【安価コンマ】美少女パーティに参加して

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202 : ◆GARzbuxPIs [saga]:2026/08/27(木) 06:53:56.10 ID:ykk8/I3yO

緑の子「嘘。ずっと見てたでしょ、精霊くんのこと」
 
シル「⋯⋯。賑やかだったんだよね」
 
シロ「ウソ」
 
老人「やめてやれ⋯⋯」
 
 個性的だ。
 
クロエ「シル様なら大歓迎です。お仲間の実力も確かでしょうし――ん?」

ユイリ「⋯⋯あれっ? キースさん?」
 
 ワイワイ騒いでいる彼らに仲間達も視線を向ける。すると、二人が老人を目にして驚いた様子を見せた。
 キースと呼ばれた老人。琥珀色の瞳。短めの髭。白髪をオールバックにしている、長身の渋い男性だ。ビシッとしたスーツを上下に身に付け、腰には一振りの剣。優しげな顔をしたおじいさんだが、年齢を感じさせない姿勢、身のこなし、雰囲気すべてがただ者ではないことをひしひしと感じさせる。
 
キース「久しぶりだな、お嬢さん方。噂は聞いてるぜ」
 
ユイリ「久しぶり。引退したって聞いたけど、今日はお仕事?」 
 
キース「娘達の付き添いだ。ま、野暮用ってところか」
 
 そう言って、チラリと二人の小さな少女達を見る。
 
ユイリ「娘?」
 
クロエ「達?」
 
 キースの言葉に二人が首を傾げる。が、彼は気にするなと言うだけで詳しい説明はしなかった。
 
ユイリ「来てるなら声をかけてくれても良かったのに。あ、この人はキース・グランツィア。元騎士で父の知り合い、一時期私の師匠でもあった人よ」
 
 再開がうれしいのだろう。少女はニコニコと上機嫌な様子でライラとリアに紹介してくれる。ぺこりとお互いに会釈。
 元騎士。ユイリの師。どうやら強者のオーラは見間違いではなかったようだ。
203 : ◆GARzbuxPIs [saga]:2026/08/27(木) 06:54:29.70 ID:ykk8/I3yO
 
クロエ「そちらのお二人は?」
 
 メイドの視線が二人の少女へ向く。一人は姿をすっぽりと隠して、もう一人はなんだか似合ってないグラスで目を隠し――お忍びスタイル。が、緑の子にはうっすら見覚えがあるリアであった。
 
シル「あー⋯⋯シロちゃんと、ミドリちゃん?」
 
緑の子「うわ、センスが無い」
 
シル「ひどい!」
 
キース「⋯⋯お前たちならいいか。少し歩こう」
 
 やり取りする二人を横に、キースがリア達パーティのメンバーを眺め歩き始める。それにシルらが続いて、疑問に思いながらリア達もついていき、機車から少し離れたところで一行は立ち止まった。
 
キース「お前たち、姿を見せてもいいぞ」
 
シロ「いいの? 分かった」
 
緑の子「このままでもいいけど⋯⋯はぁ」
 
 未だどういう状況なのか分かっていないリア達は、きょとんとしながら彼女らを見る。シロはマントを脱いで、緑の子は眼鏡を外して気怠げに指を鳴らした。緑の子の服が瞬時に変わり、シロの隠されていた姿があわらになり――
 
ウィン「じゃあ落ち着かなくてもいいんだよねっ? ふぅ、気分そーかいっ」
 
 リアより一回りは小さな身長。ほんのり肌色の入った雪のように白い肌に、クセの無い短めの白髪。幼さを残した顔立ちと、大きな金色の瞳。髪と同じく真っ白の猫耳と尻尾が生えており、獣人なのだと分かる。
 着ているのは白いセーラー服。サスペンダーとコルセットの付いた黒のスカート。幼い見た目と体に似合わない豊満な胸部が肩紐と腰のコルセットで強調されており、大きな膨らみが飛び出ているように見える服装は、ライラとまた違った方向で目のやり場に困る。
 リアは彼女が誰だか知っている。ウィン・ホワイティ。人気アイドル、パステルレインのセンターを務める少女である。そしてリアの推しでもある。
 テンションを抑えていたようで、変装を解いた解放感からはしゃいでいる。揺れまくる胸はあまり見ないようにしておく。
 
204 : ◆GARzbuxPIs [saga]:2026/08/27(木) 06:55:04.07 ID:ykk8/I3yO
 
エメラ「⋯⋯どーも」
 
 そしてもう一人。緑のポニーテールの女の子。ウィンの正体が判明した時から、彼女の正体も察しがついていた。同じくパステルレイン所属のエメラ・グリンフィルド。
 緑色の髪に琥珀色の瞳。ウィン以上に小さな体。ダボッとしたサイズの茶色のセーターに、下は紺のショートパンツ。袖は布があまりまくっており、手が見えない。
 露出が少なく子供っぽい服装に、幼い容姿。パッと見は戦いに向かう冒険者には見えない。肩に下げた大きめのポーチが唯一のらしい装備か。
 彼女の背には妖精特有の綺麗な羽根が生えており、パタパタとゆっくり動いていた。
 
 
リア(う、うおぉ⋯⋯こんな間近に、あの子たちが)
 
 じっくり姿を観察してしまったが、内心は慌てまくり。ステージの上で歌い踊り、一般人はそこでしか姿を見ることしかできないアイドル。それが今、プライベートで目の前に。正確には冒険者としての仕事の場だが、すぐ話せる位置にいるのだ。その事実に美少女揃いの仲間達とはまた違う、特別感を抱いてしまう。
 
ユイリ「あらかわいい」
 
クロエ「彼女達も冒険者ですか」
 
リア「ああ。冒険者であってアイドルもやっているパス――」
  
ライラ「キャーッ!♡ パステルレインのウィンちゃん! エメラちゃん!」
 
 説明しようとしたタイミングでライラが感激の歓声を上げた。全員がびくっと体を跳ねさせる。彼女は興奮を隠しきれない様子で、腕をぶんぶんと振っている。
 
リア「ライラもファンなのか」
 
ライラ「ええ。かわいい子は愛でるのが使命だもの」
 
 涎が垂れかねないうっとりとした表情で二人を見つめるライラ。確かにそれが使命なら、パステルレインは放っておけないだろう。リアは納得する。
 
205 : ◆GARzbuxPIs [saga]:2026/08/27(木) 06:55:43.19 ID:ykk8/I3yO
 
シル「『ライラも』? リアもそうなんだ。パステルレイン人気だもんね」
 
ウィン「精霊くん、そうなの? 推しはっ?」
 
リア「推しっ? うおっ、近い⋯⋯」
 
 ウィンが無邪気に寄ってくる。にこにこと眩しい笑顔で間近に来て、リアは半歩後ろに後ずさり。破壊力抜群な顔が、胸が、匂いすら香る距離に。赤くなる彼にじゃれつく少女。二人を微笑ましそうに見ていたシルだが、
 
