【R-18G】幼女災害【安価】

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550 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/03/11(月) 21:30:24.69 ID:7K/JNYe2o
葵「うん、行こ」スタスタ

初「! はい」トコトコ

 歩き出した葵の後ろを、初が嬉しそうに付いてきた。



安価下1〜3でコンマ最大 食事、入浴中の出来事
551 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/03/11(月) 22:16:01.60 ID:/CCGUhZYo
あれから例の奴らに迫られたりしてないか聞く
552 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/03/11(月) 23:35:00.79 ID:CF4wRL5E0
興味本位と前置きした上で初は幼女同士の肉体関係に抵抗はないのかと問う
553 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/03/12(火) 20:56:36.37 ID:FSYAj4tMo


初「」モグモグ

葵「」モグモグ

葵「…ねえ」

 箸を止め、ふと葵が口を開いた。

初「ん…はい、何です…?」

葵「本当に…ただの興味なんだけど…」

 葵は、辺りを見回し…小声で尋ねた。

葵「…その、初は、嫌じゃないの?」

初「?」

葵「女の子同士って…」

初「! …」



安価下コンマ
01〜30 嫌だけど…
31〜60 実はそこまで…
61〜90 実は自分も…
91〜00 …葵ちゃん
554 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/03/12(火) 21:17:35.62 ID:vzbutjRe0
555 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/03/12(火) 21:37:08.88 ID:FSYAj4tMo
初「…///」

 すると、初は顔を赤くして俯いた。

葵「初…?」

初「えっと、その…ほ、ほんとは、ういも『そう』で…」

葵「…!?」

 初の言わんとすることに気付き、葵は絶句した。

初「な、内緒ですよ? だから…あの子達は好き、じゃないけど…するだけなら、別に…///」

葵「そ、そうなんだ…」

 葵はしどろもどろに相槌を打つと、逃げるようにご飯を口にかき込んだ。







幸実「…」パチ

 ベッドの上で、幸実は目を覚ました。砕かれた右足が痛む。腫れが引き、手術ができるようになったことで、骨の固定が外固定のピンからプレートとスクリューに変わり、かなり身軽になった。それでも、手術の傷は痛むし、地面に右足をつけることができない。

幸実「…はぁ」ギッ

 身体を起こし、ベッドサイドに腰掛けると、柵に立てかけた松葉杖を取り上げ、立ち上がった。

幸実「よい、しょ…」ググッ

幸実「…立つのも一苦労」ハァ

 ため息を吐くと、幸実は杖を突き、病室を出た。行き先は特に無い。そもそも、こんな夜中に、怪我人が出歩くものじゃない。
 しかし、幸実は胸騒ぎを覚えていた。

556 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/03/12(火) 21:55:51.72 ID:FSYAj4tMo


カツン カツン カツン

幸実「ふぅ…ふぅ…」

 巨大化の反動で、幸実の身体はすっかり痩せている。しかしそれ以上に、筋力が落ちてしまった。病棟を出るだけで、幸実は辛そうに額を拭った。

幸実「ふぅ〜…」

「…あっ、閣下!」

 病棟を出たところで、巡回の兵と鉢合わせた。

「お散歩ですか?」

幸実「そんなとこ〜」

「そうでしたか。…」

 そこまで言って、兵は何か言いたげに黙り込んだ。

幸実「…な〜に?」

「あの…非常に申し上げにくいのですが」
557 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/03/12(火) 21:56:31.84 ID:FSYAj4tMo


「トレイターが、牢を脱走したようで…幕僚長も、見当たりません」

558 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/03/12(火) 22:30:58.25 ID:FSYAj4tMo
くぎる
559 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/03/12(火) 23:17:46.75 ID:erdetTZ6o
おつー
560 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/03/13(水) 22:27:28.44 ID:m8YIAT6no


 基地の中は、混乱の渦に包まれていた。

桜「そんな…幕僚長が…そんな…」

二三「トレイターめ…4人がかりで、幕僚長を…」



幸実「…紫苑ちゃんが、あの4人にやられたとは思わないわね〜」

ねね「分かってるわよ。皆、分かってる。分かってるけど…」

???「…認めたくないのである」

 紫苑の使っていた執務室にて。隊服に、何故かフルフェイスヘルメットで顔を隠した幼女が、重々しい声で言った。彼女は長虫 虹(ながむし こう)准陸将。機甲科長でもある、陸自のナンバー3であった。

虹「あの幕僚長が、テロリストと共に出奔したなど」

幸実「…」

 幸実は、ため息を吐いた。

幸実「そんな娘に育てた覚え、無いんだけどね〜…」

ねね「とにかく!」

 ねねは声を張り上げた。

ねね「今は、体制を立て直さないと。閣下には、また幕僚長に戻ってもらって」

虹「だが…閣下は今、足を負傷しているが」

幸実「ここで指示出しくらいはできるわ。…」

 幸実は、椅子に深く座り直した。

幸実「…紫苑ちゃんの考えは分からないけど…トレイターを率いて、テロ行為をするとは流石に思わないかな〜。それよりも、自衛隊以外で動かせる戦力を得て、何かをしようとしてるのかも」

ねね「ひどいことにならなきゃ良いけど…あ」

 ここで、ねねがふと、何か思い出したように声を上げた。

ねね「そう言えば、変な噂を聞いたんだけど…」



崩礼「…篠崎。都築科長が呼んでるぞ」

葵「科長が…?」

崩礼「この状況だ。あんまり良い用事じゃなさそうだな…俺も行こう」

葵「ん…」

 硬い表情のまま、葵は頷いた。何となく、ねねの用事は察しが付く…
561 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/03/13(水) 22:41:21.74 ID:m8YIAT6no


 果たして、執務室に行くとねねだけでなく、幸実や見知らぬフルフェイスヘルメットの幼女までもが、ただならぬ顔で葵と崩礼を出迎えた。

ねね「何よ、玉置ちゃんまで来たの?」

崩礼「毎度毎度、俺をすっ飛ばして篠崎ばかり呼ばれるのが、いい加減ムカつくんでな。…で?」

葵「何の用事?」

幸実「…これは、噂なんだけど〜…葵ちゃん、紫苑ちゃんと、毒島ユカリと、基地を散歩したって本当?」

葵「! …」

 やはり、それか。ちらりと崩礼の方を窺うと、彼女は怪訝な目で葵を見返した。

ねね「…玉置ちゃんがいたら話しづらいなら、出て行ってもらって」

葵「良い、です。…別に、散歩はしてません。けど」

虹「けど?」

 フルフェイスヘルメットの幼女が、首を傾げる。

葵「…訓練を、見てもらってました」

幸実「紫苑ちゃんは、時々そういう事するけど…毒島ユカリにも、訓練を?」

葵「そうじゃなくて…毒島に、教わりました」

ねね「はぁーっ!?」

 ねねが素っ頓狂な声を上げた。

ねね「テロリストに、何を教わるのよ!? そんなことしたら、あんたもテロリストじゃない!」

葵「あたしが、コトブキ博士から貰った銃は…毒島の銃を元に作られたんです。地下道での戦いで、上手く撃てなくて怪我をしたことを幕僚長に話したら、それなら元の銃の持ち主に撃ち方を教わろうと言われて…」

ねね「…」

虹「…閣下」

 幸実は、ゆっくりと頷いた。

幸実「…紫苑ちゃんは、そういう事する、かも」
562 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/03/14(木) 22:23:55.25 ID:NpZuanwho
葵「…」

 葵は、奇妙な脱力感を覚えていた。そうだ。紫苑は結局、誰に対してもそうなのだ。葵が特別なのではなく、単に目についた隊員に声をかけ、指導していただけなのだ…

虹「…幕僚長が、あの4人を鍛えようとしている可能性は?」

幸実「うちたち自衛隊を差し置いて、あの4人を指導するって…?」

虹「その…我々に明かせないような任務を任せるために」

ねね「そういうのを、テロ行為って言うのよ? …信じたくは無いけど、向き合わないといけないわ。幕僚長が、テロリストの仲間に」

メシャッ

 突然、幸実の座る机の天板が、音を立てて引き裂けた。

ねね「!?」ビクッ

幸実「…」ググッ

 幸実は、裂けた天板を握りしめたまま、手元をじっと凝視していた。彼女が、感情のままに机を引き裂いたのだ。

幸実「…ええ、ええ、そう、大丈夫…」プルプル

崩礼「…篠崎に、もう用はありませんな?」

幸実「」コク

崩礼「行くぞ」グイッ

葵「あっ…」

 崩礼が、葵の肩を掴んで執務室の外まで引っ張った。
 程なく、ねねと虹も執務室から出ていった。扉が閉まってから数秒経って…その向こうから、泣き叫ぶ声が、廊下まで響き渡った。
563 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/03/14(木) 23:16:36.24 ID:NpZuanwho


ラセン「どうもこうも、ないだろうっ」ギィッ ギィッ ギィッ

 目一杯重量を乗せたバーを上下しながら、ラセンは言った。

ラセン「体制を整え、訓練を続け、帰りを待つ、それだけだっ」ギッ ギッ ギッ

葵「でも…」

 右手でダンベルを保持しながら、葵は呟いた。

ラセン「幕僚長は、気まぐれな人だ。しょっちゅう執務室を抜け出しては、目についた下士官に稽古をつけたり、飯に誘ったりする」ギッ ギッ

葵「…」

ラセン「それならまだ良いほうだぞ。陸将だった頃は、誰彼構わず組手を挑んでは、一方的に叩きのめしてきたものだ。ワタシもやられた」

葵「それって、この前言ってた」

ラセン「だが、それでも不思議と上手くいくのは…あの方の芯に、揺るぎない『正義』が、あるからだと、ワタシは思うぞ」ギッ ギッ ギッ ギッ

葵「信じて良いのかな…」

ラセン「ああ。少なくとも、ワタシは信じるぞ」

 ラセンはラットプルダウンのマシンから降りると、葵の隣でダンベルを持ち上げた。

ラセン「だから、いつでも任務に就けるよう、鍛えておかねばな」グイッ グイッ グイッ

葵「…うん」ググッ



葵「…ふぅ」ガタッ

 ダンベルを置くと、葵はいつものようにプロテインを溶かして飲んだ。訓練と夕食の後に来たから、もう外は夜だ。風呂に入って寝よう…



安価下1〜3でコンマ最大 夜の出来事、行動
564 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/03/14(木) 23:40:46.72 ID:0exYkCbV0
自分なりに情報を整理して幕僚長の行動の理由や意図を考察してみて、行き詰まったらやめて寝る
565 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/03/15(金) 21:51:39.51 ID:lmYKAREZo


