【R-18G】幼女災害【安価】

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450 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/02/17(土) 21:28:18.37 ID:Np2AsPXWo


???「あー、これは折れてる」グイ

葵「い゛ったい!」ビクッ

 衛生科の幼女に、腫れ上がった右手首をつままれ、葵は呻いた。

ねね「あーあ…どのくらいかかりそう? 『ウメ子』ちゃん」

 ねねの問に、その幼女…北里 ウメ子(きたざと うめこ)医官は軽い口調で言った。

ウメ子「なぁに、折れてると言ってもちょいとヒビが入った程度さ。2週間シーネ固定で安静にして、それから1ヶ月くらいリハビリすれば治る」

葵「1ヶ月も!?」

 葵の顔から血の気が引いた。その間は、戦闘はおろか訓練もできないと言うことか。
 ウメ子が、添え木を当てて包帯を巻き始めると、ねねはベッドから離れていった。拠点の向こう側にいるのは、幸実たちだ。崩礼や、透の姿もある。

ねね「…で、結局全員逃げられたって?」

崩礼「…」コクン

透「散開はしていますが、おそらく首相官邸付近で合流するものと」

ねね「なぁーにやってんのよ!」ビシッ

崩礼「…面目ない」

 珍しく、崩礼が沈んだ声で詫びた。

幸実「甘く見てたねぇ〜…」

 不意に、今まで黙り込んでいた幸実が、口を開いた。

幸実「今まで、トレイターのテロ行為や、その被害ばっかり見てたけど…いざ、相対したら、思ったよりも個々が強かったねぇ」

崩礼「45口径をガンガンぶっ放す篠崎でさえ、一発で腕が折れるくらい反動がヤバい銃を、毒島は余裕で連射してたんでしょう? 兵一人でどうにかできる域を超えてるでしょう」

幸実「かと言って、平地とか数で圧せるような戦場は、上手いこと避けてくるんだよねぇ〜…」

 幸実は、拳を握った。

幸実「…官邸に出たら、うちが出るよ」
451 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/02/17(土) 22:30:21.30 ID:Np2AsPXWo
ねね「か、閣下が出たら、めちゃめちゃになっちゃわない? 官邸が」

透「確かに毒島は強敵ですが、少なくとも鉄山7班長なら互角に戦えます。まだ、閣下が出るべきでは」

幸実「でも、それクラスが少なくとも4人だよ? 毒島のギフトは『繁殖』で、あんまり戦闘向きじゃないけど、戦闘特化のギフト持ちも混ざってるだろうし…」

崩礼「…確かに、出し惜しみしてる場合じゃ無いかもな」ボソッ

透「玉置班長…」

崩礼「篠崎が負傷した今、俺たち8班にまともな戦闘要員はいない。乙坂がギフトを使いこなせれば分からないが、それを待つ余裕は無い。穴掘りならできるが、市街戦は得意じゃない。悔しいが…もう、俺たちにできることは無さそうだ」

ねね「ぶっ飛ばすわよ!?」

 突然、ねねが怒鳴った。

ねね「もう、状況は総力戦よ。できることが無い、じゃなくて、こっちで見つけて勝手に押し付けるから! 手始めに、ここ撤収する時の片付けしといてね!」

崩礼「なっ!? それこそ1班の仕事だろ!」

ねね「ざーんねん、次の設営がある時は、撤収は他に任せて良いのよ! …で、トレイターは見つかったのかしら?」

透「まだです。ただ、襲撃に備えて、既に首相官邸の敷地内に基地設営の許可は取ってあります」

ねね「仕事が早い! じゃあ、さっさと移動するわよ!」







 首相官邸へ移動していく兵たちとは反対に、葵は基地に併設された病院へ運ばれた。そこで検査を受け、仮固定の添え木からしっかりしたギプスに替えられた。

温海「」キュ キュ キュ

温海「…はい、出来上がり♡」

 真っ白なギプスに、マジックでハートマークを描くと、温海は言った。葵は黙ったまま俯いている。

温海「利き手が使えなくて不便でしょう。入院中は、いつでも看護官を呼んでね♡」

葵「…」

 そのまま病室へ移った。白いベッドの上で一人になると、葵の目からぽろぽろと涙が溢れてきた。

葵「…っ…ひぐっ…」ポロポロ



安価下コンマ
01〜40 コトブキ
41〜90 コトブキ&お兄ちゃん
91〜00
452 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/02/17(土) 23:01:53.97 ID:GF6bN/+B0
453 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/02/17(土) 23:07:13.87 ID:Np2AsPXWo
neru
454 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/02/17(土) 23:56:28.96 ID:TCyToQZGo
おつ
ここでいいコンマか?
いい展開こいこい
455 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/02/18(日) 19:07:13.53 ID:ltxaWqj5o
葵「Zzz…」

ギィ…

ヒタ ヒタ ヒタ…



???「…」



 泣き疲れて眠る葵に、人型の影が差した。手に持つ懐中電灯の光が、葵の肌に反射して、銀色のショートヘアと褐色の肌、そして真っ赤な虹彩を照らした。

葵「…ん」モゾ

 不意に差し込んだ光に、葵が目を覚まし…弾かれたように起き上がった。リボルバーを出そうとして、右手がギプスに覆われていることを思い出し、左手で銃を握った。

葵「だ、誰!?」

 すると侵入者は、驚くほどあどけない顔で、葵を見て…それから名乗った。



リュイア「リュイア・トラメスロ。アオイを、迎えに来たよ」
456 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/02/18(日) 20:20:27.64 ID:ltxaWqj5o
葵「迎えに…? リュイアは、トレイターなの?」

リュイア「Si」コクン

葵「首相官邸に行ったんじゃないの…?」

リュイア「Aliceたちは、行った。リュイアは、ここに来た」

葵「…毒島ユカリも、あたしを誘ってた。何で? あたし…全然、強くないのに…」

リュイア「ギフトが、2つあるから」

葵「そんなの、何の役にも立たない!」

 葵は思わず叫んだ。

葵「皆…みんな、びっくりして、特別だって言って、期待してるって言って…でも、全然勝てない…強くなれない…」

リュイア「…」ジッ

 まくし立てる葵を、リュイアは赤い目でじっと見つめ…それから言った。

リュイア「そんなこと知らない。2つ持ってる、それが大事」

葵「は…?」

リュイア「アオイはギフト、『2つ』ある。…でも、『1つも持ってない』人、いる」

葵「1つも…?」

リュイア「その子が貰えなかったギフト、アオイが持ってる。だから、誘った」

葵「…」

 リュイアは、葵に手を差し伸べた。

リュイア「だから、来て」



安価下 21:00まで多数決 どうする?
@手を取る

A銃を向ける

Bその他要記述
457 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/02/18(日) 20:26:31.98 ID:sziaQGPA0
2
458 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/02/18(日) 20:29:23.08 ID:JMiWcN2/o
2
459 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/02/18(日) 20:50:36.61 ID:EuWwOX3Lo
2
460 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/02/18(日) 21:07:00.13 ID:ltxaWqj5o
ねる
461 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/02/18(日) 21:46:46.67 ID:EuWwOX3Lo
おつ

新キャラ昔選外だった子じゃん多分
サプライズ
462 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/02/20(火) 21:14:51.31 ID:Sv7UDUHFO
葵「…」スッ

 葵は、銃を持った左手を下ろし、ギプスに覆われた右手を上げ…壁際のナースコールを押した。

リュイア「!」

葵「」ジャキッ バンッ バンッ

 狼狽するリュイアに、葵は左手でリボルバーを連射した。



「5号室からナースコールが…」「銃声よ!?」「急げ!」



リュイア「っ…!」

 躱しきれず、腕に被弾したリュイア。血の滲む腕を押さえながら、逃げ出そうとしたところへ、看護官や巡回兵たちがなだれ込んできた。

「動くな!!」「何者?」「テロリストの仲間か!?」

葵「その子、トレイターの一味!」

リュイア「…Ah」

 自分を取り囲む、武装した兵たちに、リュイアは観念したように両手を挙げた。



紫苑「…では、トレイターの内の一人には、ギフトが『無い』と」

葵「そう、言ってました…」

 病室にて。ベッド際に腰掛けた紫苑に、葵が頷いた。

葵「…リュイアが、それじゃないんですか?」

 無抵抗に捕まった彼女の姿を思い浮かべながら、葵が尋ねた。思えば、戦闘能力の高いトレイターの一員なのに、不意打ちとは言え葵の銃撃をあっさり被弾したのも変だ。不利になるからぼかしただけで、ギフトが無いのは自分自身だったのではないのだろうか。
 ところが、紫苑は首を横に振った。

紫苑「いえ。リュイア・トラメスロと名乗る幼女は、幼女にしては極端に身体能力が低いですが…ギフトは所持していました」

葵「何を」

 すると、紫苑は険しい顔になって、低い声で答えた。

紫苑「…『反逆』」

葵「えっ?」
463 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/02/20(火) 21:42:40.65 ID:Sv7UDUHFO
 葵は耳を疑った。『反逆』を持っているのは、リーダーの東郷アリスなる幼女ではなかったのか?