リア「う。ウィンが推しだ」
 
ウィン「えーっ!? やったぁ! ありがとう、精霊くん」
 
リア「あ、ああ。応援してる⋯⋯」
 
シル「⋯⋯」
 
 何か嫌な予感がして表情を強張らせた。チラチラ彼の目線が胸に行っていることにも気づいている。あれが目の前にあったら仕方ない、が、やはりモヤモヤしてしまう。
 
ライラ「お姉さんはエメラちゃん推し♡ 応援してるわぁ♡」 
 
エメラ「あ、うん。ありがとー」
 
ライラ「か、かわいいっ⋯⋯!」
 
 かったるそうにひらひらと手を振る少女に、悶絶するシスター。エメラファンはそういう人が多いと聞いていたが、結構重症だ。
 
キース「――というわけで、だ」
 
 閑話休題。
 はしゃいだ一行へパンと手を鳴らし、キースは大きめに声を上げる。するとぴょんぴょん落ち着きがなかったウィンは自然と止まり、彼へ視線を向けた。
206 : ◆GARzbuxPIs [saga]:2026/08/27(木) 06:56:16.59 ID:ykk8/I3yO
 
キース「俺は今、パステルレインのオーナーっていうのをやっている。今日ここへ来たのはその活動の一環だ」
 
ユイリ「⋯⋯分かったわ」
 
 昨日の襲撃。強者は一人突出し、上を目指している様子だった。姿を見せなかったパステルレインがそこにいるのなら、目的は彼ら。そして護衛として彼女らと共にいるシル。
 アイドル活動と砦の討伐依頼に何の関係が、と疑問を当然抱くだろう。だがユイリは何も聞かなかった。それは他の仲間達も。
 パステルレインが冒険者に混ざりここへ来ている。そのオーナーがキース。それを自分らを信用して打ち明けてくれた。今はそれだけでも十分だろう。犠牲者が出ているのなら話は別だが。
 
キース「すまんな。後々話せるとは思うが」
 
クロエ「いえ。キースさんは信用できる人物ですから。それに、仲間の二人は一緒に行動できるだけでも嬉しそうですしね」
 
ライラ「嬉しいわぁ♡」
 
ウィン「精霊くんはっ? 精霊くんはっ?」シュバッシュバッ
 
リア「うおおっ。う、嬉しい、です」メソラシ
 
ウィン「わーい」
    
キース「はは、ありがとう。とりあえず今は砦を平和にするか」
 
 賑やかな面々を前に老人は苦笑する。そしてキッと山の方を鋭く睨みつけた。
 
シル「キースさん。原因は山の方に、って言ってたけど」
 
ユイリ「山? 何か確証が?」
 
キース「ほぼ勘だ。魔物の密集具合からもしかしたら、ってな」
 
リア「何も手がかりもないし、ひとまずそこに行ってみるか」
 
 頷く一行。その間も興味津々な様子でウィンはリアを色んな方向から見ていた。
207 : ◆GARzbuxPIs [saga]:2026/08/27(木) 06:57:15.60 ID:ykk8/I3yO
 
エメラ「気に入られたね、お兄さん」
 
リア「種族的に物珍しいだけじゃないか?」
 
エメラ「そうかも。だけど初対面でここまでつきまとわれるのは珍しいよ」
 
 アイドルの彼女らと普通に一緒にいて会話をしている。まだ現実とは思えず、返事にぎこちなさが残ってしまう。
 
シル「ウィンちゃーん? ちょっと大人しくしてようね?」
 
ウィン「えー? ボクのファンなんだから、ボクの近くなら嬉しいと思うよ?」
 
キース「これから戦いに行くんだぞ、真面目にやれ」
 
ウィン「はーい。ごめんなさい」
 
 ようやく離れ、キースとシルの間に行く彼女の後ろ姿に、ホッと息を吐く。ずっと近くでシャカシャカ動かれて気が気ではなかった。顔とか胸とか脚とか、もう全てが視界に入るだけでもドキドキなのに。
 
ユイリ「さてと⋯⋯それじゃ、出発ね」
 
クロエ「伝説の騎士とその娘さん方の力を拝見させていただきます」
 
ユイリ「あぁ、こんな仕事になるなんて夢みたい。ね、リアくん」
 
リア「お、おう。そうだな」
 
 明るい雰囲気で一行は目的の山へ歩き出す。襲ってくる魔物を倒し奥へ奥へと進んでいく。次第に斜面にさしかかり、話していた山の中へ入っていった。
 
 
 ↓1 山の中で――(展開判定。活躍少なめのヒロインピックアップ ゾロ目で追加のイベント)
 00〜30 穴に落っこちる
 31〜60 水に落ち、山小屋でひと休憩
 61〜99 二人で別行動。何か生えてるのを見つける
208 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2026/08/27(木) 07:19:35.84 ID:cszToctfO
209 : ◆GARzbuxPIs [saga]:2026/08/31(月) 07:26:31.63 ID:L+8Ri1fCO
 
 
 48 ユイリちゃんルート
 
 
キース「ここまでは順調だな」
 
 山というと狭い道に急な斜面というリアのイメージに反し、存外緩やかで道も開けている。山登りをしているという感覚もなく、木が茂っていた森を越え中腹辺りに来ると木はまばらに。日が当たり明るくなってくる。
 坂道を少し登って開けた場所を歩き、また次の坂道。どうやらこの山はある程度開拓されているらしい。ルートが決まっていて、道も綺麗で、その間にちょこちょこ魔物と戦闘。小分けされた部屋のようにトントンと繰り返しで進行していく。
 
リア「ふぅ。あの二人が大暴れしてるからな」
 
 最後の魔物にとどめを刺し、剣を納めながらリアは言う。
 坂道終わり、階段の踊り場のようにまた開けた場所に出る。そこに居座っていた魔物を一掃したのは前衛の二人。ユイリとウィンだ。
 ユイリは剣と小型化凝縮した魔法の障壁だろうか。二つを駆使し、凄まじい速さで魔物を処理。ウィンも両手に持った短剣でユイリに負けず劣らず素早く華麗に魔物を倒していった。
 低レベルな魔物では相手にならないのだろう。森でも山でも遭遇した魔物はほとんど彼女らが倒していた。二人が取り逃した魔物はリア担当で、後衛の出番はほとんどない。
 
