉「だが――」
球子「若葉!」
若葉「っ!」
球子「冷静になってくれ……頼む。な?」
中距離で戦っていた球子も精霊を使用したが、
一番近くで戦っていた若葉は何度も精霊を使用していた。
その影響もあるのだろうが、
千景の暴走、陽乃、友奈、歌野の重傷、
住民の被害と、それによる怒りの声
いくら若葉でも、限度というものがあるのかもしれない。
球子「若葉までどうにかなったら、タマはもう、どうしたらいいのかわからなくなる。不甲斐ないが、タマでは駄目なんだ」
若葉「球子……」
球子「負担をかけてるのは分かってるさ。でも、駄目なんだ。頼むよ」
369 :
◆QhFDI08WfRWv
[saga]:2022/05/15(日) 23:52:23.51 ID:KaqAwNsVo
杏がいない、友奈がいない、陽乃がいない、歌野がいない
千景なんて頼れるわけがない
だというのに若葉までとち狂ったら、もうお手上げである。
次は球子がリーダーにでもされるだろうか。
若葉「……まったく、変わったな。球子は」
球子「嫌でも変わるさ。若葉も付き合えば良かったんだよ……あいつと」
若葉「あいつ……?」
きょとんとした若葉の反応に、球子は分かってるくせに。と、悪態をつく。
危機意識がまるで足りていない。
勇者きっての死にたがり。
千景や友奈以上に命知らずで、なのに力だけはある勇者。
球子「今回だって、わざわざ出てきやがったんだ。杏よりも酷い状態でだ。ふざけてるだろ」
若葉「……だが、出てきてくれたから手が足りた。正直、あのままでは千景か友奈が間違いなく命を落としていた」
言いたくはないが、
友奈が死んでいたら千景の暴走はより酷いことになっていただろうから、
千景が――
球子「若葉」
若葉「ッ」
球子「そうしわくちゃな顔すんなよ。ひなたが見たら大泣きするぞ。私の若葉ちゃんが老けちゃったって」
若葉「ひなたを馬鹿にしてるのか?」
球子「じょ、冗談だからそんな怒るなってっ!」
睨まれ、慌てて取り繕った球子を一瞥して、
球子が残ってくれたことに、感謝しなければならないな。と、若葉は小さく笑った。
370 :
◆QhFDI08WfRWv
[saga]:2022/05/15(日) 23:56:54.00 ID:KaqAwNsVo
01〜10 夕
12〜21 夜
23〜32 翌朝
34〜43 翌昼
45〜54 翌夕
56〜65 翌夜
67〜76 翌々日朝
78〜87 翌々日昼
89〜98 翌々日夕
↓1のコンマ
※ぞろ目 3日
371 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2022/05/16(月) 00:00:01.13 ID:jfc8+F82O
あ
372 :
◆QhFDI08WfRWv
[saga]:2022/05/16(月) 00:00:24.34 ID:UQTniHGro
では本日はここまでとさせていただきます
明日も可能であれば通常時間から
373 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2022/05/16(月) 00:07:24.21 ID:cfn1r6M2O
乙
うたのんが来てくれたおかげで何とか生還できたけどみんなほとんど死屍累々で状況がもっと深刻に…
あとタマが凄くリーダーっぽく見えるのがちょっと新鮮だな
374 :
◆QhFDI08WfRWv
[saga]:2022/05/17(火) 21:54:56.39 ID:ThbKJ4CcO
では少しだけ
375 :
◆QhFDI08WfRWv
[saga]:2022/05/17(火) 22:17:05.27 ID:ThbKJ4CcO
√ 2018年 10月08日目 夜:病院
聞き覚えのある電子音のようなものが、とても小さくどこかから聞こえてくる
目を開けているはずなのに、全然、まったく何も見えなくて自分の居場所さえうまく掴むことが出来ない。
けれど、また、結局自分は生きているということだけは、分かった。
陽乃「……ぅう゛」
意識がはっきりとしてくるのを待っていたとでも言うかのように、
ずきりと腕が痛み、半身の痺れと、喉の焼けるような感覚といった複数種類の苦痛が混ざり合ったものが襲い掛かってくる。
それに叫ぶほどの余力もなくてただの呻き声が零れると、
冷たいなにかが、額に触れた。
「わ……す……? く……」
何かを言っているというのは分かるけれど、
何を言っているのかまでは分からず、それに何の反応もできずにいると、
痛みだけしか感じなかった右手を、額に触れていた何かが握る。
握られて初めて、それが人の手だと分かって。
陽乃「ぁ……っ……」
見えない分、触って確かめようと思ったのに、
やっぱり、左手はびくともしなくて、断念する。