紫苑「思えば…『反逆』は、総理の『君臨』や、わたしの『統率』といった能力を相手にしなければ、そもそも発動しません。東郷のギフトも、交戦した兵への自己申告であったようですし…」

葵「じゃあ、東郷は本当の『反逆』の持ち主を隠していた…?」

紫苑「リュイアの身体能力の低さを考えると、東郷らトレイターが秘匿したがるのも無理は無いでしょう。問題は、彼女が幼女から生まれた幼女でないこと…つまり、幼形成熟BOXを使って『反逆』のギフトを得ながら、今まで存在すら知られていなかったこと」

葵「…コトブキ博士が、隠してた?」

紫苑「…」

 険しい顔で黙り込む紫苑。明言はしないが、おそらく彼女もそう確信しているだろう…

紫苑「…いずれにせよ」スクッ

 紫苑は、努めて明るい声で言いながら立ち上がった。

紫苑「貴女の任務は、怪我を早く治すことです。戦闘は玉置班長たちに任せて、しっかりと休養してくださいね」

葵「あ、はい…」

紫苑「では」

 そう言うと、紫苑は病室を去っていった。
464 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/02/21(水) 22:16:19.12 ID:KDyz63yPO
新居にインターネッツが開通してないんです…スマホのテザリングで書いてます…



コトブキ「…」

 自衛隊基地の一室にて。パイプ椅子に腰掛けたコトブキは、居心地悪そうに部屋を見回した。
 その正面に立っているのは、紫苑。

コトブキ「…で、こんなところに呼び出して、一体何の用だね?」

紫苑「…」ジッ

 何も言わず、コトブキの顔を凝視する紫苑。その手には、既に鞘に収まった日本刀が握られている。部屋には、2人の他に誰もいない。他の幼女がこの部屋に放り込まれようものなら、紫苑の放つ殺気に、立ちどころに恐怖し失禁するだろう。

紫苑「…身に覚えは、ありませんか」

コトブキ「君がムキになるようなことをした記憶は無いね」

紫苑「そうですか」

 紫苑は短く応えると、鞘ごと刀をスカートに差した。それから、変わらない声色で言った。

紫苑「…『反逆』の持ち主を捕縛しました」

コトブキ「うん? 東郷アリスが捕まったのかい? それは何よりだ」

紫苑「リュイア・トラメスロという名前に聞き覚えは?」

コトブキ「…?」

 突然の質問に、コトブキは、怪訝な目で紫苑を見上げた。

コトブキ「幼形成熟BOXで、何人か外国人やハーフをネオテニーさせてきた記憶はあるが…そいつは何人だ?」

紫苑「イタリア人です」

コトブキ「ふぅむ…記憶に無いね」

紫苑「」ブンッ

コトブキ「!? …おわっ!」ガタッ

 突然、紫苑が刀を抜き打った。と思うや、パイプ椅子の足が斜めに切り裂かれ、コトブキは床に転がり落ちた。

コトブキ「なっ、何をするんだね!?」
465 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/02/21(水) 22:35:29.62 ID:KDyz63yPO
紫苑「次。東郷アリスの本名と、所持するギフトは?」

コトブキ「ほ、本名なんて知るものか。それにギフトは『反逆』…」

紫苑「」ブンッ

コトブキ「ひっ!?」ガキンッ

 コトブキの顔のすぐ横で、パイプ椅子の背もたれが真っ二つに割れた。

紫苑「次。…ギフトを『1つも持たない』幼女が生まれる可能性は?」

コトブキ「ギフトを、持たない…?」

 コトブキは、ゆっくりと立ち上がった。顎に手を当て、考える。

コトブキ「…篠崎葵のように、ギフトを2つ持つ状況は是非とも再現したいが、その逆など、無益過ぎて考えたことも…いや」

 何かを思いついたのか、はっと顔を上げる。

コトブキ「幼形成熟BOXを発明して間もない頃、一度だけ思い浮かんだことがある…馬鹿げた結果しか導けず、計算だけで実証すらしなかったが」

紫苑「…続けて」

コトブキ「幼形成熟BOXに『2人入ったら』どうなるか、だよ。融通を効かせて、ギフトを2人分用意してくれるのか、それとも1つしか用意せず、1人あぶれるのか…」

紫苑「結果は?」

コトブキ「簡単な2×2さ。ギフトを貰える、貰えない。身体能力が上がる、上がらない。それぞれの組み合わせで、合計4パターン」

紫苑「! …では、過去にそのようなことが行われたか、調べることは可能ですか」

コトブキ「BOXのログを辿ればできるだろうが…」

紫苑「ではお願いします。今から、すぐに」ジャキッ

 刀を突きつけながら、紫苑が凄む。

コトブキ「わ、分かった分かった。分かったから、その刀を下ろすんだ。いいね? …」
466 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/02/23(金) 12:31:51.93 ID:mSN/7EbKo


葵「…」

 ベッドの上で、葵はじっと黙り込んでいた。もう明るいが、外は静かだ。半分以上の兵が、首相官邸周囲に出て行ったからだ。あの辺りは厳戒態勢が敷かれていて、一般人は近づくこともできない。
 看護官からは、療養中も右手以外は積極的に動かすように言われている。有り余る時間を、どう過ごしたものか…



安価下 どうする?
@外出

Aジムでトレーニング

B寝る

Cその他要記述
467 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/02/23(金) 13:24:20.57 ID:3DEJ7lVxo
1
468 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/02/23(金) 22:56:25.62 ID:mSN/7EbKo


「定刻までには帰ってきてくださいねー」

葵「ん…」

葵「…」キョロキョロ

 通りに出て、辺りを見回す。基地の静寂が嘘のように、街は活気に満ちている。近くで戦闘があったのに、今は元通りに幼女たちが駆け回っている。



安価下 どうする?
@車屋さん

Aペットショップ

Bおもちゃ屋さん

C繁華街をぶらぶらする

Dその他要記述
469 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/02/23(金) 23:11:14.35 ID:Kbi5UqMn0
4
470 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/02/23(金) 23:21:12.09 ID:mSN/7EbKo


ワイワイ ガヤガヤ

葵「…」キョロキョロ

 おもてストリートとは反対側の、繁華街にやって来た。荒らされたハンバーガー屋は心配だが、その方面はまだ封鎖されている。
 ジュースを持った幼女や、種付けおじさんを連れた幼女たちとすれ違う。片腕にギプスを付けた葵は、幾分場違いに見えたが、それを気に留める者も無い。

葵「…」

 ごった返す人混みの中で、葵は黙って立ち尽くした。



安価下
01〜05 爆発
06〜30 茶髪ツインテ
31〜60 朱音&未汐&お兄ちゃん
61〜90 未汐&お兄ちゃん
91〜00 お兄ちゃん
471 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/02/23(金) 23:51:07.69 ID:9xb9GzjBo
472 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/02/24(土) 00:19:55.29 ID:bu/Idrhso


葵「…!」

 人混みの中に、知った顔を見つけて、葵は思わず駆け寄った。

葵「未汐…お兄ちゃん!」ダッ



未汐「! 葵ちゃん」

お兄ちゃん「葵ちゃん? …! その手」

葵「無事だったんだ、良かった…」

 駆け寄ってきた葵の右手に気付いて、お兄ちゃんが息を呑んだ。葵は、未汐とお兄ちゃんを交互に見て、言った。

葵「トレイターに、襲われたって聞いて…未汐と、一緒に逃げたって聞いてたけど」

未汐「うん。今は官邸の方が狙われてるから、わたしたちは外に出てるの」

お兄ちゃん「ねえ、その手は…?」

葵「…」

 葵は、唇を噛んだ。

葵「…この前の銃撃ったら、腕が折れた」

お兄ちゃん「折れた!? …そ、そんな…俺が、あんなものを渡したせいで」

葵「違う。あたしが、弱かったから…」

未汐「…それで、葵ちゃんは作戦に参加してないんだ」

葵「」コクン

 すると、未汐は目を細めた。

未汐「…ねえ、これからお昼なんだけど、一緒に行こう?」

 そう言うと未汐は、返事を待たず葵の腕を取り、歩き出した。



安価下1〜3でコンマ最大 食事中の話題、行動など
473 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/02/24(土) 15:03:03.69 ID:ysmyw4DEo
葵とお兄ちゃんの仲を取り持つように誘導する未汐、見本のように自分も少し甘えてみせたりとか


設定と矛盾しない範囲がわからないのがちょっと難しいかも
474 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/02/25(日) 17:34:59.23 ID:oTg5Ggbho


未汐「いただきます」

葵「いただきます…」

お兄ちゃん「い、いただきます」

 運ばれてきた、3人分のお子様ランチに手を合わせる一行。ハンバーグにナイフを入れながら、未汐は尋ねた。

未汐「ティルフィングを撃ったってことは、葵ちゃんもトレイターと交戦したの?」

葵「うん。毒島ユカリと…」

 カトラリーに手も付けず、葵は頷いた。お兄ちゃんは未汐の隣で遠慮がちに、旗の立ったオムライスにスプーンを入れた。

未汐「もしかして、またトレイターに誘われたの?」

葵「…」コクン

お兄ちゃん「!? は、入っちゃ駄目だよ!?」

未汐「大丈夫、葵ちゃんは裏切らないよ。…ね?」

葵「うん…入院した後にも別のメンバーに誘われたけど、断った」

未汐「別のメンバー…? もしかして、東郷」

葵「ううん。リュイア・トラメスロっていう、イタリア人の娘」

未汐「リュイア・トラメスロ…」

葵「『反逆』のギフトは、東郷アリスじゃなくてその娘が持ってた。そして、トレイターがあたしを仲間に入れたがるのは、トレイターにはギフトを1つも持ってない娘がいて、その娘が貰うはずだったギフトまで、あたしが貰っちゃったからなんだって」

未汐「…」

 突然の告白に、未汐は絶句した。お兄ちゃんも、スプーンを持つ手が止まる。
 やがて、未汐は絞り出すように尋ねた。

未汐「…そ、れ…葵ちゃん以外にも、誰か知ってるの?」

葵「幕僚長には話したから…陸自の人たちには、伝わってると思う。首相官邸の基地にいる幸実陸将や、ねね科長にも」

未汐「リュイアって娘は、今?」

葵「基地に捕まってる」

未汐「…そ、そう」

 未汐は、少し安堵したように息を吐いた。それから、切り分けたきり放置されていたハンバーグを口に運んだ。葵も、ようやくスプーンを手に取り、コーンスープを一口含んだ。

お兄ちゃん「…俺、あんまり詳しくないけど…トレイターのリーダーが反逆のギフトを持ってないのなら、朱音ちゃんも一緒に戦えるんじゃないかな?」

未汐「そうだね。あんまり危ない目には遭わせたくないけど…」

 隣同士、身を寄せ合って話し合う2人。仲睦まじいその様子を、葵は複雑そうな目で見ている。
475 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/02/25(日) 20:52:13.69 ID:oTg5Ggbho
未汐「…」

