【安価でのわゆ】久遠陽乃は勇者である【7頁目】

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400 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2022/05/22(日) 17:54:42.40 ID:3j7xlQ9WO

陽乃『貴女、姿は晒しているの?』

ひなた『いえ、九尾さんにお力添え頂いています』

陽乃『そう……』

ひなたは大社から誘拐され、

周囲から身を隠している状況だ。

集中治療室にいる陽乃のことを世話するための看護師がいるだろうから、

下手なことをしたら、第三者の存在を気取られてしまう。

かといって、何もしないでと言っても聞きそうにはないし、

今の陽乃は拒むことのできない身体だ。

なら、せめて注意だけはしておこう。と、陽乃は考えて。

陽乃『なら、せいぜい悟られない程度にしなさい』

ひなた『はい。気を付けます……』

今は千景も逃亡中の為、大社の警戒はかなり厳しくなっている。

些細な違和感も報告義務があると想定すれば、

ひなたのことも露見しかねない。

陽乃『次から次へと……もう……ほんと、厄介なことばかり』

陽乃はそう、悪態をついた。
401 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2022/05/22(日) 18:39:08.86 ID:3j7xlQ9WO
1日のまとめ

・ 土居球子 : 交流無(歌野、裏切られたくない)
・ 伊予島杏 : 交流無()
・ 白鳥歌野 : 交流有(何を?、どうして、人として死ねない、お断りよ、球子、実力)
・ 藤森水都 : 交流無()
・   九尾 : 交流無()

・ 乃木若葉 : 交流有(どういうつもり?、努力しなさい)
・ 高嶋友奈 : 交流無()
・ 花本美佳 : 交流無()
・  郡千景 : 交流無()
・上里ひなた : 交流有(何を?、どうして)

√ 2018/10/06 まとめ

 土居球子との絆 82→84(良好) ※特殊交流2
 伊予島杏との絆 96→96(良好) ※特殊交流4
 白鳥歌野との絆 99→99(好意) ※特殊交流4 ※通常最大値
 藤森水都との絆 99→99(好意) ※特殊交流8 ※通常最大値
   九尾との絆 84→84(良好)

 乃木若葉との絆 80→82(良好)
上里ひなたとの絆 78→79(良好)
 高嶋友奈との絆 64→64(普通)
 花本美佳との絆 37→37(普通)
  郡千景との絆 20→20(険悪)


1日のまとめ

・ 土居球子 : 交流無()
・ 伊予島杏 : 交流有(もっと強く、杏達の巫女)
・ 白鳥歌野 : 交流有(具体的には、名前)
・ 藤森水都 : 交流有(死ぬ覚悟、苦しい)
・   九尾 : 交流無()

・ 乃木若葉 : 交流無()
・ 高嶋友奈 : 交流無()
・ 花本美佳 : 交流無()
・  郡千景 : 交流無()
・上里ひなた : 交流有(頑張りなさい、余裕を持ってから)

√ 2018/10/08 まとめ

 土居球子との絆 84→84(良好) ※特殊交流2
 伊予島杏との絆 96→97(良好) ※特殊交流4
 白鳥歌野との絆 99→99(好意) ※特殊交流4 ※通常最大値
 藤森水都との絆 99→99(好意) ※特殊交流8 ※通常最大値
   九尾との絆 84→84(良好)

 乃木若葉との絆 82→82(良好)
上里ひなたとの絆 79→81(良好)
 高嶋友奈との絆 64→64(普通)
 花本美佳との絆 37→37(普通)
  郡千景との絆 20→20(険悪)



1日のまとめ

・ 土居球子 : 交流有(戦闘)
・ 伊予島杏 : 交流有(戦闘)
・ 白鳥歌野 : 交流有(戦わない、戦闘)
・ 藤森水都 : 交流有(戦闘)
・   九尾 : 交流有(戦闘)

・ 乃木若葉 : 交流有(戦闘)
・ 高嶋友奈 : 交流有(戦闘)
・ 花本美佳 : 交流無()
・  郡千景 : 交流無(戦闘)
・上里ひなた : 交流有(戦わない、郡家、戦闘、会話、悪いとは思ってる)

√ 2018/10/08 まとめ

 土居球子との絆 84→84(良好) ※特殊交流2
 伊予島杏との絆 97→97(良好) ※特殊交流4
 白鳥歌野との絆 99→99(好意) ※特殊交流4 ※通常最大値
 藤森水都との絆 99→99(好意) ※特殊交流8 ※通常最大値
   九尾との絆 84→84(良好)

 乃木若葉との絆 82→82(良好)
上里ひなたとの絆 81→84(良好)
 高嶋友奈との絆 64→64(普通)
 花本美佳との絆 37→37(普通)
  郡千景との絆 20→20(険悪)
402 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2022/05/22(日) 18:40:52.20 ID:3j7xlQ9WO
√ 2018年 10月09日目 朝:病院

↓1コンマ判定 一桁

0 九尾
4 襲撃
6 ひなた
8 歌野
403 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/05/22(日) 18:41:28.71 ID:oqO5Z2x0O
404 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2022/05/22(日) 19:13:49.43 ID:3j7xlQ9WO
√ 2018年 10月09日目 朝:病院


目は開いているはずだが、やはり何も見えない。

九尾の力で痛みを誤魔化してはいるが、

指一本動かすことが出来ない状況なのは変わらない。

もちろん、それも強制的に動かすことは可能なのだが、

今の身体でそれをやってしまうと、さらに治りが遅くなってしまう。

とはいえ、非常に不便だ。

やっぱり、あんまり無理するべきではない。

陽乃『慣れたつもりでは、あるんだけど……』

ひなたは怒るが、

実際、陽乃はこういった経験が多すぎるため、

慣れるなというのも無理な話だった。

周囲にいるのは、九尾とひなた。

歌野と水都は離れた病室にいるようで、どちらもここに来ることは出来ないだろう。

退屈だ。


1、九尾と交流
2、ひなたと交流
3、休む
4、イベント判定

↓2
405 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/05/22(日) 19:20:45.09 ID:TklT91GT0
4
406 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/05/22(日) 19:20:51.12 ID:oqO5Z2x0O
4
407 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2022/05/22(日) 19:55:48.83 ID:3j7xlQ9WO