「……さ……ど……て……」
傍にいる誰かの声らしきものは、聴きとれない。
376 :
◆QhFDI08WfRWv
[saga]:2022/05/17(火) 22:59:10.42 ID:ThbKJ4CcO
記憶にある最後の場面は、もう死んでもおかしくないような状況だった。
そこに歌野が介入してきて、それで、
それでどうなったのかまでを陽乃は見届けることは出来ずに気を失って今に至る。
だが、つながりが断ち切られていないのを考えると、
歌野があの場で息絶えるような結果にはならなかったのだろう。
それでも陽乃の身体が全く回復していないのは、
その余力がなかったか、
回復させたらまた勝手なことすると怒っているか、
別の場所に隔離されているせいでその恩恵を得られていないかのいずれかだ。
歌野の場合、人間を止めてでも回復させようとしてくるため、
余力の有無は関係ないはず。
とすれば、
怒っているか、互いに別々の場所にいるかだ。
陽乃「ぅ……う?」
だとしたら、今そこにいるのは九尾か、それとも――
そう考える頭に、上里ひなたじゃ。と、九尾の声が響いた。
377 :
◆QhFDI08WfRWv
[saga]:2022/05/17(火) 23:12:44.58 ID:ThbKJ4CcO
上手く言葉を発せない上に、耳が聞こえない状況だからか、
九尾は力の繋がりを使って声を響かせてくる。
それに答え、状況を確認する。
勇者側に死者はいなかったものの、
歌野と陽乃、そして友奈が重傷であること。
住民に死傷者が出ており、風当たりが余計に強まっていること。
そして……
陽乃『……本当なの?』
九尾『下らぬ騙りはせぬ』
そして、千景が端末の返却を拒んで病院から抜け出してどこかに行ってしまったことを、聞かされた。
あの家の様子なら、実家に帰ったなんてことはきっとないだろう。
かといって、陽乃のように諏訪へ亡命すると言った行動も今は難しいはずだ。
九尾『伝えただけじゃ。思考を求めたつもりはないぞ』
陽乃『そう言ったって……』
九尾『今は療養しておく方が良い。愚か者め』
1、せめて、目を見えるようにして欲しいわ
2、せめて会話させて欲しいわ
3、せめて耳が聞こえるようにして欲しいわ
4、上里さんとは、話せないのかしら
5、貴女も、余計なことはしないで頂戴ね
↓2
378 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2022/05/17(火) 23:16:49.08 ID:UF6sZGMKO
2
379 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2022/05/17(火) 23:16:56.34 ID:EYD0p7Yo0
4
380 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2022/05/17(火) 23:17:38.63 ID:e7aTRKNN0
2
381 :
◆QhFDI08WfRWv
[saga]:2022/05/17(火) 23:39:29.73 ID:ThbKJ4CcO
では本日はここまでとさせていただきます
明日も可能であれば通常時間から
382 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2022/05/17(火) 23:44:28.69 ID:UF6sZGMKO
乙
直接の描写がほとんどないのもあってか千景の動向が不穏過ぎるな…
383 :
◆QhFDI08WfRWv
[saga]:2022/05/19(木) 23:31:54.44 ID:zsIVRxVTO
すみませんが本日もお休みとさせていただきます
明日は可能な限り通常時間から
384 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2022/05/19(木) 23:41:10.15 ID:XO8EgAJvO
乙
385 :
以下、VIPにかわりましてVIP警察がお送りします
[sage]:2022/05/20(金) 02:44:52.72 ID:HNZtXROE0
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
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386 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2022/05/20(金) 23:58:47.63 ID:ZE45O/gYO
ここ最近平日の休載多すぎない?