 そんな葵の表情に気付いてか否か、未汐は不意に言った。

未汐「葵ちゃん、右利きだっけ。怪我して、大変でしょ」

葵「うん…一応、指と肩は動くから、スプーンならなんとか」

未汐「食べさせてあげるね。お兄ちゃんが」

お兄ちゃん「!?」

葵「!? …///」ドキッ

 未汐はしたり顔で、お兄ちゃんの肩を叩いた。

未汐「ほら、葵ちゃんは腕を怪我して、自分でご飯も食べられないんだから。まずはエビフライ」

お兄ちゃん「う、うん…」ザクッ

未汐「じゃあ、葵ちゃんに。あーん」

お兄ちゃん「あ、あーん…」スッ

葵「あっ…あー…///」パクッ

 どぎまぎしながらエビフライを頬張ると、未汐がすかさず

未汐「片手しか使えないんだから、ハンバーグも切ってあげなきゃ」

お兄ちゃん「じゃあ、ちょっと小さめに…」ギコギコ

葵「んぐ…あ、あー…///」

お兄ちゃん「はい」スッ

葵「///」パクッ

未汐「」ニヨニヨ



 時間をかけて、お子様ランチを完食する頃には、葵とお兄ちゃんの距離も幾分縮まったように思えた。
 葵は、ふと思い出して尋ねた。

葵「お兄ちゃん…ハンバーガー屋さんで襲われたんだよね。トレイターは、お兄ちゃんのことを知ってたの?」

お兄ちゃん「みたいだった。もちろん、俺は何も覚えてないんだけど…」

葵「4人で襲ってきたの?」

お兄ちゃん「うん」コクン

未汐「毒島ユカリ、リーダーの東郷アリス…それから、残りの2人については、特徴を話してさっきコトブキ博士に調べてもらったんだけど…」

 未汐が、声を潜める。

未汐「まず、桜木 春華(さくらぎ はるか)。ギフトは『予感』。2つのギフトを持つ葵ちゃんのことを察知したのは、多分この子の能力」

未汐「それから大下 ロル(おおした ろる)。ギフトは『飛蝗(ばった)』。毒島ユカリに並ぶトレイターの戦闘要員で、唯一、格闘戦向きのギフトの持ち主」

葵「格闘戦向き…って、エリーは!? 店長は…」

未汐「落ち着いて。トレイターはお店に押し入ってから、近くのテーブルを破壊しながら真っ直ぐわたしたちの方へ向かっていったの。その間にお客さんや店員さんは皆逃げたよ」

葵「そう…良かった」ホッ
476 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/02/25(日) 20:58:54.64 ID:oTg5Ggbho


 それからしばらく、他愛もない話をしてから、葵は2人と別れた。
 別れ際、未汐が葵に声をかけた。

未汐「もし、『こっち』に来たくなったら、いつでも言ってね。わたしも朱音ちゃんも、待ってるから」

葵「…うん」

未汐「じゃあ、またね」

お兄ちゃん「ばいばい」

葵「うん。2人とも、気をつけて…」

 人混みに消えていく2人の背中を見送ると、葵は基地に戻っていった。

477 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/02/25(日) 22:45:27.18 ID:oTg5Ggbho


「失礼します」



幸実「いいよ〜」

バサッ

「閣下、『例のもの』をお持ちしました」

 官邸前の敷地に建てられたテントの中に、それぞれ大きな箱を抱えた兵士が、ぞろぞろと入ってきた。彼女らは、幸実の前のテーブルに箱を積み上げると、蓋を開けた。

幸実「これ、これ…これがないとね〜…」ジュルリ

 目をギラつかせ、舌舐めずりする幸実。彼女の目の前に積み上げられた、箱の中には…大量のドーナツが、ぎっしりと詰め込まれていた。

幸実「トレイターは出た?」

「いえ、まだそのような報告は」

幸実「じゃ、あと3…や、5セット追加ね〜」

「了解!」

 兵士たちが出ていくと、幸実はシロップの掛かったドーナツを手に取り、頬張った。咀嚼しながら、もう片方の手にチョコレートのドーナツ。1個目を飲み込むと、2個目を齧りながら、今度はきな粉のまぶされたドーナツ…山盛りのドーナツが、瞬く間に無くなっていく。

ねね「…」

 糖蜜の匂いが充満する中、凄まじい勢いでドーナツを貪る幸実を見ながら、ねねは顔をしかめた。

ねね「ひ、久しぶりに見ると、やっぱ強烈よね…お腹がむかむかしてきた」

透「仕方ないでしょう。閣下自ら出られるとなると、この工程は避けられません」

ねね「もうちょっと、効率的な補給方法はないの?」

幸実「だってぇ…はぐっ、もごっ…ほきゅうぐらい、たのひくないほね〜…んぐっ、あぐっ…」モグモグ

 そこへ、崩礼が入ってきた。

崩礼「失礼しま…うおっ」ビクッ

幸実「んっ、きにひないれ〜…はむっ、もぐっ」

ねね「だそうよ。で、要件は?」

崩礼「! …敷地内の点検と、塹壕の掘削が完了した。今のところ、妙な侵入経路などは作られていないようです」

ねね「そう、ちゃんと要望通りにしてくれた?」

崩礼「ああ。ちゃんと迎撃用ではなく、『退避用』に設計した」

幸実「ありがとね〜あむっ」



安価下コンマ 80以上で…
478 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/02/25(日) 22:53:03.42 ID:w148ESS4o
479 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/02/25(日) 23:02:21.08 ID:oTg5Ggbho
ねる
480 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/02/26(月) 21:28:42.63 ID:/2szQwD+o
ねね「…そう言えば、篠崎ちゃんはどうしてるの?」

崩礼「篠崎なら、今頃病院で…」



葵「…ごちそうさま」カチャ

 左手でどうにか食事を終えると、葵はベッドの上に寝転がった。それから、昼間にお兄ちゃんに食べさせてもらったエビフライの味を思い出し、密かに顔を赤くした。

葵「…///」

 男の人の好みなんて、生まれて一度も考えたことは無かった。父親のように甘えられる人と答えたのは、単に葵がお父さんっ子だったから。そして、お兄ちゃんは、お世辞にも頼り甲斐のあるとは言い難い。しかし、彼のことを思い出すと、今まで感じたことの無い感情が湧いてくる。未汐とおしゃべりしている時や、崩礼をあしらっている時、あるいは、ラセン隊長に抱きついた時、その、どれとも違う…

葵「…ん」モゾ

 葵はベッドの上でうつ伏せに寝返った。

葵「ん…んっ…///」モゾ モゾ ギュッ

 無意識に、腿を擦り合わせ、腰のあたりをベッドに押し付ける。じわじわとお腹の下が熱くなり、頭がふわふわしてきた。

葵「んっ…ぁ、ん…っ///」スリッ ギュ ズリュッ



安価下コンマ
01〜20 窓ガラス
21〜30 検温
31〜60 このまま…
61〜90 手で…
91〜00 誰か来た
481 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/02/26(月) 21:30:06.52 ID:7SEXd+7zo
はい
482 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/02/26(月) 21:52:09.68 ID:/2szQwD+o
葵「ん…ん、ぅ、はぁっ…///」ズリッ グニッグニッ

 腰のあたりをベッドに押し付けると、何だか気持ちいい。身体が勝手に動く。

葵「はぁっ、あっ/// …ん…ふぅ…んぅっ♡」グイッ ググッ

 下腹を強く押し付けると、おしっこを我慢しているような気持ち。でも、お股がじんじんして、気持ちいい…

葵「はぁ、はぁっ、ん、んっ…おにいちゃん…♡」グリィッ

 お股をマットレスにぎゅっと押し当てる。何だか分からないけど、口が勝手に、お兄ちゃんのことを呼ぶ。

葵「おに、ちゃん、んっ♡ おにいちゃっ、おにいちゃんっ♡」ググッ ズリ ズリッ

 とうとう、カエルのように脚を広げて、パジャマ越しにずりずりとお股をベッドに擦りつけた。支給品のパンツが、じわりと温かくなっていく…

葵「はっ、はっ、おにいちゃんっ、はぁっ、おにいちゃんっ、あ、あっ…んっっっ……♡♡♡」ギュゥゥゥッ

 ベッドにぎゅっとお股を押し付けながら、葵の頭が白く弾けた。腰の辺りが、びくんびくんと震え…突然、お股の中がぞわっとした。
 と思うや、パンツの中が、さあっと熱く濡れてきた。

葵「…っ!? や、やだっ」ジョワッ ジョーッ ショロッ

葵「…〜〜〜///」シャァァァァ…



「おトイレに行きたいと思ったら、いつでも行って良いですからね? 足は怪我してないんだから」

葵「ごめんなさい…///」ビショビショ

「もし困ったことがあったら、いつでも呼んでくださいね。我慢できなかったら、そこに尿瓶もあるから」

葵「はい…」

「じゃあ、着替えますからね…」



安価下1〜3でコンマ最大
@普通に着替え

Aまだ出そう(尿瓶に)

Bまだ出そう(このまま)

Cあやしい手付き

Dその他要記述
483 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/02/26(月) 22:49:43.21 ID:Mk6th0Ipo
2
484 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/02/26(月) 23:10:40.34 ID:dHRdruc10
2
485 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/02/27(火) 00:55:42.57 ID:GOUqTxKaO
4
486 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/02/27(火) 13:19:58.59 ID:CVkWHnaqo
 看護官は、びしょ濡れの葵のパジャマに手をかけた。

葵「じ、自分でできる…」

「だーめ」グイッ

葵「やっ///」ズルッ

 ズボンとパンツを一緒に下ろされ、小さな割れ目が露わになった。濡れたお股にタオルを当てられて、葵は身震いした。

葵「んぁ…っ///」ブルッ

「まだ出そう?」スリッ

葵「んっ、ん…///」コク

 タオルでさり気なく割れ目を撫でられ、葵は小さく頷いた。すると看護官は、ベッドの上に身を乗り出すと、葵の耳元で囁いた。

「じゃあ、このまま出しちゃいましょう…♡」

葵「!? や、やだっ」

「大丈夫、シーツも全部交換するから。ちょっとくらい汚しても、変わりませんよ…♡」スリッ スリッ

「ほら、ここをすりすりして…気持ちよくなっちゃったんでしょう…♡」スリスリッ クリッ

葵「ひゃっ♡」ビクッ

 タオル越しに、割れ目のてっぺんをくすぐられ、葵は竦み上がった。ついさっき、夢中で腰を擦りつけた時の快感が蘇り、尿道がぞくぞくと震える。

「ほら、しーっ♡ しーっ♡ しーっ♡ …」

葵「あ…やぁ…///」プルッ ジワァ…

 白いタオルが、瞬く間に黄色く染まり、そのままシーツまで染み込んでいく。タオルが使い物にならなくなると、看護官は葵のお股から離した。

葵「あうぅ…///」チロチロチロ…

 つるつるの割れ目の間から、しょろしょろと黄色いおしっこが溢れ出るのを、間近に見つめながら、看護官は葵の頭を撫でた。

「しーっ♡ しーっ♡ えらいえらい…♡」

葵「はぁ…っ///」ショロロッ プルッ

 膀胱の中身を出し切ると、看護官は葵を立たせて、新しいタオルでおしっこまみれのお股や内腿を拭いた。

「おむつ、当てときます?」

葵「い、いいって///」

「じゃあ、パンツを穿いて待っててくださいね。シーツを交換しますから」

葵「うん…」

487 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/02/27(火) 13:29:58.54 ID:CVkWHnaqo