ウィン「いっぱい活躍したよー。エメラちゃん褒めて褒めて」
 
エメラ「おーおー。楽できて私は嬉しい」ナデナデ
 
ユイリ「数だけで大したことはないわね。私の敵ではないわ」
 
 戦いを終え、二人が戻ってくる。ダメージもなく大量の敵を倒して得意げな様子だ。
 
210 : ◆GARzbuxPIs [saga]:2026/08/31(月) 07:27:09.64 ID:L+8Ri1fCO
 
リア「華麗だな、ユイリ。速い速いと思ってはいたが、こんな戦えるとは」
 
ユイリ「ふふん。そう。かなり強いのよ、私は」
 
クロエ「得意げなお嬢様、かわいらしいです」
 
ユイリ「そしてかわいくてスタイルも良い!」
 
ライラ「わっしょい♡わっしょい♡」
 
ウィン「ユイリちゃんサイキョー!」イェー
 
ユイリ「ふっふっふ! ありがとう、みんな」
 
 鼻高々。大きな胸を張り、ニコニコと満面の笑みである。
 
キース「相変わらずだ。盾の精度は悪くなかったが油断はするなよ」
 
ユイリ「勿論よ。――さてと、ここは特別広いわね」
 
 一行は辺りを眺める。山道の踊り場。広場のように広がる平らな地面が、人の手での整地を匂わせている。
 ぽつぽつ生えた木。山頂辺りから流れる大きめの川、小屋まで建っている。
 
キース「この山は昔は見張り塔的な役割があったと聞いていたが、綺麗に残っているものだな。まだ整備されてるのか」
 
ライラ「不自然な川といい魔法的な何かを感じるから⋯⋯なんらかの魔法で維持されてると思うわ」
 
クロエ「真面目に話すと違和感がすごいですね、シスター」
 
ライラ「えー、ひどぉい。リアくん慰めてぇ」
 
リア「うおおっ、くっつくなって」
 
 人前で勃ったりしたら一大事である。腕に抱きつこうとするシスターの頭を押さえ、それから撫でてやる。ライラはそれで満足したようだ。
 
キース「何かありそうだな。手分けして周囲を探索しよう」
 
シル「ん。じゃあ行くよ、護衛対象さん達」
 
ウィン「はーい」
 
エメラ「私ちょっと休憩したい⋯⋯」
 
 シルが引率の先生のように二人を連れて行く。他の仲間達もそれぞれ散っていき、リアも遅れて探索を始めることに。
 
211 : ◆GARzbuxPIs [saga]:2026/08/31(月) 07:27:44.57 ID:CkcY0mkUO
 
リア「みんな切り替え早いな⋯⋯」
 
 経験の差だろうか。呟いて、リアはとりあえず不自然だと言われていた川へと向かう。
 
リア「でかいし深いな⋯⋯」
 
 澄んだ水が勢いよく流れている。幅は数メートル。深さは人の身長ほどか。山のサイズに比べ水の量が明らかにおかしい気がする。どこから来ているのだろうか、この水は。
 
ユイリ「リア、あなたもこっちの探索?」
 
 不思議に思って眺めていると、隣にユイリがやって来た。人懐っこく寄ってきてにっこりと笑う。ウィンより少し小さいがボリューム満点な胸。もふもふな尻尾と耳。改めて見ると、推しの少女と少し重なる部分がある。
 
ユイリ「じっと見てなぁに? 私のかわいさに見惚れちゃったかしら?」
 
 性格はあまり似ていないけれど。からかうような表情で,頬に指先を当てポーズを取る彼女に苦笑する。
 
リア「おう、見惚れた見惚れた。⋯⋯ライラがこの川が不自然だって言ってたから気になって来てみたんだ」
 
ユイリ「ちょうどいいわ。だったらついてきて。一緒に調査するわよ」
 
 聞くや否やユイリはくるっと身体の向きを変え歩き出す。尻尾がるんるんと上機嫌に揺れる。
 
リア「いいが、どこに行くんだ?」
 
ユイリ「上流の方。チラッと見たけど、木で囲われてて怪しいのよ」

 
リア「そんな場所が⋯⋯行動が早いな」
 
ユイリ「獣人の血がなせる技ね」
 
 得意げな笑声が前の少女から聞こえてくる。リアは周囲の観察をしつつ彼女についていった。少しして、
 
ユイリ「そういえばリア」
 
リア「うおっ、いつの間に」
 
 ちょっと前から視線を外したタイミングで、いつの間にか隣にユイリが移動していた。驚いた彼を笑いつつ、彼女は尋ねる。
 
212 : ◆GARzbuxPIs [saga]:2026/08/31(月) 07:28:18.33 ID:e50u9cjWO
 
ユイリ「精霊って呼ばれてたけど、あなたってそうなの?」
 
リア「半分な。半分は人間だ」
 
ユイリ「へぇ、珍しい。見た目は普通なのに」
 
 ジロジロと彼を下から上まで見回す。引いたり怖がったりする雰囲気は無く、少年は内心安堵する。
 
ユイリ「なるほどねぇ。だからあんな特別な戦い方も⋯⋯。ますます期待ね。がんばって」
 
リア「あ、ああ。お荷物にはなりたくないしな」
 
ユイリ「そこは鍛えてあげるから心配無用よ。今でも戦力になってるし」
 
 そう語る彼女の言葉に、嘘やお世辞がないと短い付き合いながら分かる。気持ちのいいリーダーである。再び軽い足取りで前に出た彼女を追い、川の上流を目指す。少しして傾斜が大きくなってきた川辺の先、木で覆われドームのようになっている一帯を見つける。ユイリが言っていたのはあれのようだ。確かに怪しい。
 
リア「俺たちだけで行くのか?」
 
ユイリ「様子見だから大丈夫。それに私強いし」
 
リア「⋯⋯不安だ」
 
 低レベルならまだいいが高レベルと遭遇した時が怖い。
 もし危なそうだったらすぐ助けを呼ぼう。リアは思う。近くに仲間達がいるだろうから、いざとなれば大声を出せばいいだろう。
 
リア「⋯⋯広いな」
 
 ぴょんぴょんと身軽な小動物みたく進むユイリについていき、ドームの中に到着。木で覆われたそこは薄暗く、木々の間からかすかに覗く光が照らす神秘的な雰囲気の場所であった。
 湖のような水の貯まりがあり、その中心にはうっすら光る謎の珠。とても、あの大きな川の上流とは思えない。あそこから川の水が湧いているのだろうか。
 
ユイリ「魔物は⋯⋯いないわね」
 
リア「ますます怪しいな」
 
 周囲を観察。道中あれほど遭遇したというのに、この空間には魔物がいない。静けさに包まれたドームの中を進み、二人は自然と中心、湖のほとりへ立つ。
 周りを警戒しているのだろう。ユイリの耳がピンと立ち、時折ぴくぴく震えている。
213 : ◆GARzbuxPIs [saga]:2026/08/31(月) 07:28:59.45 ID:TXaB8xaZO
 