↓1のコンマ

01〜10 水都
11〜20 ひなた
21〜30 九尾
31〜40 歌野
41〜50 大社
51〜60 病院
61〜70 ひなた
71〜80 水都
81〜90 歌野
91〜00 大社
408 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/05/22(日) 19:59:22.93 ID:TjuGC67EO
409 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2022/05/22(日) 20:32:58.38 ID:3j7xlQ9WO

ひなた『久遠さん……起きています。よね?』

陽乃『……起こされたわ。何なの』

ひなた『大社の方々が、来られたみたいです』

陽乃『はぁ?』

呆れた声を漏らした陽乃に、ひなたは慌てて「ですが」と続ける。

大社は陽乃に会いに来たようだが、

病院側から、いくら大社の使いの方でも、

今の陽乃には合わせることが出来ないと首を横に振ったらしい。

目が見えない、耳が聞こえない、声が出せない

手も足も何も動かすことが出来ないうえ、ズタボロの身体である。

話が合ったって話ができないからだ。

陽乃『ならそれでいいじゃない。問題がある?』

ひなた『久遠さんの力で従わせているのではないかと。そう考えている人もいるようで』

陽乃『はぁ……』

ひなた『引き下がりはしたものの、まだ帰ったわけではないみたいなんです』
410 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2022/05/22(日) 21:48:36.51 ID:3j7xlQ9WO

病院の関係者を陽乃の力で無理矢理従わせている可能性もあると考え、

強行突破してくる可能性もあるらしい。

そんなことをしてきたら九尾が皆殺しにしてしまいかねない為、

可能であれば止めて貰いたいものなのだが……。

ひなた『どうしますか?』

陽乃『どうって、どうにかできるの?』

ひなた『若葉ちゃん達にお願いする手がありますよ。大社の方々に接触して貰って、それで我慢して貰う。など』

陽乃には会えないが、若葉達には会える。

なんていうのは、たぶん意味がない。

ひなたもそう思っているようだが、

それでも何もないよりはいいと考えているのだろう。

陽乃『いったい私に何の用があるのよ……止めでも刺しに来たのかしら』

ひなた『冗談でもやめてください』

陽乃『じゃぁ、あざ笑いに来たのかもしれないわ』

ひなた『さすがにそこまで酷い人達ではないかと……』


1、放っておいていいわ
2、九尾、ちょっと調査をお願い
3、乃木さん達に任せるわ
4、別にいいわよ。呼んでも。


↓2
411 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/05/22(日) 21:50:09.98 ID:PU1mkbv+O
4
412 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/05/22(日) 21:50:33.86 ID:TklT91GT0
4
413 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/05/22(日) 22:42:02.22 ID:uwXYIS+Xo
操ってるって言う連中相手に瀕死の姿見せてもどうせ信じないんだろうし、徒労感半端ないな
414 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2022/05/22(日) 22:55:08.53 ID:3j7xlQ9WO

陽乃『別にいいわよ。呼んでも』

ひなた『あ、いえ……呼ぶことは出来ないかと』

ひなたはそう言ったが、陽乃は呼ぶことは出来ると否定する。

ひなたには難しいが、九尾なら確実に。

ひなた『呼んで、私と同じようにお話を?』

陽乃『まさか、現実を見せてあげるだけよ。向こうが信じるかどうかはともかくね』

陽乃の状態を、またまやかしだと言うかは向こうの自由だ。

もっとも、そう言った瞬間に九尾が首を絞めあげてしまう可能性もある。

陽乃のことを考えれば、皆殺しするべきではないことくらいは、

九尾も分かってくれている……と、信じたいが。

陽乃『出来るでしょ? 九尾』

九尾『うむ……よかろう。妾が呼んできてやろう』

九尾はそう言って、おそらくは看護師の姿で大社の使いに会いに行き、

特別措置として様子を見せるくらいは出来ると連れてくるのだろう。

少しずつ、気配が離れて行った。
415 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2022/05/22(日) 23:01:33.39 ID:3j7xlQ9WO
↓1コンマ

01〜50 悪
51〜00 良

※ぞろ目特殊
416 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/05/22(日) 23:02:24.76 ID:4/zued4oO
417 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/05/22(日) 23:03:01.73 ID:YyLMCLegO
418 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2022/05/22(日) 23:04:55.37 ID:3j7xlQ9WO

では本日はここまでとさせていただきます
明日も可能であれば通常時間から
419 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/05/22(日) 23:11:24.22 ID:4/zued4oO

とりあえず悪い展開は回避できそうだな
さすがにこの状況すら信じてもらえなかったらいよいよ救いが無さすぎるし
420 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2022/05/23(月) 22:23:11.83 ID:RNTeniv3O
では少しだけ
421 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2022/05/23(月) 22:30:42.13 ID:RNTeniv3O

九尾の気配が近づいてくると、

耳のほぼ聞こえない陽乃に代わって、ひなたが足音がたくさんします。と教えてくれる。

大社は許可が出ればついてくるだろうけれど、

病院側の関係者はどう騙してきたのだろう。と、

陽乃はちょっとだけ不安に思いながらも、ひなたからの声掛けを待つ。

今の陽乃には、何人来たのかも何を言われたのかも、

何一つわからないからだ。

ひなた『数は10人ほど……ですね』

集中治療室の中にまでは入ってくることはなく、

窓から中を覗くまでが限界だとしてくれているようだった。

ひなた『……当たり前です』

ひなたは、歌野と違ってまだ慣れていないうえ、

完全に九尾に頼っている為、思考も感情も陽乃に駄々洩れになっている。

そのせいか、ひなたの独り言が聞こえた。
422 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2022/05/23(月) 22:54:14.80 ID:RNTeniv3O

