【デレマス】夢見りあむの、尊さについて。
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33: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2020/02/10(月) 01:20:56.50 ID:CDwt0mRk0

 時間の感覚は麻痺していた。だから、Pサマがやってきたのが、それから十分後なのか二十分後なのか、はたまた一時間後だったのか、どうにも曖昧の中へと沈んでいる。
 ぼくはゲロの海の中に沈んでいた。つんとした刺激臭が鼻を刺す。それでも動く理由にはならなくて、髪の毛や肌を掻き毟りたくなる衝動を必死に抑えるので精一杯。
 Pサマはそんなぼくを一目見て、「ひでぇな」とぽつり、呟いた。その意見にはぼくも同意だった。

以下略 AAS



34: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2020/02/10(月) 01:21:57.13 ID:CDwt0mRk0

「ごめんね。ごめんなさい。Pサマ、ぼく、アイドルやりたくない。やれない。やれないよぅ。もうやだ。こんな思いするなら、アイドルなんてやらなきゃよかった。Pサマのスカウト、断ればよかった」

 顔が熱い。視界が歪む。
 泣きたくなんてないのに、悲しくも悔しくもないのに、そのはずなのに、涙が零れて止まらない。ぽろぽろぽろぽろゲロへと落ちる。
以下略 AAS



35: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2020/02/10(月) 01:23:20.45 ID:CDwt0mRk0

 肌に触れているのはPサマのコート。くたびれた、しわくちゃの、小汚い。その内側には男性的な、少し筋肉質の肉体が感じられる。ぼくのおっぱいがPサマの胸板で潰れていて、起き抜けだったから下着をつけていないことを思い出したけど、恥ずかしさは不思議とあまりない。

 ぼくが背中に手を回したので、密着度合いは一気に増している。Pサマの右手がぼくの後頭部へ、左手がぼくの右肩へ、それぞれ痛いくらいの力。

以下略 AAS



36: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2020/02/10(月) 01:24:48.54 ID:CDwt0mRk0

「駆け出しの、五人だったころからだ。途中、一人が辞めたいと言った。自分がしたかったのは、こんなことじゃないと。俺は止めた。他の四人も止めた。だけど、あいつは結局辞めちまった。
 ……違うんだ。わかってるんだ。俺も、他の四人も、本気で止めながらも、止める気なんてなかった。辞めることは知っていた」

 ぼくは脳内のデータベースを漁る。……確か、辞めた理由はぼかされていたはずだ。
以下略 AAS



37: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2020/02/10(月) 01:26:23.79 ID:CDwt0mRk0

「だけどそんなもんじゃねぇのか。アイドルに限ったことじゃねぇだろう。どんな仕事だってそうだ。誰かがやりたくないことをやって金がもらえる。違うか。りあむ」

「違うよ、Pサマ」

以下略 AAS



38: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2020/02/10(月) 01:27:58.75 ID:CDwt0mRk0

「ははっ」

 Pサマはぼくの言葉を受けて笑った。普段無愛想な顔が、いまは耳の後ろにあって見えないけれど、きっと、多分、確実に、絶対、満面の笑みを浮かべているようだ。

以下略 AAS



39: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2020/02/10(月) 01:29:12.02 ID:CDwt0mRk0

「やりたくないことをやらなきゃいけねぇばっかりの世の中に、りあむ、お前みたいなヤツが一人くらいいたっていい。嘘も偽りもない、ゴミクズみてぇな自分を曝け出せるダメ人間がいたっていい。
 夢見りあむが夢見りあむであるままステージで光を浴びたなら、それは……それは、なぁ、りあむ。聞いてくれ。お願いだ」

「うん、うん。聞いてるよ。Pサマ、ぼく、聞いてるから……!」
以下略 AAS



40: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2020/02/10(月) 01:29:58.91 ID:CDwt0mRk0
――――――――――
リハビリ。
ここから先は、ゲームの中で。

待て、次作。


41:名無しNIPPER[sage]
2020/02/10(月) 10:34:25.03 ID:v97Bc1zeo
おつおつ
自分のイメージするりあむとばっちりハマってなんかもう…尊い
復帰ありがとう


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