【モバマスSS】モバP「まゆ、腕の骨を折らせてくれないか」

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2 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2022/06/24(金) 01:32:43.23 ID:u3cVmUzw0

――――事務所。



モバP(以下P)「……えっと、企画書はこれでオッケーで……次はライブの段取りを……前回の資料は……」

佐久間まゆ「…………」ゴソゴソ

P「……あれ、データに残してないのか……紙のファイルだっけ……ええっと……」

まゆ「…………」コポコポ

P「……こっちのデスクには……ない……となると……」

まゆ「…………」カチャ…
3 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2022/06/24(金) 01:33:36.93 ID:u3cVmUzw0

P「…………あー……」

まゆ「…………」ジーッ

P「……まゆ、ちょっといいかな」

まゆ「!」

まゆ「はぁい」パタパタ
4 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2022/06/24(金) 01:34:04.82 ID:u3cVmUzw0

まゆ「Pさん、どうしましたか? 何かお手伝いできること、ありますか?」

P「うん。悪いんだけど、あそこの棚にある白いファイルを取ってきてもらえるかな」

まゆ「お安い御用です♡ すぐ取ってきますね」

P「ちょっと高いところにあるから、気を付けてね」

まゆ「うふふ。ありがとうございます」
5 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2022/06/24(金) 01:34:47.65 ID:u3cVmUzw0

P「……連絡先は……これ更新が結構前だなぁ……まだ繋がるのかな……」

まゆ「……Pさん、これですか?」

P「あぁ、これこれ。助かるよ」

まゆ「いいえ。こっちに置いておきますね」パサッ

まゆ「それから、お茶もどうぞ。眉間にシワが寄ってますよ」コトッ

まゆ「集中してるPさんも素敵ですけど、まだシワのないお顔で居て欲しいです」

P「……ほんとに助かるよ。ありがとう、まゆ」

まゆ「いえいえ♡」
6 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2022/06/24(金) 01:35:53.07 ID:u3cVmUzw0

まゆ「……Pさん、今日はお忙しそうですね」

P「いろいろ締め切りが重なっちゃってさ。せっかく来てくれたのに、ほったらかしでごめんね」

P「お茶汲みまでさせちゃってるし……」

まゆ「いいえ。こうしてお話しできるだけでも嬉しいです」

まゆ「Pさんはお仕事があるってわかってて、それでも事務所に来たのはまゆの方ですから」

まゆ「それに、まゆは――」
7 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2022/06/24(金) 01:36:29.67 ID:u3cVmUzw0



まゆ「Pさんのお願いなら、なんでも聞きますよぉ」


8 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2022/06/24(金) 01:37:14.42 ID:u3cVmUzw0



P「ん?」


9 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2022/06/24(金) 01:37:59.17 ID:u3cVmUzw0

P「今」

P「なんでも聞くって」

P「言ったよね?」
10 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2022/06/24(金) 01:38:26.29 ID:u3cVmUzw0


まゆ「はい」

まゆ「なんでも聞くって」

まゆ「言いましたよぉ」

11 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2022/06/24(金) 01:40:52.94 ID:u3cVmUzw0


P「じゃあ、まゆ」

P「お願いがあるんだけど」

まゆ「はい、なんでしょう」

12 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2022/06/24(金) 01:41:23.20 ID:u3cVmUzw0

P「……あそこに、重たそうなダンボール箱がいくつかあるだろ」

まゆ「はい」

P「書類仕事が終わったら、あれを倉庫まで持っていかないといけないんだけど」

P「……手伝ってもらってもいいかな?」

まゆ「もちろん、いいですよぉ」
13 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2022/06/24(金) 01:42:48.16 ID:u3cVmUzw0

******



P「よいしょ、っと……まゆ、二つも持てる? 無理するなよ」

まゆ「んっ……大丈夫ですよぉ。レッスンで鍛えてますから」

P「わかった、それじゃあ行こうか」

14 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2022/06/24(金) 01:43:29.05 ID:u3cVmUzw0