ひなた『思っていたよりは……』

陽乃『なんなの?』

ひなた『あ……すみません』

陽乃に対して言ったのではなく、ただ考えただけだったのだろう。

問いかけられて、自分のそれが聞こえてしまったのだとひなたは考えて。

ひなた『思っていたよりは、すんなりと受け入れてくださっているみたいです』

陽乃『まさか』

ひなた『本当ですよ』

ひなたは静かな雰囲気でそう伝えてきたが、

けれど、その内側にはそれが当たり前なのだという、強い感情が感じられる。

今の久遠さんの状況を見て、それでも偽りだと言うなんて許されない。と、思っているらしい。

それだけ、今の陽乃から視覚的に感じられるものは悲惨ということなのだろう。

ひなた『さすがに話を聞くわけにもいかないって、引き下がってくれました』
423 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2022/05/23(月) 23:37:14.45 ID:RNTeniv3O

目も耳もダメな今、

ひなたの言葉を信じるしかないのだが、

陽乃が素直に信じるわけもなく、

本当に? と、疑うと、ひなたは本当です。と、繰り返すように答える。

ひなた『身体布団に隠れている部分を除いても包帯の方が面積多いですし』

白鳥さんよりも多いかもしれません。と、ひなたは言って。

ひなた『それに、久遠さんの傷……治りが悪いみたいなんです』

縫合はしてあるが、傷口が閉じるような兆候が見られず、

出血してしまっている個所もあるため、包帯のいたるところが赤く染まっている。

これでも、少し前に変えたばかりなのだから、相当だ。

ひなた『今の状態を見て、話が聞けるはずだなんて、誰も思いませんよ』

陽乃『九尾の力だって疑われるかもしれないじゃない』

ひなた『仮にそうだとしても、近づきたくはないと思います』

耐性があるか、相応の覚悟がなければ直視できないほどの痛ましさ。
下手に疑って直接調べるだなんて貧乏くじは、誰も引きたがらないのだろう。

陽乃『そう……まぁ、別に良いけど』

ひなたに関してだったり、千景に関してだったり。

厄介ごとが遠ざかってくれるのなら、好都合だ。
424 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2022/05/23(月) 23:39:16.39 ID:RNTeniv3O
√ 2018年 10月09日目 昼:病院

↓1コンマ判定 一桁

1 九尾
4 歌野
6 水都
9 ひなた
425 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/05/23(月) 23:40:10.52 ID:TGnTPX5IO
426 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2022/05/24(火) 00:06:03.14 ID:4ZTd5RWKO
では本日はここまでとさせていただきま明日も可能であれば通常時間から
427 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/05/24(火) 00:13:24.85 ID:HbYWVo1SO

テレパシーでの会話以外は一切何もできない状態は結構辛いな…
428 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/05/24(火) 06:46:40.32 ID:FD0UAlIQ0

傷口が塞がらず常に包帯が赤く染まるって失血死しそうやな…
429 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2022/05/24(火) 23:26:49.84 ID:VOw9MX6DO
すみませんが本日はお休みとさせていただきます
明日は可能であれば通常時間から
430 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/05/24(火) 23:30:13.89 ID:Sdkib9iPO
431 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2022/05/25(水) 23:22:13.98 ID:7SRzkQi7O
遅くなりましたが、少しだけ
432 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2022/05/25(水) 23:28:15.26 ID:7SRzkQi7O
√ 2018年 10月09日目 昼:病院


陽乃とひなたは、九尾の力で繋がっている為、

近ければ近いほど、その存在を鮮明に知覚することが出来る。

特に、ひなたから陽乃へと伝わるものは際限がない。

考えも、感情も。

何もかもが筒抜けになっている。

だからというわけではないが……

陽乃『貴女、別にここにいなくたっていいのよ』

ひなた『お邪魔、ですか?』

陽乃『貴女は身の回りの世話をと思っているんでしょうけど、出来ることないじゃない』

せいぜいが話し相手で、

ひなたは陽乃の身体を直接弄ったりすることは出来ない。

やろうと思えば出来ることではあるのだが、

それをしてしまうと、視覚的に違和感が出るため、

第三者の存在を察知されて面倒なことになってしまうからだ。
433 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2022/05/26(木) 00:13:41.28 ID:YvSRIqQSO

事実ではあるものの、

役に立たない。と言われているようなものの為、

ひなたは残念そうな心の内を陽乃に流れ込ませていく。

ひなたがこの状況に慣れているのであれば、

そこに裏の意図があるのかもしれないと疑いたくもなるが、

不慣れに違いないひなたから惜しみなく漏れ出してくる感情は、本心そのものだ。

だからこそ、陽乃は少しだけ悩む。

ここにいたってどうしようもない。

手持ち無沙汰でさえあるだろう。

ならいっそのこと、若葉の方に行っていたって良いのではないかと、思う。


1、乃木さんのところに行かないの?
2、乃木さんの方に行ったら?
3、暇じゃないの?
4、そんなに残念がるようなことかしら


↓1
434 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/05/26(木) 00:15:34.44 ID:yzfH3Q/iO
2
435 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2022/05/26(木) 00:20:26.89 ID:YvSRIqQSO

では短いですが、本日はここまでとさせていただきます
明日も可能であれば通常時間から
436 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/05/26(木) 00:23:25.27 ID:yzfH3Q/iO

若葉もひなたの居場所を知ってるとはいえたまには直接会った方が精神的に安心するだろうしなぁ
437 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/05/26(木) 11:59:03.37 ID:r14gLbya0

