呆れメロス
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13:名無しNIPPER[saga]
2019/12/06(金) 23:43:55.74 ID:o9kFpOMF0

そしてパソコンを立ち上げた瞬間、不吉なTwitterDM通知を目にはさんだ。

「いまごろは、あの男、職場に電話されてるよ」

ああ、その男、その男はどうでもいい。

私は、いま、なろう小説を否定するためにこんなに呆れているのだ。

その男は死んでもいい。

だから急げ、メロス。おくれてはならぬ。

愛と誠となろうへの愚弄の力を、いまこそ知らせてやるがよい。


風態なんかは、どうでもいい。メロスは、いまは、妹のパンティーを顔にうずめて、他は全裸であった。

呼吸も出来ず、二度、三度、口から唾が噴き出た。

見える。はるかTwitterのDMに小さく、通知の文字いくつかが見える。

「ああ、メロス様」

うめくような個人DMが、風と共に目に入った。

「誰だ」メロスは震える手でPCをつついて尋ねた。

「フィロストラトスでございます。貴方のお友達、セリヌンティウスはホモの師匠でして、私がサオ役でございます」

若い石工らしく、メロスは嗚咽し「あいつホモだったのか!」と返答しながら叫んだ。

「もう、駄目でございます。むだでございます。なろう王のグルチャに戻るのは、やめて下さい。もう、あの方をお助けになることは出来ません」

「いや、戻る気はない」

「ちょうど今、あの方は職場に連絡され、僕とのホモ情事をバラされるところです。ああ、あなたは遅かった。おうらみ申します。ほんの少し、もうちょっとでも、早かったなら!」

「いやだから、戻る気はない」

メロスは胸の張り裂ける思いで、窓の外の赤く大きい夕陽ばかりを見つめていた。

こうなればもう、いち早くアカウントを消して、なろう作家をバカにする他は無い。

「やめて下さい。アカ消しは、やめて下さい。これ以上、私とセリヌ師匠の美しいゲイ関係を荒らさないでください。けどあの方は、あなたを少しだけ信じておりました。なろう作家が職場に連絡しても、平気でいました。王様が、さんざんあの方をからかっても、メロスはクズです、とだけ答え、まぁちょっとだけ信じてやろうか、と寛大に持ちつづけている様子でございました。」

「それだから、アカを消すのだ。そもそも信じられてないし、あいつホモだからアカを消すのだ。間に合う、間に合わぬは問題でないのだ。なろう王も問題でないのだ。私は、なんだか、もっと恐ろしく大きいもののために、なろうを批判するのだ。ブロックする! フィロストラトス」

「ああ、知ってはいたけど気が狂ったか。それでは、うんとなろうを批判するがいい。ひょっとしたら、世間も分かってくれるかもしれない。」

言うにや及ぶ。なろうを沈めてやる。最後の死力を尽して、メロスはなろう王を批判するスレッドを立ち上げた。

メロスの頭は、からっぽだ。何一つ考えていない。

ただ、わけのわからぬ大きな力にひきずられて、あらゆる暴言を吐きながら罵倒コメントでなろうを批判し、まとめサイトに載せた。




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