P「……ごめんね、力仕事手伝わせちゃって」

まゆ「いいえ。Pさんのお手伝いが出来て幸せです♡」

まゆ「一緒に過ごせる機会をくださって、ありがとうございます。Pさん」

P「こちらこそ。ありがとう、まゆ」

15 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2022/06/24(金) 01:44:14.16 ID:u3cVmUzw0

――――倉庫。



P「よいしょっと。……まゆ、それはこっちに置いてくれ」

まゆ「はぁい。んっ、と……ふぅ」

P「よし、これでオッケーだ。本当に助かったよ、まゆ」

まゆ「いえいえ。こんなことならいくらでもお手伝いします」

16 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2022/06/24(金) 01:45:06.88 ID:u3cVmUzw0

P「……じゃあさ、まゆ」

P「ちょっと奥まで付いてきてくれるかな」

まゆ「? はい」
17 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2022/06/24(金) 01:45:48.93 ID:u3cVmUzw0

まゆ「……Pさん、こんなところで何を――あっ」

まゆ「これ……ソファ、ですか?」

P「うん。最近応接室のソファが新しくなってさ」

P「古いほうの置き場に困って、倉庫に置きっぱなしなんだ」
18 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2022/06/24(金) 01:46:35.69 ID:u3cVmUzw0



P「……今日、全然まゆと話せてなかったからさ。ここなら人目も気にしなくていいし」

P「お願い――というより提案なんだけど」

P「少し……のんびりしていかないか」




まゆ「……はい♡」

19 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2022/06/24(金) 01:47:30.48 ID:u3cVmUzw0

******



P「……あの後ついつい話し込んで、夜遅くなってしまった」

P「まゆすき」

P「まゆすき……」

P「……お願い、なんでも聞いてくれるって言ってたっけ」

P「今度は別のお願いをしてみようかな」

20 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2022/06/24(金) 01:48:38.25 ID:u3cVmUzw0



******



P「……まゆ。お願いだ」

まゆ「………………」

P「……見逃してくれない、かな」

21 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2022/06/24(金) 01:49:06.23 ID:u3cVmUzw0



まゆ「…………お昼ご飯がコンビニ弁当なのは、いいんです」

まゆ「ちょっとだけですけど野菜も入ってますし、男の人はたくさんご飯を食べたいでしょうから」

まゆ「お菓子も、たまにならいいと思います」

まゆ「Pさんがたくさん働いているのは知ってますから。激務の後は甘いものが欲しくなる時もありますよね」

22 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2022/06/24(金) 01:49:47.07 ID:u3cVmUzw0


まゆ「でも」

まゆ「Pさん」

P「はい……」

まゆ「お昼ご飯が……『お菓子だけ』、なのは」

まゆ「いくら何でも、見過ごせません………………」

23 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2022/06/24(金) 01:50:38.37 ID:u3cVmUzw0


P「仕方ないんだよ、最近忙しいし……食欲もなくて」

P「お菓子なら食べやすいし、多めに買ってストックもできるから、つい」

まゆ「だからって甘いものばっかり食べてたら、余計にバテちゃいますよぉ……」

まゆ「自炊は難しくても、野菜とかサラダチキンとか……せめて麺類でもいいですから、しっかりご飯になりそうなものを食べてください」
24 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2022/06/24(金) 01:51:34.91 ID:u3cVmUzw0


P「それはわかってるんだけど……」

P「いざコンビニに向かうと、お弁当を見るだけで胸やけしちゃうんだよ。それで結局、食べやすそうなものを買っちゃって……」

まゆ「もう……Pさん、ちゃんと三食食べれてますか?」

P「……おとといは食べたよ」

まゆ「毎日食べてください!!」
25 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2022/06/24(金) 01:52:22.71 ID:u3cVmUzw0



