“らしくない私たち” に 祝福と喝采を
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15:名無しNIPPER[saga]
2019/07/01(月) 23:48:31.01 ID:j/IZGaDe0

───────────────────side:春日 未来

 私のごめんなさいを聞いた千早さんは、何秒かかけてゆっくりと瞬きをした後、私をまっすぐに見つめてこう言った。

「そうね──それを私に言われても困るわ。そもそも謝る相手が違うでしょう?」

「ぇ、は、はぃ……」

さっきまでとは違う、少し厳しめの声。あれ、もしかして、怒ってる……のかな?

「しかも、同じようなミスをもう三度。肝心の本番もミスを気にして結果を残せなかった」

「そして、失敗したなら失敗したで、それを次に挽回することもせず、与えられた責任と期待に応えることもないまま、アイドルを辞めたいか……」

「そうね、その程度の覚悟では確かにアイドルに向いてないわね──いっそ辞めた方が賢明だとも思うわ」

「…………ぁぅ。はぃ、そう、ですよね……」

 そこから次々と浴びせられた、あまりにも厳しい言葉たち。そのあまりの切れ味に何かを言い返す気力すらも湧いてこない。どんどん顔が下を向いてっちゃう。
 だって、全部本当の事なんだもん……でも……だけど……。

──結局私も黙って、千早さんもしゃべらない。

 そんな時間がどれくらい経ったんだろう。何分もそうしていた気もするし、実際は何十秒っていう短い間だったのかもしれない。

 終わりは、いきなりやって来た。



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