安価参加したいんだけど、いつも更新が深夜だから参加できぬ…
438 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2022/05/26(木) 23:08:40.31 ID:U2x3cxF/o
すみませんが本日はお休みとさせていただきます
明日は可能であれば通常時間から
439 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/05/26(木) 23:10:11.61 ID:NMKi5vzCO
440 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2022/05/28(土) 22:59:13.76 ID:soSaP9b2o
遅くなりましたが、少しだけ
441 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2022/05/28(土) 23:17:34.03 ID:soSaP9b2o

陽乃『乃木さんのところに行ったら?』

今のひなたには、陽乃に対して出来ることはほとんどないし、

ここにいるよりも若葉のところにいる方が、絶対に安全だ。

何より、

他の勇者に比べれば影響が少ないとはいえ、

若葉にも精霊の影響が出ている以上、

精神的に安定させられるひなたの存在は重要だろう。

陽乃『その方が、あなたと乃木さんのためになるはずよ』

ひなた『ですが、久遠さんの身辺は……』

陽乃『そもそも貴女には何も出来ないでしょって』

ひなた『ですが……』

陽乃『ここにいたって、どうしようもないのよ』

ひなたが気遣ってくれているのは分かる。

九尾がいるにはいるが、

それでも、話相手としては人の方が良い。
442 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2022/05/28(土) 23:47:28.55 ID:soSaP9b2o

それに、九尾は必要最低限しか出てくることはなく、

会話に関しても必要最低限しか行わない。

陽乃が呼べば出てくるけれど、その程度だ。

ひなたのように、起きているときに声をかけ、

傍には自分がいるのだと……認識させようとしてくれるようなことはない。

陽乃『貴女、乃木さんは放っておいていいわけ?』

ひなた『よくはありませんが……どちらかというと、今見るべきは久遠さんの方です』

陽乃『出来ることがないのに?』

ひなた『久遠さんを一人にしないことは、出来ます』

人々に命を奪われかけて、生き延びれば蔑まれて、

抗えば人殺しだと言われ、功績はかき消され、

それでもなお、命を賭して戦い続ける陽乃を置いていくなんて。と、

ひなたは思っているらしい。
443 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2022/05/29(日) 00:21:31.26 ID:AU/kkM+Xo
もちろん、若葉のことだって案じてはいる。

けれど、若葉は陽乃とは違ってそれなりの自由が与えられていて、

他の勇者との交流が容易にできるし、

その目で見て、その耳で聞いて、その手で触れることが出来る。

けれど、陽乃にはそれが出来ない。

それに――

陽乃『別に、あなたの責任ではないわ』

ひなた『ぁ……』

左手を怪我していたから。

だから、こんなにも大怪我をすることになってしまったのではないか。

ひなたはそう思い、責任に感じている。

陽乃『左手の怪我なんて、無関係よ』

ひなた『久遠さんのことは、信頼しています。けれど……』

けれど、その言葉を信じたくはないと、ひなたは思う。

陽乃はいつだって、突き放すことばかり。

責任に感じていると知れば、そうではないと突っ撥ねる。

そんな人だから。

――なんて、悩みでさえ、全てが陽乃には筒抜けで。

ひなた『久遠さんは、優しい嘘つきなので』


1、乃木さんに暴走されたら終わるのよ。分かるでしょ
2、ここにいられても邪魔だって言ってるの
3、何よ貴女。私の巫女にでもなったつもり?
4、勝手に理解した気にならないで頂戴


↓1
444 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/05/29(日) 00:23:32.95 ID:0jc5vUMGO
1
445 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2022/05/29(日) 00:30:57.37 ID:AU/kkM+Xo

では本日はここまでとさせていただきます
明日は可能であればお昼ごろから
446 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/05/29(日) 00:44:05.48 ID:0jc5vUMGO

陽乃さんもそろそろ9割ツンを緩和してもいい頃合いでは
447 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/05/29(日) 16:01:10.41 ID:N0Epw3uA0

このタイミングで、というかどのタイミングでも一度デレると失った時の精神負荷がヤバそうだから
このまま完ツン貫いた方が陽乃の精神衛生上はよさそう
まぁそれでも終わりが最悪なのはほぼ確定だろうからアレだけど…
448 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2022/05/29(日) 16:39:28.28 ID:AU/kkM+Xo
遅くなりましたが、少しずつ
449 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2022/05/29(日) 17:05:41.34 ID:AU/kkM+Xo
陽乃『乃木さんに暴走されたら終わるのよ。分かるでしょ』

ひなた『若葉ちゃんが……』

若葉が暴走するわけがないと言いたいようだけれど、

それを絶対と言えるほどの自信を持てていない。

それだけ精霊を使う際の影響が大きく、

その反動の特異性を危惧しているということなのだろう。

ひなた『久遠さんは、精神的に汚染されない代わりに命を懸けることになっているんですよね?』

陽乃『その方が良かった? 乃木さんの精霊の性質からして、あの子焼け死ぬと思うけど』

ひなた『そうは、思いません……むしろ、久遠さんが少しでも精神汚染を受ける方が良かったです』

力を考えれば、陽乃の暴走こそ世界が終わる。

バーテックスに背を向けて、神樹様に一直線に向かわれて、

本気で勇者や神樹様を殺しに行ったら、

最悪神樹様が破壊され、良くても勇者に死傷者が出るだろうから。

けれど、精神汚染は巫女でもどうにか緩和させることが出来る。

傍にいて、癒してあげられる可能性があるからだ。

けれど、身体も魂も激しく損耗させる陽乃の状態は、

巫女であるひなたには大したことをしてあげられない。

だから――

陽乃『貴女は乃木さんの巫女であって、私の巫女ではないんだから、気にするのは乃木さんだけにしておきなさいよ』
450 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2022/05/29(日) 17:26:26.07 ID:AU/kkM+Xo