まゆ「……決めました」

まゆ「Pさんが迷惑に思うかもしれないから、どうしようか悩んでたんですけれど」

まゆ「明日から、Pさんのためにお弁当作ってきます」

P「え……いや、それはさすがに悪いよ」

26 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2022/06/24(金) 01:53:15.57 ID:u3cVmUzw0



まゆ「まゆがやりたいからやるんです。ダメって言われても、やります」

まゆ「一人分でも二人分でも、手間はそこまで変わりませんから」

P「いや、でも……」

まゆ「やります」

P「その……」

まゆ「やります」

P「…………」

27 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2022/06/24(金) 01:53:44.74 ID:u3cVmUzw0


P「……じゃあ、まゆ。お願いだ」

まゆ「……なんでしょうか」

28 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2022/06/24(金) 01:54:34.26 ID:u3cVmUzw0


P「明日のお昼だけど……」

P「……卵焼きが好きだから、二個くらい入れてくれると嬉しいな」

まゆ「!」

まゆ「ふふ。はぁい♡」

29 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2022/06/24(金) 01:55:49.16 ID:u3cVmUzw0



******



P「卵焼き、焼き魚、ポテトサラダ……ご飯はキノコの炊き込みご飯だ。凝ってるなあ」

P「どのおかずも文句なくおいしい。誰かの作ったお弁当なんて久々すぎて涙が出そうだ」

P「まゆすき」

P「ほんとすき」

P「……今回はどちらかというと、僕がお願いを聞かされてしまったけど」

P「次はどうしようかな……」

30 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2022/06/24(金) 01:57:12.89 ID:u3cVmUzw0



******



P「まゆ、お願いしていいかな」

まゆ『はい、Pさん』

P「悪いんだけど――」

31 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2022/06/24(金) 01:57:40.16 ID:u3cVmUzw0



P「今日は迎えに行けそうにない」

P「遠くて大変だとは思うけど、収録が終わったら自力で直帰してもらえるかい?」


32 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2022/06/24(金) 01:58:52.71 ID:u3cVmUzw0


別P「おーい、払い戻し今どこまで行った!?」

別P2「先行抽選の方までは終わった! 一般はこれから!」

千川ちひろ「誰か手が空いてる方いますかー!? 居たら誰でもいいので電話出てくださーい!!」

別P3「埼玉の会場ダメだってよ! 他の候補調べさせてくれ!」

別P4「なあ誰かうちの志希知りませんか!?」

33 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2022/06/24(金) 02:00:05.78 ID:u3cVmUzw0


まゆ『……大変そうですねぇ』

P「うん……大きなライブが急になくなっちゃったからね。事後処理の量がすごいのなんの」

まゆ『こんなに急に会場が使えなくなるなんてこと、あるんですね……』

P「一週間くらいは事務所にカンヅメになりそうだ……」

P「……でも、朝にまゆが渡してくれたお弁当を楽しみに頑張るよ。ありがとう」

まゆ『ふふ、それはよかったです。明日からは、エネルギーが出そうなおかずを作ってきますね』

P「よろしく……」

34 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2022/06/24(金) 02:00:44.92 ID:u3cVmUzw0


別P3「おい、まだ飯食ってない奴いるか!? 今のうちに食って三十分で戻って来い!」

P「おっと……じゃあ、そろそろ」

まゆ『はぁい。Pさん、無理はしすぎないでくださいね』

P「まゆも、帰り道は気を付けてね。それじゃ」

プツッ

35 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2022/06/24(金) 02:01:35.76 ID:u3cVmUzw0



******



P「さて……」

P(さすがにここでは食べづらいな。周りが慌ただしいし)

P(かと言って弁当を持って食堂に行くのもマナーが悪いし……)

P「……行くとしたら、あそこかな」

36 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2022/06/24(金) 02:02:11.13 ID:u3cVmUzw0



――――倉庫。



P「ん……今日の弁当も美味しい」

P(やっぱりこのソファはいいな。捨てられるのがもったいない)

P(ちょっと暗くて埃っぽいけど、静かだし)

P(落ち着く……)

37 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2022/06/24(金) 02:02:55.61 ID:u3cVmUzw0



P(まあ、今日は先客が居たわけだけど)

毛布「…………」

P「…………」

毛布「…………すぅ……」

P「…………」

38 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2022/06/24(金) 02:03:32.86 ID:u3cVmUzw0


P(デカい毛布が……丸まって寝息を立てている……)

P(その横で昼飯を食べてるの、すごいシュールだな)

P(ていうか、これ多分――――ん?)

