10: ◆Rj0X.392Pk
2017/06/04(日) 21:00:55.64 ID:eT+S8Zf10
それからは長い沈黙が訪れた。それ以上追及することが逆に藍子の負担になるのではないかと考えたからである。
それに、彼は気づいていた。藍子が目を見て話すことが極端に少なかったこと。
ただ気落ちしていたわけではなく、まだ真実をすべて話していないこと。
それらを尋ねるのは彼にとっては容易なことだが、それを避けた。
気づけば窓の外では夕陽が沈もうとしていた。
「と、もうこんな時間か」
彼が改めて腕時計を確認すると、時刻は午後6時30分を過ぎたころ。
グラスの中身もほとんどなくなっていたので彼は伝票を取った。
「さ、帰ろうか。明日は藍子が学校あるし」
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