サイタマ「先公は引っ込んでろよ」ぬ〜べ〜「生憎、仲間を見捨てては置けなくてな」
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12:名無しNIPPER[sage saga]
2020/12/31(木) 21:53:29.41 ID:IyzTPP2HO
「ちょっと、何やってんのよアンタたち」

立ち込める蒸気が晴れると陽炎に揺れるひとりの少女が浮かんでいた。怒髪天を衝いている。

「君は……新入生のタツマキくん……?」
「やべ。逃げるぞ、フブキ」
「そ、そうね……今のうちに」

潜入任務で仕方なく小学生を演じていたタツマキの苦労を、サイタマとフブキは台無しにしてしまった。即座に逃亡を図るも、戦慄する。

「どこに行こうっての? 仲良く、あの世?」

一瞬で目の前に出現したタツマキが説教する。

「この私が小学生の中に混じって調査してるって言うのに、アンタたちときたらひとの目と鼻の先どんぱちを始めて……馬鹿にしてるわけ?」
「悪い悪い。でも、似合ってたぜ、小学生姿」
「そ、そう? 別に嬉しくないけど……まあ、今回の失態には目を瞑ってやってもいいわ。おかげで、あの先生の正体も掴めた。あれは鬼ね」

タツマキの鋭い眼光が鬼の手を射抜き、問う。

「ねえ、あなた……鵺野先生とか言ったかしら? あなたはその手でいったい何をしているの?」
「俺はただ守りたいものを守っているだけだ」
「その力は人間には過ぎた力よ」
「無論、承知の上だ。この左手の鬼は中と外から厳重に封印してある。一般人に害はない」
「本当にそう言い切れるかしら? もし暴走したら? あなたはその鋭い鉤爪で自分の生徒を傷つけることになるかも知れないのよ?」
「俺は、自分の生徒を絶対に傷つけない!!」

話にならないとばかりにタツマキは嘆息する。
その仕草はやはり、到底子供のものとは思えず、ぬ〜べ〜はかねてよりの疑問を尋ねた。

「タツマキくん……君は、いったい……?」
「私は戦慄のタツマキ。ヒーロー協会に所属するヒーローで、序列は2位。そしてこの世からありとあらゆる怪人を駆逐する存在よ!!」

タツマキのクルクルの髪の毛がふわりと持ち上がった次の瞬間、不可視の呪縛によってぬ〜べ〜は身動きが取れなくなった。超能力だ。


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