ユイリ「ライラの話通りなら、あれは魔法の道具かしら」
 
リア「触らないほうがよさそうだな。戻るか?」
 
ユイリ「そうね。何もなさそうだし」
 
リア「んっ? ユイリ――っ!」
 
 言っている彼女の足元。何かが湖の水面から伸びていることに気づく。逃げるよう警告しようとするが、それよりも早くそれは彼女の足を掴んだ。
 
ユイリ「いっ!? な、なにっ!?」
 
 細めで柔らかそうな黒い色の触手。それが彼女の左足首の辺りに巻き付き、締め付ける。見た目以上の力のようだ。ユイリが痛みに膝をつき、足に巻きついたそれを外そうと無防備な姿を晒す。水面から新たに現れた物体が、そんな彼女に狙いを定め鋭利な触手を向けていた。
 
リア「させるか!」
 
 少年は即座に反応し、一歩前に出てそれを切り払う。金属のように硬かったが細さのせいかあっさり両断され、ユイリが貫かれることは防げた。水中から大きな声が上がり、切断された足の持ち主が現れる。鋭利な牙と、でこぼこした不規則な鱗。体のあちこちに触手を生やしており、見るからに禍々しい鮫のような姿をした魔物であった。

 
ユイリ「ありがとう、リア。結構な大物ね⋯⋯」
 
リア「結構レベルなのか、アレ」
 
 湖から距離を取った二人は戦闘態勢を取り、様子を見る。待ち伏せして拘束、刺し殺そうとしてくる魔物。場所が場所なら大騒ぎになって、討伐依頼が即座に出ている魔物だろう。
 
ユイリ「私とリアならあんなのすぐ倒せるわよ」
 
リア「何か考えがあるんだろうな⋯⋯」
 
ユイリ「とりあえず魔物の近くで全力で爆破攻撃しなさい。何度も。後は私がなんとかするわ」
 
リア「いいのかそれ」
 
 ツッコむが、対魚ならば確かに良い手かもしれない。湖には不気味なほど他の魚の姿はない。魔法の発生源だからだろうか。今のところ作り物の湖にあるのはあの魔物の姿のみ。
 剣を握り直し、リアは覚悟を決める。魔物は幸い水際にいる。地上からでも攻撃は届きそうだ。
 
214 : ◆GARzbuxPIs [saga]:2026/08/31(月) 07:29:27.16 ID:qRa+aNyQO
 
リア「じゃあやるぞ⋯⋯!」
 
ユイリ「ええ。援護する!」
 
 言ってユイリは詠唱をはじめる。駆け出した少年へ魔物の触手が迫るが、それが近づく前にユイリの魔法が放たれ攻撃を防いでくれる。精密なコントロールで放たれる光の矢。ダメージはほぼないが、リアはただ走るだけで魔物に近づくことができた。
 
リア(あとは叩き込むだけ⋯⋯!)
 
 思い切り跳躍。跳んだ彼へ触手を向ける魔物。だが、ユイリが放った大きめの魔法に顔を撃たれ、隙を見せる。的確なサポートに導かれ、リアは魔物近くの水面目掛けて全力の攻撃を放った。
 大きな水しぶきが上がる。触手を暴れさせ、苦しむ様子を見せる魔物。リアは目を凝らし再度剣を振り上げた。もう一度、と魔力を込めた直後触手が彼を捕らえる。
 
リア「うお、やばっ⋯⋯!」
 
 手と腰を捕まれ、強い力でグンと引かれる。その先には口を開いている魔物。数秒後の光景が頭に思い浮かび、血の気が引く。
 
ユイリ「ご苦労さま! あとは任せなさい!」
 
 と、その横を勢いよく通り過ぎる少女。出現させた魔法の盾を魔物の口へ思い切り投げつけ、跳躍。空中で彼女の剣がきらめいた。電気を付与した刃。落下の勢いを利用し魔物へ突き刺す。
 魔物が大きな声を上げ、少年の目の前で拘束を解いた触手に電撃が走るのが見えた。間一髪のタイミングである。
 
ユイリ「とどめ!」
 
 魔物の体の上に乗ったユイリが突き刺した剣でそのまま体を斬り開き、後頭部の辺り、ウロコの間を貫く。渾身の一撃に魔物は断末魔の絶叫を上げ、そして派手に魔力の煙を上げて霧散した。
 
リア「た、倒したか⋯⋯」
 
 魔物の討伐を確認。ホッとする少年は武器を納めて呟く。そして気づいた。ユイリが水中でもがいていることに。
 
リア「まさか脚が⋯⋯!」
 
 魔物に掴まれていた脚のことを思い出す。少年は慌てて飛び込み、水中で彼女を抱える。小さな彼女だが水中では何倍にも重く感じられた。苦しげな少女の頭を一度撫で、少年は水面へ顔を向ける。
 
ユイリ(⋯⋯!)
 
 若干パニックを起こしていた彼女だが落ち着き、しっかり離さなかった剣を冷静に鞘へ納めた。リアの胸板に顔を押し付けられ、ドキドキした様子で身を任せる。
215 : ◆GARzbuxPIs [saga]:2026/08/31(月) 07:30:19.36 ID:3EEgcI5zO
 
リア(強化があって助かった⋯⋯!)
 
 ユイリの身体と密着、なんて思う余裕もなく足を魔力で強化し勢いよく浮上。水面から顔を出す。
 
ユイリ「ぷはっ! ぁ、ありがと⋯⋯助かったわ」
 
リア「ふぅっ。俺も助けられたしお互い様だ」
 
 彼へ大人しくしがみつき、しおらしくしているユイリ。リアは強化を持続させまず彼女を地面の上に。それから自分が上がる。
 
リア「はぁ⋯⋯しんどい。脚は大丈夫か?」
 
ユイリ「ちょっと痛むけど、それだけ。泳ぐのは無理ね」
 
 湖の近くで座り込む。山登りに戦闘、そして水泳。体力がぐんと削られているのを感じる。濡れた髪と顔を手で払い、隣のユイリへ視線を向ける。
 
リア(! は、破壊力が⋯⋯!)
 
