フロック「悪魔の眷属」
1- 20
13:名無しNIPPER[saga]
2017/07/01(土) 13:18:27.77 ID:6iX1oIEk0


ヒュォォォ…


フロック (ちくしょう、寒いな。体が冷えてきやがった)

ザッ、ザッ、ザッ

フロック (団長の呼吸がさっきよりしっかりしてきた。止血したのがよかったんだな)

背中の団長が生きていることにホッとするなんて、
ついさっきとどめを刺そうとした人間の、なんたる矛盾。

そこかしこに臓物と血をぶちまけて転がっている肉。
ゴードンとか、マルロとかいう名前だったような気もするが、原形をとどめていない今は分からない。

フロック 「……」

フロック 「……」ぶちゅっ

足の下で、やわらかいものが潰れた。そういえばさっき、巨人から逃げるのにボンベのガスを
ほとんど使いきっちまった。

フロック 「しょうがねえな…」ガチャガチャ

しゃがみこんだ俺の背中で、団長が苦しそうに息を吐く。


エルヴィン「……み、にを……して、」

フロック 「すいません、体勢がきつかったですか?」

エルヴィン「……がう、……ス、ぬすん……だ、……か」

フロック 「仕方ないことです。ガス欠ではマリアの壁を越えられません」


また立ち上がって、歩きながらベルトを留め直す。

いつの間に俺は、死体を踏んづけて歩いて、そいつからガスボンベを盗める人間になっていたのか。


エルヴィン「……な、リア……あと、どれ」

フロック 「マリアならもう目の前ですよ」

トリガーに指をかけて、高くそびえ立つ壁を見上げる。

フロック 「……」パシュッ

背中の団長が、空気圧に「ぐっ」と息をつめた。

フロック 「あ、……っ、ああっ!」グルンッ

フロック 「くそっ」パシュッ、ヒュゥッ

団長の体重分、バランスを崩した体が空中で半回転する。あわててワイヤーを射出して、止めた。
壁に片足をかけてなんとか呼吸を整える。

フロック 「……はあっ、はあ、はあ……」

人を抱えて立体起動って、意外と大変なんだな。くそっ、訓練もっと頑張っときゃよかった。



<<前のレス[*]次のレス[#]>>
16Res/18.29 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice