阿良々木月火「もうお兄ちゃんうるさい!!」阿良々木火憐「ぶっ飛ばすぞ!!」
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6:名無しNIPPER[sage saga]
2021/07/13(火) 23:04:49.94 ID:BpNphpLIO
「僕は肝心なことを妹たちに教えなかった。どれだけ正しいことをしても正義の味方にはなれない。正しいことをすればするほど、その振る舞いは"悪党"じみてくるってことを」

突き詰めれば、全ては極論へと行き着く。
100人救うために1人を犠牲にしようとか、或いは1人を救うために100人を犠牲にするだとか。
その善し悪しなど誰にも判断などつかない。
あるのは立場だけで、状況に応じて立ち居振る舞いを変えるだけ。まるで悪党のように。

「僕は妹たちを悪党にしたくなかった。けれど、正義を掲げる妹たちは敵対する相手からすればどうしようもないほどに、悪だった」

栂の木二中のファイヤー シスターズ。
その異名ならぬ悪名が轟き始めて、妹たちがまるで世直しのようなことをやっていると知った僕は後悔した。その振る舞いを悪びれない妹たちを生み出した自分自身を軽蔑した。

「そこで妹御を軽蔑せんのは流石お優しい我が主人さまと言ったところかの」
「誰かを軽蔑する資格なんて僕はこの地球上で何者も持ち得ないとそう思う」

誰だって、清廉潔白というわけではなくて。
にも関わらず、人を悪しざまに言うことや。
人の行いに眉を顰めるくらいなら眉を剃る。

「これこれ、極論はよさんか。儂は存外、我が主人さまの眉毛を気に入っておるのに」
「望外の喜びだな」

なかなかルックスを褒めて貰う機会がない僕は大いに喜んで、話を続けた。冒頭に戻る。


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