【ミリマス】志保「愛する貴方へ、一生のお願い」
↓ 1- 覧 板 20
37: ◆T4kibqjt.s[saga]
2017/08/17(木) 19:59:09.57 ID:VMeOwtrv0
「うぅ…まだかな…」
自宅なのに妙に居心地を悪くしながら、そわそわして彼を待つ。
38: ◆T4kibqjt.s[saga]
2017/08/17(木) 20:07:24.16 ID:VMeOwtrv0
とうっとりしていたのも束の間、私は小さく頭を振り、彼に詰め寄った。
「…ど、どういう事ですか!?いきなりけっ…結婚だなんて!タイミングという物があるでしょう!?なんでこんな…こんなあっさり…!」
39: ◆T4kibqjt.s[saga]
2017/08/17(木) 20:15:28.00 ID:VMeOwtrv0
「い、要らないなら返せよ!返せバカ!」
「っ!?嫌です!絶対返しませんっ!!」
40: ◆T4kibqjt.s[saga]
2017/08/17(木) 21:36:02.98 ID:xUYh3ry/O
「っはぁ…断られたかと思ったぁー…」
「断る理由なんてありません。タイミングに少々不満はありますが、私のせいでもありますし」
41: ◆T4kibqjt.s[saga]
2017/08/17(木) 21:38:15.20 ID:xUYh3ry/O
『…じゃあな、志保』
42: ◆T4kibqjt.s[saga]
2017/08/17(木) 21:39:43.59 ID:xUYh3ry/O
「おとう……さん…」
43: ◆T4kibqjt.s[saga]
2017/08/17(木) 21:42:49.64 ID:xUYh3ry/O
彼の胸をぐいっと押して距離を取る。少し名残り惜しかったけど、今はもっと大事な事がある。
…少なくとも、私にとっては。
44: ◆T4kibqjt.s[saga]
2017/08/17(木) 21:45:11.89 ID:xUYh3ry/O
「ぁ………貴方は…貴方だけは、私を置いてどこかへ行ったりしないで下さい…!それと、これから生まれてくるかも知れない私達の子に…ずっと…ずうっっっと…溢れる程の…あ、愛情を…注いであげて…下さい…」
「どうか…どう…か…一生のお願いです…うっ……うっ…」
45: ◆T4kibqjt.s[saga]
2017/08/17(木) 21:46:59.72 ID:xUYh3ry/O
それからどれくらい経っただろうか、彼がそっと私の顔を上げさせた。けど何も見えない。何も分からない。
布の様な何かが私の目の辺りに触れた。優しく涙が拭き取られ、徐々に視界がクリアになる。
46: ◆T4kibqjt.s[saga]
2017/08/17(木) 22:46:50.38 ID:VMeOwtrv0
「……あんな事があった志保だ。俺が口で何を言っても心の底から信じては貰えないと思う。…それに、俺には志保の気持ちは分かってやれない」
言葉に、彼の強い悲痛な想いを感じた。その響きが私の心を八つ裂きにする。
47: ◆T4kibqjt.s[saga]
2017/08/17(木) 22:49:00.87 ID:VMeOwtrv0
それからしばらくして。
彼は、私が泣き止むまで頭を胸に抱いてくれ、黙って背中をさすってくれた。
48: ◆T4kibqjt.s[saga]
2017/08/17(木) 22:57:18.28 ID:VMeOwtrv0
「…お風呂で私が言った事ですけど…好奇心半分、本気半分っていう。その本気の方の話です」
「あぁうん。教えてくれるのか?」
49: ◆T4kibqjt.s[saga]
2017/08/17(木) 22:58:24.01 ID:VMeOwtrv0
「…言い忘れたけど、俺からもお願いがある」
「っ!…はい。何でしょう」
50: ◆T4kibqjt.s[saga]
2017/08/17(木) 23:03:16.06 ID:VMeOwtrv0
「…なぁ志保」
彼が突然余裕なさげな表情で私の手首を掴み、寝室の方へ引いてくる。その顔が少し怖かったのと、この雰囲気に当てられた事もあり、ついそのまま流されそうになる。
51: ◆T4kibqjt.s[saga]
2017/08/17(木) 23:04:24.39 ID:VMeOwtrv0
寝室。
優しく肩を押されて、ゆっくりとベッドに倒れ込む。
52: ◆T4kibqjt.s[saga]
2017/08/17(木) 23:06:35.16 ID:VMeOwtrv0
「志保、ほっぺ触ってもいいか?」
「そんな事一々聞かなくてもいいですよ。貴方の彼女なんですから、好きにしてふあはい」
53: ◆T4kibqjt.s[saga]
2017/08/17(木) 23:09:42.56 ID:VMeOwtrv0
「いや、お前が噛むから…!」
「ほら、もっと優しく抱き締めて下さい。早く」
54: ◆T4kibqjt.s[saga]
2017/08/17(木) 23:11:49.55 ID:VMeOwtrv0
私が十四歳の時から始まった幸せな夢。
夢はいつか終わってしまうものだけど、
55: ◆T4kibqjt.s[saga]
2017/08/17(木) 23:29:37.58 ID:VMeOwtrv0
人妻恵美が一人でお留守番するお話に続いてミリオン二作目でした
志保は辛い過去があったからこそ、自分の子供には深い愛情を注いで育てるんだろうなと思います
56:名無しNIPPER
2017/08/18(金) 02:25:10.92 ID:AtcjhTGJ0
素晴らしいものを読ませていただきました。
ありがとうございます。
57:名無しNIPPER[sage]
2017/08/19(土) 20:24:42.09 ID:B14PrmwQo
乙乙
57Res/43.62 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20