葵「…」ジッ

 夜。ベッドの中で、葵は考えていた。

葵「幕僚長は、何で毒島たちを連れて出ていったんだろ…?」

 紫苑は、偉い。陸自の隊員は皆、彼女を尊敬しているし、命じられれば大抵のことはするだろう。では、隊員に任せられないようなことを押し付けるために連れて行ったのかと言われると、それも違う気がする。何しろ、紫苑は強い。下手したら幼女で一番強い。幸実1人で制圧できるような戦力など、むしろ足手まといにすらなりかねない。

葵「…むぅ」

 分からない。『演算』しても、人の気持ちは分からない。つくづく、肝心な時に役に立たないギフトだ…

葵「じゃあ、逆から考えたら…」

 紫苑が、現状不満に思っていて、どうにかしたいと思っていることは?
 例えば、陸自の人手不足。人間、種付けおじさん、そしてテロリスト…空自よりも、陸自の仕事は多い。いつも人手を欲しがっていると、空自の霰准空尉は言っていた。

葵「なら、逃げずに4人を入隊させれば良いじゃん…」

 他には? 例えば…自分も、総理大臣になりたいとか。常々、紫苑は朱音総理の周りが、彼女の関係者で固められていることを語っていた。テロリストのリーダーも、『例によって』総理の関係者らしい。そんな現状を、変えたいとか。

葵「あるかも…だけど、そしたら、本当に幕僚長までテロリストになっちゃったってこと…?」

 一先ずその考えを押しやり、次に浮かんだのは…

葵「…何もかも、嫌になっちゃった…?」



安価下コンマ
01〜50 寝落ち
51〜60 眠れない…
61〜70 ノック
71〜80 ノック
81〜90 窓
91〜99 窓
   00 頭上
566 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/03/15(金) 21:55:28.52 ID:L0LrWRAzo
えいや
567 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/03/15(金) 21:58:34.54 ID:lmYKAREZo
葵「…」

 ベッドの中で、葵は目を開いたままじっとしていた。色々な考え…実際には、ほんの2、3個程度の考えが、ぐるぐると脳内をループする。
 眠れない…



安価下 どうする?
@無理やり寝る

A基地を散歩する

B初の部屋に行く

C崩礼の部屋に行く

Dその他要記述
568 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/03/15(金) 22:28:02.81 ID:uTvnpV8l0
2
569 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/03/15(金) 22:43:32.05 ID:lmYKAREZo


葵「…」ムクリ

 葵はベッドから降りると、靴を履いた。そうして、部屋を抜け出した。



安価下コンマ
01〜10 雨
11〜60 特に無い起こらない
61〜90 ラセンだ
91〜99 幸実だ
   00
570 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/03/15(金) 22:55:05.27 ID:uTvnpV8l0
571 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/03/15(金) 23:11:28.92 ID:lmYKAREZo


葵「…寝よ」

 歩いたら、頭が少しすっきりした。部屋に戻ると、葵はベッドに潜り込み、すぐに眠りに落ちた…







 あれから、数週間が経った。陸上自衛隊は幸実を幕僚長代理として、これまで通りの運営に努めていた。脱走したトレイターは、再び暴れることはなく、紫苑共々どこかへ息を潜めているようであった。
 元々、総理の要請で4人を官邸に移送することになっていたらしい。他の幼女では返り討ちに遭いかねないので、紫苑自ら牢に向かった訳だ。
 表向きには、紫苑はそこで4人がかりで倒され、拉致されたことになっている。

葵「…ふぁ」

 ベッドの上で、葵は欠伸をした。一人ぼっちの部屋にも、すっかり慣れた。
 今日は久々の非番だ。どう過ごそうか…



安価下1〜3でコンマ最大 どうする?
@外出

Aトレーニング

B二度寝

Cその他要記述
572 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/03/15(金) 23:13:58.76 ID:eFsb6Koxo
3
573 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/03/15(金) 23:17:52.83 ID:lmYKAREZo
ねる
安価下
574 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/03/16(土) 08:07:24.04 ID:kn05Rzqi0
1
575 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/03/16(土) 10:50:45.45 ID:fNz+PzEYo
1
576 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/03/16(土) 20:33:46.03 ID:JmP1CJDTo
葵「…」ドサ

 葵は、再びベッドに倒れた。今日は何もする気にならない。また寝よう…



ウー…ウー…
ジリリリリリ…

葵「!?」ガバッ

ガチャ

真姫「葵ちゃん! …あっ、いた!」

葵「何があったの?」

 部屋に飛び込んできた真姫に尋ねた。

真姫「非番の子も集まってって! そして、首相官邸に出動しなきゃ」

葵「首相官邸…?」

 嫌な予感。真姫は、青ざめた顔で言った。

真姫「トレイターと…幕僚長が、襲ってきたって」
577 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/03/17(日) 16:44:07.17 ID:v50bQ5B5o


朱音「…」ジッ

コトブキ「ああもう…」イライラ



紫苑「…」ニコニコ



 大きな机を挟んで向かい合う、朱音と紫苑。怪訝な目を向ける朱音と、その隣で苛立つコトブキに対して、紫苑は張り付いたような笑みを浮かべていた。そして、その後ろではトレイターの4人が、突っ立ってじっと黙っていた。

コトブキ「…確かに、テロリストの4人を連れてこいとは言ったがね? どうして、こんな騒ぎになっているんだ?」

 コトブキが口を開いた。

紫苑「騒ぎに?」

コトブキ「とぼけるんじゃないよ。君がテロリストごと基地から失踪して、陸自が混乱しているじゃないか」

紫苑「混乱? わたし一人いなくとも回るよう、育ててきたつもりですが」

コトブキ「組織運営の問題じゃない。君という存在の損失による、精神的な打撃の問題だよ」

朱音「みんな、あなたを頼りにしてたよ。…もちろん、わたしも」

 ここで、始めて朱音が口を開いた。

紫苑「総理が? それは光栄です。ですが総理には、忠実なご友人がおられるではありませんか」

コトブキ「親衛隊だけで、治安維持ができるものか。君の能力は、誰もが認めている。総理は、君の忠誠心も買っていた。だが、君はそれを裏切ったのだよ」

紫苑「そうですか」

朱音「…」スクッ

 平然と応える紫苑に、朱音が椅子から立ち上がった。そして、その目が朱く…
578 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/03/17(日) 16:59:32.42 ID:v50bQ5B5o


バンッ ザッザッザッザッ

「動くな!!」



 突然、部屋のドアが勢いよく破られ、何人もの兵がなだれ込んできた。彼女らは朱音とコトブキに背を向け、紫苑と4人のトレイターを取り囲んだ。

「っ! ば、幕僚長…」

紫苑「お勤めご苦労。ですが、突入する場所を間違ってはいませんか? 誰も、陸自に通報など」

???「わたしがしました」

 不意に、紫苑の背後から声がした。と同時に、彼女の首元にナイフの刃が現れた。それから遅れて姿を現したのは、朝倉未汐。
 紫苑は一切動じること無く言った。

紫苑「いつ出てくるか、気になっていましたよ。朝倉2等陸曹」

未汐「もう2等陸曹ではありません。それから、無駄話は終わりです」

 紫苑の首筋にナイフを押し付け、低い声で言う。

未汐「…目的は、何? 返答次第では殺すね」

紫苑「…」

 紫苑は肩を竦めると…言った。

紫苑「ちょうど聴衆も揃いましたし、お話ししましょうか」
579 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/03/17(日) 17:55:46.23 ID:v50bQ5B5o
紫苑「まず…トレイターによるこれまでの被害を。居住地での破壊行為、5件。繁華街など、人口密集地での破壊行為、2件。幼女の負傷者、39名。死者、2名。人間の死傷者、74名。種付けおじさんの被害、計測不能」

紫苑「…少なくとも、わたしの知る人間の司法に則れば、死刑は免れない」

朱音「…そうだね」

 ここで紫苑は、4人を振り返った。

紫苑「では…何故、彼女らはトレイターを組織し、テロ行為に及んだのか」



ユカリ「…」

紫苑「毒島ユカリ。物心ついた時から、死の感覚に興味を持っていたそうです。しかし彼女の得たギフトは『繁殖』。牧場に回された彼女は、種付けおじさんに強制的に種付けされ、幼女ではなく種付けおじさんを出産したことで、そこからも不要とされた。更に、幼女の力を受け継いだことで危険視された自身の『息子たち』を、目の前で処分されたことで、遂に死に触れ…彼女は、出奔しました」



春華「はっ…はっ…」ガクガク

紫苑「桜木春華。親から虐待を受けていた彼女は、施設に保護されていました。彼女の得たギフトは『予感』。その瞬間から、彼女の人生は、降り注ぐ悪意と死の予感から逃げ続けることに全て注がれることとなりました」
580 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/03/17(日) 18:54:01.67 ID:v50bQ5B5o
ロル「…」

紫苑「大島ロル。学校で級友からいじめられていた彼女は、相手を見返すために幼形成熟BOXに入りました。そして得たギフトは『飛蝗』。姿形の大きく変わるギフトのために、またも彼女は幼女たちからいじめられることとなりました。どの職場に行っても馴染めず、最後はテロリストとなりました」