崩礼「…本当に、トレイターはここに現れるんです?」

幸実「地下道をこっち方面に進んで、まだ地上で目撃されてないから、地下に潜んでるのかもね〜…」

ねね「そんなことより」

 ねねは腕組しながら言った。

ねね「幕僚長からの通達よ。本当の『反逆』の持ち主を基地で捕らえた。東郷アリスのギフトは反逆ではないって…」

崩礼「ああ。しかも、懲りずにウチの篠崎を勧誘したらしいな。篠崎がなびかず、すぐに通報したから良かったが」

幸実「怪我して、心が弱ってる時を狙ったんでしょうね〜。そういうの、本当に良くないわね〜」

崩礼「だが、篠崎はその程度で折れる奴ではなかった。ということですな」

 崩礼は誇らしげに頷いた。

ねね「なら、そいつを取り戻すまで総理を狙うことは無い、ってこと?」

幸実「だとしても」

 幸実は、地下道の地図に目を向けた。

幸実「地下に潜ったまま、出口を塞がれているのは事実。いつか、痺れを切らして出てくると思うよ〜」

ねね「なら、それまで網を張って、気長に待つしか無いわね」ハァ



安価下コンマ 60以上で…
488 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/02/27(火) 14:07:00.84 ID:3Jyiuqvc0
489 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/02/27(火) 23:42:04.29 ID:CVkWHnaqo
 しかし、その数分後、にわかにテントの周りが慌ただしくなった。垂れ幕をめくり、1人の兵士が駆け込んでくる。

「報告です! 正門前のマンホールから、トレイター4人が出現」

幸実「噂をすれば、だね〜」

ねね「玉置ちゃん、避難を手伝って! あたしは硝子川ちゃんに連絡する」

崩礼「了解!」

 ねねと崩礼がテントを飛び出す。幸実は1人、山積みのドーナツを両手に掴むと…そのまま、吸い込むように口に詰め込んだ。



春華「や、ヤバい、ヤバいって〜…」プルプル

ユカリ「ヤバいってことはァ…ひひ、楽しみ…!」

 震えるピンク髪の幼女の言葉に、ユカリは歯を剥き出す。その隣で、赤毛に赤い目の幼女は怪訝な目で辺りを見回している。

ロル「でもさぁ、こいつら一目散に逃げてくよ? ね、どう思うリーダー?」

 赤毛の幼女ロルは、一歩前を歩く、トレイターのリーダー…茶髪を短いツインテールに結い、派手なスカジャンを羽織った幼女に声をかけた。

アリス「…知るか。朱音…総理を引きずり出せれば、何でも良い」

ユカリ「総理が出てくるまでは、好きにして良いよねェ?」

アリス「…チッ 程々にな」

 4人の目の前で、兵士や官邸から出てきた幼女たちが、地面に掘られた溝の中へと逃げていく。溝を防衛線にしているわけでも無さそうで、幼女たちは溝を通ってまっすぐに官邸から離れていく。

アリス「…こいつも罠か」

春華「ひぇっ…や、やっぱり、リュイアが戻ってくるまで待った方が…」

ロル「戻らないって、あんたが一番分かってるでしょ。『予感』によると、リュイアは自衛隊に捕まったんでしょ?」

春華「う、うぅ…」

アリス「構わねえ。朱音以外はアタシがぶっ飛ばす。朱音とは、アタシが話す」

ユカリ「でも、話せない時は…!」

春華「うわーっ!?」ビクッ

ロル「…へえ」

 4人の目の前に、1つの人影が立ちはだかった。カーキの隊服に、分厚いお腹を窮屈そうに詰め込んだ、温厚そうな顔立ちの幼女。しかし、まんまるなその顔の奥で、両の目が底冷えするような光を放っていた。



幸実「…」

490 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/02/28(水) 09:54:47.87 ID:R7fYoyH4o
アリス「…おいブタ。総理はどこだ」

 しかし、幸実は応えず、耳元のインカムに向かって呟いた。

幸実「退避、終わった? …うん、ありがとね〜」スッ ポイ

 インカムを投げ捨て、隊服の襟元を両手で握り…ようやく、トレイターの4人を見た。

幸実「…今なら、投降受け付けるよ?」

アリス「舐めやがって…」スッ

 アリスは、背中から何かを抜き取った。それは、ボロボロにひしゃげた、一本の金属バットであった。

アリス「死ねオラァっ!!」ダッ

 バットを振り上げ、飛びかかるアリス。幸実は、自分の隊服を両手で掴み…一気に、引き裂いた。
 次の瞬間、幸実の身体が、凄まじい勢いで膨張を始めた。



幸実「_____」ゴゴゴゴゴゴ…



アリス「オラッ!」ブンッ

 怯まず振り下ろしたバットが、虚しく弾き返される。

春華「う、うわーっ!?」ダッ

ロル「な、何だコイツ…!?」



幸実「…」ブンッ



アリス「ぐぁーっ!?」ビューン ドサッ

 首相官邸と同じくらいに巨大化した幸実が、爪先を軽く蹴り出す。それだけで、アリスの身体は門の向こうまで吹っ飛ばされた。
491 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/02/28(水) 14:22:56.53 ID:R7fYoyH4o
幸実「…」ズシン ズシン ズシン…

 服はばらばらに破れ、素っ裸の幸実が、コンクリートを踏み砕きながら迫る。

春華「いやーっ! 許して、許して!」ドタドタ

ロル「こっの!」ダンッ

 ロルが、コンクリートを蹴って跳躍する。剥き出しの両脚が、棘の生えた外骨格に覆われると、その脚で回し蹴りを仕掛けた。

幸実「」パシ ブンッ

ロル「あ゛ーっ!?」ビュンッ

 しかし、空中でその脚を捕らえられ、起き上がろうとするアリスめがけてぶん投げられた。

アリス「っとお!」ガシッ

ロル「さ、サンキュ」

ユカリ「あ…アハッ、アハハッ…!」ガァァン ガァァン ガァァン

 引き攣った笑みを浮かべながら、予備の特大リボルバーを連射するユカリ。

幸実「…」バシッ バシッ

 命中した足や腹に血が滲む。幸実は立ち止まると、近くに生えていた植木を、雑草か何かのように指先で引っこ抜き…そのまま、ユカリめがけて投げつけた。

幸実「」ブンッ

ユカリ「ぐぇッ」ズシャ

幸実「」ダンッッッ

 突然、幸実がコンクリートを強く踏みつけ、飛び上がった。裸足の足裏が迫る先には…アリスとロル、そして逃げようとする春華!

春華「やだっ、やだやだやだーっ!」ジタバタ

アリス「クソがっ…よぉっっっ!!!」ブゥンッ

 アリスは悪態を吐きながら、迫りくる極大の足裏めがけて、金属バットをフルスイングした。



葵「…幸実陸将って、どのくらい強いの?」

ラセン「閣下か? それはもう、凄いぞ」

 日中、ジムでリハビリを兼ねてトレーニングをしていると、ちょうど非番のラセンと出くわして、一緒にトレーニングをすることになった。レッグプレスを補助してもらいながら、葵はふと尋ねたのであった。

ラセン「何しろ、ワタシが入隊した頃…まだ、藤島幕僚長が陸将だった頃は、閣下が幕僚長だったのだからな」

葵「閣下が幕僚長だったの…!?」
492 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/02/28(水) 15:10:11.45 ID:R7fYoyH4o
ラセン「ああ。藤島幕僚長を見出し、育て上げたのは、閣下と言っても過言ではない」

葵「師匠だったんだ…?」

ラセン「うむ。幕僚長は、閣下の推薦によって今の地位になった。後になって知ったことだが…閣下は、自身の能力が『守る』ことに向いていないことを気にされていたらしい。幕僚長は、最後まで基地に残り、最終防衛ラインを守り抜く使命がある。敵も味方も、周りも何もかも破壊しかねない自身の能力は、自衛隊のトップには相応しくないと考えておられたようなのだ」

葵「じゃあ、そんな閣下のギフトって…」

 するとラセンは、窓の外に目をやって…呟くように言った。

ラセン「…『巨人』」

葵「大きくなるの?」

ラセン「そうだ。閣下は元々力も強いから、歩けば地面が抉れ、大木も片手で引き抜き、ビルも軽く握り潰せる。幕僚長とは別方向で、次元が違うのだ」

葵「じゃあ、何で今…」

ラセン「巨大になるのは、自分の肉体だけ、ということだ。食べたものや、蓄えたエネルギーは元の体のサイズのままだから、戦闘が長引けば、あっという間にエネルギー切れで倒れてしまうのだ」

