【ミリマス】君のその指にリースをはめて
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11: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2017/10/05(木) 19:59:25.56 ID:TzvX0Up20

「アンタ、その顔ちょっと待って」

「な、なんだよ伊織? 言いたそうだな」

「一応聞いてあげるけど、プレゼントの当て、あるの?」

そう訊いて来たおでこお嬢さんのその顔は、友人を心配する時に見せる顔。
そうだなここはまた一つ、センスのよさげな贈り物を彼女に相談するべきか。

「言われてパッと浮かんだのが、飯を奢るとか文房具とか……。封を開けてないボールペン?」

「お・バ・カ・!」

「琴葉はアイスが好きだから、業務用アイスの詰め合わせを」

「この寒い中アイスを贈ってどうすんの! 琴葉のお腹を下さす気?」

「ああそっか。……だったらほら、下痢止めと一緒に胃腸薬を――がっ!?」

だがしかし、俺の台詞は途中で伊織に遮られた。

見事に繰り出された手刀が俺のダメ脳細胞をしっかり刺激。
その衝撃はパルスとなり、凝り固まった脳の動きをいい塩梅でほぐしたのだ。


「――まぁ琴葉みたいな女の子ならファッション関係が妥当だな。
形に残り、普段使いできて、センスもよろしいそんな一品。

いつもは大人しく真面目な服の彼女だから、贈るなら少し冒険して……
恵美やエレナが着てるような、アクティブな印象になるようなさ」

「え、ええ」

「もしくはシックな大人路線。風花はちょっと子供っぽいから、参考にするならあずささんか。
そうそう意外に小鳥さんも、私服のセンスが中々で……。バーにそのまま入っても、馴染めるような大人の服を――」

「待って、待って、待ちなさいよ」

「なんだよ伊織、水を差すな。今俺すっげー琴葉考えてる!」

「分かったから私の話も聞きなさい! 一旦落ち着きなさいって言ってるの!」

イライラしている伊織に怒鳴られ、俺は教師を前にした生徒のように両手を膝の上に置いた。
居住まいをキッチリ正してから、伊織先生の次の言葉を待つ。


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