リュイア「ねえ」

 リュイアが、不意に口を開いた。

リュイア「Aliceは、どこ?」

朱音「アリスじゃなくて、絵里。絵里は…」

紫苑「___リュイア・トラメスロ」

 紫苑が遮るように、声を張り上げた。

紫苑「両親と共に、日本に旅行に来ていた時…総理による、日本征服が始まりました」

朱音「…!」

紫苑「総理の名は『幼女は引き入れ、大人は殺せ』。それを忠実に実行した兵によって、彼女の両親は殺害されました。彼女は一人、異国の戦場を逃げ惑い…八島絵里に出会いました」

リュイア「…Alice」

紫苑「どういうわけか八島絵里は本名を隠し、『東郷アリス』と名のり、彼女と行動を共にしました。そうして、当時は理化学研究所に設置されていた幼形成熟BOXにたどり着くと、両親を殺した勢力に対抗する力を得るため、密かに幼形成熟BOXへ入りました。…2人、一緒に」

コトブキ「…ふん。予想通りのつまらない結果だったね」

 コトブキが鼻を鳴らす。八島絵里から事の顛末を聞き、彼女は既にそのことを知っていたのだ。

紫苑「両親の仇を取りたいリュイア。そして、個人的に総理に用のある絵里は、幼女の支配する国で排斥された者たちを集め、トレイターを結成した…」

 紫苑が、朱音の目をまっすぐに見据えた。

紫苑「分かりますか。トレイターの始まりは、貴女の起こした戦いなのですよ」
581 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/03/17(日) 19:11:17.55 ID:v50bQ5B5o
未汐「だから、何」

 紫苑の首にナイフを突きつけたまま、未汐が冷ややかに言った。

未汐「不幸なら、何をしても許されるの? それなら、わたしたちの方が」

紫苑「彼女らを許せ、などとは一言も言っていません」

 紫苑は首を横に振った。

紫苑「ただ…総理、一人で彼女らの処遇を決めるのですか?」

朱音「…」

紫苑「貴女が事の発端だからではありません。トレイターの構成員たちは、過去に多くの人から傷を受け、多くの人を傷つけてきた。だから、その処遇は一人の意思で決められるものはありません。公平に…裁判で決めるべきです」

「…あ、あの、幕僚長」

 ここで、銃を持つ兵士の一人が、おずおずと声をかけた。

「つまり幕僚長は、この国でも、悪い人への罰は裁判で決めようと、そう言いたいってことですか?」

紫苑「ええ、そうです」

「それなら、どうしてこんなことしたんですか!」

 涙を浮かべながら叫ぶ。

「テロリストの牢屋をぶっ壊して、一緒にいなくなって…し、心配したんですからね!!」

紫苑「それはすみませんでした。ただ、総理の要求通りに身柄を引き渡せば、わたしの要求は通らなくなるでしょうし、かといって無視すれば、基地の皆さんにも迷惑がかかります。だから、誰が見てもわたしの独断と分かるよう、このような形になってしまいました」
582 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/03/17(日) 20:59:59.61 ID:v50bQ5B5o
紫苑「そもそも…話を聞くまでわたしは、牢で4人を斬るつもりでした。しかし、桜木春華が命乞いに話した内容を受け、わたしはじっくりと話を聞くことを決めました。姿をくらましたのは、時間が欲しかったからです」

「幕僚長…し、信じてました…!」

朱音「…」

 一方、朱音は困惑した顔で、紫苑と4人を見つめていた。代わりに、コトブキが口を開いた。

コトブキ「…総理のギフトは『君臨』だ。総理が上に立てば、万事上手くいくのだよ」

紫苑「上手く行っていないから、トレイターが生まれたのです」

コトブキ「だが人間の統治は、それ以上の欠陥品だった。だから総理が生まれたのだ」

紫苑「それでも学ぶべきところはあるでしょう」

コトブキ「無い!」

 コトブキが叫んだ。

コトブキ「総理も私も、そこの朝倉未汐も、大人たちのせいで大切なものを失ってきた。子供だから、親に頼らざるを得ないから…だから、我々は大人から独立したんだ! それを何故、今更、大人のやり方を真似る必要がある…」

朱音「…コトブキ博士」

 ここで、ようやく朱音が言葉を発した。

朱音「未汐ちゃん。紫苑ちゃんを離して」

未汐「…うん、いいよ」スッ

 未汐がナイフを下ろし、紫苑から離れた。

朱音「…ごめんね。わたしは、そんな難しいことは分からない」

コトブキ「総理、総理は気にしなくてもいいのです。面倒なことは私が…」

朱音「でも、あなたたちがこんなことをしたのは、結局わたしのせいだったんだね。…ごめんなさい」ペコリ

コトブキ「総理! テロリストに謝る必要など」

朱音「…紫苑ちゃん。わたし、難しいことは分からないし、興味も無いの。だから、裁判がやりたいなら、好きにしていいよ」

ロル「興味、ない…?」

 不意に、ロルが呟いた。と思うや、突然床を蹴って飛び上がり、朱音めがけて棘だらけの足を振り下ろした。

紫苑「! やめ___」



朱音「…」ギンッ



ロル「っ、ぐあっ」ドシャッ

 朱音が睨んだ瞬間、ロルの身体が空中で固まり、そのまま机の上に落下した。

ロル「クソっ…クソっ、クソっ!」

 机の上に磔けられたまま、ロルが悪態をついた。

ロル「お前らはいつもそうだ! 散々好き放題やっておいて、ごめんなさいだって? そしたら、許さなきゃいけなくなるだろうが! 本当はやられた側のことなんて、クソほども興味ないくせに…」

朱音「」ギンッ

ロル「ぐっ、うぅ…」

未汐「…」カッ カッ カッ

 未汐が机の上に上がり、ロルの元へ歩み寄った。その手には、抜身のナイフ。

紫苑「___朝倉2等陸曹」

未汐「っ!?」ビクッ

 紫苑の言葉に、未汐の動きが止まった。その隙にリュイアがロルに駆け寄り、肩に触れる。『反逆』の力でロルの拘束が解け、彼女は再び立ち上がった。
583 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/03/17(日) 22:01:39.43 ID:v50bQ5B5o
ロル「そうだ…こっちには、『反逆』がある。お前を、殺してやる…」

 その言葉に、隊員たちが一斉に銃を向けた。

「待て!」「それは駄目!」

紫苑「止めなさい! 総理を傷付けては、大義が無くなる」

ユカリ「…大義ィ?」

 不意に、ユカリが呟いた。

ユカリ「アタシたち、そんな偉そうなこと、してたっけェ?」

ロル「調子に乗らないでよ、軍人。うちらのリーダーは、アリスだけだから」

春華「そ、そうだよ…リーダーは? リーダーはどこ? 早く会わせてよ!」

朱音「絵里は…駄目」

ロル「やっぱりこいつ殺そう! ユカリ、手伝って」

朱音「絵里は、守ってるの。わたしの『お父さん』を…」







葵「…」

 首相官邸前。先日の作戦で掘り返されたコンクリートは工作科によって均され、敷地には歩兵と戦車隊が展開していた。葵たち工作科は、その後方に控えている。
 先程、先遣隊から連絡があった。中では紫苑と朱音が会談しており、少なくとも紫苑にテロを起こす意思が無いことが分かり、一先ず部隊には安堵が広がった。と思いきや、その数分後に同行していた大下ロルが総理を殺害しようとしたと通信があり、すぐさま戦車隊が前進を始めた。
 それと同時に、葵たち工作科は、総理やその他の要人たちの保護のため、官邸内へ潜入した。



安価下コンマ
01    出火
02〜20 出奔
21〜40 脱走
41〜80 捕縛
81〜99 何故?
   00 棺
584 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/03/17(日) 22:07:58.28 ID:qtRz5urJo
585 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/03/17(日) 22:10:34.65 ID:v50bQ5B5o
ねる
586 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/03/17(日) 23:38:22.43 ID:BpRxGTxho
おつ
587 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/03/18(月) 22:02:30.37 ID:1+ienfsBo


ラセン「おらあっ!」ズガガガッ ボゴッ

崩礼「空いたぞ、こっちだ!」

 ラセンがこじ開けた穴から、葵たち工作7、8班の合同部隊がなだれ込んだ。



朱音「!」

コトブキ「! 総理、こっちへ!」

 コトブキが朱音を引っ張り、葵たちの方へ走ってくる。

「幕僚長! こちらへ」

紫苑「っ…毒島! 桜木! 大下! リュイア! 貴女たちも…」

ロル「…」ジャキッ

ユカリ「えいっ」ガシッ

「ぐっ!?」

 ロルの足が棘と外骨格に覆われ、ユカリは接近していた隊員からサブマシンガンを毟り取った。

「撃てーっ!」

 隊員が、一斉に4人の向けて斉射を始めた。ロルは春華を、ユカリはリュイア抱えると、弾幕の上へ高く飛び上がり、葵たちの方…朱音の目の前に降り立った。

ユカリ「大義とか、平等とか…つまんなァい!」ダダダダダダダッ

ロル「殺す! お前だけは!」ダンッ

崩礼「伏せろっ!」グイッ

コトブキ「おわーっ!?」バッ

ラセン「来い、毒島ユカリ!」

 サブマシンガンの乱射を潜り抜け、ラセンが前に進み出た。

ラセン「決着をつけてやる!」

未汐「朱音ちゃんを傷付けるのは、許さない…!」ジャキッ

ロル「殺す…お前も殺すっ!」ダンッ

ユカリ「アハハハハッ! 逢いたかった、逢いたかったァ!」ガガガガッ ガガガッ

 飛び上がるロルに、哄笑しながらサブマシンガンを撃ちまくるユカリ。春華が泣き叫んだ。

春華「駄目だってぇ! 逃げなきゃ! 逃げなきゃー!」
588 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/03/18(月) 22:10:06.18 ID:1+ienfsBo


「もう、やめて!!」

589 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/03/18(月) 22:21:58.41 ID:1+ienfsBo
 次の瞬間、その場にいた全ての幼女…正確には、リュイアを除いて、一斉にその場に倒れ伏した。