39 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2022/06/24(金) 02:04:01.66 ID:u3cVmUzw0


ドタドタドタ……

別P4「――ここか!? おい志希――うおっ」

P「わっ」

毛布「…………」

別P4「あ、食事中か。すまん……」

P「あ、いえいえ。お疲れ様です」

40 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2022/06/24(金) 02:04:42.36 ID:u3cVmUzw0


P「一ノ瀬さん、また行方不明なんですか」

別P4「そうなんだよ……どっかで見てないか?」

P「いいえ。お力になれずすみません」

別P4「いやそんな、いいんだ。見つかったら教えてくれ」

P「分かりました」

41 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2022/06/24(金) 02:05:37.59 ID:u3cVmUzw0


別P4「……ちなみに聞きたいんだが、そちらの毛布の中にいるのは……?」

P「ん、ああ」

毛布「…………」モゾ…

P「…………」

42 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2022/06/24(金) 02:06:40.35 ID:u3cVmUzw0


P「……うちの佐久間ですよ」

P「早起きしてこの弁当を作ってきてくれたんですが、そのせいで少し眠くなったらしくて」

別P4「羨ましいな。良い関係じゃないか」

別P4「……うちの志希も、その一割でもいいから殊勝さを見習ってくれないかな」

43 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2022/06/24(金) 02:07:21.37 ID:u3cVmUzw0


P「……一ノ瀬さんは一ノ瀬さんで、色々あるんでしょう。きっと」

別P4「それは分かってる。けど、次のライブが控えてるのにレッスンから逃げるのはまた話が別だ」

P「おっしゃる通りです」

別P4「昼飯時に邪魔したな。それじゃ」

別P4「おーい! 志希ー……」

44 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2022/06/24(金) 02:08:30.97 ID:u3cVmUzw0


P「…………」

毛布「…………」

P「……もう行きましたよ」

毛布「…………にゃはっ」バサッ

45 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2022/06/24(金) 02:09:22.58 ID:u3cVmUzw0


一ノ瀬志希「ふぅ、暑かったー!」

志希「もう全身蒸れ蒸れの皺くちゃだよ。見て見て、洗濯後の白衣みたーい」

P「……おはようございます」

志希「んふふ、おはようございますまゆちゃんのPさん。この度は危ういところを庇っていただき誠に感謝の"か"を表明します」

46 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2022/06/24(金) 02:10:11.62 ID:u3cVmUzw0


P「これはご丁寧に。どういたしまして」

P(……感謝の"か"って何だ?)

志希「いや〜それにしてもビックリしたよ。見つかって怒られ引きずられ連れてかれコースかと思ったら、こんな予期せぬ助太刀で逃げ切れちゃうなんてね」

志希「……で、どういう意図なの?」

47 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2022/06/24(金) 02:10:54.57 ID:u3cVmUzw0


P「いえ、特に深い意図はないですが……」

P「隠れたいなら、匿ってあげようかなと思っただけで」

志希「ふぅ〜ん、優しいんだね。博愛主義? ヒューマンラブ?」

P「強いて言うなら、アイドルラブです」

志希「……なるほど?」

48 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2022/06/24(金) 02:11:33.58 ID:u3cVmUzw0


志希「んじゃ、助けてもらったお礼に……」

志希「よかったら志希ちゃんのことも、ラブってく?」

49 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2022/06/24(金) 02:12:02.40 ID:u3cVmUzw0