ただ、傍に寄り添う巫女であれば、

複数人を兼任していたって何も問題はないはずだ。

けれど、水都がそうしたように、

ひなたもまた若葉の巫女としてその務めを果たすと言うのなら、

余計なことを考えている余裕はない。

陽乃『そんな心持で負荷を引き受けたりなんてしたら、貴女が死ぬことになるわよ』

ひなた『そう、ですね』

勇者が使う精霊の力

その負荷を引き受けるというのに、

雑念があれば意志が乱れ、負荷に飲み込まれて命を落とす。

残念ながら、そうなりかねないような危険な行為なのだ。

だからこそ、成功した時のメリットも十分にあるのだけれど。

陽乃『乃木さんと私、どっちを助けるべきか。貴女は間違ったりしないでしょ?』

ひなた『その問いは……あまりにも、あんまりです……』

目に見えなくても、触れることが出来なくても、

ひなたが今、どんな思いで、どんな表情で、どうなっているのかが手に取るようにわかる。

自分がどれだけ意地悪なことを言ったのかということも。

陽乃『私の意地の悪さを、貴女は知ってるでしょ』

ひなた『そうですね……久遠さんは、とても、とても意地が悪い人です』
451 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2022/05/29(日) 17:34:25.18 ID:AU/kkM+Xo

√ 2018年 10月09日目 夕:病院

↓1コンマ判定 一桁

1 九尾
3 歌野
5 水都
452 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/05/29(日) 17:34:58.58 ID:N0Epw3uA0
そいや
453 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2022/05/29(日) 18:03:32.71 ID:AU/kkM+Xo
√ 2018年 10月09日目 夕:病院


ひなたは陽乃に言われたとおりにこの場を離れ、若葉のもとへと向かった。

それもあって、元から耳も目も感覚も何も乏しい状態だったが、

ひなたが語りかけてくることがなく、余計に静寂に包まれる。

果てのない孤独感。

陽乃が求めていたことではあるけれど、

辟易するような騒がしさから唐突に訪れる静けさは、

しん……っと、心に染みる。

陽乃『まぁ、本当は……あの時に死ぬつもりだったから……』

歌野が来てしまったから生きているだけで、

今日、あの場で、死んでいたはずだった。

なのに性懲りもなく生き延びてしまって。

いや、生き延びさせられたとでも言うべきか。

だから、死んでいたはずの人間としては、

何も感じず、孤独感に包まれているのは特に何でもないと思う。

とはいえ――あまりにも手持ち無沙汰だ。



1、休んでおく
2、九尾を呼ぶ
3、イベント判定


↓2
454 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/05/29(日) 18:13:55.34 ID:N0Epw3uA0
踏み台
455 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/05/29(日) 18:15:22.80 ID:EhUNhqdTO
1
456 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2022/05/29(日) 18:57:06.80 ID:AU/kkM+Xo

けれど、この静寂は体を休めるのにちょうどいいと陽乃は思う。

手も足も動かない。

耳も聞こえなければ、口もきけない。

誰かが来ても察知すらできないけれど、

害を与えるような人物が来た場合には九尾が必ず対処してくれるだろうから、

その方法に若干の不安はあるものの……身の安全だけは保障されていると言える。

眠れるかと言われれば、

特に眠くもないけれど、

寝ること以外に何もできないのだから、

勝手に眠ることが出来るだろうし、それに、

何一つ感じることのできない今の状態は、ある意味で眠っているようなものだから。

陽乃『あとは、考えるのを止めるだけ……』

思考をしようとするから、眠れない。

それさえも止めてしまって、虚無になって、それで。

自分自身の全てを休眠状態に持って行こうと、

陽乃はただぼうっと……何もせず、何も考えず、

体を休めることに集中することにした。
457 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2022/05/29(日) 19:47:55.61 ID:AU/kkM+Xo

宇迦之御魂大神様の力があれば、瞬く間に体を癒すこともできるかもしれないが、

自己治癒は、人間から乖離させていくことであると、

歌野を見ていれば嫌でも分かってしまう。

だから、歌野から流れてくる僅かな生命力と、

元からある勇者としての治癒力に身をゆだねて回復を待つしかない。

普通の人間に比べれば回復力があるものの、

普通の勇者よりも重い症状の為、

相殺されているというか、

やや、マイナス面に振り切ってしまっているところがある。

回復に努めてもこれは長引くことになるだろうから、

可能な限り余計なことはせずに大人しくしておいた方が良いかもしれない。

歌野は、水都の補助もあって

今までよりはだいぶ早く回復するだろうから、

少なくとも、それまでは。
458 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2022/05/29(日) 19:49:39.64 ID:AU/kkM+Xo

√ 2018年 10月09日目 夜:病院

↓1コンマ判定 一桁

0 九尾
6 ひなた
8 水都

ぞろ目 特殊
459 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/05/29(日) 19:50:12.37 ID:l2n3Kgv3O
460 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2022/05/29(日) 20:09:04.15 ID:AU/kkM+Xo
少し中断します
再開は21時ころからを予定しています。
461 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/05/29(日) 20:10:45.94 ID:dGrGG0m0O
一旦乙
462 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2022/05/29(日) 21:51:51.22 ID:AU/kkM+Xo
√ 2018年 10月09日目 夜:病院