朱音「…」ドクンッ ドクンッ



 両目を見開き、周囲を見渡す朱音。その双眸は朱に染まり、頭上には鮮血を固めたような、脈打つ巨大な深紅の王冠が浮遊していた。



朱音「憲法、第一条…『幼女は、皆仲良くすること』…何で、守れないの?」



ロル「うちの周りで、それを守ってる奴なんていなかった…!」ググッ

朱音「だからって、あなたも破っちゃだめ」ズンッ

ロル「ぐっ、あ゛ぁっ!?」

リュイア「…」

 一方、『反逆』を持つリュイアだけは、朱音の『君臨』をものともせず、立っていた。

朱音「…リュイアちゃん」

リュイア「…」

 リュイアは…倒れ伏すトレイターの仲間たちに順に触れ、『君臨』から解放すると、朱音に背を向けた。

朱音「どこに行くの」

リュイア「帰る。また今度、Aliceに会いに来る」

春華「…はっ。そ、そうそう、帰ろ、帰ろう!」

ユカリ「…あーあ」

ロル「クソっ…ムカつくけど、リュイアから離れたら、またぶっ倒されるだけか…」

 4人は、部屋から出ていった。

ラセン「待て、逃げるな! 毒島!」

葵「毒島…毒島ぁーっ!!」

 葵も、思わず叫んでいた。また、ユカリに逃げられる。傷の一つも付けられずに…





590 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/03/20(水) 00:06:54.35 ID:82Wzt94Oo


ねね「…あたし知ってる。こういうの、『貧乏くじ』って言うのよね」

 板切れで雑に修復された袖机の前に座り、ねねはぼやいた。白い制服の階級章は…幕僚長。
 傍らで虹がなだめるように言った。

虹「仕方ない。藤島幕僚長が責任を取って辞職、戦線復帰が厳しいので富士陸将も退役…であれば、残った面々で回すしかあるまい」

ねね「長虫ちゃんがやってくれても良かったのよ?」

虹「無理だ。幕僚長は、拠点防衛に長けた者と決まっている。吾(おれ)の『サンダーピート號』は、破壊することしかできん」

ねね「はぁ〜…」

 大きなため息をつくねね。虹が尋ねた。

虹「ところで、工作科長はどうなる? 貴殿が兼ねるのか?」

ねね「まさか。ちゃんと、考えてあるわよ」

 丁度その時、部屋の扉がノックされ、1人の幼女が入ってきた。



崩礼「…失礼する」

591 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/03/20(水) 00:33:11.90 ID:82Wzt94Oo
 崩礼は、自分を見つめるねねと虹を見て、それから机の上に置かれたものに気付くと…おもむろに、2人に背を向けた。

崩礼「…失礼する」

ねね「ちょいちょいちょーい!」ガタッ

 ねねは立ち上がり、崩礼を机の前に引っ張った。

崩礼「よせ、離せ! 御免被る!」ジタバタ

ねね「上官命令っ! 良いから、受け取りなさい!」

 ねねが机の上から取り上げ、崩礼に押し付けたのは、工作科長と、准陸将の階級章。

崩礼「ふざけんな、硝子川か、ラセンにでもやらせりゃ良いだろ!」

ねね「隠密行動の2班長を、あんまり表に出したくはないの。鉄山ちゃんは、どっちかというと前線に置きたいし」

ねね「何より…あんたの育成能力と指揮能力を評価してのことよ」

崩礼「…」

 崩礼が、抵抗を止めた。差し出された階級章を見つめ…尋ねた。

崩礼「…こいつを受け取ったら、俺は1班に回されるのか?」

ねね「その方が面倒が少ないけど、まあ慣習は慣習よ。好きにしたら。ただ、前線に出ることは減るから、8班長は誰かに譲ってもらうわね」

崩礼「…」
592 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/03/20(水) 16:06:06.59 ID:82Wzt94Oo






ねね「…ぶっちゃけると、あたしは藤島幕僚長みたいに強くないし、人に指図するのも上手くないかも」

 翌朝のグラウンド。壇上でねねは、隊員を見回した。

ねね「大怪我した閣下は仕方ないけど、藤島ちゃんまで辞めることはなかったんじゃないかなーって、正直思うけど…きっと、他にやりたいことができたんだと思うわ。あの人のことだから、それはみんなのためになることだと思う。だから、あたしはあたしなりに、できることを頑張るわ。一応…『守る』ことについては、ちょっとは自信あるから」

ねね「あたしからは以上! 次、長虫陸将」

 ねねが壇を降り、代わりにフルフェイスヘルメットに黒手袋を嵌め、肌をすべて隠した幼女が上がった。

虹「機甲科長の長虫虹である。この度、陸将を拝命した。それ以外は特に変わらぬ。以上」

 次に上がったのは、茶色い髪をツインテールにした、生意気そうな顔の幼女であった。

紫初「普通科長で准陸将になった、紫藤 初(しどう うい)でーす! 幸実閣下の代わりとか、マジヤバすぎだけど…ま、なんとかなるっしょー!」

 最後に上がったのは…崩礼。

崩礼「…都築科長が幕僚長に任命され、空いた工作科長を押し付けr…もとい拝命した。ついでに准陸将になった、玉置崩礼だ。はっきり言って…ここまで挨拶した奴らに比べて、俺のギフトはしょっぱい。そもそも、この中では俺だけが、幼女から生まれた幼女だしな」

崩礼「だが、前の藤島幕僚長は、ギフトに依らない能力を重視していた。俺がここに立っているのも、あの人の考えが今でもここに息づいている証拠だろう。俺のせいでそれが無くならないように、せいぜい努力する」



由依「えっ!? わ、わたしが班長に!?」

 由依は、飛び上がらんばかりの勢いで叫んだ。彼女や、隣で驚いている真姫の手には、鳴らそうとして行き場を失ったクラッカーが握られている。訓練場に現れた崩礼に、『工作科長就任おめでとう!』と言って鳴らすはずだったのだが、その前にそれ以上のサプライズをぶつけられたのだ。

崩礼「そうだ」

由依「な、何で? 葵ちゃんじゃなくて?」

葵「…あたしは」

崩礼「出撃が重なって忘れてるだろうが、篠崎は来てからまだ日が浅い。副班長として仕事を教えていくつもりだったが、その前に俺が1班に移る羽目になった」

真姫「じゃあ…やっぱり隊長、8班じゃなくなっちゃうんですね…」

 崩礼は、ゆっくりと頷いた。それから、由依を真っ直ぐに見て言った。

崩礼「朝倉。お前は、一番長く俺の8班にいた。訓練や任務を通して、俺の考え方や、自分なりの作戦の立て方も身についていると感じている。上羽ともども、後ろに引っ込みがちだから、篠崎に越されても何も気にしてなかったようだが…」

由依「いやー、別に…」

崩礼「だが、この状況だ。身につけた知識、能力は、余さず活かしてもらうぞ」

由依「あ…」

崩礼「朝倉由依! …8班を、よろしく頼む」

 崩礼の言葉に、由依が言葉を失った。その頬を、涙が伝う。

由依「…崩礼隊長…が、頑張ります!」

葵「…由依、隊長。これからよろしく」

初「よ、よろしくお願いしますっ!」

崩礼「それから、篠崎」

葵「!」

崩礼「トレイターだの、総理の護衛だの、色々スカウトされたらしいが、変わらず付いてきてくれてありがとうな。もう少し、近くで面倒を見たかったが…まあ、今生の別れじゃない。朝倉のことも支えてやってくれ」

葵「…サーイエッサー!」
593 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/03/20(水) 16:36:57.00 ID:82Wzt94Oo


「「「「いただきまーす!」」」」

エリー「はーい、めしあがー!」

 由依が班長になって最初の非番の日。8班の4人は、例のハンバーガー屋さんに来ていた。復旧はかなり進んでいたが、まだテーブルや調理器具などが揃っておらず、葵が全て『再現』したことで早速開店したのであった。

真姫「は、初めて来たけど…」

初「ここのハンバーガー、おっきいです…?」

 4人が頼んだのは、店長イチオシの『復活記念☆蘇るフェニックスチキンバーガー』。特大のバンズに、赤く色付けした鶏もも肉のグリルと紫キャベツに赤タマネギ、真っ赤なトマトが挟まった、ボリューム満点の一品だ。

由依「でも、美味しそう! あー」ガブッ

由依「ん…からくない」モグモグ

店長「赤いのはパプリカですよ。お好みで、チリパウダーもありますよ」コト

真姫「辛くないなら、食べれそう…」

葵「じゃあ、あたしはちょっとかける」パッパッ

初「あ…あー…ああ…?」

 口を大きく開けたまま、初はどこから齧り付いたものか迷っている。



安価下1〜3でコンマ最大 ハンバーガー屋での出来事
594 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/03/20(水) 18:31:53.11 ID:WZZnpB8Oo
初ちゃん階級あがって仕事どう?
595 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/03/20(水) 19:01:38.78 ID:MJ9JH7fm0
結衣に信頼と励ましの言葉を言う
596 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/03/22(金) 22:21:49.67 ID:td7ypLoko


由依「…」ジッ

初「」グッタリ

真姫「はぁ…」アオザメ

 食べかけのハンバーガーを前に、黙り込む8班一同。由依は完食寸前だが、真姫と初はまだ半分くらい残っている。

葵「…」モグ

由依「あ、葵ちゃん、まだいけるの…?」

葵「…ん」コク

 葵は、ちまちまとハンバーガーを齧った。

真姫「ふぇ…」

由依「葵ちゃん、やっぱり凄いや…」

葵「…」スッ

 すると、葵はおもむろにハンバーガーを置き、由依を真っ直ぐに見た。

葵「…そんなことない。由依隊長の方が、凄い」

由依「え?」

 突然の言葉に、きょとんとする由依。

葵「いきなり隊長になっても、しっかり班を纏めてる。普通科との合同訓練でも、きちんと指示を出して、7班とも戦えてた」

初「そ、それは…ういも、そう思います!」

 事実、一介の下士官から、短期間で准陸尉まで昇進し、班長まで任されたにも関わらず、由依は他の班長や隊長と遜色ない指揮を行っていた。

由依「それは…崩礼隊長に、色々教わったから」

葵「教えられたことができるのは、凄いよ」

由依「そ、そうかな? えへへ…」

葵「だから、ハンバーガーももっと食べられるはず」

由依「ぅえっ!?」

真姫「はず…」スッ

初「お、お願いします…」スッ

由依「む、無理無理、それは無理だって〜!!」

597 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/03/24(日) 11:31:44.57 ID:iU+4PREDo