志希「これから一分間、アタシは何があっても動かないし、何をされても文句言わない」

志希「現役JKの蒸れ蒸れエクリン汗腺をさ。嗅ぐ? 舐める? ふやけるまで噛んじゃう? 好きにしていいよ」

志希「ねえ、キミはアタシのこと……どうやって味わいたい?」

50 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2022/06/24(金) 02:12:53.62 ID:u3cVmUzw0



P「あ、遠慮します。僕にはまゆが居るので」

志希「ずこー!!」

志希「志希ちゃん超ショック。据え膳食わぬは男の恥ではなかったのかー!」

P「まゆに言えないような事をする方が、もっと恥なので」

51 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2022/06/24(金) 02:13:34.53 ID:u3cVmUzw0


志希「……まあいーよ。一応借りって事にしとく」

志希「怪しいオクスリが欲しかったらいつでも尋ねてよ。効果は保証しないけどね」

P「……いいんですか? 余計な事をしたかな、と思っていましたが」

志希「んー、にゃにがー?」

P「いえ、もしかして」

52 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2022/06/24(金) 02:14:14.55 ID:u3cVmUzw0


P「本当はあなたのPに見つかって、怒られて、引きずられて、連れていかれたかったのかなって」

志希「…………キミのような勘のいいプロデューサーは嫌いだなぁー」

53 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2022/06/24(金) 02:15:10.65 ID:u3cVmUzw0


P「……もう少し素直に接してあげれば、彼も応えてくれるとは思いますが」

志希「それはゾウリムシに空を飛べって言ってるようなものだよ」

P「希望を持つのは素晴らしい、という意味で?」

志希「無理なものは無理って意味でー!!」

54 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2022/06/24(金) 02:16:06.14 ID:u3cVmUzw0


P「……一ノ瀬さん」

P「僕とまゆだって、お互いの気持ちを口にするまでは、ずっと不安だったんですよ」

P「こんなに魅力的な相手なのに、ただの片想いだったら……相手はただ自分に合わせてくれてるだけだったらどうしようって、お互いに思っていたんです。側から見れば結果は明らかだったとしても」

P「相手にとって分かりやすい形で気持ちを伝えるっていうのは、思っているよりずっと大事なんですよ」

55 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2022/06/24(金) 02:17:01.41 ID:u3cVmUzw0


志希「……ご高説どうもー」

P「どういたしまして」

P「……感謝の"か"は貰えないんですか?」

志希「まゆちゃんPからお説教なんて貰ってもあんまり嬉しくないしー。感謝の"ゃ"くらいしかあげられないなぁ」

P(どういう基準なんだ?)

56 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2022/06/24(金) 02:18:21.64 ID:u3cVmUzw0



志希「ん……ふぁ。じゃ、志希ちゃんまたゴロゴロするから。おやすみー」ヒラヒラ

P「ええ、おやすみなさい」




P(……変な体験だった)

P(僕もそろそろ、仕事に戻らなきゃな……)


57 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2022/06/24(金) 02:19:01.66 ID:u3cVmUzw0


――――事務所、深夜。




別P3「あぁ〜今日は疲れたよ、ホント……お前はまだ帰らないの?」

P「はい、これも来週までに仕上げないといけないので」カタカタカタカタ

別P3「……それはご愁傷様。けど明日でもいいんじゃないか?」

P「ここまで残業したら多少伸びても一緒かなと」

別P3「そうかも……そうかな……?」

58 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2022/06/24(金) 02:20:00.19 ID:u3cVmUzw0



別P3「残業は勝手だけど、明日に響かせるなよ」

P「もちろん、弁えてます。お疲れ様でした」

別P3「お疲れ。落ち着いたら飲みに行こうな!」

P「はい、楽しみにしてます」

59 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2022/06/24(金) 02:20:27.43 ID:u3cVmUzw0


P「誰もいなくなっちゃったな……」

P「……頑張るか」

60 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2022/06/24(金) 02:21:00.69 ID:u3cVmUzw0


