サイタマ「先公は引っ込んでろよ」ぬ〜べ〜「生憎、仲間を見捨てては置けなくてな」
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5:名無しNIPPER[sage saga]
2020/12/31(木) 21:32:46.30 ID:IyzTPP2HO
「な、なんだよ、びひらせようったってそうはいかねーぞ! 俺は怪人なんて怖くねえ!」
「なら、もう少しだけ詳しく話してやろう」

金田勝の目の前に佇み、ぬ〜べ〜は補足した。

「その怪人は『ハゲマント』と呼ばれている」
「ハ、ハゲマント……?」
「ああ、そうだ。その名の通り、ハゲ頭の怪しい男が真っ白いマントを羽織っているらしい」
「はは! こりゃ傑作だ! そんな奴のどこが怖いんだよ! 大袈裟にも程があるだろうが!」

金田勝の嘲笑につられて、教室内が弛緩する。
思いがけず同業者の名前が飛び出して、タツマキも動揺を禁じ得ない。何をやっているのか。
よもや怪人呼ばわりとは思いもよらなかった。

「しかし、ハゲマントは驚くほどに強い」
「そんな奴がつえーわけねえだろ!」
「全ての被害者がワンパンで倒されていてもか? それでもお前は強くないとそう思うか?」
「は?」

ワンパン。つまり、パンチ1発である。
例外なく、ワンパンで被害者は倒された。
全員が不意に急所を突かれたわけではない。
身構えていても抗うことの敵わない、暴力。

「たとえば先生がデコピンしたとする」
「お、おい、やめろよ」

ピンッ!と、ぬ〜べ〜が金田の額を弾く。

「これでお前はお陀仏だ」
「そ、そんな、馬鹿な……」
「実際に被害者が出ている。だから用心しろ」
「わ、わかったよ」
「よし、良い子だ」

いつの間にか、弛緩した空気は霧散して。
ぬ〜べ〜の忠告に金田はコクコクと頷き。
改めて、鵺野鳴介は全員に周知徹底した。

「みんなもわかったか? ハゲマントには近づくな! わかったならよし。授業を始める!」

SHRに引き続き授業が始まり、小学生を対象とした授業など聞く必要のないタツマキは窓の外へと視線を向け、無用な警戒を生み出した元凶である同業者を向かいの校舎の屋上に発見して、恨みがましい眼光を放ち、睨みつけた。


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