16:名無しNIPPER[sage saga]
2017/08/06(日) 15:46:02.32 ID:FTMglOEQ0
ありす(躊躇いなどなかったはずだった。だって、これは全て私の望んだことだったから。この手を伸ばし、熟睡している文香さんをふみふみするだけで、全部終わり。だというのに、どうしてこうも名残惜しいのでしょう)
ありす「文香さん」
文香「………………」
ありす「これから起こることは、全部悪い夢です。目が覚めたらそれだけで忘れてしまうような、朧気な白昼夢。なにがあっても怖くなんてありません──だって、これは夢なんですから」
ありす(意を決して、文香さんの衣装に手を伸ばす。覚悟は決まった。これから起こる全ての出来事と向き合うだけの想いが、私にはある)
ありす(だから、だから────)
文香「……クスッ、随分と詩的な表現ですね、ありすちゃん」
ありす・モバP「────っ!?」
文香「でも、駄目です……どれだけ高尚な詩を歌っても、語り部の心が汚れていては詩も完成しない……そうですよね、Pさん」
モバP「なん……だと……」
ありす「そ、そんなバカなっ!?睡眠薬入りのアイスティーを飲み干して、こんな短時間で目が覚めるはずが──」
文香「ええ、飲みましたよ……クッキングパウダー入りのアイスティーですけれど」
ありす「うそ……こんなことはありえないっ!!だってちゃんと確認もしたのに!!」
文香「ありえないなんて事はありえない──かの人の言葉は、正に真を突いていたのです」
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