20:1[saga]
2019/01/03(木) 23:55:12.21 ID:HLw/mjUv0
「あの…ひょっとしてその手紙に書かれているのは…古代文字ですか…?」
そんな哲也の背後からある青年が声を掛けた。
年歳は哲也と同じくらいか少し上くらいだろうか。
ラフな格好でとてもじゃないが隣にいる木野ほど博識そうには見えない。
それにしてもこの青年はとてもいい笑顔をしていた。
唯一の肉親である姉を失った哲也にしてみればそれが少々恨めしくも思うくらいだ。
元々哲也もこの青年ほどでもないが陽気な性格の持ち主だった。
だが姉の死後、哲也から笑顔は失われた。
そのせいで他人の笑顔を拝むのがどうしても煩わしく思えてしまった。
「え〜と…この文字の内容がわかるんですか…?」
「うん、そうだね。俺はわからないけど…
知り合いに大学の考古学者がいてその人ならわかると思うんだ。」
その話を聞いて哲也は思った。
さすがに初対面の青年を頼るのはどうかと疑ってしまった。
木野のような頼もしい人ならいい。
だが見るからに軽薄そうでおまけにどんな人間かもわからない男を信用していいのか?
思わず疑いの目を向けてしまった。
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