387 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2022/05/21(土) 00:07:47.10 ID:Ymunl0YKO
忙しいんだろう
労ってあげなさい
388 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2022/05/21(土) 15:44:25.66 ID:lFZDMbVYo
乙
こっちは追い付いたから今は過去作も楽しませてもらってるわ
しかしこっちは地獄だな…過去作の後書きで書いてたみたいな平和なやりとりが出来る日は来るんだろうか…
389 :
◆QhFDI08WfRWv
[saga]:2022/05/21(土) 23:44:17.89 ID:R/vBtwUPO
遅くなりましたが少しだけ
390 :
◆QhFDI08WfRWv
[saga]:2022/05/21(土) 23:48:49.18 ID:R/vBtwUPO
九尾とは普通に話が出来る。
歌野とも勝手に伝わってしまう関係で、口に出さなくても会話のようなことは可能だ。
まだ試していないから分からないけれど、
宇迦之御魂大神様の影響を肩代わりする繋がりを持ったことで、
水都とも同じようなやり取りは可能になっている可能性がある。
では、ひなたはどうなのだろう。
水都に施した際に影響を受ける程度には繋がりがあって、
九尾の加護を受けている上里ひなた。
九尾『ふむ……』
陽乃『可能なら繋いで頂戴。どうせ、酷く心配しているんでしょう?』
九尾は陽乃を休ませたそうではあるが、
ひなたの状況は陽乃の言う通りのようで、あまりよろしくないらしい。
渋々と言った様子で、九尾とのつながりが分かれていくのを感じる。
ひなた『えっ……それはどういう……』
九尾から何かを言われたのか、ひなたの驚きが聞こえてくる。
ひなた『久遠さんとお話しできるって、そんな……』
今は会話できるような状態じゃないのに。と、
ひなたは心から心配そうに思う。
指の一本も動かなければ、耳もほとんど聞こえないし、目だって見えない。
だから会話なんて出来るはずがないと思っているようだ。
陽乃『私が九尾に頼んだのよ……貴女、うるさいから』
391 :
◆QhFDI08WfRWv
[saga]:2022/05/22(日) 00:05:36.96 ID:8wCu3oHGO
ひなた『うるさいいって……久遠さんがこんな――』
陽乃『自分の体の使い方なんて、私の勝手でしょう』
ひなた『だったら悲しむのは私の自由です。身を案じるのだって……』
陽乃『ふっ……貴女らしくもない屁理屈ね』
ひなた『笑い事ではありません。本当に、酷い状態だったんですよ?』
歌野の力も万全には程遠かったからだろう。
陽乃の体を完治にまで持っていくには力が足りず、
結果的に大部分のダメージが残った状態で戻ってくることになった。
となれば、病院は大騒ぎだろうし、
それを知ったひなたも、大変だっただろう。
ひなた『ほんの少し前まで手術していて……もしかしたらこのままって、言われていて』
陽乃『私がそう簡単に死ぬわけないじゃない』
ひなた『それでも危険だったって言っているんです』
392 :
◆QhFDI08WfRWv
[saga]:2022/05/22(日) 00:18:28.53 ID:8wCu3oHGO
回収班を待っている余裕もなく、
若葉と球子が陽乃達を連れて病院に直行し、緊急手術。
それでも難航してついさっき手術が終わったばかり。
そして今は集中治療室に入れられていて、なおも予断を許されないと言われる状態だった。
ひなた『白鳥さん以上に、ボロボロなんですよ……』
陽乃『まぁ、でしょうね』
ひなた『でしょうね。なんて、あんまりですっ』
軽すぎると言いたげなひなたに、陽乃は呆れたように笑う。
もっとも、身体自体は全く動けていないが。
バーテックスにやられたのもあるが、
陽乃はそもそも強力な力を使う分、反動が他の勇者以上に重い。
その為、かなり酷い状況に陥るのは経験済みだった。
言ってしまえば、慣れているのだ。
ひなた『そんなことに慣れないでください』
393 :
◆QhFDI08WfRWv
[saga]:2022/05/22(日) 00:58:45.42 ID:8wCu3oHGO
やっぱり、うるさいことになっていた。と、