葵「なるほど…それで」



ピッ ピッ ピッ…

幸実「…」

 ベッドの上に、病衣を着た幸実が横たわっている。ふっくらしていた顔や手足は、骨と皮ばかりに痩せ、両腕には点滴が繋がっている。

コンコン

紫苑「…失礼しますよ」ガチャ

幸実「…ああ、紫苑ちゃん」

 小さく顔を上げ、会釈する幸実。起き上がろうとするのを止め、紫苑はベッド脇の椅子に腰掛けた。

紫苑「体調はいかがですか」

幸実「良くはないよ。ギフトを使うと、いつもこう」

 苦笑いすると、不意に真顔になって尋ねた。

幸実「…4人は?」

紫苑「負傷はしていますが、命に別状はありません。最も、それが良い報せかと言えば…」

幸実「うん…まさかあの飛び蹴りを、バット1本で受け止めゃうなんてね…」

 幸実が、自身の右足に目を遣る。包帯に覆われたその足は、金属アームで宙吊りにされ、外固定用の太いピンが何本も突き出ていた。

幸実「東郷アリス…腕力だけなら、紫苑ちゃんより強いよ。どうやって確保してる?」

紫苑「物理的な拘束は不可能なので、わたしのギフトで動きを制限していましたが…先程、総理から面会希望の通達が来ると、嘘のように大人しくなりました。それで、わたしがここに来ることができたのです」

幸実「どうやら、一連のテロ行為も、総理を呼び出すためにやっていたフシがあるね〜…」
493 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/02/28(水) 16:27:20.42 ID:R7fYoyH4o
紫苑「どんな理由があろうと…トレイターのやったことは、許されることではない」

幸実「そうだね〜。捕まえられて、本当に良かった」

紫苑「貴女のおかげですよ。何でも、望むごほうびをあげます」

幸実「そうね〜…うちは後で良いから、他の娘たちにもね」

紫苑「勿論です。今回、脱出経路の作成や避難誘導に尽力した、工作8班は、それぞれ1階級ずつ昇進。硝子川班長や、2班の数名も昇進としました」

幸実「葵ちゃんは、残念だったね〜…」

紫苑「仕方ありません。地下で、毒島ユカリを足止めしてはくれましたが、結果的には合流を許してしまいましたし。まあ、彼女ならまた、どこかで活躍してくれるでしょう」



ウメ子「うん、もう大体くっついてるね」ペラ

 レントゲン写真を見せながら、ウメ子が頷いた。

ウメ子「ギプスは外して、本格的なリハビリに入ろう。まずは、握力を取り戻すところからだね」

葵「また、戦えるようになる…?」

ウメ子「ああ、なるとも。…だが、少なくとも、あの…」

葵「ティルフィング?」

ウメ子「そう、その馬鹿みたいな銃を、素手で撃つのは禁止だよ。一度折れた骨は、くっついてもどうしても強度が下がるからね…」



 病室に戻ると、見知った顔がベッドの横に座って待っていた。

エリー「! 葵ちゃんっ!」バッ

葵「エリー! 店長…!」ギュ

 飛びついてきたエリーを抱き締めながら、傍らに座る店長に頭を下げた。

葵「2人とも、無事で良かった…」

エリー「葵ちゃんも! テロリストと戦って、怪我しちゃったって聞いて! 心配で心配で心配でー…」

 涙を流しながら、エリーが言う。

エリー「怪我は、どう?」

葵「もう、だいぶ治ったよ。後ちょっとリハビリすれば、元通り」

店長「それは良かったです…」ガサッ

 店長が、膝の上に置いていた紙袋を差し出した。

店長「はい、こちら差し入れです。新発売の『マグナム☆二刀流バーガー』」

葵「あ、ありがと…」ガサガサ

 受け取って中を覗くと、特大のパテに極太ソーセージが挟まったバーガーが、紙袋を突き破らんばかりのボリュームで詰まっている。

葵「…お店は、どうなってる?」

 ベッドに腰掛けながら、葵は尋ねた。

店長「あんなことになって、しばらく休業してましたが、先日トレイター全員が捕まったおかげで、ようやく再開できそうです」

葵「お店の修理、まだならあたしがやるよ」

店長「えっ、良いんですか?」

エリー「そうだ、葵ちゃんのギフトは『再現』っていって、何でも元通りにできちゃー!」

葵「そう。あたしも、早くお店が復活して欲しいから」

店長「では、その時は、お願いしますね」



安価下1〜3でコンマ最大 エリー、店長との話題、行動など
494 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/02/28(水) 18:46:34.33 ID:sSPufhFo0
売上を取り戻す策としてセットメニューに特典景品(葵からの例はガッタイザー関連)の付与を提案してみる
495 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/02/28(水) 21:09:09.10 ID:R7fYoyH4o
店長「でも…あんなことがあった後だから、しばらくお客さんは少なくなっちゃうかも知れませんね」

 店長が、さみしげに言った。

葵「…復活記念で、オマケを付けよう」

エリー「ラッキーセットのオマケなら、前もあったよー?」

葵「もっと豪華にして…ガッタイザーとか」

店長「ガッチャー覇はコラボしてみたけど、あんまりウケなかったですね…」

葵「えっ!? ガッタイザー…」

エリー「やっぱり、メイジーだよー! 皆見てるし、しょっちゅうテレビでやってるしー」

店長「私はあんまり見ないですけど…」

葵「そうそう。それならガッチャーロボの方が…」



エリー「またねー!」フリフリ

店長「お店の方にもいらしてくださいねー!」

葵「うん! 行くね」

 案内の兵に伴われて、2人が帰っていく。その背中が見えなくなると、葵は病室に戻った。右手のギプスは外れて、すっかり軽くなった。まだ少し力が入らないから、早くリハビリして戻さないと…



安価下コンマ
01〜50 特に何も起こらない
51〜70 お見舞い
71〜90 お見舞い×4
91〜00 リムジン
496 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/02/28(水) 21:32:23.36 ID:pHfVFWhbo
497 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/02/28(水) 21:37:43.75 ID:R7fYoyH4o


 翌朝。久しぶりに右手でお箸を使って朝食を摂ると、手が痛くなってしまった。ほんの2週間使わなかっただけで、左腕と比べて明らかに細くなった。

葵「どうしようかな…」



安価下 どうする?
@外出

Aジムでトレーニング

B寝る

Cその他要記述
498 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/02/28(水) 22:38:53.76 ID:sSPufhFo0
2
499 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/02/29(木) 09:26:16.23 ID:w0hhYEFlo


葵「」ゴクッゴクッゴクッ

葵「…っは!」ゴトッ

 プロテインを一息に飲み干し、ずらりと並んだダンベルの前に立つ。一先ず、一番小さなダンベルを右手で握ると、恐る恐る持ち上げた。

葵「っ、しょっ…」ヒョイッ

 握力も随分衰えたが、このくらいなら難なく持てそうだ。いつものサイズのダンベルを左手に持つと、葵は仁王立ちになり、ダンベルホールドを始めた。



安価下コンマ
01〜30 痛た
31〜60 今日はこのくらい
61〜90 8班もトレーニング
91〜00 幕僚長だ
500 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/02/29(木) 11:36:00.99 ID:RrRm3rR70
501 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/02/29(木) 19:52:26.56 ID:qVABgXXqo
お!
502 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/02/29(木) 21:04:32.89 ID:w0hhYEFlo


 握力のトレーニングをしていると、にわかにジム内がざわついた。

「あっ、お疲れ様です!」「おはようございます!」「おい立てお前ら! …お疲れ様であります!」



紫苑「ごきげんよう、ごきげんよう。皆さんどうぞ続けて…おや」



 自身もトレーニングに来たのか、体操服を来た紫苑が、隅の方でダンベルを握る葵に気づいて、近付いてきた。

葵「あ…お、お疲れ様です」

紫苑「ごきげんよう。…右手のギプスが取れたのですね」

葵「はい。それで、リハビリに」グイッ

 右手でダンベルを上げて見せる。

紫苑「それは良いですね。では、失礼してストレッチを…」

 紫苑は、ダンベルコーナーの近くに敷いてあるマットを見つけると、ストレッチを始めた。背中を伸ばしながら、紫苑は何気なく言った。

紫苑「…記者会見も終わって、ようやく一段落です」

葵「そうですか…」

紫苑「やはり、東郷アリスは『反逆』の持ち主ではありませんでした。それどころか、彼女こそがギフトを1つも持たない幼女でした」

葵「!」

 葵の手が止まる。紫苑は足を伸ばして座り、上体を前に倒す。

紫苑「んんん…それから、『東郷アリス』はやはり偽名でした。本名は『八島 絵里』…例によって総理の関係者らしく、先日引き渡しました。他のメンバーは、まだ基地にいますよ」

葵「…はぁ」

 それを自分に言って、どういうつもりだろう。反応に困っている葵の前で、ストレッチを終えた紫苑は、ダンベルコーナーから当然のように一番大きいものを2つ手に取り、ダンベルカールを始めた。

紫苑「しょっ、よっ、よっ」グイッ グイッ グイッ
503 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/02/29(木) 22:04:41.31 ID:w0hhYEFlo
葵「…!?」

 一個70kgのダンベルを、軽々と上下する紫苑。普段は長袖の制服に隠れているが、彼女の腕は中々に太い。呆然と見ていると、紫苑は更にダンベルを持ったままスクワットを始めた。

紫苑「ふっ、ふっ、ふっ」グッ グッ グッ

葵「す、凄いですね…」

紫苑「時間とっ、情熱を、かければ…誰でも、できます、よっ」グッ グッ グッ

 葵は、右手のダンベルを恐る恐る上下に動かした。このくらいなら骨がまた折れる心配はないのだろうが、どうしても怖いものは怖い。

紫苑「いきなり、重量をかけるより、まずは自重で、始めてはいかが、ですか?」グッ グッ グッ

葵「でも、自重じゃ負荷にならないって崩礼隊長が」

紫苑「筋量は増えませんが、骨の回復を促すには丁度いい刺激になります」

葵「へえ…ば、幕僚長も、骨折したことが?」

紫苑「ええ、何度も」

 にこやかに頷く紫苑。きっと、何年もの間、壮絶な戦いや修羅場を切り抜けてきたのだろう…

葵「じゃあ…治ったら、またティルフィング…えっと、コトブキ博士から貰った銃、撃てるようになる…?」

紫苑「ええ、なりますよ。…その、ティル…フィング? というのは、確か毒島ユカリの銃を参考に作られたとか」

葵「はい。毒島は平気で連射してたけど、あたしは一発撃っただけで…」

 細くなった右腕を持ち上げて見せる。

紫苑「それはきっと、撃ち方の問題でしょう。銃は不得手ですが、リボルバー、それも特大のものとなると、独特の反動とその逃し方があるのだと思います」

 そう言うと紫苑は、おもむろにダンベルを戻し、葵に背を向けた。

紫苑「では、行きましょうか」

葵「えっ? 行くって、どこへ」

紫苑「決まっているでしょう。そんな珍しい銃を平気で撃てるのは、わたしや貴女の知る限り、1人だけ」

葵「…ま、まさか」

 紫苑は振り返り、悪戯っぽく微笑んだ。

紫苑「ティルなんとかの撃ち方、毒島ユカリに教わりに行きましょう」
504 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/02/29(木) 22:06:06.44 ID:w0hhYEFlo
ねます
505 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/02/29(木) 22:47:26.18 ID:2ftnsS12o
おつー
506 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/03/01(金) 23:20:05.26 ID:hML4VydNo


