9: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2017/10/05(木) 19:52:50.72 ID:TzvX0Up20
===3.
――んでだ。
『でも返されたって困るのよねぇ。私の指には入らないし』
(そりゃそうだろな)
『もしあれなら、そっちで何かに使ってちょうだい。小道具なんかにもできるでしょ?』
なんてやり取りがその後にあったことにより、
俺の手には行き場を失くした指輪が一つ、転がり込んで来たってワケ。
でもね、正直困ったよ。
金に出来ない相手もいない、持っててなんにも良いこと無し。
「なら私が貰ってあげるわよ」
「やらん! タダでくれてやるには惜しすぎるっ!」
事務所に戻って自分のデスク。
指輪を持て余してた俺にからかうように言ってきた、伊織にフシャっと牙を剥く。
……にしてもアレだ。何やってんだコイツらは?
ひぃふぅ四、五人のアイドルが、色紙なんかを切った貼った。
事務所のあちこちを飾り付け、まるでそう、パーティーの準備をするみたいに。
「はあ? アンタ本気で言ってんの?」
するとだ。現場を指揮している伊織に、見事なまでに呆れられる。
……なんだよぉ。こっちはただ、質問をしただけじゃあないか。
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