10: ◆0PxB4V7kSI[sage saga]
2017/09/08(金) 00:39:16.68 ID:xMQ2bOga0
「あんまり大人数になっちゃうと、まゆさんも疲れちゃうかもしれないから……
そんなに豪勢にしないで……でも、明るく。
紗枝さんとか、小梅ちゃんとか……その辺に声をかけて、みたりする予定……だ。
あ、勿論……先約があったらそっちを優先してほしい、かな」
先約と表現をぼかしてはいるが、要はプロデューサーと二人っきりで約束があるなら
私達は遠慮するさという意味だ。何しろまゆのことである。
既にレストランでディナーなどの約束を取り付けていたとしても、何ら不思議ではない。
だが、返ってきた答えは快諾だった。
「いえ、特に先約はないですよ。ありがとう、乃々ちゃんに輝子ちゃん。
ふふ……まゆがパーティーの主役だなんて、なんだか緊張しちゃいますね。
でも、とっても楽しそう♪楽しみに待ってますよ♪」
「……?」
その、まゆの受け答えに対し、自然に声がこぼれてしまったという感じで輝子が違和感を呟いた。
声色が明るいこと自体は何らおかしくない。おかしくないの、だが……。
「……あれ。まゆさん、なんか……変わった?」
「うーん……そうかもしれません。具体的に、って聞かれると返答に困りますけど……。
まゆは常に、プロデューサーさんのために変わり続けていますから」
「そうか。そうだよね……ゴメン、変なこと言って。気にしないで……くれ」
「……???」
森久保とまゆは輝子の発言の意図を掴みかねていたが、彼女の歯切れの悪い言動は
特段変わったことではないのであまり引っ張らなかった。
そこに、
「お、今日は三人揃ってるんだな」
まだ残暑から冷房を手放すことのできない気温である中でも、
いつものように長袖の黒スーツに身を包んだプロデューサーが事務室に戻ってきた。
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