由依「」チーン

葵「…」ジッ

 結局、エリーや店長にも手伝ってもらって、どうにか完食することができた。やたらハイカロリーなハンバーガーばかり開発する店長だが、彼女のギフトは『燃焼』で、食べたものをたちまち消化してエネルギーに変えてしまうことができるのだそうだ。

店長「ありがとうございました!」

エリー「また来てねー!」フリフリ



初「うっ、うぅ…」ヨロヨロ

真姫「あっ、揺れたら、出る…うぷっ」

由依「ど、どうする? 帰る?」

葵「もうちょっと、門限まであるけど…」



安価下1〜3でコンマ最大 どうする?
598 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/03/24(日) 14:17:25.32 ID:PFk7uHRX0
結衣とだけ同伴してあとは帰す。結衣に別れ際さっきの信頼の言葉はホントだからと言う
599 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/03/26(火) 21:42:31.90 ID:0SRyRV+no
初「…」ピタッ

真姫「初ちゃん、無理そうです…」

由依「じゃ、とりあえず基地に帰ろっか」

葵「ん。…初、真姫、先行ってて」

真姫「うん。初ちゃん、ゆっくり歩こ」

由依「じゃあ、あたしも」

葵「由依、待って」

 2人を追って歩き出そうとした由依を、葵は呼び止めた。

由依「どうしたの? 葵ちゃんもきつい?」

葵「ううん。…さっき言ったの、本当だから」

由依「? …ああ」

 葵の言わんとする事を察し、由依は微笑んだ。

由依「…ありがとね」

葵「…ん、じゃあ行こ」ドン

由依「…んっ!? うっ、や、ば、出る…」

葵「!? やっぱストップ、ストップ…」

600 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/03/28(木) 21:20:40.97 ID:GQ1KxoeSo


絵里「…」ジッ

 地下室にて。花に埋もったガラスの棺を、絵里はじっと見つめていた。
 そこへ、一人の人物が入ってきた。

お兄ちゃん「…や、やあ」

絵里「…」

 絵里は、おずおずと入ってきたこの建物で唯一の男を、無表情に見返した。
 お兄ちゃんは絵里の隣に立ち、棺に横たわる人物に手を合わせた。

お兄ちゃん「…」

絵里「…この人が誰か、聞いた?」

お兄ちゃん「うん。…朱音ちゃんの、お父さんだって」

絵里「の割には、ジジイ過ぎだって思うだろ」

お兄ちゃん「…」

 口さがない絵里の言葉に、お兄ちゃんは苦い顔をした。絵里は気にする風もなく続けた。

絵里「…本当の親父じゃないんだよ。朱音を引き取った、育ての親なんだ」

お兄ちゃん「えっ?」

 お兄ちゃんは、どきりとした。

絵里「朱音…小4の途中までは『島崎 朱音(しまさき あかね)』だった。親父がいなくて、母親も殆ど家に帰らねえってんで、いっつも汚え服着て、勉強もしないで遅くまで公園で遊んでた。それで、クラスの連中にいじめられてた。…っていうか、アタシがいじめてた」

お兄ちゃん「! それは…」

絵里「だけど、ある日いきなり『鷹栖 朱音』になって、担任の態度が変わったんだよ。ずっと知らんぷりしてた癖に、やけに庇い立てして、アタシらを怒鳴ったり。訳わかんなかったけど、それから何日かして…」

 ガラスの棺に目を遣る。

絵里「…この人が来た。警視総監だか、刑事局長だか…とにかく、警察の偉い奴だった」

お兄ちゃん「この人が…朱音ちゃんの、お父さんが…?」
601 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/03/28(木) 22:18:26.64 ID:GQ1KxoeSo
 絵里は、頷いた。

絵里「ホームルームから、何時間も喋ってたよ。何だったかな…確か、”いじめは犯罪だ!”から始まって…クソみてえな話を。でも、聞き終わって、ムカついたけど、それが収まったら、なんだか今までやってたことが馬鹿らしくなって。担任に言われるまま、朱音に謝った」

お兄ちゃん「朱音ちゃんは、許してくれた?」

絵里「口じゃあな。でも、その後から何回か、一緒に遊ぶことがあったから、多分本当に許してはくれたんだろうな」

お兄ちゃん「良かったね」

絵里「…」

 絵里は鼻を鳴らすと、棺に手を置いた。

絵里「…なのに、あんなことしやがって…親父さんが喜ぶわけねえだろ…!」



ねね「総理の命令で、領土拡大作戦が再開されることになったわ!」

 いつもの朝礼の場に出てきた、ねね幕僚長が宣言した。

ねね「トレイターの4人は逃げちゃったけど、一番危ないリーダーを押さえられたから、再開できると判断したそうよ。でも、国が手薄にならないよう、巡回も強化されることになったわ」

 ここで、新しく普通科長になった、紫藤初が壇上に上がった。

紫初「はーい、ちゅうもーく! 現在、我々の持ってる領域はここ!」

 下に控えていた幼女が、何らかのギフトで空中に日本地図を投影した。その、関東地方から東北の南側にかけてが赤く染まる。

紫初「で、人間たちの今の首都はここ!」

 大阪の辺りが黄色く光る。逆に、東北の北の方から北海道にかけては灰色に染まった。

紫初「首都から取り残された、ここより北東の方は、南下してきたガイジンに占領されちゃったみたい。奪い返しても、住民は日本語通じないからパス! よって、西に進みまーす!」

虹「現在、人間の軍は関東山脈に防衛ラインを設けている」

 一緒に上がった虹が言った。フルフェイスヘルメットに阻まれているが、中にマイクが仕込まれているのか、声がよく通る。

虹「山道は意図的に整備されていないため、大型車両は使えん。吾のサンダーピート號もだ。更に、落とし穴や網など初歩的だが厄介なトラップが多く仕掛けられている。よって、工作科を中心とした連隊を編成し、防衛ラインの突破を図る」
602 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/03/29(金) 10:15:57.54 ID:egsh2QQho
世界観地続きだったんか…!
おつ
603 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/03/30(土) 16:19:40.61 ID:2hZenVSro
こっちの鷹栖さんは長官よりは地位が下がる。当然幼女に手出しもしてない



崩礼「基本的に、工作科のやることは決まっている。まず1班が拠点の確保、設営を行う。3班が通信を確保した後、4、5、6班が障害物や罠の解除、整地を行い、7、8班が整地された戦場を、こちらに有利な地形に作り変える。その間に起きた障害は、適宜2班が処理する」

崩礼「今回、侵攻するのはモロに敵の陣地だ。よって基本に忠実にいく。俺自身、科長としての指揮は初めてだからな」



由依「というわけで、あたしたちの出番はもうちょっと後になるみたい」

 7、8班の列に戻ってきて、由依が言った。

ラセン「資機材節約の為、実戦的な訓練はしばらく延期し、消耗しない程度のトレーニングに抑える。今日はマラソンだ!」

葵「消耗しない程度の…?」ボソ



安価下コンマ
01〜05 街に
06〜30 消耗
31〜60 こんなもんか
61〜80 来客
81〜95 何でここに
96〜00 お前は…
604 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/03/30(土) 16:23:48.25 ID:DCLeu8XK0
605 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/03/30(土) 16:29:36.56 ID:2hZenVSro


葵「はぁ…はぁ…」ドタドタ

初「ひぃ…ふぅ…」ドタドタ



ラセン「…今日はここまで!」



葵「はぁ…お、終わった」グタッ

ラセン「すぐに立ち止まるな! 少しずつ速度を落とすのだ!」

初「ひぃ…」

葵「しょ、しょうもう、してるし…」

 訓練に復帰してしばらく経つが、まだまだ体力は元通りにはならないようだ。



真姫「葵ちゃん、初ちゃん、ご飯行こ」

葵「ん。由依は?」

真姫「ラセン隊長と打ち合わせだって」

葵「そう…」

初「後から、来ますよね…」



安価下1〜3でコンマ最大 食事、入浴中の出来事
606 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/03/30(土) 17:18:19.27 ID:dEcLroxkO
食事中に紫藤初が話しかけてくる
607 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/03/30(土) 19:12:37.34 ID:hdhiJG/Ho
隊長達もきて大勢の食事
相変わらず元気なラセン
608 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/03/30(土) 19:38:58.78 ID:2hZenVSro


葵「サバと、鮭と…」カチャ カチャ

 カウンターでおかずを選んでいると、由依とラセンもやってきた。

真姫「あ、早かったね」

由依「うん。戦況が分かってから考えようってことになって」

ラセン「一先ず、特に変わりがない限りは今日のような訓練を続けるということだ」

 いつの間にか7班の退院たちも集まってきて、大テーブル一つを囲む集団になった。
 そのまま、7、8班合同で夕食が始まった。



安価下コンマ
01    首相官邸で…
02〜10 激辛卵焼き
11〜30 7班の副班長が絡んできた
31〜50 崩礼の話題に
51〜70 今日の卵焼きは当たりだ
71〜90 静流が話しかけてきた
91〜99 お兄ちゃん!?
   00 何でここに
609 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/03/30(土) 19:44:10.56 ID:dEcLroxkO
高コンマこい
610 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/03/30(土) 20:25:50.05 ID:2hZenVSro