朱音「…ねえ、何で…?」



アリス「…」ググッ



朱音「何で、またわたしをいじめるの? 『絵里』…」

 首相官邸。いつもの広い部屋で、朱音は問いかけた。その目の前には、トレイターの首魁、東郷アリス。彼女は床に片膝と両手を突き、歯を食いしばっていた。朱音の、ほぼ全力に近い『君臨』の力に、何のギフトも持たない彼女は、ただ筋力で抗っていた。

朱音「あの時…わたしに謝ったよね。ちゃんと仲直り、したよね? どうして…」

アリス「…から」



絵里「…『友達』、だから…止めに、来たんだ。こんな、こと…!!」



カツン カツン カツン

「ぐぅ…ん…はっ」パチ

「…うわーっ!? ばっ、幕僚長!? ごっ、ご苦労様であります!」バッ

紫苑「ご苦労」スタスタ

葵「どうも…」スタスタ

 うたた寝していた看守の前を素通りし、2人は廊下を奥へと進んだ。
 薄暗い廊下には、太い鉄格子の嵌った牢屋が、4つ並んでいた。その中に、それぞれトレイターのメンバーが1人ずつ閉じ込められていた。一番手前に見知らぬピンク髪、その次に毒島ユカリ、それからリュイア、そして一番奥に、これまた見知らぬ赤髪の幼女が入っている。

春華「ひっ、ま、また来た…!」ガタガタ

 ピンク髪の幼女が悲鳴を上げる。戦闘要員ではなさそうだから、これが桜木春華だろう。一番奥の赤髪が、大下ロルということだ。
 2番目の牢の前で立ち止まると、壁際で座り込んでいたユカリが顔を上げた。

ユカリ「…んァ?」

 ユカリの目が、紫苑の姿を捉えた瞬間、その身体が震え始めた。

ユカリ「な…何の用…?」ガタガタ

葵「え…?」

 見たことのない、ユカリの怯える姿に、葵は面食らった。紫苑は何でもない様子で、葵に囁いた。

紫苑「少し『尋問』しただけで、あんなに怖がることはないのに」

葵「…」

 紫苑の尋問がどのようなものか…『演算』でも予想できない。しかし、ただ1つ確かなのは…尋問を通して、ユカリは紫苑を『死合いを楽しむ相手』ではなく、『一方的に命を奪いに来る死神』だと理解したのだろう…

紫苑「少し、お話を聞かせていただきたいと思いまして」

ユカリ「何…? は、話すことなんて、無いと思うけどォ…」
507 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/03/01(金) 23:57:32.00 ID:hML4VydNo
紫苑「後学のために、貴女の銃の撃ち方を教えていただきたいのですよ」

ユカリ「銃の…?」

 ユカリが、きょとんとする。紫苑は、牢の入り口に放置されていた、ユカリの特大リボルバー拳銃を拾い上げた。奪われても撃てないように、銃身が捻じ曲げられている。

紫苑「ほら、これですよこれ。スミス&ウェッソンM500を改造した、この危険なピストルです」

ユカリ「…」

葵「…正確には、それを元にコトブキ博士が作った、これ」スッ

 葵が、手元にティルフィングを『再現』して見せた。

ユカリ「…知って、どうするの?」

紫苑「もちろん、我が陸上自衛隊の戦力増強ですよ」

ユカリ「使っておいて言うのも何だけど…いらなくなァい? こんなバカでかいの」

春華「そっ、そうだよぉ! うちら捕まったし、もう幼女同士で戦うとか、あり得ないでしょ!」

紫苑「さあ、どうでしょう」

葵「…?」

 意味深な紫苑の言い方に、葵は首を傾げた。

紫苑「とにかく。歩兵全員に指導しろとは言いません。こちらにおられる、篠崎葵陸曹長だけに教えていただきたい」

ユカリ「…」

ロル「…そいつ、例の『ツイン・ギフト』?」

 牢屋の奥で、ロルが不意に尋ねた。

ユカリ「そう」

ロル「教えたげたら?」

春華「!? なっ、何言ってんの!?」

ロル「だって、トレイターが散々探したツイン・ギフトだよ? ユカリはつまんないって言ってたけど…多分、化けるよ。そしたら、面白いことになる」

ユカリ「…でもォ」
508 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/03/02(土) 00:20:11.40 ID:c71pk7omo
ロル「良いから行ってよ。…今のユカリ、つまんない」

ユカリ「!」

ロル「ビビってるユカリ、つまんない。早くどっか行って」

春華「ビビって…ビビるに決まってるでしょ!? あんなことされて…」

ユカリ「…分かったわよ。いい加減、外の空気も吸いたいしィ」

紫苑「決まりですね」

 紫苑は頷いた。

紫苑「では、毒島をしばらくお借りしますよ。…逃げようなどとは、考えないことです」

ユカリ「はァい…」

ロル「…もう戻ってこないでよ」

509 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/03/02(土) 21:46:39.37 ID:c71pk7omo


 人目を避けるように、基地の中を進むと、不意に地下へ伸びる会談が現れた。紫苑に先導されるまま、階段を降りると、そこは緑色の網で仕切られて、人型の板の並んだ広間であった。

紫苑「人間の自衛隊が使用していた頃の、射撃訓練場です。独断で捕虜を釈放したと思われてはいけませんので、奥まったところで失礼」

ユカリ「…で、アンタの銃は?」

葵「…」

 葵は、ちらりと紫苑の方を伺った。

紫苑「大丈夫。妙な真似をすれば、すぐに取り押さえますから」

葵「…はい」スッ

 恐る恐る、ティルフィングをユカリに差し出す。ユカリは受け取ると、銃身やグリップ、シリンダーを観察し…おもむろに、人型の標的に銃口を向けた。

ユカリ「口径は、アタシのよりちょっと大きい。ジョイントの精度が高いから、シリンダーギャップが小さい分、反動も大きい。ただ、そのお陰で反動の予測もしやすくてェ…」

ズガァァンッ

 ユカリは衝撃に合わせて、腕を動かした。

ユカリ「っ、こ、これなら…」

 粉微塵になった標的。ユカリは震える息を吐いた。

葵「ど、どうやったの?」

ユカリ「腕で反動を逃がすのよォ? やってなかった?」

葵「やってはいたけど…」チャキ

 葵は、いつものコルトSAAを構え、別の標的に向けた。

葵「」バンッ バンッ

ユカリ「ううん。力で抑え込んでるわねェ。幼女の腕力で、それくらいなら耐えられるけど、コイツは無理よ」

 ティルフィングを構え、葵の撃った標的を狙い撃つ。

ユカリ「」ズガァァンッ

ユカリ「っ、に、逃しても、キツ…」ゾクゾクッ
510 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/03/02(土) 22:46:46.66 ID:c71pk7omo
 ユカリの目に、怪しい光が宿ってきた。口角が釣り上がり、唇によだれが垂れたのをみて、紫苑はその手からティルフィングを奪い取った。

紫苑「もう結構。…篠崎陸曹長、覚えましたか」

葵「はい」コク

紫苑「良いですね。では牢に戻りましょうか」



安価下コンマ ゾロ目で…
511 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/03/02(土) 22:49:06.45 ID:j2EDDl3Mo
512 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/03/02(土) 22:51:44.55 ID:wBhfKPnnO
おしい
513 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/03/03(日) 10:12:10.91 ID:jIMOBNNCo
ガチャン

ロル「…なに、もう戻ってきたの」

ユカリ「ごめんねェ…」ギラギラ

ロル「! …許す♡」

リュイア「…Generale. リュイアたち、いつまでここにいる?」

紫苑「…」

 リュイアの問いかけに、紫苑は黙って彼女の顔を見つめた。

紫苑「…それは、総理の判断によります」

春華「ま、ままままさか…しょ、しょけ…」

紫苑「『幼女は、皆仲良くすること』…総理の定めた、新日本国憲法第一条です。国防のためとは言え、わたしたちが独断で、幼女を殺害することは許されていません」

葵「え、そうなの?」

春華「よ、よかった〜…」

紫苑「…ですが、貴女がたはそれを破っています」

春華「っ!」

ユカリ「…」

ロル「…けっ」

 紫苑は、肩を竦めた。

紫苑「ですので、その辺りも踏まえて、総理のご判断を仰ぐことになります」

 そう言うと紫苑は、牢に背を向けた。

紫苑「では。…行きましょう、篠崎陸曹長」スタスタ

葵「…! はいっ」タッタッタッ…



朱音「…これが…『この人』が…わたしが、この国を作った理由」

絵里「! こ、この人…」

 白い花で飾り付けられた、小さな部屋。その中央に安置されたガラスの棺に横たわる人物を見て、絵里が息を呑んだ。

朱音「絵里は会ったことあるよね。…わたしの、『お父さん』」

514 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/03/03(日) 11:14:41.67 ID:jIMOBNNCo