P「……」カタカタカタカタ

P「…………」ペラッペラッ

P「………………」ガサゴソ パチン

P「……………………」カタ…

P「……………………腹減ったな」

61 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2022/06/24(金) 02:21:39.34 ID:u3cVmUzw0


まゆ「お夜食作りましょうかぁ?」

P「うわっ!?」ビクッ

62 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2022/06/24(金) 02:22:17.50 ID:u3cVmUzw0


まゆ「うふふ」

P「びっ……くりした」

P「……来るなら先に連絡入れてくれ」

まゆ「深夜だから、ダメって言われると思って」

まゆ「勝手に来ちゃいました」

P「思ったところで止まって欲しかったな……」

63 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2022/06/24(金) 02:23:00.05 ID:u3cVmUzw0


まゆ「本当は駅からタクシーでまっすぐ帰るところだったんです。だけど事務所の電気がついてたから、もしかして、って」

まゆ「もし、まだPさんが居るなら……顔を見て、お疲れ様ですって言いたかったんです」

64 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2022/06/24(金) 02:23:52.25 ID:u3cVmUzw0


P「……気持ちはすごく嬉しいよ」

P「でも、高校生がこんな時間まで外に居たらダメだ。何があるか分からないんだから」

P「明日は朝から授業だろう? 早く帰らなきゃ、ダメだよ」

65 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2022/06/24(金) 02:24:43.10 ID:u3cVmUzw0


まゆ「……Pさんも」

まゆ「明日は朝からお仕事ですよね」

まゆ「……Pさんはずっと、もっと遅くまで一人でお仕事するんですか? 今日、忙しくて大変だったんですよね?」

まゆ「そのつらさを、ちょっとでも分かち合いたくて……少しでもPさんとお話が出来たらって思って、ここに来たんです」

66 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2022/06/24(金) 02:25:30.60 ID:u3cVmUzw0


まゆ「……どうしても、まゆだけ先に帰らなきゃいけないですか?」

P「……」

67 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2022/06/24(金) 02:26:29.94 ID:u3cVmUzw0


P「……まゆ」

P「お願いだ」

まゆ「…………」

68 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2022/06/24(金) 02:27:11.22 ID:u3cVmUzw0


P「……窓の戸締り、見てくれるかな」

P「今から帰るから」

69 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2022/06/24(金) 02:28:03.27 ID:u3cVmUzw0


――――駐車場。



まゆ「……あの、お仕事は、大丈夫なんでしょうか……? まゆがお願いしたからって、Pさんが無理をされるのは嫌です……」

P「大丈夫だよ。締め切りはまだ先だし」

P「どうせ残業するなら一緒だろって思って残ってただけだから、気にしないで」

まゆ「……うふ。はぁい♡」

70 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2022/06/24(金) 02:29:01.19 ID:u3cVmUzw0


P(事務所の地下の駐車場)

P(くすんだコンクリートと、古ぼけた蛍光灯)

P(たった一台だけ止まっている車。僕の黒い車)

P(二人分の足音が大きく響く)

まゆ「……誰もいない駐車場って、なんだかドキドキしますね」

P「そうだね」

71 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2022/06/24(金) 02:29:51.56 ID:u3cVmUzw0


まゆ「なんだか、何もしてないのに……悪いことをしているような気分になっちゃいます」

まゆ「緊張のドキドキに、ちょっとだけワクワクが混じったみたいな……甘い気持ちです」

P「深夜に一人で事務所まで来るのは悪いことだけどね」

まゆ「その通りですね。うふふ」

72 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2022/06/24(金) 02:30:50.19 ID:u3cVmUzw0


P「じゃあ、これ以上悪い子にならないうちに帰ろう。乗って」

まゆ「はぁい」


ガチャ バタン


P「…………」

まゆ「…………」

73 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2022/06/24(金) 02:32:11.77 ID:u3cVmUzw0


P(エンジンをかける)

P(シフトレバーを握る)

P(その瞬間、不意に)

P(まゆの手が、僕の手を覆う)

P「…………」

P「まゆ」

74 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2022/06/24(金) 02:33:16.55 ID:u3cVmUzw0


まゆ「…………っ」

まゆ「あのっ」

まゆ「……今日はまゆからお願いをしても、いいですか」

75 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2022/06/24(金) 02:34:05.93 ID:u3cVmUzw0


P「いいよ」

P「何でも言ってごらん」

76 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2022/06/24(金) 02:34:41.12 ID:u3cVmUzw0


P(エンジンを切る)

P(まゆの震えが……躊躇う気持ちが手から伝わってくる)

P(……恐がってる? 僕にお願いをすることを?)