ラセン「」ガツガツ

 大きな皿に、ハンバーグやらフライドチキンやらポテトサラダやら、山盛りに積み上げては平らげるラセン。

葵「あ、相変わらずすごい食べるね…」

ラセン「んぐ…食えるときに食わねばな。はぐっ…」モグモグ

葵「うん…」モグ

葵「!」

 恐る恐る卵焼きを口に入れ、葵は目を見開いた。激甘だったり、逆に塩辛かったり、ブレの激しい卵焼きだが、今日のは当たりだ。醤油が効いていて、それでいてほんのり甘い。

ラセン「…おっ、今日のは当たりか! どれ、では久々に試してみるか…」スクッ

 ラセンが、空の皿を持ってカウンターへ向かった。

葵「…え、あたし毒見係?」

静流「…基本、ラセン隊長は卵焼き食べない」

葵「!」ビクッ

 いつの間にか、隣に座っていた静流が、ぼそっと言った。

静流「篠崎陸曹長が美味しそうに食べてるから、自分も食べたくなった」

葵「そ、そうなの…?」



葵「おやすみ…」

 部屋の電気を消すと、葵はベッドに潜り込んだ。



安価下コンマ ゾロ目で…
611 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/03/30(土) 20:29:26.17 ID:hdhiJG/Ho
612 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/03/30(土) 20:53:26.72 ID:2hZenVSro


ねね「おはよう! 玉置ちゃんから報告が届いたわ!」

 朝礼にて、ねねが言った。

ねね「既に本拠地と通信設備の設営は完了。山中のトラップ解除が急ピッチで進んでるわ。妙なことに敵兵士と全く会わないらしく、警戒しながら作業を進めているところよ」



ラセン「どうやら、我々の出撃も近そうだ。敵がいないのなら、直接歩兵を進めても良さそうだが、玉置『閣下』はあくまで用心深く行くようだ」

由依「というわけで、今日もマラソン! でも昨日よりは軽めにいくね」

 由依の号令で、7、8班の隊員たちが走り出した。



安価下コンマ
01    首相官邸が…
02〜50 出撃だ
51〜99 特に何も起こらない
   00 どうしてここに
613 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/03/30(土) 20:57:12.96 ID:auiVHH5Eo
614 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/03/30(土) 21:28:17.50 ID:2hZenVSro


由依「…今日はここまで!」

真姫「結局、呼ばれなかったね」

葵「トラップの撤去が長引いてるのかな…?」

由依「じゃあ、ご飯にしよっか!」



安価下1〜3でコンマ最大 食事、入浴中の出来事
615 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/03/30(土) 22:08:39.99 ID:2hZenVSro
(そんな何回も同じ安価出しても思いつかんよね)

(先に進める前に別の募集を)



安価下1〜3で次の>>1のコンマに一番近いやつと遠いやつ 3班と4班の班長 名前と容姿、ギフトは必須 どっちをどっちに採用するかはこっちで決める
616 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/03/30(土) 22:09:31.70 ID:hdhiJG/Ho
風呂におる崩礼
葵も思わず近づいて確認するほどめっちゃお疲れの様子
617 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/03/30(土) 22:31:00.10 ID:JUKUfNosO
【名前】ロナ・シュミット
【年齢】11
【外見】白人。セミロングの金髪。
可愛い系の顔立ちと気が弱そうな素振りから小動物のような雰囲気を漂わせている。
顔立ちは幼く小柄で華奢な体格だが、その幼さとは裏腹にバストは大人顔負けに実っている。パイパン。処女。
【性格】怖がりで常に何かに怯えているような言動をしているが、元の性格は親思いで甘えん坊だった。
【特技】舌が器用でさくらんぼのヘタを結べマス。
【好きな食べ物】ヨーグルト
【好きな教科】体育
【好きなスポーツ】水泳
【好きな人のタイプ】甘えさせてくれる包容力がある人
【ギフト】
沈静:目を合わせた生き物の精神を沈静化し、敵意を喪失させる。
【最後に一言!】
ロナといいマス。日本語はマダ慣れませんが虐めないでクダサイ。



ロリコンシミュレータで投げたけど不採用だったキャラの再利用。元資産家の令嬢。
外人はダメなら安価下。
618 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/03/31(日) 08:30:34.12 ID:JuK+Fh8H0
名前:紅月 ホムラ(あかつき -)
容姿:毛先が赤いグラデーション風のオレンジ天パショートで青眼。低身長だが全体的に筋肉質なスリム体型
性格:短気で喧嘩っ早いが真っ直ぐで情と義にアツい性格。己が身を張ってでも仲間や配下を見捨てるマネを基本的にしないので信頼を得やすい
ギフト:「炎」自分の身体から炎を出したり、エンチャント式に拳や足に炎を纏って攻撃したりする
619 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/03/31(日) 20:24:08.27 ID:90yWB2X7o
あといっこ
次の更新までになければこれを加える



平木 柔(たいらぎ やわら)
12歳
黒髪を後ろで一つに括った、歳の割に筋肉質で長身の幼女。制服や隊服は道着風に改造してある。
ギフト『緩衝』:物理的な衝撃を体内に吸収し無効化する。打撃が効かないだけでなく、持ったものを揺らすこと無く運ぶことができる。
620 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/04/01(月) 18:24:11.86 ID:pl6eRq6yO
こんま
621 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/04/01(月) 22:01:48.52 ID:CxbXHPxJo


崩礼「…」ジッ

 机の上に広げられた地形図と、回収した縄の罠を見て、考え込む崩礼。傍らに立っているのは、ブロンドをセミロングに伸ばした、発育の良いコーカソイド幼女と、隊服の上を道着めいて黒帯で縛った、黒髪の幼女であった。それぞれ、3班長のロナ・シュミット3等陸佐、4班長の平木 柔(たいらぎ やわら)1等陸尉という。

崩礼「…はぁ」

ロナ「…あ、あああ、Ah…」

崩礼「何だ」クルッ

ロナ「Aieee!?」

崩礼「いちいち叫ぶな」

 崩礼は、怯えるロナに、ため息混じりに言った。それから、柔に目を向けた。

崩礼「…で、これ以上のトラップは出てこなかったと」

柔「はい」

 無表情に頷く柔。自分より下から、突然遥か頭上に上がってきたこの新科長を、彼女は値踏みするように見ていた。

柔「いい加減、7、8班を出しては」

崩礼「敵を落とし穴に嵌めたい時、どうするか知ってるか」

柔「…」ジッ

ロナ「Ah…make the road…お、落とし穴じゃない、の道、通れないに、する…?」

崩礼「罠を警戒してない相手なら、それで十分だろう。だが、もっと用心するのなら」

柔「閣下。ことは一刻を争いますよ。勿体ぶらずに話しては」

崩礼「…」チッ

 崩礼は舌打ちすると、言った。

崩礼「…手前に、バレバレの穴を掘るんだ。そいつを避けて、何だこんなもんかと油断して、踏み込んだ足元に本命があるってことだ。つまり」

柔「つまり?」

崩礼「おい、ことは一刻を争うんだろ? …つまり、こんなしょうもないトラップの一歩先に、致命的なやつが埋まってる可能性があるってことだ。分かったら、さっさと作業に取りかかれ!」



 翌朝。7班と8班は、以前行った戦略ゲームを行っていた。

ラセン「丸山、前へ」

真姫「えっと…初ちゃん、右に…それから」



安価下コンマ 60以上で…
622 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/04/01(月) 22:03:06.40 ID:HikuYpfao
えい
623 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/04/04(木) 21:21:31.32 ID:+e+I9OUyo


ラセン「…これで詰みだな」

由依「うぅ…」

 2人がかりで、盤の隅に追い詰められた初。糸玉で片方を阻んでも、もう片方が攻撃して終わりだ。葵は序盤に倒され、真姫は遠くに追いやられている。

ラセン「まだまだ視野が狭いな。戦場の隅々まで気を配るのだ」

由依「はぁい」



ラセン「しかし、今日こそは出撃だと思っていたのだが」

由依「ラセン隊長、聞きました? トラップの先に」

ラセン「ああ」

 ラセンは、重々しく頷いた。

ラセン「地雷が埋まっていたらしいな」

葵「地雷…!?」

ラセン「玉置は警告していたらしいが、油断した4班の数名が負傷したと」

真姫「折角、崩礼隊長が注意してたのに…」

 ラセンは溜め息を吐くと、言った。

ラセン「下り坂の地雷だ。撤去は危険で、かなりの時間がかかる。長虫閣下のサンダーピート號で均そうかという意見もあるらしい」

葵「じゃあ、あたしたちの出番はまだまだ先?」

 すると、ラセンは首を横に振った。

ラセン「いや。長虫閣下が出るのなら、『道を開ける』必要がある。機甲科にそれ用の部隊はあるが、この状況だ。我々も駆り出される可能性はある」

葵「へぇ…」

 頷きながら、葵はふと、件の『サンダーピート號』なるものがどんなものなのか気になった。地雷を踏んでも平気で、出撃に大変な準備が必要で、専用の部隊まで用意されていて…

葵「…かっこいい…」ボソッ



安価下1〜3でコンマ最大 食事、入浴中の出来事
624 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/04/04(木) 21:31:42.31 ID:5i6ji+Xoo
サンダーピート號見たことある人の話きいて、いなきゃ想像を膨らませてワクワクする葵
625 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/04/04(木) 21:35:44.03 ID:vVGUqq32o
初に手を出してた娘たちがお風呂で葵に話しかけてくる
626 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/04/04(木) 22:13:20.76 ID:uCtaS9jnO
食事中にたまたま4班と相席することになる
627 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/04/04(木) 22:23:21.31 ID:+e+I9OUyo
4班はまだ前線なので基地で会うことはない

あといっこ
安価下
628 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/04/04(木) 22:34:07.40 ID:+e+I9OUyo


