式波・アスカ・ラングレー「忘れられない人」
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4:名無しNIPPER[sage saga]
2021/03/30(火) 22:14:01.30 ID:sYBNk+YYO
「そう言えば碇とはキスくらいしたのか?」
「はあっ!? な、何言ってんのよ!?」

ふと気になって訊ねると、式波は盛大に取り乱して、ようやくワンダー・スワンを手放してこちらに隻眼を向けた。顔が妙に赤い。

「なんでアタシがバカシンジなんかと! そんな破廉恥なことするわけないでしょ!?」
「いや、深い意味ない。ただしとけばこっちとしても気が楽だったのにと思っただけさ」

そう言うと、式波は微妙な顔になって問う。

「それ、どういう意味?」
「逃した魚は大きく見えるってこと」
「逃した魚ってバカシンジのこと?」
「一度釣り上げて、こんがり焼いて胃の中に収めておけば、良い思い出になっただろう」

そんな持論を述べると、式波はますます嫌そうな顔をして、おえっとえずき始めた。
それを見て笑い、背中を叩いてやった。

「エヴァパイロットの胃袋がそんなに軟弱なわけないだろ。なんなら俺が代わろうか?」
「ケンケンをエヴァに乗せるくらいなら、ゲロ塗れになってでもアタシが乗るわよ」

憎まれ口の中に優しさを見つけるのはもう癖のようなもので、それを見つけるたびに俺の式波に対する愛情は深く大きくなっていく。


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