陽乃はため息をつく。
これで普通に話せるようになるまで放置していたら、
その時に大騒ぎされていたに違いない。
陽乃『少しは感謝したらどうなのよ。おかげで貴女の大切な乃木さんが無事だったのよ?』
特別、感謝なんてされたいとは思っていない陽乃だったが、
お小言を貰い続けるくらいなら、
まだ感謝の言葉があった方がマシだと、嫌味のように言う。
けれど、ひなたは「ふざけないでください」と、切り返して。
ひなた『若葉ちゃんも、みんなも……久遠さんも。みんな大切です。若葉ちゃんだけじゃなく、久遠さんだって大切です……』
陽乃『博愛主義者は大変ね』
ひなた『……怒りますよ』
陽乃『もう怒ってるじゃない』
九尾の助力で繋がりを得ている為、
ひなたの感情はひなたの意思に関わらずダイレクトに流れてきている。
それもあって、ひなたが全て本心であることも、
陽乃の発言一つ一つに本気で怒って、
本気で悲しんで、本気で心配しているのだということも
全部、分かっていた。
1、まぁいいじゃない。生きているんだから
2、悪いとは、思ってるわよ
3、救いに犠牲はつきものなのよ
4、あなたと話すんじゃなかったわ
↓1
394 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2022/05/22(日) 00:59:16.66 ID:EFB1xTYJO
2
395 :
◆QhFDI08WfRWv
[saga]:2022/05/22(日) 01:03:16.85 ID:8wCu3oHGO
では本日はここまでとさせていただきます
明日は可能であればお昼ごろから
396 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2022/05/22(日) 04:51:25.11 ID:iMccSDwjO
乙
まぁ今回の苦戦に関してはあまりに運が悪かったのもあったしなぁ
397 :
◆QhFDI08WfRWv
[saga]:2022/05/22(日) 16:42:34.53 ID:3j7xlQ9WO
では少しずつ
398 :
◆QhFDI08WfRWv
[saga]:2022/05/22(日) 17:00:35.22 ID:3j7xlQ9WO
陽乃『悪いとは、思ってるわよ』
本来なら戦闘に参加する予定ではなかった。
参加できるほどの余力はあったが、
歌野が無理にでもついて行くだなんて言っていたし、
陽乃自身、万全ではなかったからだ。
だから――
ひなた『久遠さんだけの責任ではありません……っ』
だから、ひなたは否定した。
陽乃は最初、友奈が大変なことになる。という話を聞いても、
いい薬になるんじゃない? という冷たい態度だった。
それを説得し、向かわせたのは自分だった。
陽乃は見捨てられない人間だと分かっていたし、
言葉がそうだったからと言って、内心も同じであるとは限らない。
陽乃はそんな天邪鬼な人間だったからだ
ひなた『私が、お願いしてしまったから……』
陽乃『はっ』
陽乃は、そんなひなたの悲嘆を一蹴するように笑う。
陽乃『自惚れも大概にしなさいよ。貴女が私を動かせるわけがないじゃない。貴女如きの言葉で、私が意思を変えるわけがないじゃない』
399 :
◆QhFDI08WfRWv
[saga]:2022/05/22(日) 17:09:38.56 ID:3j7xlQ9WO
陽乃の言い方はとても冷たく突き放すようなものだが、
結局のところ、自己責任だから気にしないで。というものでしかない。
千景や一般の人々が聞けば絶対にそう取ることはあり得ないが、
ひなたや歌野達には表向きの冷徹さはまるで通用しなくなっている。
それでも使い続けるのだから、
むしろ、ほほえましいとさえ思えてくる――なんて感情が、ひなたから流れてくる。
陽乃『あのねぇ……』
ひなた『いえ。ですが、私がお願いしたのも事実です。それが一つの指標となる意見にはなったはずなので』
陽乃がどう思っていても、
止めることなく送り出したのは事実で、
そうして戻ってきた陽乃が危篤だったときの、後悔がひなたにはある。
ひなた『お約束した通り、全身全霊を持って久遠さんのお手伝いをさせてください』
それが罪滅ぼしになるとは限らない。
けれど、少しでも助けになりたいのだと、ひなたは言う。
400 :
◆QhFDI08WfRWv