今は……何時頃だろうか。

いつの間にか日を跨いでいるかもしれないし、

まだ数時間も経っていないかもしれない。

何一つ感覚が働いていないと、

ここまで無に至るものなのだと……陽乃は息を吐く。

心臓を動かして、呼吸をする。

頭を働かせて、考え事をする。

陽乃にはそれくらいしかできることがなくて、

どうしようかと……悩む。

ひなたは戻ってきていないようで、声が聞こえない。

九尾は呼べば出てきてくれるだろうけど……

どうせ、寂しくなるなら追い出さなければよかっただろうに。

とでも笑われるだろう。

無理にでも休むべきか……と、考えて。


1、休んでおく
2、九尾を呼ぶ
3、イベント判定


↓2
463 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/05/29(日) 21:53:01.81 ID:dGrGG0m0O
2
464 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/05/29(日) 21:53:14.85 ID:MhczNTZi0
2
465 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2022/05/29(日) 22:15:21.99 ID:AU/kkM+Xo

陽乃『九尾……いる?』

力は感じるので、すぐ近くにいるはずではあるのだが、

ひなたの方に行っている可能性もあるため、

確認のためにそう呼んでみると……段々と力が強く感じられるようになって。

九尾『上里ひなたを残しておけば済んだものを』

やっぱり、九尾にはそんなことを言われて、

鼻で笑われてしまう。

陽乃『別に、寂しかったわけじゃない』

九尾『ほう?』

陽乃『なによその、馬鹿にしたような感じは』

九尾『くふふっ、ようではなく……しておるぞ。白鳥歌野が居らぬのは、主様にとってこれ以上ないほどに幸運であろうな』

陽乃『……うるさい』

歌野は、若葉達を差し置いて陽乃のもとへと駆け付けてきた勇者だ。

死に瀕していた陽乃の本音を聞いた唯一の存在であり、

もしもこの場にいたら絶対に放っておかないだろうから。

九尾『愚かな娘よ。主様は』
466 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2022/05/29(日) 22:39:20.15 ID:AU/kkM+Xo

九尾『愚かでないところが主様にあると?』

陽乃『貴女、その主様って言うの止めた方が良いんじゃない?』

本来なら敬っている相手に足して使うべきものなのに、

九尾の言葉は刺々しいばかりで、

敬っているどころか、皮肉にしか聞こえない。

けれど、九尾は喉を鳴らすように笑って。

九尾『何を言うか。我が主様こんなにもいと尊き御方であらせられるというのに』

陽乃『貴女ねぇ』

九尾『主様』

九尾は、ふと、声色を変えてくる。

茶化すような声から、

神妙な雰囲気を感じさせるものへと急転したことに陽乃は少し驚いたが、

九尾自身は何でもないことのように、続ける。

九尾『主様はそろそろ、改めてもよいのではないか?』
467 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2022/05/29(日) 22:47:32.58 ID:AU/kkM+Xo
陽乃『何よ。どうしたの?』

九尾『妾は有象無象がどれほど死に絶えようとどうでもよいが、主様は別じゃ。主様だけは失うわけにはいかぬ』

だからこそ力を貸し与え、守り、支えている。

他の神々だって、陽乃だからこそ、陽乃の為だからこそ。という状態だ。

九尾『その為であれば、小娘どもを利用することは厭わぬし、必要であれば使い捨てる』

陽乃『そんなことを言われて、私が――』

私が頷くとでも思う? と、

陽乃が言うまでもなく、九尾は「分かっておる」と、遮る。

九尾とはもう、長い付き合いだし、

そうでなくても繋がりがあるからだろう。

九尾『じゃが、妾がそれをせずとも変わらぬ末路に向かう者共ばかりではないか』

陽乃が受け入れないから、

どうしても聞いてくれないから……そんなにも頑固なら。と、

無理にでも守るしかない、庇うしかない。

そうしなければ恩の1つも返すことが出来ないから。と。

九尾『妾はそれでも構わぬ。が、主様はそれでよいのかや?』


1、構わないわ
2、それは……
3、貴女らしくないんじゃない?


↓2
468 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/05/29(日) 22:50:14.59 ID:MhczNTZi0
2
469 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/05/29(日) 22:50:19.06 ID:SZhs/F+40
2
470 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/05/29(日) 22:50:19.70 ID:vcEQniIVO
2
471 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2022/05/29(日) 22:52:01.77 ID:AU/kkM+Xo

では本日はここまでとさせていただきます
明日も可能であれば通常時間から
472 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/05/29(日) 23:08:03.58 ID:zqxg/HI2O

ついに陽乃さんの方針転換来るのか?
それにしてもあの九尾が珍しく説得に回るとは…
473 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/05/30(月) 21:20:27.77 ID:rq6uA2l80

若葉に暴走されたら困るのはその通りなんだけど、戦力的に見たら陽乃が死ぬ方が明らかに詰みだよなぁ
諏訪も滅んじゃうし…

あと>>465>>466の間って陽乃の台詞とか抜けてたりしない?なんかつながってないように見えるんだけども
474 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2022/05/31(火) 23:16:00.85 ID:DWNVy6qDO
すみませんが本日もお休みとさせていただきます
明日は可能であれば通常時間から
475 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/05/31(火) 23:21:57.70 ID:oWYSuJcPO
476 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2022/06/01(水) 23:16:10.94 ID:N5/gnHsBO
遅くなりましたが、少しだけ
477 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2022/06/01(水) 23:22:13.50 ID:N5/gnHsBO

陽乃『それは……』

九尾に言われるまでもなく、そんなことは明白だった。

歌野はずっとそんな行動ばかり、話ばかりだったし、

勇者ではない水都や、ひなたもそう。

正直、目に余ると言えば目に余っていて。

特に、歌野なんかは身体が人間のそれではなくなっていっても、

それが自分の意思によるものだからとして、平然としていた。

そしてそんな身体でも無理矢理に戦場へと赴く。

九尾『主様が構わぬならばそれでも良いが、そう言うわけでもないのじゃろう?』

陽乃『……だけど』

九尾『主様が何を思うておるのかは分かっておるが、そう、反する必要もなかろう』

陽乃がそんな考えを抱くようになる以前と、

それ以降とでは、関わり方も、関わろうとしてくる理由も、何も。大きく違う。

そして、一番危険な歌野は陽乃との深い繋がりを経て――すべてを知っている。

だからこそ、そこまで危険を冒すことも辞さないわけで。
478 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2022/06/01(水) 23:46:24.69 ID:N5/gnHsBO

