阿良々木月火「もうお兄ちゃんうるさい!!」阿良々木火憐「ぶっ飛ばすぞ!!」
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5:名無しNIPPER[sage saga]
2021/07/13(火) 22:59:51.53 ID:BpNphpLIO
「昔の僕はどうしようもないほど僕だった」

まだ妹たちが小さい頃、僕は妹たちにとって良い兄であろうとした。今と違って、絶対的な正義とやらを信じていて、そしてそれを貫き通すことが出来るとそう思っていたが、基本的には僕は僕であり、それは変わらない。

「つまり、格好つけていたんだ」
「かかっ。今の主人さまと同じく、か」

格好つけても様にならないという事実を受け入れてからはそこまで自意識に苛まれることもなくなったが、まだ自意識を客観視出来ない子供というのは文字通り怖いもの無しだ。

「正義を掲げる限り負けることはないと思っていたし、もちろん正義は必ず勝つと信じていた。この世には明確に正義と悪の線引きがしてあって、それをはっきりと見分けることが可能だと自惚れていた。そんな僕に憧れた妹たちは結果的にあんな風に歪んだわけだ」

懺悔のように打ち明けると忍は頭を撫でて。

「儂の曇りなき眼には少なくとも歪んでいるようには映っとらん。むしろ真っ直ぐ育ち過ぎたと言ったほうが適切じゃろうて」

忍の言う通り、妹たちは真っ直ぐ育った。
竹の子のようにすくすくと、真っ直ぐに。
いくら高みを目指しても太陽がないのに。


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