 耳も尻尾もびしょ濡れで萎み、服もびしょびしょ。彼女の肌にぴったりくっついたワンピースの下から、白の下着が透けて見える。大きな胸の谷間も見え、つい視線が向いてしまう。
 
ユイリ「? あ。リア、やらしい目してるわよ」
 
 彼が無言で凝視する様子に首を傾げた少女だが、すぐに察したようだ。胸を手で隠しながらニヤニヤと笑う。手で押さえ込まれた胸が腕から零れ出そうに形を変え、谷間が深くなる。ごくっと唾を飲んだリアだが、すぐに我に返った。
 
リア「も、戻るぞ。連戦になったら危ないしな」
 
ユイリ「ふふ。分かったわ」
 
 慌てて立ち上がる少年はユイリに手を差し出し起き上がらせる。そらから二人は肩を組んで、ゆっくりと仲間達の元へ向かった。

 
 ユイリの好感度プラス10 現在50


 
 
 ↓1 山小屋で(いつもの判定。好感度補正でプラス25。ゾロ目で1番下の展開に)
 00〜30 手でお礼
 31〜60 口でお礼
 61〜90 胸を使って
 91〜99 発情期来ちゃったかも
 
  少し間空いて申し訳ないです。安価だけ取ってまた落ちます
216 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2026/08/31(月) 07:43:32.19 ID:IcCKokPvO
そぉい
217 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2026/09/01(火) 09:10:22.91 ID:KFTYnhxjO
そういえば同じく獣人組のウィンは発情期どうなってるんだろ
設定から性知識無し&パステルレイン内で守護られてるっぽいし
@『身体が熱っぽい』とか訴えられて適当に風邪か何かと誤魔化されてる
Aエメラ辺りが魔法でこっそり抑えている
Bそもそもまだ発情期来てない
のいずれか辺りなのかな
218 : ◆GARzbuxPIs [saga]:2026/09/02(水) 07:25:45.75 ID:wZ1WBodfO
 
 91プラス25 発情期来ちゃったかも
 
 
 仲間と合流した二人はライラに治療され、服を乾かすため山小屋に放り込まれた。小屋の暖炉に火をつけそこに服を干しておき、渡されたタオルに身体を包む。
 二人に休憩しろと告げた他の仲間は、更に山頂を目指して進むらしい。無論二人の戦力が不在なので、無茶はしないという約束付きで。
 
ユイリ「服くらいすぐ乾くのに、心配性よね」
 
リア(いや⋯⋯あのままだと大変だし)
 
 暖炉のそばに座り、口を尖らせぶつくさ言っているユイリ。
 あの濡れ透けな状態でいられたら、男性二人が気まずいのは勿論、ライラもどうなっていたことか。脚の怪我を優先してくれたが、チラチラ見てたし。
 
ユイリ「⋯⋯」
 
リア「⋯⋯」
 
 二人とも黙ってしまう。少年は緊張よりもドキドキや興奮が勝っていた。山小屋に入ってクロエに服を脱がされたユイリ。彼は彼女の脱衣シーンを思い切り見てしまっていた。干されている下着や服。彼女の裸体。いけない妄想が頭に浮かんでしまい、身体は既に反応気味である。
 
ユイリ「ね、ねえ。他の仲間は上に行ったし時間はあるわよね⋯⋯」

 
 時間潰しに眠れないだろうかなどと考えていると、ユイリがぽつりと呟いた。隣を見れば彼女もリアを見つめていた。若干濡れた耳と尻尾。ほんのり赤い頬で照れた様子の彼女は、タオルの下で自分の体を抱き締める。
 
リア「そうだな。休むならベッド使って大丈夫だぞ。掃除はしてあるみたいだし」
 
ユイリ「⋯⋯い、一緒に行かない?」
 
 緊張からかぺたんと耳が倒れる。そういう意味なのか、硬直し頭がフリーズしそうになる少年へ少女は続ける。
 
ユイリ「戦いのせいかしら。さっきから興奮して⋯⋯その、発情期みたいなの。だから、お仕事お願い⋯⋯」
 
 つまりは、そういうこと。
 はつらつとした彼女がおとなしく、もじもじしながらお誘い。リアはこくりと一回頷く。それから手を彼女に差し出し、繋ぎながらベッドへと移動した。
 彼女がベッドへ横たわり、リアはタオルを外して彼女の上へ。彼の男性器を目にし、驚く様子を見せたユイリはおずおずとタオルをほどき、ベッドの脇へ置いた。その瞳に怯えはなく、期待と興奮が浮かんでいるのが分かる。案外経験があるのだろうか。
 
219 : ◆GARzbuxPIs [saga]:2026/09/02(水) 07:26:46.36 ID:weYT7nnbO
 
ユイリ「⋯⋯触っていいわよ?」
 
リア「あ、ああ。わかった」
 
 言われて、自分が止まっていたことに気づく。ベッドに広がる長い金髪。背が低く華奢な体型に反して大きすぎる乳房。ぴんと立った綺麗な乳首。尻尾があるせいで腰が少し浮いて、愛液で濡れた割れ目が少年からしっかり見える。
 見惚れてしまうのも仕方ない、極上の裸体へ少年は手を伸ばす。やはり自然と触れてしまうのは胸であった。
 
ユイリ「ふぁっ♡ ぁ⋯⋯♡」
 
 指が沈み彼女の体温が指先に伝わる。ライラとはまた違うハリの強い柔らかさ。本能のまま思うままに揉んでいるだけなのに、ユイリは強い反応を見せた。
 
リア「⋯⋯っ」
 
ユイリ「んあっ!♡ ち、くび――っ♡ ああっ!♡」
 
 乳首に吸い付くと、更にリアクションが大きくなる。びくっと体を反らせ、耳がぴんと立つ。ここが弱点らしい。ならばともう片方の突起を指で擦る。
 
ユイリ「あ、ダメッ!♡ それすぐイッちゃ――ああぁっ!♡」
 
 少し攻めただけでユイリは敏感に達してしまう。甘い声を上げ体がびくびくと跳ね、そして弛緩。秘部から蜜が流れ出し、ベッドにシミを作る。
 
リア「⋯⋯かなり敏感なんだな」
 
ユイリ「はっ、はぁ⋯⋯♡ ご、ごめんなさい⋯⋯♡」
 
リア「謝らなくてもいいぞ。⋯⋯そっちの方がエロいし」
 
 とろんとした顔で謝る彼女を撫で、しばらく様子を見る。少しそのままでいると、ユイリが彼の腕に手をやった。
 
220 : ◆GARzbuxPIs [saga]:2026/09/02(水) 07:27:42.72 ID:weYT7nnbO
 
ユイリ「ね、挿れて⋯⋯♡ 胸だけじゃ治まらない⋯⋯リアので、ズンズンして⋯⋯♡」
 
リア「っ! あ、ああ」

 発情しきった目で懇願され、リアは理性が切れるのを自分で感じた。彼女の頭を一撫でし、彼は体を起こす。ひくひくと期待するように震える割れ目。勃起した男性器の先端をあてがうと、少年はひと思いに挿入した。
 
ユイリ「あっ!♡ そんな大きなの、ゆっくり――おっ、お゛おっーっ!?♡」
 
 狭い中に男性器を入れ、奥まで一気に貫く。すんなりと奥まで入りきり子宮に先端が入る――すると、ユイリが一番大きな反応を見せた。舌を出し、目をパチパチと瞬きさせる彼女。挿入でまたイッてしまったのか、中がきつく締めつけてくる。
 