陽乃『……貴女がそんなことを言ってくるなんて』

九尾『主様が小娘共など命を落としても構わぬと言うのならば良いが、そうではないのじゃろう?』

そうではないから、気遣わなければならない。

歌野達が命を落とすぎりぎりまでは、

別にいくらでもやってしまえばいいと九尾は思っているようだが、

実際命を落としてしまうのが陽乃のためにならないのであれば、

可能な限り避ける方へと導くつもりのようだ。

九尾『白鳥歌野は誰よりも厄介じゃぞ。主様の事情を知り、恩を抱き、その身のためと魂さえも差し出しておるからのう』

陽乃『……分かってる』

ひなたどころか、水都でさえ知らない領域

歌野はそこまで知り尽くしてしまっている為、より、躊躇いがない。
479 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2022/06/02(木) 00:18:50.34 ID:CU7svj5hO
どうにかしなければならない。

歌野は戦力的にかなり重要で、

いるのといないのとでは大きく変わってくるだろう。

そして、

歌野の今のその自己犠牲を止められるのは、水都ではなく陽乃しかいない。

なにせ、水都も捧げることを厭わないからだ。

陽乃『まったく……』

恩を抱いているかどうかなんて、

陽乃は信頼を置く判断基準にする気はないけれど、

それでも、命を落とす一歩手前まで身も魂も削ることが出来るその姿は、

少しは。

そう、少しは……認めてもいいのかもしれないとは思う。

陽乃『どうかしてるわ』

九尾『主様が言えたことではなかろうに』

陽乃『うるさい』

九尾はくつくつと喉を鳴らすように笑う。

上里さんだったなら、一言言えば黙ってくれるのにと考えると、

九尾『追い出さなければよかったではないか』

と、また一言、挟んできた。
480 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2022/06/02(木) 00:21:00.75 ID:CU7svj5hO
√ 2018年 10月10日目 朝:病院

↓1コンマ判定 一桁

0 襲撃
3 ひなた
7 水都
9 歌野
481 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/06/02(木) 00:21:35.68 ID:vq6Fy4PHO
482 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2022/06/02(木) 00:23:18.59 ID:CU7svj5hO

では本日はここまでとさせていただきます
明日も可能であれば通常時間から
483 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/06/02(木) 00:35:33.78 ID:vq6Fy4PHO

今のうたのんだと妥協してもしなくても自己犠牲しそうな怖さはあるな…
484 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2022/06/02(木) 23:40:50.57 ID:aVIW1V5KO
すみませんが本日はお休みとさせていただきます
明日は可能であれば通常時間から
485 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/06/02(木) 23:41:49.15 ID:grq0lEkRO
486 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/06/04(土) 09:30:57.79 ID:AUjh/P0jO
久々にwikiを覗いて見たんだが3スレ目を最後に更新止まってるみたいで少し寂しい
前作の頃は設定とか色々凝ってて結構好きだったな
487 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2022/06/05(日) 14:48:17.79 ID:AWMUGIn+o
お休みをいただいてしまいましたが、少しだけ
488 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2022/06/05(日) 14:56:21.03 ID:AWMUGIn+o
√ 2018年 10月10日目 朝:病院

朝……なのだろうか。

目を覚ましても、視力が戻ってきてくれている様子は見られず、

ひなたも帰って来ていないようで、

時間を教えてくれる声もないため、分からない。

九尾『妾が教えてやってもよいぞ』

陽乃『九尾……』

九尾『すでに日が昇っておるぞ。時を跨ぎ……そうじゃな。昼も間近と言ったところか』

九尾の言葉が全部信用できるかと言えば、

信用しない方が良いこともあるのだけれど……

こんなことでは嘘もつかないだろうと、陽乃は素直に受け止める

陽乃『上里さんは?』

九尾『乃木若葉のもとにおるがあ。呼び戻してやってもよいぞ』


1、良いわ。そのままで
2、何をしているの?
3、白鳥さんは?
4、周りの動きは?
5、そう。ならいいわ……もう少し休む

↓2
489 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/06/05(日) 14:57:16.98 ID:pzj02EQz0
2
490 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/06/05(日) 14:57:28.21 ID:kp/AEUIZO
4
491 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2022/06/05(日) 15:44:41.87 ID:AWMUGIn+o

陽乃『周りの動きは?』

九尾『ふむ……そうじゃのう』

まず、大社についてだけれど、

陽乃に関わるよりも、千景のことに注力しているらしい。

病院に入院していて、

容体から全く何にも出来そうにない陽乃を気に掛けるよりも、

行方をくらまして、

何をやらかすか分からない千景の方をどうにかしようという考えなのだろう。

そして、水都は一応目を覚ましていて、

出歩くことも出来ないわけではないようだったが、

流石に、ここにまでは来られないようで。

球子と杏に関しても、

陽乃や歌野に比べれば問題はなく、自力での生活は可能だが、

千景のこともあり、勇者が孤立することがないようにと、病院に留まっているのだそうだ。

陽乃『やっぱり、郡さんがネックなのね』
492 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2022/06/05(日) 16:20:24.35 ID:AWMUGIn+o
その矛先が勇者に向かっているから、より危険性があると、認識されている。

