“らしくない私たち” に 祝福と喝采を
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16:名無しNIPPER[saga]
2019/07/01(月) 23:49:49.92 ID:j/IZGaDe0

「──でもね、それだけが全てではないの」

耳元で聞こえた囁き。きゅっと、あたたかい感触が私を包んだ。
千早さんが、後ろから抱きしめてくれたんだ。

「……ぇ、えぇ!?ち、千早さん!?」

 びっくりしてすぐに振り返ろうとしたけど、すぐ真横に千早さんの顔があった。本当にすぐ近くで、千早さんの呼吸を感じ取れそうで……私は固まっちゃった。

「ねぇ、未来。確かに責任を果たす事も期待に応える事も、どちらもすごく大切なこと……すごく大切なことなんだけど、でもそれらはきっと一番じゃない、って私は思ってるの」

「……え、一番じゃ、ない……?」

「えぇ、そう。アイドルにとっての一番は『希望を届ける事』だと思うの。ミスをしてへこんでいても、めげそうな時でも──いえ、そういう時だからこそ、アイドルは笑顔でいなければならないの」

「だって、周りの人を笑顔にする、希望を届ける──それこそがアイドルなんだから」

「……千早さん」

周りの人を笑顔に、希望を……。

「──ふふ♪ なんて偉そうな事言ってるけどね、私だってそれを教えられた側なのよ? 貴女もよ〜く知ってる娘達にね」

「……それって、春香さん達のこと、ですよね」

「そうよ。春香達と、音無さん、社長……それに、プロデューサーも。みんなが私に教えてくれた」



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