リア「っ♡ 締め付けすぎだ、ユイリ――っ!♡」
 
 挿入の刺激で高まっていた中で強すぎる締め付け。乱れた彼女の姿に我慢は効かず、彼はそのまま射精してしまう。
 
ユイリ「あ゛っ!♡ 初めてで、あっ♡すぐ中出し――っ♡ あつっ――おっ♡またイクっ!♡」
 
リア「うぁっ⋯⋯♡」
 
 最奥へ噴出する白濁の勢いに再び達するユイリ。収縮する膣が蠢き射精を促す。あられもない姿を晒す彼女の腰を掴み、リアは無意識にグッと引き寄せ精を放つ。溢れるほど吐精し、ようやく落ち着いた頃には、
 
ユイリ「ぁ⋯⋯♡」
 
 ユイリはすっかりできあがっていた。ぴくぴくと震え、恍惚とした表情でベッドの上に横たわる。余韻のせいか意識が曖昧なようで、うっすら浮かべた笑みがいやらしく見える。
 初めて、と言っていたが挿入でここまで乱れるとは。発情期とはここまでのものなのだろうか。リアはちょっと心配になる。
 そのまま彼女の痴態を眺める少年。するとぽーっとしていたユイリが口を開き、腰を彼へ押し付ける。
 
ユイリ「リア、動いて♡ 本番せっくす、して⋯⋯♡」
 
リア「っ♡⋯⋯ユイリっ」
 
ユイリ「んああっ♡ ぁ、ゴリゴリして――おっ、おくぅ♡んおっ♡」
 
 射精直後だというのに、誘われあっさりと元気を取り戻してしまう。誘惑にまんまと乗った少年は腰を引き動きはじめる。精液と愛液が膣と男性器に絡み、途方もない快楽を生じる。攻めているリアも余裕はなく、一突き毎に声を漏らしだらしない表情を浮かべてしまう。
 
221 : ◆GARzbuxPIs [saga]:2026/09/02(水) 07:28:18.92 ID:TpTeTBOTO

ユイリ「ん、んおっ♡お゛っ♡ これ、がセックスっ♡ あっ♡ ぽわぽわ、終わら、なぁっ♡ あぁっ♡」
 
 ぐちゅぐちゅと卑猥な水音が響き、少年が動く度に動く乳房。快楽に夢中な蕩けた目で彼を見つめ、甘い声を上げるユイリ。視界も男性器に伝わる刺激も強すぎる。絶頂が近くなり、彼は自然とペースを上げる。
 
リア「っ、ユイリ、もう――っ!♡」

ユイリ「あっ♡ 出してっ♡また、お゛っ♡ イカせてっ!♡」

 
ユイリ「――――っ!♡」
 
 ギュッと中が強く締まるのと同時に彼も達する。自分の体を抱いて胸を寄せる彼女。2度3度と精液が子宮を叩く度、彼女は何度も絶頂しているようだった。
 
ユイリ「んおっ♡しゃせぇ、すご――っ♡ お、おおぉぉ⋯⋯♡」
 
 焦点の合わない目で幸せそうに呟き、強く締め付ける中からは漏れ出した液体が内ももを伝いシーツにかかる。二度目の射精を終え男性器を抜き、リアは深く息を吐いた。
 
リア「はぁ⋯⋯♡ これで満足したか?」
 
ユイリ「⋯⋯♡」
 
 尋ねる少年に、くすっと笑って四つん這いに、背中を見せる彼女。フリフリと尻尾を振り、小さなお尻を見せつけ彼女は挑発的に微笑む。まだ、らしい。
 少々呆れる少年だが、その男性器はビンビンに勃起してしまっていた。
 
 
 
 ↓1 事後の展開(いつもの。ゾロ目で特別イベント)
 00〜60 クロエが帰ってきて仲間達と合流
 61〜80 他パステルレインのメンバーが⋯⋯
 80〜99 先に帰ってきたウィンが⋯⋯
222 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2026/09/02(水) 08:03:55.83 ID:hB4FefkRO
はい
223 : ◆GARzbuxPIs [saga]:2026/09/06(日) 09:54:46.32 ID:T5ALoRsOO

 38 クロエが様子見
 
 
 四、五回戦を終えて事後。洗浄の魔法を二人は使えないため、一枚のタオルで雑にべしょべしょに汚れたシーツを隠して、もう一枚で二人一緒にくるまる。暖炉の前に戻り、互いに冷静に沈黙。いわゆる賢者タイムである。
 
リア「ユイリは⋯⋯その、本当に初めてなのか?」
 
 そんな中、少年はぽつりと呟く。肩が触れ合う距離。第一声がそれなのかと思うかもしれないが、ユイリの過剰すぎる反応を考えれば当然の疑問――なのかもしれない。
 
ユイリ「⋯⋯男の人とはね。その、結構前に発情期が始まるようになったから」
 
 言葉を濁しているが分かった。女性で昔からの付き合い、かついつも一緒にいるのはメイドのクロエ。そういうことなのだろう。
 
リア(感度もそのせいか、天然か⋯⋯)
 
 二人の絡む姿を想像しまた勃ってしまう。
 
ユイリ「でもあんなに感じるなんて思ってもみなかったわ⋯⋯。うう、すごい声出して」
 
リア「発散はできたんじゃないか? それに俺は好きだぞ、普段のユイリとはギャップがある感じで」
 
ユイリ「⋯⋯そ、そう」
 
 腕を回し肩を抱く。顔を真っ赤にした彼女は大人しくしがみつき、彼の肩に頭を置いた。尻尾が彼の背中にぽふっとくっつく。ゆったりとした時間が流れ、少しの間暖炉の前に座っていると、
 