[saga]:2022/05/22(日) 17:54:42.40 ID:3j7xlQ9WO
陽乃『貴女、姿は晒しているの?』
ひなた『いえ、九尾さんにお力添え頂いています』
陽乃『そう……』
ひなたは大社から誘拐され、
周囲から身を隠している状況だ。
集中治療室にいる陽乃のことを世話するための看護師がいるだろうから、
下手なことをしたら、第三者の存在を気取られてしまう。
かといって、何もしないでと言っても聞きそうにはないし、
今の陽乃は拒むことのできない身体だ。
なら、せめて注意だけはしておこう。と、陽乃は考えて。
陽乃『なら、せいぜい悟られない程度にしなさい』
ひなた『はい。気を付けます……』
今は千景も逃亡中の為、大社の警戒はかなり厳しくなっている。
些細な違和感も報告義務があると想定すれば、
ひなたのことも露見しかねない。
陽乃『次から次へと……もう……ほんと、厄介なことばかり』
陽乃はそう、悪態をついた。
401 :
◆QhFDI08WfRWv
[saga]:2022/05/22(日) 18:39:08.86 ID:3j7xlQ9WO
1日のまとめ
・ 土居球子 : 交流無(歌野、裏切られたくない)
・ 伊予島杏 : 交流無()
・ 白鳥歌野 : 交流有(何を?、どうして、人として死ねない、お断りよ、球子、実力)
・ 藤森水都 : 交流無()
・ 九尾 : 交流無()
・ 乃木若葉 : 交流有(どういうつもり?、努力しなさい)
・ 高嶋友奈 : 交流無()
・ 花本美佳 : 交流無()
・ 郡千景 : 交流無()
・上里ひなた : 交流有(何を?、どうして)
√ 2018/10/06 まとめ
土居球子との絆 82→84(良好) ※特殊交流2
伊予島杏との絆 96→96(良好) ※特殊交流4
白鳥歌野との絆 99→99(好意) ※特殊交流4 ※通常最大値
藤森水都との絆 99→99(好意) ※特殊交流8 ※通常最大値
九尾との絆 84→84(良好)
乃木若葉との絆 80→82(良好)
上里ひなたとの絆 78→79(良好)
高嶋友奈との絆 64→64(普通)
花本美佳との絆 37→37(普通)
郡千景との絆 20→20(険悪)
1日のまとめ
・ 土居球子 : 交流無()
・ 伊予島杏 : 交流有(もっと強く、杏達の巫女)
・ 白鳥歌野 : 交流有(具体的には、名前)
・ 藤森水都 : 交流有(死ぬ覚悟、苦しい)
・ 九尾 : 交流無()
・ 乃木若葉 : 交流無()
・ 高嶋友奈 : 交流無()
・ 花本美佳 : 交流無()
・ 郡千景 : 交流無()
・上里ひなた : 交流有(頑張りなさい、余裕を持ってから)
√ 2018/10/08 まとめ
土居球子との絆 84→84(良好) ※特殊交流2
伊予島杏との絆 96→97(良好) ※特殊交流4
白鳥歌野との絆 99→99(好意) ※特殊交流4 ※通常最大値
藤森水都との絆 99→99(好意) ※特殊交流8 ※通常最大値
九尾との絆 84→84(良好)
乃木若葉との絆 82→82(良好)
上里ひなたとの絆 79→81(良好)
高嶋友奈との絆 64→64(普通)
花本美佳との絆 37→37(普通)
郡千景との絆 20→20(険悪)
1日のまとめ
・ 土居球子 : 交流有(戦闘)
・ 伊予島杏 : 交流有(戦闘)
・ 白鳥歌野 : 交流有(戦わない、戦闘)
・ 藤森水都 : 交流有(戦闘)
・ 九尾 : 交流有(戦闘)
・ 乃木若葉 : 交流有(戦闘)
・ 高嶋友奈 : 交流有(戦闘)
・ 花本美佳 : 交流無()
・ 郡千景 : 交流無(戦闘)
・上里ひなた : 交流有(戦わない、郡家、戦闘、会話、悪いとは思ってる)
√ 2018/10/08 まとめ
土居球子との絆 84→84(良好) ※特殊交流2
伊予島杏との絆 97→97(良好) ※特殊交流4
白鳥歌野との絆 99→99(好意) ※特殊交流4 ※通常最大値
藤森水都との絆 99→99(好意) ※特殊交流8 ※通常最大値
九尾との絆 84→84(良好)
乃木若葉との絆 82→82(良好)
上里ひなたとの絆 81→84(良好)
高嶋友奈との絆 64→64(普通)
花本美佳との絆 37→37(普通)
郡千景との絆 20→20(険悪)
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