葵「…サンダーピート號…」ボソ

 食堂で夕食を摂りながら、葵はふと呟いた。

葵「ラセン隊長は、見たことある?」

ラセン「んぐ…ああ、あるぞ。2回くらいだが」

初「ういは、見たことないです…」

静流「サンダーピート號は、長虫閣下と一緒に自衛隊に配備された」

 ラセンの隣に座っていた静流が、口を挟んだ。

静流「閣下がいないと、出撃どころか、コックピットを開けることもできない」

葵「つまり、専用機…!」キラキラ

ラセン「だが、ドリルは付いていない」

 目を輝かせる葵とは反対に、ラセンは不満げだ。

ラセン「それどころか、装備らしい装備が一つもない。ただデカくて、硬くて、前に突き進むだけだ」

由依「へぇ…それって不便じゃないですか?」

静流「超大質量による突進だけで、十分な攻撃力を持っているとも言える」

葵「めちゃめちゃ尖ってる…」キラキラ

629 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/04/05(金) 20:49:15.07 ID:HOXxwbU9o


虹「…」ジッ



「オーライ! オーライ!」「もうちょっと右! そこからまっすぐ!」「進路に誰もいないな!?」



 並列接続された2台のトレーラーに曳航される、巨大な黒いコンテナを、虹は少し離れたジープの荷台から見つめていた。隣に座っているのは、戦車部隊長の網走巌2等陸佐。

巌「いつ見ても、壮観でありますな。流石に閣下は、慣れておられるでしょうが」

虹「ふむ…」

 真っ黒なフルフェイスヘルメット。白い制服の下には、インナーを纏い、黒手袋に黒ブーツまで嵌め、表情はおろか顔色すら伺い知れない。彼女の素顔を見たものは、陸自にすら巌含め数名しかいない。

虹「吾は大抵、あれの操縦席にしかおらん。こうして外から眺めるのは、吾にとっても新鮮だ」

巌「そうでしたか」

 相槌を打つと、巌は通信機を耳に当てた。

巌「こちらは戦車部隊長、網走。整地の進捗はいかがですか。どうぞ」



”こちらは工作7班長、鉄山。ヤギさんポイントまでのルートは確保。あと20分程度で、コンテナ展開可能な広場の整地が完了する”



巌「了解。サンダーピート號の現着は3時間後。整地完了したら、現着までしばらく休憩していなさい。どうぞ」



”了解”



虹「鉄山は、よく働くな。同期の玉置に先を越されて、焦ってはいないか」

巌「玉置の昇進は、事故みたいなものです。むしろ巻き込まれずに済んだと思うべきでしょう」

虹「だが…入隊した頃の奴の野心を、吾は今でも覚えているのだ」

巌「であれば、その野心を藤島さん…前の幕僚長が徹底的に叩き潰したことも、覚えておいででしょう」

虹「潰れるかな? 奴が…」

 ヘルメットに内蔵されたマイクに溜め息が当たり、がさがさと音を立てた。



由依「よーし終わり!」

真姫「できたぁ…」

 山道の入り口を広げ、道を踏み固めて、丸い広場が出来上がった。ここに、長虫陸将のサンダーピート號を積んだトレーラーが到着し、出撃の準備をするのだという。

葵「普通に、基地から走ってきちゃだめなの…?」

ラセン「実物を見れば、我々が何故こんな苦労をしなければならんのか、嫌でも分かるぞ」

葵「おお…」ワクワク

 ラセンの言葉に、葵はむしろ目を輝かせた。

由依「じゃあ、閣下たちが着くまではきゅうけーい!」

 由依が宣言した。



安価下1〜3でコンマ最大 休憩中の出来事、行動
630 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/04/06(土) 14:28:57.18 ID:p+Yp9q7mo
安価付かないしコンマにしよ

安価下コンマ
01〜05 小競り合い
06〜15 このレーション…
16〜40 特に何も起こらない
41〜80 崩礼が見に来た
81〜99 何故ここに?
   00 何故ここに…?
631 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/04/06(土) 14:39:26.55 ID:pWOVh0su0
632 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/04/06(土) 21:08:49.01 ID:p+Yp9q7mo


 整地した広場の隅で、レーションと一緒に持ってきたクッキーを齧っていると、山道の方から他の班の隊員たちが降りてきた。最前線で、トラップの撤去に当たっていたグループだ。
 最後に降りてきたのは…



崩礼「…お」



由依「崩礼隊長! …じゃなかった閣下!」

 由依を先頭に、8班の隊員たちが駆け寄った。

崩礼「よう、整地は済んだか」

ラセン「この通りだ。そちらの撤去は? 『閣下』」

 わざとらしく強調しながら、ラセンが尋ねる。

崩礼「見ての通りだ。あのクソデカムカデに轢かれちゃ、たまらねえ」

 それから、ニヤニヤしながらラセンの顔を見つめ、おもむろに目の周りを指でなぞった。そこには、くっきりと黒い隈が浮かんでいた。

崩礼「…見ろよ。ギフトも使ってねえのに、目の周りの黒いのが消えなくなったぜ」

真姫「寝てないんです…?」

崩礼「まあな。ひでえ話だぜ。平木のやつは言う事聞かねえし…」

ラセン「覇気が足りんのだ、覇気が」

 ラセンが鼻を鳴らす。崩礼は黙って肩を竦めた。それから、不意に葵の方を見た。

崩礼「…腕はもう元通りか、篠崎」

葵「ん」コクン

崩礼「朝倉班長とは、上手くやってるか」

葵「ん。崩礼隊長よりも上手くやってる」

崩礼「っ…そ、そうか…」

633 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2024/04/06(土) 21:30:27.47 ID:Wnc8Xx4f0
柊に関しては過去の判例で「通報されないと判断された時はVPNを使わない」んだが、通報されることが目に見えていると判断した場合、村が終了する前にVPNを使って回避しているんだ。
つまりこいつ「通報されるとわかっていて無駄な奇策利敵をやっている」ことになる。
通報される前にVPNで逃げる事がわかっている時点で確信犯なので、マジで入れない方がいい。
実際問題、それの関係で多くの村民に嫌われているし、流石に入れない方が賢明だ。
634 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/04/07(日) 14:14:31.10 ID:Waq/fDbYo


 それから約2時間後。向こうの方から、地響きの音が近づいてきた。

崩礼「! 来たか」

葵「…」ドキドキ

 やがて、地平線の向こうから、横並びで走ってくる2台のトレーラー、そして、それに曳行される巨大な黒のコンテナが姿を表した。

葵「おっきい…!」キラキラ

由依「うわぁ…」

真姫「あ、あれがサンダーピート號…?」

ラセン「あの箱の中身が、そうだ。安全に運ぶには、ああするしかない」

 トレーラーに続いて、1台のジープがやってきた。それはトレーラーを追い抜いて先に広場に到着すると、荷台から2人の幼女が降りてきた。一人は、適性検査で葵に装填手の仕事を教えた、網走巌。そしてもう一人は、フルフェイスヘルメットの長虫虹だ。
 ラセンが駆け寄った。

ラセン「お疲れ様です、閣下」

虹「ああ。整地は済んだようだな」

ラセン「はい。展開には十分な広さかと」

巌「休憩は取れましたか」

 巌が7、8班を見回した。いかつい名前と鋭い目つきに反して、声色は柔らかい。新入隊員だった葵を指導するときも、そうであった。

由依「はい!」

崩礼「山の前線基地も撤収完了した。とりあえず、登り坂の障害物もある程度撤去しておいたぜ」

虹「そうか」

 短く答えると、虹はゆっくり近づいてくるトレーラーを見て、それから山を見上げて言った。

虹「…敵とは会わなかったのか」

崩礼「ああ。妙だと思っていたが、境界に地雷をばら撒いたのなら合点がいく。前線をかなり下げたんだろう。向こう側に民家が見えたが、全部もぬけの殻だろうよ」

虹「それでも、アナウンスはしなければならない。コンテナが着いたら、3班を呼べ」

崩礼「了解」
635 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/04/07(日) 14:55:20.16 ID:Waq/fDbYo
巌「…ときに、玉置閣下。負傷者は?」

崩礼「とっくに、基地に叩き返したぜ。今頃、幕僚長に絞られてるだろうよ」

巌「命令に背いた4班長は、いかがしますか」

 すると、崩礼は露骨に嫌そうな顔ををした。

崩礼「おい、機甲科が気にすることじゃないだろ。…なあ?」

ラセン「…む、本官に聞いているのか?」

崩礼「ああ。…ちなみに、ラセンだったらどうする?」

ラセン「知らん。本官は、平木班長に罰を与える立場にない」

崩礼「例え話だよ。お前だって、いつか何かの間違いで、俺の替わりになることがあるかも知れないだろ」

ラセン「…」

 ラセンは、ちらりと虹の方を見てから、言った。

ラセン「伝え方に問題がなかったか、考えなければならん。科長から班長へ、班長から班員へ、正しく意図が伝わっていたか。罰を考えるのは、その後だ」

崩礼「…な? だから、ラセンの方が向いてるって言ったんだよ」

 崩礼は、苦笑しながら虹に言った。

虹「…幕僚長に言うのだ。機甲科が関与する問題ではない」

 虹は、澄ました顔(ヘルメットに隠れて見えないが)で答えた。





「オーライ! オーライ! …ストップ!」



 トレーラーが、後ろ向きに広場に停車した。曳行されてきたコンテナから8本の機械脚が伸び、地面に杭を打ち込んで固定していく。
 最後の一本が地面に刺さると、待機していたコーカソイドの班長、ロナが号令をかけた。

ロナ「3班、かかれ!」

 3班の隊員たちが一斉にコンテナに殺到し、側面に開いた小さな扉を開けて中から無数の機械を取り出した。

葵「…もしかして、今から組み立てるとか?」

静流「本体は別にある。あれは『アナウンス』用の装置」

 広場に並べられていくのは、大きなロケット弾。更に中央には、巨大な箱が設置された。

ロナ「Test、します」

「テスト用音声を再生します!」

 隊員が箱の中の機械を操作すると、並べられたロケット弾から一斉に、プリティ☆メイジーの主題歌が流れ出した。

ロル「…OK」

葵「…?」

 音の出る、ロケット弾? 何に使うのだろう? 首をひねっていると、静流がまた言った。

静流「本番は、避難命令が流れる」
636 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/04/07(日) 17:39:49.34 ID:Waq/fDbYo
巌「サンダーピート號出撃を、アナウンス開始から72時間後に設定します」

