7:名無しNIPPER[sage saga]
2021/03/30(火) 22:19:10.05 ID:sYBNk+YYO
「ケンケンには居るの?」
「ん? 何が?」
「忘れられない人」
「そりゃあ、たくさん居るさ」
ニアサーを生き延び、その後不慮の事故で呆気なく死んだ父親のことや、腐れ縁のトウジや、妙な縁で半同棲している式波。そして。
「今は碇に1番会いたいかな」
あの時、何も出来なかった自分とは違い、少しは手助けが出来るようになったことを碇に知って欲しい。そして、頼って欲しかった。
「忘れられない人」
ぽつりと式波が呟いた。ゲーム機から鳴り響く電子音がゲーム・オーバーを告げている。
エヴァパイロットにしては珍しく、集中力を欠いているようだ。逃した魚はそれほど大きく見えるのだろう。言わんこっちゃない。
「燃えるようなキスでもしてくれば?」
「チッ……骨まで燃やし尽くしてやる」
怖い怖い。碇。しばらくは戻らないほうが良さそうだ。でもきっと、お前は良い奴だから、どんな大火事の中でも飛び込むだろう。
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