クロエ「お嬢様、ご主人様。ご様子を⋯⋯おや」
 
 ドアがノックされ、返事をするとクロエが顔を出した。部屋を見回し、二人の姿を見てベッドの惨状に気づきニタリと笑う。
 
クロエ「お嬢様、お楽しみでしたか」
 
ユイリ「彼の仕事なんだからいいでしょ。クロエ、後始末してくれないかしら」
 
クロエ「かしこりました。――それで、いかがでしたか? 男性との行為は」
 
ユイリ「ぶふぅっ!」
 
 にやけ顔のメイドにどストレートに問いかけられ、お嬢様が吹き出した。顔を真っ赤にして慌てる彼女は真っ裸で立ち上がる。
 
224 : ◆GARzbuxPIs [saga]:2026/09/06(日) 09:55:12.91 ID:T5ALoRsOO
 
ユイリ「なんてこと聞くのよ!」
 
クロエ「私がスカウトしましたから、使用感を尋ねるのは当然でしょう。不良品なら返品しなくてはいけませんし」
  
リア「物みたいに言うな」
 
ユイリ「ま、まぁ⋯⋯悪くはないんじゃない?」
 
クロエ「ご主人様、何回しました?」
 
リア「6回くらい」
 
ユイリ「ちょっと!」
 
 ツンデレムーブで恥ずかしそうに言う主人の横で、メイドと少年がさらっとプライバシーの漏洩を行う。
 
クロエ「なるほどなるほど。堪能していただけたようで幸いです」
 
リア「あんまりいじっちゃ可哀想だぞ。発情期って言ってたし」
 
クロエ「――はて? まだ周期では――」
 
ユイリ「ク ロ エ !」 
 
 大声を出したユイリが目にも止まらない速さでメイドを攫っていく。部屋の隅で二人はこそこそ話し始めた。
 
ユイリ「――ということなの」
 
クロエ「男らしい姿に発情して、命を救われたお礼も兼ねて発情期を口実に体を重ねた。思ったよりも気持ちよくて発情期並みに回数を重ねた、と。そういうことですね」
 
ユイリ「そうだけど、口に出す必要ある?」
 
 リアには届かないくらいのボリュームで愉快なやり取りをする二人。少しして、満足げなメイドと下着を身に着けたユイリがリアの近くへ戻ってくる。
 
225 : ◆GARzbuxPIs [saga]:2026/09/06(日) 09:55:44.16 ID:T5ALoRsOO
 
クロエ「よかったですね、ご主人様。お嬢様もあなたに大変満足したそうです。これで仲間全員からのお墨付きですね」
 
ユイリ「まったく、恥ずかしいことを言わせるんだから」
 
リア「はは⋯⋯ありがとう、でいいのか?」
 
ユイリ「何も言わなくていいのよ。適当にあしらっておきなさい」
 
クロエ「えぇー。寂しいですお嬢様ぁ」
 
ユイリ「あんたそんなキャラじゃないでしょくっつくなっ」
 
 目をキラキラさせてじゃれつくクロエと、鬱陶しそうにしながらも楽しそうなユイリ。二人の仲の良さが窺える微笑ましい光景に、少年は笑みをこぼした。
 
 
 
 さて。それから三人は山小屋から出た。
 
クロエ「他の皆さんは調査から撤退中です。すぐこちらへ戻ってくるでしょう」
 
クロエ「先行して私だけ戻ってきて良かったです。あんな事後感満載な小屋を他の人に見られたら大変ですから」
 
 クロエの魔法で綺麗さっぱり片付けてもらった後、乾いた服を身に着け外へ。山頂付近を見てきた仲間達を待つことに。
 
ユイリ「⋯⋯それで、どうだったの? 大量発生の原因は?」
 
クロエ「山頂の近くに最近使われた魔法の痕跡がありました。が、それだけでした。山は原因の魔法が使われた場所だった、という可能性が高いだけで他には何も」
 
リア「とりあえず魔物は大量に倒せたし、貢献にはなっただろ。山の魔物が雪崩込む心配もなさそうだ」
 
ユイリ「そうね。他のパーティの報告もあるだろうし今日はそれ待ちかしら」
 
 人為的な魔物の大量発生。もしそうなら何か見つかっているかもしれない。むしろ犯人らしき人物も見つかるかも。
 話しながら数分待っていると、登っていた仲間たちが戻ってきた。
226 : ◆GARzbuxPIs [saga]:2026/09/06(日) 09:56:17.86 ID:bsbWslOxO

 
ウィン「あ、精霊くんとユイリちゃん! 服乾いたねー!」
 
キース「まったく、老体にこの運動は堪えるな⋯⋯」
 
エメラ「同意見。隠居したい⋯⋯」
 
ライラ「ユイリちゃん怪我の具合は大丈夫?」 
  
 特に怪我もなさそうだ。元気いっぱいなのはウィンだけで、他はぐったりしているが。
 手を振り、それぞれに返事をしているとシルが二人へ近づいてくる。その手には綺麗な石やら歯のような物が。
 
シル「はいこれ、二人が倒した魔物の素材。貴重そうだと思って回収したんだ」
 
ユイリ「あ、わざわざ悪いわね」
 
リア「大物だったからな⋯⋯いい小遣いになるかも」
 
 魔物の素材は換金してもいいし、武器になることだってある。パーティの代表としてユイリに持っていてもらう。シルから受け取った素材をポーチに入れ、ユイリは笑った。
 
ユイリ「気遣い上手なお嫁さんね。羨ましいわ」
 
シル「よめっ!? ま、まだそんなんじゃ」テレテレ
 
クロエ「お嬢様。ご奉仕万能のメイドさんがお嫁さんになれますよ」
 
ユイリ「イヤ、あんたは従者としてこき使うから」
 
クロエ「それはそれでアリですね」ニッコリ
 
リア「アリなのか」
 
 暗い目で満面の笑みを浮かべる彼女へつっこむ。お嬢様への愛は重めだ。髪をいじって照れていたシルは、そんな彼女を見てぽつりと呟いた。
 
シル「私もリアにこき使われるのは⋯⋯アリかなぁ」
 
クロエ「流石は魔術師様」
 
ユイリ「シルはリアに夢中ね」
 
シル「愛があればねっ。愛が」
 
リア「そんな無茶は言わないから大丈夫だ」
 
ライラ「フフフ。シルちゃんもたまにはリアくんに強引に迫られてみたいのよねぇ」
 
ウィン「ごーいんに?」
 
エメラ「ウィンにはちょっと早い話かな」
 
キース「おうおう、賑やかだな。そろそろ帰るぜ。腹が減った」
 
 ワイワイ話し出す全員に、最年長のキースが場を仕切る。昼が過ぎ夕方も近い。夜に魔物大量発生の場に残されるのは危険だ。空腹も疲労もある。誰も彼の提案に異存はなかった。
 その後行きと同じく魔物と遭遇し、今回は後衛組が処理にあたった。ライラが盾役となり原理は分からないが生身で攻撃を受け止め、他の仲間が魔法や武器で撃退、という戦法で問題なく帰ることができた。爪や牙、魔法すらも彼女の前では豆鉄砲のような扱いで――彼女のことをあまり知らないリア、シル達はすごく驚いた。
 
 
 
 ↓1、2 会話イベントの対象判定(いつもの。ゾロ目で特別イベント)
 
 
 00〜15 ユイリ
 16〜30 ウィン
 31〜45 赤い子
 46〜60 クロエ
 61〜75 ライラ
 76〜90 シル
 91〜99 国の兵士さん
227 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2026/09/06(日) 10:29:46.97 ID:4kfQ/dUr0
えいさ
228 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2026/09/06(日) 10:46:17.82 ID:MUv5WQvtO
そぉい
229 : ◆GARzbuxPIs [saga]:2026/09/08(火) 07:23:39.29 ID:u/Uq2MAmO

 
 79 シル
 28 ウィン
 
 
 
 臨時拠点の機車へ戻るとリア達パーティはそこから少し離れた場所に集まった。いつものメンバーにパステルレインのウィンとエメラ、オーナーのキース、それと赤い髪が目立つ少女。
 