 病室に戻ると、崩礼が待っていた。

崩礼「よう、探したぞ」

葵「ジムに行ってた」

崩礼「そうか」

 崩礼は、葵の右手を見て言った。

崩礼「ギプスが外れたようだな」

葵「うん」

崩礼「リハビリもあるだろうが、少しずつ訓練にも復帰してもらうぞ」

葵「! うん、分かった」

 葵は頷いた。それから、崩礼の制服に付いている階級章を見て気づいた。

葵「…昇進したの?」

崩礼「良く気づいたな。この前の作戦で、偉い奴らの避難に貢献したとかで、3等陸尉になった。朝倉は3等陸曹、上羽と乙坂は陸士長だ」

葵「それは…おめでと」

 その前に離脱した葵は、当然昇格も無い。複雑な思いで祝福すると、崩礼は肩を叩いた。

崩礼「タイミングの問題だよ。それ以上でもそれ以下でもない」

葵「…うん」

崩礼「そんなことよりお前、幕僚長と何やら楽しいことしてるみたいじゃねえか。ええ?」

葵「!」

 葵はどきりとした。幕僚長に連れられて基地を歩くところを、誰かに見られたのだろうか。

崩礼「…気を付けろよ」

葵「えっ?」

崩礼「普通科の佐山なんかはべた褒めしてやがるが、俺から見れば幕僚長は一筋縄じゃいかねえ…どうにも、何か抱え込んでる気がする」

葵「信用できないってこと…?」

崩礼「そんな極端な話じゃねえよ。ただ、何も考えずにほいほい従う前に、本当にそいつの言う通りにして良いのか、考えたほうが良いってことだ。…ま、それは誰に対してもそうか」

葵「崩礼隊長が相手でも?」

崩礼「お前、元々俺に対して、そこまで従順じゃないだろ」

葵「…ふ」

 葵は、思わず吹き出した。少し、心が軽くなった気がした。



安価下1〜3でコンマ最大 崩礼との話題、行動など
515 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/03/03(日) 11:50:38.45 ID:+kA3s/QYO
崩礼から見たティルフィングの使い方のコツを教えて貰う
516 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/03/03(日) 13:41:00.85 ID:b4oXJv35o
風呂に誘われた
517 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/03/03(日) 17:05:04.44 ID:jIMOBNNCo
崩礼「さて、と…」

 崩礼は、葵に背を向け…

崩礼「ギプスも外れたことだし、風呂に入るか」

葵「行ってらっしゃい」

崩礼「っ、お、お前も来いよ」

葵「えー…」

 この間まで、清拭やシャワーばかりで、久しぶりに湯船に浸かりたい気持ちはある。だが、崩礼がついてくるのは…



安価下 どうする?
@行く

A行かない(後で行く)

B行かない(行かない)

Cその他要記述
518 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/03/03(日) 17:11:33.51 ID:lz7lQTDJo
しゃーねーなーな雰囲気で1
519 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/03/03(日) 17:41:39.93 ID:jIMOBNNCo


 数分後。葵と崩礼は、大浴場の脱衣所にいた。崩礼はさっさと制服を脱ぎ、葵よりも小柄で、痩せ細った裸体を晒しながら言った。

崩礼「脱がないのか?」

葵「ぬ、脱ぐけど…」

 崩礼の視線を気にしながら、葵は病衣と、白い下着を脱いで裸になった。裸を見られるくらい、何も思わなかったはずだが、先日、看護官に触れられた感触を嫌でも思い出してしまい、お股の割れ目が疼いてしまう。

崩礼「じゃ、行こうぜ」

葵「う、うん…」

 タオルを腰に当てながら、葵は浴室に入った。



安価下コンマ
01〜30 混んでる
31〜70 他にもいる
71〜90 がらんとしている
91〜00 貸し切り
520 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/03/03(日) 17:42:21.04 ID:zZrw5LCG0
521 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/03/03(日) 21:11:15.61 ID:jIMOBNNCo
 訓練が終わった頃のようで、浴室は幼女たちで混み合っていた。どうにか空いているシャワーを探すと、崩礼と離れて座った。崩礼はかけ湯して、先に湯船に入っていった。
 ひとまず、良からぬことを考えていそうな人物と離れたことに安堵すると、葵は身体を洗い始めた。

葵「…」ゴシゴシ

 いつものように右手で身体を洗うと、あっという間に疲れてしまった。見比べると、やはり右だけ細い。

葵「…元に、戻るかな」

 1ヶ月はリハビリが必要と言われたが、崩礼の口ぶりだともっと早く戻れそうだ。それに、訓練だってリハビリになるはず。早く、8班に戻らないと。



 翌朝。起床ラッパの音で目を覚ますと、葵はいそいそと病衣を脱ぎ、制服に着替えてみた。まだ復帰の時期は聞いていないが、いつでも戻れるように生活習慣を戻していかなければ…



安価下 どうする?
@外出

Aジムでトレーニング

B寝る

Cその他要記述
522 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/03/03(日) 21:52:02.98 ID:Krky+sypO
2
523 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/03/03(日) 22:19:30.48 ID:jIMOBNNCo
くぎる
524 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/03/03(日) 22:25:46.13 ID:b4oXJv35o
おつー
525 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/03/04(月) 22:23:36.06 ID:RX/zpu+7o


 せっかく着替えた制服を体操服に替え、葵はジムにやってきた。穴掘り前に、取り敢えず人並みの動きができるように戻しておかないと。昨日、幕僚長から勧められたように、自重で腕立て伏せからやってみよう。



安価下コンマ
01    サイレン
02〜30 こんなに重かった…?
31〜60 頑張った
61〜90 ラセン隊長だ
91〜00 幕僚長オリジナルの…?
526 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/03/04(月) 22:27:30.31 ID:rMicpNI2o
527 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/03/04(月) 22:36:46.25 ID:RX/zpu+7o


葵「んーっ、しょっ、うんーっ、しょっ…」ググッ

 一度折れて縮んだ腕には、幼女の体重すら苦しかった。どうにか回数をこなすと、葵はマットの上に倒れ込んだ。

葵「ふぅ…もう、無理…」

 左手を突いてどうにか立ち上がると、不意に目の前にプロテインシェイカーが差し出された。

由依「お疲れ様、葵ちゃん」

葵「由依…真姫も」

真姫「何だか、久しぶりだね…」

 由依の手からシェイカーを受け取ると、葵は中身を飲み干した。

葵「んぐ…っは。ごちそうさま」

由依「リハビリ、頑張ってるみたいだね」

葵「ん」コクン

由依「崩礼隊長から伝言だよ。…明日の訓練から、葵も参加するようにって」

葵「! 分かった」

 葵は頷いた。

真姫「明日、いつもの訓練所で待ってるね」



葵「ふぅ…」

 額の汗を拭い、レッグプレスから降りた。訓練への復帰を受けて、いつも以上に張り切ってしまった。ぱんぱんに張った太ももを擦りながら、葵は自分でも不思議な気持ちになった。
 元々、葵は活発な方では無かった。家にこもって、ロボットアニメを見ているのが好きだった。そんな彼女が、バリバリ体育会系の自衛隊に飛び込み、訓練に精を出しているのは、どういうわけだろう…



安価下1〜3でコンマ最大 食事、入浴中の出来事
528 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/03/04(月) 22:48:04.57 ID:7zpdX2ri0
風呂で数分間寝落ちしていたのを偶然来た初に起こされる
529 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/03/04(月) 22:58:37.85 ID:a8BVNBWoO
お風呂で数人の幼女に声をかけられて一緒に出ていく初を目撃
530 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/03/04(月) 23:06:11.94 ID:RX/zpu+7o


葵「ふぅ…」ポチャン…

 湯船に浸かり、ほっと一息。痛めつけた筋肉が、じんじんと温かい。若者は、翌日筋肉痛になる。もっと大人になると、数日経って筋肉痛になるらしい。
 幼女は、その日のうちに筋肉痛になる。

葵「ふぁ…ん?」

 両腕と両脚に痛みが広がるのを感じながら欠伸をすると、不意に湯船の向こうに知った顔があるのに気付いた。

葵「初…」

 声を掛けようとして、二人の間に邪魔が入った。



「乙坂、ここにいたの」「遅いじゃーん」「ねえ、今日約束してたよね?」

初「あ、あっ…」ザバッ



 湯船から引き上げられる初。それでも、特に抵抗するでもなく、初は3人の幼女と共に浴室を出ていった。

葵「…?」



安価下 どうする?
@追いかける

A追いかけない

Bその他要記述
531 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/03/04(月) 23:35:27.92 ID:ift7zqdrO
1
532 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/03/05(火) 21:54:40.85 ID:gYi+OvpNo


 初と3人の幼女を、後ろからこっそり追いかける葵。
 辿り着いたのは、初の部屋であった。

葵「初って、同室いなかったよね…?」

 3人は当然のようにドアを開け、初を連れて部屋に入ると、ドアを閉めた。すぐに、ガチャンと鍵を掛ける音がした。

葵「…」

 そっと、ドアに耳を当てる。



「…ねえ、玉置隊長とはヤったの?」「してない、です…」「嘘つけ。篠崎にフラれたから、代わりに乙坂を隊に入れたんでしょ」「ほ、ほんとにしてないですって…」



葵「…」

 葵は、眉をひそめた。崩礼と、何をするのだろう? それに、何故自分の名前が出てくるのだ…?
 聞き耳を立てていると、1人が言った。



「お喋りはもう良いでしょ。…ほら、脱いでよ」「は、はい…」



葵「!?」



「10分で交代ね」「ねえー、早く舐めてよ」「じゃ、あたしは舐める」

「はい…ん、れろっ…あ、あっ♡」



葵「…?????」

 初たちは、一体何をシているんだ…?



