【容赦なく、ラジオの電源をいれ、それを全体から見て"右"側の斜め前方へと放り投げた。】 【瞬間、なり始めるのは"Skid row"の"Slave to the Grind"―――ハードなヘヴィ・メタル・チューンだ。】 【ギュオンギュオンとかき鳴らすようなギターの音に、連続したツインドラムの鼓動、そして高音のボーカルが虚空に響いた。】
…………三十秒、それだけあれば十分だわ、私の速度ならばやれるはず。 三人か、分担が大事ね、私は二人やれても最後の一人には反応されてしまう。 無線機を取り出すまでには間に合うとしても銃声なんて出されたら厄介だわ、ギア君、サポートを任せるわ、私もそれに応えて二人までなら何がなんでも無力化する。 UNITED TRIGGERは無能じゃないって、あの人に見せつけてやらないとねっ。