P(僕に失望されたらどうしよう、って思っているのだろうか)

77 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2022/06/24(金) 02:35:43.69 ID:u3cVmUzw0



まゆ「Pさんは、まゆ、を……っ」

まゆ「…………っ」

まゆ「……これから」

まゆ「これからまゆが言うことを、最後まで聞いてくれますか?」

P「……もちろん」

78 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2022/06/24(金) 02:37:04.40 ID:u3cVmUzw0


まゆ「……まゆは」

まゆ「まゆは、最近……とっても、悪い子になってしまって」

まゆ「ものすごく……寂しい、んです」

まゆ「Pさんの事は、ずっと大好きでした」

まゆ「毎日お顔を見られるだけで、すごく幸せでした」

79 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2022/06/24(金) 02:37:32.21 ID:u3cVmUzw0


まゆ「でも、それだけじゃ足りなくなって」

まゆ「お仕事の時間も、レッスンの時間も、学校にいる時も、お休みの時だって、Pさんの事を考えずにはいられなくて」

まゆ「Pさんに会いたくて」

まゆ「Pさんに頼ってもらいたくて」

まゆ「まゆだけを頼ってもらいたくて」

まゆ「Pさんにずっとまゆだけを見てほしくて」

80 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2022/06/24(金) 02:38:08.21 ID:u3cVmUzw0


まゆ「それで今日、朝から夜までのたった半日が耐えられなくて」

まゆ「……こうして、深夜なのに会いにきちゃったんです」

P「……」

81 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2022/06/24(金) 02:38:45.30 ID:u3cVmUzw0


まゆ「Pさん」

まゆ「そんな、悪い子のまゆは」

まゆ「迷惑では、ないですか……?」

82 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2022/06/24(金) 02:39:22.14 ID:u3cVmUzw0


P「……まゆ」

P(シフトレバーから、そっと手を引く)

P(布が滑り落ちるように、二人の手が離れる)

まゆ「……っ!」

83 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2022/06/24(金) 02:39:55.47 ID:u3cVmUzw0


P(怯えたまゆが手を引くより先に)

P(僕は、まゆの手を握り直した)

P「まゆ」

P「迷惑だなんて思ってないよ」

84 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2022/06/24(金) 02:40:39.62 ID:u3cVmUzw0


P「僕は大人だから、深夜に出歩いてるまゆを叱らなきゃいけない」

P「だけど本当は、会いに来てくれて嬉しかった」

P「僕もまゆの顔が見たかった」

P「本当は、僕も朝から晩まで……一日中だって、まゆといたいと思ってるよ」

85 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2022/06/24(金) 02:41:05.14 ID:u3cVmUzw0


まゆ「……!」

P「でも、今日は帰ろう」

P「まゆと一緒にいたいって気持ちと同じくらい、僕はまゆに楽しくアイドルをやってほしいと思ってる」

P「だからしっかり睡眠をとって、明日も元気な顔を見せてほしいんだ」

86 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2022/06/24(金) 02:41:52.92 ID:u3cVmUzw0


まゆ「……それは」

まゆ「Pさんが、大人だからですか?」

P「いや」

P「まゆのことが、大事だから」

P「……焦ってほしくないんだ」

87 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2022/06/24(金) 02:42:38.98 ID:u3cVmUzw0



P「僕はまゆが望んでくれる限り、まゆのプロデューサーで居続けるから」


88 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2022/06/24(金) 02:43:43.73 ID:u3cVmUzw0