ロナ「Ready…ah…準備、できた…命令する、fire」

巌「…閣下」

虹「では、スピーカーを撃ち出せ」

巌「発射」

ロナ「FIRE !!」

 ロナが声を張り上げた。次の瞬間、無数のランチャーから山の向こう目掛けて、いくつものロケット弾が放たれた。それは広く拡散して、山頂の向こう側に次々と着弾していった。いくつかが地雷に当たり、爆発音が鳴り響いた。

虹「タイマーを設定。アナウンス…開始」

ロナ「Playback !」

「再生!」

 隊員が機械を操作すると、山が揺れるほどの音声が鳴り響いた。山頂を越えたこちら側にまで、なにか言っているのが聞こえる。



静流「人間たちに、避難を促している。何も知らない非戦闘員を轢いたら、まずい」

葵「出撃は72時間後って…3日後?」

崩礼「避難に、それくらいの猶予はやるってことだ。…長虫さん、テントはこっちだ。休憩するなら使ってくれ」

虹「分かった。ではこれより24時間は休憩とする。その後、コンテナの展開を開始する」

巌「機甲科は野営の準備を! 敵は飛行機を持っている! 上空に気を配れ!」



「「「サーイエッサー!」」」





葵「…はぁ」

 自分たちも持参したテントを張り、一息ついた。外はすっかり暗くなり、薄いテントの外には冷たい空気が漂っている。



安価下1〜3でコンマ最大 休憩中の出来事、行動
637 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/04/07(日) 19:38:00.34 ID:3bvuY4ZMo
キャンプでカレー作る雰囲気で糧食の準備をする葵達
638 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/04/07(日) 20:07:17.42 ID:Waq/fDbYo


由依「包丁を使うときは、猫の手!」トントントン

葵「ん」トントントン

 水で洗った平たい石の上で、人参を刻む8班一行。生野菜など、普通は一兵卒が持ち込むものではないのだが、そこは由依のギフト『育成』の使いどころだ。こっそり持ってきた野菜の種を適当な場所に植え、あっという間に収穫まで成長させてしまったのだ。

真姫「由依ちゃん、切ったお野菜、お鍋に入れるね」バラバラ

初「缶詰のお肉も、入れちゃいます…」ドボッ

由依「じゃあ、火を起こして…」シュッ シュッ シュボッ

 メタルマッチとナイフで、積み上げた枯れ枝に火をつけると、その上に野菜と肉を入れた鍋を吊るし、水を注いだ。

葵「キャンプみたい」

初「そうですね…」

 パチパチと爆ぜる焚き火を眺めながら、葵は呟いた。



安価下コンマ
01〜05 飛行機だ!
06〜10 向こうが騒がしい
11〜30 味がしない…
31〜60 カレールゥだ!
61〜80 ↑+米もあるぞ!!
81〜99 ラセン隊長たちも来た
   00 長虫閣下!?
639 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/04/07(日) 20:10:31.65 ID:52OtHRDZ0
640 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/04/07(日) 20:10:42.08 ID:3IZqVOoYO
高コンマこい
641 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/04/07(日) 20:34:24.29 ID:Waq/fDbYo
初「でも…このままだと、お野菜とお肉を茹でただけです…?」

葵「確かに」

由依「ふっふっふ〜…」

 そこへ、由依が意味深に笑みながら近寄ってきた。彼女は、葵と初の目の前に経つと、後ろに回していた手を前に出した。

由依「じゃじゃーん!」



『カレールゥ』『レトルトご飯』



葵「!!」ガタッ

初「カレー! カレーができます!」

真姫「ご飯温めるから、こっちでお湯も沸かすね」ゴトッ



「「「「ごちそうさまでした!」」」」



葵「ふぅ…」

真姫「キャンプで食べるカレーって、お家で食べるより美味しく感じるよね」

由依「よしっ、早く片付けして、寝る用意をしなきゃ」スクッ

葵「んん…」ドッコイショ

初「明日から、あのコンテナを開けるんですよね…」

 遠くから響く避難命令を聞きながら、葵たちは鍋や皿を片付けた。焚き火に土をかけて消すと、辺りはもう真っ暗だ。テントに入り、寝袋に潜り込んで目を閉じた。



安価下コンマ ゾロ目で…
642 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/04/07(日) 20:45:52.13 ID:3bvuY4ZMo
崩?
643 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/04/07(日) 20:55:39.65 ID:Waq/fDbYo
ここで区切る
644 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/04/07(日) 20:57:18.36 ID:3bvuY4ZMo
おつおつ
645 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/04/08(月) 21:51:04.18 ID:hlhetY8Uo


ドドドドドド…

葵「ん…」ムクリ

初「ふぁ…」

真姫「何の音…?」スクッ

由依「Zzz…」

 外から響いてくる音に、葵たちは目を覚ました。真姫が寝袋を出て、テントの外を覗く。

真姫「…あっ!」

葵「何?」

由依「んぁ…」モゾ

真姫「外に、輸送バンがいっぱい…」

 葵も起き上がり、テントの外を見た。

葵「!」



二三「急げ、降りろ! 小隊ごとに整列し、中隊長に報告しろ!」



由依「んん…っ、普通科が到着したみたいだね…」ノソリ

 由依が、ようやく起きてきた。

由依「サンダーピート號が出撃したら、その後から侵攻するから、もう来て準備するんだって」

葵「…それ、初めて知った」

由依「ふぇ? …っ!!?」

 由依の顔が、さっと青ざめた。

由依「い、言ってなかったっけ? ごめん!」

真姫「とにかく、早く着替えて、テントを出よう?」



 新しい作戦拠点として、1班によって建てられたテントには、虹、崩礼、二三が顔を合わせていた。

虹「紫藤普通科長は来てないのか」

二三「科長は、第一作戦部隊不在の間の首都防衛の指揮に当たられます。自分が代理として、部隊の指揮に当たります!」

 二三が直立したまま答えた。

崩礼「そうかよ。…で、こっちの作戦は?」

虹「サンダーピート號で地雷を撤去し、山道の安全を確保した後、普通科第一作戦部隊が山越えを行う。無事越えたら、山を背にして陣を敷く」

崩礼「俺たちが出るのは、その後で良いんだな?」

二三「敵の動き次第であります。侵攻前のアナウンスを聞いて、逆に敵が軍を展開している可能性もあります」

虹「その時は、サンダーピート號が盾になる。その後ろで陣を敷くと良い」

崩礼「地質次第だが、塹壕を掘るのが良いだろう。山越えのときは、7、8班を同行させろ」
646 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/04/08(月) 22:04:25.78 ID:hlhetY8Uo


由依「…というわけで、サンダーピート號が出撃したら、あたしたちは普通科と一緒に出発だね」

葵「…」カチャカチャ

 葵は作戦を聞きながら、緊張の面持ちでリボルバーを弄んだ。次の相手は、テロリストでも、種付けおじさんでもない、人間だ。自分も、少し前まで同じ存在だった…

由依「人の住む場所に入ったら…少なくとも、女の子は絶対に傷つけないこと。その他人間も、抵抗してこない限りは殺さないこと」

初「ふぅ…すぅ…」プルプル

真姫「…初ちゃん、出撃はまだ先だから」

由依「取り敢えず…もうすぐ、サンダーピート號をコンテナから出すから、護衛がてら見学しに行こっか」



安価下コンマ
01〜10 飛行機だ!
11〜20 遠くで爆発音が
21〜80 大きい…
81〜95 網走隊長?
96〜00 長虫閣下…?
647 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/04/08(月) 22:14:05.24 ID:bo7YTdR7o
えいや
648 : ◆WEXKq961xY [saga]:2024/04/10(水) 21:15:07.94 ID:lzlDEqpio


ゴウンゴウンゴウン ゴゴゴゴゴゴ…



 轟音と共に、黒いコンテナの天井が跳ね上がり、そのまま壁が四方へと倒れていく。
 中から現れたのは、巨大な鋼鉄の多脚戦車であった。鋭い足がずらりと並んだ胴体は、確かに崩礼が形容したムカデそのものであった。

葵「おっきい…!」キラキラ

 目を輝かせる葵。
 4面の壁が完全に倒れて地面に接触すると、離れていた機甲科の隊員たちが一斉に駆け寄って点検を始めた。



「第一関節から始めること!」「ねじ締めよし!」「駆動よし!」



葵「…大変そう」

 アニメでは半分以上カットされるようなメンテナンスが、目の前で延々と繰り広げられている。流石の葵も、ずっと変わらない景色に飽きてきた。

静流「サンダーピート號は、すごい兵器。でも、準備にすごく時間がかかる」

葵「!」

 いつの間にか後ろに立っていた静流が、言った。

静流「おまけに、できることはとても少ない」

葵「前に進むだけって、ラセン隊長が言ってた」

静流「」コクン

葵「サンダーピート號は…コトブキ博士が作ったの?」

静流「『核』は、コトブキ博士。その周りは、理化学研究所の研究者や、陸自の偉い人たちが考えて、作った」

葵「へぇ…」

 コトブキ博士が全部作っていたら、もう少し便利な代物になったのだろうか。葵は、ぼんやりと考えた。



 日が沈むと、点検を中止して夕食が始まった。普通科が持ってきた大鍋で、大量のシチューが作られて、葵たち工作科にも振る舞われた。

初「はふっ、ふーっ…」

由依「ん、おいひ…」モグモグ

 熱々のシチューに、乾パンでお腹を満たすと、一同はテントに入った。



安価下コンマ
01    爆撃
02〜10 銃声
11〜25 普通科は…
26〜60 翌朝
61〜80 葵「おしっこ…」
81〜95 ↑+長虫閣下…?
96〜00 何でここに
649 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2024/04/10(水) 21:16:25.80 ID:/TQ+Q5zSO
高コンマこい
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