安価下 どうする?
@もう少し聞く

Aノックしてみる

B突入

Cその他要記述
533 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/03/05(火) 22:35:44.88 ID:90QcQ9n0o
3
534 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/03/07(木) 22:06:12.59 ID:wypWWRgJo
葵「…」グッ

 葵は、ドアノブを握り…捻って、ドアを開けた。葵は、『鍵のかかっていない』このドアを見たことがある。だから、それを『再現』したのだ。

葵「何してるの!」ジャキッ



「…うわっ!?」「なっ、何よアンタ!?」

 そこにいたのは、全裸で仰向けになった初と、その顔に跨る下半身裸の幼女と、初の脚の間に顔を埋める幼女と、向かいのベッドに腰掛ける幼女……



葵「…うっ、初から離れて!」ジャキッ

 混乱しながらも、葵は両手にリボルバーを構えて叫んだ。

「うるさいわね、アンタ、何なのよ!」

「…あっ、もしかして、お前が篠崎」

「…ふーん、そういうこと」

 向かいのベッドに座っていた幼女が、にやにやしながら言った。

「乙坂、玉置隊長じゃなくて、篠崎とヤってたんだ」

葵「ヤってたって、何を」

 右手がきつくなり、葵は左手でリボルバーを向けた。

「とぼけちゃって。ほら、今やってること」

「れろ…っ♡」

初「あっ、あぅ…♡」ビクッ

 裸の割れ目を舌で舐められ、竦み上がる初。

葵「!? はっ…離れてって、言ってるでしょ!」

「何でさ? こんなに、気持ちよさそうにしてるのに…」
535 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/03/07(木) 22:17:57.52 ID:wypWWRgJo
 股間を舐めていた幼女が、初の割れ目を指で広げた。そうして、小さなピンク色の穴に指を突っ込むと、奥から透明な汁を掻き出した。

初「ひゃぁ…あぁっ…♡」プルプル

「ちょっと、舌がお留守よ!」グイッ

初「はぶっ…れろ、ぇろ…っ♡」

「あぁんっ…もっとぉ…♡」ゾクゾクッ

葵「う、初…?」

「…ねっ」

 傍観していた幼女が、葵の肩に腕を回した。反射的に振り払うと、彼女は言った。

「うちら、こうして『仲良く』してるだけだから…篠崎だって、玉置隊長とヤったんでしょ?」

葵「や、やってない!」

 事ここに至り、葵はようやく、崩礼の言っていた『営み』の意味を理解した。崩礼は、拒まれると潔く諦めて、最近は言い寄ることも無いが、もう少し聞き分けが悪ければ、今頃葵は…

葵「…で、でもっ、初、1人で3人を」

「えー? だって、乙坂が良いって言ったんでしょ?」

「そうそう…んっ♡」「じゅるるるっ、じゅっ♡」

初「あっ、あっ♡ あむ、んんぅ…♡ んっ、あぁっ…♡」



安価下1〜3でコンマ最大 どうする?
@見逃して帰る

A全員ぶっ飛ばす

B混ざる

Cその他要記述
536 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/03/07(木) 22:36:18.92 ID:pJjykMaUO
4演算を使いつつ初とこの場を抜け出す
537 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/03/07(木) 22:38:31.40 ID:k5eh6b04o
3
538 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/03/07(木) 22:47:05.35 ID:ej7lmYiLo
2
539 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/03/08(金) 22:08:27.45 ID:658loP7Ro
葵「…」ツカツカ ギシッ

「おっ、篠崎も混ざる?」

初「あ、あおいちゃ…」

 葵は、初の横たわるベッドによじ登ると…

葵「」ガシッ

「い゛っ!?」

 初の顔に跨る幼女の後頭部を左手で掴み、そのまま前に引き倒した。

「いだっ!?」「あ痛っ!?」ゴッ

 足元側に陣取っていた幼女と、頭を打ち合わせる。悶絶する2人の間から初の身体を引き抜くと、そのまま左肩に担ぎ上げた。

初「あっ…」

葵「初は、あたしの部下。連れて帰る」ダッ

 初の身体に、パジャマを『再現』しながら、葵は部屋を飛び出した。



 宣言通り葵は、自分の部屋に初を連れてきた。幸い、葵も同室がいない。話を聞くには丁度いい。

葵「…いつも、あんなことしてるの?」

初「…い、いつも、っていうか、時々…」

葵「何で、あんなことになってるの?」

 すると初は、気まずそうに俯いた。

初「…その…ここって、お、女の子が好きな人が、何人かいて…でも、相手がいなくて…一回、頼まれて、よく分からなかったけど、やったら…なんか、増えて」

葵「嫌なら、嫌って言わないと」

初「…」コクン

 小さく頷く初。それから、前髪の隙間から窺うように、葵を見た。

初「…あ、葵ちゃんって…結局」

葵「結局?」

初「く…崩礼隊長とは…」

葵「断ったよ」キッパリ

初「や、やっぱりそうだったんだ…でも、ど、どうやって?」

葵「えっと…その時は、未汐が同室だったから、一緒に…」

初「! そっか、朝倉さんが…」

葵「後、襲ってきた時に頭に数発」ジャキッ
540 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/03/08(金) 22:34:29.43 ID:658loP7Ro
初「撃ったの!? 隊長を!?」

葵「それだけじゃ、諦めなかったけど…誘ってくるの全部無視したら、諦めた」

 初は、呆然としながら言った。

初「…あ、葵ちゃんは…強いです」

葵「! …」

 葵は、複雑な顔をした。

葵「…でも…それだけじゃ、何の役にも…今回の作戦も、初たちの方が活躍したし」

初「ういは、言われた通りにしただけです…葵ちゃんみたいに、自分の力じゃ何もできないです」

葵「できるとか、できないとかじゃなくて」

 脳裏に浮かぶ、毒島ユカリの姿。トンネルで。地下道で。牢屋で。射撃場で。この幼女は、幾度となく葵の目の前に現れ、その力の差を、嫌でも見せつけてくる…

葵「やらなきゃいけない…って時が、時々来るんだよ。あたしだって、勝てるから戦ってるんじゃない…目の前に敵が現れて、戦わないといけないから、戦ってる。…で、結局負ける」

初「でも、あのテロリスト相手じゃ仕方ないで」

葵「あたしには『しょうがない』って言ってもいいけど。でも、あたしは…幸実閣下に『自分が負けたのはしょうがない』なんて、絶対言えないかも」

初「! …」

 葵たちが取り逃した結果、トレイターは首相官邸前に集結した。幸実はそれを1人で制圧したが、帰投した彼女の右足の骨は、粉々に砕かれていた。治っても、杖無しで歩くことは難しいかも知れないと言われたらしく、葵もいた院内には重苦しい空気が漂っていた。

葵「だから…精一杯、強くならなきゃ。ガッタイザーだって、何回も負けて、その度に轟タイザは修行して、パワーアップしてきたんだから」

初「…はい!」

葵「というわけで、明日から訓練に戻るから。よろしくね」

初「よろしくお願いします!」

 頷く初。気が付くともう、日付が変わろうとしていた。



安価下1〜3でコンマ最大 どうする?
@寝る

Aその他要記述
541 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/03/08(金) 22:52:23.51 ID:WTT0l50hO
1
542 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/03/08(金) 22:52:51.18 ID:xovjpi8b0
1
543 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/03/09(土) 06:38:44.84 ID:oX/o+MPPo
葵「じゃあ、寝る。そこのベッド空いてるから、使っていいよ」

初「はい…」ゴソゴソ

葵「おやすみ」

初「おやすみなさい…」



安価下コンマ ゾロ目で…
安価下コンマ 01で…
544 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/03/09(土) 07:57:26.26 ID:h4vBrE1zo
えい
545 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/03/09(土) 22:19:38.68 ID:BagKNGoEo


カツン カツン カツン

春華「…!! なっ、何っ、今度は何!?」ガクガクガク

 春華の問いかけに…暗がりの中から紫苑は、無表情に言った。

紫苑「総理からの命令です。貴女がたを、官邸へ護送するようにと」

ロル「あそこに送って、何する気?」

紫苑「さあ?」

リュイア「…Aliceは? 無事?」

紫苑「ええ、おそらく。今回の命令も、東郷アリス…正しくは八島絵里の希望で、と」

ユカリ「ふゥん…?」

春華「リーダーが? なら、よ、良かったぁ…」

紫苑「ですが」

 突然、紫苑が声を張り上げた。暗闇の中から、光の下へまろびでた彼女の手には、一振りの日本刀。

紫苑「この国を脅かし、罪のない幼女たちを殺傷した貴女がたを、総理…たかだか1人の幼女の一存で見逃すのは、『わたしの』気が済みません。よって」スゥ…

 ゆっくりと、鞘から刀を抜く。



紫苑「___ここで、貴女がたには死んでいただきます」

546 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/03/11(月) 21:11:05.02 ID:7K/JNYe2o


崩礼「見ての通り、今日から篠崎にも訓練に復帰してもらう」

葵「よろしくお願いします」ペコリ

由依「おかえりー!」

 手を振る由依。しかし崩礼に睨まれ、さっと気をつけに戻った。

崩礼「実際のところ、篠崎はまだリハビリ期間中だ。できる限り付いてこい」

葵「サーイエッサー。…大丈夫。ついて行く」

崩礼「…」

 崩礼は、少し目を伏せ…言った。

崩礼「…お前を早く訓練に戻したのには、訳がある」

葵「訳?」

崩礼「テロリストが捕まったことで、『拡大作戦』が再開する可能性が高いと判断した」

葵「『拡大作戦』…?」

崩礼「ざっくり説明すると、人間の支配域に攻め込み、幼女の支配域を広げる作戦だ。つまり、これからの相手は人間の軍になる」

葵「…」

崩礼「この作戦は、総理の肝いりだ。テロリストが活発化してからしばらく停滞していたが、そいつらが捕まった以上、すぐにでも総理は作戦を再開したがるだろう…というのが俺の予想だ」

由依「陸自だけじゃなく、空自も参加するんだよ」

崩礼「我々塹壕班は、作戦のキーになる。よって、さっさとお前を戻し、リハビリがてら訓練をさせることにした。…異論は?」

葵「…何でもいい。早く、戻りたかった」

 崩礼は、ふっと微笑んだ。

崩礼「なら、いい」

 それから、再び険しい目つきに戻る。

崩礼「…話は以上! まずは装備の点検だ!」





安価下コンマ
01〜10 訓練が終わった
11〜90 周りが騒がしい
91〜00 背後に
547 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/03/11(月) 21:12:34.02 ID:/k6gB4wIo
えい
548 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/03/11(月) 21:20:58.86 ID:7K/JNYe2o


崩礼「本日の訓練は以上!」

葵「いったぁ…」ズキズキ

 おなじみの穴掘り訓練で、右腕が痛い。他の隊員と比べても、まだまだペースが遅い。

崩礼「…どうだ。調子は戻りそうか」

葵「戻す…」ズキズキ

 呻くように応える葵。そこへ、初が近寄ってきた。

初「葵ちゃん、お疲れ様です…」

葵「ん、お疲れ様」

初「ご飯、食べませんか…?」

 初は、おずおずと尋ねてきた。



安価下 どうする?
@初と夕食

A他の隊員と夕食(相手を併記)

B1人で夕食

Cその他要記述
549 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/03/11(月) 21:29:04.83 ID:CF4wRL5E0
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