20: ◆Rj0X.392Pk
2017/06/04(日) 21:07:07.68 ID:eT+S8Zf10
「けれど女の子は、私はアイドルになって現実を突き付けられたんです。
―ゆるふわアイドル―
仲の良い友達やプロデューサーさんは言うんです。私といると時間が早く感じるって」
「……っ!」
何度も口にしたことがある言葉だった。
そのたびに彼女はどんな表情をしていたのだろうか。何も思い出すことができない。
でも、笑っていたことは一度もなかった気がする。
「それがすごく嫌だったんです。私は何もしていないのに、勝手に時間が早く流れていく。それでゆるふわだって言われても何も嬉しくありません」
「………………」
「どうして、こんなに苦しまないといけないんでしょうか?」
何と答えればいいのだろうか。彼女の重い悩みに解決策などあるのだろうか。
これがただの友達なら答えないという選択肢を選んでいただろう。
けれど、彼女は担当アイドルで、自身がスカウトしたからこそ、向き合う必要がある。
現実を突き付けた一人の人間として。
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