赤い子「これでよし」
 
 シル、キースと一緒にいるのがパステルレインだと分かった今、変装していてもリアには彼女が誰だか分かってしまう。率先して行動し、魔法の道具の準備をして囲いを作る姿。生意気なことを言いながらも、なんやかんやいつも仲間を想っている彼女のことが頭に浮かぶ。
 頭から上半身を覆う頭巾から覗くストロベリーブロンドの髪に、小さくスレンダーな身体。パステルレインの赤い子、アデルちゃんだ。
 
ライラ「リアくん、リアくん。私今日ほど上位ギルドやっててよかった日はないわぁ」
 
リア「そうだな⋯⋯この囲いの中に入ってて文句言われないとか」
 
 彼女らがいることはリア達パーティ以外には内緒なのだろう。出来上がった囲いを見つつ、はしゃいでいるライラへしみじみと返事をする。
 今をときめくアイドル達と閉ざされた空間でお話。本来ならばいくら金を積んでも叶いそうな夢である。
 
ユイリ「それで何の用? 誘われたからとりあえず来たけど」
 
シル「一緒に食事でもと思って。今から作るから」
 
ウィン「一緒に食べよ?」
 
ユイリ「あ、ああ、そういうこと。問題ないわよね」
 
 仲間へ振り向く彼女。一同は勢いよく首を縦に振った。
 
ウィン「わーい! 他の人とご飯を食べるの久しぶり!」ピョンピョン
 
ライラ「おおぅ、揺れてるわぁ――げふっ」
 
クロエ「魔術師様、手伝います」
 
ライラ「あーんっ。痛くないけど心が痛いぃ」

 無邪気に胸を揺らす少女を眼福と言わんばかりに緩んだ顔で凝視するシスター。数秒後メイドからびしっと手刀を頭に入れられ、リアに泣きついた。
 
キース「ま、たまには交流もしとかないとな。お前も挨拶したらどうだ?」
 
 用意したキャンプ用の椅子に座り、くつろいでいるオーナーに声をかけられ離れた位置にいた赤い子が反応する。従騎道連盟のメンバーをじっくり眺め、ぽつりと彼らに聞こえない声で呟く。
 
赤い子「少数精鋭の上級ギルド⋯⋯損はないか」
 
 そして近づき、頭巾を取る。ストロベリーブロンドの柔らかい色のロングツインテール。宝石のように綺麗な赤色をした瞳。スラッとした華奢でしなやかな、褐色の肌の身体。胸を覆う黒のチューブトップに、下は革のローライズなホットパンツ。肌が露出している面積が広く、下半身の際どさもあってセクシーだ。
 
230 : ◆GARzbuxPIs [saga]:2026/09/08(火) 07:24:18.81 ID:u/Uq2MAmO
 
アデル「あたしはアデル。パステルレインの赤担当よ。あんたたちのことは聞いてるから、これからよろしく」
 
ライラ「わぁ! やっぱりアデルちゃんだったわぁ!」
 
リア「ウィンとエメラにアデル⋯⋯直接会える機会がくるなんてな」
 
 五人のうちの三人に出会い、話もしてしまった。じーんと、その感動を噛み締めていると、アデルの視線に気づく。少年を値踏みするように全身をくまなく見つめ、彼と目が合うとにっこり笑って手を振る。勝ち気なつり目が緩み、開いた口からチャーミングな八重歯が見える。
 やっぱりアイドル。笑顔を向けられるだけで、心臓が高鳴るのを感じた。
 
リア「っ⋯⋯かわいいな」
 
ウィン「精霊くん、ボク推しなんだよね?」
 
リア「うおっ!? びっくりした」
 
 思わず呟いた直後、隣から推しの声がして飛び上がる。顔を向けると、すぐ横にクリクリした目の推しがいてまた飛び上がりそうになる。
 
ウィン「ほら、推しのボクがここにいるよっ?」
 
リア「ふえっ? あ、ウィンはいつもかわいいな」
 
ウィン「ふっふっふ。アデルちゃん、そういうことだから」フフン
 
アデル「張り合わなくていいっつーの」
 
 ため息を吐いて少女は肩を竦める。冗談のつもりなのだろう。得意げに笑っていたウィンは今度はアデルの側に行き、じゃれつきはじめる。
 
ウィン「アデルちゃんの推しは誰ー? ボクっ?」
 
アデル「私よ私。くっつくなっ」
 
リア「オフでもこの仲良しさ⋯⋯」
 
ライラ「有難いわねぇ⋯⋯」
 
エメラ「完全にただのファンだね、二人とも」
 
ユイリ「さてと⋯⋯私はゆっくりしてようかしら」
 
 用意されていた椅子に座り、クロエとシル以外の他メンバーはゆっくり雑談することに。料理上手な二人の手際は相当なもので、そこへ自分が入っても邪魔になることは全員分かっていた。
 リアはというと人がいないか気になって、囲いの出入り口を見に行く。そこへ近づく少女が。
231 : ◆GARzbuxPIs [saga]:2026/09/08(火) 07:25:01.61 ID:u/Uq2MAmO

アデル(フラフラしちゃって好都合⋯⋯♡)
  
アデル「お兄さーん♡」
 
 アデルだ。猫なで声を出しにっこりと笑った彼女。リアが狼狽えた隙に彼の腕を掴んで出入り口の曲がり角、皆から見えない位置へ連れ込む。
 
リア「おわっ。アデルちゃんどうした?」

アデル「お兄さんとお話したくて⋯⋯ダメだった?」
 
 手を両手で握り、上目遣いに問いかけてくる。強気で挑発的な彼女がしおらしく間近で見つめる破壊力はすさまじく、明らかに何かあると少年は分かるのだが、首を横に振ることしかできない。
 
リア「話なら全然大丈夫だ。俺もアデルちゃんと話したいし」
 
アデル「わぁ、嬉しい♡ シルちゃんから昔話を聞いて、お兄さんのこと気になってたんだ」
 
 そう言って手を離し、にっこりと笑うアデル。リアは気づいた。少女の目がまったく笑っておらず、捕食者の――クロエやライラがスイッチ入ったときのような目をしていることに。
 
リア「と、とりあえずみんなのところに戻――」
 
アデル「はい、ストップ♡ どうして逃げようとするの?」
 
 ガッと笑顔のまま壁に蹴りを入れ、脚で進行方向を塞ぐアイドル。こわい。
 
アデル「お兄さん、あたし悲しいなぁ。⋯⋯あ、そっか。対価が必要かな」
 
 片足を上げたまま数秒考え、アデルはなにかひらめいたようだ。リアはこのまま逃亡を強行しようかなどと考えながら、視線を周囲に巡らせた。
 
 
 ↓1 展開判定(いつもの。ゾロ目で特別展開)
 00〜40 強引に抱えて戻る
 41〜80 緑の子が助ける
 81〜99 少し離れた茂みで⋯⋯

232 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2026/09/08(火) 08:38:21.64 ID:rsYt0NZDO
えい
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