会長「音が紡ぐ笑顔の魔法」
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407: ◆MOhabd2xa8mX[saga]
2020/09/12(土) 14:55:16.37 ID:87Ryfje3O
数十分後、俺達は帰路についていた。
駅のホームのベンチでは全員が何も話すこともなく、俯いていた。

ライブの結果としては普通、良くも悪くも無い。悪ければまだ何かしらの起伏や改善点を発見することが出来ていのだが、俺達メンバーは冷静に、面倒な作業をこなすかのように演奏を終えていた。

このバンドは完全に終わった。
心が離れてしまったのなら俺に取り返す術は無い。

全ては俺自身の責任。
俺以外の全員は主役になることなんて考えてすらいなかった、自由天文部が存続さえしたらそれだけで十分だったのだ。

副会長達にとって男という人間はさぞかし傲慢に見えただろう、その通りだ。
音階の低い歯ぎしりのような音が煩わしくこだまして、やがて無音になる。
地獄に叩き落とされたかのような時間が無限に続いているかのように思えた。

ぷしゅうと扉の開く音がしてからは早かった、電車に乗ろうと立ち上がった頃には同じ音がした。

ホームには俺と……作曲先輩だけが残されていた。



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