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男「ドスケベ常識改変カレンダーでみんなを笑顔に」後輩女「4!」
- 232 : ◆FdkaB5CQpg [saga]:2023/04/29(土) 01:43:43.04 ID:Jnj0a/CG0
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お嬢に両手で握られている包丁は月の光を吸収し冷徹に輝きながら鮮血でその身を汚していた。血の持ち主は男であり、刀身の半分ほどを腹部に埋め込まれた男は驚愕と悲哀の表情でお嬢を見つめる。
男「っ…ぐ…っ…」ピピッ
お嬢「……(血飛沫が頬に飛び散る)」
男「あ…ぁ゛ぁ゛…あ…っ…なんっ…………で…」
男「お嬢……お、おじ……っ…ごふ…さん…う…な、なんで」
血がフローリングに垂れ、男は自分の身体が急速に冷めていくのを感じる、しかしそのことよりもお嬢の凶行に対する回答を彼の脳は欲していた。付き合い始め、初めてお嬢の屋敷に招待された。一晩泊めさせてもらう約束までしてしまい、ドスケベ改変とは関係なしに恋人として一夜を共にできると興奮を抑えられずにいたというのに。
男「はあ…っ…あ゛あ…っ……」
激痛に悲痛な声が漏れながら、膝に力を入れお嬢を見つめる。自分の人生が唐突に終わりそうな非常事態だが、自分に非があるならば謝らなければならないという思いが彼を動かしていた。
お嬢「……貴方が…」
お嬢「貴方が悪いのですわ……」ギリ
男「ごほっ……う゛……?…っ」
お嬢「私と恋仲となったにもかかわらず…かかわらず!」
お嬢「他の女性に目移りを…何度も何度も…許しませんといっていたにもかかわらず…!」
男「なっ…何のことなんだ…俺は…っ…う゛う…お、お嬢さんさんだけを…」
お嬢の碧眼は狂気に彩られ爛々と暗い光を宿しており、嫉妬に狂った彼女の脳と視神経で繋がっていることを男に感じさせた。恋人同士になったことで彼女の中で男の存在が唯一無二のものとなってしまっていたのだ。そしてそれは最早二人しかこの世には必要ない、二人を引き離す存在は家族も友人も許さず、場合によっては心中し永遠の愛を誓い合うところまでいってしまい、良家の末妹として抑圧された精神は使用人のメイドも気付かない内に歪んだ成長を遂げてしまっていたのだ。
男「ご…っ誤解………ぐ…」
お嬢「心配しなくても…私もすぐにいきますわ……そして…貴方を誑かした…後輩女さんも…あちらではまた仲良くできると嬉しいですわね」
男「!な…」
お嬢「ふふふ……そうです、彼女もすでに。頸動脈を絶つことで現世から解放して差し上げましたわ…ふ、ふふふふ…」
男「なんで………っこんな、ことに……っ…」
お嬢「アハハハハハハ!肉体が悪いのですわ!スピリットのみの存在になれば不義理も嫉妬も存在しないのですわ!!そこでこそ私達は真に愛することができるのではないですか!」
お嬢「そして…叶うならばこんな私を拒否してくださいませ」
男は視界が暗くなるのを感じながら、お嬢、後輩女、そして家族友人に謝罪の言葉を心の中で述べていた。
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