陽乃は色々批判されてきたが、

実際に被害があったのは、たった一度。

もちろん、理由があるとはいえ、それで誰かの命を奪ってしまったから、

周囲の人々からの非難はどうにもならないものの、

それでも、自分が何かされなければ、基本的にはなにもしてこない。

しかし、千景は違う。

実際にはひなただが、

陽乃のことを殺そうとしたあげく、

その後の戦闘を終えてから、謹慎を言い渡された自宅に戻っていないという行動力がある。

身動きが取れない、住民からの非難が大きいだけの危険人物と、

自由に行動ができ、頼みの綱の勇者を殺しかねない危険人物

どちらを警戒するべきかは、考えるまでもないだろう。

九尾『あの娘を見つけたら息の根を止めてもよいかや?』

陽乃『冗談でもやめて』
493 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2022/06/05(日) 17:01:33.13 ID:AWMUGIn+o

冗談で言っている可能性もあるけれど、

九尾の場合、冗談に乗っかって許可を出すと本当に殺しかねない。

陽乃もひなたも、

千景に殺されそうになったことがあるから、

九尾は見かけたら……と言ったけれど、

探し出して殺そうとする可能性もあって、冗談にならない。

九尾『白鳥歌野がいれば、補填は出来るじゃろう』

陽乃『人を物のように数えないで頂戴』

九尾『ふむ……』

九尾は興味がないといった様子で息を吐き、

そうして、そう言えば。と、思い出したかのように切り出す。

九尾『上里ひなたは乃木若葉の巫女として、責務を果たすつもりのようじゃ』

陽乃『……そう。まぁ、そうでしょうね』
494 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2022/06/05(日) 17:49:40.20 ID:AWMUGIn+o
元々、ひなたは若葉の巫女だ。

ひなたがそうしたいという話は聞いていたし、

それによる影響も話してある。

それでもなおと言っていたのだから、

ひなたがそうするというのなら、止める理由がない。

陽乃『それで? 上手く行きそうなの?』

九尾『あの2人なら何も問題なくこなせるじゃろう。水都のように、神を相手取るわけでもあるまい』

歌野は、陽乃から借り受けている力のもと、

宇迦之御魂大神様の力を使っている為、

水都が抱える負担は、ひなたの比ではなかったはずだから。

陽乃『ならそれでいいわ。何か問題でもある?』

九尾『……いや、問題はない』

陽乃『そう?』

九尾は少し、何か裏があるようなものを感じさせたが、

ならいいけど……と、陽乃は思う。

ひなたは元々素質があるし、2人の相性もいい。

だから、問題はないはずだ
495 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2022/06/05(日) 18:39:20.20 ID:AWMUGIn+o

大社は千景にご執心で、陽乃には関わっている余裕がない。

その千景は消息不明でまだにどこにいるのか掴めていない。

球子と杏は病院内におり、杏と病室を同じにしている。

若葉は球子と同様に被害が少なかったようだから自由の身で、そこにひなたもいる。

力を使った歌野は前回よりもやや酷い状態になっているが、

水都のおかげで最悪の事態には陥っていないし、

その反動の一部を引き受けていた水都も目を覚まし、命に別状はない。

陽乃『高嶋さんは?』

九尾『その小娘は、大社が引き取った』

陽乃『……また?』

若葉に対してひなたを引き取ったときのように、

千景に対して友奈を引き取って、牽制しようとでもいうのだろうか。

九尾『いいや、そういうわけでもなかろう。主様がみた時点で相当、疲弊しておったじゃろう?』

陽乃『そう、だったかしら』

戦いの記憶は、特に、後半から薄れていて、はっきりとしない。

ただ、言われてみれば……そうだった気もする。

九尾『それに加えて、精霊の影響が色濃く出ておるようじゃ。隔離するしかなかったとも言える』


1、貴女が擁護するなんて……
2、そう。大変そうね
3、郡さんが大変なことになりそうだけど
4、そこまで酷い状態なの?


↓2
496 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/06/05(日) 18:47:57.97 ID:0KGEuvJyO
4
497 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/06/05(日) 18:48:18.46 ID:pzj02EQz0
4
498 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2022/06/05(日) 20:16:06.03 ID:AWMUGIn+o
陽乃『そこまで酷い状態なの?』

九尾『ふむ……深く関わっているわけではないからのう』

ひなたや水都、後は歌野だろうか。

この3人であれば、九尾でもよくよく知ることが出来るけれど、

そこから外れている友奈のことは、3人ほど知ることは難しい。

陽乃の自由がなく、放っておけない今の状況では、

九尾の自由もほとんどないと言える。

そんな状況で、九尾もさすがにそこまで知ることは出来ないらしい。

けれど。

九尾『体の方もじゃが、あの娘、主様のもとに落ちてきたときからすでに精神も疲弊していたと見える』

陽乃『そういわれれば……あの子らしくない口ぶりだったわね』

九尾『それも影響して、いささか荒んでいるようじゃ』

押し付けられたリーダーとしての責任

そうして、庇いきれなかった友人である郡千景の状況。

流石に、友奈も限界だったのだろう。

陽乃『つまり、高嶋さんまで郡さんのようになるかもしれないって?』
499 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2022/06/05(日) 20:31:33.58 ID:AWMUGIn+o

九尾『その可能性はある』

友奈の精神力であれば、大丈夫だろう……と、

考えていなかったと言えば嘘になる。

だからこそ、九尾の言葉は少し信用ならないと思ったけれど、

それだけ、精霊の影響が強いということでもある。

大社は、精霊の影響なんて陽乃よりも理解していないだろうし、

千景の一件を経て、

最悪の場合を想定して行動しているとしたら、大社は間違っていないかもしれない。

陽乃『なかなか、不味い状況ね』

九尾『主様さえまともであれば、高嶋友奈の様子を確かめることもできるが、今は難しかろう』

陽乃『まぁ……』

今の陽乃には、他人の何かに介入するだけの余力がない。

残念だが、友奈のことは友奈自身

あるいは、その周囲の人物にどうにかして貰うしかない。

でも、だからこそ。

大社に管理されているという状況が気がかりだった。
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