P(まゆは、何か言いたそうに俯いて)

まゆ「…………」

まゆ「……わかりました」

P(それだけ言って、また下を向いた)

89 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2022/06/24(金) 02:45:23.12 ID:u3cVmUzw0



******



P「……何か、間違ったかな」

P「まゆを安心させたかったんだけどな」

P「……僕がまゆに頼っているのと同じくらい、まゆも僕に頼ってほしい」

P「やりたい事やしてほしい事を、もっと伝えてほしい」

90 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2022/06/24(金) 02:46:00.52 ID:u3cVmUzw0



P「僕だって、まゆのためなら何でもしたい」

P「だけどまゆは、僕に対して多くを望んでくれないから」

P「まゆが秘めている思いを知りたい」

P「まゆは僕に何を望んでくれているんだろう」

P「まゆをもっと知りたい」

91 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2022/06/24(金) 02:47:16.88 ID:u3cVmUzw0



P「どんなきっかけがあれば、まゆは僕にワガママを言ってくれるだろうか?」

P「まゆの望みを知りたい」

P「まゆの全部を知りたい」

P「明るい面も暗い面も、僕に見せている事も隠している事も、全部を知りたい」

92 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2022/06/24(金) 02:49:20.86 ID:u3cVmUzw0


P「まゆはこれ以上なく嬉しいと思った時にどんな風に笑うんだろう」

P「まゆは悲しい時にどんな顔をするんだろう」

P「まゆは怒った時にどんな目で僕を見るんだろう」

93 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2022/06/24(金) 02:50:01.57 ID:u3cVmUzw0


P「まゆが本気で痛がった時」

P「まゆはどんな悲鳴を上げるんだろう」
94 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2022/06/24(金) 02:50:50.65 ID:u3cVmUzw0



******



P「まゆ。お願いがあるんだけど」

P「今から事務所に来れるかい?」

95 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2022/06/24(金) 02:52:03.16 ID:u3cVmUzw0



まゆ「……お疲れ様です。Pさん」

P「まゆ。わざわざありがとう」

P「ごめんね、こんな深夜に」

96 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2022/06/24(金) 02:52:49.32 ID:u3cVmUzw0


まゆ「いえ、まゆは大丈夫です。ちょっとだけ眠たいですけど」

まゆ「Pさんこそ……どうしたんですか、こんな時間に」

まゆ「もう日付も変わったのに、事務所にいるなんて……」

P「残業してたんだ」

P「まゆと、二人きりで話がしたくて」

97 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2022/06/24(金) 02:53:17.88 ID:u3cVmUzw0


まゆ「……それは」

まゆ「まゆが明日から、二週間もお休みをもらったことに関係がありますか」

P「ああ……そうだね」

P「まずこれだけ残業しているのは、僕もまゆと同じだけの休みを取るためだ」

98 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2022/06/24(金) 02:54:14.70 ID:u3cVmUzw0


まゆ「それ、って……」

P「それからまゆ、もう一つ」

P「まず、僕の話を聞いてもらっていいかな」

まゆ「……はい」

99 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2022/06/24(金) 02:54:43.42 ID:u3cVmUzw0


P「……あらかじめ言っておく」

P「今から僕はまゆに、一つお願いをする」

P「それは……まゆにとってすごく大変なお願いになる」

まゆ「っ……」

100 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2022/06/24(金) 02:55:20.51 ID:u3cVmUzw0


P「だからもし……これからするお願いを断っても、僕は何も文句を言わない」

P「明日からも、今までと同じようにまゆに接する。今まで通りまゆのプロデューサーとして生きていくし、何なら、明日からのお休みは二人でどこかに出かけよう」

P「だけど、まゆが」

P「もし僕の頼みごとを聞いてくれるなら」

101 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2022/06/24(金) 02:55:59.15 ID:u3cVmUzw0



P「僕はこれから、まゆのお願いを何でも、何度でも叶える」


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